JP2013075042A - 脚部関節角度測定装置、歩行補助装置及び脚部関節角度測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脚部の関節角度を計測する装置において、ノイズなど様々な要因によって蓄積される誤差の解消を行う。
【解決手段】本発明の実施形態に係る脚部関節角度測定装置は、脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して歩行時における1周期分の関節角度の時間変化を示す関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】本発明の実施形態に係る脚部関節角度測定装置は、脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して歩行時における1周期分の関節角度の時間変化を示す関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、ユーザーが歩行を行う際、アシスト力を付与することで補助する歩行補助装置、あるいは、人体の動きを追跡するモーションキャプチャー装置などにおいて、脚部の関節角度を測定する脚部関節角度測定装置、関節角度測定方法、並びに、脚部関節装置を利用した歩行補助装置に関するものである。
近年、ユーザーの体に装着して、ユーザーの脚部、腕部などの可動部に対してアシスト力を付与する補助装置が開発されている。このような補助装置では、高齢者や身障者の歩行、動作を補助する装置として利用されることが期待されている。また高齢者などに限らず、宅配業者など重い荷物を運ぶ作業者に対する補助装置としても利用することで、作業者に対する負担を軽減することが期待されている。
このような補助装置として特許文献1には、生態信号検出手段が検出した筋電位信号に基づいてモーターなどのアクチュエーターを駆動することで、装着者の意志によってアシスト力を付与する動作補助装置が開示されている。
このような動作補助装置においては、装着者のとる体勢に基づいて制御を行う必要があるため、物理現象検出手段により関節角度の検出が行われている。検出した関節角度、そして、装着者の筋電位信号に基づいて駆動源(モータ)を駆動してアシスト力が加えられる。
一方、特許文献2には、リハビリ回復具合の調査、人体の運動解析を目的として関節がどのような動きをしているのかを測定する検出装置が開示されている。この検出装置では、角速度を検出するジャイロスコープが、人体の特定位置に位置決めされることで、人体の動作、位置を検出可能としている。
このように特許文献1に記載されるような歩行補助装置では、脚部の関節正確な取得は、ユーザーの歩行に付加されるアシスト力の制御において重要となる。また、コンピュータグラフィックスの分野では、人体に取り付けたセンサーに基づいて、人体の動きを取得し、コンピュータグラフィックスの動きに適用することも行われている。このようなモーションキャプチャー装置においても、人体の動きを正確に取得することは重要である。
本発明は、このような状況を鑑みたものであって、人体の動きの正確な取得、特に脚部の関節角度を正確に取得することを目的としている。
本発明の実施形態に係る脚部関節角度測定装置は、
脚部の複数の関節について、歩行時における1周期分の関節角度の時間変化を示す関節角度データを記憶した記憶部と、
脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーと、
前記センサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して前記記憶部に記憶する関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正する関節角度修正処理を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする。
脚部の複数の関節について、歩行時における1周期分の関節角度の時間変化を示す関節角度データを記憶した記憶部と、
脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーと、
前記センサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して前記記憶部に記憶する関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正する関節角度修正処理を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする。
さらに本発明の実施形態に係る脚部関節角度測定装置において、
前記関節角度修正処理は、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する角度を徐々に修正することを特徴とする。
前記関節角度修正処理は、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する角度を徐々に修正することを特徴とする。
さらに本発明の実施形態に係る脚部関節角度測定装置において、
前記制御部は、前記センサーが検出する関節角度に基づいて関節角度データを取得し、前記記憶部に記憶させるデータ取得処理を実行することを特徴とする。
前記制御部は、前記センサーが検出する関節角度に基づいて関節角度データを取得し、前記記憶部に記憶させるデータ取得処理を実行することを特徴とする。
また本発明の実施形態に係る歩行補助装置は、
ユーザーの脚部に装着されアシスト力を加えることでユーザーの歩行を補助する歩行補助装置において、
支持部を駆動するアクチュエーターと、
前記支持部をユーザーの脚部に固定する装着部と、
脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーと、
アシスト処理と、関節角度修正処理を実行する制御部と、を備え、
前記アシスト処理は、前記センサーが検出した関節角度に基づいて、前記アクチュエーターを駆動してユーザーの脚部にアシスト力を加え、
前記関節角度修正処理は、前記センサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して前記記憶部に記憶する関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度が、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することを特徴とする。
ユーザーの脚部に装着されアシスト力を加えることでユーザーの歩行を補助する歩行補助装置において、
支持部を駆動するアクチュエーターと、
前記支持部をユーザーの脚部に固定する装着部と、
脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーと、
アシスト処理と、関節角度修正処理を実行する制御部と、を備え、
前記アシスト処理は、前記センサーが検出した関節角度に基づいて、前記アクチュエーターを駆動してユーザーの脚部にアシスト力を加え、
前記関節角度修正処理は、前記センサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して前記記憶部に記憶する関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度が、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することを特徴とする。
また本発明の実施形態に係る脚部関節角度測定方法は、
脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して歩行時における1周期分の関節角度の時間変化を示す関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することを特徴とする。
脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して歩行時における1周期分の関節角度の時間変化を示す関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することを特徴とする。
本発明の脚部関節角度測定装置、方法によれば、複数のセンサーに基づいて検出される関節角度を、事前に取得した関節角度データと対比することで、誤差の生じている関節を割り出し、関節角度データに基づいて誤差の初期化を行うことで、ユーザー自身による初期化操作などを行う必要が無く自動で誤差を初期化することが可能になると共に、関節角度の測定精度の向上を図ることが可能となる。
また、本発明の脚部関節角度測定装置、方法を歩行補助装置に適用することで、精度の向上が図られた関節角度を利用した制御を行うことが可能となり、検出した関節角度に基づいて適切なアシスト力を付与することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係る歩行補助装置の構成を示す図であって、図1(a)は、歩行補助装置を装着したユーザーの側面図、図1(b)は、その正面図となっている。本実施形態の歩行補助装置10は、ユーザーの体躯に固定して用いられる形態であって、左右大腿部、左右下腿部にアシスト力を加えることで歩行を補助する。主な構成としては、体躯装着部11、制御ユニット100を備え、左右それぞれに、大腿支持部12、大腿装着部13、下腿支持部14、下腿装着部15、踵回動部23、足底部16、腰部アクチュエーター21、膝部アクチュエーター22などを備えている。
腰部アクチュエーター21は、大腿支持部12を図1(a)に示す方向に回動可能とするとともに、同方向にアシスト力を加えることが可能となっている。さらに、本実施形態では、図1(b)に破線で示すように股を開く方向に対しても回動可能、かつ、アシスト力を加えることとしている。大腿支持部12は、大腿装着部13によってユーザーの大腿部に装着される。腰部アクチュエーター21にて加えられるアシスト力は、ユーザーの大腿部の動作補助を行うこととなる。
膝部アクチュエーター22は、下腿支持部14を図1(a)に示す方向に回動可能とするとともに、同方向にアシスト力を加えることが可能とされている。下腿支持部14は、下腿装着部15によってユーザーの下腿部に装着される。膝部アクチュエーター22にて加えられるアシスト力は、ユーザーの下腿部を動作補助する。
踵回動部23、足底部16を回動可能に支持する部材である。下腿支持部14に連なる足底部16が足底に対して固定された場合、歩行が不安定となるが、この踵回動部23を回動可能とすることで、人体の動きにあわせることができ、歩行を安定させるとともに、歩行補助装置10の装着を安定させている。なお、本実施形態では、この踵回動部23は、人体の動きに連動して回動するのみで、アシスト力を加えていないが、この踵回動部23に対しても腰部アクチュエーター21などと同様、アシスト力を加える構成としてもよい。
体躯装着部11に固定されている制御ユニット100は、各種センサーからの出力に応じて、腰部アクチュエーター21、膝部アクチュエーター22にアシスト力を加える。アシスト力を加えるために用いられるセンサーとしては、大腿部、下腿部などに貼付した筋電位センサーや、関節角度を計測する関節センサーなどを用いることが考えられる。各アクチュエーターに対するアシスト力を加える制御方法は、各種センサー、各種アルゴリズムを用いて適宜に設計したものを採用することができる。
図2は、本発明の実施形態に係る歩行補助装置の制御ブロックを示す図である。本実施形態では、左右脚部について、体幹に対する下腿部の関節角度を検出する股関節センサー21c、d、大腿部に対する下腿部の関節角度を検出する膝関節センサー22c、d、下腿部に対する足部の関節角度を検出する足関節センサー18a、bが設けられている。制御ECU101(制御部)は、これら関節センサーの出力信号に基づいて体躯の動きを予測し、アシスト力を加えることとしている。また、各足底部26には、足裏センサー17a、bが設けられており、足の裏が地面についた立脚状態であるか、地面から浮いた遊脚
状態を取得することが可能とされている。足裏センサー17は、さらに、足裏の荷重分布などを取得することとしてもよい。制御ECU101(制御部)は、各アクチュエーター21、22付近に設けられた関節センサー、並びに、足裏センサー17からの出力信号に基づいて、各アクチュエーター21、22に対してアシスト力を付与してユーザーの方向を補助する。なお、各アクチュエーター21、22は、図示しないバッテリーからの電力供給を受けてアシスト力を発生することとしている。
状態を取得することが可能とされている。足裏センサー17は、さらに、足裏の荷重分布などを取得することとしてもよい。制御ECU101(制御部)は、各アクチュエーター21、22付近に設けられた関節センサー、並びに、足裏センサー17からの出力信号に基づいて、各アクチュエーター21、22に対してアシスト力を付与してユーザーの方向を補助する。なお、各アクチュエーター21、22は、図示しないバッテリーからの電力供給を受けてアシスト力を発生することとしている。
また、本実施形態の制御ユニット100には、歩行補助装置10を装着したユーザーの周囲を検出する各種周囲センサーが設けられている。周囲センサーとしては、発光素子と、当該発光素子から発光された光の反射光を受光し、周囲の障害物を検出する光センサー31、ユーザーの前方、後方の様子をそれぞれ撮影する前方カメラ32a、後方カメラ32b、衛星からのGPS信号を受信し、歩行位置を検出するとともに、地図情報を参照することでユーザーを目的地に導くナビモジュール、インターネットなどの通信網に接続し、各種情報を取得する無線モジュールなどがある。なお、前方カメラ32a、後方カメラ32bは、それぞれについて2つのカメラユニットを設けることで外界を立体的に撮像し、障害物までの距離を算出可能としてもよい。
この他、各種設備に設置され、当該位置の位置信号を送出する狭エリア位置確認システムのための受信モジュール35が設けられている。この狭エリア位置確認システムとしては、例えば、LED照明などの照明駆動信号中に、当該位置の位置信号を含ませておき、照明光から位置信号を抽出することで位置を確認するシステムや、あるいは、室内GPSなど室内における位置確認システムなどが考えられる。
以上、本実施形態では、歩行補助装置10に対して、このような各種周囲センサーを設けたことで、安全な歩行補助を行うことのみならず、目的地までのルート案内や、各種情報をユーザーに提供することが可能となる。なお、各種情報の確認は、制御ユニット100に接続される拡声装置、表示装置などで音声、画像出力することとしてもよいし、制御ユニット100と無線あるいは有線で接続された携帯情報端末(図示せず)に対して音声、画像出力することとしてもよい。
では、本発明の実施形態に係る脚部関節角度測定装置について、図1に示される歩行補助装置10に適用した場合を例にとって説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る歩行補助装置を装着したユーザーの歩行の様子を示す図である。ここでは右脚部の構成について説明する。本実施形態の脚部関節角度測定装置は、図に示されるように体幹51と右大腿部52が形成する股関節角度を股関節センサー21dにて、右大腿部52と右下腿部53が形成する膝関節角度を膝関節センサー22dにて、そして、右下腿部53と右足部54が形成する足関節角度を足関節センサー18bにて検出することとしている。
図4には、本発明の実施形態に係る関節センサーを示す図が示されている。ここでは大腿部と下腿部が形成する膝関節角度の計測について説明する。図4には、図1に示される大腿支持部12と下腿支持部14を回動可能に接続する回動部40を示している。この図に示されるように大腿支持部12と下腿支持部40とは、1つの軸で回動可能とする回動部40によって接続されている。このような1軸で接続された形態では、回動部40に設けられたロータリーエンコーダーなどを用いることで膝関節角度αは、比較的簡単な構成で、また簡単な処理で取得することが可能である。
関節センサーは、このように1つの回転軸の回転角度にて直接検出する形態に限らず、各種形態を採用することが可能である。図5には他の実施形態に係る関節センサーの形態
が示されている。
が示されている。
歩行補助装置10の応用に伴う人体の動きの解析が進むに従って、人体の関節をこのような1軸の回動で賄うことに限界が生じてきた。そのため複数軸の回動でもって人体の動きに追従させる回動部40が開発されている。
図5は、このような複数軸(この場合2軸)の回動を利用した回動部40が示されており、図4と同様、大腿支持部12と下腿支持部14を回動可能に接続した回動部40となっている。本実施形態の回動部40は、第1ギア部41と、第2ギア部42と、支持プレート43を備えて構成されている。第1ギア部41は大腿支持部12の先端に設けられ、下腿支持部14の先端に設けられた第2ギア部42とかみ合うことで回動可能とされている。支持プレート43は、第1ギア部41の回動中心と第2ギア部42の回動中心を回動可能に支持している。
このような複数軸による回動部40では、図4で説明した回動部40と比較して、人体の複雑な関節の動きに追従させることが可能とされている。このような構成においても関節角度を取得することは、歩行補助装置10などに対する制御において重要となる。しかしながら、このような複雑な機構を有する回動部40において、直接、ロータリーエンコーダーなどを用いて関節角度を取得することは困難な構成となっている。そのため、本実施形態の関節角度測定装置では、大腿支持部12、下腿支持部14のそれぞれに角度検出用センサー24、25を設置し、これらの出力に基づいて関節角度αを取得することとしている。すなわち、角度検出用センサー21、22でもって膝関節角度を検出する角度センサーが構成されることとなる。
本実施形態の角度検出用センサー24、25は、それらが取り付けられた大腿支持部12と下腿支持部14が形成する関節角度αを算出できる信号を出力するものであればよく、例えば加速度センサーを利用することができる。加速度センサーの出力を積分することで、速度並びに位置を取得することができる。大腿支持部12と下腿支持部14の相対的な位置値を特定することができれば、角度検出用センサー24、25の取り付け位置に基づいて、関節角度αを算出することが可能となる。
角度検出用センサー24、25は、このような形態に限られるものではなく、例えば、地磁気センサーや重力センサーなど、所定の方向を特定できるセンサー類であってもよい。所定の方向に対して各角度検出センサー24、25がとる方向を得ることで、両者の角度関係、すなわち、関節角度αを算出することが可能となる。なお、本実施形態では、紙面上のみに回動可能な回動部40について説明したが、回動部40は、立体的に回動、すなわち、紙面手前あるいは奥行き方向に対しても回動可能な構成としてもよい。
以上、図4を用いた関節センサーでは、ロータリーエンコーダーなどで構成される関節センサーから直接、関節角度を取得することが可能となる。一方、複数の角度検出用センサー21、22で構成される関節センサーでは、角度検出用センサー21、22が示す所定方向の差に基づいて関節角度を取得することが可能となる。歩行補助装置10などにおいて、このような関節センサーを利用する場合、関節センサーに乗るノイズ、増幅器のノイズ、関節センサーのヒステリシス特性、ADコンバーターの解像度など各種要因によって、算出される関節角度αに誤差が生じることが考えられる。このような各種要因によって発生する誤差は、時間の経過に伴い蓄積されることが分かっており、所定時間毎に初期化する必要がある。例えば、歩行補助装置10においては、利用開始前あるいは所定時間利用したときに、ユーザーに対して予め決められた姿勢をとらせることで、誤差の蓄積を初期化することが考えられる。しかしながらこのような初期化方法では長時間の利用は不可能であるとともに、ユーザーに対する負担も伴うため、製品化する上でのデメリットと
なる。
なる。
本発明の実施形態に係る関節角度測定装置は、このような支持部に取り付けられた角度検出用センサーを用いて角度検出を行う際に発生する誤差を、ユーザーの負担無く略リアルタイムで初期化することとしている。
そのため本実施形態に係る関節角度測定装置は、脚部の複数の関節について、歩行時における関節角度データを1周期分予め記憶しておき、この歩行時の関節角度と比較することで、誤差の生じた関節を関節角度データに合わせ込む関節角度修正処理を実行することで、歩行中に略リアルタイムで誤差の初期化を行うこととしている。
図6には、本発明の実施形態に係る関節角度データ(1周期分)が示されている。本実施形態では、図3(a)から(d)に示すように、股関節、膝関節、足関節のそれぞれについて、歩行時における1周期分の関節角度データを制御ユニット100内の記憶部に記憶している。関節角度データは、利用するユーザーの歩行癖などによってユーザー毎にかなりの違いが生じるため、歩行補助装置10を使用するユーザー毎に予め取得しておくことが好ましい。関節角度データの取得(データ取得処理)は、ユーザーに平地を歩行させて得られた複数周期分の関節角度データを平均化することなどで得ることが可能である。あるいは、このデータ取得処理は、ユーザーが歩行補助装置10を実際に利用しているときに行うこととしてもよい。図2で説明した周囲センサーを利用することで歩行時の状況を取得することが可能であるため、周囲センサーにて平地を歩行していることを検出したときに各種関節センサーから得られた関節角度に基づいて関節角度データを形成することとしてもよい。
本実施形態では、ユーザーの歩行時において複数の関節センサーから得られる関節角度を監視し、複数の関節センサーのうち、1つだけ関節角度データにずれが生じていると判定したときに、当該関節センサーに基づいて得られた関節角度は誤差を含むものとし、当該関節センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することとしている。
図7には、本発明の実施形態に係る関節角度修正処理を示すフロー図が示されている。関節角度修正処理は、各種関節センサーが関節角度を検出する関節角度検出処理を実行する際、同時に実行される処理である。処理が開始されると、まず、それまでにカウントしたずれの発生回数を0回にリセットしておく(S101)。S102では各関節センサーの出力を監視して歩行が1周期分終了するのを待つ。このとき、各関節センサーの出力にて時系列で得られた関節角度は、変化パターン(A)として記憶部に蓄積される。
S200はずれ検出処理であって、S102で蓄積した各関節センサーにて得られた関節角度と、予め記憶している関節角度データとを比較して、ずれが発生している関節が1つだけであるか否かを検出する処理である。図8には、このずれ検出処理を示すフロー図が示されている。S201では各関節について記憶した1周期分の関節角度の変化パターン(A)が取得される。S202では各関節について記憶部内のデータベースに記憶している関節角度データ(B)が取得される。S203では、変化パターン(A)と関節角度データ(B)を各関節毎に比較して、閾値異常のずれが発生している関節の数をカウントする。図6では右脚部のみについて説明したが、実際には右と左、両脚部のうち、ずれが発生している関節が1つだけであるかが判定される。
ずれが発生している関節が1つだけとされた場合(S204:Yes)には、ずれが発生していると判定した関節を戻り値に設定(S205)して処理を抜ける。歩行時における関節角度は、図6に示すように周期的パターンを形成する。複数の関節角度のうち1つ
だけずれが生じることは、関節センサーの出力による関節角度に誤差が生じている可能性が高いこととなる。
だけずれが生じることは、関節センサーの出力による関節角度に誤差が生じている可能性が高いこととなる。
一方、ずれが発生している関節が無い、あるいは、2以上の関節でずれが発生している場合(S204:No)には、ずれている関節が無いことを戻り値に設定(S206)して処理を抜ける。ずれが発生している関節が無い場合、すなわち、変化パターン(A)と関節角度データ(B)の間にずれがないときには、関節角度データのパターンに従って歩行しているため、誤差が生じていないものと判定する。また、2以上の関節でずれが発生している場合には、関節角度データ取得時の歩行状況が異なっていることが考えられるため、誤差修正の対象としないこととしている。図6の関節角度データは、平地を歩行しているときであって、これ以外の歩行状況、すなわち、階段の昇降あるいは傾斜面の歩行時などは、全ての関節角度がこの関節角度データとずれることが分かっている。
図7の関節角度修正処理のフロー図に戻り、S103では、再度、各関節センサーの出力に基づいて関節角度変化パターン(A)を取得し、ずれ検出処理S200を実行する。S104では、2度目のずれ検出処理で判定された関節が、1度目のずれ検出処理で判定された関節と同じであるか否かが判定される。同じ関節でずれが生じていると判定された場合(S104:Yes)には、ずれの発生回数を1つ増加させる。S106ではずれの発生回数が閾値以上となったか否かが判定される。ずれの発生回数が閾値以上(S106:Yes)、すなわち、1つだけずれの生じている関節が所定回数繰り返された場合には、当該関節に誤差が乗っていると判定し、誤差を初期化する処理が実行される。
この処理(S107、S108)は、誤差が生じていると判定された関節角度を修正するための処理であって、関節センサーの出力に基づく関節角度を対応する関節角度データに合わせ込むことで、誤差の初期化を図ることとしている。S107では、S106にてずれの発生回数が所定値以上と判定された関節について、1周期分の関節角度パターン(A)が取得される。
S108では、ずれが生じていると判定された関節に対応する関節角度データ(B)が取得される。S109では、関節角度データ(B)と関節角度パターン(A)の差分を誤差として、関節角度センサーが出力する関節角度の誤差が修正される。関節角度の誤差としては、ノイズなどにより関節角度パターン(A)が平行移動したものの他、関節角度データの出力に対する増幅率の変動などが考えられる。本実施形態では、1周期分のパターン同士の差に基づいて修正を行うことで、これらの誤差に対応することが可能となる。
なお、この修正は、時間的に徐々に行うことが好ましい。徐々に行うことで検出する関節角度の急激な変動を抑えることが可能となる。特に、検出した関節角度に基づいてアシスト力を付与する歩行補助装置においては、アシスト力が急激に変動することなく、歩行時の違和感などを抑えることが可能となる。
以上、本実施形態では、歩行補助装置に対して実装される脚部関節角度測定装置について説明したが、本実施形態の脚部関節角度測定装置では、複数の関節角度センサーからの出力を、事前に取得した関節角度データと対比することで、誤差の生じている関節を割り出し、関節角度データに基づいて誤差の初期化を行うことで、ユーザー自身による初期化操作などを行う必要が無く自動で誤差を初期化することが可能になると共に、関節角度の測定精度の向上を図ることが可能となる。
なお、本発明の脚部関節角度測定装置は、歩行補助装置のみならず、モーションキャプチャー装置などのように脚部の状態を測定することを目的とした各種測定装置に使用することができる。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
10…歩行補助装置
11…体躯装着部
12a、b…大腿支持部
13a、b…大腿装着部
14a、b…下腿支持部
15a、b…下腿装着部
16a、b…足底部
17a、b…足裏センサー
18a、b…足関節センサー
21a、b…腰部アクチュエーター
21c、d…股関節センサー
22a、b…膝部アクチュエーター
22c、d…膝関節センサー
23a、b…踵回動部
31…光源装置
32a…前方カメラ
32b…後方カメラ
33…ナビモジュール
34…無線通信モジュール
40…回動部
41…第1ギア部
42…第2ギア部
43…支持プレート
51…体幹
52…右大腿部
53…右下腿部
54…右足部
61…股関節
62…膝関節
63…足関節
100…制御ユニット
101…制御ECU(制御部)
11…体躯装着部
12a、b…大腿支持部
13a、b…大腿装着部
14a、b…下腿支持部
15a、b…下腿装着部
16a、b…足底部
17a、b…足裏センサー
18a、b…足関節センサー
21a、b…腰部アクチュエーター
21c、d…股関節センサー
22a、b…膝部アクチュエーター
22c、d…膝関節センサー
23a、b…踵回動部
31…光源装置
32a…前方カメラ
32b…後方カメラ
33…ナビモジュール
34…無線通信モジュール
40…回動部
41…第1ギア部
42…第2ギア部
43…支持プレート
51…体幹
52…右大腿部
53…右下腿部
54…右足部
61…股関節
62…膝関節
63…足関節
100…制御ユニット
101…制御ECU(制御部)
Claims (5)
- 脚部の複数の関節について、歩行時における1周期分の関節角度の時間変化を示す関節角度データを記憶した記憶部と、
脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーと、
前記センサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して前記記憶部に記憶する関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正する関節角度修正処理を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする
脚部関節角度測定装置。 - 前記関節角度修正処理は、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する角度を徐々に修正することを特徴とする
請求項1に記載の脚部関節角度測定装置。 - 前記制御部は、前記センサーが検出する関節角度に基づいて関節角度データを取得し、前記記憶部に記憶させるデータ取得処理を実行することを特徴とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の脚部関節角度測定装置。 - ユーザーの脚部に装着されアシスト力を加えることでユーザーの歩行を補助する歩行補助装置において、
支持部を駆動するアクチュエーターと、
前記支持部をユーザーの脚部に固定する装着部と、
脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーと、
アシスト処理と、関節角度修正処理を実行する制御部と、を備え、
前記アシスト処理は、前記センサーが検出した関節角度に基づいて、前記アクチュエーターを駆動してユーザーの脚部にアシスト力を加え、
前記関節角度修正処理は、前記センサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して前記記憶部に記憶する関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度が、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することを特徴とする
歩行補助装置。 - 脚部における複数の関節について関節角度を検出するセンサーを用いて検出される関節角度のうち、1つだけが継続して歩行時における1周期分の関節角度の時間変化を示す関節角度データとずれを生じていると判定した場合、ずれを生じていると判定された前記センサーの検出する関節角度を、対応する関節の関節角度データと一致するように修正することを特徴とする
脚部関節角度測定方法。
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JP2011216865A JP2013075042A (ja) | 2011-09-30 | 2011-09-30 | 脚部関節角度測定装置、歩行補助装置及び脚部関節角度測定方法 |
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