JP6887059B2 - 歩行位相推定装置及びこれを備えた歩行補助装置 - Google Patents

歩行位相推定装置及びこれを備えた歩行補助装置 Download PDF

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Description

本開示は、利用者の歩行位相を推定する歩行位相推定装置及びこれを備えた歩行補助装置に関する。
走者の足(足関節から先の部分、足部、フットとも呼ばれる)の接地開始点の走路や歩行路上の位置を検出する接地検出装置として、基準位置からの距離が予め定められた複数の位置のそれぞれにマーカーが配置された走路を走行する走者を撮像した動画像データに基づいて、足が接地を開始した点及び、足が接地を開始した時刻を検出し、前後のマーカーとの位置関係に基づいて足の走路や歩行路上の位置を算出するものが公知である(特許文献1)。
特開2016−116763号公報
しかしながら、特許文献1記載の接地検出装置は、モーションキャプチャシステムを用いるものであり、走路や歩行路上に予め定められたマーカーが必要である上、マーカーが配置された走路や歩行路上でしか足の接地位置を検出することができない。
本発明は、このような背景に鑑み、如何なる走路や歩行路上においても利用者の走行を含む歩行運動の位相を推定できる歩行位相推定装置及びこれを備えた歩行補助装置を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態は、歩行位相推定装置(10、11)であって、利用者(U)の足に取り付けられた加速度(G)及び角速度(ω)を検出する慣性センサ(11)と、前記慣性センサの出力に基づいてストラップダウン演算を行って足の運動(足の位置(Pfoot)、姿勢(qest,t)及びこれらの変化速度(Vfoot)、θ')を推定する足運動推定部(12)と、推定された前記足の運動に基づいて前記足の瞬間回転中心(α、β)を推定する瞬間回転中心推定部(16)と、推定された前記瞬間回転中心に基づいて歩行位相(Φ)を推定する歩行位相推定部(17)とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、慣性センサの出力に基づいて、運動する足の瞬間回転中心が算出され、足の瞬間回転中心に基づいて歩行位相を推定することができる。そのため、歩行位相の推定のために走路や歩行路上にマーカーを予め配置する必要がなく、如何なる走路や歩行路上においても利用者の歩行運動の位相を推定できる。
また、上記構成において、前記歩行位相推定部(17)は、推定された前記瞬間回転中心(α、β)が足裏を含む所定の領域内に存在する場合に、前記歩行位相(Φ)が立脚期であると判定するとよい。
この構成によれば、走路や歩行路が水平面でなくとも、走路や歩行路と足裏との間に滑らない接地領域があれば、おおよそその領域内に瞬間回転中心が存在するので、立脚期(Stance Phase)であるか否かを正確に判定することができる。
また、上記構成において、前記歩行位相推定部(17)は、立脚期(Stance Phase)には足裏における前記瞬間回転中心(α、β)の軌跡に基づいて前記歩行位相(Φ)を推定するとよい。
この構成によれば、立脚期、特に足裏の全面が接地している期間にも、利用者の重心移動に伴って瞬間回転中心が足裏を移動することから、この期間においても足裏における瞬間回転中心の軌跡に基づいて歩行位相を正確に推定することができる。
また、上記構成において、前記足運動推定部(12)は、前記慣性センサ(11)の出力のドリフトに起因する前記足の運動の推定誤差を低減する処理を行う補正部(45)を備え、前記補正部は、推定された前記歩行位相(Φ)に応じて補正の強さを変化させるとよい。
この構成によれば、慣性センサのドリフトの影響が低減されるため、足の運動を一層正確に推定でき、ひいては、歩行位相を一層正確に推定することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明のある実施形態は、歩行補助装置(1)であって、上記構成の歩行位相推定装置(10、11)と、前記利用者(U)の歩行運動に関わる部位に装着された装具(3、5、7)と、前記装具に補助力を付与するアクチュエータ(4、6、8)と、前記歩行位相推定装置が推定した前記歩行位相(Φ)における所定のタイミングで補助力を発生するように前記アクチュエータを制御する制御装置(18)とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、歩行位相推定装置が推定した歩行位相における所定のタイミングで補助力が発生するため、歩行補助に適したタイミングでの補助力の発生が可能である。これにより、歩行補助装置は、利用者が違和感を覚えることのない歩行補助が可能である。また、歩行位相の推定のために走路や歩行路上にマーカーを予め配置する必要がないため、歩行補助装置は如何なる走路や歩行路上においても利用者の歩行運動を補助できる。
このように本発明によれば、如何なる走路や歩行路上においても利用者の走行を含む歩行運動の位相を推定できる歩行位相推定装置及びこれを備えた歩行補助装置を提供することができる。
実施形態に係る歩行補助装置の側面図 歩幅座標系の説明図 慣性センサの取り付け位置の説明図 グローバル座標系の着地ごと更新の説明図 図1に示す制御装置のブロック図 図5に示す制御装置の足姿勢推定部のブロック図 図5に示す制御装置の足位置演算部のブロック図 ドリフト補正部によるゲイン決定処理のフロー図 ドリフト補正部によるゲイン決定処理の変形例のフロー図 図9の(A)ステップST14で用いるKiマップ、(B)ステップST15で用いるKpマップ 図5に示す瞬間回転中心推定部が行う瞬間回転中心推定の説明図 歩行位相と脚の運動との関係を説明するためのタイムチャート 図5に示す位相推定部が行う瞬間回転中心に基づく位相推定の説明図 図5に示す位相推定部が行う位相推定の変形例のブロック図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、歩行補助装置1の説明にあたっては、歩行補助装置1を装着し、直立姿勢をとっている利用者Uを基準にして方向を定める。また、脚体等に対応して左右に1対に設けられる部材には同一の符号を付す。図面にはこれら左右の部材の一方のみが示されることがある。
図1は、実施形態に係る歩行補助装置1の側面図である。図1に示されるように、歩行補助装置1は、利用者Uの胴体に装着されるメインフレーム2を備えている。メインフレーム2には、利用者Uの各大腿部に沿ってその外方に配置された左右の大腿フレーム3が、利用者Uの股関節部を中心にして変位し得るように、左右の股関節駆動源4を介して連結されている。左右の大腿フレーム3の下端には、利用者Uの各下腿部に沿ってその外方に配置された左右の下腿フレーム5が、利用者Uの膝関節部を中心にして変位し得るように、左右の膝関節駆動源6を介して連結されている。左右の下腿フレーム5の下端には、利用者Uの足に装着される左右の足支持具7が、利用者Uの足関節を中心にして変位し得るように、左右の足関節駆動源8を介して連結されている。
メインフレーム2は、大腿フレーム3との連結部の上方に前後方向に向く軸線を有する左右のヒンジ2aを備えている。メインフレーム2には、バッテリ9や制御装置10が設けられている。なお、バッテリ9及び制御装置10のそれぞれは大腿フレーム3に取り付けられ、又は収納されていてもよく、歩行補助装置1とは別個に設けられてもよい。
大腿フレーム3は、上部及び下部にそれぞれ前後方向を向く軸線を有する上ヒンジ3a及び下ヒンジ3bを備えており、大腿部サポータ3cによって大腿部に装着される。下腿フレーム5も、上部及び下部にそれぞれ前後方向を向く軸線を有する上ヒンジ5a及び下ヒンジ5bを備えており、下腿部サポータ5cによって下腿部に装着される。足支持具7は、靴形状とされており、利用者Uの足に直接装着される。
足支持具7は、例えば、歩行時の足の変形を許容する柔軟性を有する靴7aと、足関節駆動源8の出力端をなし、遊端が靴7aの底部に連結された駆動アーム7bとを含んでいる。言い換えれば、足支持具7の靴7aは、駆動アーム7bを介して足関節駆動源8に連結されている。
股関節駆動源4は、モータにより構成されており、電力をバッテリ9から供給されることにより大腿フレーム3に動力を加える。大腿フレーム3に加えられた動力は、大腿部サポータ3cを介して利用者Uの大腿に伝達される。これにより、大腿フレーム3は股関節を中心として屈伸、伸展方向に駆動される。
膝関節駆動源6は、モータにより構成されており、電力をバッテリ9から供給されることにより下腿フレーム5に動力を加える。下腿フレーム5に加えられた動力は、下腿部サポータ5cを介して利用者Uの下腿に伝達される。これにより、下腿フレーム5は膝関節を中心として屈曲、伸展方向に駆動される。
足関節駆動源8は、モータにより構成されており、電力をバッテリ9から供給されることにより足支持具7の駆動アーム7bに動力を加える。足支持具7の駆動アーム7bに加えられた動力は、足支持具7の靴7aを介して利用者Uの足に伝達される。これにより、足支持具7は足関節を中心として底屈、背屈方向に駆動される。
左右の足支持具7には、加速度G及び角速度ωを検出する左右の慣性センサ11(Inertial Measurement Unit:IMU)が設けられている。慣性センサ11は、足支持具7における駆動アーム7bに取り付けられており、足の加速度G及び角速度ωを検出する。補足すると、歩行時には、足のアーチを形成している、踵、甲及び拇指球の部分は、1つの剛体とみなすことができ、一体となって動く。本明細書では、この部分を足と呼ぶこととする。言い換えると、足のうち、指を除く部分を改めて足と呼ぶ。
ここで、足と一体となって動く直交座標系として、足裏座標系を定義する。足裏座標系は、図2に示されるように、踵位置を原点とし、足裏の平面内にX軸とY軸とが含まれ、足の前後方向(踵とつま先を結ぶ方向)をX軸、足の横方向をY軸とし、X軸とY軸に直交する方向をZ軸とする。それぞれの軸は、前、左、上を正の向きとする。
慣性センサ11が検出する加速度Gは、足の代表点の加速度Gである。慣性センサ11の構成要素である物理的な加速度検出器は、慣性センサ11の内部に位置し、その位置の加速度Gを検出する。この加速度Gは公知の変換演算によって足の任意の点の加速度Gに変換できるので、ここでは議論を容易にするために、足裏座標系の原点を足の代表点とする。慣性センサ11が検出する加速度GのX軸、Y軸、Z軸成分を、それぞれGx、Gy、Gzとし、慣性センサ11が検出する角速度ωのX軸、Y軸、Z軸成分(各軸まわりの成分)を、それぞれωx、ωy、ωzとする。左右の慣性センサ11から出力された3軸の加速度G及び角速度ωは、制御装置10に入力される。
慣性センサ11の取り付け位置は、足と一体となって動く位置であればよい。具体的には、慣性センサ11は、図3に示されるように、踵、甲又は拇指球の辺りの位置に取り付けられればよい。また、慣性センサ11は、靴7aに取り付けてられてもよく、利用者Uの足に貼り付けるなどの手法により足に直接に取り付けられてもよい。
また、走路や歩行路上に、グローバル座標系を定義する。グローバル座標系は、水平面上で互いに直交するX軸及びY軸と、X軸及びY軸に直交するZ軸(鉛直方向)とで表されるものとする。図1に示されるように、一般的には、足裏座標系のX軸、Y軸及びZ軸は、グローバル座標系のX軸、Y軸及びZ軸に対してずれている。グローバル座標系の向き及び原点位置は、制御装置10の電源投入時に設定される。グローバル座標系は、左右それぞれの足に対応して設定される。左右の足の相対位置及び姿勢の関係が分かるセンサが慣性センサ11に用いられるならば、グローバル座標系は、左右の足に共通な1つの座標系として設定されてもよい。
グローバル座標系は、図4に示されるように、足が着地するごとに、足裏座標系に応じて更新されてもよい。例えば、グローバル座標系のX軸を足裏座標系のX軸に一致させ、グローバル座標系の原点を足裏座標系の原点に一致させてもよい。このようにグローバル座標系が更新されれば、グローバル座標系上での足裏座標系原点位置は、直前の着地位置からの足の移動量を表すことになる。
制御装置10は、メインフレーム2に収納されたCPU、RAM、ROM等を含む電子回路ユニットにより構成され、股関節駆動源4、膝関節駆動源6及び足関節駆動源8の動作、ひいては利用者Uに作用させる補助力の制御処理を実行するように構成されている。制御装置10が所定の演算処理を実行するように構成されているとは、制御装置10を構成する演算処理装置(CPU)が、記憶装置(メモリ)から必要なデータ及びアプリケーションソフトウェアを読み取り、当該ソフトウェアに従って当該所定の演算処理を実行するようにプログラムされていることを意味する。
図5に示されるように、制御装置10は、慣性センサ11の出力に基づいて、足の運動を推定する足運動推定部12と、推定された足の運動に基づいて、歩行位相Φを算出する歩行位相演算部15と、推定された歩行位相Φに基づいて、股関節駆動源4、膝関節駆動源6及び足関節駆動源8を、所定のタイミングで所定の補助力を発揮するように制御するモータ制御部18とを備えている。足運動推定部12は、より詳細には、慣性センサ11の出力に基づいて、足の運動として、足の姿勢とその変化速度(角速度)を推定する足姿勢推定部13と、慣性センサ11の出力及び推定された足の姿勢に基づいて、足の速度(代表点位置(踵位置)の変化速度)及び位置(代表点位置(踵位置))を演算する足位置演算部14とを備えている。また、歩行位相演算部15は、詳細を後述する瞬間回転中心推定部16と歩行位相推定部17とを備えている。なお、制御装置10は、これらの機能部(12〜18)を、左右の慣性センサ11のそれぞれについて有するが、ここでは左右の区別をせずに説明する。制御装置10及び慣性センサ11により、本発明に係る歩行位相推定装置が構成される。
このように構成された歩行補助装置1は、大腿フレーム3、下腿フレーム5及び足支持具7を介して、股関節駆動源4、膝関節駆動源6及び足関節駆動源8の動力を左右の大腿、左右の下腿及び、左右の足の動作を補助する歩行補助力として利用者Uに作用させることにより、歩行補助装置1を装着した利用者Uの歩行運動を補助する。
図6は、図5に示される制御装置10の足姿勢推定部13の構成を示すブロック図である。図6に示されるように、制御装置10は、慣性センサ11により検出された足の3軸の加速度G及び3軸の角速度ωに基づいて、後述の演算処理を実行する各種機能部(21〜31)を備えることで、足の姿勢を算出する。そして、足姿勢推定部13は、これらの各機能部の処理を、制御装置10の所定の演算処理周期で実行する。以下、各機能部について順に説明する。
足姿勢推定部13は、制御装置10の各演算処理周期において、まず、誤差計算部21の処理を実行する。誤差計算部21は、慣性センサ11により検出された足の3軸の加速度Gに基づいて、外積により加速度Gから求めたグローバル座標系での重力方向と、後述する姿勢演算器31が算出した推定姿勢qest,tの前回値qest,t−1から求めたグローバル座標系での重力方向との誤差eを算出する。なお、qest,tは、今回時刻tにおける足の姿勢を表現するクォータニオンであり、ここでは姿勢の表現にクォータニオンを用いているが、他の表現(オイラー角など)を用いてもよい。
誤差計算部21にて計算された誤差eは、足裏座標系座標変換部22にて、足裏座標系における誤差esensに変換される。足裏座標系座標変換部22にて変換された誤差esensは、積分器ゲイン要素23にて積分ゲインKiを乗じられ、更に積分器24にて積分される。積分器24の出力ωoffsetは、慣性センサ11の角速度出力のドリフト(オフセット)の推定値を意味する。積分器24の出力ωoffsetは、減算器25に減算値として入力される。一方、誤差計算部21にて計算された誤差eは、比例伝達要素26にて比例ゲインKpを乗じられ、減算器27に減算値として入力される。後述する積分器30によって、角速度ωに相当する値を積分して姿勢の角度に相当する値である推定姿勢qが算出されるが、この際に累積誤差が発散する虞がある。これらの処理は、累積誤差の発生を抑制し、更には累積誤差を0に収束させるために行われる。
上記減算器25には、慣性センサ11により検出された足の3軸の角速度ωが加算値として入力される。累積誤差収束のために減算器25にて積分器24の出力ωoffset(慣性センサ11の角速度出力のドリフトの推定値)を減じられた角速度ωlocalは、減算器28に入力されて、角速度ωのZ軸成分のオフセットである後述するヨーレートオフセットωoffsettzを減じられた上で、演算器29に入力される。演算器29は下式を演算して角速度に相当する値を算出する。
Figure 0006887059
ここで、qest,t−1は、上記のように前回の演算にて推定されたセンサの姿勢である。演算器29にて算出された上記角速度相当値は、上記減算器27に加算値として入力され、減算器27にて累積誤差収束のための比例項(比例伝達要素26の出力)を減じられて積分器30に入力される。積分器30では、入力された角速度相当値が積分され、推定姿勢qに変換される。積分器30にて変換された推定姿勢qは姿勢演算器31に入力される。姿勢演算器31は、入力された推定姿勢qをその絶対値で除し、グローバル座標系における足の推定姿勢qest,tを算出する。姿勢演算器31にて算出された推定姿勢qest,tは、前回値qest,t−1として上記のように誤差計算部21及び演算器29に入力される。
足姿勢推定部13は、上記の処理によって測定誤差を収束させるが、足姿勢推定部13が重力方向を基準にして誤差eを求めていることから、ロール角(姿勢のX軸まわり角度)及びピッチ角(姿勢のY軸まわり角度)については、推定誤差は大きくならない。一方、ヨーについては、上記の処理だけでは、推定誤差が時間の経過と共に発散する傾向がある。
図7は、図5に示される制御装置10の足位置演算部14の構成を示すブロック図である。図7に示されるように、足位置演算部14は、後述する演算又は処理を行う各種機能部(41〜46)を備えることで、足の速度や位置を演算する。そして、足位置演算部14は、これらの各機能部の処理を、制御装置10の所定の演算処理周期で実行する。以下、各機能部について順に説明する。
足位置演算部14は、制御装置10の各演算処理周期において、まず、座標変換部41の処理を実行する。座標変換部41は、慣性センサ11により検出された足の3軸の加速度Gを、足姿勢推定部13により算出された推定姿勢qest,tに基づいて、足裏座標系からグローバル座標系の値に変換する。グローバル座標系の値に変換された3軸の加速度Gは、減算器42に入力され、同様に減算器42に入力される重力加速度gの値を減算される。重力加速度gを減算された加速度Gは、1次遅れフィルタ43に入力される。1次遅れフィルタ43は、伝達関数が1/(Ts+1)のフィルタであり、入力した加速度Gのノイズを低減するためのものである。ノイズが少ない場合には、1次遅れフィルタ43を省略してもよい。ここで、Tは時定数であり、sはラプラス演算子である。1次遅れフィルタ43を通過した加速度Gは、積分器44に入力して積分され、グローバル座標系における足の推定速度Vfootに変換される。
図6の減算器25において慣性センサ11により検出された足の3軸の角速度ωから積分器24の出力ωoffset(慣性センサ11の角速度出力のドリフトの推定値)を減じられた角速度ωlocal及び、図7の積分器44から出力される足の推定速度Vfootは、ドリフト補正部45に入力される。ドリフト補正部45は、図8に示されるゲイン決定処理を所定の演算処理周期で実行する。
図8に示されるように、ドリフト補正部45は、ステップST1において、足の推定速度Vfootの大きさ(絶対値)が所定の値Vstop以下かつ足の角速度ωlocalの大きさ(絶対値)が所定の値ωstop以下であるか否かを判定し、肯定(Yes)である場合には、足が停止している、即ち歩行動作における立脚中期(MSt;Mid Stance、図12参照)にあるものと判定し、否定(No)である場合には、足が動いている、即ち歩行動作における立脚中期以外にあるものと判定する。ステップST1において足が停止状態(立脚中期)であると判定された場合(Yes)、ドリフト補正部45はステップST2の処理に進み、リセット信号を出力する。図7に示されるように、リセット信号は、積分器44に作用し、相補フィルタを用いて足の推定速度Vfootを0に収束させる(リセットする)。次いで、ドリフト補正部45はステップST3の処理に進み、設定されるべき積分ゲインKiの最大値である最大積分ゲインKimaxを積分ゲインKiに設定し、設定されるべき比例ゲインKpの最大値である最大比例ゲインKpmaxを比例ゲインKpに設定する。設定された積分ゲインKiは図6の積分器ゲイン要素23に送られ、設定された比例ゲインKpは図6の比例伝達要素26に送られる。その後、ドリフト補正部45はステップST4の処理に進み、角速度ωlocalが0に収束するように、Z軸成分のオフセットであるヨーレートオフセットωoffsettzを修正する。修正されたヨーレートオフセットωoffsettzは、図6の減算器28に送られる。一方、ステップST1において足が動いている(立脚中期以外である)と判定された場合(No)、ドリフト補正部45はステップST5の処理に進み、積分ゲインKiを0に設定し、設定されるべき比例ゲインKpの最小値である最小比例ゲインKpminを比例ゲインKpに設定する。ステップST3の処理と同様、設定された積分ゲインKiは図6の積分器ゲイン要素23に送られ、設定された比例ゲインKpは図6の比例伝達要素26に送られる。ドリフト補正部45は以上の処理を繰り返す。
図7の説明に戻り、積分器44から出力される足の推定速度Vfootは、その後、積分器46に入力される。積分器46は、足の推定速度Vfootを積分することで、グローバル座標系における足の推定位置Pfootを算出する。
なお、ドリフト補正部45の処理は、これに限定されるものではなく、例えば図9に示されるものであってもよい。即ち、図9に示されるように、ドリフト補正部45は、ステップST11において、図8のステップST1と同様に足の推定速度Vfootの大きさ(絶対値)が所定の値Vstop以下かつ足の角速度ωlocalの大きさ(絶対値)が所定の値ωstop以下であるか否かに基づき、歩行位相ΦがMSt(立脚中期、図12参照)にあるか否かを判定する。歩行位相ΦがMStにある場合、即ち、ステップST11の判定が肯定(Yes)である場合には、ドリフト補正部45はステップST12の処理に進み、リセット信号を出力する。次いで、ドリフト補正部45はステップST13の処理に進み、角速度ωlocalが0に収束するように、Z軸成分のオフセットであるヨーレートオフセットωoffsettzを修正する。その後、ドリフト補正部45はステップST14の処理に進む。一方、ステップST11にて、歩行位相ΦがMStにない場合、即ち、ステップST11の判定が否定(No)である場合には、ドリフト補正部45はステップST14の処理に直接進む。
ドリフト補正部45は、ステップST14において、歩行位相Φに基づいて、Kiマップを用いて積分ゲインKiを決定し、続いてステップST15において、歩行位相Φに基づいて、Kpマップを用いて比例ゲインKpを決定する。具体的には、ドリフト補正部45は、図10(A)に示されるKiマップ及び図10(B)に示されるKpマップを参照し、歩行位相Φに対応する積分ゲインKi及び比例ゲインKpを決定する。図10(A)に示されるように、Kiマップは、歩行位相Φを横軸に、積分ゲインKiを縦軸にとったマップ(歩行位相Φを入力とし積分ゲインKiを出力とする関数)であり、歩行位相Φが足裏の全体を接地させた足底接地(Flat Foot)の期間に、積分ゲインKiが0よりも大きな値に設定され、それ以外の期間(踵接地(Heel Strike)、踵離地(Heel Off)、遊脚(Swing))に、積分ゲインKiが0に設定されている。図10(B)に示されるように、Kpマップは、歩行位相Φを横軸に、比例ゲインKpを縦軸にとったマップ(歩行位相Φを入力とし比例ゲインKpを出力とする関数)であり、歩行位相Φが足底接地(Flat Foot)の期間に、比例ゲインKpが0よりも大きな値に設定され、それ以外の期間(踵接地(Heel Strike)、踵離地(Heel Off)、遊脚(Swing))に、比例ゲインKpが0に設定されている。ドリフト補正部45は、これらのマップを用いて積分ゲインKi及び比例ゲインKpを決定する。ドリフト補正部45は以上の処理を繰り返す。
ここまで説明した足姿勢推定部13及び足位置演算部14による演算は、ドリフト補正部45の処理を除き公知のストラップダウン演算であり、足運動推定部12は、このような慣性センサ11の出力に基づくストラップダウン演算を行い、足の運動を推定する。
このように、足位置演算部14では、慣性センサ11により検出された足の3軸の加速度Gに関連する値である足の推定速度Vfoot及びヨーレートオフセットωoffsetzに基づいて、ドリフト補正部45が足の停止判定を行い、足の停止を判定した場合に(ステップST1:Yes、又は、ステップST11:Yes)リセット信号を出力し(ステップST2、ステップST12)、リセット信号を受けた積分器44(図7)が足の推定速度Vfootを補正(リセット)する。これにより、慣性センサ11のノイズや座標変換時に用いる推定姿勢qest,tによる座標変換誤差の影響により推定速度Vfoot及び推定位置Pfootがドリフトすることが防止される。
図5に戻って説明を続ける。歩行位相演算部15は、慣性センサ11の出力、足姿勢推定部13により算出された足の推定姿勢qest,t、並びに、足位置演算部14により算出された足の推定速度Vfootに基づいて、歩行位相Φを算出する。以下、具体的に説明する。
本実施形態の足支持具7は、柔軟性を有しているため、足が接地している立脚中期においても、僅かながら変形しながら姿勢を変化させる。仮に足支持具7が柔軟性を有していなくても、靴底面が前後方向について湾曲していれば、重心の移動に伴って姿勢を変化させる。図5に示されるように、歩行位相演算部15は、慣性センサ11の出力(より詳しくは、慣性センサ11により検出された足の3軸の角速度ωから積分器24の出力ωoffset(慣性センサ11の角速度出力のドリフトの推定値)を減じられた角速度ωlocal)、足姿勢推定部13により算出された足の推定姿勢qest,t、並びに、足位置演算部14により算出された足の推定速度Vfootに基づいて、足の瞬間回転中心を推定する瞬間回転中心推定部16と、瞬間回転中心に基づいて歩行位相Φを推定する歩行位相推定部17とを備える。
以下では、説明を容易にするために、2次元運動(XZ平面での運動)での瞬間回転中心算出法を示す。瞬間回転中心推定部16は、以下の原理に基づいて演算を行うことにより、運動中の足の瞬間回転中心を推定する。図11は、図5に示す制御装置10の瞬間回転中心推定部16が行う瞬間回転中心推定の説明図である。瞬間回転中心推定部16は、慣性センサ11の出力(より詳しくは、慣性センサ11により検出された足の3軸の角速度ωから積分器24の出力ωoffset(慣性センサ11の角速度出力のドリフトの推定値)を減じられた角速度ωlocal)、足姿勢推定部13により算出された足の推定姿勢qest,t、並びに、足位置演算部14により算出された足の推定速度Vfootに基づいて足の瞬間回転中心を推定する。
ここで、図11に示されるように、慣性センサ11の出力に基づいて足姿勢推定部13が算出した足の推定姿勢qest,t、即ち、グローバル座標系から見た足裏座標系の角度をθとする。足の推定姿勢qest,tの変化速度、即ち、グローバル座標系から見た足裏座標系の姿勢の変化速度(角速度)をθ'とする。グローバル座標系から見た足の推定速度Vfootを(Vfootx、Vfootz)とする。グローバル座標系から見た足の推定位置Pfootを(Pfootx、Pfootz)とする。足の推定位置Pfootは、足裏座標系原点の位置を表す。足の推定速度Vfootは、足の推定位置Pfootの変化速度(時間微分値)である。足の瞬間回転中心を足裏座標系から見た位置を(α、β)とする。
グローバル座標系から見た足の瞬間回転中心の速度のX成分は、式(1)の左辺で表され、この値は0であるから、式(1)が成り立つ。同様に、グローバル座標系から見た足の瞬間回転中心の速度のZ成分は、式(2)の左辺で表され、この値は0であるから、式(2)が成り立つ。
footx+βθ'cosθ−αθ'sinθ=0 ・・・(1)
footz−βθ'sinθ−αθ'cosθ=0 ・・・(2)
これらより、足の瞬間回転中心を足裏座標系から見た位置(α、β)は、下式(3)、(4)によって求められる。
α=(Vfootxsinθ+Vfootzcosθ)/θ' ・・・(3)
β=(−Vfootxcosθ+Vfootzsinθ)/θ' ・・・(4)
実際には、上記の瞬間回転中心の算出法を3次元に拡張して、3次元運動での瞬間回転中心を求める。即ち、瞬間回転中心推定部16は、慣性センサ11の出力(より詳しくは、慣性センサ11により検出された足の3軸の角速度ωから積分器24の出力ωoffset(慣性センサ11の角速度出力のドリフトの推定値)を減じられた角速度ωlocal)、足姿勢推定部13により算出された足の推定姿勢qest,t、並びに、足位置演算部14により算出された足の推定速度Vfootに基づいて、上式(3)、(4)を3次元空間に拡張した演算をすることにより、足の瞬間回転中心の位置を推定する。足の瞬間回転中心の位置は、足が接地している時には足裏(より詳しくは、足裏とその近傍を含む3次元領域内)にあり、歩行運動の進行に合わせて踵側からつま先側へ足裏(同じく、足裏とその近傍を含む3次元領域内)を移動する。
図12は、歩行位相Φと脚の運動との関係を説明するためのタイムチャートである。図12に示されるように、歩行運動における右脚の動作は、IC(Initial Contact:接地初期)から順に、LR(loading Response:荷重応答期)、MSt(Mid Stance:立脚中期)、TSt(Terminal Stance:立脚終期)、PSw(Per-Swing:前遊脚期)、ISw(Initial Swing:遊脚初期)、MSw(Mid Swing:遊脚中期)、TSw(Terminal Stance:遊脚終期)を順に辿る。右脚は、ICにて足関節角度を概ね0°にした状態で踵を接地させ、LRにて足関節角度を変化させながら荷重を受け止め、LRの終期に足裏の全体を接地させる。足裏の全体を接地させた足底接地(Flat Foot)の期間は、MStからTStの中期にかけて続き、TStの中期にて踵の離地を開始させる。その後、右脚は、PSwにて足関節角度を変化させながら荷重を開放してつま先を離地させ、ISwからTSwにかけて遊脚状態を保って脚の前方へ繰り出す。
このようにMStからTStの中期にかけて足裏の全体が接地しているが、この間にも歩行運動を行う人間の重心は前へ移動しており、図12に示されるように、重心の前方への移動に対応して足の瞬間回転中心の位置(α、β)も前方へ移動する。即ち、図12の下段に示されるようにβの値が概ね0に保たれ、図12の中段に示されるようにαの値が大きくなる。従って、遊脚期(Swing Phase)だけでなく立脚期(Stance Phase)、特に足裏の全体が接地した足底接地(Flat Foot)の期間についても、足の瞬間回転中心の位置(α、β)の軌跡に基づいて、歩行位相Φを推定することができる。このような原理のもと、歩行位相推定部17は、足の瞬間回転中心(α、β)に基づいて歩行位相Φを推定する。
図13に示されるように、例えば、歩行位相推定部17(図5)は、図12の中段に示されるαと歩行位相Φとの関係に基づき、歩行位相Φを入力としαを出力とする関数の逆関数をマップとして備えている。歩行位相推定部17は、推定された足の瞬間回転中心(α、β)のうちのαの値を入力として演算を行い(マップを検索し)、αに対応する歩行位相Φを算出して出力する。ここで、αは歩行位相Φに対して単調性を有しておらず、立脚期(Stance Phase)において単調増加し、遊脚期(Swing Phase)において単調減少している。そこで、歩行位相推定部17は、推定された足の瞬間回転中心(α、β)のうちのβの値が概ね0である時、(あるいは、推定された瞬間回転中心(α、β)が足裏を含む所定の領域内に存在する場合に、)歩行位相(Φ)が立脚期(Stance Phase)であると判定し、それ以外の時に歩行位相Φが遊脚期(Swing Phase)であると判定する。
他の例として、図14に示されるように、歩行位相推定部17は、左右の脚の歩行位相Φに基づき、利用者Uの総合的な歩行位相Φtotalを推定してもよい。即ち、上記例の制御装置10は、上記の機能部(12〜18)を左右の慣性センサ11のそれぞれについて有しており、左右の歩行位相推定部17のそれぞれが対応する慣性センサ11の出力に基づいて、対応する側の脚の歩行位相Φ、Φを算出している。これに対し、図14に示される歩行位相推定部17は、左右の慣性センサ11に基づいて、同様の手法によって左脚の歩行位相Φ及び右脚の歩行位相Φを算出した後、これらの歩行位相Φ、Φに基づいて利用者Uの総合的な歩行位相Φtotalを算出する。
例えば、歩行位相推定部17は、次のようにして利用者Uの歩行位相Φtotalを算出する。歩行運動における左脚の動作と右脚の動作とは互いに1/2周期相違する。即ち、一方の脚の運動を基準とした場合、左の慣性センサ11の出力に基づいて求められる左脚の歩行位相Φと、右の慣性センサ11の出力に基づいて求められる右脚の歩行位相Φとは、互いに同じ値になる一方、位相に対応する歩行動作が1/2周期相違した関係となる。上記の手法に従って(即ち、対応する側の慣性センサ11の出力に基づいて推定した足の瞬間回転中心の位置のうち、αの値を入力として)算出される左右の脚の歩行位相Φ、Φには、αに対する関係が比較的リニアな領域(即ち、立脚期(Stance Phase)に対応する、歩行位相Φを高精度に算出できる領域、以下、高精度領域という)と、そうでない領域(以下、低精度領域という)とが存在し、歩行運動においてこれらが交互に現れる。そこで、歩行位相推定部17は、左右の脚の歩行位相Φ、Φを、立脚期の始点となる踵接地(Heel Strike)を基準にして1/2周期に亘る高精度領域と残りの1/2周期に亘る低精度領域とに分け、位相が高精度領域にある一方の脚の歩行位相Φ、Φを利用者Uの歩行位相Φとし、他方の脚の歩行位相Φ、Φが高精度領域に変わった時に、他方の脚の歩行位相Φ、Φを利用者Uの歩行位相Φとするように、両方の脚の歩行位相Φ、Φに基づいて総合的な歩行位相Φtotalを算出する。
図5に示されるように、モータ制御部18は、歩行位相推定部17が推定した歩行位相Φに基づいて、股関節駆動源4、膝関節駆動源6及び足関節駆動源8を、所定のタイミングで所定の補助力を発揮するように制御する。所定のタイミングは、歩行運動において股関節、膝関節、足関節に必要な力が大きくなるタイミングであってよい。所定の補助力は、歩行運動において股関節、膝関節、足関節に必要な力よりも小さな力であればよく、利用者Uや医師等の指導者が設定した値であってよい。
このようにモータ制御部18が、歩行位相推定部17が推定した歩行位相Φに基づいて、股関節駆動源4、膝関節駆動源6及び足関節駆動源8を、所定のタイミングで所定の補助力を発揮するように制御することにより、大腿フレーム3、下腿フレーム5及び足支持具7を介して、股関節駆動源4、膝関節駆動源6及び足関節駆動源8の動力が左右の大腿、左右の下腿及び、左右の脚の動作を補助する歩行補助力として利用者Uに作用し、歩行補助装置1を装着した利用者Uの歩行運動が補助される。
以上のように構成された制御装置10及びその歩行位相推定装置によれば、次のような作用効果が奏される。
即ち、図5に示される歩行位相推定装置が、利用者Uの足に取り付けられた加速度G及び角速度ωを検出する慣性センサ11と、慣性センサ11の出力に基づいてストラップダウン演算を行って足の運動(足の推定位置Pfoot、足の推定姿勢qest,t及びこれらの変化速度(Vfoot)、θ')を推定する足姿勢推定部13と、推定された足の運動に基づいて足の瞬間回転中心(α、β)を推定する瞬間回転中心推定部16と、瞬間回転中心(α、β)に基づいて歩行位相Φを推定する歩行位相推定部17とを備える。これにより、慣性センサ11の出力に基づいて運動中の足の瞬間回転中心(α、β)が算出され、足の瞬間回転中心(α、β)に基づいて歩行位相Φが推定される。そのため、歩行位相Φの推定のために走路や歩行路上にマーカーを予め配置する必要がなく、如何なる走路や歩行路上においても利用者Uの歩行運動の位相が推定可能である。
図12を参照して説明したように、歩行運動の立脚期(Stance Phase)、特に足裏の全面が接地している期間(Flat Foot)においても、利用者Uの重心移動に伴って瞬間回転中心が足裏を移動する。そして図5の歩行位相推定部17は、推定された瞬間回転中心(α、β)が足裏を含む所定の領域内に存在する場合に、歩行位相Φが立脚期(Stance Phase)であると判定する。これにより、走路や歩行路が水平面でなくとも、走路や歩行路と足裏との間に滑らない接地領域があれば、おおよそその領域内に瞬間回転中心(α、β)が存在するため、立脚期であるか否かを正確に判定することができる。
また、図5の歩行位相推定部17は、立脚期(Stance Phase)には足裏における瞬間回転中心(α、β)の軌跡に基づいて歩行位相Φを推定する。そのため、歩行位相推定部17は、立脚期(Stance Phase)においても足裏における瞬間回転中心(α、β)の軌跡に基づいて歩行位相Φを正確に推定することが可能である。
足運動推定部12(図5)は、図7に示されるように、慣性センサ11の出力のドリフトに起因する足の運動の推定誤差を低減する処理を行うドリフト補正部45を備え、図9及び図10を参照して説明したように、ドリフト補正部45は、ステップST14及びステップST15にて、推定された歩行位相Φに基づいて積分ゲインKi及び比例ゲインKpを設定し、これにより歩行位相Φに応じて補正の強さを変化させる。そのため、慣性センサ11のドリフトの影響が低減され、これにより、足の運動が一層正確に推定され、ひいては、歩行位相Φが一層正確に推定される。
図1に示される歩行補助装置1は、上記構成の歩行位相推定装置をなす制御装置10及び慣性センサ11と、利用者Uの歩行運動に関わる部位に装着された装具である大腿フレーム3、下腿フレーム5及び足支持具7と、これらの装具に補助力を付与するアクチュエータである股関節駆動源4、膝関節駆動源6及び足関節駆動源8とを備える。また、図5に示す制御装置10は、歩行位相推定部17が推定した歩行位相Φにおける所定のタイミングで補助力を発生するようにアクチュエータを制御するモータ制御部18を備える。そのため、歩行位相推定部17が推定した歩行位相Φにおける所定のタイミングで補助力が発生するため、歩行補助に適したタイミングでの補助力の発生が可能である。これにより、歩行補助装置1は、利用者Uが違和感を覚えることのない歩行補助が可能である。また、歩行位相Φの推定のために走路や歩行路上にマーカーを予め配置する必要がないため、歩行補助装置1は如何なる走路や歩行路上においても利用者Uの歩行運動を補助できる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、歩行補助装置1が股関節駆動源4、膝関節駆動源6及び足関節駆動源8を備えているが、これらの全てを備える必要はなく、これらのうちの少なくとも1つを有していればよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 歩行補助装置
2 メインフレーム
3 大腿フレーム(装具)
4 股関節駆動源(アクチュエータ)
5 下腿フレーム(装具)
6 膝関節駆動源(アクチュエータ)
7 足支持具(装具)
8 足関節駆動源(アクチュエータ)
10 制御装置
11 慣性センサ
12 足運動推定部
13 足姿勢推定部
14 足位置演算部
15 歩行位相演算部
16 瞬間回転中心推定部
17 歩行位相推定部
18 モータ制御部(制御装置)
45 ドリフト補正部
G 加速度
P 位置
ω 角速度
U 利用者
foot 推定速度
est,t 推定姿勢
θ 角度
Φ 歩行位相
(α、β) 瞬間回転中心

Claims (5)

  1. 利用者の足に取り付けられた加速度及び角速度を検出する慣性センサと、
    前記慣性センサの出力に基づいてストラップダウン演算を行って足の運動を推定する足運動推定部と、
    推定された前記足の運動に基づいて前記足の瞬間回転中心を推定する瞬間回転中心推定部と、
    推定された前記瞬間回転中心に基づいて歩行位相を推定する歩行位相推定部と
    を備えることを特徴とする歩行位相推定装置。
  2. 前記歩行位相推定部は、推定された前記瞬間回転中心が足裏を含む所定の領域内に存在する場合に、前記歩行位相が立脚期であると判定することを特徴とする請求項1に記載の歩行位相推定装置。
  3. 前記歩行位相推定部は、立脚期には足裏における前記瞬間回転中心の軌跡に基づいて前記歩行位相を推定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歩行位相推定装置。
  4. 前記足運動推定部は、前記慣性センサの出力のドリフトに起因する前記足の運動の推定誤差を低減する処理を行う補正部を備え、
    前記補正部は、推定された前記歩行位相に応じて補正の強さを変化させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の歩行位相推定装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の前記歩行位相推定装置と、
    前記利用者の歩行運動に関わる部位に装着された装具と、
    前記装具に補助力を付与するアクチュエータと、
    前記歩行位相推定装置が推定した前記歩行位相における所定のタイミングで補助力を発生するように前記アクチュエータを制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする歩行補助装置。
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