JP2013073776A - 断面形状推定方法および断面形状推定装置 - Google Patents
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Abstract
従来の断面SEMやTEMで撮像した断面画像とその倍率情報を元にユーザが物差しをあてて配線の寸法を計測したり、分度器をあてて配線の側壁の傾斜角度を計測する方法によっては、ユーザの裁量に依存する部分が大きいという課題があった。
【解決手段】
被検査対象試料の断面形状データに対して複数の形状モデルをフィッティングするフィッティング工程と、前記フィッティング工程にてフィッティングしたフィッティングモデルの精度の指標である誤差関数値に基づいて該複数の形状モデルから少なくとも一の形状モデルを最適モデルとして選択する選択工程とを有する被検査対象試料の断面形状推定方法である。
【選択図】 図1
Description
またAFMによる配線の立体形状計測では、測定対象の表面を探針で走査することにより対象物の立体形状情報を取得する。
従来技術では、断面SEMやTEMの場合、撮像した断面画像とその倍率情報を元にユーザが物差しをあてて配線の寸法を計測したり、分度器をあてて配線の側壁の傾斜角度を計測したりしていた。近年では画像処理ソフトウェアを利用して計測することが比較的一般的となっており、エッジ検出処理による画像内からパターンの輪郭線抽出や、輪郭線の直線近似などを組合せてユーザが断面形状の寸法や角度を計測していた。
本実施例では、図2に示すような断面形状の実データ100として配線の断面SEM画像またはTEM画像がある場合について説明する。
(s101)次に、s100で得た入力画像100に対してエッジ抽出処理を行い、配線の輪郭プロファイル情報を得る。配線の輪郭プロファイル情報の一例として図2(b)に配線の輪郭プロファイル情報101を示す。ここで、入力画像内に配線が複数ある場合には、配線毎に処理する。
ここで形状モデルとは、断面形状を複数のパラメタで表現したものを指す。本願においては、形状モデルの基本形状として台形を用いる。これは、半導体製造では基板上に膜を積層しながら配線を形成していることに鑑みている。
図3は台形1つで断面形状を表現する1台形モデルである。このモデルの場合はボトム寸法201、高さ202、左側壁傾斜角203、右側壁傾斜角204の合計4つのパラメタで断面形状を表現する。
図4は2台形モデルで、ボトム寸法211、下側の台形の高さ212、左側壁傾斜角213、右側壁傾斜角214、上側の台形の高さ215、左側壁傾斜角216、右側壁傾斜角217の7つのパラメタで形状を表現する。
図5(b)はラウンディングをつける方法の説明図、図5(c)はフッティングをつける方法の説明図である。図5(b)は、丸みのつけ方として、ラウンディングに台形の上底と側壁に内接する半径Rtの円を用いた例、図5(c)は丸みのつけ方として、フッティングに台形の底辺の延長線と側壁に外接する半径Rbの円を用いた例である。ラウンディングの大きさを台形の左右で変えた場合には、台形の4パラメタと左右ラウンディング205、206、左右フッティング207、208とによる合計8パラメタの形状モデルとなる。
図6は、形状モデル(丸み付き2台形モデル)の別の例であり、図4の二台形モデルに丸みを付け加えた二台形モデルであり、合計11パラメタの形状モデルとなる。
図7(a)は実形状とモデル形状の差を説明する図、図7(b)は実形状とモデル形状との距離を計測する方法の説明図である。ここで、図7(a)は1台形モデルの例であるが、実形状110と1台形モデル111とは完全には一致しない。そこで図7(b)に示すようにモデルと実形状の距離112を算出し、これを実形状とモデル形状の差として定義する。ここでは、モデルの外周113に沿って等しいピッチで順次実形状との差を算出しその二乗和を求め、これを誤差関数とする。誤差関数が最小になるようなパラメタを求めることにより、1台形モデルにおいて実形状に対して最も一致する形状パラメタが定まる。誤差関数の最小となるパラメタの探索には最適化手法の一つであるLevenberg−Marquardt法(以下LM法)を用いる。図7(a)では一台形モデルについて誤差関数の値を求める場合を説明したが、2台形モデル、丸み付き1台形モデル、丸み付き2台形モデルなど他の形状モデルについても同様にモデルフィッティングを行うことで、形状モデル毎に実形状を表現するのに好適なパラメタと、その時の誤差関数の値が求まることとなる。
なお、一般に断面画像データには、画像の他に、付帯情報として倍率情報や画像を取得した装置の光学条件などが付随しており、モデル形状と画像との倍率の対応をとるためにはこれらの付帯情報を利用する。
複数の形状モデルから適切なモデルを選択する段階において、モデルフィッティングで誤差が最小となるモデルを選択することは、必ずしも適切ではない。なぜなら、モデル形状を複雑にすればするほどフィッティング誤差は小さくなるが、必要以上に複雑なモデルを採用することは次のいくつかの点で不適切なためである。
・推定すべきパラメタが増えると、誤差が小さくなるパラメタの組み合わせが増えパラメタ推定が上手くいかない(解が一意に定まらない)。
・パラメタ探索に時間がかかる(計算コスト増加)。
また、形状の特徴などを簡便に表現するという観点からも多数のパラメタを用いることは不適切である。
以上説明してきたような手法によれば、対象となった断面形状に対して適切な形状モデルと最適なパラメタを選択することが可能となる。
断面形状をAFMで配線を計測した場合は、探針を立体形状の輪郭に沿って走査するという計測方法の特徴のため、ラウンディング部分で探針が滑ったり、配線の下部に探針が上手く入らなかったりすることがある。そのため、これらの領域での計測データは信頼性が低い。そこで、それらの領域において実際の形状とモデルの差の算出結果に0から1の間の任意の係数をかけることで、誤差関数算出における該当領域の影響を軽減・無視することが可能となる。図10(a)は平坦部と曲線部との間で重み付けを行わない場合のフィッティング結果を示しているのに対して、図10(b)では高さ方向に重みづけを変える2種類の領域131、132を指定した例を示している。
エッジ抽出部400は、外部から入力された既に検査により得られた断面画像・輪郭データに基づきエッジ抽出処理を行い、配線の輪郭プロファイル情報を得る(図1のs101に対応)。次に、フィッティング部402にて、エッジ抽出部400から出力された配線の輪郭プロファイル情報を予め用意しておいた複数の形状モデル200についてフィッティングする(図1のs102)。フィッティング部402からの出力である複数の形状モデルについてフィッティングを行った結果であるフィッティングモデル等をモデル間性能比較部403に入力し、モデル間性能比較部403にて各モデル間の性能評価を行う(図1のs103)。モデル間性能比較部403にて比較した結果を形状モデ・形状パラメタ選択部404に入力し、ここで複数の形状モデル(フィッティングモデル)から、条件に合った形状モデルおよび形状パラメタを選択する(図1のs104)。
図11(a)(b)は形状パラメタと誤差関数の関係を示す図143、144である。横軸141をパラメタの値、縦軸142を誤差関数の値としたグラフである。図11(a)のようにパラメタの変化に対して誤差が急速に大きくなれば、その形状モデルとパラメタは解の一意性という観点で優れており、パラメタ推定がロバストであるということができる。一方、図11(b)のようにパラメタの変化に対して誤差関数の値がほとんど変化しない場合は、この形状モデルはパラメタに対して感度が低い、すなわちパラメタを精度よく推定できないということが分かる。この場合、ユーザに対してその旨を教示し、パラメタを固定するか、もしくは推定精度が悪いことを了解した上で、浮動パラメタとして残しておくことができる。
図12に示した実施例1では、まず図1のステップs102で算出した誤差関数と指定された許容誤差123から、サブステップs201で許容誤差以下となる自由度最小のモデルを選択する。一方、図13に示した実施例2では、図1のステップs102で算出された許容誤差とそのときのパラメタを用いて、図11のように各パラメタを変化させたときの誤差関数の値の変化を計算(s211)する。次に各パラメタについて図11と同様のグラフをGUIに表示することで、解が一意に定まるかどうかをユーザが判断しやすくする。GUI画面の一例を図15に示す。図15に示した画面では、左上に描かれている図形が現在選択中のモデル形状(二台形)を示し、右上に示されている図が左右の各側壁傾斜角においてパラメタを変化させたときの誤差関数の値を示す図である。図の下半分では、どの値をパラメータとして用いるかをチェックボックスを用いて選択したり、選択した各パラメータの上下限値を設定することができるようになっている。
第一の方法は、入力データである画像の段階で、統計的に代表的な断面画像を作成する方法である。
図16は、複数の入力画像があるときの本発明に係る断面形状推定方法のフローチャートである。入力データs100に対して、エッジを抽出し(s101)、その次のステップで複数の画像を平均化することで代表画像が作成できる(s104)。この代表画像を用いてステップs102以下の手順を経ることで、好適な形状モデルおよび形状パラメタが決定できる。平均化処理によって画像のランダムな誤差が低減されるため、安定したエッジ抽出が達成できる。
第二の方法は、図17に示すように個々の画像それぞれをモデルフィッティングまで個別に処理する方法である。図17にそのフローを示す。モデルフィッティングまで実施すると各画像に対して形状モデルごとに最適パラメタと誤差関数の値が求まるので、形状モデルごとに誤差関数の値を平均して、その平均した誤差関数を形状モデルの誤差関数として新たに採用する(図17のs105)。誤差関数の平均値を使うことにより、特定の1断面のデータに最適化された形状モデルやパラメタではなく、複数の断面形状にわたって妥当性の高い形状モデルを選択することができる。
このようにモデル化した形状を別のアプリケーションで利用する場合には、アプリケーションの特性に合わせてパラメタを選択することが望ましい。
101 輪郭抽出データ
102 フィッティングデータ
103 出力データ
200形状モデル
201 ボトムCD
202 台形高さ
203 左側壁傾斜角
204 右側壁傾斜角
205 左ラウンディング
206 右ラウンディング
207 左フッティング
208 右フッティング
211 ボトムCD
212 下台形高さ
213 下台形左側壁傾斜角
214 下台形右側壁傾斜角
215 上台形高さ
216 上台形左側壁傾斜角
217 上台形右側壁傾斜角
218 上台形左ラウンディング
219 上台形右ラウンディング
220 下台形左フッティング
221 下台形右フッティング
110 実形状(実断面形状)
111 モデルの形状
112 実形状とモデルの差
113 サンプリング方向
114 実形状とモデルの差
115 実形状とモデルの差
116 サンプリング方向
117 サンプリング方向
121 形状モデルのパラメタ数
122 誤差関数
123 許容誤差
124〜127 形状モデル
131〜132 重みづけ変更領域
141 パラメタ
142 誤差関数
143、144 誤差関数の変化を示す曲線
151、152 パラメタ
s101 エッジ抽出処理
s102 モデルフィッティング処理
s103 モデル間性能比較処理
s104 画像平均化処理
s105 誤差関数平均値算出処理
s201、s211〜s214 サブステップ
Claims (14)
- 被検査対象試料の断面形状データに対して複数の形状モデルをフィッティングするフィッティング工程と、
前記フィッティング工程にてフィッティングしたフィッティングモデルの精度の指標である誤差関数値に基づいて該複数の形状モデルから少なくとも一の形状モデルを最適モデルとして選択する選択工程とを有する被検査対象試料の断面形状推定方法。 - 請求項1記載の断面形状推定方法であって、
前記選択工程では、前記誤差関数値と予め定めた許容誤差値とを比較して最適モデルを選択することを特徴とする断面形状推定方法。 - 請求項1または2に記載の断面形状推定方法であって、
前記フィッティング工程では、該複数の形状モデルのそれぞれと該断面形状データとの誤差が最小となる複数の形状モデルのパラメータを算出することを特徴とする断面形状推定方法。 - 請求項1または2に記載の断面形状推定方法であって、
前記フィッティング工程では、Levenberg−Marquardt法を用いて該複数の形状モデルのそれぞれと該断面形状データとの誤差が最小となる複数の形状モデルのパラメータを算出することを特徴とする断面形状推定方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の断面形状推定方法であって、
前記フィッティング工程でフィッティングする該複数の形状モデルのそれぞれは台形形状であることを特徴とする断面形状推定方法。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の断面形状推定方法であって、
前記選択工程では、さらに、選択された最適モデルのパラメータの近傍のパラメータを最適モデルに当てはめた場合の誤差関数値を算出することを特徴とする断面形状推定方法。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の断面形状推定方法であって、
前記フィッティング工程では、被検査対象試料の断面SEM画像またはTEM画像またはAFM計測データを断面形状データとして用いて複数の形状モデルをフィッティングすることを特徴とする断面形状推定方法。 - 被検査対象試料の断面形状データに対して複数の形状モデルをフィッティングするフィッティング手段と、
前記フィッティング手段にてフィッティングしたフィッティングモデルの精度の指標である誤差関数値に基づいて該複数の形状モデルから少なくとも一の形状モデルを最適モデルとして選択する選択手段とを有する被検査対象試料の断面形状推定装置。 - 請求項8記載の断面形状推定装置であって、
前記選択手段では、前記誤差関数値と予め定めた許容誤差値とを比較して最適モデルを選択することを特徴とする断面形状推定装置。 - 請求項8または9に記載の断面形状推定装置であって、
前記フィッティング手段では、該複数の形状モデルのそれぞれと該断面形状データとの誤差が最小となる複数の形状モデルのパラメータを算出することを特徴とする断面形状推定装置。 - 請求項8または9に記載の断面形状推定装置であって、
前記フィッティング手段では、Levenberg−Marquardt法を用いて該複数の形状モデルのそれぞれと該断面形状データとの誤差が最小となる複数の形状モデルのパラメータを算出することを特徴とする断面形状推定装置。 - 請求項8乃至11のいずれかに記載の断面形状推定装置であって、
前記フィッティング手段でフィッティングする該複数の形状モデルのそれぞれは台形形状であることを特徴とする断面形状推定装置。 - 請求項8乃至12のいずれかに記載の断面形状推定装置であって、
前記選択手段では、さらに、選択された最適モデルのパラメータの近傍のパラメータを最適モデルに当てはめた場合の誤差関数値を算出することを特徴とする断面形状推定装置。 - 請求項8乃至13のいずれかに記載の断面形状推定装置であって、
前記フィッティング手段では、被検査対象試料の断面SEM画像またはTEM画像またはAFM計測データを断面形状データとして用いて複数の形状モデルをフィッティングすることを特徴とする断面形状推定装置。
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