JP2013071498A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の熱媒体を圧縮して吐出するコンプレッサ11の吐出側に設けられた凝縮器12と、凝縮器の流出側に設けられた膨張弁15と、膨張弁の流出側に設けられ、第1の熱媒体が第1の流路および第2の流路のいずれかに切り換えを行う切換弁14と、第1の流路と、第2の流路と、の合流位置よりも下流側でコンプレッサの吸入側に設けられた蒸発器17と、第2の熱媒体を熱源に供給するポンプ34と、熱源に供給された第2の熱媒体の熱を放熱させる放熱器33と、蓄熱材を有した蓄熱部19と、を備えている。そして、蓄熱部は、第1の流路を流れる第1の熱媒体と、蓄熱材と、の間において熱交換を行う第1の熱交換領域と、放熱器の上流側において、熱源に供給された第2の熱媒体と、蓄熱材と、の間において熱交換を行う第2の熱交換領域と、を有している。
【選択図】図1
Description
例えば、空調システムにおける冷房用の蒸発器と、蓄熱材を備えた熱交換器と、が切換弁を介して並列接続され、熱交換器を介して、車両に搭載した発熱体の冷却に冷房に使用される熱媒体を吸熱源として利用する冷却システムが提案されている。
ここで、空調システムにおいては、冷房の他に暖房が必要となる場合がある。この場合、寒冷地などにおいて暖房用の蒸発器に霜が付くと暖房効率の低下、蒸発器の破損などの原因となる。
しかしながら、前述した空調システムにおいては、燃料電池などの発熱体の熱を付着した霜の除去に利用することが考慮されていなかった。そのため、霜の除去にヒータなどを用いることが必要となり、消費電力が増加するおそれがある。
以下においては、一例として、電気自動車(EV;Electric Vehicle)や燃料電池自動車(FCV;Fuel Cell Vehicle)に設けられる空調システムを例に挙げて説明する。
また、第1の熱媒体の状態が液体、ガス、気液二相状態となる場合があるが、単に第1の熱媒体と称することもある。
また、第2の熱媒体の状態が液体、気液二相状態となる場合があるが、単に第2の熱媒体と称することもある。
図1は、第1の実施形態に係る空調システムを例示するためのブロック図である。
図1に示すように、空調システム1には、ヒートポンプ回路10と、熱回収回路30とが設けられている。
ヒートポンプ回路10には、冷房側回路10a、暖房側回路10bが設けられている。 冷房側回路10aは、車室内に供給される空気から熱を吸収することで車室内の冷房に用いられる空気の温度を下降させる。
暖房側回路10bは、車室内に供給される空気に熱を吸収させることで車室内の暖房に用いられる空気の温度を上昇させる。
冷房側回路10aには、コンプレッサ11、切換弁14、凝縮器(コンデンサ)12、膨張弁15、蒸発器(エバポレータ)17、配管22が設けられている。
コンプレッサ11は、蒸発器17及び蒸発器18から供給された第1の熱媒体のガスを圧縮する。コンプレッサ11は、例えば、吸入側より吸入した第1の熱媒体のガスを圧縮して高温高圧の第1の熱媒体のガスを生成し、生成された高温高圧の第1の熱媒体のガスを吐出側より吐出するものとすることができる。
切換弁14は、コンプレッサ11から吐出された高温高圧の第1の熱媒体のガスを凝縮器12及び凝縮器13のいずれに供給するのかを切り換える。切換弁14は、例えば、電磁コイルを備え、電磁コイルへの通電と通電の停止とにより流路の切り換えを行う三方弁などとすることができる。
凝縮器12は、例えば、図示しない送風ファンを備え、送風ファンにより吹き付けられた車室外の空気と、コンプレッサ11から吐出された高温高圧の第1の熱媒体のガスとの間において熱交換を行うものとすることができる。コンプレッサ11から吐出された高温高圧の第1の熱媒体のガスは、吹き付けられた車室外の空気に熱を吸収されることで凝縮される。
膨張弁15は、凝縮器12により凝縮された第1の熱媒体を断熱膨張させることで減圧し、その一部を気化させて気液二相状態の第1の熱媒体とする。
蒸発器17は、車室内に空気を供給するための送風ファン21aが設けられた送風ダクト21の内部に設けられている。蒸発器17は、送風ファン21aにより吹き付けられた空気と、膨張弁15から流入した気液二相状態の第1の熱媒体との間において熱交換を行う。気液二相状態の第1の熱媒体は、吹き付けられた空気から熱を吸収することで第1の熱媒体のガスとなりコンプレッサ11に供給される。また、蒸発器17により熱を吸収された空気は車室内に供給され、車室内の冷房に用いられる。
配管22は、冷房側回路10aに設けられた各要素間を接続し、第1の熱媒体の流路となる。
暖房側回路10bには、コンプレッサ11、切換弁14、凝縮器(コンデンサ)13、膨張弁16、蓄熱部19、蒸発器(エバポレータ)18、配管22a〜23cが設けられている。
凝縮器13は、前述した送風ダクト21の内部に設けられている。
凝縮器13は、送風ファン21aにより吹き付けられた空気と、切換弁14を介してコンプレッサ11から吐出された高温高圧の第1の熱媒体のガスとの間において熱交換を行うものとすることができる。コンプレッサ11から吐出された高温高圧の第1の熱媒体のガスは、吹き付けられた空気に熱を吸収されることで凝縮される。また、凝縮器13に吹き付けられた空気は、第1の熱媒体のガスから熱を吸収することで加熱され、加熱された空気は車室内に供給されて車室内の暖房に用いられる。
膨張弁16は、凝縮器13により凝縮された第1の熱媒体を断熱膨張させることで減圧し、その一部を気化させて気液二相状態の第1の熱媒体とする。
蒸発器18は、例えば、図示しない送風ファンを備え、送風ファンにより吹き付けられた車室外の空気と、蓄熱部19を介して膨張弁16から流入した気液二相状態の第1の熱媒体との間において熱交換を行うものとすることができる。気液二相状態の第1の熱媒体は、吹き付けられた空気から熱を吸収することで第1の熱媒体のガスとなりコンプレッサ11に供給される。
蓄熱部19の内部には、蓄熱材24が設けられ、熱回収回路30から供給された熱を蓄える。また、蓄熱部19は、蓄熱材24に蓄えられた熱を膨張弁16から蒸発器18に向けて供給される気液二相状態の第1の熱媒体に供給する。熱が供給されることで加熱された気液二相状態の第1の熱媒体が蒸発器18に供給されることで、蒸発器18の温度を上昇させることができる。そのため、寒冷地などにおいて蒸発器18に霜が付くことを抑制することができる。また、始動時などにおいて蒸発器18に霜が付いている場合であっても霜を除去することができる。その結果、暖房効率の低下、蒸発器の破損などを抑制することができる。
なお、蓄熱部19に関する詳細は後述する。
また、冷房側回路10a、暖房側回路10bに用いられる第1の熱媒体は、例えば、アンモニア、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などとすることができる。
熱回収回路30には、ポンプ34、放熱器33、配管32が設けられている。
熱回収回路30は、熱源31の熱を吸収することで熱源31を冷却し、吸収した熱を蓄熱部19に供給することで蓄熱部19に熱を蓄える。
ポンプ34は、第2の熱媒体を熱源31に供給する。また、ポンプ34は、熱源31、蓄熱部19、放熱器33の間において第2の熱媒体を循環させる。
放熱器33は、例えば、電気自動車や燃料電池自動車などに設けられたラジエータとすることができる。
熱源31から熱を吸収した第2の熱媒体は、蓄熱部19において熱を吸収され、放熱器33において吹き付けられた車室外の空気にさらに熱を吸収される。そして、熱を吸収されることで冷却された第2の熱媒体は、熱源31に供給され、熱源31の冷却に用いられる。
熱源31は、例えば、電気自動車や燃料電池自動車などに設けられたモータ、インバータ、燃料電池スタックなどの熱を発生させるものとすることができる。
第2の熱媒体は、例えば、水とすることができる。
図2は、蓄熱部を例示するための模式図である。なお、図2(a)は蓄熱部を例示するための模式断面図、図2(b)は図2(a)におけるA−A’矢視断面図である。
図3は、車両走行時に熱源31から回収した第2の熱媒体の熱量(回収熱量)の経時変化を例示するための模式グラフ図である。
図3は、10-15走行モードで車両走行を行った場合である。
また、熱源31における第2の熱媒体の流入口、および流出口における温度を実験によって求め、第2の熱媒体の流出口における温度と、流入口における温度との温度差から、回収熱量を算出するようにした。
ここで、蓄熱部19に設けられた蓄熱材24と、流路28の内部を流れる第1の熱媒体との間における熱交換(蓄熱材24からの第1の熱媒体の吸熱)は、蓄熱材24と第1の熱媒体との間の温度差が大きいほど、その交換量が多くなる。この場合、図3に示すように、電気自動車や燃料電池自動車などの走行状態によって熱源31から発生する熱量が変動するため、流路29の内部を流れる第2の熱媒体の温度も変動を伴うことになる。
一方、蒸発器18の温度(Tev2)が予め定められた下限値(Tmin)以上の場合、例えば、蒸発器18に付着した霜を除去する必要がない場合、熱交換を必要としない期間に熱源31から第2の熱媒体に吸収された熱は、放熱器33から外部に放出させることになるので無駄になる。
蓄熱部19を設けるようにすれば、蒸発器18の温度(Tev2)が予め定められた下限値(Tmin)未満となり、第1の熱媒体に熱を吸収させる必要がある場合に蓄熱材24から第1の熱媒体に熱を供給することができる。
なお、蓄熱材24に蓄熱された熱量が、第1の熱媒体に供給することが必要となる熱量よりも少ない場合には、蓄熱材24を加熱する加熱部191(例えば、ヒータなど)を設けるようにすることができる。この場合、加熱部191からの熱は蓄熱材24に吸収され、熱交換領域26において第1の熱媒体に吸収されることになる。
蓄熱部19には、筐体25、流路28、流路29、蓄熱材24、発核部300が設けられている。
また、蓄熱部19は、流路28を流れる第1の熱媒体と、蓄熱材24と、の間において熱交換を行う熱交換領域26と、放熱器33の上流側であって、熱源31に供給された第2の熱媒体と、蓄熱材24と、の間において熱交換を行う熱交換領域27と、を有している。
熱交換領域27は、熱交換領域26よりも蓄熱部19の中心側に設けられている。
筐体25の内壁には凹部301が設けられている。なお、凹部301に関しては後述する。
環状部28aは、筐体25の内壁側に位置する熱交換領域26に設けられている。環状部28aは筐体25の一方の端部の近傍に設けられている。接続部28bの環状部28aに接続された側とは反対の側の端部には配管23cが接続されている。そのため、第1の熱媒体は流路28の内部を流れることができる。また、環状部28aを複数設けるようにすることもできる。
螺旋部29aは、熱交換領域26の内側に設けられた熱交換領域27に設けられている。接続部29bには配管32が接続されている。そのため、第2の熱媒体は流路29の内部を流れることができる。
この場合、温度の高い第2の熱媒体が流れる流路29が蓄熱部19の内壁側に設けられるものとすれば、熱の放散が大きくなる。これに対し、温度の高い第2の熱媒体が流れる流路29が蓄熱部19の中心側に設けられるものとすれば、筐体25の表面までの距離を大きくすることができるので、熱の放散を抑制することができる。
そのため、前述した流路28と流路29の配置とすれば、熱交換の効率を向上させることができる。
過冷却を有する潜熱蓄熱材としては、酢酸ナトリウム3水和物などを例示することができる。過冷却を有する潜熱蓄熱材を用いるものとすれば、氷点下の環境においても過冷却を安定的に維持することができる。また、過冷却を有する潜熱蓄熱材を用いるものとすれば、熱を長時間蓄えておくことができる。そのため、例えば、冬場の低温環境で長期放置した状態から暖房を始動させた場合であっても、蒸発器18に付着した霜を除去することができる。また、過冷却を有する潜熱蓄熱材を用いるものとすれば、外部からの刺激などによって所望の時期に熱を放出させることが可能となる。そのため、例えば、一定の間隔を置いて蒸発器18に付着した霜を除去するようにしたり、必要な場合に蒸発器18に付着した霜を除去するようにしたりすることができる。
また、潜熱で蓄えることができる熱量以上の熱が第2の熱媒体から蓄熱材24に供給された場合には、蓄熱材24の温度が融点よりも上昇し、顕熱により熱が蓄えられることになる。
また、蓄熱材24の温度が予め定められた値よりも高くなった場合には、熱回収回路30に設けられた放熱器33により第2の熱媒体を冷却することで、蓄熱材24の温度が予め定められた値よりも高くならないようにすることができる。
発核部300を設けることで所望の時期に蓄熱材24から熱を放出させることもできる。そのため、例えば、一定の間隔を置いて蒸発器18に付着した霜を除去するようにしたり、必要な場合に蒸発器18に付着した霜を除去するようにしたりすることができるようになる。
図4に示すように、蓄熱部19aには、筐体25、流路128、流路29、蓄熱材24、発核部300が設けられている。
流路128は、管状部材から形成されている。流路128は、螺旋状の螺旋部128aと、螺旋部128aの両端に設けられた接続部128bとを有する。
螺旋部128aは、熱交換領域26に設けられている。接続部128bには配管32が接続されている。そのため、第1の熱媒体は流路128の内部を流れることができる。
なお、蓄熱部に設けられる流路の形態は例示をしたものに限定されるわけではない。例えば、蓄熱部に設けられる流路は、管状部材を蛇行させるようにしたものなどとすることもできる。
(冷房運転)
図5は、冷房側回路10aにおける運転方法を例示するためのフローチャートである。 車室内の冷房を行う指示がなされた場合(ステップS01)、切換弁14による切り換えを行うことでコンプレッサ11の流出側と配管22とが接続される(ステップS02)。その後、コンプレッサ11を駆動することで、第1の熱媒体が冷房側回路10a内を循環するようにする(ステップS03)。
(暖房運転)
暖房運転を行う指示がなされた場合、切換弁14による切り換えを行うことでコンプレッサ11の流出側と配管23aとを接続する。その後、コンプレッサ11を駆動することで、第1の熱媒体が暖房側回路10b内を循環するようにする。
図6は、第2の実施形態に係る空調システムを例示するためのブロック図である。
図6に示すように、空調システム50には、ヒートポンプ回路51と、熱回収回路30とが設けられている。
ヒートポンプ回路51には、冷房側回路10a、暖房側回路10cが設けられている。 冷房側回路10aは、車室内に供給される空気から熱を吸収することで車室内の冷房に用いられる空気の温度を下降させる。
暖房側回路10cは、車室内に供給される空気に熱を吸収させることで車室内の暖房に用いられる空気の温度を上昇させる。
切換弁20の一方の流出側には、配管23cを介して蓄熱部19の流入側が接続されている。切換弁20の他方の流出側には、配管23dを介して蒸発器18の流入側が接続されている。切換弁20の流入側には、配管23aを介して膨張弁16の流出側が接続されている。
温度測定部18aは、蒸発器18の温度を測定する。切換弁20は、温度測定部18aにより測定された蒸発器18の温度に基づいて、第1の熱媒体が配管23cおよび配管23dのいずれかを流れるように切り換えを行う。
温度測定部18aによる測定結果に基づいて、切換弁20による切り換えを制御することに関しては後述する。
なお、運転者などが操作することで切換弁20による切り換えを行うこともできる。
なお、冷房運転に関しては、図5において例示をした冷房側回路10aにおける運転方法と同様とすることができるため、説明を省略する。
(暖房運転)
以下においては、一例として、温度測定部18aによる測定結果に基づいて、切換弁20による切り換えを制御する場合について例示する。
図7は、暖房側回路10cにおける運転方法を例示するためのフローチャートである。
次に、温度測定部18aにより蒸発器18の温度(Tev2)を測定する(ステップS13)。なお、測定された蒸発器18の温度を蒸発器18の内部を流れる第1の熱媒体の温度に換算することもできる。この場合、予め実験などにより蒸発器18の温度と蒸発器18の内部を流れる第1の熱媒体の温度との関係を求め、求められた関係に基づいて温度の換算を行うようにすることができる。
その後、コンプレッサ11を駆動することで、第1の熱媒体が暖房側回路10c内の所定の経路を循環するようにする(ステップS16)。すなわち、第1の熱媒体が、コンプレッサ11、切換弁14、凝縮器13、膨張弁16、切換弁20、蒸発器18を循環するようにする。
この場合、凝縮器13に吹き付けられた空気は、第1の熱媒体のガスから熱を吸収することで加熱され、加熱された空気は車室内に供給されて車室内の暖房に用いられる。
また、蓄熱部19において蓄熱材24に蓄えられた熱が第1の熱媒体に吸収されることがないので、熱回収回路30からの熱を蓄熱材24に蓄えることができる。
例えば、蒸発器18の温度(Tev2)が予め定められた下限値(Tmin)未満の場合には、蓄熱部19側への第1の熱媒体の流入が切換弁20により行われる(ステップS14、S15b)。
その後、コンプレッサ11を駆動することで、第1の熱媒体が暖房側回路10c内の所定の経路を循環するようにする(ステップS16)。すなわち、第1の熱媒体が、コンプレッサ11、切換弁14、凝縮器13、膨張弁16、切換弁20、蓄熱部19、蒸発器18を循環するようにする。
この場合においても、凝縮器13に吹き付けられた空気は、第1の熱媒体のガスから熱を吸収することで加熱され、加熱された空気は車室内に供給されて車室内の暖房に用いられる。
例えば、蒸発器18の温度(Tev2)が予め定められた下限値(Tmin)未満の場合には、霜が付着していると判定して、蓄熱部19側へ第1の熱媒体を流入させるようにする。前述したように、蓄熱部19の流路28の内部に流入した第1の熱媒体は、蓄熱材24からの熱を吸収する。そのため、蒸発器18にかかる負荷を低減し、着霜量を低減させることができる。なお、蒸発器18にヒータを設置してもよい。
図8は、第3の実施形態に係る空調システムを例示するためのブロック図である。
図8に示すように、空調システム100には、ヒートポンプ回路101と、熱回収回路30とが設けられている。
暖房側回路10dは、車室内に供給される空気に熱を吸収させることで車室内の暖房に用いられる空気の温度を上昇させる。
切換弁20は、膨張弁16から流出した気液二相状態の第1の熱媒体を蓄熱部190及び蒸発器18のいずれに供給するのかを切り換える。
切換弁20は、温度測定部11aにより測定されたコンプレッサ11の温度に基づいて、第1の熱媒体が配管23cおよび配管23dのいずれかを流れるように切り換えを行う。 また、切換弁20は、温度測定部11aにより測定されたコンプレッサ11の温度及び温度測定部18aにより測定された蒸発器18の温度に基づいて、第1の熱媒体が配管23cおよび配管23dのいずれかを流れるように切り換えを行う。
温度測定部11a、温度測定部18aによる測定結果に基づいて、切換弁20による切り換えを制御することに関しては後述する。
なお、運転者などが操作することで切換弁20による切り換えを行うこともできる。
図9は、蓄熱部を例示するための模式図である。なお、図9(a)は蓄熱部を例示するための模式断面図、図9(b)は図9(a)におけるC−C’矢視断面図である。
図9に示すように、蓄熱部190には、筐体25、流路128、流路129、蓄熱材24、発核部300、温度測定部11aが設けられている。
螺旋部129aは、熱交換領域26の内側に設けられた熱交換領域27に設けられている。接続部129bには配管32が接続されている。そのため、第2の熱媒体は流路129の内部を流れることができる。
図9に例示をしたものでは、筐体25の中心をコンプレッサ11が貫通するようにして設けられ、蓄熱材24と筐体25とがコンプレッサ11の外面と接触している。そして、筐体25の内部であって、コンプレッサ11の外周面側が熱交換領域27となっている。
なお、冷房運転に関しては、図5において例示をした冷房側回路10aにおける運転方法と同様とすることができるため、説明を省略する。
(暖房運転)
以下においては、一例として、温度測定部11a、温度測定部18aによる測定結果に基づいて、切換弁20による切り換えを制御する場合について例示する。
図10は、暖房側回路10dにおける運転方法を例示するためのフローチャートである。
切換弁20は、測定されたコンプレッサ11の温度が予め定められた値よりも低い場合には、第1の熱媒体が配管23dを流れるように切り換えを行う。
例えば、コンプレッサ11の温度(Tcomp)が予め定められた下限値(Tcomp_min)未満の場合には、蓄熱部190側への第1の熱媒体の流入が切換弁20により遮断される(ステップS34、S37)。
また、蓄熱部190において蓄熱材24に蓄えられた熱が第1の熱媒体に吸収されることがないので、熱回収回路30からの熱を蓄熱材24に蓄えることができる。
そこで、例えば、コンプレッサ11の温度(Tcomp)が予め定められた下限値(Tcomp_min)未満と判定された場合には、蓄熱槽190からコンプレッサ11に熱を与えることで、コンプレッサ11からの熱の逃げを抑制するようにしている。
そして、例えば、蒸発器18の温度(Tev2)が予め定められた下限値(Tmin)以上の場合には、蓄熱部190側への第1の熱媒体の流入が切換弁20により遮断される(ステップS36、S37)。
この場合においては、コンプレッサ11を駆動する(ステップS39)ことで、第1の熱媒体が暖房側回路10d内の所定の経路を循環するようにする。すなわち、第1の熱媒体が、コンプレッサ11、切換弁14、凝縮器13、膨張弁16、切換弁20、蓄熱部190、蒸発器18を循環するようにする。
例えば、コンプレッサ11の温度(Tcomp)が予め定められた下限値(Tcomp_min)以上、かつ、蒸発器18の温度(Tev2)が予め定められた下限値(Tmin)未満の場合には、蓄熱部190側への第1の熱媒体の流入が切換弁20により行われる。蓄熱部190の流路128の内部に流入した第1の熱媒体は、蓄熱材24からの熱を吸収する。そのため、蒸発器18にかかる負荷を低減し、着霜量を低減させることができる。なお、蒸発器18にヒータを設置してもよい。
逆に、コンプレッサ11の温度、もしくは第1の熱媒体の温度が低い場合には、コンプレッサ11もしくは第1の熱媒体が蓄熱材24からの熱を吸収する。
そのため、電気自動車や燃料電池自動車などにおいて、車両内で熱をさらに有効利用することができるので、空調システムを運転する際の消費電力をさらに抑制することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
Claims (11)
- 吸入した第1の熱媒体を圧縮して吐出するコンプレッサと、
前記コンプレッサの吐出側に設けられた凝縮器と、
前記凝縮器の流出側に設けられた膨張弁と、
前記膨張弁の流出側に設けられ、前記第1の熱媒体が第1の流路および第2の流路のいずれかを流れるように切り換えを行う切換弁と、
前記第1の流路と、前記第2の流路と、の合流位置よりも下流側であって、且つ、コンプレッサの吸入側に設けられた蒸発器と、
第2の熱媒体を熱源に供給するポンプと、
前記熱源に供給された第2の熱媒体の熱を放熱させる放熱器と、
蓄熱材を有した蓄熱部と、
を備え、
前記蓄熱部は、
前記第1の流路を流れる前記第1の熱媒体と、前記蓄熱材と、の間において熱交換を行う第1の熱交換領域と、
前記放熱器の上流側であって、前記熱源に供給された第2の熱媒体と、前記蓄熱材と、の間において熱交換を行う第2の熱交換領域と、
を有する空調システム。 - 前記第2の熱交換領域は、前記第1の熱交換領域よりも前記蓄熱部の中心側に設けられた請求項1記載の空調システム。
- 前記蒸発器の温度を測定する第1の温度測定部をさらに備え、
前記切換弁は、前記測定された蒸発器の温度に基づいて、前記第1の熱媒体が前記第1の流路および前記第2の流路のいずれかを流れるように切り換えを行う請求項1または2に記載の空調システム。 - 前記切換弁は、前記測定された蒸発器の温度が予め定められた値よりも高い場合には、前記第1の熱媒体が前記第2の流路を流れるように切り換えを行い、
前記測定された蒸発器の温度が予め定められた値よりも低い場合には、前記第1の熱媒体が前記第1の流路を流れるように切り換えを行う請求項1〜3のいずれか1つに記載の空調システム。 - 前記コンプレッサは、前記蓄熱部と熱的に接続された請求項1〜4のいずれか1つに記載の空調システム。
- 前記コンプレッサの温度を測定する第2の温度測定部をさらに備え、
前記切換弁は、前記測定されたコンプレッサの温度に基づいて、前記第1の熱媒体が前記第1の流路および前記第2の流路のいずれかを流れるように切り換えを行う請求項5記載の空調システム。 - 前記切換弁は、前記測定されたコンプレッサの温度が予め定められた値よりも低い場合には、前記第1の熱媒体が前記第2の流路を流れるように切り換えを行う請求項6記載の空調システム。
- 前記蓄熱部の内部に設けられ、前記蓄熱材を発核させる発核部をさらに備えた請求項1〜7のいずれか1つに記載の空調システム。
- 前記蓄熱部は、前記蓄熱材と、前記発核部と、を収納する筐体を有し、
前記筐体の内壁には凹部が設けられ、
前記凹部は、前記発核部よりも上方に設けられた請求項1〜8のいずれか1つに記載の空調システム。 - 前記蓄熱材は、潜熱蓄熱材である請求項1〜9のいずれか1つに記載の空調システム。
- 前記蓄熱材を加熱する加熱部をさらに備えた請求項1〜10のいずれか1つに記載の空調システム。
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