JP2013070322A - 欠陥画素検出装置、撮像装置および欠陥画素検出プログラム - Google Patents

欠陥画素検出装置、撮像装置および欠陥画素検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 検出用画像を用意することなく、容易にかつ確度高く欠陥画素を検出することができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数の画素からなる画素列を少なくとも1つ有するセンサアレイと、センサアレイに被写体を複数回撮像させて、画素列の複数の画素それぞれが出力する画像信号の出力値を時系列に並べた出力値の時間変動の分布に基づいて、画素列における欠陥画素を検出する欠陥画素検出部と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、欠陥画素検出装置、撮像装置および欠陥画素検出プログラムに関する。
従来、複数の画素からなるラインセンサや撮像素子などのセンサアレイには、その製造の段階や、デジタルカメラなどの製品に組み込まれた後の経年変化により、正常に動作しない画素(欠陥画素)がある。そのような欠陥画素の画素位置を示す情報は、撮像した画像の補間処理などにおいて重要であり、製造の段階では、検査によりその情報を予め取得することができる。しかしながら、製品に組み込まれたセンサアレイの経年変化による欠陥画素については、取り出すなどして直接検出することができない。そこで、製品に組み込まれたセンサアレイの欠陥画素検出について、様々な技術が開発されている。
例えば、ラインセンサによる放射線画像が記録された蛍光体シートの読み取りを行う前に、予め濃度が一様なベタ画像の読み取りを行い、所定の範囲の値でない画素データが復走査方向に連続して現れるか否かに基づいて、ラインセンサにおける欠陥画素を検出する技術がある(特許文献1など参照)。
特開2003−18359号公報
しかしながら、従来技術では、濃度が一様なベタ画像のような検出用画像を用意する必要があり、ユーザにとって手間が掛かるという問題がある。
また、検出用画像を用いたとしても、検出用画像への光の照射具合により見え方が変化してしまい、正確に欠陥画素を検出できない場合がある。
上記従来技術が有する問題を鑑み、本発明の目的は、検出用画像を用意することなく、容易にかつ確度高く欠陥画素を検出することができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の欠陥画素検出装置は、複数の画素からなる画素列を少なくとも1つ有するセンサアレイと、センサアレイに被写体を複数回撮像させて、画素列の複数の画素それぞれが出力する画像信号の出力値を時系列に並べた出力値の時間変動の分布に基づいて、画素列における欠陥画素を検出する欠陥画素検出部と、を備える。
また、センサアレイに撮像され生成された被写体の撮像画像から被写体のうちコントラストが低い領域を対象領域として抽出する領域抽出部を備え、欠陥画素検出部は、画素列の複数の画素のうち対象領域に配置された画素が出力する出力値の時間変動の分布に基づいて、欠陥画素を検出してもよい。
また、領域抽出部は、撮像画像を複数の画像領域に分割し、分割した画像領域の出力値の分散値を算出し、分散値が所定値以下の画像領域を対象領域としてもよい。
また、欠陥画素検出部は、出力値の時間変動の分布を平滑化し、分布と平滑化された分布との差分に基づいて、欠陥画素を検出してもよい。
また、欠陥画素は、画素列の出力値の平均値より所定の閾値以上かけ離れ、隣接する画素と孤立した出力値を、時系列の方向に平行に連続して出力する画素であってもよい。
本発明の撮像装置は、本発明の欠陥画素検出装置を備える。
本発明の欠陥画素検出プログラムは、複数の画素からなる画素列を少なくとも1つ有するセンサアレイに被写体を複数回撮像させて、画素列の複数の画素それぞれが出力する画像信号の出力値を時系列に並べた出力値の時間変動の分布に基づいて、画素列における欠陥画素を検出する欠陥画素検出手順をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、検出用画像を用意することなく、容易にかつ確度高く欠陥画素を検出することができる技術を提供することにある。
本発明の一の実施形態に係るカメラ100の構成を示すブロック図 焦点検出部21がエリアセンサの場合のAF画素の配置の一例を示す図 ボディ側マイコン20の構成を示すブロック図 画素列の画素が示す画素値の時間変動の分布図の一例を示す図 画素列の画素が示す画素値の時間変動の分布図の別例を示す図 焦点検出部21が一対のラインセンサの場合のカメラ100による欠陥画素検出処理のフローチャート 焦点検出部21がエリアセンサの場合のカメラ100による欠陥画素検出処理のフローチャート 測光センサ15の場合のカメラ100による欠陥画素検出処理のフローチャート
図1は、本発明の一の実施形態に係るカメラ100の構成を示すブロック図である。本実施形態のカメラ100は、一眼レフデジタルカメラであるとし、図1に示すように、カメラ100は、レンズ部分と本体部分とからなる。また、カメラ100は、レンズ部分と本体部分とを電気的に接続する電気接点6を備える。
レンズ部分は、繰出し可能な撮影レンズ1、絞り2、撮影レンズ1を駆動するレンズ駆動部3、絞り2を制御する絞り制御部4、レンズ部分の各部を制御するレンズ側マイコン5を備える。
一方、カメラ部分は、撮影レンズ1からの光束を分岐するクイックリターンミラー10、焦点板11、ペンタプリズム12を備える。さらに、ペンタプリズム12からの光束を構図確認に用いるための接眼レンズ13、被写体の情報の取得するための再結像レンズ14、測光センサ15を備える。なお、測光センサ15には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどのイメージセンサを適宜選択して用いることができる。また、測光センサ15は、撮影モードでの撮像待機時、所定の時間間隔で構図確認用画像(スルー画像)を撮像する。このスルー画像のデータは、測光センサ15から間引き読み出しで出力され、後述するように、表示部19での画像表示やボディ側マイコン20による各種の演算処理に使用される。
また、カメラ部分は、撮像素子16、シャッタ17、焦点検出に用いる光束を導くサブミラー18を備える。さらに、カメラ部分は、測光センサ15によって撮像されたスルー画像や、撮像素子16によって撮像された画像などを表示する表示部19を備える。また、カメラ部分は、ボディ側マイコン20、焦点検出部21、シャッタ17を制御するシャッタ制御部22、撮像素子16を駆動する撮像素子駆動部23、撮像素子16により得られた画像に画像処理を施す画像処理部24を備える。
カメラ100は、被写体からの光束を撮影レンズ1および絞り2を通過して、クイックリターンミラー10に導く。カメラ100は、ユーザによる不図示の操作部材のレリーズ釦の全押し操作である撮像指示を受けると、クイックリターンミラー10を跳ね上げてシャッタ17を開放し、被写体からの光束を撮像素子16の受光面上に結像する。そして、撮像素子16は、静止画像や動画を撮像する。撮像素子16によって撮像された画像信号は、不図示のA/D変換器によってデジタル信号化され、画像処理部24によって画像処理が施される。ボディ側マイコン20は、処理された画像信号の出力値(画素値)を撮像画像のデータとして生成し、不図示のRAMに記憶する。なお、撮像素子16は、測光センサ15と同様に、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどのイメージセンサを適宜選択して用いることができる。また、撮像素子16の画素には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)などのオンチップカラーフィルタが、例えば、ベイヤ配列の配列で設けられる。
一方、撮像待機時などのカメラ100は、クイックリターンミラー10を下げ、被写体からの光束の一部を、クイックリターンミラー10に反射させ、焦点板11上に結像させる。この像の一部の光束は、ペンタプリズム12を介して、接眼レンズ13に導かれる。ユーザは、接眼レンズ13を介して、この像を観察することにより構図を確認することができる。一方、残りの光束は、再結像レンズ14を介して、測光センサ15上に結像される。
また、下がった状態のクイックリターンミラー10を透過した、被写体からの光束の一部は、サブミラー18によって焦点検出部21に導かれる。焦点検出部21は、撮影レンズ1を通過する光束を用いて、視差を有する被写体の2像を受光する、例えば、複数の焦点検出用の画素(AF画素)が水平走査方向に配列された一対のラインセンサからなるAFセンサである。焦点検出部21は、一対のラインセンサの画像出力から像の相対的ずれ量を算出して合焦状態を判別する、いわゆる位相差方式の焦点検出を行う。
なお、焦点検出部21には、例えば、CCDエリアセンサやCMOSエリアセンサなどで、そのエリアセンサの一部の領域の水平走査方向に、上記視差を有する被写体の2像を受光する一対のAF画素の画素列を有したAFセンサでもよい。図2は、焦点検出部21のエリアセンサの受光面の一部の領域に配置された一対のAF画素の画素列の一例を示す。図2において、白い四角は画素を示し、斜線の四角はAF画素を示す。また、焦点検出部21のエリアセンサは、一対のAF画素の画素列が複数配置されてもよい。さらに、水平走査方向と垂直走査方向とにAF画素の画素列がクロス配置されてもよい。
ボディ側マイコン20は、カメラ100の各部を統括的に制御するプロセッサである。ボディ側マイコン20の各制御プログラムは、不図示のROMなどの記憶部に予め記憶される。また、撮像素子16により撮像されて記憶された画像は、メモリカードなどの外部記憶装置などにファイルとして出力され、ユーザの利用に供される。また、ボディ側マイコン20は、電気接点6を介して、レンズ側マイコン5と相互に接続される。
さらに、本実施形態のボディ側マイコン20は、記憶部(不図示)に記憶された欠陥画素検出プログラムを実行することにより、図3に示すように、領域抽出部30、欠陥画素検出部31として動作する。
領域抽出部30は、検査対象となる測光センサ15、撮像素子16、焦点検出部21により撮像されるスルー画像などの撮像画像を、複数の画像領域に分割し、各画像領域の画素値の平均値および標準偏差を算出する。領域抽出部30は、各画像領域の標準偏差と閾値αとを比較し、標準偏差の値が閾値α(所定値)以下である画像領域を低コントラストの画像領域と判定し、欠陥画素検出のための対象領域として抽出する。
なお、本実施形態では、分割する画像領域の数を、例えば、水平走査方向および垂直走査方向それぞれを3等分した9つと設定するが、元の画像の画素数、欠陥画素の検出精度や処理速度などに応じて決定するのが好ましい。ただし、焦点検出部21が一対のラインセンサの場合には、それぞれのラインセンサの画素列を3つの区間に等分するものとする。
また、本実施形態の閾値αは、例えば、255階調の画像の場合、10以下の値に設定されるとするが、撮像対象の被写体や画像の階調などに応じて適宜設定されることが好ましい。
欠陥画素部31は、抽出された低コントラストの対象領域の画素値を用い、測光センサ15、撮像素子16または焦点検出部21の対象領域において欠陥画素を検出する。具体的には、欠陥画素検出部31は、検出対象となる測光センサ15、撮像素子16または焦点検出部21に被写体を複数回撮像させる。欠陥画素検出部31は、撮像ごとに対象領域に配置された各画素から出力される画素値を、例えば、水平走査方向の画素列ごとに撮像順の時系列に並べて、図4(a)に示すような、画素列ごとに画素値の時間変動の分布図50を生成する。
なお、図4(a)に示す分布図50は、一の画素列の各画素が撮像ごとに出力する画素値のうち、その画素列の画素値の平均値から所定の閾値β以上かけ離れた画素値のみを図示する。また、図4(b)は、例えば、n回目の撮像時の一の画素列における各画素の画素値の分布を示す(n=1〜30の自然数)。平均値から所定の閾値β以上かけ離れるような画素値は、ショットノイズなどのノイズや欠陥画素の出力異常などによる。ここで、図4(b)では、ノイズまたは欠陥画素の画素値は、0などの小さな値を出力する黒欠陥としたが、最大の階調値などの大きな値を出力する白欠陥であってもよい。
欠陥画素検出部31は、その分布図50に基づいて、検出処理の間、時系列の方向(撮像回数の方向)に平行に連続して平均値から所定の閾値β以上かけ離れ、隣接する画素と孤立した画素値を出力する画素を欠陥画素として検出する。
なお、本実施形態では、例えば、撮像回数を30回と設定するが、被写体の露光条件や欠陥画素の検出精度などに応じて適宜決定することが好ましい。また、所定の閾値βは、例えば、その撮像で一の画素列が出力した画素値から算出された標準偏差σの3倍、すなわちβ=3σと設定するが、検出対象のセンサアレイや被写体の露光条件に応じて適宜決定することが好ましい。
ここで、「平行に」および「隣接する画素と孤立した」という欠陥画素の条件がある理由について簡単に説明する。例えば、被写体に輝度が暗い部分があり、一の画素列の画素40がその暗い部分に位置する場合、その画素40を含む画素値の時間変動の分布は、図5(a)のようになる。明らかに、図5に示す画素値の時間変動の分布は、図4(a)のものと同じであり、欠陥画素検出部31は、画素40がたとえ正常な画素であっても欠陥画素と誤検出してしまう。
ところで、図5(b)のn回目の撮像時の各画素の画素値の分布が示すように、例えば、画素40が正常な画素の場合、それに隣接する画素41、42とのクロストークなどの要因により、隣接する画素41、42の画素値は小さな値となり、画素40を中心とする周辺画素の画素値は、正規分布のような分布を示す。そこで、「平行に」および「隣接する画素と孤立した」という条件を加えることにより、欠陥画素検出部31による誤検出を回避する。
なお、本実施形態では、上記誤検出をより確度高く回避するために、欠陥画素検出部31は、図4(a)に示す分布図50に、メディアンフィルタなどの平滑化フィルタを適用し平滑化する。欠陥画素検出部31は、分布図50と平滑化された分布図との差分を求め、その差分した画素値の分布から欠陥画素を検出する。これにより、撮像ごとの被写体の微妙なコントラストの変動を除去することができるとともに、図5(b)に示す正規分布のようななだらかな変化を除去して、図4(b)に示すような孤立した画素値を出力する欠陥画素のみを検出することができる。
次に、カメラ100による欠陥画素の検出動作について、検出対象が、1)焦点検出部21で一対のラインセンサの場合、2)焦点検出部21でエリアセンサの場合、3)測光センサ15の場合に分けて説明する。
また、カメラ100による欠陥画素の検出処理は、カメラ100が使用される度に行われてもよいし、1週間や1ヶ月などの時間間隔ごとに行われてもよい。また、以下の説明において、不図示の記憶部には、測光センサ15、撮像素子16、焦点検出部21の製造時の段階において、予め欠陥画素が検出されそれらの画素位置情報が記憶されているものとする。さらに、不図示の記憶部は、焦点検出部21がエリアセンサの場合、AF画素の画素位置についても記憶しているものとする。
1)焦点検出部21が一対のラインセンサの場合
焦点検出部21が一対のラインセンサの場合のカメラ100による欠陥画素の検出動作について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、ユーザにより不図示の操作部材の電源釦が押されると、カメラ100に電源が投入される。それにより、ボディ側マイコン20は、各種制御プログラムと欠陥画素検出プログラムとを記憶部(不図示)から読み込み実行する。同時に、ボディ側マイコン20は、記憶部(不図示)より欠陥画素の画素位置情報や閾値α、βを読み込むとともに、電気接点6を介して、レンズ部分の情報を取得する。ボディ側マイコン20は、撮影モードの撮像待機時の場合、測光センサ15に、クイックリターンミラー10により分岐された被写体からの光束を所定の時間間隔で被写体のスルー画像を撮像させ、スルー画像を表示部19に表示する。また、クイックリターンミラー10を透過した被写体からの光束の一部は、サブミラー18によって焦点検出部21に導かれ、ボディ側マイコン20は、ステップS101からの処理を開始する。
ステップS101:焦点検出部21の一対のラインセンサは、ボディ側マイコン20からの焦点検出指示に従い、視差を有する被写体の2像の光束をそれぞれ受光する。ボディ側マイコン20は、一対のラインセンサによる画像出力を画像データとして生成し、不図示の内部メモリに保持する。
ステップS102:領域抽出部30は、画像データを各ラインセンサのAF画素の画素列に沿って3つの区間に分割し、区間ごとに画素値の平均値および標準偏差を算出する。領域抽出部30は、区間ごとの標準偏差と閾値αとを比較し、標準偏差の値が閾値α以下となる低コントラストの区間を対象領域として抽出する。
ステップS103:欠陥画素検出部31は、ステップS102において、領域抽出部30により低コントラストの対象領域が抽出されたか否かを判定する。欠陥画素検出部31は、少なくとも1つの対象領域が抽出された場合、ステップS104(YES側)へ移行し、対象領域が抽出されなかった場合、ステップS106(NO側)へ移行する。
ステップS104:欠陥画素検出部31は、焦点検出部21に対して、所定のフレームレートで被写体を30回撮像させ、撮像ごとに対象領域に配置されたAF画素が出力する画素値を撮像順の時系列に並べて、区間ごとに画素値の時間変動の分布図50を生成する。同時に、欠陥画素検出部31は、撮像ごとに各区間の画素値の平均値と標準偏差σを算出し、内部メモリ(不図示)に保持する。なお、本実施形態における所定のフレームレートは、60fpsなどであるとする。
欠陥画素検出部31は、生成された分布図50に平滑化フィルタを適用して平滑化し、元の分布図50と平滑化された分布図との差分を求める。欠陥画素検出部31は、その差分した画素値の分布から対象領域の区間において、時系列の方向に平行に連続して平均値から所定の閾値β以上かけ離れ、隣接する画素と孤立した画素値を出力する欠陥画素を検出する。
ステップS105:ボディ側マイコン20は、記憶部(不図示)から読み込んだ欠陥画素の画素位置情報を参照して、ステップS104で検出された欠陥画素が経年変化によって新たに生じたものか否かを判定する。ボディ側マイコン20は、経年変化によって新たに生じた欠陥画素と判定した場合、その欠陥画素の画素位置を画素位置情報に登録更新し、一連の処理を終了する。一方、ボディ側マイコン20は、検出された欠陥画素は既に画素位置情報に登録されていると判定した場合、一連の処理を終了する。
ステップS106:焦点検出部21は、いずれの区間も低コントラストでない場合、一対のラインセンサの画像出力に基づいて、像の相対的ずれ量を算出して合焦状態を判別し焦点検出を行う。ボディ側マイコン20は、一連の処理を終了する。
2)焦点検出部21がエリアセンサの場合
焦点検出部21がエリアセンサの場合のカメラ100による欠陥画素の検出動作について、図7のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、ステップS201の処理が開始されるまでのカメラ100の動作は、図6に示す焦点検出部21が一対のラインセンサの場合と同じであり説明を省略する。
ステップS201:焦点検出部21のエリアセンサは、ボディ側マイコン20からの焦点検出指示に従い、視差を有する被写体の2像の光束を受光する。ボディ側マイコン20は、エリアセンサによる画像出力を画像データとして生成し、不図示の内部メモリに保持する。
ステップS202:領域抽出部30は、画像データを垂直走査方向および水平走査方向についてそれぞれ3等分し9つの画像領域に分割し、画像領域ごとに画素値の平均値および標準偏差を算出する。領域抽出部30は、画像領域ごとの標準偏差と閾値αとを比較し、標準偏差の値が閾値α以下となる低コントラストの画像領域を対象領域として抽出する。
ステップS203:欠陥画素検出部31は、ステップS202において、領域抽出部30により低コントラストの対象領域が抽出されたか否かを判定する。欠陥画素検出部31は、少なくとも1つの対象領域が抽出された場合、ステップS204(YES側)へ移行し、対象領域が抽出されなかった場合、ステップS206(NO側)へ移行する。
ステップS204:欠陥画素検出部31は、焦点検出部21に対して、所定のフレームレートで被写体を30回撮像させ、撮像ごとに対象領域に配置された画素が出力する画素値を、例えば、水平走査方向の画素列ごとに撮像順の時系列に並べて、画素列ごとに分布図50を生成する。同時に、欠陥画素検出部31は、撮像ごとに各画素列の画素値の平均値と標準偏差σを算出し、内部メモリ(不図示)に保持する。
欠陥画素検出部31は、生成された分布図50に平滑化フィルタを適用して平滑化し、元の分布図50と平滑化された分布図との差分を求める。欠陥画素検出部31は、その差分した画素値の分布から対象領域の画像領域において、時系列の方向に平行に連続して平均値から所定の閾値β以上かけ離れ、隣接する画素と孤立した画素値を出力する欠陥画素を検出する。
ステップS205:ボディ側マイコン20は、記憶部(不図示)から読み込んだ欠陥画素の画素位置情報を参照して、ステップS204で検出された欠陥画素が経年変化によって新たに生じたものか否かを判定する。ボディ側マイコン20は、経年変化によって新たに生じた欠陥画素と判定した場合、その欠陥画素の画素位置を画素位置情報に登録更新し、一連の処理を終了する。一方、ボディ側マイコン20は、検出された欠陥画素は既に画素位置情報に登録されていると判定した場合、一連の処理を終了する。
ステップS206:焦点検出部21は、いずれの画像領域も低コントラストでない場合、エリアセンサに配置されたAF画素の出力に基づいて、像の相対的ずれ量を算出して合焦状態を判別し焦点検出を行う。ボディ側マイコン20は、一連の処理を終了する。
3)測光センサ15の場合
測光センサ15の場合のカメラ100による欠陥画素の検出動作について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、ステップS301の処理が開始されるまでのカメラ100の動作は、図6に示す焦点検出部21が一対のラインセンサの場合と同じであり説明を省略する。また、測光センサ15に対する欠陥画素の検出処理は、撮像素子16に対しても適用可能である。ただし、撮像素子16の場合、例えば、動画撮像時に行うのが好ましい。
さらに、測光センサ15や撮像素子16の画素に、RGBなどのオンチップカラーフィルタがベイヤ配列の配列で設けられている場合、例えば、色成分ごとに画素値を分けて画像データを生成し、各色成分の画像データに対して欠陥画素の検出処理を行うのが好ましい。あるいは、測光センサ15や撮像素子16からの出力に対して画像処理部24による色補間処理を施すことにより、各画素位置で全ての色成分を算出し、いずれかの色成分の画像データまたは輝度成分に変換した画像データを用い欠陥画素の検出処理を行ってもよい。
ステップS301:測光センサ15は、撮像待機時、下がった状態のクイックターンミラー10によって反射された被写体からの光束の一部を受光し、被写体のスルー画像を撮像する。ボディ側マイコン20は、そのスルー画像を表示部19に表示するとともに、不図示の内部メモリに、そのスルー画像を保持する。
ステップS302:領域抽出部30は、スルー画像を垂直走査方向および水平走査方向についてそれぞれ3等分し9つの画像領域に分割し、画像領域ごとに画素値の平均値および標準偏差を算出する。領域抽出部30は、画像領域ごとの標準偏差と閾値αとを比較し、標準偏差の値が閾値α以下となる低コントラストの画像領域を対象領域として抽出する。
ステップS303:欠陥画素検出部31は、ステップS302において、領域抽出部30により低コントラストの対象領域が抽出されたか否かを判定する。欠陥画素検出部31は、少なくとも1つの対象領域が抽出された場合、ステップS304(YES側)へ移行し、対象領域が抽出されなかった場合、ボディ側マイコン20は、一連の処理を終了する。
ステップS304:欠陥画素検出部31は、測光センサ15が、例えば、60fpsなどのフレームレートで撮像した通常のスルー画像を用い、撮像ごとに対象領域に配置された画素が出力する画素値を、例えば、水平走査方向の画素列ごとに撮像順の時系列に並べて、画素列ごとに分布図50を生成する。同時に、欠陥画素検出部31は、撮像ごとに各画素列の画素値の平均値と標準偏差σを算出し、内部メモリ(不図示)に保持する。なお、本実施形態の欠陥画素検出部31が用いるスルー画像の数は、例えば、30とする。
欠陥画素検出部31は、生成された分布図50に平滑化フィルタを適用して平滑化し、元の分布図50と平滑化された分布図との差分を求める。欠陥画素検出部31は、その差分した画素値の分布から対象領域の画像領域において、時系列の方向に平行に連続して平均値から所定の閾値β以上かけ離れ、隣接する画素と孤立した画素値を出力する欠陥画素を検出する。
ステップS305:ボディ側マイコン20は、記憶部(不図示)から読み込んだ欠陥画素の画素位置情報を参照して、ステップS304で検出された欠陥画素が経年変化によって新たに生じたものか否かを判定する。ボディ側マイコン20は、経年変化によって新たに生じた欠陥画素と判定した場合、その欠陥画素の画素位置を画素位置情報に登録更新し、一連の処理を終了する。一方、ボディ側マイコン20は、検出された欠陥画素は既に画素位置情報に登録されていると判定した場合、一連の処理を終了する。
このように、本実施形態では、撮像対象の被写体を撮像した画像を用いて、センサアレイの複数の画素の中から経年変化によって発生した欠陥画素を検出することにより、検出用画像を用意する必要が無く、ユーザの手を煩わせることなく、容易にかつ確度高く欠陥画素を検出することができる。そして、被写体に応じて低コントラストの領域の位置が変わることから、様々な被写体による欠陥画素の検出処理を行うことで、センサアレイの全ての画素について欠陥画素か否かを調べることができる。
また、撮像画像のうち、被写体が低コントラストである部分の画像領域を対象領域として抽出し、その対象領域に配置された画素列の画素に対してのみ欠陥画素の検出処理を行うことから、より確度高く欠陥画素を検出することができる。
《実施形態の補足事項》
(1)上記実施形態では、カメラ100は、一眼レフデジタルカメラとしたが、コンパクトカメラであってもよい。その場合、撮像素子16は、図2に示すようなAF画素を有するものであってもよい。
また、カメラ100は、1つの撮像素子16を有した単板式カメラであるが、3板式カメラなど複数の撮像素子16を有したカメラであってもよい。
(2)上記実施形態では、領域抽出部30、欠陥画素検出部31の各処理を、ボディ側マイコン20がソフトウエア的に実現する例を説明したが、ASICを用いてこれらの各処理をハードウエア的に実現してもよい。
(3)本発明の欠陥画素検出装置は、上記実施形態のカメラ100の例に限定されない。例えば、センサアレイとコンピュータとを接続して、コンピュータに欠陥画素検出処理のプログラムを実行させることにより、コンピュータを本発明の欠陥画素検出装置として機能させてもよい。
(4)上記実施形態では、領域抽出部30が、撮像画像を複数の画像領域に分割し、その画像領域の中から対象領域を抽出したが、本発明はこれに限定されず、領域抽出部30は、撮像画像を分割することなく、直接低コントラストの領域を対象領域として抽出してもよい。
(5)上記実施形態では、検出対象が焦点検出部21の場合、領域抽出部30は、焦点検出部21が撮像した画像データに基づいて対象領域を抽出したが、本発明はこれに限定されず、領域抽出部30は、測光センサ15が撮像したスルー画像に基づいて対象領域を抽出してもよい。
(6)上記実施形態では、焦点検出部21に対する欠陥画素の検出処理のステップS103(またはステップS203)において、低コントラストの対象領域が少なくとも1つ抽出された場合、ステップS104(またはステップS204)(YES側)へ移行し、対象領域が抽出されなかった場合、ステップS106(またはステップS206)(NO側)へ移行するとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、焦点検出部21において、領域抽出部30により低コントラストの対象領域が抽出されるとともに、他の区間(または画像領域)が低コントラストで無くかつ焦点検出のAF領域に設定されている場合、対象領域に対しては、ステップS104〜ステップS105(またはステップS204〜ステップS205)の処理を、AF領域に対しては、ステップS106(またはステップS206)の処理を並列に行ってもよい。あるいは、対象領域に対するステップS104〜ステップS105(またはステップS204〜ステップS205)の処理を先に行い、次に、AF領域に対するステップS106(またはステップS206)の処理を直列に行ってもよい。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図する。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物によることも可能である。
1 撮影レンズ、2 絞り、3 レンズ駆動部、4 絞り制御部、5 レンズ側マイコン、6 電気接点、10 クイックリターンミラー、11 焦点板、12 ペンタプリズム、13 接眼レンズ、14 再結像レンズ、15 測光センサ、16 撮像素子、17 シャッタ、18 サブミラー、19 表示部、20 ボディ側マイコン、21 焦点検出部、22 シャッタ制御部、23 撮像素子駆動部、24 画像処理部、30 領域抽出部、31 欠陥画素検出部、100 カメラ

Claims (7)

  1. 複数の画素からなる画素列を少なくとも1つ有するセンサアレイと、
    前記センサアレイに被写体を複数回撮像させて、前記画素列の前記複数の画素それぞれが出力する画像信号の出力値を時系列に並べた前記出力値の時間変動の分布に基づいて、前記画素列における欠陥画素を検出する欠陥画素検出部と、
    を備えることを特徴とする欠陥画素検出装置。
  2. 請求項1に記載の欠陥画素検出装置において、
    前記センサアレイに撮像され生成された前記被写体の撮像画像から前記被写体のうちコントラストが低い領域を対象領域として抽出する領域抽出部を備え、
    前記欠陥画素検出部は、前記画素列の複数の画素のうち前記対象領域に配置された画素が出力する前記出力値の時間変動の分布に基づいて、前記欠陥画素を検出する
    ことを特徴とする欠陥画素検出装置。
  3. 請求項2に記載の欠陥画素検出装置において、
    前記領域抽出部は、前記撮像画像を複数の画像領域に分割し、分割した前記画像領域の前記出力値の分散値を算出し、前記分散値が所定値以下の画像領域を前記対象領域とすることを特徴とする欠陥画素検出装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の欠陥画素検出装置において、
    前記欠陥画素検出部は、前記出力値の時間変動の分布を平滑化し、前記分布と平滑化された前記分布との差分に基づいて、前記欠陥画素を検出することを特徴とする欠陥画素検出装置。
  5. 請求項1ないし請求項4に記載の欠陥画素検出装置において、
    前記欠陥画素は、前記画素列の出力値の平均値より所定の閾値以上かけ離れ、隣接する画素と孤立した出力値を、前記時系列の方向に平行に連続して出力する画素であることを特徴とする欠陥画素検出装置。
  6. 請求項1ないし請求項5に記載の欠陥画素検出装置を備えることを特徴とする撮像装置。
  7. 複数の画素からなる画素列を少なくとも1つ有するセンサアレイに被写体を複数回撮像させて、前記画素列の前記複数の画素それぞれが出力する画像信号の出力値を時系列に並べた前記出力値の時間変動の分布に基づいて、前記画素列における欠陥画素を検出する欠陥画素検出手順
    をコンピュータに実行させることを特徴とする欠陥画素検出プログラム。
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