JP2013068504A - ロータディスクの翼溝部の探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】探傷装置10は、超音波探傷プローブ12と、超音波探傷プローブ12を保持する固定台17と、固定台17を上下方向へ移動させる移動台13と、固定台17及び移動台13を支持する支持台11と、を備えている。固定台17は、超音波探傷プローブ12を固定する保持体18と、保持体18を回動させるボールベアリング20と、ボールベアリング20を外周側から保持する固定部19と、から構成されている。保持体18には、貫通孔18aが形成されており、当該貫通孔18aの大きさは、超音波探傷プローブ12の外形寸法よりもやや大きくなるように形成されている。この貫通孔18aの内周面に沿って弾性体21が接着剤等で接続されている。
【選択図】 図1
Description
超音波探傷プローブと、
前記超音波探傷プローブを内方に保持する空間を有し、外形が円形状である保持体と、
前記保持体の外周を支持して前記保持体を回動自在に支持する回動手段と、
内周が前記回動手段の外周に接しており、前記回動手段を保持する固定部と、
上下方向に沿って形成された開口を内部に有しており、当該開口内に前記固定部を収容する支持台と、
前記固定部に接続されており、前記開口に沿って前記固定部を上下方向に移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする。
また、回動手段を備えているため、超音波探傷プローブの向きを容易に変更することができる。これにより、ロータディスクの翼溝部に発生した応力腐食割れに対して、角度を変えて超音波を照射することができる。ロータディスクの翼溝部に発生した応力腐食割れでは、ある方向から照射された超音波に対しては反射エコーを発生しない場合があるが、回動手段を備えることで、任意の方向に発生した応力腐食割れに対して反射エコーを生じさせることができるようになり、応力腐食割れ箇所の検出確度の向上を図ることができる。
前記ロータディスクの前記肩部の角部を基準として、前記角部から下方へ離間する方向に向かって前記探傷部の表面に目盛りが記されていてもよい。
前記固定手段は、前記ロータディスクの前記側面と対向する前記支持台の側面側から前記ガイド溝内に挿入されて、前記支持台及び前記移動手段を貫通するボルトと、前記ボルトに手動で締め付け可能な蝶ナットと、から構成されていることとしてもよい。
図1に示すように、ロータディスク1の外周端部には、全周にわたり外方に向かって開口した翼溝部2が設けられている。タービンブレード4の下部には一体に翼根部5が形成され、タービンブレード4の翼根部5がロータディスク1の翼溝部2に嵌合されることにより、複数のタービンブレード4がロータディスク1の外周端部に接続されている。
保持体18には、貫通孔18aが形成されており、当該貫通孔18aの大きさは、超音波探傷プローブ12の外形寸法よりもやや大きくなるように形成されている。この貫通孔18aの内周面に沿って弾性体21が接着剤等で接続されている。本実施形態では、弾性体21としてシリコーンゴムを用いた。弾性体21により囲まれた貫通孔18aの大きさは、超音波探傷プローブ12の外形寸法よりもやや小さくなっている。弾性体21に囲まれた貫通孔18a内に超音波探傷プローブ12が嵌め込まれる。弾性体21は変形が容易なので、超音波探傷プローブ12を容易に着脱することができる。また、弾性体21は適度な硬度を有するため、超音波探傷プローブ12を貫通孔18a内に固定することができる。なお、本実施形態では、弾性体21としてシリコーンゴムを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、エチレンプロピレンゴム、ポリウレタン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、パーフロロエラストマ、天然ゴム等を用いることができる。
また、ボールベアリング20の外周を囲うように固定部19が設けられている。つまり、ボールベアリング20の外周面に固定部19の内周面が密着するように設けられている。この構成により、保持体18は固定部19に対して回動自在となっている。
第1溝22及び第2溝23の延長線上に位置するボールベアリング20の外輪20bには切欠きが形成されており、第1溝22及び第2溝23は、ボールベアリング20の外輪20bと内輪20aとの間の溝(以下、ボールベアリング20の溝20cという)に連通している。
ボールベアリング20の溝20c、第1溝22及び第2溝23に嵌め込まれるゴムパッキン24は一体に形成されている。即ち1つのゴムパッキン24ですべての溝20c、22、23を埋めることができる。
本実施形態では、ゴムパッキン24としてOリングを用いたが、これに限定されるものではなく、オイルシールを用いてもよい。要は、耐油性、耐摩耗性を有するものであればよい。
一方、固定台17の上部側で、且つ、第1溝22とボールベアリング20の溝20cとの交差部から第2溝23とボールベアリング20の溝20cの交差部までの区間のゴムパッキン24の背面側端24bは、ロータディスク1の側面との間に隙間が形成できるように、他の部位よりも高さが低く形成されている。これにより、固定台17の上方から供給された検査油を保持体18内に導入することができる。
なお、本実施形態では、ボールベアリング20の溝20c、第1溝22及び第2溝23に嵌め込まれるゴムパッキン24として、一体に形成されたものを用いたが、これに限定されるものではなく、分割されたゴムパッキンをそれぞれボールベアリング20の溝20c、第1溝22及び第2溝23に嵌め込んでもよい。
支持台11の開口11aの両側には、それぞれ開口11aに沿ってガイド孔11cが形成されている。図7に示すように、当該ガイド孔11c及び移動台13を貫通するように背面側からボルト14が挿入されており、このボルト14に蝶ナット15が螺合している。蝶ナット15を手で締め付けることで移動台13を支持台11に固定できる。また、蝶ナット15を緩めることにより、移動台13をガイド孔11cに沿って移動可能となる。移動台13をガイド孔11cに沿って移動させることにより、固定台17を上下方向へ移動させることができる。
支持台11の正面11eには、開口11aに沿って目盛り27が記されている。この目盛り27は、ロータディスク1の肩部3の角部3aを基準として下方へ向かって記されている。つまり、肩部3からの距離が記されている。
目盛り27の正面に位置する移動台13の端部には、目盛り27を正確に読み取ることができるように、切欠き部13aが形成されている。
また、ボールベアリング20を備えているため、超音波探傷プローブ12の向きを容易に変更することができる。これにより、ロータディスク1の翼溝部2に発生した応力腐食割れに対して、角度を変えて超音波を照射することができる。ロータディスク1の翼溝部2に発生した応力腐食割れでは、ある方向から照射された超音波に対しては反射エコーを発生しない場合があるが、ボールベアリング20を備えることによって、任意の方向に発生した応力腐食割れに対して反射エコーを生じさせることができるようになり、応力腐食割れ箇所の検出確度の向上を図ることができる。
また、ゴムパッキン24を備えているため、ロータディスク1の側面と超音波探傷プローブ12との間に粘性の低い検査油を保持することができる。これにより、従来、探傷作業中に頻繁に行っていた給油作業の回数を低減することができるため、作業効率が更に向上する。また、超音波探傷プローブ12がロータディスク1の側面に接触しないため、超音波探傷プローブ12の表面の摩耗を防止することができる。
さらに、ボールベアリング20の溝20cに嵌め込まれたゴムパッキン24が角度位置決め手段としての機能も有しているため、保持体18が回動して所望の角度となったときに、回動が抑制され、その状態を維持することができる。また、ゴムパッキン24の制動力よりも大きな力を加えることにより、保持体18を回動させることが可能となる。
また、嵌め込まれたゴムパッキン24により溝20cが閉塞されるため、ボールベアリング20からの検査油流出を防ぐことができ、注入した検査油の保持効果が向上する。
そして、第1溝22及び第2溝23に嵌め込まれたゴムパッキン24により、供給した粘性の低い検査油を超音波探傷プローブ12とロータディスク1の側面との間に導くことができる。これにより、ロータディスク1の側面全体に検査油が拡がることを防止できるので、探傷作業後の検査油の除去作業が容易となる。
2 翼溝部
3 肩部
3a角部
4 タービンブレード
5 翼根部
6 シュラウド
10 探傷装置
11 支持台
11a 開口
11b 屈曲部
11c ガイド孔
11d 座グリ穴
11e 正面
11f 探傷部
12 超音波探傷プローブ
13 移動台
13a 切欠き部
14 ボルト
14a 頭部
15 蝶ナット
17 固定台
17a 背面
18 保持体
18a 貫通孔
19 固定部
19a 角部
19b 角部
20 ボールベアリング
20a 内輪
20b 外輪
20c 溝
20d 凸部
21 弾性体
22 第1溝
23 第2溝
24 ゴムパッキン
24a 凹部
24b 背面側端
25 基準位置
26 目盛り
27 目盛り
28 指針
Claims (8)
- タービンブレードの翼根部を収納するロータディスクの翼溝部に生じる応力腐食割れを、超音波探傷プローブを前記ロータディスクの側部に接触させて検出するロータディスクの翼溝部の探傷装置であって、
超音波探傷プローブと、
前記超音波探傷プローブを内方に保持する空間を有し、外形が円形状である保持体と、
前記保持体の外周を支持して前記保持体を回動自在に支持する回動手段と、
内周が前記回動手段の外周に接しており、前記回動手段を保持する固定部と、
上下方向に沿って形成された開口を内部に有しており、当該開口内に前記固定部を収容する支持台と、
前記固定部に接続されており、前記開口に沿って前記固定部を上下方向に移動させる移動手段と、を備えることを特徴とするロータディスクの翼溝部の探傷装置。 - 前記超音波探傷プローブと前記空間の外周面との間に介在する弾性体を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のロータディスクの翼溝部の探傷装置。
- 前記ロータディスクの側面と前記超音波探傷プローブとの間に検査油を保持する空隙を形成するパッキンを、前記ロータディスクの前記側面と対向する前記回動手段又は前記固定部の側面に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータディスクの翼溝部の探傷装置。
- 前記回動手段は、前記保持体の回動角度を調整する角度位置決め手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載のロータディスクの翼溝部の探傷装置。
- 上方から供給される前記検査油を前記空隙に導く導入路が、前記超音波探傷プローブの上方で、且つ前記固定部の前記側面にすり鉢状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のロータディスクの翼溝部の探傷装置。
- 前記支持台は、前記ロータディスクの前記側面に対向する位置に配置される探傷部と、当該探傷部の上方に延設するように設けられ、前記探傷部に対して所定角度に屈曲されて前記ロータディスクの肩部に当接する屈曲部と、から構成されており、
前記ロータディスクの前記肩部の角部を基準として、前記角部から下方へ離間する方向に向かって前記探傷部の表面に目盛りが記されていることを特徴とする請求項1〜5のうち何れか一項に記載のロータディスクの翼溝部の探傷装置。 - 前記移動手段を介して前記固定部の位置決めをする固定手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載のロータディスクの翼溝部の探傷装置。
- 前記支持台には、前記開口に沿ってガイド溝が形成されており、
前記固定手段は、前記ロータディスクの前記側面と対向する前記支持台の側面側から前記ガイド溝内に挿入されて、前記支持台及び前記移動手段を貫通するボルトと、前記ボルトに手動で締め付け可能な蝶ナットと、から構成されていることを特徴とする請求項7に記載のロータディスクの翼溝部の探傷装置。
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