JP2013066496A - 家族性痙性対麻痺の根底にある新規遺伝子の同定 - Google Patents
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Abstract
【課題】家族性痙性対麻痺の根底にある新規遺伝子の同定を提供すること。
【解決手段】遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について個体を評価する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す、方法。
【選択図】なし
【解決手段】遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について個体を評価する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す、方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、家族性痙性対麻痺の根底にある新規遺伝子の同定に関する。
(関連出願)
本願は2006年3月30日出願の米国仮特許出願第60/788,450号明細書の優先権を主張するものである。上記出願の教示内容全体は参照により本明細書中に援用される。
本願は2006年3月30日出願の米国仮特許出願第60/788,450号明細書の優先権を主張するものである。上記出願の教示内容全体は参照により本明細書中に援用される。
(政府の支援)
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)からの補助金P01 NS26630により全体的または部分的な支援を受けた。政府は本発明において特定の権利を有する。
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)からの補助金P01 NS26630により全体的または部分的な支援を受けた。政府は本発明において特定の権利を有する。
(発明の背景)
遺伝性痙性対麻痺(SPG)は進行性の下肢痙縮、反射過敏(hyperreflexia)、および不全麻痺によって臨床的に特徴づけられる神経変性疾患群である。SPGは常染色体優性、常染色体劣性、またはX染色体連鎖劣性の様式で遺伝されうるものであり、その大部分は常染色体優性SPGの様相を呈する(非特許文献1;非特許文献2)。11の異なる染色体遺伝子座が常染色体優性SPGにおいて同定されている(非特許文献3;非特許文献4)。常染色体優性SPGの根底にあるスパスチン(spastin)(非特許文献5);アトラスチン(atlastin)(非特許文献6);HSP60(非特許文献7);KIF5A(非特許文献8);およびBSCL2(非特許文献9)という5つの遺伝子が発見されている。さらなる遺伝的異質性が示唆されている(非特許文献10)。SPGの変異体を相互に区別するための手段が依然として必要とされている。
遺伝性痙性対麻痺(SPG)は進行性の下肢痙縮、反射過敏(hyperreflexia)、および不全麻痺によって臨床的に特徴づけられる神経変性疾患群である。SPGは常染色体優性、常染色体劣性、またはX染色体連鎖劣性の様式で遺伝されうるものであり、その大部分は常染色体優性SPGの様相を呈する(非特許文献1;非特許文献2)。11の異なる染色体遺伝子座が常染色体優性SPGにおいて同定されている(非特許文献3;非特許文献4)。常染色体優性SPGの根底にあるスパスチン(spastin)(非特許文献5);アトラスチン(atlastin)(非特許文献6);HSP60(非特許文献7);KIF5A(非特許文献8);およびBSCL2(非特許文献9)という5つの遺伝子が発見されている。さらなる遺伝的異質性が示唆されている(非特許文献10)。SPGの変異体を相互に区別するための手段が依然として必要とされている。
フィンク J.K.(Fink,J.K.)およびヘデラ P.(Hedera,P.)、Semin.Neurol.19(3):301−9頁(1999年)
タラクセン C.M.(Tallaksen,C.M.)ら、Curr.Opin.Neurol.14(4):457−63頁(2001年)
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レイド E.(Reid,E.)ら、Am.J.Hum.Genet.71:1189−1194頁(2002年)
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アシュレイ−コッホ A.(Ashley−Koch,A.)ら、Neurogenetics.3:91−97頁(2001年)
本発明の課題は、家族性痙性対麻痺の根底にある新規遺伝子の同定を提供することである。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について個体を評価する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す、方法、
〔2〕前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む〔1〕に記載の方法、
〔3〕前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む〔2〕に記載の方法、
〔4〕前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む〔1〕に記載の方法、
〔5〕前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む〔1〕に記載の方法、
〔6〕前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される〔1〕に記載の方法、
〔7〕個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)を検出する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺の存在を示す、方法、
〔8〕前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む〔7〕に記載の方法、
〔9〕前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む〔8〕に記載の方法、
〔10〕前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む〔7〕に記載の方法、
〔11〕前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む〔7〕に記載の方法、
〔12〕前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される〔7〕に記載の方法
に関する。
〔1〕遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について個体を評価する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す、方法、
〔2〕前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む〔1〕に記載の方法、
〔3〕前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む〔2〕に記載の方法、
〔4〕前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む〔1〕に記載の方法、
〔5〕前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む〔1〕に記載の方法、
〔6〕前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される〔1〕に記載の方法、
〔7〕個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)を検出する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺の存在を示す、方法、
〔8〕前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む〔7〕に記載の方法、
〔9〕前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む〔8〕に記載の方法、
〔10〕前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む〔7〕に記載の方法、
〔11〕前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む〔7〕に記載の方法、
〔12〕前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される〔7〕に記載の方法
に関する。
本発明により、家族性痙性対麻痺の根底にある新規遺伝子の同定が提供される。
(発明の要約)
本発明は、個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について評価する方法に関する。本発明の方法においては、個体に由来する試験試料が受容体発現促進タンパク質1(receptor expression enhancing protein 1)(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価される。試験試料の評価が、REEP1遺伝子の全部または断片の増幅および/または直接配列分析を含みうる標準的方法によって実行可能である。試験試料は、ゲノムDNA(例えば2番染色体または2p12を含むその断片を含むゲノムDNA)などの核酸を含む。例えば、目的の突然変異は、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526での単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位、または606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位からなる群から選択されうる。REEP1遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す。
本発明は、個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について評価する方法に関する。本発明の方法においては、個体に由来する試験試料が受容体発現促進タンパク質1(receptor expression enhancing protein 1)(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価される。試験試料の評価が、REEP1遺伝子の全部または断片の増幅および/または直接配列分析を含みうる標準的方法によって実行可能である。試験試料は、ゲノムDNA(例えば2番染色体または2p12を含むその断片を含むゲノムDNA)などの核酸を含む。例えば、目的の突然変異は、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526での単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位、または606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位からなる群から選択されうる。REEP1遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す。
さらに、本発明の方法は、上記のように、個体に由来する試験試料での個体のREEP1遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価することによって個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)を診断する方法を含む。REEP1遺伝子における突然変異の存在は遺伝性痙性対麻痺を示す。本発明は、さらに本発明の方法において有用なキットに関する。
本発明の方法は、遺伝性痙性対麻痺の特定のタイプを他のタイプと区別するとともに疾患に罹患した人を同定するための簡単な手段を提供する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について評価する方法および個体におけるSPGを診断する方法、ならびに個体におけるSPGに対する保因状態について評価する方法を提供する。本明細書中に記載のように、本出願人はSPGに関連した受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における特定の目的の突然変異を同定している。本明細書中に記載のREEP1遺伝子における突然変異は、REEP1遺伝子の核酸配列における改変(例えば、欠失、挿入、または転位)である。REEP1の配列における突然変異の位置がmRNAまたはcDNA配列との関連で数えられる、すなわち改変されたヌクレオチドの数えられた位置はmRNAまたはcDNA配列におけるそのヌクレオチドの数である。REEP1遺伝子に関連したmRNA配列は、2004年11月26日提出のGenBank登録番号AY562239において示される(配列表において配列番号1として示される)。目的の突然変異は、以下の改変、すなわちヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位、または606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位を含む。
本発明は、個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について評価する方法および個体におけるSPGを診断する方法、ならびに個体におけるSPGに対する保因状態について評価する方法を提供する。本明細書中に記載のように、本出願人はSPGに関連した受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における特定の目的の突然変異を同定している。本明細書中に記載のREEP1遺伝子における突然変異は、REEP1遺伝子の核酸配列における改変(例えば、欠失、挿入、または転位)である。REEP1の配列における突然変異の位置がmRNAまたはcDNA配列との関連で数えられる、すなわち改変されたヌクレオチドの数えられた位置はmRNAまたはcDNA配列におけるそのヌクレオチドの数である。REEP1遺伝子に関連したmRNA配列は、2004年11月26日提出のGenBank登録番号AY562239において示される(配列表において配列番号1として示される)。目的の突然変異は、以下の改変、すなわちヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位、または606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位を含む。
この発見の結果として、現在、個体におけるSPGに関連した遺伝子多型の存在について評価するための方法ならびに個体におけるSPGを診断するための方法が利用可能である。本発明の方法においては、個体に由来する試験試料でのREEP1遺伝子における1つ以上の多型の存在について評価される(本明細書中では「目的の多型」または「SPGに関連した多型」とも称される)。個体はヒト個体であり、任意の人種ならびに胎児、幼児、年少者、青年、および成人を含む任意の年齢でありうる。情報の確認が望ましい場合、代表的な個体は、過去にSPGに罹患していると診断されたことがない者およびSPGに罹患している危険性があると判断されている者、ならびに最初にSPGに罹患していると診断されている者を含む。
試験試料は、個体に由来する、REEP1遺伝子またはREEP1遺伝子の断片、REEP1 mRNAまたはREEP1 mRNAの断片、REEP1 cDNAまたはREEP1 cDNAの断片を含む核酸を含有する試料である。本明細書で用いられる「断片」という用語は、遺伝子の一部、mRNAまたはcDNAがREEP1の断片と同定するのに十分な長さをもつポリヌクレオチドであることを示し、代表的な実施形態では断片がREEP1遺伝子の1つ以上のエクソンを含み、別の代表的な実施形態では断片がREEP1遺伝子のエクソンの一部を含む。断片は、REEP1遺伝子のイントロン/エクソン接合部および/または5’−UTRもしくは3’−UTRも含みうる。
試験試料は、個体に由来する生物学的試料から調製される。生物学的試料は、ゲノムDNA(例えば染色体核酸)またはRNAを有する任意の供給源に由来する試料、例えば血液試料、羊水の試料、脳脊髄液の試料、または皮膚、筋肉、口腔もしくは結膜粘膜、胎盤、胃腸管もしくは他の器官に由来する組織試料でありうる。胎児の細胞または組織に由来する核酸の生物学的試料が適切な方法、例えば羊水穿刺または絨毛膜標本採取(直接または培養)により採取可能である。特定の実施形態では、2番染色体またはその断片(例えば2p12を含む断片またはREEP1遺伝子の1つ以上のエクソンを含む断片)を含むゲノムDNAを含有する生物学的試料が用いられる。試験試料として生物学的試料が使用可能である、あるいは生物学的試料を処理して核酸または核酸のコピー(例えばREEP1遺伝子を含む核酸のコピー)へのアクセスを高めることが可能であり、次いで処理された生物学的試料は試験試料として使用可能である。例えば、一実施形態では、cDNAが本方法での使用を意図してmRNAを含む生物学的試料から調製される。あるいはまたはそれに加え、必要に応じ増幅方法を用い、目的の多型の存在または不在についての評価における試験試料としての使用を意図して、生物学的試料中のREEP1遺伝子の全部または断片を含む核酸を増幅することが可能である。例えば、代表的な実施形態では、REEP1遺伝子の各エクソンの増幅が可能である。
試験試料は、REEP1遺伝子における1つ以上の目的の突然変異(目的の多型)が個体のREEP1遺伝子に存在するか否かを判定するように評価される。一般に、目的の多型の検出が試験試料中で目的の多型を有する核酸の存在または不在を判定することにより実行可能である。多型は、REEP1遺伝子における変化、例えばフレームシフトをもたらす単一のヌクレオチドまたは2つ以上のヌクレオチドの挿入または欠失;コードアミノ酸における変化をもたらす少なくとも1つのヌクレオチドの変化;早期(premature)停止コドンの生成をもたらす少なくとも1つのヌクレオチドの変化;ヌクレオチドによってコードされた1つ以上のアミノ酸の欠失をもたらす数個のヌクレオチドの欠失;遺伝子のコード配列の中断をもたらす、同等でない組換えまたは遺伝子変換などによる1つもしくは数個のヌクレオチドの挿入;遺伝子の全部または一部の複製;遺伝子の全部または一部の転位;または遺伝子の全部または一部の再配列でありうる。2つ以上のかかる変化は単一の遺伝子に存在しうる。かかる配列変化は、REEP1遺伝子によってコードされるポリペプチドにおいて差異を生じさせる。例えば、差異がフレームシフト変化である場合、フレームシフトはコードされたアミノ酸における変化をもたらし、および/または早期停止コドンの生成をもたらし、末端が切断されたポリペプチドの生成を誘発する可能性がある。あるいは、疾患または症状に関連した多型あるいはREEP1遺伝子に関連した疾患または症状に対する感受性が、1つ以上のヌクレオチドにおける同義の改変(すなわちREEP1遺伝子によってコードされるポリペプチドにおける変化をもたらすことのない改変)でありうる。かかる多型は、スプライシング部位を改変するか、mRNAの安定性または輸送に作用するか、またはそれとは別に遺伝子の転写または翻訳に作用する可能性がある。上記の変化または改変のいずれかを有するREEP1遺伝子については、本明細書中で「改変されたREEP1遺伝子」と称される。
第1の方法では、ハイブリダイゼーション方法、例えばサザン分析、ノーザン分析、またはインサイチュハイブリダイゼーションが用いられうる(「Current Protocols in Molecular Biology」、アウスベル F.(Ausubel,F.)ら編、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons)(すべての補遺を含む)を参照)。例えば、目的の多型の存在は、ゲノムDNA、RNA、またはcDNAにおける核酸の核酸プローブとのハイブリダイゼーションによって示されうる。本明細書で用いられる「核酸プローブ」がDNAプローブまたはRNAプローブであり、核酸プローブは本明細書中に記載のように、少なくとも1つの目的の多型を有しうる。プローブは、例えば遺伝子、遺伝子断片(例えば1つ以上のエクソン)、遺伝子、プローブまたはプライマーなどを含むベクターでありうる。
目的の多型の1つ以上を検出するため、試験試料を少なくとも1つの核酸プローブと接触させることによりハイブリダイゼーション試料が形成される。mRNAまたはゲノムDNAを検出するための好ましいプローブが、REEP1遺伝子のmRNAまたはゲノムDNAとハイブリダイズ可能な標識核酸プローブである。核酸プローブは、例えば完全長核酸分子またはその一部、例えば少なくとも15、30、50、100、250もしくは500ヌクレオチド長であり、かつストリンジェントな条件下で適切なmRNAまたはゲノムDNAと特異的にハイブリダイズするのに十分なオリゴヌクレオチドでありうる。ハイブリダイゼーション試料は、REEP1遺伝子のmRNAまたはゲノムDNAとの核酸プローブの特異的ハイブリダイゼーションを十分に可能にする条件下で維持される。本明細書で用いられる「特異的ハイブリダイゼーション」は、正確なハイブリダイゼーション(例えばミスマッチを全く伴わない)を示す。特異的ハイブリダイゼーションは、上記のように例えば高いストリンジェンシー条件下または中等度のストリンジェンシー条件下で実施可能である。特に好ましい実施形態では、特異的ハイブリダイゼーションにおけるハイブリダイゼーション条件は高いストリンジェンシーである。
次いで、特異的ハイブリダイゼーションが存在すれば、それが標準的方法を用いて検出される。特異的ハイブリダイゼーションが核酸プローブと試験試料におけるREEP1遺伝子またはmRNAとの間で生じる場合、核酸プローブに存在する多型も個体のREEP1遺伝子に存在する。この方法では、2つ以上の核酸プローブの同時使用も可能である。核酸プローブのうちのいずれか1つの特異的ハイブリダイゼーションが本明細書中に記載のように目的の多型の存在を示す。
ノーザン分析(「Current Protocols in Molecular Biology」、アウスベル F.(Ausubel,F.)ら編、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons)、上記を参照)では、上記のハイブリダイゼーション方法を用い、目的の多型の存在が同定される。ノーザン分析においては、RNAを含有する試験試料が適切な手段により個体に由来する生物学的試料から調製される。上記のように核酸プローブの個体に由来するRNAとの特異的ハイブリダイゼーションが本明細書中に記載のように目的の多型の存在を示す。
核酸プローブの使用の代表例として、例えば米国特許第5,288,611号明細書および米国特許第4,851,330号明細書を参照のこと。
あるいは、ペプチド核酸(PNA)プローブが上記のハイブリダイゼーション方法における核酸プローブの代わりに使用可能である。PNAは、メチレンカルボニルリンカーを介してグリシン窒素に結合する有機塩基(A、G、C、TもしくはU)とともにペプチド様の無機骨格、例えばN−(2−アミノエチル)グリシン単位を有するDNA模倣体(mimic)である(例えば、ニールセン P.E.(Nielsen,P.E.)ら、Bioconjugate Chemistry、1994、5、アメリカ化学会(American Chemical Society)、1頁(1994年)を参照)。PNAプローブは、本明細書中に記載の目的の多型のうちの1つ以上を含むREEP1遺伝子と特異的にハイブリダイズするように設計可能である。PNAプローブのREEP1遺伝子とのハイブリダイゼーションは目的の多型の存在を示す。
本発明の別の方法では、REEP1遺伝子における突然変異または多型が制限部位の創出または除去をもたらす場合、制限消化による突然変異分析を用い、変異REEP1遺伝子または目的の多型を有するREEP1遺伝子の検出が可能である。個体に由来するゲノムDNAを含有する試料が用いられる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用い、試料中のREEP1遺伝子の全部または断片(および必要に応じて隣接配列)の増幅が可能である。RFLP分析が記載のように行われる(「Current Protocols in Molecular Biology」、上記を参照)。関連DNA断片の消化パターンがREEP1遺伝子における多型の存在または不在を示す。
直接配列分析を用い、REEP1遺伝子における目的の特異的な多型を検出することも可能である。ゲノムDNAまたはRNAを含有する試料が用いられ、かつPCRまたは他の適切な方法を用い、必要に応じてREEP1遺伝子の全部または断片および/またはその隣接配列の増幅が可能である。REEP1遺伝子もしくは遺伝子の断片(例えば1つ以上のエクソン)、またはcDNAもしくはcDNAの断片、またはmRNAもしくはmRNAの断片の配列が標準的方法を用いて判定される。遺伝子、遺伝子断片、cDNA、cDNA断片、mRNA、またはmRNA断片の配列は、必要に応じてREEP1遺伝子、cDNAまたはmRNAにおける既知の核酸配列と比較される。次いで、目的の多型の存在が同定可能である。
対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドを用い、増幅されたオリゴヌクレオチドと対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチド(ASO)プローブとのドットブロットハイブリダイゼーションの利用を通じて目的の多型の存在を検出することも可能である(例えば、サイキ R.(Saiki,R.)ら、(1986年)、Nature(ロンドン(London))324:163−166頁を参照)。「対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチド」(本明細書中で「対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプローブ」とも称される)は約10〜50塩基対、好ましくは約15〜30塩基対のオリゴヌクレオチドであり、それはREEP1遺伝子と特異的にハイブリダイズしかつ本明細書中に記載の目的の多型を有する。特定の多型に対して特異的である対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプローブが標準的方法を用いて調製可能である(「Current Protocols in Molecular Biology」、上記を参照)。目的の多型を同定するため、DNAを含有する試料が用いられる。PCRを用い、REEP1遺伝子の全部または断片およびその隣接配列を増幅可能である。増幅されたREEP1遺伝子(または遺伝子の断片)を有するDNAは標準的方法を用いてドットブロットされ(「Current Protocols in Molecular Biology」、上記を参照)、ブロットはオリゴヌクレオチドプローブと接触される。次いで、プローブの増幅されたREEP1との特異的ハイブリダイゼーションの存在が検出される。対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプローブの個体に由来するDNAとの特異的ハイブリダイゼーションが目的の多型の存在を示す。
本発明の別の実施形態では、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用い、目的の多型の存在が検出可能である。FRETは1個の蛍光分子の放射が別分子の励起にカップリングされる場合の距離依存性の励起状態相互作用のプロセスである。共鳴エネルギー移動において典型的なアクセプタおよびドナーの対が、4−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]安息香酸(DABCYL)および5−[(2−アミノエチルアミノ]ナフタレンスルホン酸(EDANS)からなる。EDANSは336nmの光での照明により励起され、波長490nmを有する光子を放射する。DABCYL部分がEDANSの20オングストローム以内に位置する場合、この光子は効率的に吸収されることになる。DABCYLおよびMANSは、目的の突然変異の1つの部位に隣接しかつ/またはそれと重なる核酸と頭尾結合でハイブリダイズするように設計された2つの異なるオリゴヌクレオチドプローブと結合することになる。次いで、融解曲線分析が適用され、変性、冷却、および再加熱のサイクルがオリゴヌクレオチドプローブと混合された試験試料に適用され、蛍光を連続的に監視することでDABCYL蛍光における低下またはEDANS蛍光における増大(消光の低下)が検出される。2つのプローブが互いに近接してハイブリダイズ状態を維持する間、FRETは極めて効率的になる。オリゴヌクレオチドプローブの物理的分離の結果、2つの色素がもはやあまり接近していないことから非効率的なFRETがもたらされる。目的の突然変異の存在または不在は、試験試料から得られる蛍光強度特性とREEP1遺伝子における既知の目的の突然変異を含む対照試料の蛍光強度特性との比較により評価可能である。
別の実施形態では、個体に由来する標的核酸配列セグメントに相補的なオリゴヌクレオチドプローブのアレイを用い、目的の多型が同定可能である。例えば一実施形態では、オリゴヌクレオチドアレイが使用可能である。オリゴヌクレオチドアレイは、典型的には異なる既知の位置における基質の表面に共役される複数の異なるオリゴヌクレオチドプローブを含む。「Genechips(商標)」とも記載されるこれらのオリゴヌクレオチドアレイは、一般に当該技術分野、例えば米国特許第5,143,854号明細書およびPCT特許出願、国際公開第90/15070号パンフレットおよび国際公開第92/10092号パンフレットにて記載されている。これらのアレイは、一般にフォトリソグラフィー方法と固相オリゴヌクレオチド合成方法の組み合わせを組み込む、機械的合成方法または光誘導合成方法を用いて生成可能である。フォドー(Fodor)ら、Science、251:767−777頁(1991年)、ピルング(Pirrung)ら、米国特許第5,143,854号明細書(PCT出願番号、国際公開第90/15070号パンフレットも参照)ならびにフォドー(Fodor)ら、PCT出願番号、国際公開第92/10092号パンフレットおよび米国特許第5,424,186号明細書を参照のこと(これら各々の教示内容全体は参照により本明細書中に援用される)。機械的合成方法を用いてこれらのアレイを合成するための技術が、例えば米国特許第5,384,261号明細書(この教示内容全体は参照により本明細書中に援用される)中に記載されている。
一旦オリゴヌクレオチドアレイが調製されると、目的の核酸がアレイとハイブリダイズされ、多型について走査される。ハイブリダイゼーションおよび走査は、一般に本明細書だけでなく、例えば公開されたPCT出願、国際公開第92/10092号パンフレットおよび国際公開第95/11995号パンフレット、ならびに米国特許第5,424,186号明細書(これらの教示内容全体は参照により本明細書中に援用される)に記載の方法によっても実施される。つまり、1つ以上の予め同定された多型性マーカーを含む標的核酸配列が周知の増幅技術、例えばPCRにより増幅される。典型的にはこれは標的配列の多型から上流および下流の双方の2つの鎖に対して相補的であるプライマー配列の使用を含む。非対称PCR技術もまた利用可能である。次いで、一般に標識を取り込む増幅された標的が適切な条件下でアレイとハイブリダイズされる。アレイのハイブリダイゼーションおよび洗浄が完了すると、アレイは走査され、標的配列がハイブリダイズするアレイ上の位置が判定される。走査から得られたハイブリダイゼーションデータは、典型的にはアレイ上の位置の関数としての蛍光強度の形式である。
アレイについては、例えば単一の多型を検出するため、主に単一の検出ブロックに関して記載されるが、複数の検出ブロックを含むことから複数の特異的な多型の分析が可能でありうる。その他の配列では、一般に、様々な最適な条件が標的のアレイとのハイブリダイゼーションの間に使用可能であるように検出ブロックが単一のアレイ内または複数の別々のアレイ内にグループ分けされうることが理解されるであろう。例えば、ゲノム配列においてA−Tに富むセグメントに該当する多型とは別にG−Cに富むストレッチに該当する多型の検出を提供することが望ましい場合が多い。これは各状況に応じたハイブリダイゼーション条件の個別の最適化を可能にする。
多型を検出するためのオリゴヌクレオチドアレイの使用に関するさらなる説明については、例えば米国特許第5,858,659号明細書および米国特許第5,837,832号明細書において見出されうる(これらの教示内容全体は参照により本明細書中に援用される)。
核酸分析の他の方法を用い、目的の多型の検出が可能である。代表的な方法は、例えば、ダイレクトマニュアルシーケンシング(direct manual sequencing)(チャーチ(Church)およびギルバート(Gilbert)、(1988年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:1991−1995頁;サンガー F.(Sanger,F.)ら、(1977年)、Proc.Natl.Acad.Sci.74:5463−5467頁;ビービス(Beavis)ら、米国特許第5,288,644号明細書);自動蛍光シーケンシング;一本鎖高次構造多型アッセイ(SSCP);締付(clamped)変性ゲル電気泳動(CDGE);変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(シェフィールド V.C.(Sheffield,V.C.)ら、(1989年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:232−236頁)、移動度シフト分析(オリタ M.(Orita,M.)ら、(1989年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:2766−2770頁;ローゼンバウム(Rosenbaum)およびライスナー(Reissner)、(1987年)、Biophys.Chem.、265:1275頁;キーン(Keen)ら、(1991年)、Trends Genet.、7:5頁;制限酵素分析(フラベル(Flavell)ら、(1978年)、Cell 15:25頁;ギーバー(Geever)ら、(1981年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:5081頁);ヘテロ二本鎖分析;化学的ミスマッチ切断(CMC)(コットン(Cotton)ら、(1985年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:4397−4401頁);RNアーゼ保護アッセイ(マイヤーズ R.M.(Myers,R.M.)ら、(1985年)、Science 230:1242頁);大腸菌(E.coli)mutSタンパク質など、ヌクレオチドミスマッチを認識するポリペプチドの使用(例えば米国特許第5,459,039号明細書を参照);Luminex xMAP(商標)技術;および/または対立遺伝子に特異的なPCRを含む。
これらの方法を用い、本明細書中に記載のREEP1遺伝子における目的の1つ以上の突然変異の存在について同定可能である。例えば特定の実施形態では、本方法を用い、個体のREEP1遺伝子における目的の1つ以上の多型の存在について評価することが可能である。
本発明の特定の一実施形態では、上記のように、試験試料でのREEP1遺伝子における突然変異の存在または不在について評価する方法を用い、個体におけるSPGに関連した遺伝子多型の存在または不在についての評価がなされる。REEP1遺伝子における突然変異の存在、例えば目的の突然変異の少なくとも1つの存在(例えば、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、または606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A))が、SPGに関連した遺伝子多型の存在を示す。
本発明の別の実施形態では、上記のように、試験試料でのREEP1遺伝子における突然変異の存在または不在について評価する方法を用い、個体におけるSPGの診断がなされる。これらの方法では、REEP1遺伝子における突然変異の存在、例えば少なくとも1つの目的の多型の存在(例えば、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、または606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A))がSPGの存在を示す。
本発明は、本発明の方法にて有用なキット(例えば試薬キット)にも関する。かかるキットは、例えば、ハイブリダイゼーションプローブまたはプライマー(例えば標識プローブまたはプライマー)、標識分子の検出用試薬、制限酵素(例えばRFLP分析用)、対立遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチド、REEP1またはREEP1の断片を含む核酸を増幅するための手段、あるいはREEP1の核酸配列を分析するための手段を含む、本明細書中に記載の方法のいずれかにて有用な要素を含む。例えば、一実施形態では、キットは、Luminex xMAP(商標)技術などのミクロスフィアに基づく技術を用いる目的の突然変異の分析に有用な要素を含む。本発明の好ましい実施形態では、キットは、目的の突然変異の1つ以上(例えば、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、または606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A))を検出するための要素を含む。
本発明は、以下の非限定例においてより詳細に説明される。
(実施例)
家族性痙性対麻痺の根底にある遺伝子の同定
連鎖試験
2つの独立した家系(DUK2299およびKUK2036)に対し、全ゲノム連鎖スクリーニングを行った。二点および多点連鎖分析をVITESSEソフトウェアパッケージ(オコンネル J.R.(O’Connell,J.R.)およびウィークス D.E.(Weeks,D.E.)、Nat.Genet.11:402−408頁(1995年))を用いて行い、疾患対立遺伝子頻度を0.001と仮定した。マーカーの対立遺伝子頻度を家系内の罹患していない配偶者から計算した。分析においては、この疾患の不完全浸透度の理由から「罹患者のみ(affecteds−only)」(低浸透度)のモデルを用いた。スパスチンおよびアトラスチン遺伝子が常染色体優性SPGにおいて最も高頻度に突然変異することから、これら2種の遺伝子における突然変異を配列決定分析により除外した。SPG3A、SPG5、SPG8、SPG10、SPG12、SPG13、およびSPG19染色体遺伝子座に対する連鎖をマイクロサテライトマーカーの分析により特異的に除外した。
家族性痙性対麻痺の根底にある遺伝子の同定
連鎖試験
2つの独立した家系(DUK2299およびKUK2036)に対し、全ゲノム連鎖スクリーニングを行った。二点および多点連鎖分析をVITESSEソフトウェアパッケージ(オコンネル J.R.(O’Connell,J.R.)およびウィークス D.E.(Weeks,D.E.)、Nat.Genet.11:402−408頁(1995年))を用いて行い、疾患対立遺伝子頻度を0.001と仮定した。マーカーの対立遺伝子頻度を家系内の罹患していない配偶者から計算した。分析においては、この疾患の不完全浸透度の理由から「罹患者のみ(affecteds−only)」(低浸透度)のモデルを用いた。スパスチンおよびアトラスチン遺伝子が常染色体優性SPGにおいて最も高頻度に突然変異することから、これら2種の遺伝子における突然変異を配列決定分析により除外した。SPG3A、SPG5、SPG8、SPG10、SPG12、SPG13、およびSPG19染色体遺伝子座に対する連鎖をマイクロサテライトマーカーの分析により特異的に除外した。
新規SPG遺伝子座を2番染色体p12上で同定し、2番染色体p12候補領域に対する二点LODスコアの概要を表1に示す。
合わせた二点LODスコアはマーカーD2S2951で4.7であり、追加のマイクロサテライトマーカーを伴う精巧なマッピングでは領域がD2S139とD2S2181の間の約9Mbに限定された。マーカーD2S2951、D2S139およびD2S2181はNCBIでのSTSデータベースを通じて利用可能である。マーカーD2S2951についてはUniSTS16507およびGenBank登録番号G10313を参照し、マーカーD2S139についてはUniSTS13780または55533およびGenBank登録番号Z16777を参照し、マーカーD2S2181についてはUniSTS33021およびGenBank登録番号Z52418を参照のこと。この新しい型はSPG31として分類されている。
SPG31の根底にある遺伝子のマッピング
突然変異スクリーニングを9種の候補遺伝子(CTNNA2、SUCLG1、TGOLN2、MATA2A、VAMP8、VAMP5、IMMT、VPS24、およびREEP1)に対して行った。ゲノムDNAを、標準の抽出プロトコルを用い、SPG患者および対照者から取得した血液試料全体から単離した。患者においては、REEP1突然変異スクリーニングを全部で7つのREEP1のコーディングエクソンのイントロンプライマーを用いたPCR増幅によって行った。PCR産物は50bpの隣接イントロン配列に及んだ。PCR産物の配列決定を、BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit 3.1(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems))を用い、ABI3730 DNA Analyzer(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems Inc.))で行った。DNA配列データを収集し、ABI DNA Sequencing Analysisソフトウェア5.0およびSequencherパッケージ(米国のジーン・コード(Gene Codes Corp.))を用いて分析した。突然変異が発端者にて検出された場合、疾患を有する観察された配列変化の同時分離(co−segregation)について判定するため、可能であればさらに家系員を分析した。REEP1コドンの番号付与はNCBIでの公開されたアミノ酸配列に基づくものであった(例えば、2004年11月26日提出のGenbank登録番号AY562239;2006年1月24日更新のGenBank登録番号Q9H902を参照)。検出された各突然変異においては、ヨーロッパ家系の365の対照試料(730の染色体)をスクリーニングした。SPG31患者にて検出されたすべての突然変異がこれらの対照においては存在しなかった。
突然変異スクリーニングを9種の候補遺伝子(CTNNA2、SUCLG1、TGOLN2、MATA2A、VAMP8、VAMP5、IMMT、VPS24、およびREEP1)に対して行った。ゲノムDNAを、標準の抽出プロトコルを用い、SPG患者および対照者から取得した血液試料全体から単離した。患者においては、REEP1突然変異スクリーニングを全部で7つのREEP1のコーディングエクソンのイントロンプライマーを用いたPCR増幅によって行った。PCR産物は50bpの隣接イントロン配列に及んだ。PCR産物の配列決定を、BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit 3.1(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems))を用い、ABI3730 DNA Analyzer(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems Inc.))で行った。DNA配列データを収集し、ABI DNA Sequencing Analysisソフトウェア5.0およびSequencherパッケージ(米国のジーン・コード(Gene Codes Corp.))を用いて分析した。突然変異が発端者にて検出された場合、疾患を有する観察された配列変化の同時分離(co−segregation)について判定するため、可能であればさらに家系員を分析した。REEP1コドンの番号付与はNCBIでの公開されたアミノ酸配列に基づくものであった(例えば、2004年11月26日提出のGenbank登録番号AY562239;2006年1月24日更新のGenBank登録番号Q9H902を参照)。検出された各突然変異においては、ヨーロッパ家系の365の対照試料(730の染色体)をスクリーニングした。SPG31患者にて検出されたすべての突然変異がこれらの対照においては存在しなかった。
連鎖家系の双方が遺伝子「受容体発現促進タンパク質1」(REEP1)において異なるミスセンス突然変異を示した。REEP1 cDNAおよびコードタンパク質が、2004年11月26日提出のGenbank登録番号AY562239において示され、ここでcDNAは配列表での配列番号1としても示される。REEP1遺伝子産物は、2つの膜通過ドメイン、(ポリポーシスにおいて欠失された)TB2/DP1ドメイン(TB2−DP1_HVA22)、およびNCBIでの保存されたドメインデータベースから取得されるものとして予測される細胞外C末端を有する。NCBIでの保存されたドメインデータベースにおけるpfam03134を参照のこと。
家系DUK2299は単一のヌクレオチド欠失の507delC、Gly169fsを有し、それはフレームシフトをもたらし、伸張されたタンパク質を生成した。KUK2036では、エクソン4の高度に保存されたアクセプタ(3’)のスプライスを破壊するように予測されたスプライス部位の突然変異182−2G→Aが同定された。両方の突然変異がこれら家系における疾患の表現型で同時分離され、366名の健常対照(732の染色体)において存在しなかった。罹患したアミノ酸残基は異なる種全体で高度に保存され、それらの機能的有意性が強調されている(保存領域を同定するため、異なる種に由来する配列をEntrezタンパク質データベースから誘導し、手作業で整列を行った(データは示さず))。
SPG31の頻度
SPG31の根底にあるこの遺伝子の同定により、独立のSPG発端者における突然変異のスクリーニングが可能になった。小家系からの隔離された症例または発端者のいずれかで、94のSPG症例での試料をREEP1での突然変異についてスクリーニングした。これらの個体は任意のスパスチンおよびアトラスチンSPG遺伝子における突然変異についてスクリーニングされたことはなかった。フレームシフト突然変異;ミスセンス突然変異;およびREEP1の5’−UTRにおける3つの単一のヌクレオチド変化を含む他のさらなる突然変異を同定した。366名の健常対照(732の染色体)または492名の対照のいずれにおいてもあらゆる突然変異が存在したわけではなかった。1つのフレームシフト突然変異の426delG、Gly181fsがエクソン6において生じ、上記の家系DUK2299にて観察された場合と同じフレームシフトをもたらした。ミスセンス突然変異の59C→A、Ala20GluがREEP1の保存されたTB2_DP1_HVA22ドメイン内で生じた。REEP1の5’−UTRにおける突然変異のような突然変異には常染色体優性疾患の原因となる性質があることが認められている(イシカワ K.(Ishikawa,K.)ら、Am.J.Hum.Genet.77:280−296頁(2005年))。REEP1における検出された突然変異の要約を表2に示す。
SPG31の根底にあるこの遺伝子の同定により、独立のSPG発端者における突然変異のスクリーニングが可能になった。小家系からの隔離された症例または発端者のいずれかで、94のSPG症例での試料をREEP1での突然変異についてスクリーニングした。これらの個体は任意のスパスチンおよびアトラスチンSPG遺伝子における突然変異についてスクリーニングされたことはなかった。フレームシフト突然変異;ミスセンス突然変異;およびREEP1の5’−UTRにおける3つの単一のヌクレオチド変化を含む他のさらなる突然変異を同定した。366名の健常対照(732の染色体)または492名の対照のいずれにおいてもあらゆる突然変異が存在したわけではなかった。1つのフレームシフト突然変異の426delG、Gly181fsがエクソン6において生じ、上記の家系DUK2299にて観察された場合と同じフレームシフトをもたらした。ミスセンス突然変異の59C→A、Ala20GluがREEP1の保存されたTB2_DP1_HVA22ドメイン内で生じた。REEP1の5’−UTRにおける突然変異のような突然変異には常染色体優性疾患の原因となる性質があることが認められている(イシカワ K.(Ishikawa,K.)ら、Am.J.Hum.Genet.77:280−296頁(2005年))。REEP1における検出された突然変異の要約を表2に示す。
要約
実験の結果は、UTR突然変異を含み、96分の6(6.2%)の頻度を示した。UTR突然変異を含まない場合、頻度は96分の4(4.2%)であった。いずれにしても、新規のSPG遺伝子REEP1は3番目に知られたSPG遺伝子を表し、それより優位なものはスパスチン(約40%)およびアトラスチン(約10%)のみであった。
実験の結果は、UTR突然変異を含み、96分の6(6.2%)の頻度を示した。UTR突然変異を含まない場合、頻度は96分の4(4.2%)であった。いずれにしても、新規のSPG遺伝子REEP1は3番目に知られたSPG遺伝子を表し、それより優位なものはスパスチン(約40%)およびアトラスチン(約10%)のみであった。
本発明がその好ましい実施形態との関連として特に示され記載されている一方、形式および詳細における様々な変更が添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくそれらに加えられる場合があることが当業者により理解されるであろう。
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について個体を評価する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す、方法。
[2]前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む[1]に記載の方法。
[3]前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む[2]に記載の方法。
[4]前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む[1]に記載の方法。
[5]前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む[1]に記載の方法。
[6]前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される[1]に記載の方法。
[7]個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)を診断する方法であって、前記個体に由来する試験試料での前記受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺の存在を示す、方法。
[8]前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む[7]に記載の方法。
[9]前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む[8]に記載の方法。
[10]前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む[7]に記載の方法。
[11]前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む[7]に記載の方法。
[12]前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される[7]に記載の方法。
[1]遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について個体を評価する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す、方法。
[2]前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む[1]に記載の方法。
[3]前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む[2]に記載の方法。
[4]前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む[1]に記載の方法。
[5]前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む[1]に記載の方法。
[6]前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される[1]に記載の方法。
[7]個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)を診断する方法であって、前記個体に由来する試験試料での前記受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺の存在を示す、方法。
[8]前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む[7]に記載の方法。
[9]前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む[8]に記載の方法。
[10]前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む[7]に記載の方法。
[11]前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む[7]に記載の方法。
[12]前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される[7]に記載の方法。
Claims (12)
- 遺伝性痙性対麻痺(SPG)に関連した遺伝子多型の存在または不在について個体を評価する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺に関連した遺伝子多型の存在を示す、方法。
- 前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む請求項1に記載の方法。
- 前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む請求項2に記載の方法。
- 前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む請求項1に記載の方法。
- 前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む請求項1に記載の方法。
- 前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 個体における遺伝性痙性対麻痺(SPG)を検出する方法であって、前記個体に由来する試験試料での受容体発現促進タンパク質1(REEP1)遺伝子における少なくとも1つの突然変異の存在について評価するステップを含み、ここで少なくとも1つの突然変異の存在が遺伝性痙性対麻痺の存在を示す、方法。
- 前記個体に由来する前記試験試料がゲノムDNAを含む請求項7に記載の方法。
- 前記ゲノムDNAが2番染色体または2p12を含むその断片を含む請求項8に記載の方法。
- 前記試験試料を評価するステップが前記REEP1遺伝子の全部または断片を増幅するステップを含む請求項7に記載の方法。
- 前記試験試料を評価するステップが直接配列分析を含む請求項7に記載の方法。
- 前記突然変異が、ヌクレオチド56でのC→Gの単一塩基の転換(56C→G)、ヌクレオチド59でのC→Aの単一塩基の転位(59C→A)、ヌクレオチド182−2でのG→Aの転位(182−2G→A)、ヌクレオチド193の単一塩基の欠失(193delT)、ヌクレオチド223の単一塩基の欠失(223delC)、ヌクレオチド507の単一塩基の欠失(507delC)、ヌクレオチド526の単一塩基の欠失(526delG)、606+14での3’−UTRにおけるC→Tの単一塩基の転位(606+14C→T)、606+43での3’−UTRにおけるG→Tの単一塩基の転位(606+43G→T)、および606+50での3’−UTRにおけるG→Aの単一塩基の転位 59C→A(606+50G→A)からなる群から選択される請求項7に記載の方法。
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