JP2013063363A - 排水処理装置及び排水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着剤の吸着量の向上や、微水溶性の有機化合物を除去しうる排水処理装置及び排水処理方法を提供することにある。
【解決手段】有機化合物を含有する排水を供給する排水供給系と、イオン性物質を供給するイオン性物質供給系と、磁性体をポリマーで被覆したポリマー被覆磁性体を含む吸着材を供給する吸着材供給系と、排水、イオン性物質および吸着材を混合する混合装置1と、排水から、有機化合物を吸着した吸着材を分離するサイクロン9及び磁気分離装置10とを具備することを特徴とする排水処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、排水処理装置及び排水処理方法に関する。
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業排水などの廃液の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには廃液の浄化、すなわち廃液中から他の物質を分離することが必要である。
液体からほかの物質を分離する方法としては、各種の方法が知られており、例えば膜分離、遠心分離、活性炭吸着、オゾン処理、凝集、さらには所定の吸着材による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるリンや窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類、クレイなどを除去したりすることができる。
これらのうち、膜分離はもっとも一般的に使用されている方法のひとつであるが、水中に分散した油類を除去する場合には膜の細孔に油が詰まり易く、膜の寿命が短くなりやすいという問題がある。このため、水中の油類を除去するには膜分離は適切でない場合が多い。
このような有機化合物を含有する排水の処理方法としては、2種類のブロックコポリマーを用いて油を吸着し、固化物の回収を容易にするまでに固めることで油を回収除去する方法が知られている。また、不純物を含んだ水に、ポリマーにより表面が被覆された磁性粉が凝集した2次凝集体を含む樹脂複合体を分散させ、この樹脂複合体の表面に前記不純物を吸着させ、吸着後の樹脂複合体を磁力により前記水から分離する水処理方法が知られている。
特開平07−102238号公報 特開2009−268976号公報
本発明が解決しようとする課題は、吸着剤の吸着量の向上や、微水溶性の有機化合物を除去しうる排水処理方法及び排水処理装置を提供することである。
実施形態によれば、有機化合物を含有する排水を供給する排水供給系と、イオン性物質を供給するイオン性物質供給系と、磁性体をポリマーで被覆したポリマー被覆磁性体を含む吸着材を供給する吸着材供給系と、排水、イオン性物質および吸着材を混合する混合装置と、排水から、有機化合物を吸着した吸着材を分離する固液分離装置とを具備することを特徴とする排水処理装置を提供できる。
実施例に係る排水処理装置の説明図。 他の実施例に係る排水処理装置の説明図。
以下、本実施形態に係る排水処理装置及び排水処理方法ついて説明する。
(ポリマーを被覆した吸着材)
最初に、本実施形態で用いる吸着材について説明する。ここで、吸着材としては、例えば複数のポリマー被覆磁性体が凝集した凝集体が挙げられる。
磁性体としては、後述する排水処理方法の磁気分離による回収を容易にすべく、室温領域において強磁性を示す物質であることが望ましい。しかしながら、本実施形態に当ってはこれらに限定されるものではなく、強磁性物質を全般的に用いることができ、例えば鉄、および鉄を含む合金、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱、あるいはマグネシアフェライト,コバルトフェライト,ニッケルフェライト,バリウムフェライトなどのフェライト系化合物が挙げられる。
フェライト系化合物は、水中での安定性に優れているので、本実施形態のように、廃液から有機化合物を回収するような操作においては好適に用いることができる。特に、磁鉄鉱であるマグネタイト(Fe)は安価であるだけでなく、水中でも磁性体として安定し、元素としても安全であるため、水処理に使用しやすいので好ましい。
磁性体は、球状、多面体、不定形など任意の形状を取り得るが、形状は特に限定されない。望ましい磁性体コア粒子の粒径や形状は、製造コストなどを鑑みて適宜選択すればよく、特に球状または角が丸い多面体構造が好ましい。また、これらの磁性体には、必要に応じてCuメッキ、Niメッキなど、通常のメッキ処理を施すことができる。また、表面の腐食防止などの観点から表面処理することもできる。
磁性体の大きさは、特に限定されるものではないが、好ましくは平均粒子径0.5μm〜20μmになるようなものがよい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法により測定されたものである。具体的には、株式会社島津製作所製のSALD−DS21型測定装置(商品名)などにより測定することができる。
前記ポリマーとしては、後述するイオン添加において、水中で一部凝集するようなSP値(溶解度パラメータ)が17〜35(J/cm1/2を有するものを使用することが好ましい。なお、SP値はFedorの推算法により求められるものと定義し、具体的には文献(SP値基礎・応用と計算方法 (株)情報機構発行 P.66〜67)に記載されるように、各置換基に対する凝集エネルギー密度とモル分子容から求めることができる。
前記ポリマーとしては、例えば、スチレン樹脂、水添加スチレン樹脂、ブタジエン樹脂、イソプレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、アルキルアクリレート樹脂、フェノール樹脂及びアルキルメタアクリレート樹脂、およびこれらの共重合体やポリマーアロイを用いることができる。
また、前記ポリマーは、カップリング剤の縮合物とすることができる。この場合、磁性体コア粒子の表面をカップリング剤で処理する。
処理は、乾式及び湿式のいずれであってもよい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、すなわち、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン、ドデカトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルシラン、フェニルトリメトキシシラン、ナフタレントリメトキシシラン等の芳香族シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシメトキシシラン等のビニルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシランを挙げることができる。その他、チタネート,アルミキレート,ジルコアルミネート等のカップリング剤をも用いることができる。
ポリマーを被覆したポリマー被覆磁性体を単独で使用しても良いが、好ましくはポリマー被覆磁性体がこの被覆ポリマーで接着して凝集している凝集体が好ましい。例えば溶液中に磁性体コア粒子とバインダー成分とを混合し、噴霧乾燥することによって上記凝集体を得ることができる。なお、凝集体は、磁性体粒子が前記ポリマーで接着されて凝縮し、あるいは一部が溶融することによって接着されて凝集しているため、磁性体粒子間には、表面に開口した複数のポアが形成されている。なお、後述するように、排水中の有機化合物の吸着除去は、このポアを介して行われる。
前記凝集体の大きさは、特に限定されるものではないが、好ましくは平均粒子径0.5μm〜20μmの磁性体を用いた時に、平均凝集径10μm〜100μmになるようなものがよい。凝集体径の測定方法は、前述した磁性体の平均粒子径の測定方法と同一である。平均粒子径と平均凝集径をこのような値にする理由は、大きさの異なるポアを磁性体間に形成させるためである。水中にイオン性物質を添加した場合、SP値が17〜35(J/cm1/2の表面を有する凝集体は、水中に単独で存在しにくくなり、一部水中で凝集体同士が2次凝集する。この時、凝集体間にやや大きなポアを形成し、水中の有機化合物を取り込む。一方、凝集体内には、磁性体の凝集時に形成した小さなポアが存在する。凝集体間のやや大きなポア内にある有機化合物は凝集体内にある小さなポアに取り込まれ、安定化する。凝集体内のポアが有機化合物で満たされた後に、凝集体間のポア内にも有機化合物が安定化し、結果として凝集体間も吸着可能域となるため、磁性体の有機化合物量が増大すると推測される。
ポリマー被覆磁性体の凝集体は、任意の方法により製造することができる。このような方法の一例として、ポリマーを溶解し得る有機溶媒または水系溶媒にポリマーを溶解させ、その溶液中に磁性粉を分散させた組成物を調整し、その組成物を噴霧することにより有機溶媒を除去するスプレードライ法が挙げられる。この方法によれば、スプレードライの環境温度や噴出速度などを調整することにより1次粒子が凝集した2次凝集体の平均粒子径が調整できる上、凝集した1次粒子の間から有機溶媒が除去される際に孔が形成され、好適な多孔質構造を容易に形成させることもできる。
(イオン性物質)
本発明の実施形態におけるイオン性物質は、水中で陽イオンと陰イオンに分かれるものであれば特に問わないが、好ましくは無機塩がよい。さらに好ましくは、水中でイオンになりやすいイオン化傾向の高い元素である、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムがよい。また,陰イオンとしては,塩化物イオンや硫酸イオンなど、イオン化しやすく、有害性のないものが好ましい。これらを添加する方法としては、排水中に直接添加したり、水に溶かして高濃度の液として添加したりすることが挙げられる。また、海水や海水の濃縮水を添加することもできる。海水は容易に入手可能でイオン濃度も高く、安全性も高いため、容易なシステムを構築することができるためである。
このようなイオン性物質を添加することにより、前述した水中の磁性体(またはこれらの凝集体)の凝集を促し、磁性体間または凝集体間のポアを形成させ、このポア内に有機化合物を取り込むことにより磁性体の有機化合物吸着量を増大させることができる。さらに別の視点では、イオン濃度が高くなることにより水中に微量に溶けている物質が析出し、前記磁性体表面に吸着することにより吸着量が増える効果や、水中のエマルジョンをブレイクして磁性体表面に吸着しやすくする効果も得られる。
排水中のイオン濃度調整とポリマー被覆磁性体を加える順序については、水中でのポリマー被覆磁性体の混合が阻害されなければ特にどのような条件でも構わないが、概ね以下のような考え方の下で決定する。イオン濃度が予め高い排水(例えば100g/Lを超えるイオン濃度を有する排水)を対象にする場合、ポリマー被覆磁性体を先に加えてしまうと、この磁性体の凝集が促進されすぎて水中の分散が悪くなってしまい、処理効率が落ちる場合がある。この場合は、先に濃度調整をしてからポリマー被覆磁性体を加えるのが良い。また、イオン濃度がほとんどない場合は、予めポリマー被覆磁性体を加えても水中での分散が悪くならず、先に加えることができる。
また、ポリマー被覆磁性体が極度に凝集しない範囲まで調整して、後からポリマー被覆磁性体を加えることが可能である。また、ある程度イオン濃度を含んでいる場合(例えば0.1〜100g/L)の場合は、イオン濃度をモニタリングして微調整することでそのまま処理することができる。この場合は予めイオン濃度が調整されているため、後にポリマー被覆磁性体を加えることになる。この場合、イオン濃度の調整でポリマー被覆磁性体の初期分散状態をコントロールするのが難しいため、ポリマー被覆磁性体のポリマーのSP値を調整することにより分散状態をコントロールする。具体的にはポリマー被覆磁性体の粒子径(又は凝集径)やポーラス構造の度合いにより異なるが、例えばイオン濃度が低い領域ではSP値の低い疎水性のものを、イオン濃度が高い場合はSP値の高いものを用いる。また、ポリマー被覆磁性体を添加後に再度イオン濃度を調整してもよい。
次に、本実施形態に係る排水処理装置について説明する。
(第1の排水処理装置)
第1の排水処理装置について図1を参照して説明する。
図中の符号1は、有機化合物を含有する排水と吸着材を混合する混合装置である。この混合装置1は、有機化合物を含有する排水を供給する排水供給口1aと、イオン成分として塩化ナトリウム(NaCl)を添加するイオン成分供給口1bと、吸着材を供給する吸着材供給口1cと、混合装置内の塩濃度を測定する塩濃度計2と、攪拌羽根3aを備えた攪拌機3を具備している。前記吸着材は、複数のポリマー被覆磁性体が凝集した凝集体である。
前記排水は、排管4aより排水供給口1aを経て混合装置1に供給される。ここで、排管4aと排水供給口1a等から排水供給系が構成されている。NaClを添加する配管4bにはポンプ5が介装されており、前記塩濃度計2と電気的に接続されている。ここで、配管4bとイオン成分供給口1bとポンプ5等からイオン性物質供給系が構成されている。また、前記塩濃度計2とポンプ5により前記排水のイオン濃度を調整する調整装置6が構成されている。混合装置1と接続する配管4cには、吸着材を混合装置1へ添加する添加装置7が接続されている。ここで、配管4cと吸着材供給口1cと添加装置7等から吸着材供給系が構成されている。
前記混合装置1には、ポンプ8を介装した配管4dを介してサイクロン9及び磁気分離装置10が順次介装されている。ここで、サイクロン9及び磁気分離装置10を総称して固液分離装置と呼ぶ。前記サイクロン9は、排水から粒径約10μm以上の吸着材と排水を分離する機能を有している。磁気分離装置10は、筒状体(図示せず)中に水平方向に複数の鉄製の金網(図示せず)を配置し、外部から電磁石によって磁場をかけて金網を磁化し、粒径約10μm未満の吸着材を金網に固定させる機能を有する。前記サイクロン9、磁気分離装置10の下部側には回収タンク11が接続されている。サイクロン9で分離された吸着材は回収タンク11に回収される。磁気分離装置10の上部には、水道水を供給するための水供給口10aが設けられている。
前記混合装置1の中で有機化合物や吸着材が均一にされた液体12は、ポンプ8を経てサイクロン9へ供給される。サイクロン9では、大部分(粒径約10μm以上)の吸着材が回収タンク11に送られ、一部(粒径約10μm未満)の吸着材が磁気分離装置10へ送られる。磁気分離装置10で、ほぼ全ての吸着材が回収され、処理水が排出される。磁気分離装置10で、電磁石の磁場を解放後に水供給口10aから水道水を通水し、回収タンク11に吸着材を回収するようになっている。
(第2の排水処理装置)
第2の排水処理装置について図2を参照して説明する。但し、図1と同部材は同符号を付して説明を省略する。
混合装置21は、排水を供給する排水供給口1aと、イオン成分として塩化ナトリウムを添加するイオン成分添加口1bと、吸着材を供給する吸着材供給口1cと、水道水を添加する水供給口1dを具備している。また、排水を供給する配管4aには塩濃度計2が設置され、排水のイオン濃度を常時モニタリングしている。混合装置21には、ポンプ8を介装した配管4dを介して固液分離装置としての水平濾過器22が接続されている。水平濾過器22は、地面に対して水平方向に配置されたフィルター23を備えている。このフィルター23には吸着材が堆積される。水平濾過器22の排水投入側には水道水が供給され、フィルター23に堆積した吸着材を剥がして除去し、断続的にフィルタ−23を洗浄できるようになっている。水平濾過器22には回収タンク11が接続されている。
ところで、前記吸着材としては、例えば上述したようにポリマー被覆磁性体が凝集した凝集体が用いられる。ここで、吸着材を排水中から分離する方法としては、分離できればいかなる方法でも構わないが、第1の排水処理装置ではサイクロン及び磁気分離装置が使用され、第2の排水処理装置では水平濾過器が使用されているが、サイクロン、磁気分離装置及び水平濾過器の少なくともいずれかを用いてもよい。
また、ポリマー被覆磁性体が凝集した凝集体は、磁性体を含むため密度が高い。従って、サイクロンを用いた固液分離が可能である。サイクロンでは概ね10μm以上の磁性体は補足できるが、これ以下のものは補足率が落ちてしまう。このため、サイクロンの他、磁気分離装置や濾過器を併用するのがよい。
更に、ポリマー被覆磁性体は、磁気回収することができる。具体的には、排水処理プロセス中の配管または槽に電磁石や移動可能な永久磁石を具備して回収する方法や、配管や槽の外から内部に設置された鉄球・金網などの磁性体に磁場をかけて磁化させて、回収する方法が挙げられる。この方法は、水中の磁性体濃度が低い場合に有効である。但し、磁性体濃度が高い場合に行うと、磁気分離装置の閉塞などを起こす場合がある。そのため、図1に示すように、予めサイクロンに通水して磁性体濃度を下げるなどの前処理を行うとよい。
さらには、ポリマー被覆磁性体は、ある程度の大きさを持つため、任意のろ過装置でも分離可能である。図2のように水平濾過器を使用した場合、他の濾過器(例えばろ面が地面と垂直な濾過器など)と比べて別の特徴的な効果も得られるので以下に説明する。水平濾過器においては、水平濾過器上に堆積した吸着材が重力の影響で崩れないため、排水は必ず磁性体の堆積した空間を通過する。このため、吸着材を回収するだけでなく、吸着材に吸着されなかった有機化合物を吸着材と強制的に接触させることができ、有機化合物の吸着率を向上させることができる。
以下、実施例を用いて詳細に説明する。
<ポリマー被覆磁性体の作製>
(第1の磁性体)
ポリメチルメタクリレート(SP値:20.5J/cm)138重量部を2400mlのアセトン中に溶解させて溶液とし、その溶液中に平均粒子径2000nmのマグネタイト粒子1500重量部を分散させて溶液とした。この溶液をミニスプレードライヤー(柴田科学株式会社製、B−290型)を用いて噴霧し、球状に凝集した平均凝集径が40μmの磁性体の1次凝集体を作製した。
(第2の磁性体)
樹脂の種類をアクリロニトリルスチレン共重合体(AS樹脂、アクリロニトリル30:スチレン70の比率で重合,SP値:22.6J/cm)にしたこと以外は、第1の磁性体と同様に凝集体を作製した。平均凝集径は35μmであった。
(第3の磁性体)
レゾール型フェノール樹脂(硬化時のSP値:34.5J/cm)150重量部を2400mlの水中に溶解させて溶液とし、その溶液中に平均粒子径5000nmのマグネタイト粒子1000重量部を分散させて溶液とした。この溶液をミニスプレードライヤー(柴田科学株式会社製、B−290型)を用いて噴霧し、球状に凝集した平均凝集径が80μmの凝集体を作製した。
(第4の磁性体)
レゾール型フェノール樹脂をトリメトキシビニルシラン(硬化時のSP値:18.3J/cm)とし、触媒として15重量部の酢酸を加え、マグネタイト粒子径を0.5μmにしたこと以外は、第3の磁性体と同様に凝集体を作製した。平均粒子径は40μmであった。
(第5の磁性体)
エタノール/水=95/5の混合溶媒を3L準備した。ここに、平均粒子径2000nmのマグネタイト粒子1000重量部を分散させた後、エタノール/水で希釈したn-オクチルトリエトキシシランを20重量部(固形分換算)添加し、1時間混合後ろ過して、120℃で2時間乾燥させて、表面にn-オクチルトリエトキシシラン縮合物(SP値:17.5J/cm)の被覆した磁性体を作製した。一部が凝集し、平均粒子径(凝集径)は2.2μmであった。
(実施例1)
本実施例1では、上述した図1の排水処理装置を用いた。
模擬排水として、イオン交換水に有機化合物としてミシン油を5000ppm加えたものを作製した。イオン濃度は、実質0g/Lであった。この模擬排水を混合装置1に入れ、塩化ナトリウム濃度が1.17g/L(20mmol/L)となるよう添加し、10分混合後に5000ppmの前記第1の磁性体を加えてさらに10分混合した。この混合液をサイクロン9と磁気分離装置10に送り、処理後の液中のミシン油の濃度を測定したところ、10ppmであった。
(実施例2)
塩化ナトリウムの濃度を4.39g/L(75mmol/L)としたこと以外は実施例1と同様に試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は5ppm以下であった。
(実施例3)
塩化ナトリウムの濃度を11.12g/L(190mmol/L)としたこと以外は実施例1と同様に試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は5ppm以下であった。
(比較例1)
塩化ナトリウムを添加しないこと以外は実施例1と同様に試験を行なったところ、処理後の液中のミシン油の濃度は45ppmであった。
以上のことから、20mmol/L以上(1.17g/L)の塩化ナトリウムを加えた場合、ミシン油の濃度は10ppm以下となり、低濃度の油分を効率よく回収していることを確認した。
(実施例4)
磁性体の種類を前記第2の磁性体に、イオン濃度を11.12g/Lにしたこと以外は、実施例1と同様に試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は10ppmであった。同様に、塩化ナトリウムを加えないで試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は65ppmであり、イオンを添加した効果を確認した。
(実施例5)
磁性体の種類を前記第3の磁性体に、イオン濃度を11.12g/Lに、油分添加量を2500ppmにしたこと以外は、実施例1と同様に試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は10ppmであった。同様に、塩化ナトリウムを加えないで試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は100ppmであり、イオンを添加した効果を確認した。
(実施例6)
磁性体の種類を前記第4の磁性体に、イオン濃度を11.12g/Lに、油分添加量を2500ppmにしたこと以外は、実施例1と同様に試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は5ppmであった。同様に、塩化ナトリウムを加えないで試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は70ppmであり、イオンを添加した効果を確認した。
(実施例7)
磁性体の種類を前記第5の磁性体に、イオン濃度を11.12g/Lに、油分添加量を2000ppmにしたこと以外は、実施例1と同様に試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は10ppmであった。同様に、塩化ナトリウムを加えないで試験を行なったところ、処理液中のミシン油の濃度は105ppmであり、イオンを添加した効果を確認した。
(実施例8)
本実施例8では、上述した図2の排水処理装置を用いた。
混合装置21には、海水を主成分とした平均塩濃度34g/Lの鉱物油約2000ppmを含む排水が供給される。図2の装置では、イオン濃度をモニタリングして、排水中の塩濃度が30g/Lを下回る場合は塩化ナトリウムを、塩濃度が40g/Lを上回る場合は水道水を混合装置21に供給するようなシステムとなっている。
この混合装置21の中で均一にされた液体は、ポンプ8を経て水平濾過器22に送られ、フィルター23で分離され、処理水として排出される。水平濾過器22の排水投入側(図2の左側)からは水道水が供給され、フィルター23上に堆積した吸着材を剥がして除去し、断続的にフィルター23を洗浄できるようになっている。図2の装置において、吸着材を用いて、磁性体濃度4000ppmとなるような条件でこのシステムを動かしたところ、処理水中の油分濃度の平均が10ppm以下となることを確認した。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,21…混合装置、2…塩濃度計、3…攪拌機、4a,4b,4c,4d…配管、5,8…ポンプ、6…調整装置、7…添加装置、9…サイクロン、10…磁気分離装置、11…回収タンク、22…水平濾過器、23…フィルター。

Claims (9)

  1. 有機化合物を含有する排水を供給する排水供給系と、
    イオン性物質を供給するイオン性物質供給系と、
    磁性体をポリマーで被覆したポリマー被覆磁性体を含む吸着材を供給する吸着材供給系と、
    排水、イオン性物質および吸着材を混合する混合装置と、
    排水から、有機化合物を吸着した吸着材を分離する固液分離装置と
    を具備することを特徴とする排水処理装置。
  2. 前記ポリマーは17〜35(J/cm1/2の溶解度パラメータ値を有することを特徴とする請求項1に記載の排水処理装置。
  3. 前記ポリマーは、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、及びこれらの共重合体、トリアルコキシシラン縮合物、フェノール樹脂から選ばれることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の排水処理装置。
  4. 前記吸着材は複数のポリマー被覆磁性体が凝集した凝集体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排水処理装置。
  5. 前記イオン性物質は、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンのいずれかを含有する物質であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の排水処理方法。
  6. 前記固液分離装置は、サイクロン、磁気分離装置もしくは水平濾過器の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の排水処理装置。
  7. 有機化合物を含有する排水にイオン性物質を供給して混合し、排水中のイオン性物質の濃度を調整する工程と、
    前記排水に磁性体をポリマーで被覆したポリマー被覆磁性体を含む吸着材を供給して混合する工程と、
    前記排水から、有機化合物を吸着した吸着材を分離する工程と
    を具備することを特徴とする排水処理方法。
  8. 排水に供給するイオン性物質が、海水又は海水の濃縮水であることを特徴とする請求項7に記載の排水処理方法。
  9. 前記吸着材を分離する工程にサイクロン、磁気分離装置もしくは水平濾過器の少なくともいずれか一つ用いることを特徴とする請求項7若しくは8項記載の排水処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103304063A (zh) * 2013-07-01 2013-09-18 大唐国际化工技术研究院有限公司 液相吸附-固液分离一体化反应器、应用和水处理方法
JP2015000385A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 株式会社東芝 ろ過助材を利用した水処理方法、及びその装置
JP2015020087A (ja) * 2013-07-16 2015-02-02 株式会社東芝 水処理装置

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