JP2013062946A - 送電線撮影装置 - Google Patents

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正史 杉原
Koji Suzuki
康士 鈴木
Tatsuya Arai
達也 新井
Shunsuke Ito
俊輔 伊藤
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Abstract

【課題】停電せず、低コストに架空送電線を点検する。
【解決手段】鉄塔ST1と、鉄塔ST2との間には、接地極である1本の架空地線GW及び活線状態である6本の送電線PL(架空線)が架設されている。電線点検システム1において、点検装置2は、架空地線GW上を走行する自走式カメラであり、架空線を撮影し、撮影した画像を記憶するとともに、情報処理装置4に送信する。架空地線GWについては、本体の反射鏡により画像を取得する。送電線PLについては、本体のカメラにより画像を取得する。従って、1回に7本の架空線の画像を取得し、外傷点検を行うことができる。無線通信機3は、点検装置2との無線通信を行い、点検装置2と、情報処理装置4との間を中継する機器である。情報処理装置4は、地上にいる作業員が操作、参照する装置であり、無線通信機3を介して、点検装置2への指示を送信し、点検装置2から架空線の画像データを受信し、記憶する。
【選択図】図1

Description

本発明は、点検のために送電線を撮影する装置に関する。
事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、経済産業省令で定めるところにより、保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに保安規程を定めることが義務づけられている。電力会社は、これに基づいて普通(徒歩)巡視を実施しており、全部の設備が点検対象となる。また、社内要則に基づいて設備の普通点検を数年周期で実施しているが、点検周期は設備ごとに異なる。送電設備である鉄塔、がいし、電線及び地線については、点検の都度、目視確認及び鉄塔からの乗出し点検(停電操作が伴う)を実施している。
電線及び地線に対する点検は、まず、鉄塔から見える近傍範囲に対して実施し、次に、地上から2つの鉄塔間(径間)の中央付近に対して実施する。目視確認にはフィールドスコープ等の高性能な双眼鏡が用いられるが、点検箇所までの距離や角度によって目視の精度に限界があり、外傷等(雷撃、短絡、地絡等)の確認及び把握が十分にできていないのが現状である。
特開2005−94935号公報
詳細には、上記の点検作業において、以下のような問題がある。
(1)電線及び地線の乗出し点検には、停電操作が必要となる。
(2)従来の電線点検方法では、電線1相ごとに自走式カメラを走らせる必要があり、全ての電線を点検するためには、多大なコストと時間、労力を必要とする。一般的には、2回線送電線路の場合、1径間に7回(6本の電線、1本の地線)走らせる必要がある。なお、特許文献1には、自走式カメラの一例として、電線上を移動しながら、その電線の外周を撮影する電線検査装置が開示されている。
(3)充電状態で点検する方法では、作業員の安全確保が万全にはなり得ない。
(4)停電操作が不要な、ヘリコプターによる撮影も可能であるが、多大なコストを要する。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、停電せず、低コストに架空送電線を点検することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、架空地線に設置され、当該架空地線よりも低い位置に架設される送電線を撮影する送電線撮影装置であって、前記送電線撮影装置を前記架空地線に沿って移動させる移動手段と、前記送電線を撮影する撮影手段と、を備えることを特徴とする。
架空地線は、送電線の避雷を目的として、鉄塔間において送電線よりも高い位置に架設される。この構成によれば、送電線を点検するために、送電線撮影装置のガイドとして、架空地線を用いる。これによれば、送電線には接触しないため、停電する必要がないので、業務の効率化、電力の安定的な供給によるお客さま満足度の向上、更には充電されない架空地線を使用することによる、作業の安全性の向上を図ることができる。そして、送電線撮影装置を安価な構成にすることにより、送電線の点検コストを節減することができる。
また、本発明の上記送電線撮影装置において、前記架空地線上の前記送電線撮影装置の位置と、当該位置における前記撮影手段の撮影方向とを対応付けた撮影方向データを記憶する手段と、前記送電線撮影装置の位置を測定する手段と、前記撮影方向データに基づいて、前記測定した前記送電線撮影装置の位置から前記撮影方向を特定する手段と、前記特定した撮影方向に従って、前記撮影手段の方向を調整する手段と、をさらに備えることとしてもよい。
架空地線と、送電線とは弛み具合が異なるので、架空地線上にある、送電線撮影装置の位置によって、カメラ等の撮影手段から撮るべき送電線の方向は変化する。この構成によれば、事前に、鉄塔間ごとに、送電線撮影装置の、架空地線上の位置と、その位置から撮影手段が撮影すべき方向との対応関係を記憶しておく。そして、実際に、架空地線上を移動しながら、送電線を撮影するときに、測定した位置から撮影すべき方向を特定し、その方向を向くように撮影手段を調整する。これによれば、架空地線と、送電線との弛み具合が違っても、所望の送電線の画像を撮影することができる。
また、本発明の上記送電線撮影装置において、前記撮影方向は、一度に複数の送電線を撮影する方向であることとしてもよい。
この構成によれば、1個のカメラを使うので低コストで済み、その1個のカメラで複数の送電線を撮影するので効率がよい。
また、本発明の上記送電線撮影装置において、前記撮影方向は、一度に1本の送電線を撮影する方向であることとしてもよい。
この構成によれば、1個のカメラで1本の送電線を撮影するので、焦点を1つに合わせることができ、撮影した画像の精度がよい。
また、本発明の上記送電線撮影装置において、外傷のない送電線の画像を記憶する手段と、前記撮影した送電線の画像と、前記記憶した送電線の画像とを比較し、前記撮影した送電線に外傷があるか否かを判定する手段と、外傷があったと判定した場合に、前記撮影した送電線の画像と、前記測定した前記送電線撮影装置の位置とを対応付けて記憶する手段と、をさらに備えることとしてもよい。
この構成によれば、外傷があったと判定された送電線の画像を表示することにより、担当者が詳細な損傷状況を確認することができる。また、外傷があったと判定されたときの送電線撮影装置の位置から、送電線の外傷位置を特定し、その外傷位置を送電線の経路地図上にプロットすることにより、今までに起きた外傷箇所の分布が分かる。これによれば、送電設備の保守計画を立てる際に、検討材料として利用することができる。例えば、高い頻度で外傷が発生している箇所には、速やかな雷害対策の実施を計画する。
その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、停電せず、低コストに架空送電線を点検することができる。
電線点検システム1の構成を示す図である。 情報処理装置4の表示内容の例を示す図である。 点検装置2の構成を示す図であり、(a)は点検装置2の側面図を示し、図3(b)は点検装置2の正面図を示す。 点検装置2の記憶部24に記憶される撮影角度データ24Aの構成を示す図である。 撮影角度データ24Aの作成手順を説明するための図であり、(a)は径間の側面図であり、(b)は径間の上面図であり、(c)は径間の正面図である。 架空地線GW及び送電線PLの弛みの一例を示す図である。 2本の架空地線GWがそれぞれ送電線PLの真上に設けられる例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施の形態に係る点検装置(送電線撮影装置)は、架空地線上に設置され、斜め下方にある送電線を撮影するものである。架空地線は、雷撃防止等の目的のため、活線状態の送電線より上方に配置される。そこで、その位置関係を利用して、点検装置に対して、架空地線を索道として鉄塔間を移動するための機構と、斜め下方に存在する3本の送電線(上線、中線、下線)を撮影するためのカメラとを設ける。これによれば、架空地線を用いるので停電する必要がなく、簡単な構成の装置により低コストに、架空送電線を点検することができる。
≪第1の実施の形態≫
<システムの構成と概要>
図1は、電線点検システム1の構成を示す図である。図1に示すように、鉄塔ST1と、鉄塔ST2との間(以下、径間という)には、1本の架空地線GW及び6本の送電線PLが架設されている。架空地線GWは、鉄塔ST1及びST2の頂部に架けられた接地極であり、その付近では、停電操作を伴わない状態で作業が可能である。送電線PLは、鉄塔STの腕金に架けられ、例えば、鉄塔ST1に関して、図面に向かって左側の線を1L、右側の線を2Lと呼び、さらに、上線をC1、中線をC2、下線をC3と呼ぶ。そして、例えば、左側の上線を1LC1と呼ぶ。また、架空地線GW及び送電線PLをまとめて、架空線という。
電線点検システム1は、点検装置2、無線通信機3及び情報処理装置4を備える。点検装置2は、架空地線GWに沿って走行する自走式カメラであり、架空地線GW及び送電線PLを撮影し、その撮影した画像を保存する。後述するように、1本の架空地線GWについては、本体の反射鏡等により画像を取得し、6本の送電線PLについては、本体の4個のカメラにより画像を取得する。従って、1回に7線の画像を取得し、外傷点検を行うことができる。
無線通信機3は、点検装置2との無線通信を行い、点検装置2と、情報処理装置4との間におけるデータ送受信を中継する機器である。情報処理装置4は、地上にいる作業員が操作、参照するPC(Personal Computer)等であり、無線通信機3を介して、点検装置2へ所定の指示を送信し、点検装置2から架空線の画像データを受信し、記憶する。これによれば、地上の情報処理装置4で架空地線GW及び送電線PLの様子をリアルタイムに見ることができる。
ここで、作業員が、点検装置2を用いて架空線を点検する手順を説明する。実際には、点検対象の径間の数に応じて、以下の手順を繰り返す。
(S1)鉄塔ST1の頂部に上り、架空地線GWに点検装置2を取り付け、隣の鉄塔ST2に向けて点検装置2の走行を開始させる。点検装置2は、架空地線GWに沿って走行し、鉄塔ST2の頂部に到達する。
(S2)鉄塔ST1やがいし等を点検し、鉄塔ST1から降りる。
(S3)地上において鉄塔ST2へ移動する。
(S4)鉄塔ST2の頂部に上り、点検装置2を回収し、次の径間の架空地線GWに取り付け、点検装置2の走行を開始させる。
(S5)鉄塔ST2やがいし等を点検し、鉄塔ST2から降りる。
図2は、情報処理装置4の表示内容の例を示す図であり、9個の画面例が示される。左上は、電線諸元の入力画面であり、情報処理装置4は、取得した電線諸元に基づいて、架空線の弛み具合を計算し、さらに、後記する撮影角度データ24Aを作成する。電線諸元には、架空線の名前(例えば、○○○線。○○○は、地名等に基づく。)と両端の鉄塔番号、電線種類、外径、計算断面積、電線質量、弾性係数、線膨張係数、径間長、No.1の鉄塔からの距離、撮影年月日等がある。
左中及び左下の2面は、架空地線GWの、ある箇所における上面、下面、左面及び右面の画像の出力画面である。中央及び右側の6面は、6本の送電線PLの、ある箇所における画像の出力画面である。例えば、右上の送電線2LC1は下面に欠損箇所があり、右中の送電線2LC2は上面に欠損箇所がある。これによると、着雪によるギャロッピング現象により、送電線2LC1及び2LC2が衝突して、欠損が発生したと考えられる。
図3は、点検装置2の構成を示す図である。図3(a)は点検装置2の側面図を示し、図3(b)は点検装置2の正面図を示す。点検装置2は、筐体2Bの内部に、通信部21、入出力部22、処理部23、記憶部24及び電源部25を備え、外側に、アンテナ26、ローラ27、自走線撮影機器28及びカメラ29を備える。
通信部21は、アンテナ26を介して、地上の無線通信機3とIP(Internet Protocol)通信等を行う部分であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。入出力部22は、処理部23からの指示により、ローラ27、自走線撮影機器28及びカメラ29との間で入出力を行う部分であり、走行、撮影、方向変更等の指示を出力し、走行距離や撮影画像を取得する。処理部23は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、点検装置2全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部24は、処理部23からデータ(架空地線GWや送電線PLの画像データ等)を記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。電源部25は、各部に電源を供給する部分であり、バッテリー等によって実現される。
アンテナ26は、点検装置2の上部に設けられ、地上の無線通信機3との間で電波の送受信を行う。ローラ27は、両側から枠体2Aで支持され、図示しないモータ等により回転駆動される、例えば2個の回転駆動機構である。点検装置2は、ローラ27が筐体2Bの上面から離間し、その間を架空地線GWが通過するように設置され、ローラ27が架空地線GW上を転動することで、自走線撮影機器28が架空地線GWに沿って移動する。その際、ローラ27を両側から支持する枠体2Aにより、点検装置2が架空地線GWから外れるのを防止できる。自走線撮影機器28は、2個のローラ27の間に設けられた反射鏡等からなり、処理部23からの指示に応じて、架空地線GWの上面、下面、左面及び右面の画像を撮影し、その画像を入出力部22に出力する。
カメラ29は、低い位置にある送電線PLの画像を撮影する機器であり、点検装置2の両側面に2個ずつ、各側面において架空地線GWの軸方向に離間して、合計4個設けられる。各カメラ29は、広角レンズを採用し、上下180°の範囲で架空地線GWから送電線PLへの撮影角度が変更可能な首振り機能を搭載する。各側面において、一方のカメラ29で上線及び中線を撮影し、他方のカメラ29で中線と下線を撮影する。いずれのカメラ29も動画を取得し、各画像と、鉄塔STの頂点からの走行距離による位置とが対応付けられる。なお、走行距離は、ローラ27に付設されるロータリーエンコーダにより測定され、入出力部22に出力される。
<データの構成>
図4は、点検装置2の記憶部24に記憶されるデータの構成を示す図である。記憶部24は、送電線PLの撮影制御用として、径間ごと及びカメラごとに、撮影角度データ24Aを記憶する。撮影角度データ24Aは、径間における、架空地線GWの弛み具合と、撮影対象の送電線PLの弛み具合とが異なり、架空地線GW上の位置によって送電線PLの見える方向が変わることから、点検装置2の架空地線GW上の走行距離に応じて撮影角度を変更するためのデータであり、走行距離24A1及びカメラ角度24A2を含む、走行距離の範囲ごとのレコードからなる。径間において、架空地線GWと、送電線PLとは弛みが異なる(架空地線GWの弛みがより小さい)ので、架空地線GW上の点検装置2の位置によって、送電線PLを撮影すべきカメラ29の方向は変化する。なお、走行距離24A1の代わりに、架空地線GW上の位置(緯度と経度、鉄塔ST1からの水平距離等)を設定してもよい。
走行距離24A1は、点検装置2が鉄塔STの頂点から架空地線GWに沿って走行した距離の範囲を示し、例えば、径間が300mであったとすると、30等分して10mごとの範囲が設定される。カメラ角度24A2は、点検装置2の現在位置が当該走行距離24A1の範囲にあったときに、カメラ29が撮影すべき方向を、鉛直方向からの角度により示すものである。詳細には、当該走行距離24A1の範囲の中央(例えば、0〜10mであれば、5m)に位置したときの、カメラ29の方向(例えば、θ1°)が設定される。
カメラ角度は、径間ごとに、架空地線GW及び撮影対象の送電線PLの位置関係により特定される。架空地線GW及び送電線PLの弛みは、電線諸元(径間の線長、線種、使用張力等)や、鉄塔ST間の水平距離及び高度差等の違いにより様々である。そこで、情報処理装置4は、作業員の操作により電線・設置諸元を取得し、それらに基づいて、走行距離に応じたカメラ角度を計算し、撮影角度データを点検装置2に送信する。
図5は、撮影角度データ24Aの作成手順を説明するための図である。図5(a)は径間の側面図であり、図5(b)は径間の上面図であり、図5(c)は径間の正面図である。
前提として、径間ごとに、架空地線GW及び送電線PLの弛みを表す関数式が特定されているものとする。関数式は、鉄塔ST1と、ST2との位置関係にも大きく影響を受け、例えば、図5(a)の径間と、図6の径間とでは、相当異なる関数式になると考えられる。その関数式により、点検装置2の、鉄塔ST1の頂部からの走行距離、鉄塔ST1からの水平距離及び高度が、相互に計算できる。また、同じ径間における6本の送電線PLの弛みは、ほぼ同じであり、同様の関数式(高度が調整される)により特定される。以下に、走行距離dからカメラ角度θを計算する手順を説明する。
まず、図5(a)に示すように、架空地線GWの弛みの関数式に基づいて、点検装置2の走行距離dから水平距離p1及び高度h1を計算する。次に、図5(b)に示すように、水平距離p1と、点検装置2による送電線PLの撮影箇所の水平距離p2とは等しい。そこで、図5(a)に示すように、送電線PLの弛みの関数式に基づいて、撮影箇所の水平距離p2(=p1)から高度h2を計算する。以上により、点検装置2と、撮影箇所との高度差h(=h1−h2)が計算できるので、図5(c)に示すように、送電線PL間の距離をLとすれば、カメラ角度θは、θ=tan−1(L/2/h)=tan−1(L/2h)により計算することができる。
例えば、図5(a)によると、架空地線GWは送電線PLより弛みが小さいので、径間の中間点で高度差hが最大値hmaxになる。図5(c)によると、距離Lは一定である。従って、上記θの式によると、高度差hが最大値になる径間の中間点において、カメラ角度θが最小値になる。
以上によれば、架空地線GW上の走行距離から、送電線PLの撮影箇所を見たときのカメラ角度θを計算することにより、点検装置2の走行距離に応じた撮影角度データを作成することができる。
<装置の処理>
点検装置2は、架空地線GW上を走行しながら、自走線撮影機器28により架空地線GWの画像を撮影し、カメラ29により送電線PLの画像を撮影し、それらの画像を記憶部24に記憶するとともに、撮影した画像をアンテナ26により地上の無線通信機3に送信する。画像は、無線通信機3から情報処理装置4に転送される。その画像には、点検装置2の走行距離から計算した、架空地線GW及び送電線PL上の位置を対応付ける。これによれば、情報処理装置4に転送された画像を表示することにより、作業員は、架空線の状態を確認することができ、各画像の、架空線上の位置を知ることができる。なお、点検装置2の位置をGPS(Global Positioning System)により特定し、その特定した位置から送電線PL上の位置を計算するようにしてもよい。また、点検装置2を情報処理装置4に直接接続して、点検装置2に記憶された画像を表示してもよい。
なお、架空地線GWや送電線PLの弛みの変化等の影響により、撮影角度データ24Aに従ったとしても、対象物の送電線PLを撮影できない場合があるため、点検装置2は、光センサをさらに搭載し、光センサから送電線PLへ(カメラ29の撮影方向へ)光を照射し、送電線PLで反射した光を受け取れるように、カメラ29の撮影角度を自動的に補正する機能を有してもよい。
<架空地線GWの素線切れへの対応>
架空地線GWは、鉄塔STの頂部に架設されるため、雷を受けることにより、撚り合わさった細い鋼芯が切れること(素線切れ)がある。点検装置2は、架空地線GWに素線切れを検知した際に、それを乗り越えることができないことを想定して、自動的にバックして戻ってくることができる。素線切れの検知は、カメラで架空地線GWの前方を監視することにより行ってもよいし、素線切れ部分をローラ27が乗り越えようとする際の、駆動モータのトルク電流の急増により判断してもよい。素線切れの箇所から戻る以外の対応方法として、そのまま進む、又は、一旦止まってリモコン(無線通信機3及び情報処理装置4)からの指示を待つようにしてよい。
≪第2の実施の形態≫
第2の実施の形態においては、点検装置2は、GPS機器及び撮影画像のパターン認識機能(デフォルトとは異なるパターンを外傷として検出する機能)をさらに備える。デフォルトとして、外傷のない送電線PLの画像を予め記憶しておく。架空地線GW上を走行しながら、送電線PLの画像を撮影し、デフォルトの画像と比較した結果、撮影した画像に外傷があることを検出したときに、GPS機器により位置データを取得し、記憶する。その後、点検装置2は、撮影画像及び当該位置データを情報処理装置4に送信する。情報処理装置4は、点検装置2から撮影画像及び外傷検出時の位置データを受信し、記憶する。これによれば、地上にいる担当者は、情報処理装置4を用いて、外傷検出時の位置において撮影した、送電線PLの画像をチェックすることができる。
また、鉄塔ST1、ST2の緯度及び経度は予め分かっているので、パターン認識により欠損部分が見つかったときの緯度及び経度を記憶し、その緯度及び経度を、架空地線GWや送電線PLの経路図面のデータ上にプロットして、確認する。これによれば、今まで検出した欠損部分も含めて、事故発生箇所が経路図面上にプロットされるので、雷害対策を行うか否かといった、設備保守計画の検討材料とすることができる。例えば、ある箇所に集中的に欠損が発生していれば、雷害対策が必要ということになる。
なお、上記実施の形態では、図3に示す点検装置2内の各部を機能させるために、処理部23で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係る点検装置2が実現されるものとする。この場合、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、送電線PLを停電せず、低コストに送電線PLを点検することができる。
詳細には、まず、1径間あたり、1回の点検装置2の走行により7本全ての架空線の点検ができるため、点検時間短縮及びコスト低減が可能になる。次に、送電線PLの停電を必要とせず、業務が容易になり、業務の効率化が図れる。すなわち、社内的な停電操作手続き及び現地立会の労力も不要となり、円滑に業務を遂行できる。また、停電が必要ないため、電力が安定的に供給でき、お客さま満足度が向上する。
続いて、点検装置2の走行距離に応じてカメラ29の撮影角度を補正することにより、対象物を逃すことなく撮影し、確実に点検することができる。
さらに、作業員が鉄塔ST1の点検及び次の鉄塔ST2への移動に要する時間があれば、点検装置2が鉄塔ST2に到着しているので、点検の効率化が図れ、これまで未確定要素の多かった電線外傷点検を確実に実施できる。また、点検及び撮影の時(後も含む)に、送電線PL6本を比較しながら同時にチェックできるので、発見された問題箇所の周辺の電線損傷状況も容易に確認でき、事故原因(短絡、地絡等)を究明するための情報となる。
≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
(1)上記実施の形態では、点検装置2の1つの側面に2個のカメラ29を備えて、2本ずつの送電線PLを撮影するように記載したが、それに限らず、3個のカメラでそれぞれ1本ずつ撮影してもよいし、1個のカメラで3本まとめて撮影してもよい。
(2)上記実施の形態では、点検装置2が径間を1回走行することにより、6本の送電線PLの画像を撮影するように説明したが、点検装置2の1つの側面に1個のカメラ29を備えて、1回の走行で1本の送電線PLを撮影することとし、それを3回(上線、中線、下線を撮影対象にして)行うようにしてもよい。これによれば、送電線PLを停電せず、低コストに、かつ、精度よく送電線PLの点検が可能になる。
(3)上記実施の形態では、図1に示すように、径間に架空地線GWが1本架設される例を説明したが、図7に示すように、送電線PL間の距離Lが長い場合、避雷機能を確保するために、2本の架空地線GWがそれぞれ送電線PLの真上に設けられることがある。そのときには、架空地線GW上の点検装置2は、真下の送電線PLではなく、他方の架空地線GWの下にある送電線PLを斜め方向から撮影する。
1 電線点検システム2
2 点検装置
23 処理部
24 記憶部
24A 撮影角度データ(撮影方向データ)
24A1 走行距離(位置)
24A2 カメラ角度(撮影方向)
27 ローラ(移動手段)
29 カメラ(撮影手段)
GW 架空地線
PL 送電線
ST1、ST2 鉄塔

Claims (5)

  1. 架空地線に設置され、当該架空地線よりも低い位置に架設される送電線を撮影する送電線撮影装置であって、
    前記送電線撮影装置を前記架空地線に沿って移動させる移動手段と、
    前記送電線を撮影する撮影手段と、
    を備えることを特徴とする送電線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の送電線撮影装置であって、
    前記架空地線上の前記送電線撮影装置の位置と、当該位置における前記撮影手段の撮影方向とを対応付けた撮影方向データを記憶する手段と、
    前記送電線撮影装置の位置を測定する手段と、
    前記撮影方向データに基づいて、前記測定した前記送電線撮影装置の位置から前記撮影方向を特定する手段と、
    前記特定した撮影方向に従って、前記撮影手段の方向を調整する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする送電線撮影装置。
  3. 請求項2に記載の送電線撮影装置であって、
    前記撮影方向は、一度に複数の送電線を撮影する方向である
    ことを特徴とする送電線撮影装置。
  4. 請求項2に記載の送電線撮影装置であって、
    前記撮影方向は、一度に1本の送電線を撮影する方向である
    ことを特徴とする送電線撮影装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の送電線撮影装置であって、
    外傷のない送電線の画像を記憶する手段と、
    前記撮影した送電線の画像と、前記記憶した送電線の画像とを比較し、前記撮影した送電線に外傷があるか否かを判定する手段と、
    外傷があったと判定した場合に、前記撮影した送電線の画像と、前記測定した前記送電線撮影装置の位置とを対応付けて記憶する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする送電線撮影装置。
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