JP2013060923A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態へと移行したときの冷却水の温度の応答性を向上させる。
【解決手段】エンジン冷却系に、ラジエータ16への流量配分を変化させる電子制御式のサーモスタット22と、ラジエータ16に対して送風を行う電動式のラジエータファン14と、を配設する。また、燃費重視の高水温状態であるときに、サーモスタット22を閉じ側に制御すると共に、ラジエータ16における冷却水の温度が低下するように、ラジエータファン14の風量を制御する。そして、燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態へと移行したときに、サーモスタット22を開き側に制御し、高水温状態の冷却水に低水温状態の冷却水を混合することで、エンジン10に供給される冷却水の温度を急速に低下させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンを冷却する技術に関する。
エンジンを冷却する技術として、特開2004−353602号公報(特許文献1)に記載されるように、電子制御式のサーモスタットにより、ラジエータをバイパスする通路の開度を制御する技術が提案されている。かかる技術においては、エンジンの燃費を向上させるために、定地走行(Road Load)では、冷却水温度を高め(例えば、105℃)に維持する制御がなされている。
特開2004−353602号公報
しかしながら、電子制御式のサーモスタットは、定地走行における冷却水温度を制御する点では有効であるが、応答性が良好でないため、燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態への移行時(過渡時)に目標温度に追従できず、加速性能などの出力要求に対応できないおそれがある。
そこで、本発明は従来技術の問題点に鑑み、電子制御式のサーモスタットとラジエータファンとを連携させて制御することで、燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態への移行時における冷却水温度の応答性を向上させたエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
このため、エンジン冷却系に、ラジエータへの流量配分を変化させる電子制御式のサーモスタットと、ラジエータに対して送風を行う電動ファンと、を配設する。そして、サーモスタットを閉じ側に制御すると共に、ラジエータにおける冷却水の温度が低下するように、電動ファンの風量を制御する。
電子制御式のサーモスタットと電動ファンとを連携させて制御することで、燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態への移行時における冷却水温度の応答性を向上させることができる。
エンジンを冷却する冷却システムの一例を示す概略構成図である。 エンジンコントロールユニットに備えられた各種機能のブロック図である。 ラジエータファン制御の一例を示すフローチャートである。 ラジエータファンにおける冷却水目標温度を設定する方法の説明図である。 ラジエータの冷却水温度を制御する場合のラジエータファン風量の制御状態を示すタイムチャートである。 燃費重視領域及び出力重視領域の説明図である。 燃費重視領域における上限値の設定方法の説明図である。 エンジンの冷却水温度を制御する場合のラジエータファン風量の制御状態を示すタイムチャートである。 サーモスタット制御の一例を示すフローチャートである。 サーモスタットの制御ゲインを補正する方法の説明図である。 燃費重視状態から出力重視状態へと移行した場合のサーモスタットの制御状態を示すタイムチャートである。 出力重視状態から燃費重視状態へと移行した場合のサーモスタットの制御状態を示すタイムチャートである。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、エンジンを冷却する冷却システムの一例を示す。
エンジン10のシリンダブロック、シリンダヘッドなどを冷却した冷却水は、第1の冷却水通路12を介して、電動式のラジエータファン14(電動ファン)が併設されたラジエータ16に導かれる。ラジエータ16に導かれた冷却水は、フィンが取り付けられたラジエータコアを通過するときに外気と熱交換をし、その温度が低下する。そして、ラジエータ16を通過することで温度が低下した冷却水は、第2の冷却水通路18を介してエンジン10へと戻される。
また、エンジン10から排出された冷却水がラジエータ16をバイパスするように、第1の冷却水通路12と第2の冷却水通路18とは、バイパス通路20を介して連通接続されている。バイパス通路20の下流端と第2の冷却水通路18との接合箇所には、バイパス通路20の通路面積を全開から全閉までの間で多段階又は連続的に開閉する、電子制御式のサーモスタット22が配設されている。従って、サーモスタット22を制御することで、ラジエータ16を通過する冷却水の割合を変化させることが可能となり、エンジン冷却系における冷却水温度を制御することができる。なお、サーモスタット22は、バイパス通路20の上流端と第1の冷却水通路12との接合箇所に配設されていてもよい。
第2の冷却水通路18の下流端、及び、そのサーモスタット22の下流である中間部には、エンジン10とラジエータ16との間で冷却水を強制的に循環させる、機械式ウォータポンプ24及び電動ウォータポンプ26が夫々配設されている。機械式ウォータポンプ24は、エンジン10の冷却水入口を塞ぐように取り付けられており、例えば、エンジン10のカムシャフトによって駆動される。電動ウォータポンプ26は、アイドルストップ機能によりエンジン10が停止した場合にも冷却性能を発揮できるようにすべく、例えば、エンジン10とは異なる駆動源としてのブラシレスモータによって駆動される。
ラジエータファン14、サーモスタット22及び電動ウォータポンプ26の駆動を制御する制御系として、エンジン10から排出される冷却水の温度(冷却水温度)を検出する水温センサ28、車速を検出する車速センサ30、外気温を検出する温度センサ32、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ34、エンジン負荷を検出する負荷センサ36が取り付けられている。ここで、エンジン負荷としては、例えば、吸気流量、吸気負圧、過給圧力、燃料噴射量、アクセル開度、スロットル開度など、エンジントルクと密接に関連する状態量が適用できる。そして、水温センサ28、車速センサ30、温度センサ32、回転速度センサ34及び負荷センサ36の出力信号は、コンピュータを内蔵したエンジンコントロールユニット38に入力され、そのROM(Read Only Memory)などに記憶された制御プログラムに従って、ラジエータファン14、サーモスタット22及び電動ウォータポンプ26が制御される。
具体的には、エンジンコントロールユニット38は、例えば、アイドルストップ機能によりエンジン10が停止した場合、電動ウォータポンプ26を作動させる。また、エンジンコントロールユニット38は、燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態に移行した場合の応答性を確保すべく、燃費重視状態において、ラジエータ16の冷却水温度がラジエータ16を除くエンジン冷却系の冷却水温度より低くなるように、ラジエータファン14及びサーモスタット22を制御する。
なお、冷却水温度、車速、外気温、エンジン回転速度及びエンジン負荷の少なくとも1つは、例えば、CAN(Controller Area Network)を介して接続された他のコントロールユニットから読み込むようにしてもよい。また、ラジエータファン14、サーモスタット22及び電動ウォータポンプ26は、エンジンコントロールユニット38に限らず、専用のコントロールユニット、他のコントロールユニットによって制御されるようにしてもよい。
図2は、エンジンコントロールユニット38に備えられた各種機能を示す。
エンジンコントロールユニット38は、制御プログラムを実行することで、目標温度設定部38A、冷却水温度推定部38B、ラジエータファン制御部38C、制御ゲイン設定部38D及びサーモスタット制御部38Eを実現する。
目標温度設定部38Aは、冷却水温度に基づいて、ラジエータ16における冷却水の目標温度を設定する。冷却水温度推定部38Bは、冷却水温度、車速、外気温、エンジン回転速度及びエンジン負荷に基づいて、ラジエータ16における冷却水温度を推定する。ラジエータファン制御部38Cは、目標温度設定部38Aにより設定された冷却水の目標温度、及び、冷却水温度推定部38Bにより推定された冷却水温度に基づいて、ラジエータファン14の駆動を制御する。制御ゲイン設定部38Dは、冷却水温度推定部38Bにより推定された冷却水温度に基づいて、サーモスタット22を目標開度にフィードバック制御するための制御ゲインを設定する。サーモスタット制御部38Eは、制御ゲイン設定部38Dにより設定された制御ゲインに基づいて、サーモスタット22を目標開度にフィードバック制御する。
図3は、イグニッションスイッチがONになったことを契機として、エンジンコントロールユニット38の目標温度設定部38A、冷却水温度推定部38B及びラジエータファン制御部38Cが協働して、所定時間ごとに繰り返し実行するラジエータファン制御の一例を示す。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様。)では、目標温度設定部38Aが、水温センサ28により検出された冷却水温度に基づいて、ラジエータ16における冷却水の目標温度Rtを設定する。即ち、図4に示すように、ラジエータ16の容量をRc[L]、エンジン冷却系の全体容量をAc[L]とした場合、目標温度設定部38Aは、「Rt=(目標温度最小値×Ac−(Ac−Rc)×冷却水温度)/Rc」という式に冷却水温度を代入して、冷却水の目標温度Rtを演算する。ここで、目標温度最小値としては、エンジン冷却系の目標温度の最小値、具体的には、燃費重視の冷却水温度よりも低温である、出力重視の冷却水温度を用いる。なお、目標温度Rtは、外気温を最小値とする。
冷却水の目標温度Rtの意義を説明すると、次のようになる。
冷却水温度が燃費重視の高めの目標温度に制御されている定地走行から、冷却水温度が出力重視の低めの目標温度に制御される全開領域へ移行する場合、エンジン冷却系の冷却水温度を、例えば、105℃から90℃へと低下させる必要がある。ラジエータ容量Rcを3L、エンジン冷却系の全体容量Acを10Lとすると、ラジエータ16を除くエンジン冷却系の7Lかつ105℃の冷却水に、ラジエータ16の3Lの冷却水を混ぜることで、エンジン冷却系の冷却水温度を90℃にすることとなる。この場合、ラジエータ16の冷却水を何度にすればよいかを目標温度とする。上記の例では、目標温度Rt=(90[℃]×10[L]−(10[L]−3[L])×105[℃])/3[L]=55[℃]となる。
ステップ2では、冷却水温度推定部38Bが、水温センサ28により検出された冷却水温度、車速センサ30により検出された車速、温度センサ32により検出された外気温、回転速度センサ34により検出されたエンジン回転速度、負荷センサ36により検出されたエンジン負荷に基づいて、ラジエータ16における冷却水温度を推定する。即ち、冷却水温度推定部38Bは、「冷却水温度推定値=冷却水温度×(a/車速)×(外気温/b)×(リフト量/c)×(d/ラジエータファン回転速度)×(エンジン回転速度/e)×(エンジン負荷/f)」という式に冷却水温度、車速、外気温、エンジン回転速度及びエンジン負荷を代入して、冷却水温度を推定する。ここで、リフト量は、サーモスタット22の弁体が着座状態からどの位リフトしているかを示す制御変数であって、例えば、サーモスタット22に出力する制御信号から求めることができる。また、上記式におけるa〜fは、エンジン出口における冷却水温度について、車速、外気温、リフト量、ラジエータファン回転速度、エンジン回転速度及びエンジン負荷による補正を行うための定数であって、次のような意味を持つ。
車速が大きいほどラジエータ16を通過する走行風が増加して冷却水温度が低下するので、車速の逆数を用いた補正を行う。外気温が高いほどラジエータ16の放熱効率が低下して冷却水温度が上昇するので、外気温に比例した補正を行う。リフト量が大きいほどラジエータ16を通過しない冷却水が増加して冷却水温度が上昇するので、リフト量に比例した補正を行う。ラジエータファン回転速度が高いほどラジエータ16を通過する風が増加して冷却水温度が低下するので、ラジエータファン回転速度の逆数を用いた補正を行う。エンジン回転速度が高いほど発熱量が増加して冷却水温度が上昇するので、エンジン回転速度に比例した補正を行う。エンジン負荷が高いほど発熱量が増加して冷却水温度が上昇するので、エンジン負荷に比例した補正を行う。
なお、ラジエータ16における冷却水温度を推定する代わりに、ラジエータ16における冷却水温度を検出する水温センサを取り付け、この水温センサにより検出された冷却水温度を用いてもよい。
ステップ3では、ラジエータファン制御部38Cが、水温センサ28により検出された冷却水温度が第1の温度(例えば、80℃)以上であるか否かを介して、エンジン10の暖機が完了しているか否かを判定する。そして、ラジエータファン制御部38Cは、エンジン10の暖機が完了していると判定すれば処理をステップ4へと進める一方(Yes)、エンジン10の暖機が完了していないと判定すれば処理を終了させる(No)。
ステップ4では、ラジエータファン制御部38Cが、ステップ1で設定された目標温度が第2の温度(例えば、105℃)以上であるか否かを介して、燃費重視の高水温状態(燃費重視状態)であるか否かを判定する。そして、ラジエータファン制御部38Cは、燃費重視状態であると判定すれば処理をステップ5へと進める一方(Yes)、燃費重視状態でない、要するに、出力重視の低水温状態(出力重視状態)であると判定すれば処理をステップ8へと進める(No)。
なお、燃費重視状態と出力重視状態とが頻繁に切り替わると、ハンチングが発生するおそれがあるため、燃費重視状態から出力重視状態への移行を判定する第1の閾値と、出力重視状態から燃費重視状態への移行を判定する第2の閾値と、を異ならせることで、いわゆる「ヒステリシス」を持たせるようにしてもよい。
ステップ5では、ラジエータファン制御部38Cが、ステップ1で設定された目標温度とステップ2で推定された冷却水温度(推定温度)との偏差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、ラジエータファン制御部38Cは、目標温度と推定温度との偏差が所定値以内であると判定すれば処理をステップ6へと進める一方(Yes)、目標温度と推定温度との偏差が所定値より大きいと判定すれば処理をステップ8へと進める(No)。
ステップ6では、ラジエータファン制御部38Cが、ラジエータ16における冷却水温度が目標温度となるように、ラジエータファン14の風量を制御する。即ち、ラジエータファン制御部38Cは、ステップ1で設定された目標温度とステップ2で推定された推定温度との偏差に応じた制御信号をラジエータファン14に出力することで、ラジエータ16における冷却水温度が目標温度となるようにする。
具体的には、ラジエータファン制御部38Cは、ラジエータファン14をPWM(パルス幅変調)制御で駆動する場合、図5に示すように、ラジエータ16における冷却水温度が目標温度より高ければ、冷却水温度と目標温度との偏差が大きくなるにつれて大きくなるデューティ比でラジエータファン14の風量をPID制御する。ラジエータファン制御部38Cは、ラジエータ16における冷却水温度が目標温度より低ければ、ラジエータ16により冷却水を冷却する必要がないため、PWM制御のデューティ比を0にする。また、ラジエータファン14をON/OFF制御で駆動する場合には、ラジエータファン制御部38Cは、図5に示すように、ラジエータ16における冷却水温度が目標温度よりも高ければラジエータファン14をONする一方、ラジエータ16における冷却水温度が目標温度よりも低ければラジエータファン14をOFFする。なお、ステップ6によるラジエータファン14の制御は、図6に示すように、車速及び負荷が夫々小さい、燃費重視領域において行われる。
このとき、ラジエータファン14を制限なしに作動させると、消費電力の増加により燃費が低下したり、ラジエータファン14の耐久性に影響がでるおそれがあるので、PWM制御のデューティ比又はON時間に上限値を設定してもよい。即ち、ラジエータ16における冷却水温度を目標温度にするために必要な風量は、車速が低くかつ負荷が高いときに最大となり、車速が高くかつ負荷が低いときに最小となる。このため、図7に示すように、燃費重視領域において、車速が大きくかつ負荷が小さいときに小さな値をとり、車速が小さくかつ負荷が大きいときに大きな値をとる上限値を設定し、デューティ比又はON時間が上限値を超えないようにする。特に、定地走行線付近の車速及び負荷においては、燃費に影響が少ない範囲内で上限値を設定するとよい。
ステップ7では、ラジエータファン制御部38Cが、冷却水の目標温度が燃費重視領域から出力重視領域に移行しかた否かを判定する。即ち、ラジエータファン制御部38Cは、ステップ1で設定された目標温度が、燃費重視領域と出力重視領域とを画定する所定温度を横切ったか否かを介して、出力重視領域に移行したか否かを判定する。そして、ラジエータファン制御部38Cは、出力重視領域に移行したと判定すれば処理をステップ8へと進める一方(Yes)、出力重視領域に移行していないと判定すれば処理を終了させる(No)。
ステップ8では、ラジエータファン制御部38Cが、エンジン10に供給される冷却水温度が目標温度となるように、ラジエータファン14の風量を制御する。即ち、ラジエータファン制御部38Cは、冷却水温度と目標温度との偏差に応じた制御信号をラジエータファン14に出力することで、冷却水温度が目標温度になるようにする。
具体的には、ラジエータファン制御部38Cは、図8に示すように、燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態に移行した場合、少なくとも目標温度の変化分だけ急速に冷却水温度を低下させたいので、冷却水温度と目標温度との偏差に応じてラジエータファン14の風量を制御する。この場合、ラジエータファン14をPWM制御で駆動するのであれば、図8に示すように、冷却水温度から目標温度を減算した偏差に応じたデューティ比でラジエータファン14をPID制御する。一方、ラジエータファン14をON/OFF制御で駆動するのであれば、図8に示すように、冷却水温度が目標温度よりも高ければラジエータファン14をONする一方、冷却水温度が目標温度よりも低ければラジエータファン14をOFFする。
かかるラジエータファン制御によれば、エンジン10の暖機が完了し、燃費重視状態であり、かつ、目標温度と推定温度との偏差が所定値以内である場合、ラジエータ16における冷却水温度がラジエータ16を除くエンジン冷却系の冷却水温度より低くなるように、ラジエータファン14の風量が制御される。このとき、エンジン10の暖機が完了していなければ、ラジエータファン14が駆動されないので、暖機促進を阻害することを抑制できる。また、出力重視状態、又は、目標温度と推定温度との偏差が所定値を超えている場合、エンジン10に供給される冷却水温度が運転状態に応じた目標温度に近づくように、ラジエータファン14の風量が制御される。このため、定常走行、即ち、同一の運転領域での運転が連続する場合において、そのときの運転状態に応じた冷却水温度を保持することができる。
図9は、イグニッションスイッチがONになったことを契機として、エンジンコントロールユニット38の目標温度設定部38A、冷却水温度推定部38B、制御ゲイン設定部38D及びサーモスタット制御部38Eが協働して、所定時間ごとに繰り返す実行するサーモスタット制御の一例を示す。
ステップ11では、目標温度設定部38Aが、水温センサ28により検出された冷却水温度に基づいて、ラジエータ16における冷却水の目標温度Rtを設定する。なお、冷却水の目標温度Rtの設定方法は、図3におけるステップ1と同様であるので、その説明を参照されたい。
ステップ12では、冷却水温度推定部38Bが、水温センサ28により検出された冷却水温度、車速センサ30により検出された車速、温度センサ32により検出された外気温、回転速度センサ34により検出されたエンジン回転速度、負荷センサ36により検出されたエンジン負荷に基づいて、ラジエータ16における冷却水温度を推定する。なお、冷却水温度の推定方法は、図3におけるステップ2と同様であるので、その説明を参照されたい。
ステップ13では、制御ゲイン設定部38Dが、水温センサ28により検出された冷却水温度が第1の温度(例えば、80℃)以上であるか否かを介して、エンジン10の暖機が完了しているか否かを判定する。そして、制御ゲイン設定部38Dは、エンジン10の暖機が完了していると判定すれば処理をステップ14へと進める一方(Yes)、エンジン10の暖機が完了していないと判定すれば処理を終了させる(No)。
ステップ14では、制御ゲイン設定部38Dが、ステップ11で設定された目標温度が第2の温度(例えば、105℃)以上であるか否かを介して、燃費重視状態であるか否かを判定する。そして、制御ゲイン設定部38Dは、燃費重視状態であると判定すれば処理をステップ15へと進める一方(Yes)、燃費重視状態でない、要するに、出力重視状態であると判定すれば処理をステップ17へと進める(No)。
ステップ15では、制御ゲイン設定部38Dが、目標温度と推定温度との偏差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、制御ゲイン設定部38Dは、目標温度と推定温度との偏差が所定値以内であると判定すれば処理をステップ16へと進める一方(Yes)、目標温度と推定温度との偏差が所定値より大きいと判定すれば処理をステップ17へと進める(No)。
ステップ16では、制御ゲイン設定部38Dが、目標温度と冷却水温度との偏差に基づいて、サーモスタット22をPID制御するための制御ゲインを設定する。また、制御ゲイン設定部38Dは、ラジエータ16における冷却水温度に応じて要求ゲインが異なるため、次のように、目標温度と推定温度との偏差に基づいて、制御ゲインを補正する。
即ち、サーモスタット22のリフト量変化が同一の場合、ラジエータ16における冷却水温度が低い方が、エンジン冷却システムの温度影響が大きい。このため、図10に示すように、ラジエータ16における冷却水温度が低く、目標温度との偏差が大きい場合、制御ゲインを小さくなるように補正し、サーモスタット22のリフト量変化を抑制することで、ラジエータ16における冷却水温度にかかわらず冷却水温度の制御性を向上させることができる。
具体的には、TERR:冷却水温度―目標温度、TERRz:前回のTERR値、Pgain:P分基本ゲイン値、Igain:I分基本ゲイン値、Dgain:D分基本ゲイン値、RADHOSP:Pgain補正値、RADHOSI:Igain補正値、RADHOSD:Dgain補正値とすると、
P分の制御ゲイン=TERR×Pgain×RADHOSP
I分の制御ゲイン=TERR×Igain×RADHOSI
D分の制御ゲイン=(TERR−TERRz)×Dgain×RADHOSD
と表すことができる。そして、この制御ゲインを使用して、サーモスタット22がPID制御される。
ステップ17では、制御ゲイン設定部38Dが、サーモスタット22をPID制御するための制御ゲインについて、目標温度と推定温度との偏差に基づく補正を停止すべく、RADHOSP,RADHOSI及びRADHOSDをクリア、要するに、これらを1に設定する。
即ち、燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態に移行した場合、図11に示すように、少なくとも目標温度の変化分だけ急速に冷却水温度を低下させたい。このため、サーモスタット22をPID制御するための制御ゲインは、目標温度と冷却水温度との偏差に応じて設定し、制御ゲインを小さくする補正を停止する。この場合、PID制御における制御ゲインは、次のようになる。
P分の制御ゲイン=TERR×Pgain
I分の制御ゲイン=TERR×Igain
D分の制御ゲイン=(TERR−TERRz)×Dgain
ステップ18では、サーモスタット制御部38Eが、ステップ16又はステップ17で設定された制御ゲインに基づいて、エンジン10に供給される冷却水温度が目標温度となるように、サーモスタット22の弁体開度を制御する。具体的には、サーモスタット制御部38Eは、目標温度と推定温度との偏差が大きくなるにつれて大きくなるデューティ比で、サーモスタット22を制御ゲインに基づいてPID制御する。
かかるサーモスタット制御によれば、エンジン10の暖機が完了し、燃費重視状態であり、かつ、目標温度と推定温度との偏差が所定値以内である場合、目標温度と推定温度との偏差に応じた制御ゲインにより、冷却水温度が目標温度となるように、サーモスタット22がPID制御される。このとき、冷却水温度が目標温度より高ければ、これらの偏差に応じてサーモスタット22のリフト量が設定されるため、ラジエータ16を通過する冷却水の流量が小さく又は0となり、ラジエータファン14による送風によって、その温度が低下する。
また、出力重視状態から燃費重視状態へと移行した場合には、図12に示すように、目標温度と推定温度との偏差が所定値以内となるまで、出力重視状態の制御が継続されるため、サーモスタット22の動作遅れを考慮した制御を行うことができる。
そして、ラジエータファン制御及びサーモスタット制御が並行して行われることで、燃費重視の高水温状態から出力重視の低水温状態へ移行した場合、高温である冷却水とこれよりも低温である冷却水とを混合して、エンジン10に供給される冷却水温度を低下させる。このため、燃費重視状態から出力重視状態に移行した直後であっても、エンジン10に低水温状態の冷却水を供給することが可能となり、加速性能などの出力要求に対応することができる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置において、
前記電動ファンの操作量を車速及びエンジン負荷に応じて制限する、エンジンの制御装置。
上記構成によれば、車両状態に応じたラジエータの冷却能力が考慮されるため、消費電力の増加による燃費低下、電動ファンの耐久性への影響を抑制することができる。
(ロ)請求項1〜3又は(イ)のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置において、
前記ラジエータにおける冷却水の温度と前記ラジエータにおける冷却水の目標温度との偏差に応じて、前記サーモスタット及び前記電動ファンの操作量を設定する、エンジンの制御装置。
上記構成によれば、ラジエータにおける冷却水の温度と目標温度との偏差に応じて、サーモスタット及び電動ファンの操作量が設定されるので、両者の偏差が小さい場合には操作量が小さくなり、消費電力を抑制することができる。
(ハ)請求項1〜3、(イ)又は(ロ)のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置において、
前記エンジン冷却系における冷却水の目標温度が低温側から高温側へと移行した直後には、前記エンジン冷却系における冷却水の温度と前記エンジン冷却系における冷却水の目標温度との偏差が所定値以内になるまで、前記低温側における制御を継続する、エンジンの制御装置。
上記構成によれば、エンジン冷却系における冷却水の目標温度が低温側から高温側へと移行した直後は、電子制御式のサーモスタットの操作量を0にしても、サーモスタットが閉じるまでにある程度の遅れが生じるため、この遅れを考慮したサーモスタットの制御を実現することができる。
10…エンジン、12…第1の冷却水通路、14…ラジエータファン(電動ファン)、16…ラジエータ、18…第2の冷却水通路、20…バイパス通路、22…サーモスタット、28…水温センサ、30…車速センサ、32…温度センサ、34…回転速度センサ、36…負荷センサ、38…エンジンコントロールユニット、38A…目標温度設定部、38B…冷却水温度推定部、38C…ラジエータファン制御部、38D…制御ゲイン設定部、38E…サーモスタット制御部

Claims (3)

  1. エンジン冷却系に、ラジエータへの流量配分を変化させる電子制御式のサーモスタットと、前記ラジエータに対して送風を行う電動ファンと、を配設し、前記サーモスタットを閉じ側に制御すると共に、前記ラジエータにおける冷却水の温度が低下するように、前記電動ファンの風量を制御する、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記エンジン冷却系における冷却水の目標温度が所定値を超える場合に、前記サーモスタット及び前記電動ファンの制御を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記ラジエータにおける冷却水の温度が所定値よりも低くなった場合に、少なくとも、前記ラジエータにおける冷却水の温度に基づいて、前記サーモスタットを閉じ側に制御する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの制御装置。
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