JP2013060786A - 太陽電池モジュールの取付構造、及びその取付施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】山状部分と谷状部分とが連続する屋根面2から上方へ持ち出す持出架台3又は持出架台3に固定する取付部材4により太陽電池モジュール1を取り付ける取付構造であって、取付部材4は、持出架台3に固定する固定部と、太陽電池モジュール1の端縁を上方から押さえる押さえ具5を締着させる締着手段と、締着手段を挟んで太陽電池モジュールの端縁を位置規制する位置決め部43とを有し、持出架台3に取付部材4を固定し、各位置決め部43に沿うように、それぞれ太陽電池モジュール1を配設し、配設した隣接する太陽電池モジュール1,1の端縁を押さえ具5にて押さえると共に締着手段にて締め付け固定する。
【選択図】図1
Description
上述の要請に鑑み、縦葺き屋根上に太陽電池を設置する構造として、例えば特許文献1や特許文献2等に示されるような、取付対象の屋根構造におけるハゼ部にボルトナット等の締着具にて持出金具を取り付ける構造が提案されている。
このうち、特許文献1では、架け渡した複数の板状の桟部材101sに跨るように太陽電池モジュール101を配設した構成であり、特許文献2では、太陽電池モジュール3の側縁に、側方に受皿状の浅溝部を設けたフレーム(外枠3a)を取り付け、このフレームの浅溝部を取付け金具2の抑え部6で上方から保持している構成である。
また、前記特許文献2では、太陽電池モジュール3の側縁に沿うフレーム(外枠3a)を必要とするため、コストがかかり、しかも隣り合う太陽電池モジュール3,3には所定の配設間隔を必要とするものであった。しかも、外枠3の浅溝部に、取付け金具2の抑え部6を配置しても、太陽電池モジュール3は容易にズレ動いてしまうという問題もあり、総じて費用対効果が低く(悪く)、施工性も悪かった。
さらに、本発明では、種々の仕様の太陽電池モジュールを前記特許文献2のように特殊なフレーム等を必要とすることもないし、特殊なフレームであってもそのまま用いることができる。また、用いる取付部材及び押さえ具は、簡易形状のピース材でもよく、複雑な、或いは連続材を必要としない。また、流れ方向に隣接する太陽電池モジュールに必要な配設間隔は、締着手段、例えばボルト一本分でよく、有効に敷設面積を利用することができる。したがって、安価なコストで施工でき、総じて費用対効果が高い(良い)ものである。
そして、持出架台に取付部材を固定し、各位置決め部に沿うように、それぞれ太陽電池モジュールを配設し、配設した隣接する太陽電池モジュールの端縁を押さえ具にて押さえると共に締着手段にて締め付け固定してなるものである。
以下に、この取付構造を構成する(A)太陽電池モジュール、(B)持出架台、(C)取付部材、(D)押さえ具について順に説明する。
本発明に用いる太陽電池モジュールは、太陽電池の周縁に所定形状のフレーム(枠)を一体的に固定した枠有りのモジュールであっても、その端縁(小口)に止水、防水処理を施された枠無しのモジュールであってもよく、その流れ方向及びそれと直交する方向のサイズを限定するものではない。
本発明に用いる持出架台は、山状部分と谷状部分とが連続する屋根面から上方へ持ち出すものであれば、特にその構成は限定するものではなく、公知のどのような持出架台でも使用することができる。
具体的には、この持出架台としては、単一部材であっても、複数部材の組み合わせであってもよく、屋根面への取付部と、取付部材の固定部が固定される被固定部とを有する構成である。
前記取付部は、ビス止めや締着(実施例)等の公知の取付方法であればよい。また、前記被固定部は、特に限定するものではないが、後述する図示実施例のように略平坦状でもよく、更に太陽電池モジュール(パネル)の支持(載置)部を兼ねるものでもよい。
この持出架台と後述する取付部材とは、組み付け状態において太陽電池モジュール(パネル)の支持(載置)部が構成されればよく、組み付け前にあってはどちらに設けられてもよい。
屋根面を構成する外装材の成形部にて凸部が形成される場合には、後述する図示実施例に示すように、凸部の外側に跨って配される掴み部と、該掴み部と前記被固定部との間に設けられる挟み部と、該挟み部を内側へ押圧する締付部とを備える構成が好適に使用できる。この構成の持出架台は、屋根面の凸部にこの持出架台の掴み部を取り付け、締付部を締め付けることにより、前記掴み部を左右から押圧して前記凸部を挟圧状に保持して固定することができる。
そして、上記構成の持出架台は、安定に取り付けられ、この持出架台に取付部材を安定に取り付けることができる。また、締付具の締着によって直接変形する部分(挟み部)と凸部を押圧する部分(掴み部)とが別々であるため、過度な締め込みによる変形や、取付箇所のズレ等を防ぎ、安定して取付を行うことができる好適に用いられる。
本発明に用いる取付部材は、持出架台に固定する固定部と、太陽電池モジュールの端縁を上方から押さえる押さえ具を締着させる締着手段と、該締着手段を挟んで太陽電池モジュールの端縁を位置規制する位置決め部とを有する構成である。また、前記持出架台の被固定部などに太陽電池モジュール(パネル)を支持(載置)する十分な幅(大きさ、長さ)が無い場合には、この取付部材で支持するものでもよい。即ち支持(載置)部は、前記持出部材に設けてもよいし、後述する図示実施例に示すようにこの取付部材に設けてもよい。
上記固定部は、例えば後述する図示実施例のように持出架台の被固定部がフランジ状である場合には、この固定部もフランジ状としても良いし、特にその構成を限定するものではない。また、後述する図示実施例のようにボルトナットによる締着によって固定されるものでもよいし、その他公知の組み付け手段によるものでもよい。なお、後述する図示実施例では、この固定部が支持(載置)部を兼ねる構成としたが、必ずしもそれに限定するものではない。
上記締着手段は、後述する押さえ具を下方へ押し付けた状態で締着するものであって、後述する図示実施例のように上方へ雄ネジ部分を立設させ、該雄ネジ部分に螺合する雌ネジ部分を備えるナット等を締め付ける構成でもよいし、特にその構成を限定するものではない。
上記位置決め部は、前記締着手段を挟んで設けられるものであり、太陽電池モジュールの端縁を位置規制するものである流れ方向、流れ方向に交わる方向の少なくと一方向に設ければよい。言い換えればこの取付部材は、位置決め部が配設しようとする太陽電池モジュールの端縁を位置規制するために、流れ方向又は流れ方向に交わる方向に取り付けられる。この位置決め部としては、単に起立片状でも良いし、段状(=後述する隆状受部の側面)でも良く、特にその構成を限定するものではない。
また、後述する図示実施例に示すように、表面側へ突出する隆起部の頂部をこの隆状受部として用い、その側面を前記位置決め部として利用することもできる。
本発明に用いる押さえ具は、隣接する太陽電池モジュールの端縁を押さえるものであり、前記締着手段にて締め付け固定されるものである。この押さえ具としては、後述する図示実施例では、締着手段として用いた雄ネジ部分が貫通する逆ハット型形状としたが、特にこれに限定するものではない。
また、種々の仕様の太陽電池モジュールをそのまま用いることができ、特殊なフレームを必要とせず特殊なフレームであってもそのまま用いることができ、隣接する太陽電池モジュールに必要な配設間隔は、締着手段、例えばボルト一本分でよい。また、前記取付部材及び前記押さえ具は、ピース材でよい。したがって、本発明の取付構造は、安価なコストで施工でき、総じて費用対効果が高い(良い)。
第1の工程は、屋根面に持出架台を固定すると共に該持出架台に取付部材を固定する。
第2の工程は、固定した取付部材の各位置決め部に沿うように、それぞれ太陽電池モジュールを配設する。
第3の工程は、配設した隣接する太陽電池モジュールの端縁を押さえ具にて押さえると共に締着手段にて締め付け固定する。
後述する図示実施例のように持出架台が略左右対称状の構成とするに対し、取付部材は流れ方向に略対称状とすることにより、強度の弱点となる方向が屋根面(=流れ方向)と太陽電池モジュール面(=流れ方向と直交する方向)とで一致しないように組み付けることが望ましい。
前述のように太陽電池モジュールは、どのような構成でもよく、そのまま用いることができる。なお、「位置決め部に沿う」とは、位置決め部と太陽電池モジュールの端縁とを基本的に当接させる意味であるが、適切な間隔を確保することがが重要であって、実体的には僅かに離反していてもよい。
前述のように締着手段として上方へ立設した雄ネジ部分とした場合には、該雄ネジ部分が貫通する孔を押さえ具に設けることにより、ナットを取り付けて押さえ具を下方へ圧着することができる。
なお、本発明の持出架台を設置する屋根面は、前述のように山状部分と谷状部分とが連続する構成を有するものであればよく、新築でも既設でもよい。
前記外装材20は、金属板を屈曲成形した長尺材で、略平坦状の面板部21が前記谷状部分2Vを形成し、左右側縁を立ち上げた立ち上がり部22の上半部分が前記山状部分2Mを形成する。この立ち上がり部22は、下方に位置する略傾斜面状の斜面部221と、上方に位置する前記斜面部221より傾斜が緩やかな略水平面部222とからなり、共に下部保持部材7Bに裏面を支持されている。また、前記略水平面部222には、略鉛直状に立ち上げられた重合部(図面右側)、被重合部(図面左側)が設けられ、上部保持部材7Aの起立片71を挟むように重合した状態で略円弧状にカシメて凸部23が形成される構成である。
そして、屋根面2の凸部23の外側にこの持出架台3の掴み部32を取り付け、ボルトナット34を締め付けることにより、前記掴み部32を左右から押圧して前記凸部23を挟圧状に保持して固定することができる。
図示実施例の取付部材4は、図3(c)に示すように略矩形状の原料板材の略中央に表面側へ突出する隆起部40が設けられる成形体(=略平坦状の支持(載置)部45の略中央に隆起部40を設けた成形体)であって、この隆起部40の頂部が押さえ具5を受ける隆状受部44であり、この隆起部40の側面(=流れ方向を向く側面)が前記位置決め部43であり、その裏面側に上向きに固定される六角ボルト4dが前記締着手段42である。この六角ボルト4dには、ナット4eを取り付けて螺合することで締着手段42が完成する。なお、図中411は、固定部41に形成される孔である。
そして、この取付部材4のフランジ状の固定部41は、前記持出架台3の被固定部31の上面に重合させて孔411,311を連通させた状態で、裏面側からボルト4bを孔311,411に挿通させ、表面側からナット4cを取り付けて固定することができる。
図示実施例の押さえ具5は、図3(d)に示すように略矩形状の原料板材を断面略U字状に折曲加工した成形体であって、略中央の底状部51の流れ方向の両端を立ち上げ(立ち上げ部52,52)、更に外側へ折曲し、略水平状の押さえ部53,53とした。
なお、以下の工程に先立って屋根面2の凸部23に前記持出架台3を左右から取り付けて固定する。具体的には左右略対称状の部材を背中合わせに一体化させるが、凸部23を包持するように掴み部32を取り付けると共に、その取付面部35や被固定部31が略水平状になるように組み付け、挟み部33をボルトナットである締付部34にて締め付け固定し、凸部23の基端を左右から係止部321にて挟持するように固定する。
次に、第2の工程では、固定した取付部材4の各位置決め部43に沿うように、それぞれ前記太陽電池モジュール1,1を支持(載置)部45上に配設する。その結果、図3(b)に拡大して示すように、位置決め部43と太陽電池モジュール1の端縁(フレーム11b)とは、僅かに離反させた状態に配置させていてもよい。
そして、第3の工程では、配設した流れ方向に隣接する太陽電池モジュール1,1の端縁(フレーム11b,11b)を押さえ具5の押さえ部53,53にて上方から押さえると共に締着手段42である六角ボルト4dにナット4eを締め付け固定する。
また、種々の仕様の太陽電池モジュール1を特殊なフレーム等を用いること無くそのまま用いることができる。また、上述の特殊なフレームを用いないので、流れ方向に隣接する太陽電池モジュール1,1に必要な配設間隔は、締着手段42、例えばボルト一本分でよい。また、前記取付部材4及び前記押さえ具5は、ピース材でよい。したがって、本発明の取付構造は、安価なコストで施工でき、総じて費用対効果が優れている。
この第2実施例の取付部材4IIは、略矩形状の原料板材の中程付近に流れ方向を向く短幅の切り起こし片43iiが設けられ、該切り起こし片43iiが位置決め部に相当し、前記第1実施例における位置決め部43と同様に太陽電池モジュール1の流れ方向の端縁を位置規制する役割を果たす。また、この取付部材4IIの締着手段は、溶接等にて一体的に固定した皿ボルト4d'が前記締着手段42iiである。この皿ボルト4d'には、ナット4eを取り付けて螺合することで締着手段42iiが完成する。
この第3実施例の取付部材4IIIは、略矩形状の原料板材の略中央に上方が開放する溝部401を有する隆状部40'が設けられ、その端部(図では斜線部)を切除した側面402が位置決め部に相当し、前記第1実施例における位置決め部43と同様に太陽電池モジュール1の流れ方向の端縁を位置規制する役割を果たす。また、前記隆状部40'の溝部401には、締着手段である六角ボルト4dが装着され、ナット4eの締め付けにより溝部401へも固定される。
10 太陽電池
11a,11b (端縁)フレーム
12 ビス
2 屋根面
2M 山状部分
2V 谷状部分
20 外装材
21 面板部
22 立ち上がり部
23 凸部
3 持出架台
31 被固定部
311 孔
32 掴み部
321 係止部
33 挟み部
34 締付部(ボルトナット)
35 取付面部
4 取付部材
40 隆起部
41 固定部
411 孔
42 締着手段
43 位置決め部
45 支持(載置)部
4b ボルト
4c ナット
4d 六角ナット
4e ナット
5 押さえ具
51 底状部
52 立ち上げ部
53 押さえ部
Claims (4)
- 山状部分と谷状部分とが連続する屋根面から上方へ持ち出す持出架台又は該持出架台に固定する取付部材により太陽電池モジュールを取り付ける太陽電池モジュールの取付構造であって、
前記取付部材は、持出架台に固定する固定部と、太陽電池モジュールの端縁を上方から押さえる押さえ具を締着させる締着手段と、該締着手段を挟んで太陽電池モジュールの端縁を位置規制する位置決め部とを有し、
持出架台に取付部材を固定し、各位置決め部に沿うように、それぞれ太陽電池モジュールを配設し、配設した隣接する太陽電池モジュールの端縁を押さえ具にて押さえると共に締着手段にて締め付け固定してなることを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。 - 取付部材は、押さえ具を受ける隆状受部を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの取付構造。
- 持出架台は、取付部材が固定される被固定部と、屋根面を構成する外装材にて形成した凸部の外側に配される掴み部と、該掴み部と前記被固定部との間に設けられる挟み部と、該挟み部を内側へ押圧する締付部とを備え、
屋根面の凸部にこの持出架台の掴み部を取り付け、締付部を締め付けることにより、前記掴み部を左右から押圧して前記凸部を挟圧状に保持して固定することを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの取付構造。 - 山状部分と谷状部分とが連続する屋根面から上方へ持ち出す持出架台又は該持出架台に固定する取付部材により太陽電池モジュールを取り付ける太陽電池モジュールの取付方法であって、
前記取付部材は、持出架台に固定する固定部と、太陽電池モジュールの端縁を上方から押さえる押さえ具を締着させる締着手段と、該締着手段を挟んで太陽電池モジュールの端縁を位置規制する位置決め部とを有し、
屋根面に持出架台を固定すると共に該持出架台に取付部材を固定する第1の工程と、
固定した取付部材の各位置決め部に沿うように、それぞれ太陽電池モジュールを配設する第2の工程と、
配設した隣接する太陽電池モジュールの端縁を押さえ具にて押さえると共に締着手段にて締め付け固定する第3の工程と、
を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの取付施工方法。
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