JP2013060387A - アルミニウムアルコキサイドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガリウム、インジウムおよびこれらの金属化合物から選ばれる少なくとも1種の存在下で、金属アルミニウムと炭素数1〜8個の一価アルコールであるアルコールを含む液との固液反応によりアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、アルコールを含む液中のケトン類濃度が130ppm以下である。
【選択図】 なし
Description
近年、表示材料、エネルギー、自動車、半導体やコンピューターといった高い成長が期待される分野での高純度アルミナの需要が拡大しており、その原料となるアルミニウムアルコキサイドを効率よく製造することが求められている。
本発明は、金属アルミニウムとアルコールを含む液との固液反応によってアルミニウムアルコキサイドを効率よく製造することができるアルミニウムアルコキサイドの製造方法を提供することを目的とする。
(1)金属アルミニウムとアルコールを含む液との固液反応によりアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、アルコールを含む液中のケトン類濃度が130ppm以下であることを特徴とするアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(2)固液反応は、ガリウム、インジウムおよびこれらの金属化合物から選ばれる少なくとも1種の存在下で行われる前記(1)記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(3)アルコールが、炭素数1〜8個の一価アルコールである前記(1)または(2)記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(4)ケトン類が、分子内にカルボニル基を1個含有する炭素数3〜8個の直鎖状飽和ケトンである前記(1)〜(3)のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(5)アルコールを含む液中にアルミニウムアルコキサイドを、アルコール/アルミニウムアルコキサイドが重量比で5/95〜85/15の割合となるように含有させて、金属アルミニウムと固液反応を行わせる前記(1)〜(4)のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(6)アルコール/アルミニウムアルコキサイドが重量比で5/95〜80/20である前記(5)に記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(7)アルコールがイソプロピルアルコールであり、ケトン類がアセトンである前記(1)〜(6)のいずれか記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
原料としての金属アルミニウムは、その純度は特に限定されないが、例えば、本発明の製造方法により得られるアルミニウムアルコキサイドを純度99.99%以上の高純度アルミナの原料として使用する場合、純度99.99%以上の高純度であるのが好ましい。純度が上記範囲内であれば、金属アルミニウム中の鉄、ケイ素、銅、マグネシウム等の不純物濃度が、金属アルミニウムの総重量に対して、100ppm以下であるので、得られるアルミニウムアルコキサイドの精製が不要となる。
金属アルミニウムの形状としては、特に限定されず、例えば、インゴット、ペレット、板、箔、線、粉末などが挙げられる。
アルコールを含む液を形成する原料としてのアルコールは、製造目的とするアルミニウムアルコキサイドによって適宜選択すればよく、炭素数が1〜8個の一価アルコールであるのが好ましく、なかでも、炭素鎖が長くなるほど金属アルミニウムとの反応性が低下するおそれがあることから、下記式(i)で表されるアルコールがより好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
R1OH (i)
ここで、R1は、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、ネオブチル、ノルマルペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ノルマルヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、ノルマルヘプチル、イソヘプチル、ネオヘプチル、ノルマルオクチル、イソオクチル及びネオオクチルからなる群より選ばれる少なくとも1つである。
固液反応は、例えば、アルコールを含む液中に、金属アルミニウムを投入して行われる。その際、あらかじめ触媒を存在させたり、あらかじめアルコールを含む液中にアルミニウムアルコキサイドを添加しておくのが好ましい。なかでも、固液反応の進行を促進し、効率よくアルミニウムアルコキサイドを製造する観点から、触媒の存在下で反応を進行させるのが好ましく、より好ましくは、アルミニウムアルコキサイドとアルコールを含む液を混合して得られた液中に、触媒の存在下で、金属アルミニウムを投入して反応を進行させるのがよい。
また、所望のガリウムおよび/またはインジウム量は、金属アルミニウム中からの溶出量と直接アルコールを含む液中に添加する量を勘案して、決定してもよい。
Al(OR2)3 (ii)
ここで、R2は、それぞれ独立に、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、ネオブチル、ノルマルペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ノルマルヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、ノルマルヘプチル、イソヘプチル、ネオヘプチル、ノルマルオクチル、イソオクチル及びネオオクチルからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、上述した式(i)のおけるR1と同一であるのが好ましい。
還流冷却器付き2リットルセパラブルフラスコに、約90重量%のアルミニウムイソプロポキサイドを溶解含有するイソプロピルアルコール溶液と、所定量のアセトンを含有するイソプロピルアルコールとを56:44の割合(重量比)で混合し、アルコールを含む液に対するアセトン類濃度が8ppmである溶液100重量部を得、昇温した。
次いで、下端部に攪拌用のローターブレードを備え、ポリテトラフルオロエチレン被覆された軸体の周面部にポリテトラフルオロエチレンチューブを用いて取り付けた2.3重量部のアルミニウム片(大きさ:直径約16.5mm×長さ約40mm、純度99.999%、Ga/Al=2ppm)を溶液中に投入して、0.17m/sの速度でアルミニウム片を軸線回りに回転させながらイソプロピルアルコールの沸騰還流下(約84℃)で、716分間反応を行った。反応の進行に伴い水素ガスの発生とアルミニウムの溶解が観察された。
716分間の反応後、アルミニウム片を取り出し、アルミニウム片の反応前後の重量減少からアルミニウムの溶解量、すなわち反応量を調べた。その結果を表1に示す。
アルコールを含む液に対するアセトン濃度を53ppmとした他は、実施例1と同様にしてアルミニウムの反応量を評価した。その結果を表1に示す。
アルコールを含む液に対するアセトン濃度を135ppmとした他は、実施例1と同様にしてアルミニウムの反応量を評価した。その結果を表1に示す。
アルコールを含む液に対するアセトン濃度を164ppmとした他は、実施例1と同様にしてアルミニウムの反応量を評価した。その結果を表1に示す。
Claims (7)
- 金属アルミニウムとアルコールを含む液との固液反応によりアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、
アルコールを含む液中のケトン類濃度が130ppm以下であることを特徴とするアルミニウムアルコキサイドの製造方法。 - 固液反応は、ガリウム、インジウムおよびこれらの金属化合物から選ばれる少なくとも1種の存在下で行われる請求項1記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
- アルコールが、炭素数1〜8個の一価アルコールである請求項1または2記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
- ケトン類が、分子内にカルボニル基を1個含有する炭素数3〜8個の直鎖状飽和ケトンである請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
- アルコールを含む液中にアルミニウムアルコキサイドを、アルコール/アルミニウムアルコキサイドが重量比で5/95〜85/15の割合となるように含有させて、金属アルミニウムと固液反応を行わせる請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
- アルコール/アルミニウムアルコキサイドが重量比で5/95〜80/20である請求項5に記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
- アルコールがイソプロピルアルコールであり、ケトン類がアセトンである請求項1〜6のいずれか記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
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