JP2013060372A - スルホニウム化合物及びその製造方法、並びにスルホニウムボレート錯体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、スルホニウムボレート錯体を効率的に得るために用いることができるスルホニウム化合物及び該スルホニウム化合物の製造方法に関する。また、本発明は、上記スルホニウム化合物を用いたスルホニウムボレート錯体及び該スルホニウムボレート錯体の製造方法に関する。
エポキシ化合物などの硬化性化合物を含む硬化性組成物は、例えば、ICチップとフレキシブルプリント回路基板との接続、ICチップとITO電極を有する回路基板との接続、並びにITO電極を有する回路基板とフレキシブルプリント回路基板との接続等に使用されている。
上記硬化性組成物では、硬化性化合物を硬化させるために、様々な硬化剤が用いられている。上記硬化剤として、光によりプロトンを発生してカチオン重合を開始させる光カチオン重合開始剤が知られている。従来、光カチオン重合開始剤としては、スルホニウムアンチモネート錯体が広く用いられている。
しかし、スルホニウムアンチモネート錯体は、フッ素原子が金属であるアンチモン原子に結合しているSbF6 −をカウンターアニオンとして有するため、カチオン重合時にフッ素イオンを多量に発生させ、金属配線及び接続パッドを腐食させるという問題がある。このため、近年、SbF6 −にかえて、フッ素原子が炭素原子に結合しており、かつホウ素原子を有するカウンターアニオンを有するスルホニウムボレート錯体が、カチオン重合開始剤として用いられてきている。
例えば、下記の特許文献1には、下記式(X1)で表されるスルホニウムカチオン部分と、下記式(X2)で表されるボレートアニオン部分とを有するスルホニウムボレート錯体が開示されている。
上記式(X1)中、R1はベンジル基、置換されたベンジル基、フェナシル基、置換されたフェナシル基、アリル基、置換されたアリル基、アルコキシル基、置換されたアルコキシル基、アリールオキシ基又は置換されたアリールオキシ基を表す。R2及びR3はそれぞれ、R1を構成できる基と同じ基を表すか、炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表すか、又は炭素数6〜18の単環又は縮合多環のアリール基を表す。R1とR2、R1とR3、R2とR3は相互に結合した環状構造であってもよい。上記炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基と、上記炭素数6〜18の単環又は縮合多環のアリール基とは、フッ素、塩素、臭素、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基又はアジド基で置換されていてもよい。
上記式(X2)中、Yはフッ素又は塩素を表し、Zは少なくとも2つ以上のフッ素、シアノ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる電子吸引性基で置換されたフェニル基を表し、mは0〜3の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、m+n=4である。
また、上記式(X1)で表されるスルホニウムカチオン部分と上記式(X2)で表されるボレートアニオン部分とを有するスルホニウムボレート錯体として、下記式(X3)で表されるp−ヒドロキシフェニル−ベンジル−メチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが市販されている。
特許文献1では、例えば、蒸留水中で反応を行い、下記反応式(Y3)により、上記式(X3)で表されるスルホニウムボレート錯体を得る方法が記載又は示唆されている。
上記式(Y3)中、Xは臭素原子又は塩素原子を表す。
また、下記の特許文献2には、下記式(X4)で表されるスルホニウムボレート錯体が開示されている。
上記式(X4)中、R1はアラルキル基を表し、R2は低級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を表す。但し、R2がメチル基であるとき、R1はベンジル基ではない。
特許文献2では、スルホニウムアンチモネート錯体を用いて、酢酸エチル等の有機溶媒中で反応を行い、下記反応式(Y4)により上記式(X4)で表されるスルホニウムボレート錯体を得る方法が記載されている。
上記式(Y4)中、R1、R2、X及びnは、上記式(X4)中のR1、R2、X及びnと同様である。
下記の特許文献3には、下記式(X5)で表されるスルホニウムボレート錯体が開示されている。
上記式(X5)中、R1はアラルキル基を表し、R2は低級アルキル基を表し、R3は低級アルコキシカルボキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を表す。
特許文献3では、スルホニウムアンチモネート錯体を用いて、酢酸エチル等の有機溶媒中で反応を行い、下記反応式(Y5)により上記式(X5)で表されるスルホニウムボレート錯体を得る方法が記載されている。
上記式(Y5)中、R1、R2、R3、X及びnは、上記式(X5)中のR1、R2、R3、X及びnと同様である。
特許文献1〜3に記載されたスルホニウムボレート錯体を得る方法では、スルホニウムボレート錯体を効率的に得ることができずに、得られるスルホニウムボレート錯体に不純物が多く含まれるという問題がある。得られるスルホニウムボレート錯体に不純物が多く含まれていると、該不純物による反応阻害が問題となることがある。また、該不純物は微量であっても、金属の腐食に影響することがある。
本発明の目的は、スルホニウムボレート錯体を高い純度で得るために用いることができるスルホニウム化合物及び該スルホニウム化合物の製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、上記スルホニウム化合物が用いられ、硬化剤として用いることができるスルホニウムボレート錯体及び該スルホニウムボレート錯体の製造方法を提供することである。
本発明の限定的な目的は、金属の腐食を抑制できるスルホニウムボレート錯体及び該スルホニウムボレート錯体の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、下記式(1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体と、アルカリ金属硫化物とを反応させることにより得られる、スルホニウム化合物が提供される。
上記式(1)中、R1はアリール基又はナフチル基を表し、R2はヒドロキシ基又はCH3OCOO基を表し、nは1〜3の整数を表す。
また、本発明の広い局面によれば、上記式(1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体と、アルカリ金属硫化物とを反応させることにより、スルホニウム化合物を得る工程を備える、スルホニウム化合物の製造方法が提供される。
本発明に係るスルホニウムボレート錯体は、本発明に係るスルホニウム化合物又は本発明に係るスルホニウム化合物の製造方法により得られたスルホニウム化合物と、下記式(21)で表されるアニオン部分を有する化合物とを反応させることにより得られる。
上記式(21)中、Xはハロゲン原子を表す。
本発明に係るスルホニウムボレート錯体の製造方法は、本発明に係るスルホニウム化合物又は本発明に係るスルホニウム化合物の製造方法により得られたスルホニウム化合物と、上記式(21)で表されるアニオン部分を有する化合物とを反応させることにより、スルホニウムボレート錯体を得る工程を備える。
本発明に係るスルホニウム化合物は、式(1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体と、アルカリ金属硫化物とを反応させることにより得られるので、本発明に係るスルホニウム化合物をボレート化合物と反応させることで、スルホニウムボレート錯体を高い純度で得ることができる。
本発明に係るスルホニウム化合物の製造方法は、式(1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体と、アルカリ金属硫化物とを反応させることにより、スルホニウム化合物を得る工程を備えるので、得られたスルホニウム化合物をボレート化合物と反応させることで、スルホニウムボレート錯体を高い純度で得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るスルホニウム化合物は、下記式(1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体と、アルカリ金属硫化物とを反応させることにより得られている。
上記式(1)中、R1はアリール基又はナフチル基を表し、R2はヒドロキシ基又はCH3OCOO基を表し、nは1〜3の整数を表す。
本発明に係るスルホニウム化合物の製造方法は、上記式(1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体と、アルカリ金属硫化物とを反応させることにより、スルホニウム化合物を得る工程を備える。
上記式(1)中のR1の好ましい例としては、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基等が挙げられる。スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、上記式(1)中のR1は、フェニル基、o−メチルフェニル基又は1−ナフチル基であることが好ましい。但し、上記R1はこれら以外の基であってもよい。
上記式(1)において、R2のベンゼン環に対する結合部位は特に限定されない。スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、R2は、S基に対して、パラ位に結合していることが好ましい。上記式(1)におけるCH3OCOO基は、メトキシカルボニルオキシ基である。スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、上記式(1)中のR2は、ヒドロキシ基であることが好ましい。スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、上記式(1)中のnは、1であることが好ましい。
スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、上記式(1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体は、下記式(1A)又は下記式(1B)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体であることが好ましい。
上記式(1A)中、R1aは炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2はヒドロキシ基又はCH3OCOO基を表し、mは0又は1を表し、nは1〜3の整数を表す。
スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、上記式(1A)中のR1aは、メチル基であることが好ましい。スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、mは、R1が存在しないように0であることが好ましい。なお、R1aのベンゼン環に対する結合部位は特に限定されない。スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、R1aは、CH2基に対して、オルト位に結合していることが好ましい。上記式(1A)中のR2及びnの好ましい基及び数は、上記式(1)中のR2及びnの好ましい基及び数と同様である。
上記式(1B)中、R2はヒドロキシ基又はCH3OCOO基を表し、nは1〜3の整数を表す。上記式(1B)中のR2及びnの好ましい基及び数は、上記式(1)中のR2及びnの好ましい基及び数と同様である。
本発明に係るスルホニウム化合物では、上記式(1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体は、アルカリ金属硫化物と反応される。該アルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、水硫化ルビジウム及び水硫化セシウム等が挙げられる。スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、上記アルカリ金属硫化物は、硫化リチウム、硫化ナトリウム又は硫化カリウムであることが好ましく、硫化ナトリウム及び硫化カリウムであることがより好ましく、硫化ナトリウムであることが特に好ましい。
本発明に係るスルホニウム化合物及び本発明に係るスルホニウム化合物の製造方法により得られたスルホニウム化合物は、スルホニウムボレート錯体を得るためのスルホニウム化合物であることが好ましい。本発明に係るスルホニウム化合物は、ボレート化合物と反応させてスルホニウムボレート錯体を得るためのスルホニウム化合物であることが好ましい。
従来、スルホニウムボレート錯体を得る際に、上記反応式(Y3)のように、蒸留水中で反応が行われていた。また、スルホニウムボレート錯体を得る際に、上記反応式(Y4)及び上記反応式(Y5)のように、スルホニウムアンチモネート錯体を用いて、酢酸エチル等の有機溶媒中で反応が行われていた。また、スルホニウムアンチモネート錯体を用いて、水中で反応が行われることもあった。しかしながら、従来のスルホニウムボレート錯体の製造方法では、スルホニウムボレート錯体を効率的に得ることができず、収率が悪いという問題があった。また、未反応のスルホニウムアンチモネート錯体が残留しやすいという問題もあった。
これに対して、本発明では、特定の上記スルホニウム化合物を用いることで、スルホニウムボレート錯体を効率的に、収率よく得ることができる。また、スルホニウムボレート錯体を得た場合に、スルホニウムアンチモネート錯体の残留を抑制できる。このため、スルホニウムボレート錯体を用いた硬化性組成物の硬化性を高めることができ、更に金属の腐食を抑制できる。
スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、上記ボレート化合物は、下記式(21)で表されるアニオン部分を有する化合物又はテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートアニオンを有する化合物であることが好ましく、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを有する化合物又はテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートアニオンを有する化合物であることが好ましく、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンを有する化合物であることがより好ましい。上記ボレート化合物のカチオン部分は、リチウムカチオン又はナトリウムカチオンであることが好ましく、ナトリウムカチオンであることがより好ましい。
上記式(21)中、Xはハロゲン原子を表す。上記式(21)中のXは、塩素原子又は臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
本発明に係るスルホニウムボレート錯体は、本発明に係るスルホニウム化合物又は本発明に係るスルホニウム化合物の製造方法により得られたスルホニウム化合物と、上記式(21)で表されるアニオン部分を有する化合物とを反応させることにより得られていることが好ましい。また、本発明に係るスルホニウムボレート錯体の製造方法は、本発明に係るスルホニウム化合物又は本発明に係るスルホニウム化合物の製造方法により得られたスルホニウム化合物と、上記式(21)で表されるアニオン部分を有する化合物とを反応させることにより、スルホニウムボレート錯体を得る工程を備えることが好ましい。
本発明に係るスルホニウムボレート錯体及び本発明に係るスルホニウムボレート錯体の製造方法では、本発明に係るスルホニウム化合物及び本発明に係るスルホニウム化合物の製造方法により得られたスルホニウム化合物を用いているので、スルホニウムボレート錯体を効率的に、収率よく得ることができる。
本発明に係るスルホニウムボレート錯体及び本発明に係るスルホニウムボレート錯体の製造方法により得られたスルホニウムボレート錯体は、下記式(41)で表されるスルホニウムボレート錯体であることが好ましい。
上記式(41)中、R1はアリール基又はナフチル基を表し、R2はヒドロキシ基又はCH3OCOO基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を表す。上記式(41)中のR1、R2及びnは、上記式(1)中のR1、R2及びnに由来する。上記式(41)中のR1、R2及びnの好ましい基及び数は、上記式(1)中のR1、R2及びnの好ましい基及び数と同様である。上記式(41)中のXは、上記式(21)中のXに由来する。上記式(41)中のXの好ましい基は、上記式(21)中のXの好ましい基と同様である。
スルホニウムボレート錯体をより一層効率的に得る観点からは、上記式(41)で表されるスルホニウムボレート錯体は、下記式(41A)又は下記式(41B)で表されるスルホニウムボレート錯体であることが好ましい。
上記式(41A)中、R1aは炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2はヒドロキシ基又はCH3OCOO基を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは0又は1を表し、nは1〜3の整数を表す。上記式(41A)中のR1a、R2、m及びnは、上記式(1)及び上記式(1A)中のR1、R2、m及びnに由来する。上記式(41A)中のR1a、R2、m及びnの好ましい基及び数は、上記式(1)及び上記式(1A)中のR1、R2、m及びnの好ましい基及び数と同様である。上記式(41A)中のXは、上記式(21)中のXに由来する。上記式(41A)中のXの好ましい基は、上記式(21)中のXの好ましい基と同様である。
上記式(41B)中、R2はヒドロキシ基又はCH3OCOO基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を表す。上記式(41B)中のR2及びnは、上記式(1)中のR2及びnに由来する。上記式(41B)中のR2及びnの好ましい基及び数は、上記式(1)中のR2及びnの好ましい基及び数と同様である。上記式(41B)中のXは、上記式(21)中のXに由来する。上記式(41B)中のXの好ましい基は、上記式(21)中のXの好ましい基と同様である。
上記スルホニウムボレート錯体は、カチオン重合開始剤として好適に用いられる。硬化性組成物は、硬化性化合物と、上記カチオン重合開始剤とを含むことが好ましい。上記硬化性組成物は、導電性粒子をさらに含むことが好ましい。導電性粒子を含む硬化性組成物は、異方性導電材料であることが好ましい。上記硬化性組成物は、光の照射又は加熱により硬化可能である。上記硬化性組成物は光の照射により硬化させてもよく、加熱により硬化させてもよく、光の照射と加熱とにより硬化させてもよい。
上記異方性導電材料は、ペースト状である異方性導電ペーストであってもよく、フィルム状である異方性導電フィルムであってもよい。上記異方性導電材料は、異方性導電ペーストであることが好ましい。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)スルホニウム化合物の合成
下記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体10重量部に酢酸エチル100重量部を添加し、硫化ナトリウム50重量部を添加して、23℃で30時間撹拌した。分液操作により酢酸エチル層を取り出し、水洗した後、エバポレーターで濃縮した。このようにして、スルホニウム化合物(A1)を得た。
(1)スルホニウム化合物の合成
下記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体10重量部に酢酸エチル100重量部を添加し、硫化ナトリウム50重量部を添加して、23℃で30時間撹拌した。分液操作により酢酸エチル層を取り出し、水洗した後、エバポレーターで濃縮した。このようにして、スルホニウム化合物(A1)を得た。
(2)スルホニウムボレート錯体の合成
得られたスルホニウム化合物(A1)10重量部に酢酸エチル100重量部を添加し、テトラフルオロフェニルボレートナトリウムを10重量%含む水溶液150重量部を更に添加して、23℃で30分間撹拌した。分液操作により酢酸エチル層を取り出し、水洗した後、エバポレーターで濃縮した。このようにして、下記式(41−1)で表されるスルホニウムボレート錯体(B1)を得た。用いたスルホニウム化合物(A1)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B1)の収率は90%であった。
得られたスルホニウム化合物(A1)10重量部に酢酸エチル100重量部を添加し、テトラフルオロフェニルボレートナトリウムを10重量%含む水溶液150重量部を更に添加して、23℃で30分間撹拌した。分液操作により酢酸エチル層を取り出し、水洗した後、エバポレーターで濃縮した。このようにして、下記式(41−1)で表されるスルホニウムボレート錯体(B1)を得た。用いたスルホニウム化合物(A1)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B1)の収率は90%であった。
(3)硬化性組成物の調製
硬化性化合物であるEBECRYL3702(ダイセルサイテック社製「エポキシアクリレート」)5重量部と、得られたスルホニウムボレート錯体(B1)4重量部と、フィラーであるアルミナ(平均粒子径0.5μm)20重量部とを配合し、さらに平均粒子径3μmの導電性粒子を配合物100重量%中での含有量が10重量%となるように添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、硬化性組成物(異方性導電ペースト)を得た。
硬化性化合物であるEBECRYL3702(ダイセルサイテック社製「エポキシアクリレート」)5重量部と、得られたスルホニウムボレート錯体(B1)4重量部と、フィラーであるアルミナ(平均粒子径0.5μm)20重量部とを配合し、さらに平均粒子径3μmの導電性粒子を配合物100重量%中での含有量が10重量%となるように添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、硬化性組成物(異方性導電ペースト)を得た。
なお、用いた上記導電性粒子は、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する導電性粒子である。
(実施例2)
(1)スルホニウム化合物の合成
式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、下記式(1−2)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は実施例1と同様にして、スルホニウム化合物(A2)を得た。
(1)スルホニウム化合物の合成
式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、下記式(1−2)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は実施例1と同様にして、スルホニウム化合物(A2)を得た。
(2)スルホニウムボレート錯体の合成
スルホニウム化合物(A1)を、得られたスルホニウム化合物(A2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記式(41−2)で表されるスルホニウムボレート錯体(B2)を得た。用いたスルホニウム化合物(A2)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B2)の収率は88%であった。
スルホニウム化合物(A1)を、得られたスルホニウム化合物(A2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記式(41−2)で表されるスルホニウムボレート錯体(B2)を得た。用いたスルホニウム化合物(A2)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B2)の収率は88%であった。
(3)硬化性組成物の調製
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(B2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(B2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例3)
(1)スルホニウム化合物の合成
式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、下記式(1−3)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は実施例1と同様にして、スルホニウム化合物(A3)を得た。
(1)スルホニウム化合物の合成
式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、下記式(1−3)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は実施例1と同様にして、スルホニウム化合物(A3)を得た。
(2)スルホニウムボレート錯体の合成
スルホニウム化合物(A1)を、得られたスルホニウム化合物(A3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記式(41−3)で表されるスルホニウムボレート錯体(B3)を得た。用いたスルホニウム化合物(A3)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B3)の収率は90%であった。
スルホニウム化合物(A1)を、得られたスルホニウム化合物(A3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記式(41−3)で表されるスルホニウムボレート錯体(B3)を得た。用いたスルホニウム化合物(A3)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B3)の収率は90%であった。
(3)硬化性組成物の調製
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(B3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(B3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例4)
(1)スルホニウム化合物の合成
式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、下記式(1−4)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は実施例1と同様にして、スルホニウム化合物(A4)を得た。
(1)スルホニウム化合物の合成
式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、下記式(1−4)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は実施例1と同様にして、スルホニウム化合物(A4)を得た。
(2)スルホニウムボレート錯体の合成
スルホニウム化合物(A1)を、得られたスルホニウム化合物(A4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記式(41−4)で表されるスルホニウムボレート錯体(B4)を得た。用いたスルホニウム化合物(A4)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B4)の収率は89%であった。
スルホニウム化合物(A1)を、得られたスルホニウム化合物(A4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記式(41−4)で表されるスルホニウムボレート錯体(B4)を得た。用いたスルホニウム化合物(A4)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B4)の収率は89%であった。
(3)硬化性組成物の調製
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(B4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(B4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例5)
(1)スルホニウム化合物の合成
硫化ナトリウムを硫化カリウムに変更したこと以外は実施例1と同様にして、スルホニウム化合物(A5)を得た。
(1)スルホニウム化合物の合成
硫化ナトリウムを硫化カリウムに変更したこと以外は実施例1と同様にして、スルホニウム化合物(A5)を得た。
(2)スルホニウムボレート錯体の合成
スルホニウム化合物(A1)を、得られたスルホニウム化合物(A5)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、上記式(41−1)で表されるスルホニウムボレート錯体(B5)を得た。用いたスルホニウム化合物(A5)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B5)の収率は90%であった。
スルホニウム化合物(A1)を、得られたスルホニウム化合物(A5)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、上記式(41−1)で表されるスルホニウムボレート錯体(B5)を得た。用いたスルホニウム化合物(A5)に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(B5)の収率は90%であった。
(3)硬化性組成物の調製
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(B5)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(B5)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(比較例1)
(1)スルホニウム化合物の合成
上記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に酢酸エチル100重量部を添加し、テトラフルオロフェニルボレートナトリウムを10重量%含む水溶液150重量部を更に添加して、23℃で30分間撹拌した。分液操作により酢酸エチル層を取り出し、水洗した後、エバポレーターで濃縮した。このようにして、スルホニウムボレート錯体(Z1)を得た。用いた式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(Z1)の収率は90%であった。
(1)スルホニウム化合物の合成
上記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に酢酸エチル100重量部を添加し、テトラフルオロフェニルボレートナトリウムを10重量%含む水溶液150重量部を更に添加して、23℃で30分間撹拌した。分液操作により酢酸エチル層を取り出し、水洗した後、エバポレーターで濃縮した。このようにして、スルホニウムボレート錯体(Z1)を得た。用いた式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(Z1)の収率は90%であった。
(2)硬化性組成物の調製
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(Z1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(Z1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(比較例2)
(1)スルホニウム化合物の合成
上記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、上記式(1−2)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は比較例1と同様にして、スルホニウムボレート錯体(Z2)を得た。用いた式(1−2)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(Z2)の収率は85%であった。
(1)スルホニウム化合物の合成
上記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、上記式(1−2)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は比較例1と同様にして、スルホニウムボレート錯体(Z2)を得た。用いた式(1−2)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(Z2)の収率は85%であった。
(2)硬化性組成物の調製
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(Z2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(Z2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(比較例3)
(1)スルホニウム化合物の合成
上記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、上記式(1−3)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は比較例1と同様にして、スルホニウムボレート錯体(Z2)を得た。用いた式(1−3)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(Z3)の収率は87%であった。
(1)スルホニウム化合物の合成
上記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、上記式(1−3)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は比較例1と同様にして、スルホニウムボレート錯体(Z2)を得た。用いた式(1−3)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(Z3)の収率は87%であった。
(2)硬化性組成物の調製
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(Z3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(Z3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(比較例4)
(1)スルホニウム化合物の合成
上記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、上記式(1−4)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は比較例1と同様にして、スルホニウムボレート錯体(Z2)を得た。用いた式(1−4)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(Z4)の収率は89%であった。
(1)スルホニウム化合物の合成
上記式(1−1)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体を、上記式(1−4)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に変更したこと以外は比較例1と同様にして、スルホニウムボレート錯体(Z2)を得た。用いた式(1−4)で表されるスルホニウムアンチモネート錯体に対して、得られたスルホニウムボレート錯体(Z4)の収率は89%であった。
(2)硬化性組成物の調製
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(Z4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
スルホニウムボレート錯体(B1)を、得られたスルホニウムボレート錯体(Z4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物を得た。
(実施例1〜5及び比較例1〜4の評価)
(1)金属の腐食性
L/Sが20μm/20μmのITO電極パターンを上面に有する透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが20μm/20μmの銅電極パターンを下面に有する半導体チップを用意した。
(1)金属の腐食性
L/Sが20μm/20μmのITO電極パターンを上面に有する透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが20μm/20μmの銅電極パターンを下面に有する半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、得られた硬化性組成物(異方性導電ペースト)を厚さ20μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が互いに対向し、接続するように積層した。その後、異方性導電ペースト層に420nmの紫外線を光照射強度が60mW/cm2となるように照射して、異方性導電ペースト層を半硬化させた後に150℃で加熱して硬化させ、接続構造体を得た。
得られた接続構造体を85℃及び湿度85%の条件で20日間保管した。保管後の銅電極の表面に腐食が生じているか否かを評価した。銅電極に腐食が生じていない場合を「○」、導通不良が生じない程度に銅電極に部分的に腐食が生じている場合を「△」、導通不良が生じる程度に銅電極に腐食が生じている場合を「×」と判定した。
その結果、実施例1〜5の硬化性組成物を用いた接続構造体では、金属の腐食性の評価結果は「○」であった。比較例1〜4の硬化性組成物を用いた接続構造体では、金属の腐食性の評価結果は「×」であった。比較例1〜4で金属の腐食性の評価結果が悪かった理由としては、スルホニウムボレート錯体を得た後に、該スルホニウムボレート錯体中にスルホニウムアンチモネート錯体が残留していたことなどが挙げられる。
(2)イオン不純物濃度測定
抽出用のフッ素樹脂製容器を用意した。また、フッ素樹脂製容器を格納するステンレス製容器を用意した。
抽出用のフッ素樹脂製容器を用意した。また、フッ素樹脂製容器を格納するステンレス製容器を用意した。
(サンプル作製)
硬化性組成物(異方性導電ペースト)に420nmの紫外線を光照射強度が60mW/cm2となるように照射して半硬化させた後に、半硬化物を150℃で加熱して硬化させ、硬化物を得た。
硬化性組成物(異方性導電ペースト)に420nmの紫外線を光照射強度が60mW/cm2となるように照射して半硬化させた後に、半硬化物を150℃で加熱して硬化させ、硬化物を得た。
上記フッ素樹脂製容器に、得られた硬化物(サンプル)1gを入れた。次に、純水10mLを硬化物が入っている上記フッ素樹脂製容器内に加えた。その後、上記フッ素樹脂製容器をステンレス容器内に入れ、上記フッ素樹脂製容器の蓋が外れないようステンレス容器の蓋を閉めた。
(抽出)
上記サンプルが入ったステンレス容器にて、120℃の条件で20時間サンプルの抽出を行った。
上記サンプルが入ったステンレス容器にて、120℃の条件で20時間サンプルの抽出を行った。
(測定)
抽出後に、サンプルの水溶液を取り出した。イオン測定装置(ダイオネクス社製「ICS−1000」)を用いて、サンプルの水溶液におけるイオン濃度を測定した。
抽出後に、サンプルの水溶液を取り出した。イオン測定装置(ダイオネクス社製「ICS−1000」)を用いて、サンプルの水溶液におけるイオン濃度を測定した。
(結果)
イオン濃度の測定結果を下記の表1に示す。検出イオンが20ppm未満であった場合を「○」、20ppm以上、100ppm未満であった場合を「△」、100ppm以上であった場合を「×」と判定した。なお、下記の表1において、「N.A.」は検出されなかったことを示す。
イオン濃度の測定結果を下記の表1に示す。検出イオンが20ppm未満であった場合を「○」、20ppm以上、100ppm未満であった場合を「△」、100ppm以上であった場合を「×」と判定した。なお、下記の表1において、「N.A.」は検出されなかったことを示す。
上記表1に示すように、実施例1〜4の硬化性組成物では、いずれのイオン濃度の評価結果も「○」であった。また、実施例5の硬化性組成物でも、いずれのイオン濃度の評価結果は「○」であった。比較例1〜4の硬化性組成物では、イオン濃度の評価結果に「△」,「×」もあった。
Claims (6)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011198391A JP2013060372A (ja) | 2011-09-12 | 2011-09-12 | スルホニウム化合物及びその製造方法、並びにスルホニウムボレート錯体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2013060372A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015046277A1 (ja) * | 2013-09-25 | 2015-04-02 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | オニウム塩及びそれを含む組成物 |
JP2015108060A (ja) * | 2013-12-04 | 2015-06-11 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | フィルム状接続材料、接続構造体の製造方法及び接続構造体 |
KR101731677B1 (ko) * | 2014-08-29 | 2017-04-28 | 삼성에스디아이 주식회사 | 이방 도전성 필름용 조성물, 이방 도전성 필름 및 반도체 장치 |
-
2011
- 2011-09-12 JP JP2011198391A patent/JP2013060372A/ja active Pending
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