JP2013060342A - カーボンナノファイバ形成用構造体、カーボンナノファイバ構造体及びその製造方法 - Google Patents

カーボンナノファイバ形成用構造体、カーボンナノファイバ構造体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カーボンナノファイバを十分に成長させることができるカーボンナノファイバ形成用構造体、カーボンナノファイバ構造体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】基材10と、基材10上に設けられ、金属酸化物からなる金属酸化物層20と、金属酸化物層20に担持される金属触媒30とを備え、金属酸化物層20の少なくとも一部の厚さが、0.5〜10nmであるカーボンナノファイバ形成用構造体40。
【選択図】図2

Description

本発明は、カーボンナノファイバ形成用構造体、カーボンナノファイバ構造体及びその製造方法に関する。
色素増感太陽電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、燃料電池などの電極や電線として、優れた導電性を有することから、カーボンナノチューブ電極が注目されている。
特に色素増感太陽電池においては、カーボンナノチューブ電極は白金電極に匹敵する性能を発揮することから期待が高まってきている。
カーボンナノチューブ電極のカーボンナノチューブは通常、基板上に触媒を担持してなるカーボンナノチューブ形成用構造体の触媒上に、化学気相成長法により成長させることによって得られる。ここで、電極の性能を高める観点からは、カーボンナノチューブは長尺であることが望ましい。また、カーボンナノチューブの生産性向上の観点からも、時間あたりのカーボンナノチューブの成長量がより多いことが望ましい。
長尺のカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの製造方法として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の製法では、カーボンナノチューブ形成用構造体として、例えば基板をシリコンで構成し、触媒を鉄で構成したものが用いられている。そして、カーボンナノチューブ成長時に酸化性ガスを使用し、この酸化性ガスによって、触媒に付着した炭素を除去し、その結果、触媒の活性を持続させ、高さが著しく増大したカーボンナノチューブを得ることが提案されている。また、非特許文献1には、シリコン基板と触媒との間に酸化アルミニウム層を介在させると、カーボンナノチューブの長尺成長に有効であることが提案されている。
特開2007-145634号公報
Japanese Journal of Applied Physics Vol. 46, No. 17, 2007,pp. L399-L401
しかし、特許文献1に記載のカーボンナノチューブの製造方法では、カーボンナノチューブを十分に成長させることができなかった。
ここで、非特許文献1に示されるように、カーボンナノチューブ形成用構造体において、基板と触媒との間に、カーボンナノチューブの長尺成長に有効であるとされる酸化アルミニウム層を触媒の担持層として介在させることも考えられる。
しかし、基板と触媒との間に酸化アルミニウム層を介在させても、必ずしもカーボンナノチューブを十分に成長させることができるものではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、カーボンナノチューブ等のカーボンナノファイバを十分に成長させることができるカーボンナノファイバ形成用構造体、カーボンナノファイバ構造体、及びカーボンナノファイバ構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、上記特許文献1及び非特許文献1に記載の製造方法でカーボンナノチューブを十分に成長させることができない理由について以下のように考えた。すなわち、上記特許文献1及び非特許文献1に記載の製造方法では、還元雰囲気中で酸化アルミニウム層が加熱される際、酸化アルミニウム層が厚すぎると、触媒が酸化アルミニウム層中に拡散し、その結果、カーボンナノチューブが十分に成長できる程度の大きさの触媒粒子の量が減少し、カーボンナノチューブ構造体を形成できる程度に触媒からカーボンナノチューブを十分に成長させることができなくなるのではないかと考えた。一方、酸化アルミニウム層が薄すぎると、ひとつには、還元ガスによって基材表面が脆化したり、エッチングされたりして荒れ易くなり、その結果、カーボンナノチューブの成長が阻害されるのではないかと考えた。そのほかには、触媒が酸化アルミニウム層を通って基材と合金化し、その結果、カーボンナノチューブが十分に成長できる程度の大きさの触媒粒子の量が減少し、カーボンナノチューブ構造体を形成できる程度に触媒からカーボンナノチューブを十分成長させることができなくなるのではないかと考えた。そこで、本発明者はさらに鋭意研究を重ねた結果、カーボンナノチューブ等のカーボンナノファイバを成長させる際、酸化アルミニウム等の金属酸化物からなる金属酸化物層の少なくとも一部の厚さを一定の範囲にすることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、基材と、前記基材上に設けられ、金属酸化物からなる金属酸化物層と、前記金属酸化物層に担持される金属触媒とを備え、前記金属酸化物層の少なくとも一部の厚さが0.5〜10nmであるカーボンナノファイバ形成用構造体である。
このカーボンナノファイバ形成用構造体によれば、当該カーボンナノファイバ形成用構造体の金属触媒上に化学気相成長法(以下、「CVD法」と呼ぶことがある)によりカーボンナノファイバを成長させる際、金属酸化物層のうち厚さが0.5〜10nmの部分に、カーボンナノファイバを十分に成長させることができる。
上記カーボンナノファイバ形成用構造体において、前記金属酸化物層の少なくとも一部の厚さが1〜8nmであることが好ましい。
この場合、金属酸化物層の少なくとも一部の厚さが上記範囲を外れる場合に比べて、金属酸化物層のうち厚さが1〜8nmの部分に、カーボンナノファイバをより十分に成長させることができる。
上記カーボンナノファイバ形成用構造体において、前記基材が酸素イオン伝導性酸化物を含むことが好ましい。
カーボンナノファイバ形成用構造体の金属触媒上にCVD法によりカーボンナノファイバを成長させる場合、炭素を含有する原料ガスが使用される。このとき、基材が、酸素イオンが移動できる程度の温度に加熱されるため、基材中の酸素イオンが基材を伝導して金属酸化物層に到達する。このため、炭素を含有する原料ガスによって金属酸化物層に浸炭が起こったり、原料ガスの副次的な反応物によって金属酸化物層の表面に炭素物質が堆積したりしようとしても、金属酸化物層に到達した酸素イオンがこれらの炭素と反応し、CO等になることで、浸炭や、炭素物質の堆積を十分に抑制することが出来る。従って、金属酸化物層の触媒担持機能の低下を十分に抑制することが可能となり、厚さが0.5〜10nmの部分に、カーボンナノファイバをより十分に成長させることができる。
またこのカーボンナノファイバ形成用構造体によれば、当該カーボンナノファイバ形成用構造体の金属触媒上にCVD法によりカーボンナノファイバを成長させる際、基材を、酸素イオンが移動できる程度の温度に加熱すると、基材中の酸素イオンが基材を伝導して金属酸化物層に到達する。さらにカーボンナノファイバ形成用構造体の金属酸化物層には、酸素分子を含有するガスを、基材のうち金属酸化物層とは反対側の面から供給すると、酸素分子が酸素イオンとして効果的に供給される。このため、金属酸化物層における浸炭や炭素物質の堆積を十分に抑制することが出来る。従って、金属酸化物層の触媒担持機能の低下をより十分に抑制することが可能となり、カーボンナノファイバを十分に成長させることができる。加えて、酸素分子を含有するガスを、基材のうち金属酸化物層とは反対側の面から供給することで、基材中の著しい酸素欠損による基材強度の低下を防止することもできる。
上記カーボンナノファイバ形成用構造体において、前記金属触媒は、V、Mo、Fe、Co、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru及びWからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。この場合、カーボンナノファイバの生産性がより高くなる。すなわち、カーボンナノファイバをより効果的に成長させることができる。
上記カーボンナノファイバ形成用構造体においては、前記金属酸化物層の一部が、0.5〜10nmの厚さを有する複数の薄厚部で構成され、残部が10nmより大きい厚さを有する肉厚部で構成されていてもよい。
この場合、薄厚部ではカーボンナノファイバを十分に成長させることができるが、肉厚部ではカーボンナノファイバを十分に成長させることができない。このため、複数の薄厚部の各々に設けられた金属触媒上において、肉厚部上に設けられた金属触媒上よりもカーボンナノファイバを突出させることが可能となる。この場合、複数の薄厚部の各々に設けられた金属触媒上で成長したカーボンナノファイバ同士の間には隙間が形成されるため、カーボンナノファイバの成長のために原料ガスを供給する際、原料ガスがその隙間に入り込むことが可能となる。このため、複数の薄厚部が寄り集まって1つになっている場合(複数の薄厚部が離間していない場合)に比べて、原料ガスを複数の薄厚部の各々の上に設けられた金属触媒に対してより十分に供給することが可能となる。その結果、複数の薄厚部の各々におけるカーボンナノファイバの長さムラを十分に小さくすることができる。また、複数の薄厚部の各々においてカーボンナノファイバを1本引き出すとそれに他のカーボンナノファイバが直列に接続されて引き出される傾向がある。このため、複数の薄厚部の各々から引き出したカーボンナノファイバを撚り合わせることで、1本の高強度ファイバを容易に形成することが可能となる。
本発明は、上記カーボンナノファイバ形成用構造体の上に、CVD法により、炭素を含む原料ガスを供給してカーボンナノファイバを成長させることにより得られるカーボンナノファイバ構造体である。
このカーボンナノファイバ構造体は、十分に成長したカーボンナノファイバを有するため、色素増感太陽電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、燃料電池などの電極や電線を形成するのに極めて有用である。
本発明は、上記カーボンナノファイバ形成用構造体の金属触媒の上に、CVD法によりカーボンナノファイバを成長させてカーボンナノファイバ構造体を得るカーボンナノファイバ成長工程を含み、前記カーボンナノファイバ成長工程は、炭素を含有する原料ガスを供給して行われるカーボンナノファイバ構造体の製造方法である。
この製造方法によれば、カーボンナノファイバ形成用構造体に、CVD法によりカーボンナノファイバを成長させる。この際、カーボンナノファイバ形成用構造体に炭素を含有する原料ガスが供給される。このとき、カーボンナノファイバ形成用構造体の金属酸化物層のうち厚さが0.5〜10nmの部分に、カーボンナノファイバを十分に成長させることができる。
上記製造方法においては、前記基材が、500℃以上の高温で酸素イオンを伝導させることが可能な高温酸素イオン伝導性酸化物を含み、前記カーボンナノファイバ成長工程において、前記カーボンナノファイバ形成用構造体を500℃以上に加熱することが好ましい。
この場合、基材が500℃以上に加熱される際に、酸素イオンを伝導させることが容易となる。このため、カーボンナノファイバ成長工程において、基材が、酸素イオンが移動できる程度の温度に加熱されているため、基材中の酸素イオンを、基材を通して金属酸化物層に十分に供給することが可能となる。このため、炭素を含有する原料ガスによって金属酸化物層に浸炭が起こったり、原料ガスの副次的な反応物によって金属酸化物層の表面に炭素物質が堆積したりしようとしても、金属酸化物層に到達した酸素イオンがこれらの炭素と反応し、CO等になることで、浸炭や、炭素物質の堆積を十分に抑制することが出来る。従って、金属酸化物層の触媒担持機能の低下を十分に抑制することが可能となり、厚さが0.5〜10nmの部分に、カーボンナノファイバをより十分に成長させることができる。
上記製造方法においては、前記カーボンナノファイバ成長工程において、酸素分子を含むガスを、前記カーボンナノファイバ形成用構造体の前記基材に対し、前記金属酸化物層とは反対側の面から供給することが好ましい。
この場合、酸素イオンが基材を通してより効果的に金属酸化物層に供給されるため、厚さが0.5〜10nmの部分にカーボンナノファイバをより十分に成長させることができる。さらに、上記製造方法においては、酸素分子を含有しない酸化性ガスではなく、酸素分子を含有する酸素分子含有ガスを使用している。このため、酸素分子含有ガスを基材のうち金属酸化物層とは反対側の面から適宜供給することで、酸素分子含有ガスに含まれる酸素分子が、基材を通して金属酸化物層に、酸素イオンとしてより効果的に供給される。従って、金属酸化物層への酸素イオン供給量を制御することができ、金属酸化物層の触媒担持機能の低下をより抑制することが可能となり、カーボンナノファイバをより十分に成長させることができる。加えて、基材中の著しい酸素欠損による基材強度の低下を防止することもできる。
なお、本発明において、「カーボンナノファイバ」とは、太さが50nm以下である中空状又は中実状のものを言う。
本発明によれば、カーボンナノファイバを十分に成長させることができるカーボンナノファイバ形成用構造体、カーボンナノファイバ構造体及びその製造方法が提供される。
本発明に係るカーボンナノファイバ構造体の一実施形態を示す断面図である。 図1のカーボンナノファイバ形成用構造体を示す断面図である。 図2のカーボンナノファイバ形成用構造体の基材を示す断面図である。 図2のカーボンナノファイバ形成用構造体を製造する一工程を示す図である。 図2のカーボンナノファイバ形成用構造体を製造する他の工程を示す図である。 本発明のカーボンナノファイバ形成用構造体の他の実施形態を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のカーボンナノファイバ構造体の一実施形態を示す断面図、図2は、図1のカーボンナノファイバ形成用構造体を示す断面図である。図1に示すように、カーボンナノファイバ構造体100は、カーボンナノファイバ形成用構造体40と、カーボンナノファイバ形成用構造体40の上に設けられるカーボンナノファイバ50とを備えている。図2に示すように、カーボンナノファイバ形成用構造体40は、基材10と、基材10の一面10a上に全面にわたって設けられ、金属酸化物からなる金属酸化物層20と、金属酸化物層20の触媒担持面20aに担持され、カーボンナノファイバ50を形成する際に触媒として作用する金属触媒30とを備えており、カーボンナノファイバ50は、金属触媒30から基材10と反対方向に向かって延びている。また金属酸化物層20の厚さは0.5〜10nmであり、基材10には、酸素イオン伝導性酸化物が含まれている。
<製造方法の第1実施形態>
次に、カーボンナノファイバ構造体100の製造方法の第1実施形態について説明する。
カーボンナノファイバ構造体100の製造方法は、カーボンナノファイバ形成用構造体40の金属触媒30の上に、CVD法によりカーボンナノファイバ50を成長させてカーボンナノファイバ構造体100を得るカーボンナノファイバ成長工程を含む。カーボンナノファイバ成長工程は、炭素を含有する原料ガスを供給して行われる。本実施形態では、カーボンナノファイバ形成用構造体40の金属触媒30に、酸素を含有するガスは供給されない。
このとき、カーボンナノファイバ形成用構造体40において、金属酸化物層20の厚さは0.5〜10nmであるため、金属酸化物層20上に、カーボンナノファイバ50を十分に成長させることができる。
なお、金属酸化物層20の厚さが上記範囲を外れると、カーボンナノファイバ50を十分に成長させることができない。その理由について、本発明者は以下のように推測している。すなわち、還元雰囲気中で金属酸化物層20が加熱される際、金属酸化物層20の厚さが10nmより大きいと、金属触媒30が金属酸化物層20中に拡散し、その結果、カーボンナノファイバ50が十分に成長できる程度の大きさの金属触媒30の粒子の量が減少し、カーボンナノファイバ構造体100を形成できる程度に、金属触媒30からカーボンナノファイバ50を十分に成長させることができなくなるのではないかと推測される。一方、金属酸化物層20の厚さが0.5nmより小さいと、ひとつには、還元ガスによって基材表面が脆化したり、エッチングされたりして荒れ易くなり、その結果、カーボンナノファイバ50の成長が阻害されるのではないかと推測される。そのほかには、金属触媒30が金属酸化物層20を通って基材10と合金化し、その結果、カーボンナノファイバ50が十分に成長できる程度の大きさの金属触媒30の粒子の量が減少し、カーボンナノファイバ構造体100を形成できる程度にカーボンナノファイバ50を十分に成長させることができなくなるのではないかと推測される。
またカーボンナノファイバ形成用構造体40において、基材10が酸素イオン伝導性酸化物を含む。ここで、カーボンナノファイバ形成用構造体40の金属触媒30上にCVD法によりカーボンナノファイバ50を成長させる場合、炭素を含有する原料ガスが使用される。このとき、基材10が、酸素イオンが移動できる程度の温度に加熱されるため、基材10中の酸素イオンが基材10を伝導して金属酸化物層20に到達する。このため、炭素を含有する原料ガスによって金属酸化物層20に浸炭が起こったり、原料ガスの副次的な反応物によって金属酸化物層20の表面に炭素物質が堆積したりしようとしても、金属酸化物層20に到達した酸素イオンがこれらの炭素と反応し、CO等になることで、浸炭や、炭素物質の堆積を十分に抑制することが出来る。従って、金属酸化物層20の触媒担持機能の低下を十分に抑制することが可能となり、厚さが0.5〜10nmの部分に、カーボンナノファイバ50をより十分に成長させることができる。
以下、上述したカーボンナノファイバ構造体100の製造方法について詳細に説明する。
まずカーボンナノファイバ形成用構造体40を準備する。カーボンナノファイバ形成用構造体40は以下のようにして製造される。
(基材準備工程)
はじめに基材10を準備する(図3参照)。
基材10としては、酸素イオン伝導性酸化物を含むものが用いられる。酸素イオン伝導性酸化物は、酸素イオンを伝導させることができる酸化物であればよいが、CVD法では基材10が500℃以上の高温とされる。このため、酸素イオン伝導性酸化物は、500℃以上の高温で酸素イオンを伝導することが可能な高温酸素イオン伝導性酸化物であることが好ましい。高温酸素イオン伝導性酸化物としては、例えばジルコニアを酸化物によって安定化させてなる安定化ジルコニアが使用可能である。ジルコニア等の高温酸素イオン伝導性酸化物の全部または一部を安定化する酸化物としては、例えばスカンジア、イットリア、ランタニア、セリア、カルシア及びマグネシアなどが挙げられ、これらの酸化物は、高温酸素イオン伝導性酸化物中に2〜13モル%の範囲の濃度で含有されていることが好ましい。また、高温酸素イオン伝導性酸化物としては、酸素欠陥を有するペロブスカイト型酸化物も使用可能である。ペロブスカイト型酸化物としては、例えばチタン酸ストロンチウム、鉄酸カルシウムなどが挙げられる。
基材10の厚さは通常は100〜10000μmであるが、500〜5000μmであることが好ましい。この場合、500〜5000μmの範囲を外れた場合に比べて、基材10に、十分な強度が備わり、酸素イオンの伝導制御がしやすいという利点がある。
(金属酸化物層形成工程)
次に、基材10の一面10aの上に金属酸化物層20を形成する(図4参照)。金属酸化物層20は金属酸化物からなる。金属酸化物は、金属の酸化物であればよいが、II族又はIII族の金属の酸化物であることが、還元雰囲気下での熱力学安定性の点から好ましい。中でも、III族の金属の酸化物であることが触媒担持機能の点からより好ましい。III族の金属の酸化物としては、例えば酸化アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、酸化セリウムなどが挙げられるが、酸化アルミニウムが最も好ましい。この場合、金属酸化物が酸化アルミニウム以外の金属酸化物である場合に比べてより十分にカーボンナノファイバ50を成長させることができる。
金属酸化物層20の厚さは0.5〜10nmであるが、1〜8nmであることが好ましい。この場合、金属酸化物層20の厚さが1〜8nmの範囲を外れる場合に比べてカーボンナノファイバ50をより効果的に成長させることができる。
金属酸化物層20は、例えばスパッタリング法によって形成することができる。このとき、ターゲットは金属単体でも金属酸化物でもどちらでも良いが、ターゲットの種類によって適当な濃度の酸素ガスを供給する必要がある。このとき、基材10の温度は、金属酸化物層20との密着性を向上させるという理由から、20〜300℃とすることが好ましい。
(触媒担持工程)
次に、金属酸化物層20の触媒担持面20a上に金属触媒30を担持させる(図2参照)。金属触媒30は、例えば金属酸化物層20の触媒担持面20a上にスパッタリング法によって形成した膜を還元雰囲気下で加熱することによって形成することができる。
金属触媒30としては、カーボンナノファイバ50を成長させるのに使用される公知の金属触媒が使用可能である。このような金属触媒30としては、例えばV、Mo、Fe、Co、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、W、Al、Au、Tiなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが可能である。中でも、カーボンナノファイバをより効果的に成長させることができるという点から、V、Mo、Fe、Co、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、Wが好ましい。
金属触媒30の形状は特に限定されるものではないが、通常は粒子状である。粒子状の金属触媒30の平均粒径は通常は1〜50nmであるが、2〜25nmであることが好ましい。この場合、2〜25nmの範囲を外れた場合に比べてカーボンナノファイバをより効果的に成長させることができるという利点がある。
こうしてカーボンナノファイバ形成用構造体40が得られる。
次に、CVD法により、炭素を含む原料ガスを用いてカーボンナノファイバ形成用構造体40の金属触媒30の上にカーボンナノファイバ50を成長させる。
ここで、炭素を含有する原料ガスとしては、適当な触媒の存在下で、カーボンナノファイバを生じさせるものであればいかなるものでも良く、例えば、メタン、エタン、プロパンなどの飽和炭化水素化合物、エチレン、プロピレン、アセチレンなどの不飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。これらのうち、メタン、エチレン、プロピレン、アセチレンが好ましい。該炭素含有化合物の導入形態としては、ガス状のまま導入しても良いし、アルゴンのような不活性ガスと混合して導入しても良いし、水素ガスと混合して導入しても良いし、あるいは不活性ガス中の飽和蒸気として導入しても良い。
またCVD法においては、熱又はプラズマ等がエネルギー源とされる。
このとき、カーボンナノファイバ50を成長させる際の圧力は通常、100〜150000Paであり、好ましくは1000〜122000Paである。またカーボンナノファイバ50を成長させる際の温度は通常、500〜900℃であり、好ましくは550〜800℃である。
また既に述べたように、本実施形態では基材10の中の酸素イオンが金属酸化物層20へ供給される。このため、本実施形態では、基材10のうち金属酸化物層20が設けられた面10aを除いた面にはこれを覆うコーティングが施されることが好ましい。これは、基材10において表面に到達した酸素イオンが酸素ガスとなって基材10から放出されることが、コーティングによってより十分に抑制され、酸素イオンの放出面が面10aに限定され、金属酸化物層20に効果的に酸素イオンが供給されるためである。このため、基材10のうち金属酸化物層20が設けられた面10aを除いた面にコーティングが施されていない場合に比べて、カーボンナノファイバ50をより効果的に成長させることができる。また酸素ガスが基材10から放出されないことで、カーボンナノファイバ50の品質に悪影響が出ることも十分に抑制される。さらに、長時間にわたってカーボンナノファイバを成長させる際に、過度の酸素ガス放出による酸素欠損によって、基材10の端部の強度が低下することを防止することができる。このため、長時間にわたるカーボンナノファイバの成長を安定的に行うことができるようになる。
コーティングを構成するコーティング材料は、酸素イオンを実質的に伝導しない材料であればよく、このようなコーティング材料としては、例えばガラス、チタニア及び金属が挙げられる。
こうしてカーボンナノファイバ構造体100が得られる。
こうして得られるカーボンナノファイバ構造体100は、十分に成長したカーボンナノファイバ50を有している。このため、カーボンナノファイバ構造体100を用いて形成したカーボンナノファイバ電極は、色素増感太陽電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、燃料電池などの電極として極めて有用である。なお、カーボンナノファイバ構造体100を用いてカーボンナノファイバ電極を形成する場合は通常、電極用の基板に、カーボンナノファイバ構造体100のカーボンナノファイバ50を転写することが必要である。電極用の基板へのカーボンナノファイバ50の転写は、例えば、電極用基板との間に、導電性粘着フィルムを挟んで圧着するようにして行えばよい。
<製造方法の第2実施形態>
次に、カーボンナノファイバ構造体100の製造方法の第2実施形態について説明する。
本実施形態の製造方法は、カーボンナノファイバ50を成長させる際に、酸素を含有するガスを基材10のうち金属酸化物層20が設けられている面10a側から供給する点で第1実施形態の製造方法と相違する。
この場合でも、第1実施形態と同様にカーボンナノファイバ形成用構造体40の金属触媒30上にCVD法によりカーボンナノファイバ50を形成する際、炭素を含有する原料ガスが使用される。このとき、基材10が、酸素イオンが移動できる程度に加熱されるため、基材10中の酸素イオンが基材10を伝導して金属酸化物層20に到達する。このため、炭素を含有する原料ガスによって金属酸化物層20に浸炭が起こったり、原料ガスの副次的な反応物によって金属酸化物層20の表面に炭素物質が堆積したりしようとしても、金属酸化物層20に到達した酸素イオンがこれらの炭素と反応し、CO等になることで、浸炭や、炭素物質の堆積を抑制することが出来る。さらに酸素を含有するガスを基材10のうち金属酸化物層20が設けられている面10a側から供給することで、より効果的に浸炭や炭素物質の堆積を抑制することが可能となる。
ここで、酸素を含有する酸素含有ガスは、適当な温度で、金属酸化物層20へ酸素を供給できるものであればいかなるものでも良く、このような酸素含有ガスとしては、例えば、純酸素ガス、大気などの酸素分子含有ガスが挙げられる。あるいは、酸素含有ガスとして、水や、一酸化炭素や、メタノール、エタノール、アセトンなどの含酸素炭化水素化合物からなる酸素分子非含有ガスを用いることもできる。これらのうち、含酸素炭化水素化合物は、原料ガスを兼ねることができる。
該酸素含有ガスの供給形態としては、それ単独で供給しても良いし、アルゴンのような不活性ガスと混合して供給しても良いし、あるいは不活性ガス中の飽和蒸気として供給しても良い。なお、カーボンナノファイバ50を形成する際の酸素含有ガスを供給した雰囲気中の酸素濃度は酸素分子濃度に換算して、好ましくは0.003〜0.03体積%である。酸素分子濃度が上記範囲内にあると、上記範囲を外れた場合に比べて、より効果的にカーボンナノファイバ50を成長させることができる。
なお、本実施形態においても基材10の中の酸素イオンが金属酸化物層20へ供給される。このため、基材10のうち金属酸化物層20が設けられた面10aを除いた面にはこれを覆うコーティングが施されることが好ましい。これは、基材10において表面に到達した酸素イオンが酸素ガスとなって基材10から放出されることが、コーティングによってより十分に抑制され、酸素イオンの放出面が面10aに限定され、金属酸化物層20に効果的に酸素イオンが供給されるためである。このため、基材10のうち金属酸化物層20が設けられた面10aを除いた面にコーティングが施されていない場合に比べて、カーボンナノファイバ50をより効果的に成長させることができる。また酸素ガスが基材10から余剰に放出されることで、カーボンナノファイバ50の成長に最適な条件から酸素濃度が逸脱し、成長に悪影響が出ることも十分に抑制される。さらに、長時間にわたってカーボンナノファイバを成長させる際に、過度の酸素ガス放出による酸素欠損によって、基材10の端部の強度が低下することを防止することができる。このため、長時間にわたるカーボンナノファイバの成長を安定的に行うことができるようになる。コーティングを構成するコーティング材料としては、第1実施形態と同様のものを用いることができる。
<製造方法の第3実施形態>
次に、カーボンナノファイバ構造体100の製造方法の第3実施形態について説明する。
本実施形態の製造方法は、カーボンナノファイバ50を成長させる際に、酸素分子を含有する酸素分子含有ガスを、基材10のうち金属酸化物層20とは反対側の面10b側から供給する点で第1実施形態の製造方法と相違する。
酸素分子含有ガスを金属酸化物層20とは反対側の面10bから適宜供給することで、酸素分子含有ガスに含まれる酸素分子が、基材10を通して金属酸化物層20に、酸素イオンとしてより効果的に供給される。このため、金属酸化物層20への酸素イオン供給量を制御することができ、金属酸化物層20の触媒担持機能の低下をより抑制することが可能となり、カーボンナノファイバ50をより十分に成長させることができる。加えて、基材10中の著しい酸素欠損による基材強度の低下を防止することもできる。
特に、基材10を構成する材料として、酸素イオン伝導性酸化物を使用した場合は、図5に示すように、筒状体60の一端側の開口をカーボンナノファイバ形成用構造体40の基材10の面10bで塞いだ状態で、基材10の面10bに向かって、すなわち図5の矢印A方向に向かって酸素分子含有ガスを供給することが好ましい。このとき、酸素分子含有ガスが筒状体60とカーボンナノファイバ形成用構造体40の継ぎ目から漏れないようにする。この場合、基材10に供給した原料ガスが筒状体60の内部に混入して酸素分子含有ガスと反応して酸素分子濃度が変化することを十分に抑制し、筒状体60の内部に供給した酸素分子含有ガスを、安定的に基材10の面10bに向かって供給することができる。さらに、基材10のうち面10b側で酸素分子含有ガスを使用し、基材10のうち面10a側で酸素含有ガスを使用していない。このため、基材10のうち面10a側のカーボンナノファイバ50が酸素分子含有ガスによって酸化されることが十分に抑制され、カーボンナノファイバ50の導電性の低下や強度の低下を十分に抑制することができる。すなわち、カーボンナノファイバ50の品質の低下をより十分に抑制することができる。
また本実施形態の製造方法においても基材10の中の酸素イオンを金属酸化物層20へ供給する。このため、金属酸化物層20が設けられた面10aと酸素分子含有ガスを供給する面10bを除いた面には、コーティングが施されていることが好ましい。
この場合、基材10において表面に到達した酸素イオンが酸素ガスとなって基材10から放出されることがコーティングによって十分に抑制され、酸素イオンの放出面が面10aに限定され、金属酸化物層20に効果的に酸素イオンが供給される。このため、基材10のうち金属酸化物層20が設けられた面10aと酸素分子含有ガスを供給する面10bを除いた面にコーティングが施されていない場合に比べて、カーボンナノファイバ50をより効果的に成長させることができる。また酸素ガスが基材10から放出されないことで、カーボンナノファイバ50の品質に悪影響が出ることも十分に抑制される。コーティングを構成するコーティング材料としては、第1実施形態と同様のものを用いることができる。
なお、酸素分子含有ガス中の酸素分子濃度は好ましくは0.01〜5体積%である。酸素分子濃度が上記範囲内にあると、上記範囲を外れた場合に比べて、より効果的にカーボンナノファイバ50を成長させることができる。
<製造方法の第4実施形態>
次に、カーボンナノファイバ構造体100の製造方法の第4実施形態について説明する。
本実施形態の製造方法は、カーボンナノファイバ50を成長させる際に、酸素を含有するガスを基材10のうち金属酸化物層20が設けられている面10a側から供給し、酸素分子を含有する酸素分子含有ガスを、基材10のうち金属酸化物層20とは反対側の面10b側から供給する点で第1実施形態の製造方法と相違する。
酸素分子含有ガスを金属酸化物層20とは反対側の面10bから適宜供給することで、酸素分子含有ガスに含まれる酸素分子が、基材10を通して金属酸化物層20に、酸素イオンとしてより効果的に供給される。このため、金属酸化物層20への酸素イオン供給量を制御することができ、金属酸化物層20の触媒担持機能の低下をより抑制することが可能となり、カーボンナノファイバ50をより十分に成長させることができる。加えて、基材10中の著しい酸素欠損による基材強度の低下を防止することもできる。さらに酸素を含有するガスを基材10のうち金属酸化物層20が設けられている面10a側から供給することで、より効果的に金属酸化物層20における浸炭や炭素物質の堆積を抑制することが可能となり、カーボンナノファイバ50をより十分に成長させることができる。
特に本実施形態では、第3実施形態と同様、図5に示すように、筒状体60の一端側の開口をカーボンナノファイバ形成用構造体40の基材10の面10bで塞いだ状態で、基材10の面10bに向かって、すなわち図5の矢印A方向に向かって酸素分子含有ガスを供給することが好ましい。このとき、酸素分子含有ガスが筒状体60とカーボンナノファイバ形成用構造体40との継ぎ目から漏れないようにする。この場合、基材10に供給した原料ガスが筒状体60の内部に漏れることで酸素分子含有ガスと反応して酸素分子濃度が変化することを十分に抑制し、筒状体60の内部に供給した酸素分子含有ガスを、安定的に基材10の面10bに向かって供給することができる。さらに、基材10のうち面10b側で酸素分子含有ガスを使用し、基材10のうち面10a側で酸素含有ガスを使用している。このため、酸素分子含有ガスに含まれる酸素ガスが継ぎ目から余剰に放出されることで、基材10のうち面10a側のカーボンナノファイバ50の成長に最適な条件から酸素濃度が逸脱し、成長に悪影響が出ることも十分に抑制される。
また本実施形態の製造方法においても基材10の中の酸素イオンを金属酸化物層20へ供給する。このため、金属酸化物層20が設けられた面10aと酸素分子含有ガスを供給する面10bを除いた面には、コーティングが施されていることが好ましい。
この場合、基材10において表面に到達した酸素イオンが酸素ガスとなって基材10から放出されることがコーティングによって十分に抑制され、酸素イオンの放出面が面10aに限定され、金属酸化物層20に効果的に酸素イオンが供給される。このため、基材10のうち金属酸化物層20が設けられた面10aと酸素分子含有ガスを供給する面10bを除いた面にコーティングが施されていない場合に比べて、カーボンナノファイバ50をより効果的に成長させることができる。また酸素ガスが基材10から余剰に放出されることで、カーボンナノファイバ50の成長に最適な条件から酸素濃度が逸脱し、成長に悪影響が出ることも十分に抑制される。コーティングを構成するコーティング材料としては、第1実施形態と同様のものを用いることができる。
なお、面10b側の酸素分子含有ガス中の酸素分子濃度は好ましくは0.01〜5体積%であり、面10a側の酸素含有ガスの酸素濃度は酸素分子濃度に換算して、好ましくは0.003〜0.03体積%である。酸素分子濃度が上記範囲内にあると、上記範囲を外れた場合に比べて、より効果的にカーボンナノファイバ50を成長させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、基材10の一面10aの全面上に金属酸化物層20が設けられているが、図6に示すように、金属酸化物層20の一部が、0.5〜10nmの厚さを有し互いに離間するように設けられる複数の薄厚部20Aで構成され、残部が10nmより大きい厚さを有する肉厚部20Bで構成されてもよい。この場合、薄厚部20Aではカーボンナノファイバ50を十分に成長させることができるが、肉厚部20Bではカーボンナノファイバ50を十分に成長させることができない。このため、複数の薄厚部20Aの各々に設けられた金属触媒30上において、肉厚部20B上に設けられた金属触媒30上よりもカーボンナノファイバ50を突出させることが可能となる。この場合、複数の薄厚部20Aの各々に設けられた金属触媒30上で成長したカーボンナノファイバ50同士の間には隙間が形成されるため、カーボンナノファイバ50の成長のために原料ガスを供給する際、原料ガスがその隙間に入り込むことが可能となる。このため、複数の薄厚部20Aが寄り集まって1つになっている場合(複数の薄厚部20Aが離間していない場合)に比べて、原料ガスを複数の薄厚部20Aの各々の上に設けられた金属触媒30に対してより十分に供給することが可能となる。その結果、複数の薄厚部20Aの各々におけるカーボンナノファイバ50の長さムラを十分に小さくすることができる。また、複数の薄厚部20Aの各々においてカーボンナノファイバ50を1本引き出すとそれに他のカーボンナノファイバ50が直列に接続されて引き出される傾向がある。このため、複数の薄厚部20Aの各々から引き出したカーボンナノファイバ50を撚り合わせることで、1本の高強度ファイバを容易に形成することが可能となる。
また上記実施形態では基材10として、酸素イオン伝導性酸化物を含むものが用いられているが、基材10は、酸素イオン伝導性酸化物を含むものに限定されない。例えば基材10は、シリコンや、チタン、ニッケル、白金等の不動態を形成し得る金属で構成されてもよい。基材10が例えばチタン、ニッケル、白金等の不動態を形成し得る金属で構成される場合には、カーボンナノファイバ構造体はそのまま色素増感太陽電池の対極として使用することが可能である。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材となる厚さ1000μmの板状のイットリア安定化ジルコニア基材(イットリア17モル%含有)を準備した。そして、この基材に対し、スパッタリング法によって厚さ2nmの酸化アルミニウム層(AlO)を形成した。このとき、ターゲットはアルミニウム(99.99%)単体とし、スパッタリングはアルゴンを17sccm、酸素を3sccmの流量で供給し、圧力0.007Torrで行った。
次いで、酸化アルミニウム層の表面に、スパッタリング法によって、触媒となる厚さ2nmの鉄の薄膜を形成した。こうして、基材、酸化アルミニウム層及び鉄薄膜で構成される積層体を得た。
次に、この積層体を、800℃の温度に設定した電気炉に収容した。このとき、電気炉には大気圧のアルゴンガスを500sccmの流量で供給した。また積層体の背面からガスを供給するための酸化アルミニウムからなる筒状体の一端側の開口を基材が塞ぐように配置した。そして、大気圧のアルゴンガスを100sccmの流量で筒状体の内部に供給した。
そして、基材の温度が安定した後、アルゴンガス中に10体積%となるように水素ガスを混合し、鉄の薄膜を還元して酸化アルミニウム層上に平均粒径5nmの触媒粒子を形成した。こうしてカーボンナノファイバ形成用構造体を得た。
次に、電気炉内に供給するアルゴンガス中に、2.5体積%となるようにアセチレンガスを供給した。
こうしてカーボンナノファイバを触媒粒子上に10分間にわたって成長させ、カーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例2)
酸化アルミニウム層を、厚さが4nmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例3)
酸化アルミニウム層を、厚さが8nmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例4)
酸化アルミニウム層を、厚さが10nmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例5)
酸化アルミニウム層を、厚さが0.5nmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例6)
酸化アルミニウム層を、厚さが1nmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例7)
基材となる厚さ100μmの板状のチタン基材を準備した。そして、この基材に対し、スパッタリング法によって厚さ4nmの酸化アルミニウム層(AlO)を形成した。このとき、ターゲットはアルミニウム(99.99%)単体とし、スパッタリングはアルゴンを17sccm、酸素を3sccmの流量で供給し、圧力0.007Torrで行った。
次いで、酸化アルミニウム層の表面に、スパッタリング法によって、触媒となる厚さ2nmの鉄の薄膜を形成した。こうして、基材、酸化アルミニウム層及び鉄薄膜で構成される積層体を得た。
次に、この積層体を、800℃の温度に設定した電気炉に収容した。このとき、電気炉には大気圧のアルゴンガスを500sccmの流量で供給した。
そして、基材の温度が安定した後、アルゴンガス中に10体積%となるように水素ガスを混合し、鉄の薄膜を還元して酸化アルミニウム層上に平均粒径5nmの触媒粒子を形成した。こうしてカーボンナノファイバ形成用構造体を得た。
次に、電気炉内に供給するアルゴンガス中に、2.5体積%となるようにアセチレンガスを供給した。
こうしてカーボンナノファイバを触媒粒子上に10分間にわたって成長させ、カーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例8)
酸化アルミニウム層を、厚さが8nmとなるように形成したこと以外は実施例7と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例9)
基材となる厚さ500μmの板状のシリコン基材を準備した。そして、この基材に対し、スパッタリング法によって厚さ4nmの酸化アルミニウム層(AlO)を形成した。このとき、ターゲットはアルミニウム(99.99%)単体とし、スパッタリングはアルゴンを17sccm、酸素を3sccmの流量で供給し、圧力0.007Torrで行った。
次いで、酸化アルミニウム層の表面に、スパッタリング法によって、触媒となる厚さ2nmの鉄の薄膜を形成した。こうして、基材、酸化アルミニウム層及び鉄薄膜で構成される積層体を得た。
次に、この積層体を、800℃の温度に設定した電気炉に収容した。このとき、電気炉には大気圧のアルゴンガスを500sccmの流量で供給した。
そして、基材の温度が安定した後、アルゴンガス中に10体積%となるように水素ガスを混合し、鉄の薄膜を還元して酸化アルミニウム層上に平均粒径5nmの触媒粒子を形成した。こうしてカーボンナノファイバ形成用構造体を得た。
次に、電気炉内に供給するアルゴンガス中に、2.5体積%となるようにアセチレンガスを供給した。
こうしてカーボンナノファイバを触媒粒子上に10分間にわたって成長させ、カーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例10)
酸化アルミニウム層を、厚さが8nmとなるように形成したこと以外は実施例9と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例11)
基材を構成する材料を、イットリア安定化ジルコニアからチタン酸ストロンチウムに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例12)
筒状体を通して、基材の酸化アルミニウム層と反対側の面(裏面)から酸素濃度が2.1体積%となるように大気を供給したこと以外は、実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例13)
金属触媒を構成する材料を、鉄からニッケルに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例14)
金属触媒を構成する材料を、鉄からコバルトに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例15)
金属触媒を構成する材料を、鉄から鉄モリブデン合金に変更したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例16)
金属酸化物層を構成する材料を、酸化アルミニウムからアルミン酸マグネシウムに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例17)
金属酸化物層を構成する材料を、酸化アルミニウムから酸化マグネシウムに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(実施例18)
金属酸化物層を構成する材料を、酸化アルミニウムから酸化セリウムに変更したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得た。
(比較例1)
酸化アルミニウム層を厚さが20nmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得ようとしたが、疎らにカーボンナノファイバが基材に横たわって成長し、カーボンナノファイバ構造体を得ることができなかった。これは、触媒が酸化アルミニウム層へ拡散したために、カーボンナノファイバが成長可能な触媒粒子の量が十分でなくなったためと考えられる。
(比較例2)
酸化アルミニウム層を厚さが0.3nmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得ようとしたが、疎らにカーボンナノファイバが基材に横たわって成長し、カーボンナノファイバ構造体を得ることができなかった。基材表面を走査型顕微鏡で観察すると、表面がエッチングされ凸凹になっていた。このために、カーボンナノファイバの成長が阻害されたと考えられる。
(比較例3)
酸化アルミニウム層を厚さが20nmとなるように形成したこと以外は実施例7と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得ようとしたが、疎らにカーボンナノファイバが基材に横たわって成長し、カーボンナノファイバ構造体を得ることができなかった。これは、触媒が酸化アルミニウム層へ拡散したために、カーボンナノファイバが成長可能な触媒粒子の量が十分でなくなったためと考えられる。
(比較例4)
酸化アルミニウム層を厚さが0.3nmとなるように形成したこと以外は実施例7と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得ようとしたが、疎らにカーボンナノファイバが基材に横たわって成長し、カーボンナノファイバ構造体を得ることができなかった。基材表面を走査型顕微鏡で観察すると、水素脆化により表面に亀裂が生じて凸凹になっており、またX線による組成分析を行うと基材と触媒が合金化していた。このために、カーボンナノファイバの成長が阻害されたと考えられる。
(比較例5)
酸化アルミニウム層を厚さが20nmとなるように形成したこと以外は実施例9と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得ようとしたが、疎らにカーボンナノファイバが基材に横たわって成長し、カーボンナノファイバ構造体を得ることができなかった。これは、触媒が酸化アルミニウム層へ拡散したために、カーボンナノファイバが成長可能な触媒粒子の量が十分でなくなったためと考えられる。
(比較例6)
酸化アルミニウム層を厚さが0.3nmとなるように形成したこと以外は実施例9と同様にしてカーボンナノファイバ構造体を得ようとしたが、疎らにカーボンナノファイバが基材に横たわって成長し、カーボンナノファイバ構造体を得ることができなかった。基材表面を走査型顕微鏡で観察すると、表面がエッチングされ凸凹になっており、またX線による組成分析を行うと基材と触媒が合金化していた。このために、カーボンナノファイバの成長が阻害されたと考えられる。
[評価]
(カーボンナノファイバの長さ)
実施例1〜18及び比較例1〜6のカーボンナノファイバ構造体について、カーボンナノファイバ(CNF:Carbon Nano Fiber)の長さを断面のSEM観察によって調べた。結果を表1に示す。
Figure 2013060342
表1に示す結果より、実施例1〜18のカーボンナノファイバ構造体におけるカーボンナノファイバが、比較例1〜6のカーボンナノファイバ構造体におけるカーボンナノファイバに比べて十分に長くなっていることが分かった。このことから、基材の上に金属酸化物層を介して金属触媒を担持させる場合には、金属酸化物層の厚さを0.5〜10nmとすることが、カーボンナノファイバの十分な成長に寄与するものと考えられる。
以上より、本発明のカーボンナノファイバ形成用構造体によれば、カーボンナノファイバを十分に成長させることができることが確認された。
10…基材
20…金属酸化物層
30…金属触媒
40…カーボンナノファイバ形成用構造体
50…カーボンナノファイバ
100…カーボンナノファイバ構造体

Claims (9)

  1. 基材と、
    前記基材上に設けられ、金属酸化物からなる金属酸化物層と、
    前記金属酸化物層に担持される金属触媒とを備え、
    前記金属酸化物層の少なくとも一部の厚さが0.5〜10nmであるカーボンナノファイバ形成用構造体。
  2. 前記金属酸化物層の少なくとも一部の厚さが1〜8nmである、請求項1に記載のカーボンナノファイバ形成用構造体。
  3. 前記基材が、酸素イオン伝導性酸化物を含む、請求項1又は2に記載のカーボンナノファイバ形成用構造体。
  4. 前記金属触媒が、V、Mo、Fe、Co、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru及びWからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバ形成用構造体。
  5. 前記金属酸化物層の一部が、0.5〜10nmの厚さを有し互いに離間するように設けられる複数の薄厚部で構成され、残部が10nmより大きい厚さを有する肉厚部で構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバ形成用構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバ形成用構造体の上に、化学気相成長法により、炭素を含む原料ガスを供給してカーボンナノファイバを成長させることにより得られるカーボンナノファイバ構造体。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバ形成用構造体の前記金属触媒の上に、化学気相成長法により、カーボンナノファイバを成長させてカーボンナノファイバ構造体を得るカーボンナノファイバ成長工程を含み、
    前記カーボンナノファイバ成長工程は、炭素を含有する原料ガスを供給して行われるカーボンナノファイバ構造体の製造方法。
  8. 前記基材が、500℃以上の高温で酸素イオンを伝導することが可能な高温酸素イオン伝導性酸化物を含み、前記カーボンナノファイバ成長工程において、前記カーボンナノファイバ形成用構造体を500℃以上に加熱する請求項7に記載のカーボンナノファイバ構造体の製造方法。
  9. 前記カーボンナノファイバ成長工程において、酸素分子を含むガスを、前記カーボンナノファイバ形成用構造体の前記基材に対し、前記金属酸化物層と反対側の面から供給する請求項7又は8に記載のカーボンナノファイバ構造体の製造方法。
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