JP2013059761A - 粒子状物質燃焼触媒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粒子状物質燃焼触媒を構成する触媒材は、Zrと、Y又はLaと、Srとの複酸化物12と、貴金属13とを含有してなり、その複酸化物12の主成分金属元素はZrである。
【選択図】図5
Description
図1はディーゼルエンジンの排気ガス通路11に配置されたパティキュレートフィルタ(以下、単に「フィルタ」という。)1を示す。フィルタ1よりも排気ガス流の上流側の排気ガス通路11には、活性アルミナ等のサポート材にPt、Pd等に代表される触媒金属を担持した酸化触媒(図示省略)を配置することができる。このような酸化触媒をフィルタ1の上流側に配置するときは、該酸化触媒によって排気ガス中のHC、COを酸化させ、その酸化燃焼熱でフィルタ1に流入する排気ガス温度を高めてフィルタ1を加熱することによって、パティキュレートを燃焼除去することができる。また、NOが酸化触媒でNO2に酸化され、該NO2がフィルタ1に粒子状物質を燃焼させる酸化剤として供給されることになる。
−実施例1−1−
硝酸ジルコニルと硝酸イットリウムと硝酸ストロンチウムの所定量をイオン交換水に溶かし、これら水溶液を混合した。得られた混合溶液(酸性溶液)に塩基性溶液としての28質量%アンモニア水の8倍希釈液を混合して中和させることにより、共沈物(ZrとYとSrとの複酸化物の前駆体)を得た。この共沈物を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する(脱水)、そこにさらにイオン交換水を加えて撹拌する(水洗)、という脱水・水洗の操作を必要回数繰り返すことで、余剰な塩基性溶液を除去した。最終的に脱水を行った後の共沈物を大気中において150℃の温度で一昼夜乾燥させ、粉砕した後、大気中において500℃の温度に2時間保持する焼成を行なった。これにより、ZrとYとSrの複酸化物の粉末を得た(共沈法による複酸化物の生成)。このZrYSr複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより触媒材を得た。この触媒材は、ZrYSr複酸化物の一次粒子が凝集してなる二次粒子にPtの一次粒子が後担持されたものである。
複酸化物の組成を、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:Y2O3=4.8:83.8:11.4(モル比)となるようにする他は実施例1−1と同様にして、実施例1−2に係る触媒材及び触媒性能評価用サンプルを得た。
複酸化物の組成を、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:Y2O3=9.5:79.6:10.9(モル比)となるようにする他は実施例1−1と同様にして、実施例1−3に係る触媒材及び触媒性能評価用サンプルを得た。
硝酸ジルコニルと硝酸イットリウム硝酸ストロンチウムと硝酸プラセオジムとをイオン交換水に溶かした混合溶液から上述の共沈法によってZrとYとSrとPrとの複酸化物粉末を得た。その組成は、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:Y2O3:Pr6O11=1.9:78.5:13.7:5.9(モル比)である。すなわち、このZrYPrSr複酸化物は、主成分金属元素がZrであり、ZrとYとPrとの複酸化物にSrがドープされているということができる。
複酸化物の組成を、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:Y2O3:Pr6O11=4.8:76.2:13.3:5.7(モル比)となるようにする他は実施例1−4と同様にして、実施例1−5に係る触媒材及び触媒性能評価用サンプルを得た。
複酸化物の組成を、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:Y2O3:Pr6O11=9.5:72.4:12.7:5.4(モル比)となるようにする他は実施例1−4と同様にして、実施例1−6に係る触媒材及び触媒性能評価用サンプルを得た。
硝酸ジルコニルと硝酸イットリウムとをイオン交換水に溶かした混合溶液から上述の共沈法によってZrとYとの複酸化物粉末を得た。このZrY複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより、比較例1−1に係る触媒材を得た。この触媒材は、ZrY複酸化物にPtが後担持されたものである(アルカリ土類金属不含)。この触媒材のPtを除く組成は、酸化物に換算して、ZrO2:Y2O3=88:12(モル比)であり、Ptを除く成分全量とPtとの比率は概略、40:1(質量比)である。
比較例1−1と同様にしてZrY複酸化物粉末を得た。このZrY複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液及び酢酸ストロンチウム溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより、比較例1−2に係る触媒材を得た。この触媒材は、ZrY複酸化物にPtとSrとが後担持されたものである。この触媒材のPtを除く組成は、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:Y2O3=1.9:86.6:11.5(モル比)であり、Ptを除く成分全量とPtとの比率は概略、40:1(質量比)である。
硝酸ジルコニルと硝酸イットリウムと硝酸プラセオジムとをイオン交換水に溶かした混合溶液から上述の共沈法によってZrとYとPrとの複酸化物粉末を得た。このZrYPr複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより、比較例1−3に係る触媒材を得た。この触媒材は、ZrYPr複酸化物にPtが後担持されたものである。この触媒材のPtを除く組成は、酸化物に換算して、ZrO2:Y2O3:Pr6O11=80:14:6(モル比)であり、Ptを除く成分全量とPtとの比率は概略、40:1(質量比)である。
比較例1−3と同様にしてZrYPr複酸化物粉末を得た。このZrYPr複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液及び酢酸ストロンチウム溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより、比較例1−4に係る触媒材を得た。この触媒材は、ZrYPr複酸化物にPtとSrとが後担持されたものである。この触媒材のPtを除く組成は、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:Y2O3:Pr6O11=1.9:78.5:13.7:5.9(モル比)であり、Ptを除く成分全量とPtとの比率は概略、40:1(質量比)である。
上記実施例1−1乃至1−6及び比較例1−1乃至1−4の各触媒材のパティキュレート燃焼性能を評価すべく、上記触媒性能評価用サンプルを用いてカーボン燃焼速度を測定した。各サンプルについては大気中で800℃の温度に24時間保持するエージングを行なった。
カーボン燃焼速度の測定結果を表1、図6及び図7に示す。
−実施例2−1−
硝酸イットリウムに代えて硝酸ランタンを採用し、他は実施例1−1と同様にして、実施例2−1に係る触媒材及び触媒性能評価用サンプルを得た。この触媒材を構成するZrLaSr複酸化物の組成は、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:La2O3=1.9:86.6:11.5(モル比)である。すなわち、この複酸化物は、主成分金属元素がZrであり、ZrとLaとの複酸化物にSrがドープされているということができる。この複酸化物とPtとの比率は概略、複酸化物:Pt=40:1(質量比)である。フィルタ本体1L当たりの触媒材担持量は20g/L(Pt担持量は0.5g/L)である。
複酸化物の組成を、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:La2O3=4.8:83.8:11.4(モル比)となるようにする他は実施例2−1と同様にして、実施例2−2に係る触媒材及び触媒性能評価用サンプルを得た。
硝酸ジルコニルと硝酸ランタンと硝酸ストロンチウムと硝酸プラセオジムとをイオン交換水に溶かした混合溶液から上述の共沈法によってZrとLaとSrとPrとの複酸化物粉末を得た。その組成は、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:La2O3:Pr6O11=1.9:78.5:13.7:5.9(モル比)である。すなわち、このZrLaPrSr複酸化物は、主成分金属元素がZrであり、ZrとLaとPrとの複酸化物にSrがドープされているということができる。
複酸化物の組成を、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:La2O3:Pr6O11=4.8:76.2:13.3:5.7(モル比)となるようにする他は実施例2−3と同様にして、実施例2−4に係る触媒材及び触媒性能評価用サンプルを得た。
複酸化物の組成を、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:La2O3:Pr6O11=9.5:72.4:12.7:5.4(モル比)となるようにする他は実施例2−3と同様にして、実施例2−5に係る触媒材及び触媒性能評価用サンプルを得た。
硝酸ジルコニルと硝酸ランタンとをイオン交換水に溶かした混合溶液から上述の共沈法によってZrとLaとの複酸化物粉末を得た。このZrLa複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより、比較例2−1に係る触媒材を得た。この触媒材は、ZrLa複酸化物にPtが後担持されたものである(アルカリ土類金属不含)。この触媒材のPtを除く組成は、酸化物に換算して、ZrO2:La2O3=88:12(モル比)であり、Ptを除く成分全量とPtとの比率は概略、40:1(質量比)である。
比較例2−1と同様にしてZrLa複酸化物粉末を得た。このZrLa複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液及び酢酸ストロンチウム溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより、比較例2−2に係る触媒材を得た。この触媒材は、ZrLa複酸化物にPtとSrとが後担持されたものである。この触媒材のPtを除く組成は、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:La2O3=1.9:86.6:11.5(モル比)であり、Ptを除く成分全量とPtとの比率は概略、40:1(質量比)である。
硝酸ジルコニルと硝酸ランタンと硝酸プラセオジムとをイオン交換水に溶かした混合溶液から上述の共沈法によってZrとLaとPrとの複酸化物粉末を得た。このZrLaPr複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより、比較例2−3に係る触媒材を得た。この触媒材は、ZrLaPr複酸化物にPtが後担持されたものである。この触媒材のPtを除く組成は、酸化物に換算して、ZrO2:La2O3:Pr6O11=80:14:6(モル比)であり、Ptを除く成分全量とPtとの比率は概略、40:1(質量比)である。
比較例2−3と同様にしてZrLaPr複酸化物粉末を得た。このZrLaPr複酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液及び酢酸ストロンチウム溶液を添加して混合し、蒸発乾固することにより、比較例2−4に係る触媒材を得た。この触媒材は、ZrLaPr複酸化物にPtとSrとが後担持されたものである。この触媒材のPtを除く組成は、酸化物に換算して、SrO:ZrO2:La2O3=1.9:78.5:13.7:5.9(モル比)であり、Ptを除く成分全量とPtとの比率は概略、40:1(質量比)である。
上記実施例2−1乃至2−5及び比較例2−1乃至2−4の各触媒材のパティキュレート燃焼性能を評価すべく、上記触媒性能評価用サンプルを用いて先に説明した方法によりカーボン燃焼速度を測定した。各サンプルについては大気中で800℃の温度に24時間保持するエージングを行なった。カーボン燃焼速度の測定結果を表2、図8及び図9に示す。
2 排気ガス流入路(排気ガス通路)
3 排気ガス流出路(排気ガス通路)
5 隔壁(担体基材)
6 細孔(排気ガス通路)
7 触媒層
11 複酸化物の一次粒子
12 複酸化物の二次粒子
13 貴金属の一次粒子
Claims (4)
- 担体基材に触媒層が設けられ、その触媒層にエンジンの排気ガス中に含まれる粒子状物質を燃焼させるためのZrとYとSrと貴金属とを含有する触媒材が設けられている粒子状物質燃焼触媒であって、
上記触媒材においては、上記ZrとYとSrとが複酸化物を形成し、その複酸化物の主成分金属元素がZrであることを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。 - 請求項1において、
上記複酸化物に上記貴金属の溶液を接触させて焼成することによって上記貴金属が上記複酸化物に後担持されていることを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。 - 担体基材に触媒層が設けられ、その触媒層にエンジンの排気ガス中に含まれる粒子状物質を燃焼させるためのZrとLaとSrと貴金属とを含有する触媒材が設けられている粒子状物質燃焼触媒であって、
上記触媒材においては、上記ZrとLaとSrとが複酸化物を形成し、その複酸化物の主成分金属元素がZrであることを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。 - 請求項3において、
上記複酸化物に上記貴金属の溶液を接触させて焼成することによって上記貴金属が上記複酸化物に後担持されていることを特徴とする粒子状物質燃焼触媒。
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