JP2013059513A - ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 - Google Patents
ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013059513A JP2013059513A JP2011200148A JP2011200148A JP2013059513A JP 2013059513 A JP2013059513 A JP 2013059513A JP 2011200148 A JP2011200148 A JP 2011200148A JP 2011200148 A JP2011200148 A JP 2011200148A JP 2013059513 A JP2013059513 A JP 2013059513A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polychlorinated biphenyl
- powder
- oil
- mass
- recycling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
Abstract
【課題】PCBを分解して再生資材として有効に利用することを可能とする、新規のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法を提供する。
【解決手段】酸化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末、磁鉄鉱粉末からなる混合粉末に、ポリ塩化ビフェニルオイルを添加して混合し、水を添加して混合してポリ塩化ビフェニルオイルを鹸化分解する分解工程と、分解工程により得られた混合物を成形し、溶融させて固化させる固化工程とを含む。好ましくは、混合粉末は、酸化マグネシウム粉末を50〜80質量%、酸化カルシウム粉末を10〜40質量%、磁鉄鉱粉末を5〜10質量%含有する。
【選択図】なし
【解決手段】酸化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末、磁鉄鉱粉末からなる混合粉末に、ポリ塩化ビフェニルオイルを添加して混合し、水を添加して混合してポリ塩化ビフェニルオイルを鹸化分解する分解工程と、分解工程により得られた混合物を成形し、溶融させて固化させる固化工程とを含む。好ましくは、混合粉末は、酸化マグネシウム粉末を50〜80質量%、酸化カルシウム粉末を10〜40質量%、磁鉄鉱粉末を5〜10質量%含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、有害なポリ塩化ビフェニルオイルを資源化するポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法に関する。
ポリ塩化ビフェニル(PCB)オイルは、かつてトランスなどの機器の電気絶縁油などに多用されてきた。しかし、PCBは、毒性が高く安全に処理する必要がある。なお、PCBの代表的な処理方法は焼却であったが、焼却中にダイオキシンなどの新たな有害物質が発生する虞があった。このため、PCBの様々な処理方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、酸化カルシウム、二酸化ケイ素、マグネシウムを含有する処理剤を用い、カルシウムの分解作用と発熱反応を利用してPCBオイルを、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの無害な塩素化合物に変化させる方法が提案されている。
しかしながら、この方法は、処理後においてもPCBの残留量に大きなばらつきがあるばかりでなく、PCBオイルが一旦は無害な塩素化合物に分解されるものの、時間の経過とともに分解物が再びPCBに戻るという問題があった。
また、特許文献2には、CaOの分解作用と石英斑岩の発する遠赤外線とをPCBオイルに作用させてPCBオイルを粉末に分解し、この粉末を固化してペレットとした後、ガラスカレットとともにPCBの熱分解温度以上の温度で熱溶融させる方法が提案されている。この方法によれば、熱溶融により得られたスラグを冷却後、再生資材として利用することができる。
本発明は、上記特許文献2に記載の方法をさらに改良し、PCBを分解して再生資材として有効に利用することを可能とする、新規のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法を提供することを目的とする。
本発明のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法は、酸化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末、磁鉄鉱粉末からなる混合粉末に、ポリ塩化ビフェニルオイルを添加して混合し、水を添加して攪拌してポリ塩化ビフェニルオイルを鹸化分解する分解工程と、前記分解工程により得られた混合物を成形し、溶融させて固化させる固化工程とを含むことを特徴とする。
また、前記混合粉末は、酸化マグネシウム粉末を50〜80質量%、酸化カルシウム粉末を10〜40質量%、磁鉄鉱粉末を5〜10質量%含有するものである。
本発明の再生資材は、本発明のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法により得られたものである。
本発明のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法によれば、鹸化分解によりポリ塩化ビフェニルオイルを分解することができ、さらに固化させて再生資材として用いることができる。
本発明のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法は、酸化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末、磁鉄鉱粉末からなる混合粉末に、ポリ塩化ビフェニルオイルを添加して混合し、水を添加して攪拌してポリ塩化ビフェニルオイルを鹸化分解する分解工程と、前記分解工程により得られた混合物を成形し、溶融させて固化させる固化工程とを含むものである。
はじめの分解工程において、酸化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末、磁鉄鉱粉末を混合して混合粉末とする。酸化マグネシウム粉末は、つぎの固化工程においてペレットを高強度で固化させるための成分であり、好ましくは、混合粉末中に50〜80質量%含有させる。酸化カルシウム粉末は、ポリ塩化ビフェニルオイルを分解するための成分であり、好ましくは、混合粉末中に10〜40質量%含有させる。磁鉄鉱粉末は、得られた再生資材に遠赤外線効果を付与するための成分であり、好ましくは、混合粉末中に5〜10質量%含有させる。この混合粉末にポリ塩化ビフェニルオイルを添加して混合する。ポリ塩化ビフェニルオイルの添加量は、混合粉末100質量部に対して60〜80質量部とするのが好ましい。そして、水を添加する。水の添加量は、混合粉末100質量部に対して10〜20質量部とするのが好ましい。水を添加して攪拌すると、酸化カルシウム粉末は水と反応して発熱し、水酸化カルシウムを生じる。この水酸化カルシウムによりポリ塩化ビフェニルオイルが鹸化される。このとき、酸化カルシウム粉末が水と反応する際の発熱により、100〜200℃に温度が上昇する。この温度の上昇により、鹸化反応は速やかに進行し、攪拌を継続すると約1時間後にポリ塩化ビフェニルオイルは90〜95%分解される。
つぎの固化工程において、さらに水を添加して混合した後、混合物を型等に入れて成形してペレットとする。なお、型等に入れるときの混合物の含水率は好ましくは50〜60%とする。型等に入れて7〜10日程度放置すると固化してペレットが得られる。ペレットの形状としては、例えば、直径30〜50mmの玉状とすることができる。この固化中においてもポリ塩化ビフェニルオイルの鹸化反応が継続する。その後、このペレットを溶融炉等に投入して溶融させる。ここで、コークスを燃料とする溶融炉が好適に用いられ、コークスを燃料としたときの溶融温度は、例えば1600〜1700℃とすることができる。なお、ペレットには水酸化カルシウムが含まれるため、コークスを燃料としたときの溶融炉内に投入する必要のある石灰石を投入する必要はない。また、ペレットには酸化マグネシウムが含まれているため、セメントにより固化した場合よりも強度が高く、溶融炉等の熱風によってペレットが風化することが抑制される。したがって、溶融炉から発生する飛灰を少なくすることができ、環境にもよい。また、残存するポリ塩化ビフェニルオイルは、溶融時に完全に熱分解される。なお、ペレットにカレットやセメントなどを混合してから溶融してもよく、適宜変形実施可能である。カレットを混合した場合は、ペレットとカレットが溶融して一体化したスラッグが得られる。このスラッグは、必要に応じて粉砕した後、再生資材として使用することができる。
上記のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法により得られた再生資材は、磁鉄鉱が含まれているため、植物の生育に適した波長の遠赤外線を放射する。したがって、この再生資材を消波ブロック、漁礁などに用いれば、海草、藻類の生育が促進される。また、アスファルト舗装の骨材に用いれば、融雪効果に優れた道路を施工できる。さらに、この再生資材をビーズ状に加工して培地土に混合すれば、好気性バクテリアの増殖、植物の育成の促進という効果のほか、病害虫を防ぐ効果が得られる。
以下、本発明の実施例について説明する。予め調製した酸化マグネシウム粉末65質量%、酸化カルシウム粉末30質量%、磁鉄鉱粉末5質量%からなる混合粉末100kgをミキサーに投入し、さらに、PCBオイルを60〜70kg投入した。そして、攪拌羽根を回転させて、混合粉末とトランスオイルとを均一に攪拌し混合し、さらに、水10〜20kgを注入して攪拌した。混合物は時間の経過とともに温度が上昇し、約30分経過後に最大温度の約150℃に達した。約60分後に分析を行ったところ、PCBの約90%が分解していた。
つぎに、水を150kg加えて混合した後、混合物を型枠内に流し込み、1週間放置して固化させた。その後、クラッシャーで粉砕して30mm程度の大きさのペレットを得た。得られたペレットをカレットとともに溶融炉内に投入し、コークスを燃料として1700℃〜1800℃の高温下でペレットとカレットを溶融させ、再生資材を得た。
この再生資材は、ダイオキシン類は検出限界以下、重金属は土壌環境基準以下であって、土木資材、建築資材、農業用資材などの資材に活用できることが確認された。
Claims (3)
- 酸化マグネシウム粉末、酸化カルシウム粉末、磁鉄鉱粉末からなる混合粉末に、ポリ塩化ビフェニルオイルを添加して混合し、水を添加して攪拌してポリ塩化ビフェニルオイルを鹸化分解する分解工程と、前記分解工程により得られた混合物を成形し、溶融させて固化させる固化工程とを含むことを特徴とするポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法。
- 前記混合粉末は、酸化マグネシウム粉末を50〜80質量%、酸化カルシウム粉末を10〜40質量%、磁鉄鉱粉末を5〜10質量%含有する請求項1記載のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法。
- 請求項1又は2記載のポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法により得られた再生資材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011200148A JP2013059513A (ja) | 2011-09-14 | 2011-09-14 | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011200148A JP2013059513A (ja) | 2011-09-14 | 2011-09-14 | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013059513A true JP2013059513A (ja) | 2013-04-04 |
Family
ID=48184767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011200148A Pending JP2013059513A (ja) | 2011-09-14 | 2011-09-14 | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013059513A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001179211A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-03 | Miura Co Ltd | 塩素化有機化合物の分解処理剤及び分解処理方法 |
JP2001293104A (ja) * | 2000-03-02 | 2001-10-23 | Ryoji Watabe | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 |
JP2002257318A (ja) * | 2001-02-28 | 2002-09-11 | Ryoji Watabe | 廃棄物の焼却、溶解処理方法及び材料の製造方法 |
JP2003079760A (ja) * | 2001-09-10 | 2003-03-18 | Ryoji Watabe | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法と、ポリ塩化ビフェニルオイルの分解処理剤並びに再生資材 |
-
2011
- 2011-09-14 JP JP2011200148A patent/JP2013059513A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001179211A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-03 | Miura Co Ltd | 塩素化有機化合物の分解処理剤及び分解処理方法 |
JP2001293104A (ja) * | 2000-03-02 | 2001-10-23 | Ryoji Watabe | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 |
JP2002257318A (ja) * | 2001-02-28 | 2002-09-11 | Ryoji Watabe | 廃棄物の焼却、溶解処理方法及び材料の製造方法 |
JP2003079760A (ja) * | 2001-09-10 | 2003-03-18 | Ryoji Watabe | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法と、ポリ塩化ビフェニルオイルの分解処理剤並びに再生資材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2276022A1 (en) | Environmentally stable products derived from the remediation of contaminated sediments and soils | |
CA2276020A1 (en) | Process for preparing environmentally stable products by the remediation of contaminated sediments and soils | |
CN105130160A (zh) | 一种冶炼废渣协同固化含砷及其它重金属污泥的方法 | |
KR100771490B1 (ko) | 유·무기성 폐자원용 고화제의 제조방법 | |
CN107500580A (zh) | 一种通过制备地质聚合物实现污泥焚烧残渣中重金属高效固定的方法 | |
KR20080032386A (ko) | 분진을 이용한 고화제 제조방법 | |
JPWO2007055351A1 (ja) | 変性硫黄含有結合材及び変性硫黄含有資材の製造法 | |
JP2001191051A (ja) | 脱塩素化廃プラスチックの製造方法 | |
JP2013059513A (ja) | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 | |
WO2020104727A1 (en) | Process for producing foam glass | |
JP2010173912A (ja) | ペーパースラッジ焼却灰の水熱固化体の製造方法 | |
RU2008119181A (ru) | Способ получения асфальтобетонной смеси | |
JP2007223841A (ja) | 廃棄物スラグを主原料とする人工骨材の製造方法 | |
CN104446170A (zh) | 公路绿化专用砖块及其制备方法 | |
JP4514415B2 (ja) | 重金属溶出抑制材の製造方法 | |
KR20000063216A (ko) | 무기물 첨가제를 이용한 폐기물을 건축자재 및 토목재로재활용하는 방법 | |
JP2011136320A (ja) | 石綿の無害化処理方法 | |
JP2001293104A (ja) | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法 | |
KR102094796B1 (ko) | 알루미늄 광재를 이용한 발열성 고화제 제조방법 | |
TWI689687B (zh) | 處理焚化飛灰及其他廢棄物之方法 | |
JP2012020272A (ja) | 石綿系廃棄物並びにpcbの無害化処理方法と専用熔融炉 | |
JP2005041750A (ja) | 産業廃棄物再生骨材及びその製造方法 | |
KR102246061B1 (ko) | 고순도 산화알루미늄의 제조 방법 및 이의 제조 방법으로 제조된 고순도 산화알루미늄 | |
JP2003079760A (ja) | ポリ塩化ビフェニルオイルの資源化方法と、ポリ塩化ビフェニルオイルの分解処理剤並びに再生資材 | |
CA2880903A1 (en) | An inert material, a production method thereof from waste materials and industrial uses thereof |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140808 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150728 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151124 |