JP2013056286A - 海水淡水化システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】海水淡水化システム100Aは、逆浸透膜式海水淡水化装置18において逆浸透膜を用いて海水を淡水化する。逆浸透膜式海水淡水化装置18に供給される海水は、多糖類吸着処理装置16(16A,16B)によって、TEPを含む多糖類が吸着除去されている。多糖類吸着処理装置16に吸着された多糖類は、洗浄水供給装置19から供給される洗浄水によって洗浄される。このときの洗浄条件は、多糖類吸着処理装置16による処理前後の海水の多糖類濃度によって決定される。
【選択図】図1
Description
更に、洗浄条件決定手段は、洗浄条件として、多糖類吸着材を洗浄する洗浄水の流速、洗浄水の温度、及び洗浄時間のうちの少なくとも1つを決定することが好ましい。
(海水淡水化システム100Aの全体概要)
図1は、第1の実施の形態に係わる海水淡水化システム100Aの概要構成図である。
海水淡水化システム100Aは、取水ポンプP1、取水槽12、ろ過ポンプP2、前処理装置14、多糖類吸着処理装置16(図1では16A,16Bで表示)、砂ろ過装置30(図1では30A,30Bで表示)、処理水槽15、供給ポンプP3、高圧ポンプP4、逆浸透膜式海水淡水化装置18、水質分析装置(多糖類濃度計測手段)17、洗浄条件演算装置(洗浄条件決定手段)171A、洗浄水供給装置19、洗浄水加温装置190A、切換制御装置31、切換弁VA1〜VA5,VB1〜VB5、その他に洗浄水供給配管191A,191B,192A,192B、サンプリング配管122,160A,160B,162A,162B等を含んで構成されている。
水質分析装置17と切換制御装置31との間、切換制御装置31と洗浄条件演算装置171Aとの間、水質分析装置17と洗浄条件演算装置171Aとの間、洗浄条件演算装置171Aと洗浄水供給装置19との間、洗浄条件演算装置171Aと洗浄水加温装置190Aとの間、切換制御装置31と洗浄水加温装置190Aとの間はそれぞれ通信回線で接続されている。
多糖類吸着処理装置16は、例えば、ステンレス鋼製の上部が蓋で密閉された容器で構成され、その内部は、第1の処理水が流入する空間である下部プレナム16a、図示しない吸着材支持格子材で支えられて、その上に積層された鉱物性の多糖類吸着材16bとして用いられる、例えば、天然ゼオライトの粒子層、その上の処理水が収水される空間である上部プレナム16cから構成されている。
吸着材支持格子は、多糖類吸着処理装置16が落下しないような多糖類吸着処理装置16の粒子よりも目の細かい、例えば、ステンレス鋼製の網又はセラミック製の多孔板等で構成されている。
また、多糖類吸着処理装置16Aの上部プレナム16cと砂ろ過装置30Aの上部プレナム30aとを接続する配管には切換弁VA2が設けられ、多糖類吸着処理装置16Bの上部プレナム16cと砂ろ過装置30Bの上部プレナム30aとを接続する配管には切換弁VB2が設けられている。
砂ろ過装置30Aの下部プレナム30cから第2の処理水を排出する配管と、砂ろ過装置30Bの下部プレナム30cから第2の処理水を排出する配管と、は合流して処理水槽15の入口部に接続する。そして、砂ろ過装置30A,30Bそれぞれの第2の処理水を排出する配管には、切換弁VA3,切換弁VB3が介設されている。
また、切換弁VA3の上流側の配管には分岐点が設けられて排水管が接続され、切換弁VA5を介して海へ洗浄排水27を排出可能に構成されている。同様に切換弁VB3の上流側の配管には分岐点が設けられて排水管が接続され、切換弁VB5を介して海へ洗浄排水27を排出可能に構成されている。
なお、供給ポンプP3へは、処理水槽15の出口部から処理水槽15に一時貯留されている第2の処理水が供給される。
次に、図1を参照しながら多糖類吸着処理装置16の構成、特に、多糖類吸着材16bについてより詳細に説明する。
本実施の形態においては、海水中に含まれる有機物の内の多糖類の成分(多糖類成分)の中でも、特にTEP(Transparent Exopolymer Particles)の除去に着目する。TEPは、その分子量に対応する分子サイズがおよそ0.1μm〜5μmの透明粒子状有機物である。多糖類成分には、この他に、その分子量に対応する分子サイズがより小さい約0.1μm程度の低分子多糖等が含まれている。従って、多糖類吸着材16bは、数ナノメートルから数百ナノメートルの広範囲の幅の吸着用細孔を有していることが有効である。
本実施の形態の多糖類吸着処理装置16において用いられる多糖類吸着材16bとしては、前記したように例えば、天然ゼオライトを使用する。
本実施の形態で用いた天然ゼオライトはSiO2 70%、Al2O3 12%、Fe2O3 1.5%、CaO 3%等の組成比からなり、モルデナイト系結晶構造を有する。その粒径は10〜20mmである。
そこで、海水淡水化システム100Aは、多糖類吸着材16bへの多糖類吸着量を示す多糖類吸着材16b通過前の第1の処理水の多糖類濃度(第1の多糖類濃度)と、多糖類吸着材16b通過後の第2の処理水の多糖類濃度(第2の多糖類濃度)に基づいて、適切な洗浄条件を設定することによって、多糖類吸着処理装置16において多糖類を効率的に除去する。
以下、多糖類吸着処理装置16A及び砂ろ過装置30Aを用いた経路を系統A、多糖類吸着処理装置16B及び砂ろ過装置30Bを用いた経路を系統Bという。
多糖類吸着処理装置16に含まれる多糖類吸着材16bは、第1の処理水の流れによって鉱物結合力が低下して、極めて微細な粒子として糖分やTEP成分を含みながら第2の処理水の流れに同伴する場合がある。砂ろ過装置30(図1では30A,30Bと表示)は、前記のような多糖類吸着処理装置16から流れ出る多糖類吸着材16bの影響が、逆浸透膜式海水淡水化装置18に及ばないように設置されている。
次に、切換制御装置31の機能について説明する。切換制御装置31は、図示しない制御部を有しており、水質分析装置17、洗浄条件演算装置171A、洗浄水加温装置190Aと通信可能に接続している。そして、予め設定された時間、例えば、12時間にわたって前処理装置14から供給される第1の処理水を一方の系統の多糖類吸着処理装置16、砂ろ過装置30で処理した後、その系統の洗浄を行い、その間他方の系統の多糖類吸着処理装置16、砂ろ過装置30で第1の処理水を処理するように切換弁VA1〜VA5,VB1〜VB5の開閉切換を行う。
切換制御装置31の制御部は、切換弁VA1〜VA5,VB1〜VB5の開閉状態信号を取得している。また、切換制御装置31の制御部は、切換弁VA1〜VA5,VB1〜VB5の開閉制御を行って、系統A及び系統Bに対する前処理装置14からの第1の処理水の供給切り換えを行う。また、切換制御装置31は、A系統とB系統の2系統のうちの現在多糖類吸着処理を行っている多糖類吸着処理装置16、砂ろ過装置30の系統を切換弁VA1〜VA3,VB1〜VB3の開閉状態から判定して、水質分析装置17におけるサンプル水を取得するサンプリング配管160A/160Bの切換、サンプリング配管162A/162Bの切換を水質分析装置17にさせる。このために切換制御装置31の制御装置は、水質分析装置17に切換信号を送信する。
次に水分析装置の機能について説明する。水質分析装置17は、第1及び第2の処理水中の多糖類濃度及びTEP濃度を分析する。そのため、制御部と、サンプリング水をサンプリング配管122,160A,160B,162A,162Bから抽出するための、例えば、前記制御部により動作制御される図示しない多糖類濃度分析装置、TEP濃度分析装置、複数の三方弁を含んで構成されている。
より詳細には、水質分析装置17は、前処理装置14で処理された第1の処理水の一部を、水質分析用サンプル水122a(図1では( )内に表示)として、切換弁VA1,VB1よりも上流側の配管から分岐させたサンプリング配管122を介して水質分析装置17の制御部に動作制御される図示しない三方弁を経由して取得する。
また、水質分析装置17は、砂ろ過装置30A,30Bで処理された第2の処理水の一部を、水質分析用サンプル水160Aa,160Ba(図1では( )内に表示)として、切換弁VA3,VB3よりも上流側の配管から分岐させたサンプリング配管160A,160Bを介して水質分析装置17の制御部に動作制御される図示しない三方弁を経由して取得する。
次に、洗浄条件演算装置171Aの機能について説明する。洗浄条件演算装置171Aには、水質分析装置17による分析結果172が所定時間毎に入力され、A,B各系統において多糖類吸着材16bが新しいものと交換されてからの後記するTEP濃度比(多糖類濃度比)C/C0の値の履歴データと、洗浄に用いられた後記する洗浄パターンの履歴を記録する機能を有している。
また、洗浄条件演算装置171Aは、多糖類吸着処理装置16及び砂ろ過装置30に対する予め複数の洗浄パターンの洗浄条件が予め登録できるようになっている。
次に洗浄水供給装置19の機能について説明する。洗浄水供給装置19は、洗浄条件演算装置171Aからの洗浄信号170Aに基づいて、洗浄水を洗浄信号170Aによって設定された洗浄条件のうちの洗浄水の単位時間当たりの流量、洗浄時間で洗浄水加温装置190Aに供給する。そのため、洗浄水供給装置19は図示省略してあるが、制御部と処理水槽15から取水する配管と、取水した洗浄水を圧送する洗浄水供給ポンプと流量調整弁と、流量センサと、を含んでいる。
洗浄水供給装置19の制御部は、流量センサ検出された流量が洗浄信号170Aの指示する所要の流量となるように洗浄水供給ポンプの回転速度と流量調整弁の開度を制御する。
次に洗浄水加温装置190Aの機能について説明する。洗浄水加温装置190Aは、図示省略してあるが、制御部と、ヒータ出口水温を検出する温度センサと、洗浄水供給装置19から供給された洗浄水を加熱する、例えば、電気ヒータと、洗浄対象の多糖類吸着処理装置16A及び砂ろ過装置30のA系統と、多糖類吸着処理装置16B及び砂ろ過装置30BのB系統の一方に対して洗浄水供給配管191A又は191Bと洗浄水供給配管192A又は192Bの対応する配管を介して洗浄水を供給する図示しない切換弁と、を含んでいる。
洗浄水加温装置190Aの制御部は、洗浄水の温度が洗浄信号170Aの指示する所要の温度なるようにヒータによる加熱量を制御する。
ここで、洗浄水供給装置19、切換制御装置31、洗浄水加温装置190A、洗浄水供給配管191A,191B,192A,192B、切換弁VA1〜VA5,VB1〜VB5が特許請求の範囲に記載の「洗浄手段」を構成する。
もちろん、逆浸透膜式海水淡水化装置18から得られる淡水20や、別系統の上水道の水を用いても良いが、逆浸透膜式海水淡水化装置18から得られる淡水20を用いることは、海水淡水化システムの100Aの淡水20の生成効率が低下することになる。
これは、砂ろ過装置30に流れ出た多糖類吸着材16bにもTEPや低分子多糖類等が吸着されているので、これを脱着させるためである。
逆浸透膜式海水淡水化装置18は、逆浸透膜を用いて海水を淡水化する。逆浸透膜式海水淡水化装置18には、処理水槽15に一時貯留された第2の処理水が供給ポンプP3、高圧ポンプP4を経由して供給される。逆浸透膜式海水淡水化装置18に供給された第2の処理水は、逆浸透膜によってろ過され、濃縮排水24及び淡水20に分離される。淡水20は、図示しない貯水槽等に移され、各種の用途に用いられる。濃縮排水24は海に戻される。
なお、図1には、逆浸透膜式海水淡水化装置18が代表的に1基しか表示されていないが、逆浸透膜式海水淡水化装置18が並行に複数台設置されていても良いし、又、直列的に複数台設置されていても良いし、その両方の組み合わせであっても良い。
次に、海水淡水化システム100Aにおける多糖類吸着材の洗浄方法の詳細について図2から図4を参照しながら説明する。前記したように、海水淡水化システム100Aでは、前処理装置14から供給される第1の処理水に対して、切換制御装置31が一方の多糖類吸着処理装置16を所定時間連続して稼働させた後、他方の多糖類吸着処理装置16に第1の処理水の水流を切り換えて、一方の多糖類吸着処理装置16の稼働後の洗浄を行う。このとき、洗浄条件演算装置171Aは、例えば、一方の多糖類吸着処理装置16による第1の処理水の処理前後における水質分析装置17から送信されたTEP濃度に基づくTEP濃度比に基づいて、洗浄が必要か否かの判定と、洗浄が必要と判定された場合には、当該の複数の洗浄パターンの中から今回の洗浄パターンを選択する。
なお、図4に示した本実施の形態のTEP濃度はキサンタンガムを標準物質として定量化したものである。
TEP濃度比C/C0=(水質分析用サンプル水162aのTEP濃度計測値)/(水質分析用サンプル水122aのTEP濃度計測値)・・・(1)
ここで、水質分析用サンプル水162aは、図1中の水質分析用サンプル水162Aa,162Baのいずれかを示す。ここで「水質分析用サンプル水122aのTEP濃度計測値」が、特許請求の範囲に記載の「第1の多糖類濃度」に対応し、「水質分析用サンプル水162aのTEP濃度計測値」が、特許請求の範囲に記載の「第2の多糖類濃度」に対応する。
TEP除去率={(水質分析用サンプル水122aのTEP濃度)−(水質分析用サンプル水162aのTEP濃度)}×100/(水質分析用サンプル水122aのTEP濃度)・・・(2)
なお、図2には図示しないが、第(N+1)サイクル終了時の洗浄パターンを洗浄パターン1に戻した場合、第(N+2)サイクル中のTEP濃度比C/C0は0.2を超えることが確かめられた。
なお、洗浄パターン4では99℃の熱水を用いているが、90℃の熱水でもほぼ同程度の洗浄効果が得られた。図2における第1サイクル〜第N−1サイクルは、図3の期間1に対応する。また、図2における第Nサイクル及び第N+1サイクルは、図3の期間2に含まれる。
ちなみに、前記したように洗浄条件演算装置171Aは、多糖類吸着処理装置16A,16B、砂ろ過装置30A,30Bに対して、各回の洗浄が予め設定されている洗浄パターンのうちのどの洗浄パターンで行われたかの履歴を記録しておく機能を有している。
従って、水質分析装置17の分析結果がC/C0>0.2となったらすぐに洗浄パターンを切り換えるのではなく、洗浄後もC/C0>0.2となる状態が所定回数継続したら洗浄パターンを切り換えるようにしても良い。
全糖濃度は、ウロン酸濃度(図中「□」記号を付して示した線)及び中性糖濃度(図中「△」記号を付して示した線)を標準物質に用いて定量化して示したものであり、その単位はmg−Geq/Lである。ここで、「Geq」のうち「G」は、はグリコーゲンを意味し、「eq」は、相当(equivalent」)を意味し、つまり、「Geq」でグリコーゲン相当示す略号である。
本実施の形態によれば、水質分析装置17で多糖類吸着処理装置16の処理前後のTEP濃度比C/C0を算出することにより、多糖類吸着処理装置16の多糖類吸着材16bの吸着濃度が低下している度合いが容易に判定できる。また、洗浄条件演算装置171Aにおいて多糖類吸着処理装置16A,16B、砂ろ過装置30A,30Bに対して前回の洗浄が予め設定されている洗浄パターンどの洗浄パターンで行われたか履歴が記録されており、所定の時間の第1の処理水の処理を終えた時点の最寄りのTEP濃度比C/C0の結果に応じて、前回と同じ洗浄パターンを用いるか、更に、洗浄力が高い洗浄パターンを用いるのかを自動的に決定する。その結果、運転員に負担をかけず、又、洗浄水をより高温水にする必要がないのに、より高温水の洗浄パターンを選択して海水淡水化システム100Aの運転コストを増大させることを抑制できる。
また、多糖類吸着処理装置16の多糖類吸着材16bの吸着能力をより長期間にわたって再生維持できるので、鉱物性の多糖類吸着材16bである天然ゼオライトの交換頻度を低減でき、その意味からも海水淡水化システム100Aの運転コストを低減させることができる。
しかし、本実施形態では、前処理装置14において濁質分を主にろ過し、多糖類吸着処理装置16では、有機物や分子量の大きい多糖類を吸着する。そして、多糖類吸着処理装置16の洗浄も第2の処理水又は逆浸透膜式海水淡水化装置18から排出される濃縮排水24を用いる。従って多糖類は含まれておらず、容易に多糖類吸着材16bから多糖類を脱着できる。脱着された多糖類を含む洗浄排水26,27は、そのまま海に排出しても、多糖類吸着材16bから脱着された多糖類は元々海水中に含まれていたものであり、そのまま海に排水することに問題はない。
また、多糖類吸着処理装置16を通過後の第2の処理水のサンプリング水として、サンプリング配管160A/160Bのものを用いる代わりにサンプリング配管162A/162Bのものを用いるようにしても良い。
同様に、本実施の形態では、洗浄水供給配管192A,192Bは、砂ろ過装置30A,30Bの上部プレナム30aに接続され、切換弁VA5,VB5を含む排水管は、下部プレナム30c側に接続されているが、それに限定されるものではない。洗浄水供給配管192A,192Bは、砂ろ過装置30A,30Bの下部プレナム30cに接続され、切換弁VA4,VB4を含む排水管は、上部プレナム30a側に接続されている構成としても良い。
例えば、天然ゼオライトの多糖類吸着材16bの層は、第1の処理水を下部プレナム16aから昇流させる過程で多糖類成分を吸着するので、下層の天然ゼオライトの方がより多量の多糖類成分を吸着しており、洗浄水を順流で流すよりも逆流にした方が脱着した多糖類成分が短い距離で下部プレナムに至り、洗浄効率が高まる可能性が高い。砂ろ過装置30A,30Bについても同様のことが言える。
切換弁VA1,VB1は、オン・オフ弁ではなく開度調整により流量調整が可能な弁とし、例えば、前記した例において洗浄が終了した系統Aに対し切換制御装置31は、洗浄終了後は、切換弁VA1を所定の最小流量を流す開度に調整するとともに、切換弁VA2,VA3は全開状態とし、A系統にも第1の処理水を流すようにしても良い。このように洗浄が終了した系統に対して第1の処理水を所定の流量を通すことにより、その系統の多糖類吸着処理装置16、砂ろ過装置30の中で細菌が増殖することを抑制できる。
次に、図5を参照しながら第1の実施の形態の変形例に係わる海水淡水化システム100Bについて説明する。図5は、第1の実施の形態の変形例に係わる海水淡水化システム100Bの概要構成図である。
本変形例の海水淡水化システム100Bが第1の実施の形態の海水淡水化システム100Aと異なる点は、主に次の5点であり、(1)洗浄水供給装置19が削除され、(2)洗浄条件演算装置171Aが洗浄条件演算装置(洗浄条件決定手段)171Bに代わり、(3)洗浄水加温装置190Aが熱風制御装置190Bに代わり、(4)洗浄水供給配管191A,191B,192A,192Bが削除され、(5)多糖類吸着処理装置16A,16B及び砂ろ過装置30A,30Bが炉のような構成で内部に熱風又は加熱蒸気を吹き込む装置(洗浄用加熱大気供給ユニット41A,41B,44A,44B)を備えている点である。
洗浄条件演算装置171Bは、前記した洗浄パターンを示す洗浄信号170Bを熱風制御装置190Bに送信する。熱風制御装置190Bは、図5において制御信号線が省略されているが後記する洗浄用加熱大気供給ユニット41A,41B,44A,44Bを制御する。
図5において、多糖類吸着処理装置16(図5では16A,16Bと表示)には、洗浄用加熱大気供給ユニット41(図5では41A,41Bと表示)が下部プレナム16aに加熱空気又は加熱蒸気を供給するように設置されている。
多糖類吸着処理装置16Aの下部プレナム16a側には切換弁VA4を含む排水管が接続され、多糖類吸着処理装置16Bの下部プレナム16a側には切換弁VB4を含む排水管が接続され、第1の実施の形態と同様に切換制御装置31により開閉が制御される。
ちなみに、締切弁47も本変形例では、切換制御装置31により開閉が制御される。
なお、多糖類吸着処理装置16の洗浄条件と、砂ろ過装置30の洗浄条件とは、必ずし
も同じである必要はない。
ちなみに、本実施の形態の変形例での、洗浄パターンの一例として、例えば、「100℃の蒸気洗浄」、「100〜250℃以下の加熱空気洗浄」、「250〜500℃の加熱空気洗浄」等が挙げられる。発明者らの実験結果によれば、特に、「100℃の蒸気洗浄」及び「100〜250℃以下の加熱空気洗浄」は、TEP等の低沸点有機物の脱離に有効であり、「250〜500℃の加熱空気洗浄」は熱分解生成物の脱離に有効であった。
なお、加熱空気洗浄や蒸気洗浄において洗浄用加熱大気供給ユニット41,44からの加熱空気や加熱蒸気は、多糖類吸着処理装置16、砂ろ過装置30をワンスルーさせて排気口から排出する必要は無く、大部分を洗浄用加熱大気供給ユニット41,44に戻し、一部だけを排出するような循環加熱方式とすることが、熱効率上好ましい。
次に図6を参照しながら第2の実施の形態について説明する。
図6は、第2の実施の形態に係わる海水淡水化システム600の概要構成図である。
図1に示した海水淡水化システム100Aでは、多糖類吸着材として天然ゼオライトを用いた。海水淡水化システム600は、多糖類吸着材57bとして活性炭を用いている。
図6において、第1の実施の形態に係わる海水淡水化システム100A(図1参照)と同様の構成部分には、図1と同じ符号を付して重複する説明を省略する。
ここで、洗浄水供給装置19、切換制御装置31、洗浄水加温装置190A、洗浄水供給配管191A,191B、切換弁VA1,VA2,VA4,VB1,VB2,VB4が特許請求の範囲に記載の「洗浄手段」を構成する。
また、第1の実施の形態の効果の中で説明したように前処理にUF膜を用いる場合に生じる排水の処理の問題が無く、海水淡水化システム600の運転コストが低減できる。
12 取水槽
14 前処理装置
15 処理水槽
16A,16B 多糖類吸着処理装置
16b 多糖類吸着材
17 水質分析装置(多糖類濃度計測手段)
18 逆浸透膜式海水淡水化装置(逆浸透膜処理装置)
19 洗浄水供給装置(洗浄手段)
30A,30B 砂ろ過装置
31 切換制御装置(洗浄手段)
41A,41B,44A,44B 洗浄用加熱大気供給ユニット(洗浄手段)
57A,57B 多糖類吸着処理装置
57b 多糖類吸着材
122,160A,160B,162A,162B サンプリング配管
171A,171B 洗浄条件演算装置(洗浄条件決定手段)
190A 洗浄水加温装置(洗浄手段)
190B 熱風制御装置(洗浄手段)
191A,191B,192A,192B 洗浄水供給配管(洗浄手段)
SW 海水
VA1〜VA5,VB1〜VB5 切換弁(洗浄手段)
Claims (5)
- 逆浸透膜を用いた海水淡水化システムであって、
取水された海水を前処理する前処理装置と、
前記前処理装置により処理された第1の処理水に含まれる多糖類成分を多糖類吸着材を用いて吸着除去する多糖類吸着処理装置と、
前記多糖類吸着処理装置によって前記多糖類成分が除去された第2の処理水を、前記逆浸透透膜を用いて淡水化する逆浸透膜処理装置と、を備え、
更に、前記前処理装置からの前記第1の処理水中の第1の多糖類濃度、及び前記多糖類吸着処理装置によって前記多糖類成分が除去された後の前記第2の処理水の第2の多糖類濃度を計測する多糖類濃度計測手段と、
前記多糖類濃度計測手段によって測定された前記第1及び第2の多糖類濃度に基づいて、前記多糖類吸着材の洗浄条件を決定する洗浄条件決定手段と、
前記洗浄条件決定手段によって決定された洗浄条件に基づいて、前記多糖類吸着材を洗浄する洗浄手段と、
を備えることを特徴とする海水淡水化システム。 - 前記多糖類吸着処理装置は、1つの前記逆浸透膜処理装置に対して複数備えられ、
1つの前記多糖類吸着処理装置が前記洗浄手段によって洗浄されている間は、少なくとも他の1つの前記多糖類吸着処理装置によって前記多糖類成分の吸着除去を行い、前記逆浸透膜処理装置に対して前記第2の処理水の供給を継続可能とする構成であることを特徴とする請求項1に記載の海水淡水化システム。 - 前記多糖類吸着処理装置は、前記多糖類吸着材として、ゼオライト、活性炭、粘土層間化合物のいずれかを用いていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の海水淡水化システム。
- 前記洗浄条件決定手段は、前記洗浄条件として、多糖類吸着材を洗浄する洗浄水の流速、前記洗浄水の温度、及び洗浄時間のうちの少なくとも1つを決定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の海水淡水化システム。
- 前記洗浄条件決定手段は、前記多糖類吸着処理装置によって前記多糖類成分が除去された後の前記第2の処理水の前記第2の多糖類濃度と、前記多糖類吸着処理装置によって前記多糖類成分が除去される前の前記第1の処理水海水の前記第1の多糖類濃度との比に基づいて、前記洗浄条件を決定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の海水淡水化システム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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