JP2013056154A - 光イメージングプローブ及び関連する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分に小さく、又、十分堅牢なイメージングプローブを提供する。
【解決手段】光プローブ4は、トルクワイヤ34と、トルクワイヤ34内に位置する光ファイバ10と、光ファイバ10の一端と同軸であって、この一端と隣接して位置するビームダイレクタ18と、光ファイバ10及びビームダイレクタ18と隣接し、且つ、光ファイバ10及びビームダイレクタ18を覆って位置するオーバクラッディング26と、を含み、オーバクラッディング26は、光ファイバ10からビームダイレクタ18内を通過する光の全内部反射を引き起こすように、ビームダイレクタ18に隣接する隙間を定義している。光プローブ4は、光ファイバ10及びビームダイレクタ18と同軸であって、光ファイバ10とビームダイレクタ18との間に位置するビームエクスパンダ14及びビームシェイパ16を含む。
【選択図】図1A
【解決手段】光プローブ4は、トルクワイヤ34と、トルクワイヤ34内に位置する光ファイバ10と、光ファイバ10の一端と同軸であって、この一端と隣接して位置するビームダイレクタ18と、光ファイバ10及びビームダイレクタ18と隣接し、且つ、光ファイバ10及びビームダイレクタ18を覆って位置するオーバクラッディング26と、を含み、オーバクラッディング26は、光ファイバ10からビームダイレクタ18内を通過する光の全内部反射を引き起こすように、ビームダイレクタ18に隣接する隙間を定義している。光プローブ4は、光ファイバ10及びビームダイレクタ18と同軸であって、光ファイバ10とビームダイレクタ18との間に位置するビームエクスパンダ14及びビームシェイパ16を含む。
【選択図】図1A
Description
本発明は、主にイメージングプローブに関し、より具体的には、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)で用いるイメージングプローブに関する。
OCTイメージングカテーテルに微小レンズを使用すると、イメージングカテーテルのクロッシングプロファイルを小さくすることが可能である。これにより、カテーテルの、狭窄動脈内の病変に到達する能力が改善される。トルクワイヤ及びレンズは、血管の狭窄部分を通過する際のクロッシングプロファイルを低く保つ為に十分小さく設計しなければならず、又、迅速なイメージング及び引き戻しの為に十分堅牢に設計しなければならない。
本発明は、この必要性及び他の必要性に応えるものである。
一態様では、本発明は、イメージングプローブ及びその構成部品又はサブシステムに関する。一実施形態では、本発明は、イメージング光を管腔に伝送し、管腔内の構造物(例えば、管腔壁及び他の構造物)から散乱したイメージング光を収集することに好適なプローブに関する。一実施形態では、本プローブの構成部品として、キャップやオーバクラッディングなどの光学素子がある。光学素子は、レンズ材料(例えば、ドープシリカガラス、ボロシリケイトガラス、又は融点がシリカガラスより低いガラス)を含む一体構造から形成可能である。一実施形態では、光学素子は、球部分と、細長い管状部分とを含む。管状部分は、球部分を通して受光されたイメージング光を光コヒーレンストモグラフィプローブ又は他のデータ収集システムに向けることが可能であるような全内部反射を可能にするキャビティ(例えば、空間)の一部を定義する。一実施形態では、トルクワイヤが、キャップ(即ち、オーバクラッディング)と、その中に配置されたビームダイレクタとを回転させるように構成されている。これにより、管腔壁に関してOCTデータを収集することが可能である。
一実施形態では、本発明は、光プローブに関し、この光プローブは、トルクワイヤと、トルクワイヤ内に位置する光ファイバと、光ファイバの一端と同軸であって、この一端と隣接して位置する、角度を付けられたファイバ(即ち、ビームダイレクタ)と、光ファイバ及び角度を付けられたファイバと隣接し、且つ、光ファイバ及び角度を付けられたファイバを覆って位置するオーバクラッディングと、を含み、オーバクラッディングは、光ファイバから角度を付けられたファイバ内を通過する光の全内部反射を引き起こすように、角度を付けられたファイバに隣接する隙間を定義している。一実施形態では、光プローブは、光ファイバ及び角度を付けられたファイバと同軸であって、光ファイバと角度を付けられたファイバとの間に位置するビームエクスパンダ及びビームシェイパを含む。別の実施形態では、光プローブは、オーバクラッディングの一部を覆って位置するマーカバンドを更に含む。更に別の実施形態では、オーバクラッディングは、ドープシリカガラスから作成される。
一実施形態では、オーバクラッディング(即ち、キャップ)が、第1の光学素子、第2の光学素子、第3の光学素子、及び第1のキャビティからなるほぼ直線状の配列を取り囲んでおり、このオーバクラッディング(即ち、キャップ)は、第2のキャビティと連通しており、第2のキャビティは、ほぼ円筒形状(又は湾曲形状)であって、トルクワイヤの末端と、光ファイバが貫通しているエポキシシェルとによって一部が定義されている。一実施形態では、第1の光学素子、第2の光学素子、及び第3の光学素子は、光ファイバセグメント、ドープ光ファイバセグメント、ビームシェイパ、ビームエクスパンダ、角度研磨ファイバセグメント、及びビームダイレクタからなる群から選択される。
一実施形態では、オーバクラッディング(即ち、キャップ)は、第1の熱膨張係数を有しており、ビームダイレクタ(例えば、角度研磨ファイバ)、ビームエクスパンダ、又はビームシェイパのうちの1つ以上が、第1の熱膨張係数と異なるか同じである第2の熱膨張係数を有している。オーバクラッディングとそれ以外の光学素子とで熱膨張係数が異なると、構成部品間の熱的不整合の結果として、使用時にプローブに破損や損傷が発生する可能性がある。この不整合は、ある状況においては、他のパラメータ関係を維持する為に必要であり、例えば、オーバクラッディングと他の構成部品との間の融点の違い及び屈折率の整合を維持する為に必要である。実施形態によっては、熱的に不整合である材料同士を小さな表面積上で選択的に結合することにより、熱的に異質な材料同士を使用することが可能になる。
一実施形態では、ビームダイレクタとオーバクラッディング(即ち、キャップ)は、熱膨張係数は異なるが、屈折率が同じか、ほぼ同じである。更に、一実施形態では、ビームダイレクタからの光を受光するオーバクラッディングの円筒領域が選択的に加熱されて融解されて、オーバクラッディングがビームダイレクタと結合又は接合され、その一方で、ビームシェイパとオーバクラッディングとの境界面との間に隙間(即ち、キャビティ)が存在するか、定義される。一実施形態では、ビームエクスパンダとオーバクラッディングとの境界面との間に隙間(即ち、キャビティ)が存在するか、定義される。一実施形態では、光ファイバが中に配置されていて、且つ/又は、光ファイバと結合されているオーバクラッディングは、約100Hzを超える周波数で回転するように構成されている。同様に、張力負荷がかかり、トルクワイヤを引っ張る光ファイバは、引き戻し速度が毎秒約20mmを超える際の曲げ応力及び周応力に耐えるように構成されている。
本概要は、特定の概念を紹介する為にのみ与えられており、特許請求対象の重要又は不可欠な特徴を識別する為のものではない。
図面は、必ずしも正しい縮尺になっておらず、例示的原理を大まかに強調するものになっている。図面は、あらゆる側面において例示的であると見なすべきであり、本発明を限定することを意図したものではなく、本発明の範囲は、特許請求項によってのみ定義される。
血管の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)での使用に好適な光プローブ4の一実施形態を、図1Aに示す。又、図1Aに示したプローブに対して、幾分機能を追加した別の実施形態のプローブを、プローブ5として図1Bに示す。簡単な概要としては、光プローブ4、5は、トルクワイヤ34を含むトルクワイヤ部分6と、光ヘッド部分8とを含んでおり、光ヘッド部分8は、シングルモード光ファイバ10、ビームエクスパンダ14、ビームシェイパ16、及び角度研磨光ファイバ18(ビームダイレクタ18とも称される)を含んでいる。球状オーバクラッディング26(即ち、キャップ)の閉端22によって形成される空間30が、空間30と角度研磨ファイバ(ビームダイレクタ)18との境界面において、角度研磨ファイバ(ビームダイレクタ)18による光の全内部反射を引き起こす。
使用時には、所与のプローブ実施形態4、5を、カテーテルのシースに差し込み、血管内の関心対象の場所まで動かす。ファイバ10内を通る光が全内部反射されて角度研磨ファイバ18から出て、シース壁19を通って血管壁20に至る。光50は、シングルモードファイバ10内を通り、展開及び整形されてから、角度研磨ファイバ18で反射されてプローブ4、5の側面を通る。
オーバクラッディング(即ち、キャップ)26は、様々な方法で組み立て可能である。オーバクラッディングの形状は様々であってよく、例えば、細長い形状、管状、円筒状などであってよい。オーバクラッディング26は、様々な実施形態において、ドープされていてもされていなくてもよい単一材料である。一実施形態では、オーバクラッディング26は、球状端22との溶融プロセスにより作成されている。先端が鋭利なエッジになっている場合と比べて、この滑らかな球状端22により、光学アセンブリをシースに通すことが容易になっており、万一シースが捩れてもシースに穴を開ける危険が少ない。組み立て時には、管状オーバクラッディング26を、シングルモードファイバ10、及び光ファイバセグメント14、16、及び18の上を滑らせる。次に、これらを組み合わせたものを加熱して接着させ、オーバクラッディング26と角度研磨ファイバ18との間に隙間ができないようにする。これを行うのは、オーバクラッディング26と角度を付けられたファイバ18との間に隙間があると、光路が乱れるからである。
好ましい一実施形態では、オーバクラッディング26は、角度を付けられたファイバ18より融点が低いガラス又はプラスチックから作成される。一実施形態では、オーバクラッディング26は、ボロシリカ毛細管を含む。別の実施形態では、オーバクラッディング26は、ドープ又は修正されて、修正されない場合より融点が低くなったシリカガラス材料から作成される。従って、オーバクラッディング26は、ビームダイレクタ、又はプローブの他のシリカベースの構成部品に接続又は結合され、その際には、オーバクラッディング26が接続又は結合される構成部品を融解しないように選択的な加熱を行う。図1A及び図1Bに示したオーバクラッディング26は、管腔内への導入に好適な任意の幾何形状であってよい。図1Bに示したように、オーバクラッディング26は、光学素子が中に配置されるボアを形成している。一実施形態では、ボアは長さがBdであり、末端面表面は長さがUdである。
別の実施形態では、シリカの融点を下げる為にフッ素(F)をドープしたシリカを用いて、オーバクラッディング26を作成する。一実施形態では、シリカにドープするフッ素(F)は、約10±5重量%、又は5〜10重量%である。融点を低くすることは、オーバクラッディング26の取り付け時の温度を低くして、角度研磨ファイバ18へのダメージを小さくする為の配慮である。シリカは、ビームダイレクタ又は他の光学素子(ビームエクスパンダやビームシェイパなど)の構成部品の熱膨張係数により良く適合する。これにより、プローブ4、5に含まれる光学素子のうちの1つ以上の素子の熱膨張又は熱収縮に起因して発生し得る様々な応力及び力が小さくなる。
実質的に、張力は全て、光ファイバから与えられる。OCTイメージングデータ収集セッションの一環として、光ファイバ10は、OCTの引き戻し時に、トルクワイヤ34に力を伝達してトルクワイヤ34を引っ張る。トルクワイヤ34は、ねじり力を与えて、光ファイバ10及びオーバクラッディング26、従って、ビームダイレクタ18を回転させる。周応力などの様々な応力が、図1A及び図1Bに示した光ファイバ及び他の、エポキシ樹脂で接着された素子や突き合わせ結合された素子にかかる可能性がある。しかしながら、選択的加熱、オーバクラッディング26とビームダイレクタ18との間の隙間の低減、並びに熱膨張係数及び屈折率を整合させることにより、プローブの、破損に耐える復元性を向上させるとともに、プローブの光学特性及びデータ収集特性を向上させることも可能である。
一実施形態では、オーバクラッディング26の外径は、トルクワイヤ34の外径に近くなるように、且つ、ファイバ10よりかなり大きくなるように決定されている。これには利点が2つある。第1に、OCTイメージングスキャン時にオーバクラッディング26を血管から引き戻す際に、オーバクラッディング26の外面に泡が付く可能性が小さくなる。このような泡は、オーバクラッディング26の径がトルクワイヤ34の径より小さい場合には、特に付着しやすい。第2に、オーバクラッディング26の外面において、オーバクラッディング26の、ファイバ10より径が大きなところから光が出ることが可能になる。
一実施形態では、トルクワイヤ34にマーカバンド38が取り付けられている。この取り付けは、トルクワイヤ34をマーカバンド38に溶接するか、蝋付けするか、接着剤で接着することによって行う。次に、図1Aに示したように、ビームエクスパンダ14、ビームシェイパ16、及び角度を付けられたファイバ18を、オーバクラッディング26と共に、マーカバンド38内に滑り込ませ、オーバクラッディング26を、所定位置に、接着剤42で接続又は固定するか、加熱形成する。その結果、マーカバンド38は、角度を付けられたファイバ18の近くに固定されて位置する。これにより、血管造影における、角度を付けられたファイバ18の配置が簡略化される。マーカバンド38を、シース上に配置するのではなく、シース内のプローブ上に配置することにより、シースが伸びることによって、角度を付けられたファイバ18の位置が不正確になるのを防ぐことができる。マーカバンド38は、様々な手順及びイメージングイベントの間(例えば、血管造影イメージングの間)にプローブを追跡することに役立つ。
本デバイスでは、オーバクラッディング26用として低融点ガラスを選択することにより、ビームエクスパンダ14、ビームシェイパ16、及びビームダイレクタ18を含む内部マイクロレンズ又はビームダイレクタシステムの溶融シリカの分布屈折率プロファイルを歪ませないようにしている。このオーバクラッディングのガラスの屈折率は、ビームダイレクタ18の屈折率と整合されている。更に、オーバクラッディング26の接着/溶融領域は、熱応力を最小化する為に、角度研磨ファイバにある(小さな)光学的活性領域に局所化されている。
一実施形態では、この光学的活性領域は、関与長又はその一部である。ドープシリカキャップを使用すると、熱膨張係数がより良く整合するので、キャップとビームダイレクタ(例えば、角度研磨ファイバなど)との間に溶融結合を形成することが可能であり、これによって、集合応力がボロシリケートキャップの場合より格段に低くなる。一実施形態では、オーバクラッディング26のガラスを接着剤で角度研磨ファイバ18に接着してよい。オーバクラッディング26を接着剤で角度研磨ファイバ18に接着することにより、組み立てられたプローブの機械的応力が低減される。 或いは、オーバクラッディング26のガラスは、角度研磨ファイバ18の上部に配置された毛細管から形成可能である。
図1Bは、別のプローブ実施形態であり、これは、図1Aのものに対して形状が修正されており、又、他の特徴も修正されている。図1Bに示すように、プローブ5が描かれている。プローブ5は、関心対象の管腔の中に光を伝送し、管腔を定義している壁及び他の関心対象構造物(例えば、プラーク、病変、又は他の関心対象領域)から散乱した光を収集することに好適な光ファイバを含んでいる。一実施形態では、キャップ又はオーバクラッディング26は、プローブ5の一構成部品である。図1Bに示したように、光ファイバ10、トルクワイヤ6の一部、接着剤層42、マーカバンド38、及びエポキシ材料57の表面又は境界によって、キャビティ55が定義されている。一実施形態では、キャビティ55は空である。図に示したように、プローブ5の一方の端部であってオーバクラッディング26の中に、典型的にはガス又は流体を含むキャビティ30があり、一方、プローブ5の別の端部においては、やはり典型的にはガス又は流体を含むキャビティ55が、光ファイバ10を取り囲んでいる。
一実施形態では、角度研磨光ファイバを含み得るビームダイレクタ18が、光を管腔内に誘導して管腔壁に向ける。一実施形態では、ビームダイレクタ18は、プローブが管腔内を引っ張られる際に回転することにより、管腔壁に沿って円状又はらせん状のパターンの走査を行う。図示したエポキシ57は、一実施形態では、光ファイバ10を囲む対称形状又は非対称形状を形成している。
一実施形態では、光が受光され、ビームダイレクタ18から伝送される間の、実質的にオーバクラッディング22の長さ方向の距離を、関与長ILと称する。図示したように、関与長ILは、ビームダイレクタ18の長さ、又はこの長さより実質的に長いか短い、ある長さを含む距離を含んでよい。一実施形態では、関与長ILに沿って、オーバクラッディング26と関与長ILとの間に隙間がほぼなくなるように、オーバクラッディング26が選択的に加熱されている。一実施形態では、隙間は、オーバクラッディング26と、ファイバ10と同軸の光学素子との境界面に沿った、関与長ILの外側の領域によって定義される。
図示したように、オーバクラッディング26の一端面に、エポキシ材料57が塗布されている。一実施形態では、エポキシ材料57は、光ファイバ10及びビームエクスパンダ14とも接している。エポキシ材料57は、光ファイバ10の張力を緩和する。一実施形態では、エポキシ57は、切頭台又は切頭錐体の形状を形成しており、1つの面がオーバクラッディング26と接しており、1つの面がビームエクスパンダ14及びファイバ10と接している。図示したように、一実施形態では、ビームエクスパンダ14は、オーバクラッディング26のほぼ平坦な端面から突き出て、ファイバ10と突き合わせ結合されている。
図1Bに示したように、光ファイバ10は、図示した2つの端面においてビームエクスパンダ14と結合されている。更に、ビームエクスパンダ14は、図示したように、ビームシェイパ16と結合されている。同様に、ビームダイレクタ18も、ビームシェイパ16と結合されている。これらの各素子は、一実施形態では、ファイバセグメントを突き合わせ結合するか、重ね継ぐことにより結合可能である。図1Bに示したように、マーカバンド38は、溶接又は他の方法により、トルクワイヤ34と接続されており、例えば、トルクワイヤ34とマーカバンド38との接合部の図示した位置A及びBにおいて接続されている。
オーバクラッディング(即ち、キャップ)26は、様々な方法で組み立て可能である。一実施形態では、オーバクラッディング26は、ほぼ管状であって端部がフレア状又は球状である形状を有している。オーバクラッディング26は、球状端22との溶融プロセスにより作成可能である。先端が鋭利なエッジになっている場合と比べて、この滑らかな球形状22により、光学アセンブリをシースに通すことが容易になっており、万一シースが捩れてもシースに穴を開ける危険が少ない。
一実施形態では、このように隙間をなくすこと、又は大幅に減らすことは、オーバクラッディング26と光学素子の1つ(例えば、ビームダイレクタ18など)との間に熱膨張係数の不整合又は差があることから、光学系内の素子を破損又は破断する可能性を減らす為に、関与長に沿ってのみ行われる。
図2A及び図2Bは、ガラスオーバクラッディング26からの様々な距離における複数のビームプロファイルを示すビームプロファイル画像である。後掲の表1及び表2は、これらのビームプロファイルにわたって取得されたビーム強度の一覧である。ガラスオーバクラッディング設計においては、ガラスオーバクラッディング26から約1mmの場所で、ビームのフォーカスが最もシャープになる。半値全幅(FWHM)ビームサイズは、x方向(カテーテル軸に平行な面)に20ミクロン、y方向(カテーテル軸に垂直な面)に40ミクロンである。一般に、FWHMは小さいほどよい。FWHMが大きい場合は、画像内の個々の特徴の識別が困難である。FWHMの測定は、2つの平面において行う。これは、Y面にのみ円筒歪みがある為である。標準的な平坦なプローブ端の設計は、本ガラスオーバクラッディングと比較すると、Y方向のFWHMが非常に小さい。これは、周縁付近でビームのフォーカスがより良いことを示している。
図3は、本発明の一実施形態による、プローブの組み立て方法である。図3では、オーバクラッディングを有する光イメージングプローブの設計時又は組み立て時に実施する様々な方法ステップを示している。図に示したように、1つのステップでは、ビームダイレクタの融点に対する、オーバクラッディングの融点を選択する。これにより、オーバクラッディングとビームダイレクタとの間に隙間を作らずにオーバクラッディングとビームダイレクタとが結合されるように、オーバクラッディングの1つ以上の面を選択的加熱により融解又は収縮させることが可能である。ビームダイレクタ及びオーバクラッディングの光学的屈折率の整合も行われる。
残念なことに、上述の融点間の関係を制御しながら、オーバクラッディングの屈折率とビームダイレクタの屈折率とを整合させることは、結果として別の難題を引き起こす。特に、これらの制約は、オーバクラッディングの熱膨張係数とビームダイレクタの熱膨張係数とを整合させることにおいても難題を引き起こす。様々な実施形態では、これらの熱膨張係数を整合させて、同時に融点及び屈折率についての他の制約を満たすことは不可能である。従って、一実施形態では、これらは異なるように選択してよい。しかしながら、ビームダイレクタとオーバクラッディングとの間の隙間は、減らす必要がある。又、熱膨張係数のばらつきに起因する破断又は破損を防ぐ為には、オーバクラッディングと、光ファイバと同軸の素子とが結合されている部分の表面積を減らすことも必要である。この最後の課題は、オーバクラッディングとビームダイレクタとを、光学的活性領域及び/又は関与長に沿って結合することにより、緩和することが可能である。
本発明の態様、実施形態、特徴、及び実施例は、あらゆる点において例示的であると見なすべきであって、本発明を限定することを意図したものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。当業者であれば、特許請求対象となる本発明の趣旨及び範囲から逸脱することのない、他の実施形態、修正形態、及び使用法が明らかであろう。
本出願における見出し及び節は、本発明を限定することを意図したものではなく、各節は、本発明の任意の態様、実施形態、又は特徴に当てはまり得る。
本出願全体において、構成物が、特定の構成要素を有しているか、含んでいるか、又は備えているとして記載された場合、或いは、方法が、特定の方法ステップを有しているか、含んでいるか、又は備えているとして記載された場合、本教示の構成物は、列挙された構成要素で基本的に構成されている(又は構成されている)ものでもあるとし、本教示の方法も、列挙された方法ステップで基本的に構成されている(又は構成されている)ものでもあるとする。
本出願では、ある要素又は構成要素が、列挙された一連の要素又は構成要素に含まれるか、且つ/又は、列挙された一連の要素又は構成要素から選択されるものとして言及された場合は、その要素又は構成要素は、列挙された要素又は構成要素のうちのいずれか1つであってよく、且つ、列挙された要素又は構成要素のうちの2つ以上からなる群から選択されてもよいことを理解されたい。更に、本明細書に記載の構成物、装置、又は方法の要素及び/又は特徴を、本明細書において明示的であれ暗示的であれ、本教示の趣旨及び範囲から逸脱しない様々な方法で組み合わせることが可能であることを理解されたい。
語「含む(include、includes、又はincluding)」、「有する(have、has、又はhaving)」を使用することは、特に断らない限り、一般には、オープンエンドであり、非限定的であると理解されたい。
特に断らない限り、本明細書における単数形の使用は複数形の使用を含み、本明細書における複数形の使用は単数形の使用を含む。更に、特に断らない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形を含む。更に、特に断らない限り、定量値の前で語「約(about)」を使用した場合、本教示は、その特定の定量値自体も含む。
複数のステップの順序、又は特定の複数のアクションを実施する順序は、本教示が動作可能である限り、重要ではないことを理解されたい。更に、2つ以上のステップ又はアクションを同時に実施してよい。
値の範囲又は並びが与えられている場合、その、値の範囲又は並びの上限と下限との間に存在する各値は、個別に存在するものとし、且つ、本明細書において各値が具体的に列挙されているかのように本発明に包含される。更に、所与の範囲の上限及び下限の間の、上限及び下限を含む、より小さい範囲が、本発明において企図され、包含される。例示的な値又は範囲を列挙することは、所与の範囲の上限及び下限の間の、上限及び下限を含む他の値又は範囲を排除するものではない。
Claims (15)
- 光プローブであって、
回転するように構成されたトルクワイヤと、
前記トルクワイヤ内に位置する光ファイバと、
前記光ファイバの一端と同軸であって、前記一端と隣接して位置し、第1の熱膨張係数を有するビームダイレクタと、
前記光ファイバ及び前記ビームダイレクタと隣接し、且つ、前記光ファイバ及び前記ビームダイレクタを覆って位置するオーバクラッディングと、を備え、前記オーバクラッディングは、前記光ファイバから前記ビームダイレクタ内を通過する光の全内部反射を引き起こすように、前記ビームダイレクタに隣接する隙間を定義し、前記オーバクラッディングは、第2の熱膨張係数を有し、前記ビームダイレクタ及び前記オーバクラッディングは、関与長に沿って、隙間がほとんどなく結合されており、前記関与長の外側の、前記オーバクラッディングと前記ビームダイレクタとの境界面は、前記光プローブに対する応力を低減するように構成された1つ以上の隙間を定義している、
光プローブ。 - 前記光ファイバ及び前記ビームダイレクタと同軸であって、前記光ファイバと前記ビームダイレクタとの間に位置するビームエクスパンダ及びビームシェイパを更に備える、請求項1に記載の光プローブ。
- 前記オーバクラッディングの一部を覆って位置するマーカバンドを更に備える、請求項1又は2に記載の光プローブ。
- 前記第1の熱膨張係数及び前記第2の熱膨張係数は相異なる、請求項1から3のいずれか一項に記載の光プローブ。
- 光を伝送したり受光したりするように構成された光コヒーレンストモグラフィプローブキャップであって、
第1の端部と第2の端部と長手軸とを有し、ボア径を有するボアを定義する、細長い一体部材を備え、前記第2の端部は末端球状面を備え、前記細長い一体部材は、前記第1の端部から前記長手軸に沿って、前記球状面に移行する前まで、ほぼ円筒形状であり、前記細長い一体部材は、シリカ光ファイバの熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する、
光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。 - 前記ボア径は、前記シリカ光ファイバを受けるように決定される、請求項5に記載の光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。
- 前記細長い一体部材の一部が配置され、接着されるマーカバンドであって、前記シリカ光ファイバを受けるキャビティの一部を定義している前記マーカバンドを更に備える、請求項5又は6に記載の光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。
- 前記長手軸方向に向けられた光が前記長手軸にほぼ垂直な角度でビームダイレクタから伝搬するように、前記ボア内に配置された前記ビームダイレクタを更に備える、請求項5から7のいずれか一項に記載の光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。
- 前記細長い一体部材は、ガラス、プラスチック、ドープガラス、フッ素(F)ドープガラス、ボロン(B)ドープガラス、及びポリマーからなる群から選択される材料を含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。
- 前記ボア及び前記ビームダイレクタの両方によって定義される空気充填キャビティを更に備える、請求項8に記載の光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。
- 前記ビームダイレクタと光連通していて、少なくとも一部が前記ボア内に配置されている第1の光ファイバ部分を更に備える、請求項8又は9に記載の光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。
- 前記細長い一体部材の一部が配置され、接着されるマーカバンドであって、前記第1の光ファイバ部分を受けるように構成されたキャビティの一部を定義している前記マーカバンドを更に備える、請求項11に記載の光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。
- 前記空気充填キャビティは、前記ビームダイレクタと前記空気充填キャビティとの境界面で光の全内部反射を引き起こすように位置する、請求項9に記載の光コヒーレンストモグラフィプローブキャップ。
- 第1の材料を含み、光学アセンブリを受けるように構成されたキャップであって、前記光学アセンブリは第2の材料を含み、イメージングデータを収集するように構成されている、前記キャップを作成する方法であって、
(a)前記第1の材料の第1の融点が前記第2の材料の第2の融点より低くなるように前記第1の材料を選択するステップと、
(b)前記第1の材料の第1の屈折率を、前記第2の材料の第2の屈折率と整合させるステップと、
(c)ステップ(a)及び(b)を達成する為に、前記第1の材料の第1の熱膨張係数を、前記第2の材料の第2の熱膨張係数に対して不整合にするステップと、
(d)前記光学アセンブリの関与長に沿って前記第1の材料が前記第2の材料と結合して、前記第1の材料と前記第2の材料との境界面に沿って、前記関与長の先にも隙間が残るように、前記第1の材料を溶融するステップと、
を含む方法。 - 前記キャップにトルクワイヤを結合し、前記光学アセンブリの構成部品である光ファイバを前記キャップ内に配置するステップを更に含むか、且つ/又は、前記第1の材料にドープして前記第1の材料の融点を変化させるステップを更に含むか、且つ/又は、前記光ファイバの領域の周囲にエポキシを塗布して、前記光ファイバにかかる1つ以上の力を低減するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
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