JP2013055996A - 超音波診断装置および超音波画像生成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超音波トランスデューサ3から出力された受信信号は、受信信号処理部の入力保護回路41を通り、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅され、ローパスフィルタ44で高周波成分が除去されてA/Dコンバータ45でA/D変換された後、歪み補正部46により補正値テーブルを参照することでプリアンプ42の非線形性に起因した歪みが補正される。
【選択図】図2
Description
この受信フォーカス処理によって超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号が生成され、このようにして生成された診断領域内の複数の音線信号に基づいて、被検体内の断層画像情報であるBモード画像信号が生成される。
そこで、例えば、特許文献2には、A/Dコンバータの出力に対して所定値を加算する加算器と所定値を乗算する乗算器を備えることで、受信信号に含まれるオフセットを除去すると共に受信信号間のプリアンプの利得のばらつきを補正するようにした超音波診断装置が開示されている。このような構成とすることにより、精度のよい受信フォーカス処理を行って高画質の超音波画像を生成することができる。
ここで、補正値テーブルは、予め測定されたプリアンプへのアナログ入力とA/Dコンバータからのデジタル出力との入出力特性に基づいて作成されてもよく、あるいは、予め送信ビームの強度を低下させてプリアンプの線形領域のみで得られた無歪みの受信信号を収集することにより作成されてもよい。
歪み補正部は、送信ビーム波形から予想される無歪みのエコー波形をフィッティングすることにより受信信号の補正を行うことができる。あるいは、歪み補正部は、A/DコンバータでA/D変換された受信信号の飽和した時間幅に基づいて無歪みのエコー波形を推定することにより受信信号の補正を行うこともできる。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1と無線通信により接続された診断装置本体2とを備えている。
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
各受信信号処理部4は、受信制御部9の制御の下で、対応する超音波トランスデューサ3から出力される受信信号に対して直交検波処理又は直交サンプリング処理を施すことにより複素ベースバンド信号を生成し、複素ベースバンド信号をサンプリングすることにより、組織のエリアの情報を含むサンプルデータを生成して、サンプルデータをパラレル/シリアル変換部5に供給する。受信信号処理部4は、複素ベースバンド信号をサンプリングして得られるデータに高能率符号化のためのデータ圧縮処理を施すことによりサンプルデータを生成してもよい。
パラレル/シリアル変換部5は、複数の受信信号処理部4によって生成されたパラレルのサンプルデータを、シリアルのサンプルデータに変換する。
無線通信部6は、診断装置本体2との間で無線通信を行うことにより、サンプルデータを診断装置本体2に送信すると共に、診断装置本体2から各種の制御信号を受信して、受信された制御信号を通信制御部10に出力する。通信制御部10は、プローブ制御部11によって設定された送信電波強度でサンプルデータの送信が行われるように無線通信部6を制御すると共に、無線通信部6が受信した各種の制御信号をプローブ制御部11に出力する。
超音波プローブ1には、図示しないバッテリが内蔵され、このバッテリから超音波プローブ1内の各回路に電源供給が行われる。
なお、超音波プローブ1は、リニアスキャン方式、コンベックススキャン方式、セクタスキャン方式等の体外式プローブでもよいし、ラジアルスキャン方式等の超音波内視鏡用プローブでもよい。
通信制御部27は、本体制御部28によって設定された送信電波強度で各種の制御信号の送信が行われるように無線通信部21を制御する。
シリアル/パラレル変換部22は、無線通信部21から出力されるシリアルのサンプルデータを、パラレルのサンプルデータに変換する。データ格納部23は、メモリまたはハードディスク等によって構成され、シリアル/パラレル変換部22によって変換された少なくとも1フレーム分のサンプルデータを格納する。
画像生成部24は、データ格納部23から読み出される1フレーム毎のサンプルデータに受信フォーカス処理を施して、超音波診断画像を表す画像信号を生成する。画像生成部24は、整相加算部31と画像処理部32とを含んでいる。
表示制御部25は、画像生成部24によって生成される画像信号に基づいて、表示部26に超音波診断画像を表示させる。表示部26は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部25の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
本体制御部28は、操作者により操作部29から入力された各種の指令信号等に基づいて、診断装置本体2内の各部の制御を行うものである。
ローパスフィルタ44は、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅された受信信号から信号検出に用いられない高周波成分を除去する。A/Dコンバータ45は、受信制御部9から入力される変換開始信号に基づき、ローパスフィルタ44で高周波成分が除去されたアナログの受信信号をデジタル信号に変換する。
図3に示されるように、プリアンプ42に入力されるアナログ入力S1とA/Dコンバータ45からのデジタル出力S2との入出力特性を予め測定し、測定結果に基づいて、非線形領域におけるデジタル出力S2がアナログ入力S1に対して線形な関係を示す直線L上に補正されるような補正値テーブルを作成し、この補正値テーブルが予め歪み補正部46に内蔵されているものとする。
まず、超音波プローブ1の送信駆動部7から供給される駆動信号に従って複数の超音波トランスデューサ3から超音波が送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各超音波トランスデューサ3から出力された受信信号がそれぞれ対応する受信信号処理部4に供給される。
また、プリアンプ42により発生する歪みをA/D変換前にアナログ信号の段階で補正することも可能であるが、複雑なアナログ回路が必要となり、アナログ部における消費電力の増大化を招くこととなる。これに対し、この発明では、歪み補正部46がA/Dコンバータ45から出力されるデジタル出力を補正するため、より簡単な構成で歪み補正を行うことができる。
受信信号処理部4には、プリアンプ42に設定値を超える電圧の信号が入力されることを防止するための入力保護回路41が具備されているので、超音波トランスデューサ3から受信信号処理部4に設定値を超える電圧の受信信号が入力されると、例えば図4(A)に示されるような信号波形を有する受信信号の一部が入力保護回路41で飽和し、図4(B)に示されるように、飽和部分W1〜W3が欠落して歪んだ信号波形の受信信号がクリップされることとなる。その結果、A/Dコンバータ45でA/D変換された受信信号も飽和部分W1〜W3が欠落したものとなる。
歪み補正部46は、送信駆動部7から供給される駆動信号に従って超音波トランスデューサ3からの送信ビームの波形に基づいて無歪みのエコー波形を予想し、予想される波形をフィッティングすることによりA/Dコンバータ45でA/D変換された受信信号の補正を行う。
このようにすることで、欠落した飽和部分W1〜W3が波形P1〜P3で補われ、歪みが補正されたサンプルデータとして歪み補正部46から出力することができる。このため、受信信号が飽和した場合であっても、高画質の超音波画像の生成が可能となる。
図6に示されるように、A/Dコンバータ45でA/D変換された受信信号における飽和部分の時間幅T1〜T3を測定すれば、これら時間幅T1〜T3から飽和部分に対応する正弦波の半周期分の波形を推定することが可能となる。このようにして推定された半周期分の波形をそれぞれA/Dコンバータ45でA/D変換された受信信号の飽和部分に合成することで、歪みの補正を行うことができる。
このようにしても、歪み補正部46から歪みが補正されたサンプルデータを出力することができ、高画質の超音波画像の生成が可能となる。
Claims (8)
- アレイトランスデューサから被検体に向けて超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記アレイトランスデューサから出力される受信信号を受信信号処理部で処理することで得られる受信データに基づいて超音波画像を生成する超音波診断装置であって、
前記受信信号処理部は、前記アレイトランスデューサから出力される受信信号を増幅するプリアンプと、前記プリアンプで増幅された受信信号をA/D変換するA/Dコンバータと、前記A/DコンバータでA/D変換された受信信号に対して前記プリアンプの非線形性に起因した歪みを補正する歪み補正部とを備えていることを特徴とする超音波診断装置。 - 前記歪み補正部は、予め作成された補正値テーブルを参照することにより前記A/DコンバータでA/D変換された受信信号の補正を行う請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記補正値テーブルは、予め測定された前記プリアンプへのアナログ入力と前記A/Dコンバータからのデジタル出力との入出力特性に基づいて作成される請求項2に記載の超音波診断装置。
- 前記補正値テーブルは、予め送信ビームの強度を低下させて前記プリアンプの線形領域のみで得られた無歪みの受信信号を収集することにより作成される請求項2に記載の超音波診断装置。
- 前記受信信号処理部は、前記プリアンプの前段に配置された入力保護回路を備え、
前記歪み補正部は、前記アレイトランスデューサから出力される受信信号が前記入力保護回路で飽和することにより歪みを生じたときに、前記A/DコンバータでA/D変換された受信信号の補正を行う請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記歪み補正部は、送信ビーム波形から予想される無歪みのエコー波形をフィッティングすることにより受信信号の補正を行う請求項5に記載の超音波診断装置。
- 前記歪み補正部は、前記A/DコンバータでA/D変換された受信信号の飽和した時間幅に基づいて無歪みのエコー波形を推定することにより受信信号の補正を行う請求項5に記載の超音波診断装置。
- アレイトランスデューサから被検体に向けて超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記アレイトランスデューサから出力される受信信号を受信信号処理部で処理することで得られる受信データに基づいて超音波画像を生成する超音波画像生成方法であって、
前記アレイトランスデューサから出力される受信信号をプリアンプで増幅し、
前記プリアンプで増幅された受信信号をA/DコンバータでA/D変換し、
前記A/DコンバータでA/D変換された受信信号に対して前記プリアンプの非線形性に起因した歪みを補正することにより前記受信データを生成する
ことを特徴とする超音波画像生成方法。
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