JP2013063159A - 超音波診断装置および超音波画像生成方法 - Google Patents

超音波診断装置および超音波画像生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有効ビット長が十分でないA/Dコンバータを用いながらも高画質の超音波画像の生成を図ることができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】第1送信パルスに対応する受信信号のうち強度の大きな基本波成分のみがA/Dコンバータ46でデジタル化されてメモリ47に保存された後、D/Aコンバータ48でD/A変換されて加減算器45の第2入力端Bに入力されると共に、第1送信パルスに対してパルス反転された第2送信パルスに対応する受信信号が加減算器45の第1入力端Aに入力され、これら双方の信号が加減算器45により互いにアナログ的に加算されることで第2送信パルスに対応する受信信号から基本波成分が除去され、非線形成分のみが抽出されて出力端Cから出力され、A/Dコンバータ46でA/D変換される。
【選択図】図3

Description

この発明は、超音波診断装置および超音波画像生成方法に係り、特に、被検体による超音波エコーを受信したアレイトランスデューサから出力される受信信号を受信信号処理部で処理することで得られるサンプルデータに基づいて超音波画像を生成する超音波診断装置に関する。
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、超音波プローブのアレイトランスデューサから被検体内に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーをアレイトランスデューサで受信して、その受信信号を装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
例えば、特許文献1には、超音波エコーを受信したアレイトランスデューサから出力された受信信号が、それぞれ、プリアンプで増幅され、A/DコンバータでA/D変換されてデジタルのサンプルデータとされた後、適切な遅延を与えられることで互いに位相が合致した状態で加算され、これにより受信フォーカス処理を行う超音波診断装置が開示されている。
この受信フォーカス処理によって超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号が生成され、このようにして生成された診断領域内の複数の音線信号に基づいて、被検体内の断層画像情報であるBモード画像信号が生成される。
特開平4−232888号公報
このような超音波診断においては、超音波ビームが被検体内を進行するに従って減衰するので、深度が深くなるほど到達する超音波ビームの強度は小さくなる。また、被検体内の各部で反射されて超音波プローブに戻ってくる超音波エコーも、同様に進行するに従って減衰する。さらに、周波数依存減衰により中心周波数が低周波数側に移動する。その結果、アレイトランスデューサから出力される受信信号の振幅は、測定深度に応じて変化することとなる。
そこで、測定領域内の深度の浅い領域に対応する比較的大きな振幅の受信信号から深度の深い領域に対応する比較的小さな振幅の受信信号まで全域にわたる受信信号を良好な分解能でA/D変換し、高画質の超音波画像を生成するために、A/Dコンバータは、有効ビット長が長く、大きなダイナミックレンジを有することが望まれる。
しかしながら、有効ビット長の長いA/Dコンバータは極めて高価であり、また、超音波診断装置ではチャンネル毎にA/Dコンバータを設置するために多数のA/Dコンバータが用いられるので、通常、超音波診断装置に使用されているA/Dコンバータの有効ビット長は十分なものではないのが現状である。
また、A/Dコンバータの有効ビット長が十分でないことから、受信信号に含まれる非線形成分を良好な分解能でA/D変換することができないという問題も生じている。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、有効ビット長が十分でないA/Dコンバータを用いながらも高画質の超音波画像の生成を図ることができる超音波診断装置および超音波画像生成方法を提供することを目的とする。
この発明に係る超音波診断装置は、アレイトランスデューサから被検体に向けて送信パルスが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信したアレイトランスデューサから出力される受信信号をチャンネル毎に受信信号処理部で処理することで得られるサンプルデータに基づいて超音波画像を生成する超音波診断装置であって、受信信号処理部は、アレイトランスデューサから出力される受信信号をA/D変換する第1のA/Dコンバータと、第1のA/DコンバータでA/D変換された受信信号を保存する第1のメモリと、第1のメモリに保存された受信信号をD/A変換するD/Aコンバータと、アレイトランスデューサから出力される受信信号からD/AコンバータでD/A変換された信号をアナログ的に差し引くことによりアレイトランスデューサから出力される受信信号のうち強度の大きな信号部分を除去して強度の小さな信号部分を抽出する抽出器とを含み、抽出器で抽出された強度の小さな信号部分を用いてサンプルデータを生成するものである。
第1のメモリは、第1送信パルスに対応してアレイトランスデューサから出力されると共に第1のA/DコンバータでA/D変換された第1の受信信号を保存し、抽出器は、第2送信パルスに対応してアレイトランスデューサから出力される第2の受信信号からD/AコンバータでD/A変換された第1の受信信号を差し引くことで基本波成分を除去して非線形成分を抽出することができる。
抽出器で抽出された強度の小さな信号部分は、第1のA/DコンバータによりA/D変換することが好ましい。
第1送信パルスと第2送信パルスとして、互いにパルス反転されたものを用い、抽出器として、D/AコンバータでD/A変換された第1の受信信号を第2の受信信号に加算する加算器を用いてもよい。あるいは、第1送信パルスと前記第2送信パルスとして、互いに振幅変調されたものを用い、抽出器として、D/AコンバータでD/A変換された第1の受信信号の振幅を第2の受信信号の振幅に合わせた後に第2の受信信号から減算する減算器を用いてもよい。
また、第1のメモリは、アレイトランスデューサから出力された受信信号の振幅全体を第1のA/DコンバータでA/D変換した信号を保存し、抽出器は、アレイトランスデューサから出力された受信信号からD/AコンバータでD/A変換された信号を差し引くことで受信信号のうち振幅の小さな信号部分のみを抽出し、受信信号処理部は、抽出器で抽出された強度の小さな信号部分をA/D変換する第2のA/Dコンバータと、第2のA/DコンバータでA/D変換された振幅の小さな信号部分を保存する第2のメモリと、第1のメモリに保存された受信信号と第2のメモリに保存された振幅の小さな信号部分とを結合することによりサンプルデータを生成するデータ結合器とをさらに含むように構成することもできる。
この場合、受信信号処理部は、それぞれアレイトランスデューサから出力された受信信号を保持する一対のサンプルホールドと、一対のサンプルホールドのうち一方を選択的にアレイトランスデューサに接続すると共に他方を選択的に抽出器に接続する切替スイッチと、第1のメモリとD/Aコンバータとの間に接続されると共に切替スイッチの切替周期分だけ遅延させる遅延回路とをさらに含むことが好ましい。
この発明に係る超音波画像生成方法は、アレイトランスデューサから被検体に向けて超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信したアレイトランスデューサから出力される受信信号を処理することで得られるサンプルデータに基づいて超音波画像を生成する超音波画像生成方法であって、アレイトランスデューサから出力される受信信号をA/D変換し、A/D変換された受信信号を保存し、保存された受信信号をD/A変換し、アレイトランスデューサから出力される受信信号からD/A変換された信号をアナログ的に差し引くことによりアレイトランスデューサから出力される受信信号のうち強度の大きな信号部分を除去して強度の小さな信号部分を抽出し、抽出された強度の小さな信号部分を用いてサンプルデータを生成する方法である。
この発明によれば、アレイトランスデューサから出力される受信信号を第1のA/DコンバータでA/D変換した後にD/AコンバータでD/A変換された信号をアナログ的に差し引くことによりアレイトランスデューサから出力される受信信号のうち強度の大きな信号部分を除去して強度の小さな信号部分を抽出し、抽出された強度の小さな信号部分を用いてサンプルデータを生成するので、有効ビット長が十分でないA/Dコンバータを用いながらも高画質の超音波画像の生成を図ることが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1で用いられた受信信号処理部の内部構成を示すブロック図である。 互いにパルス反転された第1送信パルスおよび第2送信パルスを用いた場合の実施の形態1における受信信号処理部の作用を示し、(A)は第1送信パルスに対応した状態、(B)は第2送信パルスに対応した状態をそれぞれ示すブロック図である。 互いに振幅変調された第1送信パルスおよび第2送信パルスを用いた場合の実施の形態1における受信信号処理部の作用を示し、(A)は第1送信パルスに対応した状態、(B)は第2送信パルスに対応した状態をそれぞれ示すブロック図である。 実施の形態2で用いられた受信信号処理部の内部構成を示すブロック図である。 実施の形態2における受信信号処理部の作用を示すタイミングチャートである。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1と無線通信により接続された診断装置本体2とを備えている。
超音波プローブ1は、1次元又は2次元のアレイ状に配列された複数の超音波トランスデューサ3を有し、これら超音波トランスデューサ3にそれぞれ対応して受信信号処理部4が接続され、さらに受信信号処理部4にパラレル/シリアル変換部5を介して無線通信部6が接続されている。また、複数の超音波トランスデューサ3に送信駆動部7を介して送信制御部8が接続され、複数の受信信号処理部4に受信制御部9が接続され、無線通信部6に通信制御部10が接続されている。そして、パラレル/シリアル変換部5、送信制御部8、受信制御部9および通信制御部10にプローブ制御部11が接続されている。
複数の超音波トランスデューサ3は、それぞれ送信駆動部7から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各超音波トランスデューサ3は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子によって構成される。
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
送信駆動部7は、例えば、複数のパルサを含んでおり、送信制御部8によって選択された送信遅延パターンに基づいて、複数の超音波トランスデューサ3から送信される超音波が被検体内の組織のエリアをカバーする幅広の超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して複数の超音波トランスデューサ3に供給する。
各受信信号処理部4は、受信制御部9の制御の下で、対応する超音波トランスデューサ3から出力される受信信号に対して直交検波処理又は直交サンプリング処理を施すことにより複素ベースバンド信号を生成し、複素ベースバンド信号をサンプリングすることにより、組織のエリアの情報を含むサンプルデータを生成して、サンプルデータをパラレル/シリアル変換部5に供給する。受信信号処理部4は、複素ベースバンド信号をサンプリングして得られるデータに高能率符号化のためのデータ圧縮処理を施すことによりサンプルデータを生成してもよい。
パラレル/シリアル変換部5は、複数の受信信号処理部4によって生成されたパラレルのサンプルデータを、シリアルのサンプルデータに変換する。
無線通信部6は、シリアルのサンプルデータに基づいてキャリアを変調して伝送信号を生成し、伝送信号をアンテナに供給してアンテナから電波を送信することにより、シリアルのサンプルデータを送信する。変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)等が用いられる。
無線通信部6は、診断装置本体2との間で無線通信を行うことにより、サンプルデータを診断装置本体2に送信すると共に、診断装置本体2から各種の制御信号を受信して、受信された制御信号を通信制御部10に出力する。通信制御部10は、プローブ制御部11によって設定された送信電波強度でサンプルデータの送信が行われるように無線通信部6を制御すると共に、無線通信部6が受信した各種の制御信号をプローブ制御部11に出力する。
プローブ制御部11は、診断装置本体2から送信される各種の制御信号に基づいて、超音波プローブ1の各部の制御を行う。
超音波プローブ1には、図示しないバッテリが内蔵され、このバッテリから超音波プローブ1内の各回路に電源供給が行われる。
なお、超音波プローブ1は、リニアスキャン方式、コンベックススキャン方式、セクタスキャン方式等の体外式プローブでもよいし、ラジアルスキャン方式等の超音波内視鏡用プローブでもよい。
一方、診断装置本体2は、無線通信部21を有し、この無線通信部21にシリアル/パラレル変換部22を介してデータ格納部23が接続され、データ格納部23に画像生成部24が接続されている。さらに、画像生成部24に表示制御部25を介して表示部26が接続されている。また、無線通信部21に通信制御部27が接続され、シリアル/パラレル変換部22、画像生成部24、表示制御部25および通信制御部27に本体制御部28が接続されている。さらに、本体制御部28には、オペレータが入力操作を行うための操作部29と、動作プログラムを格納する格納部30がそれぞれ接続されている。
無線通信部21は、超音波プローブ1との間で無線通信を行うことにより、各種の制御信号を超音波プローブ1に送信する。また、無線通信部21は、アンテナによって受信される信号を復調することにより、シリアルのサンプルデータを出力する。
通信制御部27は、本体制御部28によって設定された送信電波強度で各種の制御信号の送信が行われるように無線通信部21を制御する。
シリアル/パラレル変換部22は、無線通信部21から出力されるシリアルのサンプルデータを、パラレルのサンプルデータに変換する。データ格納部23は、メモリまたはハードディスク等によって構成され、シリアル/パラレル変換部22によって変換された少なくとも1フレーム分のサンプルデータを格納する。
画像生成部24は、データ格納部23から読み出される1フレーム毎のサンプルデータに受信フォーカス処理を施して、超音波診断画像を表す画像信号を生成する。画像生成部24は、整相加算部31と画像処理部32とを含んでいる。
整相加算部31は、本体制御部28において設定された受信方向に応じて、予め記憶されている複数の受信遅延パターンの中から1つの受信遅延パターンを選択し、選択された受信遅延パターンに基づいて、サンプルデータによって表される複数の複素ベースバンド信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれたベースバンド信号(音線信号)が生成される。
画像処理部32は、整相加算部31によって生成される音線信号に基づいて、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。画像処理部32は、STC(sensitivity time control)部と、DSC(digital scan converter:デジタル・スキャン・コンバータ)とを含んでいる。STC部は、音線信号に対して、超音波の反射位置の深度に応じて、距離による減衰の補正を施す。DSCは、STC部によって補正された音線信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)し、階調処理等の必要な画像処理を施すことにより、Bモード画像信号を生成する。
表示制御部25は、画像生成部24によって生成される画像信号に基づいて、表示部26に超音波診断画像を表示させる。表示部26は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部25の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
本体制御部28は、操作者により操作部29から入力された各種の指令信号等に基づいて、診断装置本体2内の各部の制御を行うものである。
このような診断装置本体2において、シリアル/パラレル変換部22、画像生成部24、表示制御部25、通信制御部27および本体制御部28は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。上記の動作プログラムは、格納部30に格納される。格納部30における記録媒体としては、内蔵のハードディスクの他に、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM、SDカード、CFカード、USBメモリ等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
ここで、超音波プローブ1内における各受信信号処理部4の内部構成を図2に示す。受信信号処理部4は、対応する超音波トランスデューサ3に接続された入力保護回路41を有し、入力保護回路41にプリアンプ42、可変利得アンプ43およびローパスフィルタ44が順次接続され、ローパスフィルタ44が加減算器45の第1入力端Aに接続されている。加減算器45の出力端Cには、A/Dコンバータ46が接続され、さらに、A/Dコンバータ46にメモリ47が接続され、メモリ47にD/Aコンバータ48が接続され、D/Aコンバータ48の出力端が加減算器45の第2入力端Bに接続されている。
入力保護回路41は、超音波トランスデューサ3からプリアンプ42に設定値を超える電圧の信号が入力されることを防止する。プリアンプ42は、超音波トランスデューサ3から出力された受信信号を静的に増幅し、可変利得アンプ43は、動的に利得の調整を行う。ローパスフィルタ44は、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅された受信信号から信号検出に用いられない高周波成分を除去する。
加減算器45は、ローパスフィルタ44を介して第1入力端Aに入力される受信信号とD/Aコンバータ48から第2入力端Bに入力される信号を加算あるいは減算して出力端Cに出力する。
A/Dコンバータ46は、受信制御部9から入力される変換開始信号に基づき、加減算器45を介して入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。ただし、この受信信号処理部4に用いられているA/Dコンバータ46は、入力される受信信号を強度の大きな信号部分から強度の小さな信号部分までの全域にわたって良好な分解能でA/D変換するだけの十分な有効ビット長を有していない。このため、強度の大きな基本波成分と強度の小さな非線形成分の双方が含まれる受信信号がA/Dコンバータ46に入力されると、基本波成分に対しては良好な分解能でA/D変換が行われるが、非線形成分については十分な分解能でA/D変換されないこととなる。
さらに、メモリ47は、A/Dコンバータ46でA/D変換された信号を保存し、D/Aコンバータ48は、メモリ47に保存されたデジタル信号をアナログ信号に変換して加減算器45の第2入力端Bに入力させる。
実施の形態1においては、各受信信号処理部4が上述したような構成を有しており、互いに異なる第1送信パルスと第2送信パルスを順次送出してそれぞれ受信信号を受信信号処理部4で処理することにより、受信信号に含まれる非線形成分が取り出される。
第1送信パルスと第2送信パルスとしては、互いにパルス反転されたものを用いることができ、また、互いに振幅変調されたものを用いることもできる。
まず、互いにパルス反転された第1送信パルスおよび第2送信パルスを使用した際の実施の形態1の動作について説明する。このとき、加減算器45は、加算器として作用し、第1入力端Aに入力された信号と第2入力端Bに入力された信号を互いに加算して出力端Cから出力するものとする。
超音波プローブ1の送信駆動部7から供給される駆動信号に従って複数の超音波トランスデューサ3から第1送信パルスが送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各超音波トランスデューサ3から出力された受信信号がそれぞれ対応する受信信号処理部4に供給される。
図3(A)に示されるように、第1送信パルスに対応する受信信号は、受信信号処理部4の入力保護回路41を通り、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅され、ローパスフィルタ44で不要な高周波成分が除去された後、加減算器45の第1入力端Aに入力される。このとき、加減算器45の第2入力端Bには、まだ信号が入力されていないため、加減算器45の第1入力端Aに入力された受信信号は、そのまま加減算器45を通り、A/Dコンバータ46でA/D変換された後、メモリ47に保存される。
上述したように、A/Dコンバータ46は十分に長い有効ビット長を有していないので、メモリ47に保存された信号は、受信信号のうち主に強度の大きな基本波成分のみがデジタル化された信号である。
次に、超音波プローブ1の送信駆動部7から供給される駆動信号に従って複数の超音波トランスデューサ3から上記の第1送信パルスに対してパルス反転された第2送信パルスが送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各超音波トランスデューサ3から出力された受信信号がそれぞれ対応する受信信号処理部4に供給される。
図3(B)に示されるように、第2送信パルスに対応する受信信号は、受信信号処理部4の入力保護回路41を通り、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅され、ローパスフィルタ44で不要な高周波成分が除去された後、加減算器45の第1入力端Aに入力される。このタイミングに合わせて、メモリ47に保存されていた第1送信パルスに対応するデジタルの受信信号が、D/Aコンバータ48でD/A変換されて再びアナログ化され、加減算器45の第2入力端Bに入力される。これにより、第1入力端Aに入力された第2送信パルスに対応する受信信号と第2入力端Bに入力された第1送信パルスに対応する信号とが加減算器45により互いにアナログ的に加算される。
第1送信パルスと第2送信パルスは互いにパルス反転されたパルスであり、また加減算器45の第2入力端Bに入力された第1送信パルスに対応する信号は基本波成分のみを含むものであるため、加減算器45における加算により、第2送信パルスに対応する受信信号から基本波成分が除去され、非線形成分のみが抽出されて出力端Cから出力されることとなる。
その結果、第2送信パルスに対応する受信信号に含まれていた非線形成分がA/Dコンバータ46でA/D変換され、サンプルデータとしてメモリ47に保存される。このとき、強度の大きな基本波成分が除去され、強度の小さな非線形成分のみがA/Dコンバータ46に入力されるので、十分に長い有効ビット長を有していないA/Dコンバータ46においても、非線形成分を良好な分解能でA/D変換することができる。
このようにして生成されたサンプルデータがパラレル/シリアル変換部5でシリアル化された後に無線通信部6から診断装置本体2へ無線伝送される。診断装置本体2の無線通信部21で受信されたサンプルデータは、シリアル/パラレル変換部22でパラレルのデータに変換され、データ格納部23に格納される。さらに、データ格納部23から1フレーム毎のサンプルデータが読み出され、画像生成部24で画像信号が生成され、この画像信号に基づいて表示制御部25により超音波診断画像が表示部26に表示される。
同様にして、互いに振幅変調された第1送信パルスおよび第2送信パルスを用いることができる。例えば、第1送信パルスは、第2送信パルスに対して振幅が1/2に変調されたものとする。
この場合には、加減算器45は、減算器として作用し、第2入力端Bに入力された信号の振幅を第1入力端Aに入力された信号の振幅に合わせた後に第1入力端Aに入力された信号から減算して出力端Cから出力する。
図4(A)に示されるように、第1送信パルスに対応する受信信号は、受信信号処理部4の入力保護回路41を通り、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅され、ローパスフィルタ44で不要な高周波成分が除去された後、加減算器45の第1入力端Aに入力される。このとき、加減算器45の第2入力端Bには、まだ信号が入力されていないため、加減算器45の第1入力端Aに入力された受信信号は、そのまま加減算器45を通り、A/Dコンバータ46でA/D変換された後、メモリ47に保存される。
上述したように、A/Dコンバータ46は十分に長い有効ビット長を有していないので、メモリ47に保存された信号は、受信信号のうち主に強度の大きな基本波成分のみがデジタル化された信号である。
次に、第1送信パルスに対して振幅が2倍の第2送信パルスが送信されると、図4(B)に示されるように、第2送信パルスに対応する受信信号は、受信信号処理部4の入力保護回路41を通り、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅され、ローパスフィルタ44で不要な高周波成分が除去された後、加減算器45の第1入力端Aに入力される。このタイミングに合わせて、メモリ47に保存されていた第1送信パルスに対応するデジタルの受信信号が、D/Aコンバータ48でD/A変換されて再びアナログ化され、加減算器45の第2入力端Bに入力される。これにより、第2入力端Bに入力された第1送信パルスに対応する信号が第2送信パルスに対応する受信信号に合わせて振幅が2倍にされた後、第1入力端Aに入力された第2送信パルスに対応する受信信号からアナログ的に減算される。
加減算器45の第2入力端Bに入力された第1送信パルスに対応する信号は基本波成分のみを含むものであるため、加減算器45における減算により、第2送信パルスに対応する受信信号から基本波成分が除去され、非線形成分のみが抽出されて出力端Cから出力されることとなり、第2送信パルスに対応する受信信号に含まれていた非線形成分がA/Dコンバータ46でA/D変換され、サンプルデータとしてメモリ47に保存される。このとき、強度の大きな基本波成分が除去され、強度の小さな非線形成分のみがA/Dコンバータ46に入力されるので、十分に長い有効ビット長を有していないA/Dコンバータ46においても、非線形成分を良好な分解能でA/D変換することができる。
以上のように、実施の形態1によれば、A/Dコンバータ46で第1送信パルスに対応する受信信号をA/D変換して基本波成分のみを一旦デジタル化した後、D/Aコンバータ48でD/A変換して再びアナログ化したものを用いることにより、第2送信パルスに対応する受信信号から基本波成分を除去して非線形成分のみを取り出すことができる。このため、強度の大きな信号部分から強度の小さな信号部分までの全域にわたって良好な分解能でA/D変換するだけの十分な有効ビット長を有していないA/Dコンバータ46を使用しても、高画質の超音波画像を生成することが可能となる。
実施の形態2
図5に実施の形態2に係る超音波診断装置で用いられた受信信号処理部の内部構成を示す。この受信信号処理部は、それぞれ有効ビット長が十分でない2つのA/Dコンバータを受信信号のうち強度の大きな信号部分と強度の小さな信号部分とに分担させて用いることで、強度の大きな信号部分から強度の小さな信号部分までの全域にわたって良好な分解能でA/D変換するものである。
受信信号処理部は、対応する超音波トランスデューサ3に接続された入力保護回路41を有し、入力保護回路41にプリアンプ42、可変利得アンプ43およびローパスフィルタ44が順次接続され、ローパスフィルタ44にサンプルホールド51を介して第1のA/Dコンバータ46が接続され、さらに、第1のA/Dコンバータ46に第1のメモリ47が接続されている。
ローパスフィルタ44の出力端には、切替スイッチSW1を介して一対のサンプルホールド52および53が並列に接続され、これらサンプルホールド52および53にもう一つの切替スイッチSW2を介して減算器54の第1入力端Aが接続されている。
また、第1のメモリ47に遅延回路55を介してD/Aコンバータ48が接続され、D/Aコンバータ48の出力端が減算器54の第2入力端Bに接続されている。
減算器54の出力端Cには,第2のA/Dコンバータ56および第2のメモリ57が順次接続され、第1のメモリ47および第2のメモリ57にデータ結合器58が接続されている。
入力保護回路41、プリアンプ42、可変利得アンプ43、ローパスフィルタ44、A/Dコンバータ46、メモリ47およびD/Aコンバータ48は、それぞれ図2に示した実施の形態1における受信信号処理部4で用いられたものと同様である。
サンプルホールド51、52および53は、いずれも、超音波トランスデューサ3で受信され、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅された後、ローパスフィルタ44で不要な高周波成分が除去された受信信号を保持する。
切替スイッチSW1およびSW2は、図1に示した受信制御部9の制御の下、1クロック毎に接点G1と接点G2との間で切り替えられるように互いに連動して作動し、図5に示されるように、切替スイッチSW1が接点G1を選択してローパスフィルタ44が一方のサンプルホールド52に接続されたときは、切替スイッチSW2も接点G1を選択して他方のサンプルホールド53を減算器54の第1入力端Aに接続し、次のクロックにおいて、切替スイッチSW1が接点G2を選択してローパスフィルタ44が他方のサンプルホールド53に接続されると、切替スイッチSW2も接点G2を選択して一方のサンプルホールド52を減算器54の第1入力端Aに接続するように構成されている。すなわち、一対のサンプルホールド52および53が1クロック毎に交互にローパスフィルタ44と減算器54の第1入力端Aのいずれかに選択的に接続される。
減算器54は、第1入力端Aに入力された信号から第2入力端Bに入力された信号を減算して出力端Cに出力する。
遅延回路55は、第1のメモリ47に保存された受信信号を1クロック分だけ遅延させてD/Aコンバータ48に出力する。
第2のA/Dコンバータ56は、受信制御部9から入力される変換開始信号に基づき、減算器54の出力端Cから入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、第2のメモリ57は、第2のA/Dコンバータ56でA/D変換された信号を保存する。
データ結合器58は、第1のメモリ47と第2のメモリ57にそれぞれ保存された信号を互いに結合してサンプルデータを生成する。
なお、第1のA/Dコンバータ46および第2のA/Dコンバータ56は、いずれも、超音波トランスデューサ3で受信され、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅された受信信号を強度の大きな信号部分から強度の小さな信号部分までの全域にわたって良好な分解能でA/D変換するだけの十分な有効ビット長を有していない。このため、例えば第1のA/Dコンバータ46に受信信号が入力されると、受信信号のうち強度の大きな信号部分に対しては良好な分解能でA/D変換が行われるが、強度の小さな信号部分については十分な分解能でA/D変換されないこととなる。
次に、実施の形態2の作用について図6のタイミングチャートを参照して説明する。
超音波プローブ1の送信駆動部7から供給される駆動信号に従って複数の超音波トランスデューサ3から送信パルスが送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各超音波トランスデューサ3から出力された受信信号がそれぞれ対応する受信信号処理部に供給される。
なお、受信制御部9の制御により、時刻T1に切替スイッチSW1およびSW2がそれぞれ接点G1を選択するように切り替えられているものとする。
この状態で、超音波トランスデューサ3から出力された受信信号は、受信信号処理部の入力保護回路41を通り、プリアンプ42および可変利得アンプ43で増幅され、ローパスフィルタ44で不要な高周波成分が除去された後、時刻T2に信号S1としてサンプルホールド51に保持される。このとき、切替スイッチSW1は接点G1を選択しているため、サンプルホールド51に保持された信号S1と同じ信号S3が切替スイッチSW1を介してサンプルホールド52にも保持されることとなる。
サンプルホールド51に保持された信号S1は、続く時刻T3に第1のA/Dコンバータ46でA/D変換されてデジタルの信号S2となり、第1のメモリ47に保存される。
上述したように、第1のA/Dコンバータ46は十分に長い有効ビット長を有していないので、受信信号の振幅全体が第1のA/Dコンバータ46でA/D変換されるものの、第1のメモリ47に保存された信号S2は、受信信号のうち主に強度の大きな信号部分のみがデジタル化された信号となる。
時刻T1から1クロック分経過した時刻T4に、切替スイッチSW1およびSW2はそれぞれ接点G2を選択するように切り替えられ、時刻T2から1クロック分経過した時刻T5に、次の受信信号が信号S1としてサンプルホールド51に保持される。このとき、切替スイッチSW1およびSW2は接点G2を選択しているため、今度はサンプルホールド51に保持された信号S1と同じ信号S4が切替スイッチSW1を介してサンプルホールド53にも保持される。
また、サンプルホールド52は、切替スイッチSW1によりローパスフィルタ44との間が切断されると共に切替スイッチSW2により減算器54と接続されるため、時刻T5を過ぎても、このサンプルホールド52には、時刻T2にサンプリングした信号S3がそのまま保持され、切替スイッチSW2を介して減算器54の第1入力端Aに入力される。
一方、時刻T3に第1のA/Dコンバータ46でA/D変換されて第1のメモリ47に保存されたデジタルの信号S2は、遅延回路55で1クロック分だけ遅延された時刻T6に、D/Aコンバータ48でアナログ信号S5に変換され、減算器54の第2入力端Bに入力される。
これにより、減算器54の第1入力端Aに入力された信号S3から第2入力端Bに入力された信号S5がアナログ的に減算される。ここで、信号S3は、時刻T1にサンプルホールド52にサンプリングされたもので、受信信号の強度の大きな信号部分から強度の小さな信号部分までの振幅全域を含む信号であり、一方、信号S5は、第1のA/Dコンバータ46で一旦A/D変換されることにより受信信号のうち主に強度の大きな信号部分のみがデジタル化された信号S2をD/Aコンバータ48でアナログ信号に変換された信号である。このため、減算器54により信号S3から信号S5がアナログ的に減算されると、受信信号のうち強度の小さな信号部分が抽出されることとなる。
このようにして受信信号から抽出された強度の小さな信号部分が、減算器54の出力端Cから出力され、第2のA/Dコンバータ56でA/D変換された後、第2のメモリ57に保存される。このとき、このとき、強度の小さな信号部分のみが第2のA/Dコンバータ56に入力されるので、十分に長い有効ビット長を有していない第2のA/Dコンバータ56であっても、強度の小さな信号部分を良好な分解能でA/D変換することができる。
そして、第1のメモリ47に保存された信号S2、すなわち強度の大きな信号部分のみがデジタル化された信号と、第2のメモリ57に保存された強度の小さな信号部分のみがデジタル化された信号とがデータ結合器58で互いに結合され、サンプルデータとして出力される。
なお、同様にして、時刻T4から1クロック分経過した時刻T7に、切替スイッチSW1およびSW2はそれぞれ接点G1を選択するように切り替えられ、時刻T5から1クロック分経過した時刻T8に、次の受信信号が信号S1としてサンプルホールド51に保持されるが、この時刻T8を過ぎても、時刻T5にサンプルホールド53にサンプリングされた信号S4は、そのまま保持され、切替スイッチSW2を介して減算器54の第1入力端Aに入力される。
一方、時刻T6に第1のA/Dコンバータ46でA/D変換されて第1のメモリ47に保存されたデジタルの信号S2は、遅延回路55で1クロック分だけ遅延された時刻T9に、D/Aコンバータ48でアナログ信号S5に変換され、減算器54の第2入力端Bに入力される。
これにより、減算器54の第1入力端Aに入力された信号S4から第2入力端Bに入力された信号S5がアナログ的に減算されて、受信信号のうち強度の小さな信号部分が抽出され、第2のA/Dコンバータ56でA/D変換された後、第2のメモリ57に保存される。
そして、第1のメモリ47に保存された信号S2、すなわち強度の大きな信号部分のみがデジタル化された信号と、第2のメモリ57に保存された強度の小さな信号部分のみがデジタル化された信号とがデータ結合器58で互いに結合され、サンプルデータとして出力される。
このようにして、超音波トランスデューサ3から出力される受信信号に対応して順次データ結合器58からサンプルデータが出力される。
サンプルデータは、パラレル/シリアル変換部5でシリアル化された後に無線通信部6から診断装置本体2へ無線伝送される。診断装置本体2の無線通信部21で受信されたサンプルデータは、シリアル/パラレル変換部22でパラレルのデータに変換され、データ格納部23に格納される。さらに、データ格納部23から1フレーム毎のサンプルデータが読み出され、画像生成部24で画像信号が生成され、この画像信号に基づいて表示制御部25により超音波診断画像が表示部26に表示される。
以上のように、実施の形態2によれば、サンプルホールド52および53のいずれかでサンプリングして保持した受信信号から、第1のA/Dコンバータ46で受信信号の振幅全体をA/D変換して強度の大きな信号部分のみを一旦デジタル化した後にD/Aコンバータ48でD/A変換して再びアナログ化したものを差し引くことにより、受信信号のうち強度の小さな信号部分のみを取り出して第2のA/Dコンバータ56でデジタル化することができる。そして、第1のA/Dコンバータ46で強度の大きな信号部分のみをデジタル化した信号と第2のA/Dコンバータ56で強度の小さな信号部分のみをデジタル化した信号をデータ結合器58で結合することでサンプルデータが生成される。このため、強度の大きな信号部分から強度の小さな信号部分までの全域にわたって良好な分解能でA/D変換するだけの十分な有効ビット長を有していないA/Dコンバータ46を使用しても、高画質の超音波画像を生成することが可能となる。
上記の実施の形態1および2では、超音波プローブ1と診断装置本体2とが互いに無線通信により接続されていたが、これに限るものではなく、接続ケーブルを介して超音波プローブ1が診断装置本体2に接続されていてもよい。この場合には、超音波プローブ1の無線通信部6および通信制御部10、診断装置本体2の無線通信部21および通信制御部27等は不要となる。
1 超音波プローブ、2 診断装置本体、3 超音波トランスデューサ、4 受信信号処理部、5 パラレル/シリアル変換部、6 無線通信部、7 送信駆動部、8 送信制御部、9 受信制御部、10 通信制御部、11 プローブ制御部、21 無線通信部、22 シリアル/パラレル変換部、23 データ格納部、24 画像生成部、25 表示制御部、26 表示部、27 通信制御部、28 本体制御部、29 操作部、30 格納部、31 整相加算部、32 画像処理部、41 入力保護回路、42 プリアンプ、43 可変利得アンプ、44 ローパスフィルタ、45 加減算器、46 A/Dコンバータ、47 メモリ、48 D/Aコンバータ、51〜53 サンプルホールド、54 減算器、55 遅延回路、56 第2のA/Dコンバータ、57 第2のメモリ、58 データ結合器、SW1,SW2 切替スイッチ、A 第1入力端、B 第2入力端、C 出力端、G1,G2 接点、S1〜S5 信号、T1〜T9 時刻。

Claims (8)

  1. アレイトランスデューサから被検体に向けて送信パルスが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記アレイトランスデューサから出力される受信信号をチャンネル毎に受信信号処理部で処理することで得られるサンプルデータに基づいて超音波画像を生成する超音波診断装置であって、
    前記受信信号処理部は、
    前記アレイトランスデューサから出力される受信信号をA/D変換する第1のA/Dコンバータと、
    前記第1のA/DコンバータでA/D変換された受信信号を保存する第1のメモリと、
    前記第1のメモリに保存された前記受信信号をD/A変換するD/Aコンバータと、
    前記アレイトランスデューサから出力される受信信号から前記D/AコンバータでD/A変換された信号をアナログ的に差し引くことにより前記アレイトランスデューサから出力される受信信号のうち強度の大きな信号部分を除去して強度の小さな信号部分を抽出する抽出器と
    を含み、前記抽出器で抽出された強度の小さな信号部分を用いて前記サンプルデータを生成することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記第1のメモリは、第1送信パルスに対応して前記アレイトランスデューサから出力されると共に前記第1のA/DコンバータでA/D変換された第1の受信信号を保存し、
    前記抽出器は、第2送信パルスに対応して前記アレイトランスデューサから出力される第2の受信信号から前記D/AコンバータでD/A変換された前記第1の受信信号を差し引くことで基本波成分を除去して非線形成分を抽出する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記抽出器で抽出された強度の小さな信号部分は、前記第1のA/DコンバータによりA/D変換される請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記第1送信パルスと前記第2送信パルスは、互いにパルス反転されたものであり、
    前記抽出器は、前記D/AコンバータでD/A変換された前記第1の受信信号を前記第2の受信信号に加算する加算器である請求項2または3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記第1送信パルスと前記第2送信パルスは、互いに振幅変調されたものであり、
    前記抽出器は、前記D/AコンバータでD/A変換された前記第1の受信信号の振幅を前記第2の受信信号の振幅に合わせた後に前記第2の受信信号から減算する減算器である請求項2または3に記載の超音波診断装置。
  6. 前記第1のメモリは、前記アレイトランスデューサから出力された受信信号の振幅全体を前記第1のA/DコンバータでA/D変換した信号を保存し、
    前記抽出器は、前記アレイトランスデューサから出力された受信信号から前記D/AコンバータでD/A変換された信号を差し引くことで前記受信信号のうち振幅の小さな信号部分のみを抽出し、
    前記受信信号処理部は、
    前記抽出器で抽出された強度の小さな信号部分をA/D変換する第2のA/Dコンバータと、
    前記第2のA/DコンバータでA/D変換された前記振幅の小さな信号部分を保存する第2のメモリと、
    前記第1のメモリに保存された前記受信信号と前記第2のメモリに保存された前記振幅の小さな信号部分とを結合することにより前記サンプルデータを生成するデータ結合器と
    をさらに含む請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. 前記受信信号処理部は、
    それぞれ前記アレイトランスデューサから出力された受信信号を保持する一対のサンプルホールドと、
    前記一対のサンプルホールドのうち一方を選択的に前記アレイトランスデューサに接続すると共に他方を選択的に前記抽出器に接続する切替スイッチと、
    前記第1のメモリと前記D/Aコンバータとの間に接続されると共に前記切替スイッチの切替周期分だけ遅延させる遅延回路と
    をさらに含む請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. アレイトランスデューサから被検体に向けて超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記アレイトランスデューサから出力される受信信号を処理することで得られるサンプルデータに基づいて超音波画像を生成する超音波画像生成方法であって、
    前記アレイトランスデューサから出力される受信信号をA/D変換し、
    A/D変換された受信信号を保存し、
    保存された前記受信信号をD/A変換し、
    前記アレイトランスデューサから出力される受信信号から前記D/A変換された信号をアナログ的に差し引くことにより前記アレイトランスデューサから出力される受信信号のうち強度の大きな信号部分を除去して強度の小さな信号部分を抽出し、
    抽出された強度の小さな信号部分を用いて前記サンプルデータを生成する
    ことを特徴とする超音波画像生成方法。
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