以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る超音波検出装置、及び超音波検出装置を備える紙葉類処理装置について詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置100の外観を示す。
図1に示すように、紙葉類処理装置100は、装置外部に、投入部112、操作部136、操作表示部137、ドア138、取出口139、及びキーボード140を備えている。
投入部112は、例えば紙幣などの紙葉類1を投入するための構成である。投入部112は、重ねられた状態の紙葉類1をまとめて受け入れる。操作部136は、オペレータによる各種操作入力を受け付ける。操作表示部137は、オペレータに対して各種の操作案内、及び処理結果などを表示する。なお、操作表示部137は、タッチパネルとして構成されていてもよい。この場合、紙葉類処理装置100は、操作表示部137に表示されるボタンと、操作表示部137に対するオペレータによる操作と、に基づいて、各種の操作入力を検知する。
ドア138は、投入部112の投入口を開閉する為のドアである。取出口139は、紙葉類処理装置100により再流通不可と判断された紙葉類1がスタックされる集積部から紙葉類1を取り出す為の構成である。キーボード140は、オペレータによる各種操作入力を受け付ける入力部として機能する。
図2は、図1の紙葉類処理装置100の構成例を示す。
紙葉類処理装置100は、装置内部に、投入部112、取出部113、吸着ローラ114、搬送路115、検査部116、ゲート120乃至125、排除搬送路126、排除集積部127、集積・結束部128乃至131、裁断部133、及びスタッカ134を備える。また、紙葉類処理装置100は、主制御部151を備える。主制御部151は、紙葉類処理装置100の各部の動作を統合的に制御する。
取出部113は、投入部の上部に設けられる。取出部113は、吸着ローラ114を備えている。吸着ローラ114は、投入部112にセットされた紙葉類1を集積方向の上端に接するように設けられている。即ち、吸着ローラ114は、回転することにより、投入部112にセットされた紙葉類1を集積方向の上端から1枚ずつ装置内部に取り込む。吸着ローラ114は、たとえば、1回転するごとに1枚の紙葉類1を取出すように機能する。これにより、吸着ローラ114は、紙葉類1を一定のピッチで取出す。吸着ローラ114により取り込まれた紙葉類1は、搬送路115に導入される。
搬送路115は、紙葉類1を紙葉類処理装置100内の各部に搬送する。搬送路115は、図示しない搬送ベルト及び駆動プーリなどを備えている。搬送路115は、図示しない駆動モータ及び駆動プーリにより搬送ベルトを動作させる。搬送路115は、吸着ローラ114により取り込まれた紙葉類1を搬送ベルトにより一定速度で搬送する。なお、搬送路115における取出部113に近い側を上流側、スタッカ134に近い側を下流側として説明する。
取出部113から延びた搬送路115上には、検査部116が設けられている。検査部116は、画像読取装置117、画像読取装置118、超音波検出装置135、及び厚み検査部119を備えている。検査部116は、紙葉類1の光学的特徴情報、機械的特徴、及び磁気的特長情報を検出する。これにより、紙葉類処理装置100は、紙葉類1の種類、汚損度、及び真偽などを検知する。
画像読取装置117、及び118は、それぞれ搬送路115を挟んで対面するように設けられている。画像読取装置117、及び118は、搬送路115を搬送される紙葉類1の両面の画像を読み取る。画像読取装置117、及び118は、それぞれ、Charge Coupled Device(CCD)カメラを備える。紙葉類処理装置100は、画像読取装置117、及び118により撮像した画像に基づいて、紙葉類1の表面及び裏面の模様画像を取得する。
画像読取装置117、及び118は、読み取った画像を検査部116内の図示しないメモリに一時的に記憶する。紙葉類処理装置100は、このメモリに記憶されている画像を操作入力に応じて操作表示部137に表示する。
超音波検出装置135は、搬送される紙葉類1に対して超音波を照射し、紙葉類1を透過する透過波を検出する。これにより、超音波検出装置135は、例えば、紙葉類1の形状、強度、異物貼付の有無、切れ、及び真偽(authentication)などを検知する。
厚み検査部119は、搬送路115を搬送される紙葉類1の厚みを検査する。例えば、検出した厚みが規定値以上である場合、紙葉類処理装置100は、紙葉類1の2枚取りを検出する。
また、検査部116は、図示しない磁気センサなどを備えている。磁気センサは、紙葉類1の磁気的な特徴情報を検出する。
主制御部151は、画像読取装置117、118、超音波検出装置135、厚み検査部119、及び磁気センサなどによる検出結果に基づいて、各種の判定を行う。例えば、主制御部151は、紙葉類1の種類(category)または券種(denomination)を判定する。
また、主制御部151は、紙葉類1の真偽を判定する。すなわち、主制御部151は、紙葉類1が真券(genuine)であるか、偽券(counterfeit)であるかを判定する。
また、主制御部151は、紙葉類1の正損(fitness)を検知する。即ち、主制御部151は、紙葉類1が再流通可能(recirculatable)な正券(fit sheet)であるか、再流通不可能(unrecirculatable)な損券(unfit sheet)であるかを判定する。
さらに、主制御部151は、紙葉類1が排除券であるか否か判定する。すなわち、主制御部151は、偽券と判定された紙葉類1、または厚み検査部119により重なりが検知された紙葉類1を、排除券と判定する。すなわち、排除券は、正券及び損券に該当しない紙葉類1である。
紙葉類処理装置100は、正券と判定した紙葉類1を集積・結束部128乃至131に搬送する。また、紙葉類処理装置100は、損券と判定した紙葉類1を裁断部133に搬送する。裁断部133は、搬送される損券を裁断する。なお、紙葉類処理装置100は、損券をスタッカ134に搬送し集積してもよい。例えば、スタッカ134は、集積した損券が例えば100枚に到達するごとに施封を行う。
紙葉類処理装置100は、排除券と判定した紙葉類1を排除集積部127に搬送する。排除券は、例えば、2枚取り券などの搬送異常券、折れまたは破れなどが存在する不良券、及び適用外券種または偽券などの判別不能券を含む。
検査部116の下流側の搬送路115上には、ゲート120乃至125が順に配設されている。ゲート120乃至125は、それぞれ、主制御部151により制御される。主制御部151は、検査部116による検査の結果に基づいて各ゲート120乃至125の動作を制御する。これにより、主制御部151は、搬送路115を搬送されている紙葉類1を所定の処理部に搬送するように制御する。
検査部116の直後に配設されたゲート120は、搬送路115を排除搬送路126に分岐する。即ち、ゲート120は、検査部116による検査の結果、真券ではないと判定された排除券、または、検査部116による検査を行うことができない検査不能券等を排除搬送路126に搬送するように切り替えられる。
排除搬送路126の終端部には、排除集積部(排除部)127が設けられている。排除集積部127は、取出部113にて取出した姿勢のまま、上記したような排除券、及び検査不能券を集積する。排除集積部127に集積された紙葉類1は、取出口139から取り出すことができる。
また、ゲート121乃至124により分岐される先には、集積・結束部128乃至131(総じて集積結束部132と称する)がそれぞれ設けられている。集積・結束部132には、再流通可能であると判定された紙葉類1が種類及び表裏毎に区別されて集積される。集積・結束部132は、集積した紙葉類1を所定枚数毎に結束して格納する。
ゲート125により分岐される先には、裁断部133が配設されている。裁断部133は、紙葉類1を裁断して収納する。ゲート125に搬送される紙葉類1は、正規の紙葉類1であり、且つ、再流通が不可能であると判定された紙葉類1(損券)である。
また、ゲート125により分岐される他方の搬送路の先には、スタッカ134が配設されている。主制御部151は、損券裁断モードが選択されている場合、紙葉類1を裁断部133に搬送するようにゲート125を制御する。また、主制御部151は、損券裁断モードが選択されていない場合、紙葉類1をスタッカ134に搬送するようにゲート125を制御する。
なお、主制御部151は、集積・結束部132に集積された紙葉類1の枚数、及び、裁断部133により裁断された紙葉類1の枚数及び識別情報を逐次記憶する。
図3は、図1及び図2の紙葉類処理装置100の制御系の構成例を示す。
紙葉類処理装置100は、主制御部151、検査部116、搬送制御部152、集積・結束制御部153、裁断制御部156、操作表示部137、及びキーボード140などを備える。
主制御部151は、紙葉類処理装置100の全体的な制御を司る。主制御部151は、操作表示部137により入力される操作、及び検査部116による検査結果に基づき、搬送制御部152及び集積・結束制御部153を制御する。
例えば、操作員は、操作表示部137またはキーボード140により、処理する紙葉類1に対する各種の判定における閾値、紙葉類1の供給元の名称、及び処理方法などを入力する。
検査部116は、画像読取装置117、及び118、厚み検査部119、超音波検出装置135、その他のセンサ類154、及びCPU155を備える。
画像読取装置117、及び118は、搬送路115を搬送される紙葉類1の両面の画像を読み取る。画像読取装置117、及び118は、例えばCCDなどの受光素子と光学系とを備える。画像読取装置117、及び118は、搬送される紙葉類1に対して光を投光し、反射光または透過光を光学系により受光する。画像読取装置117、及び118は、光学系により受光した光をCCDに結像させ、電気信号(画像)を取得する。
主制御部151は、紙葉類1の基準となる画像(基準画像)を記憶部151aに予め記憶する。主制御部151は、紙葉類1から取得した画像と、記憶部151aに記憶される基準画像とを比較することにより、紙葉類1に対する各種の判定を行う。
超音波検出装置135は、上記したように、搬送される紙葉類1に対して超音波を照射する。超音波検出装置135は、紙葉類1を透過する音波を検出する。また、記憶部151aは、超音波検出装置135の検出結果と比較する閾値を予め記憶する。主制御部151は、超音波検出装置135の検出結果と記憶部151aに記憶されている閾値とに基づいて、紙葉類1に対する各種の判定を行う。
厚み検査部119は、搬送路115を搬送される紙葉類1の厚みを検査する。その他のセンサ類154は、例えば、磁気センサなどである。磁気センサは、搬送路115を搬送される紙葉類1から磁気的な特徴情報を検出する。
CPU155は、画像読取装置117、118、厚み検査部119、超音波検出装置135、及びその他のセンサ類154などの動作の制御を行う。また、CPU155は、主制御部151とデータの伝送を行う。すなわち、CPU155は、検査部116の各部における検知結果を主制御部151に伝送することができる。
搬送制御部152は、主制御部151の制御に基づき、取出部113、搬送路115、排除搬送路126、及びゲート120乃至125を制御する。これにより、搬送制御部152は、紙葉類1の取り込み及び搬送を制御する。また、搬送制御部152は、判定した紙葉類1の種類毎に区分する区分処理を行う。即ち、搬送制御部152は、区分処理部として機能する。
例えば、搬送制御部152は、損券と判定された紙葉類1を裁断部133、またはスタッカ134に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。また、搬送制御部152は、排除券と判定された紙葉類1を排除集積部127に搬送するようにゲート120乃至125を制御する。
集積・結束制御部153は、主制御部151の制御に基づき、排除集積部127及び集積・結束部128乃至131を制御する。これにより、集積・結束制御部153は、紙葉類1の集積、及び結束の制御を行なう。
裁断制御部156は、主制御部151の制御に基づき、裁断部133の動作を制御する。これにより、裁断部133は、搬送される紙葉類1の裁断を行う。
図4乃至6は、図2及び図3の超音波検出装置135の構成例を示す。図4は、図5に示すX方向から見た超音波検出装置135の例を示す。図5は、超音波検出装置135の一部の配置の例を示す。また、図6は、図5に示すY方向から見た超音波検出装置135の例を示す。
超音波検出装置135は、紙葉類1を透過する超音波(透過波)を紙葉類1の全域から検出する。超音波検出装置135は、検出した値と、予め真券に対する処理結果から生成されたパラメータとを比較することにより、紙葉類1の真偽を判定する。
例えば、超音波検出装置135は、検出した値の平均的な分布、分布範囲、特徴的なレベル頻度、または特徴的な分布に基づいて紙葉類1の真偽を判定する。これらの値は、紙葉類1の厚み、密度、紙葉類1の繊維のパターン、または表面の状態などに応じて変動する。この結果、超音波検出装置135は、紙葉類1が真券であるか否かをより高い精度で判定することができる。
超音波検出装置135は、例えば紙葉類処理装置100の搬送路115の近傍に設置される。
図4に示されるように、超音波検出装置135は、第1の送信センサ50、第1の受信センサ60、第2の送信センサ70、第2の受信センサ80、制御部90、及び判定部92を備える。なお、図4に示す矢印aは、紙葉類1の搬送方向を示す。
第1の送信センサ50は、搬送方向aに一定の速度で搬送される紙葉類1に対して超音波を照射する送信部である。第1の送信センサ50は、搬送路115を挟んで第1の受信センサ60と対向する位置に設置される。第1の送信センサ50は、圧電素子を備える。圧電素子は、圧電体と、圧電体を挟持するように設けられる1対の電極とを有する。
第1の送信センサ50は、圧電素子の電極に電圧を印加することにより、圧電体の形状を変化させる。圧電素子の電極にパルス信号が印加される場合、第1の送信センサ50は、圧電体を振動させる。この結果、第1の送信センサ50は、超音波を発生させることができる。
なお、紙葉類1を透過する超音波は、超音波の入射角により透過率が変動する。この為、第1の送信センサ50は、紙葉類1に対する超音波の入射角が最適となるように設置される。なお、最適角度は、紙葉類1の材質及び構造により異なる。図4に示すように、第1の送信センサ50は、照射される超音波の向きが、紙葉類1が搬送される搬送面Pに対して角度αを成すように設けられる。
第1の受信センサ60は、第1の送信センサ50から送信されて紙葉類1を透過した透過波を検出する受信部である。第1の受信センサ60は、搬送路115を挟んで第1の送信センサ50と対向する位置に設置される。第1の受信センサ60は、第1の送信センサ50と同様に、圧電素子を備える。
第1の受信センサ60は、圧電体の形状の変化に応じて信号を生成する。第1の受信センサ60に超音波が照射される場合、圧電体は、超音波の強度及び周期に応じて形状が変化する。即ち、第1の受信センサ60は、超音波の強度及び周期に応じた信号を生成する。これにより、第1の受信センサ60は、紙葉類1を透過した透過波を検出する。なお、第1の受信センサ60は、搬送面Pに対して第1の送信センサ50と同じ角度で設置される。
即ち、第1の送信センサ50及び第1の受信センサ60は、紙葉類1が搬送される搬送面Pに対してαの角度を成す軸S上に設けられる。第1の送信センサ50は、軸Sと平行に伝播する超音波を出力する。即ち、第1の送信センサ50は、超音波を出力する面(振動面)が軸Sと直交するように設置される。また、第1の受信センサ60は、超音波が入射する面(振動面)が軸Sと直交するように設置される。
なお、第1の受信センサ60は、図5に示すように、圧電素子がダイシングされて形成される複数のチャネル60a乃至60hを備える。第1の受信センサ60は、各チャネル毎に超音波を検出し、超音波の強度に応じた信号を生成する。即ち、第1の受信センサ60の各チャネルは、それぞれ異なる範囲から超音波を検出することができる。なお、このチャネル数は一例であり、チャネル数及び各チャネルのサイズは、第1の受信センサ60の分解能に応じて決定される。
第1の受信センサ60は、搬送されている紙葉類1から連続して複数のチャネルにより超音波を検出することにより、紙葉類1の全域から超音波を検出することができる。なお、第1の受信センサ60によるスキャンの周期は、第1の受信センサの振動面のサイズ及び第1の受信センサ60の分解能に応じて決定される。
第1の送信センサ50は、上記の搬送面P上の所定の範囲(照射範囲)に対して超音波を照射する。なお、第1の送信センサ50は、搬送面P上の紙葉類1が搬送される範囲に照射範囲が形成されるように構成される。
また、第1の受信センサ60は、上記した搬送面P上の所定の範囲(検出範囲)から超音波を受信する。第1の受信センサ60は、紙葉類1が搬送される範囲を含む大きさで検出範囲が形成されるように構成される。
第1の受信センサ60は、検出範囲に紙葉類1が存在する場合、第1の送信センサ50から射出されて紙葉類1を透過した超音波(透過波)を検出する。また、第1の受信センサ60は、検出範囲に紙葉類1が存在しない場合、第1の送信センサ50から射出されて第1の受信センサ60に直接入射する超音波(ダイレクト波)を検出する。
第2の送信センサ70は、搬送方向aに一定の速度で搬送される紙葉類1に対して超音波を照射する送信部である。第2の送信センサ70は、搬送路115を挟んで第2の受信センサ80と対向する位置に設置される。
第2の送信センサ70は、第1の送信センサ50と同様の構成を備える。即ち、第2の送信センサ70は、圧電素子を備え、圧電素子にパルス信号を印加することにより、超音波を発生させることができる。
なお、図6に示すように、第2の送信センサ70は、照射される超音波の向きが、紙葉類1が搬送される搬送面Pに対して角度βを成すように設けられる。なお、上記の角度αと角度βとはイコールであってもよい。
第2の受信センサ80は、第2の送信センサ70から送信されて紙葉類1を透過した透過波を検出する受信部である。第2の受信センサ80は、搬送路115を挟んで第2の送信センサ70と対向する位置に設置される。第2の受信センサ80は、第2の送信センサ70と同様に、圧電素子を備える。
第2の受信センサ80は、圧電体の形状の変化に応じて信号を生成する。第2の受信センサ80に超音波が照射される場合、圧電体は、超音波の強度及び周期に応じて形状が変化する。即ち、第2の受信センサ80は、超音波の強度及び周期に応じた信号を生成する。これにより、第2の受信センサ80は、紙葉類1を透過した透過波を検出する。なお、第2の受信センサ80は、搬送面Pに対して第2の送信センサ70と同じ角度で設置される。
即ち、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80は、紙葉類1が搬送される搬送面Pに対してβの角度を成す軸T上に設けられる。第2の送信センサ70は、軸Tと平行に伝播する超音波を出力する。即ち、第2の送信センサ70は、超音波を出力する面(振動面)が軸Tと直交するように設置される。また、第2の受信センサ80は、超音波が入射する面(振動面)が軸Tと直交するように設置される。
第2の送信センサ70は、上記の搬送面P上の所定の範囲(照射範囲)に対して超音波を照射する。なお、第2の送信センサ70は、搬送面P上の紙葉類1が搬送される範囲に照射範囲が形成されるように構成される。
また、第2の受信センサ80は、上記した搬送面P上の所定の範囲(検出範囲)から超音波を受信する。第2の受信センサ80は、紙葉類1が搬送される範囲を含む大きさで検出範囲が形成されるように構成される。
第2の受信センサ80は、検出範囲に紙葉類1が存在する場合、第2の送信センサ70から射出されて紙葉類1を透過した超音波(透過波)を検出する。また、第2の受信センサ80は、検出範囲に紙葉類1が存在しない場合、第2の送信センサ70から射出されて第2の受信センサ80に直接入射する超音波(ダイレクト波)を検出する。なお、第2の受信センサ80は、1つのチャネルを有する受信センサであるとして説明する。
当該超音波検出装置135は、第1の受信センサ60と第2の受信センサ80とにより、異なる二方向における超音波の透過特性を検出することができる。即ち、上記したように、第1の送信センサ50、第1の受信センサ60、第2の送信センサ70、及び第2の受信センサ80が設置されている場合、第1の送信センサ50は、軸Sに対応する第1の方向で紙葉類1に対して超音波を照射する。第1の受信センサ60は、第1の方向で紙葉類1を透過した透過波を受信し、信号を検出する。また、第2の送信センサ70は、軸Tに対応する第2の方向で紙葉類1に対して超音波を照射する。第2の受信センサ80は、第2の方向で紙葉類1を透過した透過波を受信し、信号を検出する。
超音波の透過特性は、紙葉類1を形成する繊維のパターンにより異なる。この為、超音波検出装置135は、第1の方向の超音波の透過特性が真券と同様である場合であっても、第2の方向の超音波の透過特性が真券と異なる場合、偽券であると判定することができる。即ち、超音波検出装置135は、上記したように、二方向の超音波の透過特性を検出し、予め設定されたパラメータとそれぞれ比較することにより、紙葉類1が真券であるか否かをより高い精度で判定することができる。
なお、上記の軸Tと軸Sとは、少なくとも平行ではないことが条件となる。即ち、軸Tと軸Sとは、交差の関係、またはねじれの関係にあることが条件となる。
なお、図5に示す例において、X方向とY方向とが直交し、X方向とZ方向とが直交し、Y方向とZ方向とが直交するとする。また、搬送面Pは、X方向とY方向とを含む面と平行であるとする。この場合、第1の送信センサ50及び第1の受信センサ60は、Y方向とZ方向とを含む面上において搬送面Pと角度αを成す軸S上に設けられる。また、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80は、X方向とZ方向とを含む面上において搬送面Pと角度βを成す軸T上に設けられる。この場合、軸Tと軸Sとが交差の関係、またはねじれの関係になる。
制御部90は、超音波検出装置135の全体の制御を司るものである。制御部90は、CPU、バッファメモリ、プログラムメモリ、及び不揮発性メモリなどを備えている。
CPUは、種々の演算処理を行う。バッファメモリは、CPUにより演算結果を一時的に記憶する。プログラムメモリ及び不揮発性メモリは、CPUが実行する種々のプログラム及び制御データなどを記憶する。
制御部90は、CPUによりプログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理を行うことができる。例えば、制御部90は、第1の送信センサ50、第1の受信センサ60、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80の動作タイミングを制御する。
また、制御部90は、図3に示す検査部116のCPU155及び主制御部151と接続されている。例えば、制御部90は、処理結果を主制御部151またはCPU155に伝送することができる。また、主制御部151またはCPU155から送信される制御信号に基づいて、超音波検出装置135の動作を制御することが出来る。
図7は、制御部90の構成の例を示す。制御部90は、第1のパルサ910、第2のパルサ920、第1のレシーバ930、第2のレシーバ940、及びロガー950を備える。
第1のパルサ910は、第1の送信センサ50を駆動させる為のパルス信号を生成する。第1のパルサ910は、生成したパルス信号を第1の送信センサ50に入力する。第1の送信センサ50は、入力されるパルス信号に基づいて圧電素子に電圧を印加する。これにより、第1の送信センサ50は、等位相、且つ等強度の超音波を連続して射出する。即ち、第1のパルサ910は、送信制御部として機能する。
第2のパルサ920は、第2の送信センサ70を駆動させる為のパルス信号を生成する。第2のパルサ920は、生成したパルス信号を第2の送信センサ70に入力する。第2の送信センサ70は、入力されるパルス信号に基づいて圧電素子に電圧を印加する。これにより、第2の送信センサ70は、等位相、且つ等強度の超音波を連続して射出する。即ち、第2のパルサ920は、送信制御部として機能する。
なお、第1のパルサ910は、第1の送信センサ50に入力するパルス信号の電圧値を制御することにより、第1の送信センサ50から出力される超音波の強度を可変することができる。また、第2のパルサ920は、第2の送信センサ70に入力するパルス信号の電圧値を制御することにより、第2の送信センサ70から出力される超音波の強度を可変することができる。
第1の受信センサ60は、圧電素子の動作に基づいて、超音波の検出信号を生成する。即ち、第1の受信センサ60は、超音波を検出し、検出信号を生成する。第1の受信センサ60は、検出信号を制御部90の第1のレシーバ930に伝送する。
第1のレシーバ930は、第1の受信センサ60から伝送された検出信号を読み取る。例えば、第1のレシーバ930は、所定間隔毎に第1の受信センサ60から受信する検出信号を読み取る。なお、第1のレシーバ930は、第1の受信センサ60により検出された検出信号を自身が保持するアンプ係数に基づいて増幅させることができる。即ち、第1のレシーバ930は、受信制御部として機能する。
第2の受信センサ80は、圧電素子の動作に基づいて、超音波の検出信号を生成する。即ち、第2の受信センサ80は、超音波を検出し、検出信号を生成する。第2の受信センサ80は、検出信号を制御部90の第2のレシーバ940に伝送する。
第2のレシーバ940は、第2の受信センサ80から伝送された検出信号を読み取る。例えば、第2のレシーバ940は、所定間隔毎に第2の受信センサ80から受信する検出信号を読み取る。なお、第2のレシーバ940は、第2の受信センサ80により検出された検出信号を自身が保持するアンプ係数に基づいて増幅させることができる。即ち、第2のレシーバ940は、受信制御部として機能する。
なお、上記したように、第1の受信センサ60は、複数のチャネルを有する。これらのチャネルが図5におけるX方向に並べられて配列されている場合、第1の受信センサ60は、ライン状の走査範囲から超音波を検出することが出来る。第1のレシーバ930は、第1の受信センサ60の検出信号を所定間隔毎にスキャンすることにより、搬送される紙葉類1の全体の検出信号を取得することができる。
ロガー950は、第1のレシーバ930及び第2のレシーバ940によりスキャンされた検出信号をそれぞれまとめて判定部92に出力する。即ち、ロガー950は、紙葉類1の全域から第1のレシーバ930により検出した検出信号に基づいて、検出信号の平均的な分布を算出する。これにより、制御部90は、紙葉類1の全域にわたって透過波の平均レベル、及び分布を検出することができる。
ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号に基づいて、検出信号の平均的な分布を算出する。ロガー950は、例えば、検出信号を強度毎にプロットすることにより頻度分布(ヒストグラム)を計算する。また、ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号に基づいて、検出信号の標準偏差を算出する構成であってもよい。
図8は、超音波検出装置135の第1のレシーバ930により検出した検出信号をヒストグラムとして示す。
図8のグラフ601は、第1のレシーバ930により検出した検出信号のヒストグラムである。なお、図8の横軸は、検出信号の強度を示す。また、図8の縦軸は、各強度の頻度を示す。
制御部90は、グラフ601に基づいて、検出信号の全体の平均値(全体平均)を算出することができる。また、制御部90は、グラフ601に基づいて、ある頻度の幅を算出することができる。これにより、制御部90は、例えば、ピークの半分の頻度の幅(半値幅)、全体平均値の幅、頻度の存在する幅(全体幅)、及び任意の頻度の幅などの分布範囲を算出することができる。またさらに、制御部90は、グラフ601に基づいて、検出信号の強度毎の頻度(特徴的なレベル頻度)を算出することができる。
判定部92は、制御部90の算出結果に基づいて、紙葉類1の真偽を判定する。即ち、判定部92は、制御部90により検出信号から算出された全体平均、分布範囲、または特徴的なレベル頻度に基づいて紙葉類1の真偽を判定する。判定部92は、メモリ92aを備える。メモリ92aは、真券に対する処理結果から生成されたパラメータを記憶する。即ち、判定部92は、制御部90の算出結果とメモリ92aに記憶されているパラメータとを比較することにより、紙葉類1の真偽を判定する。
例えば、全体平均に基づいて紙葉類1の真偽を判定する場合、メモリ92aは、真券から検出した検出信号に基づいて算出された全体平均(第1の全体平均)を予め記憶する。判定部92は、メモリ92aに記憶されている第1の全体平均と、制御部90により算出された全体平均(第2の全体平均)とを比較する。
判定部92は、第1の全体平均と第2の全体平均との差が予め設定された値未満である場合、紙葉類1を真券であると判定する。また、判定部92は、第1の全体平均と第2の全体平均との差が予め設定された値以上である場合、紙葉類1を偽券であると判定する。
なお、メモリ92aは、第1の全体平均の上限値と下限値とを記憶する構成であってもよい。この場合、判定部92は、第2の全体平均が下限値以上であり、且つ上限値未満である場合、紙葉類1を真券であると判定する。
また、特徴的なレベル頻度に基づいて紙葉類1の真偽を判定する場合、メモリ92aは、真券から検出した検出信号の任意の強度の頻度(第1の特徴的なレベル頻度)を予め記憶する。また、制御部90は、メモリ92aに記憶されている第1の特徴的なレベル頻度と、同じ強度における頻度(第2の特徴的なレベル頻度)を算出する。判定部92は、メモリ92aに記憶されている第1の特徴的なレベル頻度と、制御部90により算出された第2の特徴的なレベル頻度とを比較する。
判定部92は、第1の特徴的なレベル頻度と第2の特徴的なレベル頻度との差が予め設定された値未満である場合、紙葉類1を真券であると判定する。また、判定部92は、第1の特徴的なレベル頻度と第2の特徴的なレベル頻度との差が予め設定された値以上である場合、紙葉類1を偽券であると判定する。
なお、メモリ92aは、第1の特徴的なレベル頻度の上限値と下限値とを記憶する構成であってもよい。この場合、判定部92は、第2の特徴的なレベル頻度が下限値以上であり、且つ上限値未満である場合、紙葉類1を真券であると判定する。
また、分布範囲に基づいて紙葉類1の真偽を判定する場合、メモリ92aは、真券から検出した検出信号の頻度に対応する分布(第1の分布範囲)を予め記憶する。また、制御部90は、メモリ92aに記憶されている第1の分布範囲と、同じ頻度における範囲(第2の分布範囲)を算出する。判定部92は、メモリ92aに記憶されている第1の分布範囲と、制御部90により算出された第2の分布範囲とを比較する。
判定部92は、第1の分布範囲と第2の分布範囲との差が予め設定された値未満である場合、紙葉類1を真券であると判定する。また、判定部92は、第1の分布範囲と第2の分布範囲との差が予め設定された値以上である場合、紙葉類1を偽券であると判定する。
なお、メモリ92aは、第1の分布範囲の上限値と下限値とを記憶する構成であってもよい。この場合、判定部92は、第2の分布範囲が下限値以上であり、且つ上限値未満である場合、紙葉類1を真券であると判定する。
また、判定部92は、ヒストグラムの波形に基づいて紙葉類1の真偽を判定する構成であってもよい。この場合、メモリ92aは、真券から検出した検出信号の対応するヒストグラム(第1のヒストグラム)を予め記憶する。判定部92は、メモリ92aに記憶されている第1のヒストグラムと、制御部90により算出されたヒストグラム(第2のヒストグラム)とを比較する。
判定部92は、第1のヒストグラムと第2のヒストグラムとの比較結果に基づいて紙葉類1の真偽を判定する。例えば、判定部92は、第1のヒストグラムと第2のヒストグラムとの類似度に基づいて紙葉類1の真偽を判定する。また、判定部92は、第1のヒストグラム及び第2のヒストグラムからそれぞれベクトルを抽出し、抽出したベクトルの一致する確立などを算出することにより、紙葉類1の真偽を判定する。
また、ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号に基づいて、紙葉類1上の所定の範囲(例えば第1の受信センサ60の分解能)毎の検出信号の値を出力することができる。
図9及び図10は、超音波検出装置135の第1のレシーバ930により検出した検出信号を二次元的に表示した例を示す。図9は、第1の紙葉類に対する処理結果を示す。また、図10は、第1の紙葉類とは券種または額面が異なる第2の紙葉類に対する処理結果を示す。なお、図9及び図10は、紙葉類の略同じ領域を抽出して示す。
図9及び図10の各セルは、それぞれ第1の受信センサ60の各チャネルによる検出範囲を示す。即ち、各セルは、第1の受信センサ60の1分解能を示す。また、各セルのハッチングは、それぞれ検出信号の強度を示す。ハッチングが濃いほど検出信号の値が高いことを示す。
紙葉類1上には、透かし、凹凸印刷などの種々のセキュリティが施されている。これらのセキュリティにより、超音波の透過率が大きく変動する。この為、紙葉類1には、超音波が透過しやすい領域と、超音波が透過しにくい領域とが存在する。また、券種によりセキュリティが施されている領域などが異なる。即ち、図9及び図10により示されるように、超音波が透過しやすい領域、及び超音波が透過しにくい領域は、券種により異なる。
そこで、判定部92は、紙葉類1上における特定の領域から検出された検出信号の強度(第1の特徴的な分布)に基づいて、紙葉類1の真偽を判定する。この場合、メモリ92aは、真券の特定の領域に対する処理結果から生成されたパラメータを記憶する。即ち、判定部92は、制御部90の算出結果とメモリ92aに記憶されているパラメータ(第2の特徴的な分布)とを比較することにより、紙葉類1の真偽を判定する。
例えば、メモリ92aは、真券の特定の領域から検出した検出信号の平均値(第1の全体平均)、真券の特定の領域から検出した検出信号の任意の頻度の分布(第1の分布範囲)、及び真券の特定の領域から検出した検出信号の強度毎の頻度(第1の特徴的なレベル頻度)のうちの1つ、または複数を予め記憶する。
また、制御部90は、上記と同様の方法により、紙葉類1の特定の領域から検出した検出信号に基づいて、第2の全体平均、第2の分布範囲、及び第2の特徴的なレベル頻度のうちの1つ、または複数を算出する。判定部92は、メモリ92aに記憶されているパラメータと、制御部90の算出結果とを比較することにより、紙葉類1の真偽を判定する。なお、比較及び判定は、上記と同様の方法により実現することが出来る。
なお、判定部92は、全体平均、分布範囲、及び特徴的なレベル頻度に基づくそれぞれの判定結果を併用する構成であってもよい。併用の方法は、全体平均、分布範囲、及び特徴的なレベル頻度に基づくそれぞれの判定結果をそれぞれ数値として判定する方法であってもよいし、全体平均、分布範囲、及び特徴的なレベル頻度に基づくそれぞれの判定結果のANDを取る構成であってもよい。また、判定部92は、紙葉類1の特定の領域から検出した検出信号に基づく判定の判定結果を併用する構成であってもよい。
上記したように、超音波検出装置135は、紙葉類1に超音波を照射し、紙葉類1の全体からの検出信号に基づいて、全体平均、分布範囲、及び特徴的なレベル頻度のうちの1つ、または複数を算出する。超音波検出装置135は、算出結果が、予め設定された範囲内である場合、紙葉類1が真券であると判定する。このような構成により、検出信号のS/N比が良好でなくともその影響を抑えることができる。この結果、より高い精度で紙葉類の状態を判定することができる超音波検出装置、及び超音波検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することができる。
また、ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号と、第2のレシーバ940によりスキャンされた検出信号の強度の比を判定部92に出力する。即ち、ロガー950は、異なる二方向における超音波の透過特性の比率を出力することができる。
ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号の平均値を算出する。また、ロガー950は、第2のレシーバ940により検出した検出信号の平均値を算出する。ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号の平均値と第2のレシーバ940により検出した検出信号の平均値との比率を判定部92に出力する。
また、この場合、メモリ92aは、真券から第1のレシーバ930により検出した検出信号の平均値と、第2のレシーバ940により検出した検出信号の平均値との比率(第1の比率)を予め記憶する。また、制御部90は、紙葉類1から第1のレシーバ930により検出した検出信号の平均値と第2のレシーバ940により検出した検出信号の平均値との比率(第2の比率)を算出する。判定部92は、メモリ92aに記憶されている第1の比率と、制御部90により算出された第2の比率とを比較する。
判定部92は、第1の比率と第2の比率との差が予め設定された値未満である場合、紙葉類1を真券であると判定する。また、判定部92は、第1の比率と第2の比率との差が予め設定された値以上である場合、紙葉類1を偽券であると判定する。
なお、メモリ92aは、第1の比率の上限値と下限値とを記憶する構成であってもよい。この場合、判定部92は、第2の比率が下限値以上であり、且つ上限値未満である場合、紙葉類1を真券であると判定する。
上記したように、超音波検出装置135は、紙葉類1を異なる2方向で透過した透過波をそれぞれ検出し、検出信号を取得する。超音波検出装置135は、それぞれの検出信号の平均値を算出し、2つの平均値の比率を算出する。超音波検出装置135は、算出した比率が予め設定された範囲内である場合、紙葉類1が真券であると判定する。
このような構成により、超音波検出装置135は、紙葉類1の媒体の異方性を検出することができる。また、超音波検出装置135は、紙葉類1を異なる方向で透過する透過波を1度に検出することができる。この結果、より高い精度で紙葉類の状態を判定することができる超音波検出装置、及び超音波検出装置を備える紙葉類処理装置を提供することができる。
なお、上記した実施形態では、ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号の平均値と第2のレシーバ940により検出した検出信号の平均値との比率を算出するとして説明したがこの構成に限定されない。ロガー950は、検出信号を正規化した値に基づいて比率を算出する構成であってもよい。
また、ロガー950は、紙葉類1上の特定の同じ領域から第1のレシーバ930及び第2のレシーバ940によりそれぞれ検出した検出信号に基づいて比率を算出する構成であってもよい。即ち、ロガー950は、第2の受信センサ80の検出範囲と同じ範囲から第1の受信センサ60により受信した透過波の検出信号の強度と、第2の受信センサ80により受信した透過波の検出信号の強度との比率を算出する構成であってもよい。
また、ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号の分布範囲と第2のレシーバ940により検出した検出信号の分布範囲との比率を算出する構成であってもよい。
また、ロガー950は、第1のレシーバ930により検出した検出信号の特徴的なレベル頻度と第2のレシーバ940により検出した検出信号の特徴的なレベル頻度との比率を算出する構成であってもよい。
また、判定部92は、紙葉類1上の領域から特定第1のレシーバ930により検出した検出信号の特徴的な分布とメモリ92aに記憶されているパラメータとを比較し、紙葉類1上の領域から特定第2のレシーバ940により検出した検出信号の特徴的な分布とメモリ92aに記憶されているパラメータとを比較し、両結果に基づいて紙葉類1の真偽を判定する構成であってもよい。
即ち、ロガー950は、紙葉類1上の特定の領域から第1のレシーバ930により検出した検出信号に基づいて第1の分布を算出し、紙葉類1の特定の領域から第2のレシーバ940により検出した検出信号に基づいて第2の分布を算出する。判定部92は、第1の分布と予めメモリ92aに記憶された第1のパラメータとを比較し、第2の分布と予めメモリ92aに記憶された第2のパラメータとを比較し、両比較結果に基づいて紙葉類1の真偽を判定する。例えば、判定部92は、両比較結果が一致する場合に紙葉類1を真券であると判定する。
また、上記した実施形態では、第2の受信センサ80は、単体のチャネルを有する構成であるとして説明したが、この構成に限定されない。第2の受信センサ80は、複数のチャネルを備えていてもよい。また、この場合、第2の送信センサ70は、第2の受信センサ80と同様に複数のチャネルを備える必要がある。
図11は、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80が複数のチャネル備える例を示す。
この場合、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80の複数のチャネルは、それぞれ軸Tと平行な線上に設けられる。即ち、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80は、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80の各チャネルの振動面が、軸Tと平行な線と直交するように設けられる。また、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80は、第2の送信センサ70及び第2の受信センサ80の各チャネルの振動面と搬送面Pとの距離がそれぞれ等しくなるように設けられる。
また、第2の受信センサ80の複数のチャネルは、紙葉類1の搬送方向aと直交する方向において紙葉類1の全体から超音波を検出することができるように設けられる。
このような構成によると、第1の送信センサ50は、軸Sに対応する第1の方向で紙葉類1に対して超音波を照射する。第1の受信センサ60の各チャネルは、第1の方向で紙葉類1を透過した透過波を受信し、信号を検出する。これにより、超音波検出装置135は、第1の方向で紙葉類1を透過した透過波を紙葉類1の全域から検出することができる。
また、第2の送信センサ70は、軸Tに対応する第2の方向で紙葉類1に対して超音波を照射する。第2の受信センサ80の各チャネルは、第2の方向で紙葉類1を透過した透過波を受信し、信号を検出する。これにより、超音波検出装置135は、第2の方向で紙葉類1を透過した透過波を紙葉類1の全域から検出することができる。
超音波検出装置135のロガー950は、それぞれの検出信号の平均値を算出し、2つの平均値の比率を算出する。超音波検出装置135は、算出した比率が予め設定された範囲内である場合、紙葉類1が真券であると判定する。
なお、この場合も、平均値の比率に限定されない。超音波検出装置135は、少なくとも第1の方向で紙葉類1を透過した透過波と第2の方向で紙葉類1を透過した透過波との比率を算出する構成であればよい。
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。