JP2013054200A - カラーフィルタ用顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C.I.ピグメントイエロー138と、C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、顔料分散剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であり、C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体が、C.I.ピグメントイエロー138の100質量部に対して、0.1〜20質量部含有されたカラーフィルタ用顔料分散液である。
【選択図】なし
Description
このような状況において、液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルタにおいても、高輝度化や高コントラスト化、色再現性の向上といった要望が高まっている。特に最近は、バックライトの消費電力低減やLEDバックライトの特性に起因して、カラーフィルタの高輝度化の要望が高まっている。
また上述した課題は、今後普及されていくことが予想される有機ELディスプレイにおいても同様であり、高輝度化や色再現性の向上については当該ディスプレイにおいても解決すべき問題であった。
C.I.ピグメントイエロー138を用いてコントラストを大きくする試みとして、特許文献2では、C.I.ピグメントイエロー138とC.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体を用いたカラーペーストが記載されている。しかし、特許文献2の方法では、最近の液晶ディスプレイに要求される高いコントラストが得られるほど十分なレベルに達していなかった。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
溶剤中、前記顔料分散剤の存在下で、C.I.ピグメントイエロー138と、前記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体とを分散させて顔料分散液を調製する工程と、
前記顔料分散液と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤とを混合する工程とを有する、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の製造方法を提供する。
溶剤中、前記顔料分散剤の存在下で、C.I.ピグメントイエロー138を分散させて顔料分散液を調製する工程と、
前記顔料分散液と、前記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤とを混合する工程とを有する、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の製造方法を提供する。
Rbは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基である。
Rc及びRdは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Reは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COORfで示される1価の基であり、Rfは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。Ra、Ra’、Rb、Re及びRfにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR11で示される1価の基であり、R9は、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]x−R8、−[(CH2)y−O]z−R8、又は−[CO−(CH2)y−O]z−R8で示される1価の基である。R10は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
更に、本発明は、前記本発明に係るカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする有機発光表示装置を提供する。
なお、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことを言う。また本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのいずれかであることを意味する。
本発明に係るカラーフィルタ用顔料分散液は、C.I.ピグメントイエロー138と、下記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、顔料分散剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体(以下、単に塩型グラフト共重合体と称することがある。)であり、且つ、前記C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体が、前記C.I.ピグメントイエロー138の100質量部に対して、0.1〜20質量部含有された顔料分散剤であることを特徴とする。
溶媒中で分散時間を長くすることにより、PY138を微細化しつつ、1次粒子径以下まで微細化されて露出された顔料表面に上記特定の顔料分散剤が適切に吸着して溶媒中での顔料の安定化を図ることができ、PY138をより均一に微細化することができると推定される。その結果、コントラストが向上した塗膜を得ることができる。
しかしながら、均一に微細化されていたPY138が塗膜にされた後、カラーフィルタ製造工程の高温加熱工程で230℃もの高温が塗膜にかけられると、顔料に吸着されていた顔料分散剤の熱運動により顔料分散剤の吸着が弱まり、微細化されて露出された顔料表面同士の凝集力が強まって、顔料の凝集体が析出してしまうのではないかと推定される。
高温加熱時の塗膜表面に顔料凝集体が析出する現象は、PY138に、PY138のスルホン酸誘導体を添加し、上記特定の塩型顔料分散剤を組み合わせて、顔料を微細化して顔料分散液を調製した場合も、顕著にみられた。
PY138のスルホン酸誘導体を用いた場合には、同様に、微細化されて露出された顔料表面に、顔料分散剤だけでなくPY138のスルホン酸誘導体も吸着し、溶媒中での顔料の安定化を図ることができ、PY138をより均一に微細化することができる。しかしながら、加熱工程で230℃もの高温が塗膜にかけられると、PY138のスルホン酸誘導体は、PY138の類似骨格部分のPY138への吸着力よりも、スルホ基と顔料分散剤との相互作用の力が勝り、顔料分散剤が熱運動する際に顔料表面から離れてしまうのではないかと推定される。その結果、微細化されて露出された顔料表面同士の凝集力が強まって、顔料の凝集体が析出してしまうのではないかと推定される。
一方、上記のようなPY138のイミドアルキル化誘導体は、イミド部分の極性が弱いため、230℃もの高温が塗膜にかけられても、スルホ基のように顔料分散剤との強い相互作用を受け難く、むしろ相対的に顔料表面との吸着力の方が強く、顔料表面を安定化させるため、微細化された顔料同士が凝集することなく、安定した塗膜を形成できるのではないかと推定される。なお、特許文献3の粗顔料を再結晶化させる目的では、スルホン酸誘導体とイミドアルキル化誘導体は同様に用いられている。
本発明のカラーフィルタ用顔料分散液は、典型的には、黄色顔料分散液であるが、更に赤色顔料や緑色顔料等の他の顔料を含み、赤色顔料分散液や、緑色顔料分散液であっても良い。
以下、このような本発明の顔料分散液の各成分について順に詳細に説明する。
C.I.ピグメントイエロー138は、下記化学式で示される構造を有する。
なお、上記顔料の平均粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均粒径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
また、本発明のカラーフィルタ用顔料分散液において、顔料(顔料誘導体を除く)中のC.I.ピグメントイエロー138の含有量は、通常100質量%として用いられるが、更に他の顔料を含んでいても良い。顔料中のC.I.ピグメントイエロー138の含有量は、5〜100質量%、更に30〜100質量%であることが好ましい。
本発明において用いられるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体は、下記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体である。
化学式(1)中、Xのアリーレン基に置換されていても良いアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、及び、置換されたフェニルスルホニル基、例えば、p−トリルスルホニル基、p−クロロフェニルスルホニル基、p−ブロモフェニルスルホニル基等を挙げることができる。
化学式(1)中、Xのアリーレン基に置換されていても良いアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンジル基等を挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体の分子量が小さい方が、質量あたりの有効成分の割合が増えるため、効率的に顔料凝集体を抑制できる。
本発明に用いられる顔料分散剤は、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体である。
上記グラフト共重合体は、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するものである。
R2及びR3は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
xは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、yは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。zは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。本発明においては、x、y及びzが、上記の範囲にあれば、本発明の顔料分散液及びカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物は、顔料の分散性に優れたものになる。
このAとしては、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。炭素数が1〜8の範囲内であれば、顔料の分散性を良好に保つことができる。
エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などが好ましく挙げられ、なかでも(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
R8は、水素原子、あるいは1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR11で示される1価の基であり、R9は、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]x−R8、−[(CH2)y−O]z−R8、又は−[CO−(CH2)y−O]z−R8で示される1価の基である。R10は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
R5における、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、7〜20が好ましく、更に7〜14が好ましい。
R5が芳香環を有する場合は、当該芳香環上に、更に置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状、分枝状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
上記R8で示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記R10及びR8のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のR5で示したとおりである。
上記R5及びR9おいて、x、y及びzは、前記式(I)で説明したとおりである。
ここで、上記R5及びR9をこのように設定する理由は、上記R5及びR9を含む構成単位が、上記溶媒に対して溶解性を有し、上記モノマーのアミノ基と後述する有機酸化合物とが形成する塩形成部位が顔料に対して高い吸着性を有するものであることにより、顔料の分散性、及び安定性を特に優れたものとすることができるからである。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。なお、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は、Polymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用することができる。
例えば、単独重合体ではガラス転移温度が30℃未満となるような構成単位であっても、ポリマー鎖の共重合成分として含まれ、上記計算式で表されるポリマー鎖全体の計算Tgが30℃以上となる場合には、本発明のレジスト組成物のマクロモノマーとして、好適に用いることができる。
マクロモノマーを2種以上混合して用いる場合には、ガラス転移温度が30℃以上であるポリマー鎖を有するマクロモノマーが、マクロモノマー全体の30質量%以上、更に50質量%以上となるように用いることが好ましい。
本発明において用いられる有機酸化合物は、前述したアミノ基を有するモノマーのアミノ基と塩形成をするものであれば、特に限定されない。
本発明においては、上記有機酸化合物を用いることにより、顔料分散剤を、顔料の分散性及び安定性に優れたものとすることができ、さらに塩形成部位が、アルカリ現像時のアルカリ水溶液に対して高い溶解性を有することから、アルカリ現像性に優れたものとすることができる。
Rbは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基である。
Rc及びRdは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Reは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COORfで示される1価の基であり、Rfは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。Ra、Ra’、Rb、Re及びRfにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記R5で示したとおりである。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のR5で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のRa及びRa’で示したとおりである。尚、Ra”が芳香環を有する場合、該芳香環上に適当な置換基、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基などを有していてもよい。
上記Reで示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記Reのうちの炭素数1〜18のアルキル基は前記のR5で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のRa及びRa’で示したとおりである。
Ra、Ra’及びRa”において、sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数である。sは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、tは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。uは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のR5で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のRa及びRa’で示したとおりである。
Rbが、−O−Rb’の場合、酸性硫酸エステルとなる。上記Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基である。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のR5で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のRa及びRa’で示したとおりである。尚、Rb’が芳香環を有する場合、該芳香環上に適当な置換基、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基などを有していてもよい。
上記Rc、Rd及びReは、前記と同じである。
上記Rb及びRb’において、sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数である。好ましいs、t、uは、上記Ra、Ra’及びRa”と同様である。
顔料分散性、耐熱性、耐薬品性、及び耐アルカリ性の点からは、中でも特に、リン(P)や硫黄(S)にアリール基が直接結合した化合物であることが好ましく、Ra及びRa’のいずれか、或いは、Rbが、置換基を有していても良いアリール基であることが好ましい。
このような場合には、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて着色層を形成する際の露光時に、上記重合性基同士及び/又は上記重合性基と、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等とを容易に重合することができ、カラーフィルタの着色層中において、上記顔料分散剤が、安定に存在することを可能とする。このようなカラーフィルタを用いて液晶表示装置を製造した際には、液晶層等へ上記顔料分散剤がブリードアウトすることを防止することができる。
このような塩型グラフト共重合体を顔料分散剤として用いることにより、本発明のカラーフィルタ用顔料分散液、及びカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を、顔料の分散安定性に優れたものとすることができる。
本発明において、顔料分散剤として用いる塩型グラフト共重合体の製造方法としては、前記のアミノ基を有するモノマーと、ポリマー鎖とその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基とからなるマクロモノマーとを共重合体成分として含有し、かつ窒素含有モノマーが有するアミノ基と、有機酸化合物とが塩を形成したものを製造することができる方法であればよく特に限定されない。本発明においては、例えば、前記モノマーと前記マクロモノマーと、必要に応じてその他のモノマーとを公知の重合手段を用いてグラフト重合させることが可能である。次いで、該溶媒中に上記有機酸化合物を添加し、攪拌することにより塩型グラフト共重合体を製造することができる。なお、上記重合においては、重合に一般的に用いられる添加剤、例えば重合開始剤、連鎖移動剤などを用いてもよい。
なお本発明において、顔料誘導体以外の含有量を規定する際の、顔料には、顔料の他、顔料誘導体が含まれ、例えば、C.I.ピグメントイエロー138のフタルイミドアルキル化誘導体も含まれる。
本発明に係るカラーフィルタ用顔料分散液には、顔料を分散させるために溶媒が含まれる。顔料分散液に用いる溶媒としては、該顔料分散液中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶媒であればよく、特に限定されない。
本発明の顔料分散液に用いる溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのセロソルブ系溶媒;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶媒;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶媒;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶媒;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶媒;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶媒などの有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒の中では、メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶媒;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒が好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(CH3OCH2CH(CH3)OCOCH3)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
本発明の顔料分散液は、以上のような溶媒を、当該溶媒を含む顔料分散液の全量に対して、通常は50〜85質量%の割合で用いて調製する。更に60〜85質量%の割合で用いて調製することが好ましい。溶媒が少なすぎると、粘度が上昇し、顔料分散性が低下しやすい。また、溶媒が多すぎると、顔料濃度が低下し、樹脂組成物を調製後目標とする色度座標に達成することが困難な場合がある。
本発明の効果が損なわれない限り、他の顔料誘導体を含んでいても良い。本発明の顔料分散液において好適に用いられる他の顔料誘導体としては、下記のC.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体が挙げられる。
<C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体>
本発明の顔料分散液においては、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体を、更に併用することが好ましい。この場合には、C.I.ピグメントイエロー138をより微細化して分散することが可能になり、高輝度で且つ高コントラスト化の要求を達成しやすくなる。特に、顔料分散剤として、上記塩型ブロック共重合体からなる顔料分散剤と、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体と組み合わせると、特に高輝度で且つ高コントラスト化の要求を達成しやすくなる。
本発明の顔料分散液には、さらに必要に応じて、顔料分散補助樹脂やその他の成分を配合しても良い。
顔料分散補助樹脂としては、例えば後述するレジスト組成物で例示されるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂の立体障害によって顔料粒子同士が接触しにくくなり、分散安定化することやその分散安定化効果によって分散剤を減らす効果がある場合がある。
また、本発明の顔料分散液には、本発明の効果が損なわれない限り、他の顔料を含んでいても良い。他の顔料としては、後述する赤色又は緑色レジスト組成物を調製する際に必要な赤色顔料又は緑色顔料や、他の黄色顔料等が挙げられる。このような顔料については、後述するレジスト組成物で例示される顔料と同様のものを用いることができる。
また、本発明の効果が損なわれない限り、他の顔料分散剤を含んでいても良い。
また、その他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
本発明の顔料分散液は、上記のC.I.ピグメントイエロー138と、C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、顔料分散剤を溶媒に混合し、公知の分散機を用いて分散させることによって顔料分散液を調製する。分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0mmである。
このようにして、顔料粒子の分散性に優れた顔料分散液が得られる。該顔料分散液は、顔料分散性に優れたカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を調製するための予備調製物として用いられる。
本発明に係るカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物は、C.I.ピグメントイエロー138と、上記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、顔料分散剤と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であり、且つ、前記C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体が、前記C.I.ピグメントイエロー138の100質量部に対して、0.1〜20質量部含有されることを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物は、黄色レジスト組成物であっても良いし、赤色又は緑色レジスト組成物であっても良い。
なお、上記本発明に係るカラーフィルタ用顔料分散液に含まれ得る成分のうち、C.I.ピグメントイエロー138、上記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体、顔料分散剤、溶媒については、上記顔料分散液の箇所において説明したものと同様のものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、ネガ型レジストに一般的に用いられるものを用いることができ、アルカリ水溶液に可溶性を有するものであればよい。アルカリ可溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2,2’−オキシビス(メチレン)ビス−2−プロペノエート、スチレン、γ−メチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどの中から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸、アクリル酸の二量体(例えば、東亞合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの無水物の中から選ばれる1種以上とからなるコポリマーを例示できる。また、上記のコポリマーに、例えばグリシジル基、水酸基等の反応性官能基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させるなどして、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等も例示できるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で、コポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる点で、特に好適である。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において用いられる多官能性モノマーは、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定されず、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において用いられる上記多官能性モノマーの含有量は、特に制限はないが、上記アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常5〜500質量部程度、好ましくは20〜300質量部の範囲である。多官能性モノマーの含有量が上記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があり、また、多官能性モノマーの含有量が上記範囲より多いとアルカリ現像性が低下するおそれがある。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において用いられる光開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている各種光開始剤の中から、適宜選択して用いることができる。例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メチルフェニル)イミダゾール2量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、4−ベンゾイル−メチルジフェニルサルファイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノンなどが挙げられる。これらの光開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、C.I.ピグメントイエロー138が必須成分として用いられるが、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物には、赤色又は緑色レジスト組成物とするために、更に、赤色顔料又は緑色顔料が用いられても良い。また、カラーフィルタにおける用途や仕様に必要とされる色度を達成でき、本発明の効果を損なわない限り、他の黄色顔料や更に橙色等の他の顔料を含有していても良い。
赤色顔料は、カラーフィルタにおける用途や仕様により適宜選択され、必要な色度を達成するために、公知の無機顔料および有機顔料の中から1種または2種以上を混合して用いられる。
有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
緑色顔料も、カラーフィルタにおける用途や仕様により適宜選択され、必要な色度を達成するために、公知の無機顔料および有機顔料の中から1種または2種以上を混合して用いられる。
緑色顔料としては、ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58が挙げられる。中でも、高輝度化の点から、ピグメントグリーン58を用いることが好ましい。
C.I.ピグメントイエロー138とは異なる他の黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー150及びその誘導体顔料、並びに、C.I.ピグメントイエロー139等が挙げられる。
ここで、C.I.ピグメントイエロー150の誘導体顔料としては、具体的には、少なくとも1種のゲスト化合物のホストとして働く下記化学式またはそれの互変異性構造の1つに従うアゾ化合物のモノ、ジ、トリおよびテトラアニオンと金属Li,Cs,Mg,Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb、特に好適にはNa,K,Ca,Sr,Ba,Zn,Fe,Ni,Cu,MnおよびLaに相当する金属錯体を挙げることができる。
本発明においては、さらに必要に応じて、上記顔料以外のその他の顔料を配合しても良い。
その他の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー81等のブルー系ピグメント;C.I.ピグメントバイオレット23等のバイオレット系ピグメントなどが挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ各種添加剤を含むものであってもよい。該添加剤としては、例えば重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
これらの中で、用いることができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類等を挙げることができる。また、その他にもフッ素系界面活性剤も用いることができる。
さらに、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
顔料誘導体を含む顔料の合計の含有量は、ネガ型レジスト組成物の固形分全量に対して、10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%の割合で配合することが好ましい。顔料が少なすぎると、ネガ型レジスト組成物を所定の膜厚(通常は1.0〜3.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがあり、また顔料が多すぎると、ネガ型レジスト組成物を基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、またそのネガ型レジスト組成物中の顔料分散に使われる分散剤の量の比率も多くなるために現像性、耐熱性等の特性も不十分になるおそれがある。尚、本発明において固形分は、上述した溶媒以外のもの全てであり、溶媒中に溶解している多官能性モノマー等も含まれる。
また、顔料分散剤の合計の含有量は、ネガ型レジスト組成物の固形分全量に対して、1〜40質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも5〜30質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が、ネガ型レジスト組成物の固形分全量に対して、1質量%未満の場合には、顔料を均一に分散することが困難になる恐れがあり、40質量%を超える場合には、硬化性、現像性の低下を招く恐れがある。
アルカリ可溶性樹脂、多官能モノマー、及び光開始剤は、これらの合計量が、ネガ型レジスト組成物の固形分全量に対して15〜89質量%、好ましくは25〜80質量%の割合で配合するのが好ましい。
また、溶媒の含有量としては、着色層を精度良く形成することができるものであれば特に限定されるものではない。該溶媒を含む上記ネガ型レジスト組成物の全量に対して、通常、65〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも75〜88質量%の範囲内であることが好ましい。上記溶媒の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
本発明のネガ型レジスト組成物の第一の製造方法は、顔料分散剤として、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体を準備する工程と、
溶剤中、前記顔料分散剤の存在下で、C.I.ピグメントイエロー138と、上記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体とを分散させて顔料分散液を調製する工程と、
前記顔料分散液と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤とを混合する工程とを有する。
また、本発明のネガ型レジスト組成物の第二の製造方法は、顔料分散剤として、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体を準備する工程と、
溶剤中、前記顔料分散剤の存在下で、C.I.ピグメントイエロー138を分散させて顔料分散液を調製する工程と、
前記顔料分散液と、上記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤とを混合する工程とを有する。
上記本発明に係る顔料分散液が黄色顔料分散液である場合に、赤色又は緑色レジスト組成物を調製する際には、別途、上記本発明に係る顔料分散液の製造方法と同様にして、予め赤色顔料分散液又は緑色顔料分散液を調製し、用いることが好ましい。
この場合には、顔料分散液を調製するまでの工程、すなわち、顔料組成物を調製する顔料処理時や、顔料を分散する時までには、顔料のイミドアルキル化誘導体を添加しないので、顔料分散時に顔料表面の極性が弱まることなく、適宜顔料分散剤や顔料誘導体を選択することにより顔料の分散性や安定性を従来より向上することができる。
次いで、微細化した顔料分散液を調製後に、顔料のイミドアルキル化誘導体を添加することにより、高温加熱工程において熱運動により顔料分散剤の吸着が弱まった際には、相対的に顔料表面との吸着力が強い顔料のイミドアルキル化誘導体が、代わりに顔料表面を安定化させるのではないかと推定される。その結果、高温時も、顔料のイミドアルキル化誘導体が微細に分散された顔料表面を安定化させたまま維持可能であるため、従来よりも高コントラスト化の要求を達成しながら、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後においても顔料凝集体が析出しない塗膜を作製可能であると推定される。
一方、顔料誘導体溶液を調製するための溶媒は、顔料分散液を調製するために用いられる溶媒と相溶性があることが好ましく、顔料誘導体溶液を調製するための溶媒は、顔料分散液を調製するために用いられる溶媒の溶解度(25℃)が100g/L以上であることが好ましく、更に500g/L以上であることが好ましい。
顔料分散方法によって、顔料のイミドアルキル化誘導体を、溶媒中に溶解乃至分散させることが好ましい。
混合する方法としては特に限定されない。
[カラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタは、前述した本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を硬化させて形成されてなる着色層を有することを特徴とする。
このような本発明のカラーフィルタについて、図を参照しながら説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1によれば、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板1と、遮光部2と、着色層3とを有している。
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、前述した本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を硬化させて形成されたものであればよく、特に限定されないが、通常、後述する透明基板上の遮光部の開口部に形成され、該カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物に含まれる顔料の種類によって、3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1〜5μmの範囲であることが好ましい。
まず、前述した本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの塗布手段を用いて後述する透明基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等を光重合反応させて、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用するカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、ネガ型レジスト組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する透明基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。この遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrOx膜(xは任意の数)及びCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrOx膜(xは任意の数)、CrNy膜(yは任意の数)及びCr膜が3層積層されたものであってもよい。
当該遮光部が黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、遮光部用ネガ型レジスト組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記透明基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタ及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
[有機発光表示装置]
本発明の有機発光表示装置は、前述した本発明のカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする。
このような本発明の有機発光表示装置について、図を参照しながら説明する。図7は、本発明の有機発光表示装置の一例を示す概略図である。図7に例示するように本発明の有機発光表示装置100は、カラーフィルタ10と、有機発光体80とを有している。
カラーフィルタ10と、有機発光体80との間に、有機保護層50や無機酸化膜60を有していても良い。
なお、本発明の有機発光表示装置は、この図7に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた有機発光表示装置として公知の構成とすることができる。
パラホルムアルデヒド5.14質量部とフタルイミド17.71質量部を3.6質量%の発煙硫酸338.67質量部に25℃で加えた後、50℃で30分撹拌した。次いでC.I.ピグメントイエロー138 69.40質量部を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液を氷水2400質量部に加え、60℃で30分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを温水で3回洗浄し、真空乾燥、粉砕することでピグメントイエロー138にフタルイミドメチル基が1個置換した、下記式(n=1)で表される黄色顔料イミドアルキル化誘導体Aを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
パラホルムアルデヒド5.14質量部と3,4,5,6−テトラクロロフタルイミド34.27質量部を3.6質量%の発煙硫酸338.67質量部に25℃で加えた後、50℃で30分撹拌した。次いでピグメントイエロー138 69.40質量部を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液を氷水2400質量部に加え、60℃で30分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを60℃の温水1Lで3回洗浄し真空乾燥、粉砕することでピグメントイエロー138にテトラクロロナフタルイミドメチル基が1個置換した、下記式(n=1)で表される黄色顔料イミドアルキル化誘導体Bを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
パラホルムアルデヒド5.14質量部とナフタルイミド23.72質量部を3.6質量%の発煙硫酸338.67質量部に25℃で加えた後、50℃で30分撹拌した。次いでピグメントイエロー138 69.40質量部を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液を氷水2400質量部に加え、60℃で30分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを60℃の温水1Lで3回洗浄し、真空乾燥、粉砕することでピグメントイエロー138にナフタルイミドメチル基が1個置換した、下記式(n=1)で表される黄色顔料イミドアルキル化誘導体Cを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
11質量%発煙硫酸374.76質量部を10℃に冷却しながら攪拌し、ピグメントイエロー138 74.96質量部を加えた。次いで、90℃で6時間攪拌した。反応液を氷水1600質量部に加え、15分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを800mlの水で3回洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、粉砕することでピグメントイエロー138にスルホン酸基が1個置換した、下記式(n=1)で表される黄色顔料スルホン酸誘導体Aを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、溶媒としてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EMDG)130質量部を仕込み、窒素雰囲気下で110℃に昇温した後、メタクリル酸メチル(MMA)32質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)22質量部、メタクリル酸(MAA)24質量部、開始剤としてα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2質量部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4.5質量部を含む混合物を、それぞれ1.5時間かけて連続的に滴下した。
その後、合成温度を保持して反応を続け、滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、p−メトキシフェノール0.05質量部を添加した。
次に、空気を吹き込みながら、メタクリル酸グリシジル(GMA)22質量部を添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミン0.2質量部を添加して110℃で15時間付加反応させ、バインダー樹脂A(固形分44質量%)を得た。
得られたバインダー樹脂Aの質量平均分子量は8500、酸価は85mgKOH/gであった。なお、質量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて算出し、酸価はJIS−K0070に従い測定した。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称PGMEA)80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。メタクリル酸メチル50.0質量部、メタクリル酸−n−ブチル30.0質量部、メタクリル酸ベンジル20.0質量部、メルカプトエタノール4.0質量部、PGMEA30質量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN)1.0質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、さらに3時間反応した。次に、窒素気流を止めて、この反応溶液を80℃に冷却し、カレンズMOI(昭和電工(株)社製)8.74質量部、ジラウリン酸ジブチルすず0.125g、p−メトキシフェノール0.125質量部、及びPGMEA10質量部、を加えて3時間攪拌することで、マクロモノマーMM−1の49.5質量%溶液を得た。得られたマクロモノマーMM−1を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01mol/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、質量平均分子量(Mw)4010、数平均分子量(Mn)1910、分子量分布(Mw/Mn)は2.10であった。マクロモノマーMM−1の計算により算出されるTgは、64℃である。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。メタクリル酸メチル100.0質量部、メルカプトエタノール4.0質量部、PGMEA30質量部、AIBN1.0質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、さらに3時間反応した。次に、窒素気流を止めて、この反応溶液を80℃に冷却し、カレンズMOI8.74質量部、ジラウリン酸ジブチルすず0.125g、p−メトキシフェノール0.125質量部、及びPGMEA10質量部、を加えて3時間攪拌することで、マクロモノマーMM−2の49.8質量%溶液を得た。得られたマクロモノマーMM−2を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01mol/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、質量平均分子量(Mw)4130、数平均分子量(Mn)1940、分子量分布(Mw/Mn)は2.13であった。マクロモノマーMM−2の計算により算出されるTgは、105℃である。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA85.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。製造例6のマクロモノマーMM−1溶液67.34質量部(有効固形分33.33質量部)、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(略称DMA)16.67質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA20.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部 、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体GP−1の26.0質量%溶液を得た。得られたグラフト共重合体GP−1は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)12420、数平均分子量(Mn)4980、分子量分布(Mw/Mn)は2.49であった。なおアミン価は118mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA85.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。製造例7のマクロモノマーMM−2溶液66.93質量部(有効固形分33.33質量部)、DMA16.67質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA20.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部 、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体GP−2の26.2質量%溶液を得た。得られたグラフト共重合体GP−2は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)11320、数平均分子量(Mn)4460、分子量分布(Mw/Mn)は2.54であった。なおアミン価は120mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA85.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。製造例6のマクロモノマーMM−1溶液44.89質量部(有効固形分22.22質量部)、プラクセルFA−10L(Tg=−60℃)を15.87質量部(ダイセル化学社製 ヒドロキシエチルアクリレートにカプロラクトン10mol付加品 70%溶液 有効固形分11.11質量部)、DMA16.67質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA30.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部 、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体GP−3の26.8質量%溶液を得た。得られたグラフト共重合体GP−3は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)12810、数平均分子量(Mn)4980、分子量分布(Mw/Mn)は2.57であった。なおアミン価は121mgKOH/gであった。
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA31.25質量部、製造例8のグラフト共重合体GP−1溶液65.88質量部(有効固形分17.13質量部)をそれぞれ溶解させ、フェニルホスホン酸(商品名:PPA、日産化学社製)2.87質量部(グラフト共重合体GP−1の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液A(固形分20%)を調製した。得られた分散剤溶液Aの酸価は101mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP−1のアミノ基は、PPAのホスホン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA30.53質量部、製造例8のグラフト共重合体GP−1溶液66.85質量部(有効固形分17.38質量部)をそれぞれ溶解させ、フェニルホスフィン酸(東京化成社製)2.62質量部(グラフト共重合体GP−1の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液B(固形分20%)を調製した。得られた分散剤溶液Bの酸価は52mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP−1のアミノ基は、フェニルホスフィン酸のホスフィン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA31.75質量部、製造例9のグラフト共重合体GP−2溶液65.38質量部(有効固形分17.13質量部)をそれぞれ溶解させ、フェニルホスホン酸(商品名:PPA、日産化学社製)2.87質量部(グラフト共重合体GP−2の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液C(固形分20%)を調製した。得られた分散剤溶液Cの酸価は99mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP−2のアミノ基は、PPAのホスホン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA33.21質量部、製造例10のグラフト共重合体GP−3溶液63.92質量部(有効固形分17.13質量部)をそれぞれ溶解させ、PPA2.87質量部(グラフト共重合体GP−3の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液D(固形分20%)を調製した。得られた分散剤溶液Dの酸価は100mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP−3のアミノ基は、PPAのホスホン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
冷却管を備えた200mLフラスコ中に、PGMEA29.82質量部、製造例8のグラフト共重合体GP−1溶液67.81質量部(有効固形分17.63質量部)をそれぞれ溶解させ、塩化ベンジル(関東化学社製)2.37質量部(グラフト共重合体の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、80℃で6時間反応させることで分散剤溶液E(固形分20%)を調製した。得られた分散剤溶液Eの酸価は0mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP−1のアミノ基は、塩化ベンジルとの4級化反応により塩形成されている。
(1)PY138顔料分散液Aの調製
製造例11で調製した分散剤溶液A25.0質量部、製造例5のバインダー樹脂A6.82質量部、PGMEA58.18質量部、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138(PY138:平均一次粒径10〜40nm)9.2質量部、製造例1の黄色顔料イミドアルキル化誘導体A(PY138フタルイミドメチル誘導体)0.3質量部、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体A(PY138スルホン酸誘導体)0.5質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで18時間分散し、PY138顔料分散液Aを得た。
上記(1)で得られたPY138顔料分散液A53.33質量部と下記バインダー組成物A42.67質量部、PGMEA4.00質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.04質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.4質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Aを得た。
<バインダー組成物A(固形分15%)>
・アルカリ可溶性樹脂(製造例5のバインダー樹脂A、固形分44質量%):8.18質量部
・3〜4官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM305、東亞合成社製):8.4質量部
・光重合開始剤:2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、BASF社製)):0.82質量部
・光重合開始剤:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(商品名:ビイミダゾール、黒金化成社製)):1.64質量部
・光重合開始剤:2−メルカプトベンゾチアゾール(東京化成社製):0.26質量部
・光増感剤:2,4ジエチルチオキサントン(商品名:カヤキュアーDETX-S、日本化薬社
製):0.28質量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):80.42質量部
(1)PY138顔料分散液Bの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 9.7質量部、製造例1の黄色顔料イミドアルキル化誘導体A(PY138フタルイミドメチル誘導体)0.3質量部として、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体Aを用いなかった以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Bを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Bを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Bを得た。
(1)PY138顔料分散液Cの調製
実施例1(1)において、製造例11の分散剤溶液Aの代わりに製造例12で調製した分散剤溶液B25.0質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Cを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Cを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Cを得た。
(1)PY138顔料分散液Dの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 9.2質量部、製造例2の黄色顔料イミドアルキル化誘導体B(PY138テトラクロロフタルイミドメチル誘導体)0.3質量部、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体A(PY138スルホン酸誘導体)0.5質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Dを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Dを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Dを得た。
(1)PY138顔料分散液Eの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 9.2質量部、製造例3の黄色顔料イミドアルキル化誘導体C(PY138ナフタルイミドメチル誘導体)0.3質量部、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体A(PY138スルホン酸誘導体)0.5質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Eを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Eを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Eを得た。
(1)PY138顔料分散液Fの調製
実施例1(1)において、製造例11の分散剤溶液Aの代わりに製造例13で調製した分散剤溶液C25.0質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Fを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Fを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Fを得た。
(1)PY138顔料分散液Gの調製
実施例1(1)において、製造例11の分散剤溶液Aの代わりに製造例14で調製した分散剤溶液D25.0質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Gを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Gを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Gを得た。
(1)PY138顔料分散液Hの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 9.5質量部、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体A(PY138スルホン酸誘導体)0.5質量部として、黄色顔料イミドアルキル化誘導体を用いなかった以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Hを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Hを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Hを得た。
(1)PY138顔料分散液Iの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 10.0質量部として、黄色顔料イミドアルキル化誘導体及び黄色顔料スルホン酸誘導体を用いなかった以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Iを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Iを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Iを得た。
(1)PY138顔料分散液Jの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 10.0質量部とし、黄色顔料イミドアルキル化誘導体及び黄色顔料スルホン酸誘導体を用いず、本分散時間を4時間とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Jを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Jを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Jを得た。
(1)PY138顔料分散液Kの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 9.5質量部、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体A(PY138スルホン酸誘導体)0.5質量部とし、製造例11の分散剤溶液Aの代わりに製造例8で調製したグラフト共重合体GP−1 19.23質量部、PGMEA 63.95質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Kを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Kを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Kを得た。
(1)PY138顔料分散液Lの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 9.5質量部、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体A(PY138スルホン酸誘導体)0.5質量部とし、製造例11の分散剤溶液Aの代わりに製造例15で調製した分散剤溶液E25質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Lを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Lを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Lを得た。
(1)PY138顔料分散液Mの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 9.5質量部、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体A(PY138スルホン酸誘導体)0.5質量部とし、製造例11の分散剤溶液Aの代わりに市販分散剤「アジスパーPB821」(味の素ファインテクノ社製,固形分濃度100質量%)5.00質量部、PGMEA 78.18質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Mを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Mを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Mを得た。
(1)PY138顔料分散液Nの調製
実施例1(1)において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 9.5質量部、製造例4の黄色顔料スルホン酸誘導体A(PY138スルホン酸誘導体)0.5質量部とし、分散剤溶液Aを市販分散剤の「BYK−LPN6919」(ビックケミー社製,固形分濃度60質量%)8.33質量部、PGMEAを74.85質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、PY138顔料分散液Nを調製した。
実施例1(2)において、PY138顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたPY138顔料分散液Nを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Nを得た。
(1)PY138フタルイミドメチル誘導体分散液Aの調製
製造例1の黄色顔料イミドアルキル化誘導体A(PY138フタルイミドメチル誘導体)3.00質量部、市販分散剤の「Disperbyk2000」(ビックケミー社製,固形分濃度40質量%)6.00質量部、PGMEAを72.08質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル18.92質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで3時間分散し、PY138フタルイミドメチル誘導体分散液Aを得た。
比較例1(1)で得られたPY138顔料分散液H 97質量部に、上記(1)で得られたPY138フタルイミドメチル誘導体分散液A 10質量部を添加混合することで、PY138顔料分散液Oを調製した。
上記で得られたPY138顔料分散液O 57.07質量部とバインダー組成物A 42.67質量部、PGMEA 0.26質量部とを混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Oを得た。
<顔料分散安定性>
顔料分散安定性の評価として、各実施例及び比較例で得られたPY138顔料分散液を、40℃で1週間静置し、静置前後の上記顔料分散液中の顔料粒子の平均粒径とせん断粘度の測定を行った。平均粒径の測定には、日機装社製「ナノトラック粒度分布計UPA−EX150」を用い、粘度測定には、Anton Paar製「レオメータMCR301」を用いて、せん断速度が60rpmのときのせん断粘度を測定した。
結果を表1に示す。
各実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子社製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。超高圧水銀灯を用いて30mJ/cm2の紫外線を照射することによって硬化膜(黄色着色層)を得た。乾燥硬化後の膜厚は目標色度x=0.420になるように調整した。着色層が形成されたガラス板を230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークし、得られた着色基板のポストベーク前後のコントラスト、色度(x、y)及び輝度(Y)を測定した。コントラストは壺坂電気(株)社製「コントラスト測定装置CT−1B」を用い、色度及び輝度はオリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定した。
結果を表2に示す。
上記(光学性能)評価で得られた黄色着色基板を、N−メチルピロリドン(NMP)中に室温で30分間浸漬させ、純水で洗浄後、NMP浸漬前後の色差(ΔEab)を測定した。結果を表2に示す。
各実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物を、厚み0.7mmのガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。この着色層にフォトマスクを介し、超高圧水銀灯を用いて30mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、上記着色層が形成されたガラス板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いてシャワー現像し、上記着色層を形成した箇所のガラス面が現れるまでの時間を現像時間として測定した。結果を表2に示す。
上記(アルカリ現像性)評価で得られた黄色着色基板を240℃及び260℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークし、パターン塗膜上に顔料凝集体の析出の有無がないか確認した。結果を表2に示す。例として、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2の260℃での耐熱性評価結果の写真を、図5〜図8にそれぞれ示す。
(評価基準)
○:析出無し
×:塗膜面に析出有り
××:塗膜全面に析出有り
各実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物を、厚み0.7mmのガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。この着色層にライン&スペースが80μmのストライプパターンの描かれたフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いて30mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、上記着色層が形成されたガラス板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒間シャワー現像したのち、さらに60秒間超純水で洗浄し、さらに230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークした。なお、60秒で現像できない場合は現像できるまでシャワー現像を行った。
得られた着色パターンが形成されたガラス基板を40℃に保持した5.0質量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させ、着色パターンがガラス基板から剥離するまでの時間を測定した。
結果を表2に示す。
製造例11で調製した分散剤溶液A26.00質量部、製造例5のバインダー樹脂A11.82質量部、PGMEA49.18質量部、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー150(PY150:平均一次粒径10〜50nm)13.0質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで4時間分散し、PY150顔料分散液を得た。
製造例11で調製した分散剤溶液A22.75質量部、製造例5のバインダー樹脂A10.34質量部、PGMEA53.91質量部、色材成分としてC.I.ピグメントグリーン58(PG58:平均一次粒径10〜50nm)13.0質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで4時間分散し、PG58顔料分散液を得た。
製造例11で調製した分散剤溶液A20.00質量部、製造例5のバインダー樹脂A9.09質量部、PGMEA60.91質量部、色材成分としてC.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径10〜50nm)10.0質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで4時間分散し、PR254顔料分散液を得た。
製造例11で調製した分散剤溶液A20.00質量部、製造例5のバインダー樹脂A5.45質量部、PGMEA66.55質量部、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー139(PY139:平均一次粒径10〜50nm)8.0質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで16時間分散し、PY139顔料分散液を得た。
実施例1で得られたPY138顔料分散液A28.69質量部、製造例17で得られたPG58顔料分散液26.97質量部、上記バインダー組成物A39.17質量部、PGMEA5.17質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.04質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.4質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用緑色ネガ型レジスト組成物Aを得た。
実施例9において、PY138顔料分散液Aの代わりに、実施例2で得られたPY138顔料分散液Bを用いた以外は、実施例9と同様にして、カラーフィルタ用緑色ネガ型レジスト組成物Bを得た。
実施例9において、PY138顔料分散液Aの代わりに、比較例1〜3で得られたPY138顔料分散液H〜Jを用いた以外は、実施例9と同様にして、カラーフィルタ用緑色ネガ型レジスト組成物C〜Eを得た。
製造例16で得られたPY150顔料分散液15.69質量部、製造例17で得られたPG58顔料分散液33.35質量部、上記バインダー組成物A39.72質量部、PGMEA11.24質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.04質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.4質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用緑色ネガ型レジスト組成物Fを得た。
<光学性能(色度・輝度・コントラスト)>
実施例9〜10及び比較例8〜11で得られたカラーフィルタ用緑色ネガ型レジスト組成物を用い、乾燥硬化後の膜厚を目標色度y=0.590になるように調整した以外は、上記実施例1〜8及び比較例1〜7と同様にして、色度・輝度・コントラストの評価を行った。
結果を表3に示す。
実施例9〜10及び比較例8〜11で得られたカラーフィルタ用緑色ネガ型レジスト組成物を用い、上記実施例1〜8及び比較例1〜7と同様にして、耐熱性の評価を行った。
結果を表3に示す。
実施例1で得られたPY138顔料分散液A10.55質量部、製造例18で得られたPR254顔料分散液42.21質量部、下記バインダー組成物B18.76質量部、PGMEA28.48質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.04質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.4質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用赤色ネガ型レジスト組成物Aを得た。
・アルカリ可溶性樹脂(製造例5のバインダー樹脂A、固形分44質量%):23.18質量部
・3〜4官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM305、東亞合成(株)製):23.80質量部
・光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)):1.80質量部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)):4.2質量部
・溶剤(PGMEA):47.02質量部
実施例11において、PY138顔料分散液Aの代わりに、比較例1で得られたPY138顔料分散液Hを用いた以外は、実施例11と同様にして、カラーフィルタ用赤色ネガ型レジスト組成物Bを得た。
製造例16で得られたPY150顔料分散液6.09質量部、製造例18で得られたPR254顔料分散液44.84質量部、下記バインダー組成物B18.76質量部、PGMEA30.31質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.04質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.4質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用赤色ネガ型レジスト組成物Cを得た。
実施例1で得られたPY138顔料分散液A37.46質量部、製造例19で得られたPY139顔料分散液8.26質量部、上記バインダー組成物B22.67質量部、PGMEA31.61質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.04質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.4質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Pを得た。
実施例12において、PY138顔料分散液Aの代わりに、比較例1で得られたPY138顔料分散液Hを用いた以外は、実施例12と同様にして、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Qを得た。
製造例16で得られたPY150顔料分散液30.51質量部、製造例19で得られたPY139顔料分散液5.51質量部、下記バインダー組成物B22.67質量部、PGMEA41.31質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.04質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.4質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用黄色ネガ型レジスト組成物Rを得た。
実施例11〜12及び比較例12〜15で得られたカラーフィルタ用赤色及び黄色ネガ型レジスト組成物を用い、乾燥硬化後の膜厚を、目標色度が赤色:x=0.650、黄色:x=0.445になるようにそれぞれ調整した以外は、上記実施例1〜8及び比較例1〜7と同様にして、色度・輝度・コントラストの評価を行った。結果を表4〜5に示す。
実施例11〜12及び比較例12〜15で得られたカラーフィルタ用赤色及び黄色ネガ型レジスト組成物を用い、上記実施例1〜8及び比較例1〜7と同様にして、耐熱性の評価を行った。結果を表4〜5に示す。
C.I.ピグメントイエロー138と、C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、前記特定の塩型グラフト共重合体とを組み合わせて用いた実施例1〜8の黄色顔料分散液は、分散性、分散安定性ともに良好であった。また、当該顔料分散液を用いた、実施例1〜8のネガ型レジスト組成物は、高温加熱工程時に顔料凝集体の析出が抑制され、高温加熱工程後のコントラスト保持率が高く、高輝度及び高コントラストな着色層を形成可能であると共に、現像性に優れた着色層を形成することができた。当該着色層は、更に耐溶剤性及び耐アルカリ性にも優れていた。
更に、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体を組み合わせて用いた、実施例1及び3〜7のネガ型レジスト組成物は、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体を用いない実施例2と比較して、更にコントラストが高かった。
また、実施例の中でも、C.I.ピグメントイエロー138の顔料分散時に、C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と共存させず、C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体を後から添加した実施例8は、コントラストがより向上することが明らかにされた。
有機酸化合物と塩形成していないグラフト共重合体を分散剤として用いた比較例4の顔料分散液は、分散性及び分散安定性が悪かった。また、当該顔料分散液を用いた比較例4のネガ型レジスト組成物は、現像性及びアルカリ耐性が悪く、また、コントラストも低かった。
塩化ベンジルを用いて4級アンモニウム塩化したグラフト共重合体を分散剤として用いた比較例5のネガ型レジスト組成物は、現像性が悪かった。
また、有機酸化合物と塩形成していない市販の分散剤を用いた比較例6及び7のネガ型レジスト組成物は、特に耐アルカリ性が悪かった。
C.I.ピグメントイエロー138と、C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、前記特定の塩型グラフト共重合体とを組み合わせて用いた黄色顔料分散液は、実施例9〜12のように、更に他の顔料を用いた場合であっても、輝度及びコントラストが高く、耐熱性に優れていることがわかった。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
51 アミノ基を有するモノマー単位
52 マクロモノマーの重合性部位
53 マクロモノマーによるポリマー鎖
54 有機酸化合物
Claims (16)
- C.I.ピグメントイエロー138と、下記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、顔料分散剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であり、且つ、前記C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体が、前記C.I.ピグメントイエロー138の100質量部に対して、0.1〜20質量部含有されたカラーフィルタ用顔料分散液。
- 更に、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体が、前記C.I.ピグメントイエロー138の100質量部に対して0.1〜20質量部含有される、請求項1に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
- 前記顔料分散剤において、前記エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーが、下記一般式(I)で表される、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
- 前記顔料分散剤において、前記有機酸化合物が、下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
Rbは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基である。
Rc及びRdは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Reは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COORfで示される1価の基であり、Rfは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
Ra、Ra’、及びRbにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。) - 前記顔料分散剤において、前記マクロモノマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するものである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR11で示される1価の基であり、R9は、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]x−R8、−[(CH2)y−O]z−R8、又は−[CO−(CH2)y−O]z−R8で示される1価の基である。R10は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。) - C.I.ピグメントイエロー138と、下記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、顔料分散剤と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であり、且つ、前記C.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体が、前記C.I.ピグメントイエロー138の100質量部に対して、0.1〜20質量部含有された、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
- 赤色又は緑色顔料を含む、請求項6に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
- 更に、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン酸誘導体が、前記C.I.ピグメントイエロー138の100質量部に対して0.1〜20質量部含有される、請求項6又は7に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
- 前記顔料分散剤において、前記エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーが、下記一般式(I)で表される、請求項6乃至8のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
- 前記顔料分散剤において、前記有機酸化合物が、下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される、請求項6乃至9のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
Rbは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基である。
Rc及びRdは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Reは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COORfで示される1価の基であり、Rfは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
Ra、Ra’、及びRbにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。) - 前記顔料分散剤において、前記マクロモノマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するものである、請求項6乃至10のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR11で示される1価の基であり、R9は、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]x−R8、−[(CH2)y−O]z−R8、又は−[CO−(CH2)y−O]z−R8で示される1価の基である。R10は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。) - 顔料分散剤として、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体を準備する工程と、
溶剤中、前記顔料分散剤の存在下で、C.I.ピグメントイエロー138と、下記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体とを分散させて顔料分散液を調製する工程と、
前記顔料分散液と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤とを混合する工程とを有する、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の製造方法。
- 顔料分散剤として、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体を準備する工程と、
溶剤中、前記顔料分散剤の存在下で、C.I.ピグメントイエロー138を分散させて顔料分散液を調製する工程と、
前記顔料分散液と、下記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントイエロー138のイミドアルキル化誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤とを混合する工程とを有する、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の製造方法。
- 透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが請求項6乃至11のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物又は請求項12又は13に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の製造方法により製造されたカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を硬化させて形成されてなる着色層を有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 前記請求項14に記載のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示装置。
- 前記請求項14に記載のカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする有機発光表示装置。
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