JP2013052608A - 画像形成装置および液滴吐出ヘッドの駆動方法 - Google Patents

画像形成装置および液滴吐出ヘッドの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴吐出ヘッドの隔壁変形による隣接クロストークを抑制する。
【解決手段】主圧電素子と、各圧力室の主圧電素子側にて各隔壁に対応する部位に接合された副圧電素子とを備える液滴吐出ヘッドに対し、副圧電素子のうち、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する各主圧電素子に同一駆動周期内で異なる駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子に対して、少なくとも主圧電素子が駆動している間、隔壁を伸張させる方向に駆動させる副駆動信号を印加し、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する主圧電素子に同一駆動周期内で同一の駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子は駆動しないようにする。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像形成装置および液滴吐出ヘッドの駆動方法に関する。
インクジェット記録装置においては、インク滴を吐出するノズル間の相互干渉による吐出特性の不均一化が生じる。その構造的な要因として、液室(圧力室)全体が、液滴吐出ヘッドの主要部である圧電素子(例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いた積層型圧電素子)に持ち上げられ(押され)、弓なりにたわむことにより生ずる吐出特性の不均一化(いわゆる構造的な全体クロストーク)と、吐出パターンの異なる液室間に生ずる隔壁の変形による吐出特性の不均一化(いわゆる構造的な隣接クロストーク)が知られている。
全体クロストークは、液滴吐出ヘッドのノズル板や振動板等の剛性を高めることである程度抑制できることが知られている。
また、特許文献1では、バイピッチ積層PZTヘッドの構造を利用し、隔壁に接続された副圧電素子の分極方向を逆にし、主圧電素子と副圧電素子に同一波形を印加しつつ、互いを逆方向に変位させることで、振動板の相対変位量増加による吐出効率向上および、液室部品の剛性向上による全体クロストーク抑制が可能な構成が開示されている。
しかしながら、ノズル板や振動板等の剛性を高める方法は、圧力室隔壁をなす流路板の相対的な剛性が低くなって隔壁が変形しやすくなり、逆に隣接クロストークが改善されないという問題があった。
また、副圧電素子を圧力室に接続された主圧電素子に対し逆方向に変位させる方法では全体クロストークを抑制できても、隣接クロストークの抑制には有効ではなく、また本来駆動しない副PZTに一様に電圧を印加するため、消費電力が大幅に増加し、さらには圧電素子全体の発熱量が増加することになるのでインクが加熱し、吐出特性が変化するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、振動板等の剛性を高くして構造的な全体クロストークを抑制したヘッドを用いる場合であっても、ノズル高密度化により流路隔壁が薄いヘッドを用いる場合であっても、電力増加等を最小限にしつつ液室の隔壁変形による隣接クロストークを抑制することができる画像形成装置および液滴吐出ヘッド駆動方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、互いに隔壁を介して複数並設され、それぞれが、前記隔壁および振動板を含む部材により画成され、ノズルに連通する圧力室と、各前記圧力室の前記振動板の外面に接合された主圧電素子と、各前記圧力室の前記主圧電素子側にて各前記隔壁に対応する部位に接合された副圧電素子とからなり、前記主圧電素子を駆動して前記振動板を変位させることにより、前記圧力室の容積を変化させて、前記ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置であって、前記副圧電素子のうち、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する各主圧電素子に同一駆動周期内で異なる駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子に対して、少なくとも前記主圧電素子が駆動している間、前記隔壁を伸張させる方向に駆動させる副駆動信号を印加し、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する主圧電素子に同一駆動周期内で同一の駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子は駆動しないようにすることを特徴とする。
また、本発明は、互いに隔壁を介して複数並設され、それぞれが、前記隔壁および振動板を含む部材により画成され、ノズルに連通する圧力室と、各前記圧力室の前記振動板の外面に接合された主圧電素子と、各前記圧力室の前記主圧電素子側にて各前記隔壁に対応する部位に接合された副圧電素子とからなり、前記主圧電素子を駆動して前記振動板を変位させることにより、前記圧力室の容積を変化させて、前記ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、前記副圧電素子のうち、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する各主圧電素子に同一駆動周期内で異なる駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子に対して、少なくとも前記主圧電素子が駆動している間、前記隔壁を伸張させる方向に駆動させる副駆動信号を印加し、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する主圧電素子に同一駆動周期内で同一の駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子は駆動しないようにすることを特徴とする。
本発明によれば、インクジェット記録装置等の画像形成装置において、各主圧電素子に同一駆動周期内で異なる駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子に対して、少なくとも主圧電素子が駆動している間、隔壁を伸張させる方向に駆動させる副駆動信号を印加し、隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する主圧電素子に同一駆動周期内で同一の駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子は駆動しないようにするので、電力増加等を最小限にしつつ液室の隔壁変形による隣接クロストークを抑制することができる。
図1は、本発明に係る一実施形態の画像形成装置全体の側面説明図である。 図2は、同実施形態の画像形成装置の主要部を示す平面説明図である。 図3は、同実施形態における液滴吐出ヘッドの液室構造について説明する液室長手方向断面図である。 図4は、同実施形態における液滴吐出ヘッドの液室構造について説明する液室短手方向断面図である。 図5は、同実施形態の画像形成装置の制御部を説明するブロック図である。 図6は、同実施形態におけるヘッド駆動制御のための電気的構成を説明するブロック図である。 図7は、同実施形態におけるヘッド駆動のための代表的な駆動信号(吐出駆動パルス)を示す図である。 図8は、従来技術における隣接クロストーク発生機構の説明図である。 図9は、従来技術および同実施形態の第1の実施例における駆動パターンの説明図である。 図10は、同実施形態の第1の実施例における駆動波形(共通駆動波形および滴制御信号)を示す図である。 図11Aは、同実施形態の第1の実施例における隣接クロストーク抑制機構の説明図である。 図11Bは、同実施形態の第1の実施例における隣接クロストーク抑制機構の詳細説明図である。 図12は、従来技術および同実施形態の第2の実施例における駆動パターンの説明図である。 図13は、一般的な液滴吐出ヘッドのクロストーク特性の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る一実施形態である画像形成装置について図1及び図2を参照し説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の主要部を示す平面説明図である。
本実施形態の画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置である。装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持している。このキャリッジ33は、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図2で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
キャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という)を、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、記録ヘッド34としては、1つのノズル面に複数のノズルを並べた各色のノズル列を備えるものなどを用いることもできる。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するための第2インク供給部としてのサブタンクであるサブタンク35a、35b(区別しないときは「サブタンク35」という)を搭載している。
このサブタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のインクカートリッジ(メインタンク)10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して、各色の記録液が補充供給される。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43、及び給紙コロ43に対向し摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。
この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図2のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などを備えている。維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体1に対して交換可能に装着される。
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド部材47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。そして、記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動して、キャップ82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引や、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができるようになる。
次に、記録ヘッド34を構成している液体吐出ヘッドの一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
図に示す液体吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び圧力発生室である液室106、液室106に流体抵抗部(供給路)107を通じてインクを供給するための共通液室108に連通するインク供給口109などが形成されている。
また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図3では1列のみ図示)の積層型圧電素子121(以下、圧電素子121と記す)と、この圧電素子121を接合固定するベース基板122とを備えている。なお、圧電素子121の間には支柱部123を設けている。この支柱部123は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子121と同時に形成した部分であるが、従来技術においては駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。また、圧電素子121には図示しない駆動回路(駆動IC)を搭載したFPCケーブル126を接続している。
また、振動板102の周縁部をフレーム部材130に接合し、このフレーム部材130には、圧電素子121及びベース基板122などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部131及び共通液室108となる凹部、この共通液室108に外部からインクを供給するためのインク供給穴132を形成している。このフレーム部材130は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子121及び支柱部123を接着剤接合し、更にフレーム部材130を接着剤接合している。
ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。このノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。
圧電素子121は、圧電材料151と内部電極152とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子121の交互に異なる端面に引き出された各内部電極152には個別電極153及び共通電極154が接続されている。なお、本実施形態では、圧電素子121の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内のインクを加圧する構成としているが、圧電素子121の圧電方向としてd31方向の変位を用いて液室106内のインクを加圧する構成とすることもできる。また、1つのベース基板122に1列の圧電素子121が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子121に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子121が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内にインクが流入することとなる。その後圧電素子121に印加する電圧を上げて圧電素子121を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内のインクが加圧され、ノズル104からインクの滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子121に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内にインクが充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き?押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。なお、図5は同制御部を説明するブロック図である。
図に示す制御部500は、画像形成装置全体の制御を司る手段であり、空吐出動作の制御を行う手段を兼ねるCPU501と、CPU501が実行するプログラムやその他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、画像形成装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81の維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストI/F506を有し、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してホストI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、ホストI/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROM502に格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド34の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(ここでは圧電素子121)に対して印加することで記録ヘッド34を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。
次に、印刷制御部508及びヘッドドライバ509の一例について図6を参照して説明する。
印刷制御部508は、上述したように、画像形成時に1印刷周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力し、空吐出動作時に1空吐出周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部701と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号(転送クロック)、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力するデータ転送部702とを備えている。
なお、滴制御信号M0〜M3は、ヘッドドライバ509の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ715の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号であり、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべき波形でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドドライバ509は、データ転送部702からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/1チャンネル(1ノズル)を入力するシフトレジスタ711と、シフトレジスタ711の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路712と、階調データと滴制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ713と、デコーダ713のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ715が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ714と、レベルシフタ714を介して与えられるデコーダ713の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ715とを備えている。
このアナログスイッチ715は、各圧電素子121の選択電極(個別電極)154に接続され、駆動波形生成部701からの共通駆動波形が入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と滴制御信号M0〜M3をデコーダ713でデコードした結果に応じてアナログスイッチ715がオンにすることにより、共通駆動波形を構成する所要の駆動信号が通過して(選択されて)圧電素子121に印加される。
なお、図6に示さないが、データ転送部702は後述の滴制御信号M4を出力し、ヘッドドライバ509と同様の構成のヘッドドライバ(図示せず)が、滴制御信号M4がHレベル(ON)となるタイミングで共通駆動波形を供給することで副圧電素子(後述)を駆動する。
次に、吐出駆動パルス(共通駆動波形)について図7を参照して説明する。
駆動波形生成部701からは、1空吐出周期(1駆動周期)内に、図7に示すように、基準電位Veから立ち下がる波形要素と、立下り後の状態からホールド状態(電位が変化しない部分)を経て立ち上がる波形要素などで構成される、連続する複数(ここでは4個)の駆動パルスP1ないしP4からなる吐出駆動信号(駆動波形)を生成して出力する。
ここで、駆動パルスの電位Vが基準電位Veから立ち下がる波形要素は、これによって圧電素子121が収縮して液室106の容積が膨張する引き込み波形要素である。また、立下り後の状態から立ち上がる波形要素は、これによって圧電素子121が伸長して液室106の容積が収縮する加圧波形要素である。
(第1の実施例)
以下、本実施形態のさらなる詳細として第1の実施例を説明するために、図8に従来技術において構造的な隣接クロストークが発生する機構を示す。以後、図4における圧電素子121を主圧電素子801a、駆動電圧を印加することで圧電素子として機能する支柱部123を副圧電素子801bと呼ぶ。液室811a〜811eのうち、811a,811eに対しては吐出のための駆動が行われず、811b〜811dに対し同一パターンで吐出のための駆動が行われた場合について説明する。
各液室の圧力変動に対応して周囲隔壁に垂直応力が発生し、液室811bに対応する応力は隔壁802b、802c1に、液室811cに対応する応力は隔壁802c1、802c2に、811dに対応する応力は隔壁802c2、802dに、それぞれ働く。このとき811b〜811dは同一パターン駆動のため、各応力はその大きさが互いにほぼ等しくなり、隔壁802c1、802c2にかかる応力は打ち消しあってほぼ0とみなせる。一方隔壁802b、802dはそれぞれ811aと811b、811eと811dの圧力が異なるために液室方向に応力を受けて図8のように変形する。変形量は主に吐出圧の変動量、隔壁および周囲部材の曲げ剛性により決定されるが、一般に、隣接CHが非駆動の場合は隔壁の変形により圧力が逃げて、図8の821cに対して821b,821dのように吐出速度が落ち、隣接クロストークが発生する。また液室壁面を形成する振動板102やノズル板103の剛性が高い場合には、隔壁に応力が集中し、より変形しやすくなる。さらに液室がより高密度に配置されている場合には隔壁そのものが薄くなり、より変形しやすくなる。
図9に、従来技術および本実施形態での第1の実施例における、個々の圧電素子群801a、801bに印加される滴制御信号M0〜M4を示す。なおMXは電圧そのものを印加しないことを示す。
本実施例では、主圧電素子801aに印加される滴制御信号が異なっている、2〜3CH、7〜8CH、8〜9CH、9〜10CHにあたる副圧電素子801bに副駆動制御信号M4が印加される。なお副駆動制御信号M4は、副圧電素子801bの両側に隣接する主圧電素子801aに印加される滴制御信号の組み合わせによって複数種類用意されていてもよい。
図10に、第1の実施例における共通駆動波形および滴制御信号を示す。共通駆動波形1001は、駆動パルス群1001bおよび、波形両端に微小立ち下がり波形要素1001aと微小立ち上がり波形要素1001cを備える。ここで本例では、共通駆動波形長の短縮のため、微駆動制御信号M0に相当するパルスの立ち下がり波形要素を、微小立ち下がり波形要素1001aと共通化している。
次に滴制御信号M0〜M4を図10のように構成し、このうち副駆動制御信号M4印加時には、少なくとも駆動パルス群1001bが印加される間副圧電素子801bが一定量上方へ引き上げられ隔壁802b、802dのたわみ角A(後述)を低減させる。このとき副圧電素子801bの駆動要素は実質的に微小立ち下がり波形要素1001aと微小立ち上がり波形要素1001cのみであり、消費電力および圧電素子の発熱量を最小限に押さえられる。
このときの構造的な隣接クロストーク抑制機構を図11Aおよび図11Bに示す。図8と比べ、垂直応力がかかる隔壁802b、802dに対応する、副圧電素子801bが副駆動制御信号M4により上方へ駆動し、引っ張り状態となって隔壁802b、802dにかかる応力によって発生する隔壁のたわみ角Aが低減される。結果として液室方向の隔壁の最大変形量dは低下する。これにより821b、821dの滴速度低下が抑制される。
以上のように、本実施例では、バイピッチ積層PZTヘッド等の液吐出ヘッドにおいて、圧力室を加圧するための圧電素子を主圧電素子とし、流路隔壁に接続されたものを副圧電素子としたとき、同一駆動周期内で異なる駆動パターンで駆動する複数の主圧電素子間(CH間)に存在する隔壁に接続された副圧電素子のみを上方に駆動し、同じ駆動パターンのCH間に位置する隔壁に接続された副圧電素子は駆動しないように制御する構成としている。
各CHの駆動時、隔壁へかかる応力に着目すると、同じ駆動パターンのCH間に位置する隔壁にかかる応力は両側より常に同じ圧力を受けて打ち消しあうため、ほぼ0(ゼロ)とみなせる。一方異なる駆動パターンで駆動するCH間に存在する隔壁には左右で異なる圧力を受けるため、液室方向に応力を受け隔壁が変形する。これに対して上記制御により、この隔壁に対して接続された副圧電素子のみを上方(ノズル面と逆方向)に引くことで、この隔壁のたわみ角を低減し隔壁の液室並列方向の変形量を小さくすることができる。同時に、同じ駆動パターンのCH間に位置する隔壁は引かないようにすることで、副圧電素子の無駄な駆動を無くし、電力増加を押さえることができる。このように、本実施形態における液吐出ヘッドの駆動方法によれば、電力増加等を最小限にしつつ隔壁変形による隣接クロストークを抑制するという効果が得られる。また、図9,10に示すように、本実施例では、駆動波形および駆動制御が複雑化しないようにもなっている。
(第2の実施例)
図12に、従来技術および本実施形態の第2の実施例における個々の圧電素子群801a、801bに印加される滴制御信号M0〜M4を示す。
主圧電素子801aが連続してあるCH数αだけ同一駆動周期内で同一パターンの駆動が行われる場合、(両方または一方の)パターン境界にあたる副圧電素子だけでなく、一定CH間隔βおきに、つまり等間隔(略等間隔としてもよい)に副圧電素子を駆動する。本実施例は、例えば、振動板102等の剛性が十分でなく、図13に示す一般的な液滴吐出ヘッドのクロストーク特性において、構造的な全体クロストークのMAX値1300が、前述の第1の実施例によって抑制された隣接クロストーク値1302の値を超えうる場合に適応するとよい。なお、βの値は、例えば図13において、構造的な全体クロストーク値1301が第1の実施例によって抑制された隣接クロストーク値1302以下になる同時駆動CH数とする。これにより、すべての構造クロストークを隣接クロストーク値1302以下に押さえることができる。
なお、上記実施形態では、本発明に係る液吐出装置を実装する画像形成装置として、シリアル型インクジェット記録装置を例に説明したが、これに限るものではなく、プリンタ単機能構成のものに限らず、プリンタ/ファクシミリ/複写などの複合機能を有する画像形成装置、いわゆるMFP(MultiFunction Printer)であってもよい。
以上、発明を実施するための実施の形態について説明を行ったが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を損なわない範囲で変更することが可能である。
1 画像形成装置
34 記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
102 振動板
103 ノズル版
121 積層型圧電素子
508 印刷制御部
509 ヘッドドライバ
801a,801b 圧電素子群
802b,802c1,802c2,802d 隔壁
106,811a,811b,811c,811d,811e 液室(圧力発生室)
特開2007−253567号公報

Claims (5)

  1. 互いに隔壁を介して複数並設され、それぞれが、前記隔壁および振動板を含む部材により画成され、ノズルに連通する圧力室と、各前記圧力室の前記振動板の外面に接合された主圧電素子と、各前記圧力室の前記主圧電素子側にて各前記隔壁に対応する部位に接合された副圧電素子とからなり、前記主圧電素子を駆動して前記振動板を変位させることにより、前記圧力室の容積を変化させて、前記ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置であって、
    前記副圧電素子のうち、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する各主圧電素子に同一駆動周期内で異なる駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子に対して、少なくとも前記主圧電素子が駆動している間、前記隔壁を伸張させる方向に駆動させる副駆動信号を印加し、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する主圧電素子に同一駆動周期内で同一の駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子は駆動しないようにすることを特徴とした画像形成装置。
  2. 前記副駆動信号は、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する各主圧電素子が駆動されている間、前記隔壁に接続する副圧電素子を吐出とは逆方向に一定量変位させるための単一パルスであることを特徴とした請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記副駆動信号の単一パルスは、前記主圧電素子に印加する駆動パルス群と同形状の一部であることを特徴とした請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記主圧電素子が一定数以上並列方向に連続して同一駆動周期内で同一の駆動を行う場合に、該同一の駆動が行われる主圧電素子群に対応する副圧電素子群に、略等間隔で副駆動信号を印加することを特徴とした請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 互いに隔壁を介して複数並設され、それぞれが、前記隔壁および振動板を含む部材により画成され、ノズルに連通する圧力室と、各前記圧力室の前記振動板の外面に接合された主圧電素子と、各前記圧力室の前記主圧電素子側にて各前記隔壁に対応する部位に接合された副圧電素子とからなり、前記主圧電素子を駆動して前記振動板を変位させることにより、前記圧力室の容積を変化させて、前記ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記副圧電素子のうち、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する各主圧電素子に同一駆動周期内で異なる駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子に対して、少なくとも前記主圧電素子が駆動している間、前記隔壁を伸張させる方向に駆動させる副駆動信号を印加し、副圧電素子に接続する隔壁を挟み隣接する2つの圧力室に接続する主圧電素子に同一駆動周期内で同一の駆動信号が印加されている箇所に対応する副圧電素子は駆動しないようにすることを特徴とした液滴吐出ヘッドの駆動方法。
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