JP2013052493A - 機械加工装置およびそれを用いた機械加工方法 - Google Patents

機械加工装置およびそれを用いた機械加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工作物が、例え、熱伝導率の小さなチタン合金材料やニッケル基合金材料であっても、効率よく冷却して放熱できるので、高速切削加工による工具摩耗の進行を遅くし、工具寿命や加工精度を向上させることができる機械加工装置および機械加工方法の提供。
【解決手段】スルーホール2を有する工具3を備えた工作機械5と、強アルカリ水7を収容する容器8と、容器8中の強アルカリ水7にマイクロバブル13を供給してマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置11と、工作物10を固定する固定装置9と、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水7を工具3に供給して強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却する強制冷却装置17とを少なくとも備えたことを特徴とする機械加工装置1によって課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械加工装置およびそれを用いた機械加工方法に関するものであり、更に詳しくは、マイクロバブルあるいはさらにミリバブルを混入した強アルカリ水を用いたスルーホール付き工具の強制冷却手段を備えた機械加工装置およびそれを用いた工作物の機械加工方法に関するものである。
従来、例えば、工作物に穴を加工するドリルは、加工点が工作物中にあるため、その加工熱を放熱しにくく、切削油剤をかけても、かけた切削油剤が直接工作物中の加工点にかかることがないため、ドリルは熱的に極めて厳しい条件下での加工を強いられ、工具寿命が短くなるという問題があった。
特に、航空・宇宙機器材料として、熱伝導率の小さなチタン合金材料やニッケル基合金材料が多用されており、容易かつ高精度にそれらを加工する方法が検討されている(非特許文献1〜3参照)。
しかし、この材料は熱伝導率が低く、加工の際に発生した熱が工具に集中的に熱伝導されるため、工具が高温になり、工具の硬さや機械的強度が著しく低下した状態で加工することになり、工具寿命は極めて短く、短命となり、加工精度が低下する問題があった。
そこで、工具刃先に、切削油や空気、窒素ガスなどの冷却媒体が刃先および切削加工点を冷却・潤滑することができるように、エンドミルの中心にセンターホールを設けて、かつエンドミルの刃先それぞれに特定のサイドホールを設けて、センターホールからサイドホールを経てクーラントを供給し、高速切削加工による工具摩耗の進行を遅くし、工具寿命や加工精度を向上させるという提案がなされている(特許文献1参照)。
工具本体を通してオイルなどのクーラントを供給するためにオイルホールを設け、このオイルホールを経てクーラントを供給する構成としたドリルが提案されている(特許文献2、3、4、5、6参照)。
また、水溶性クーラント液の腐敗防止、切削加工時の加工性の向上、加工工具の長寿命化、および研削加工時の砥石の目詰まり防止効果を得るために、電解イオン水生成装置によって得られる水のpH値が8.0以上13.0以下の電解イオン水を、水溶性クーラント原液に混合して水溶性クーラント液とする提案がなされている(特許文献7参照)。
また、容器中にpH8〜12のアルカリ性電解水を入れ、さらに工作物のニッケル合金を浸漬し、固定した後、ミスト用ノズルから圧縮空気によって霧状になった環境に優しい植物油をベースにした極微量の油剤をエンドミル切削工具に噴霧し、もう一つの冷給電解水用ノズルから電解水を40〜100cc/secの範囲で前記エンドミル切削工具に噴射させ、電解水中に浸漬した圧縮空気用ノズルから、切削加工を行う方向に圧縮空気量が10リットル/min、気泡の大きさが20〜30mmの範囲で圧縮空気を送り込み、電解水中の浸漬した噴流電解水用ノズルから電解水を40〜100cc/secの範囲において、前記圧縮空気(気泡)と同時に電解水中のエンドミル切削工具に噴射させながら切り屑を除去する電解水中におけるニッケル合金のエンドミル切削加工法が提案されている(特許文献8参照)。
また、容器中にpH8〜12のアルカリ性電解水、ドライアイスおよび発泡性洗浄剤を入れ、さらにステンレス鋼を浸漬し、固定した後、ミスト用ノズルから圧縮空気によって霧状になった環境に優しい植物油をベースにした極微量の油剤を回転しているエンドミル切削工具に噴霧し、もう一つの冷給電解水用ノズルから電解水を40〜100cc/secの範囲で前述のエンドミル切削工具に噴射させ、電解水中に浸漬した圧縮空気用ノズルから、切削加工を行う方向に圧縮空気量が10リットル/min、気泡の大きさが20〜30mmの範囲で圧縮空気を送り込み、電解水中の浸漬した噴流電解水用ノズルから電解水を40〜100cc/secの範囲において、圧縮空気(気泡)と同時に電解水中のエンドミル切削工具に噴射させながら切り屑を除去する電解水中におけるステンレス鋼のエンドミル切削加工法が提案されている(特許文献9参照)。
また、冷却効果、工具摩耗の防止、切屑の除去および廃棄した場合の環境汚染の防止等が容易に実現できる利点を保持しながら、冷却液中に水溶性加工油が添加混合された場合は、その成分の腐敗や変質が生じないので繰り返し使用が可能になるという利点がある、貝殻類、天然ゼオライト、ガラス質材、鹿沼土、赤玉土、その他の粉状の鉱物質材の二以上のものを混合して焼成発泡した処理材で処理したpHが9.0以上ORPが0.0mV以下である水又は水溶液である機械加工用冷却液が提案されている(特許文献10参照)。
一方、本発明者らは先に工作機械に取り付けた容器内にpH10.0以上の強アルカリ水だけを充填し、工作物をその容器内にドブヅケ状態にして、バイト、エンドミル、正面フライスなどの切削工具で切削加工をし、その水の気化熱現象を利用して、工具の強制冷却をする方法と装置を提案した(特許文献11参照)。
特開平06-190625号公報 特開2006−281407号公報 特開2011−73129号公報 特開平08−155736号公報 特開2001−277023号公報 特開2009−000806号公報 特開2002−167594号公報 特開2008−221397号公報 特開2010−023154号公報 特開2010−132714号公報 特願2010−240559号明細書
NARUTAKIN and YAMANE Y. High-speed machining of Inconel 718 with ceramic tools, Annuals CIRP, 42(1), 1993, pp.103-106 臼杵年、佐藤公紀、古谷諭、「コーテッド超高工具によるチタン合金の高速ドライエンドミル加工」、精密工学会誌論文集、Vol.71,No.4,(2005),pp.142-148 KITAGAWA T., KUBO A., and MAEKAWA, Temperature and wear of cutting tools in high-speed machining of Inconel 718 and Ti-6Al-6V-2Sn, Wear 202, Elsevier Science,1997, pp.142-148
前記先行技術によれば、いずれも工作物や加工点をある程度冷却して放熱できるが、未だ十分でなく、冷却が不十分であるので、工具寿命や加工精度を満足するレベルまで向上させることができないという問題があり、改良の余地があった。
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、工作物が、例え、熱伝導率の小さなチタン合金材料やニッケル基合金材料であっても、加工点を効率よく冷却して放熱できるので、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、高速切削加工による工具摩耗の進行を遅くし、工具寿命や加工精度を向上させることがでる機械加工装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、本発明の機械加工装置を用いて容易に工作物の加工を行うことができる機械加工方法を提供することである。
本発明者らは鋭意研究の結果、例えば、工作物全体を、平均外径が60μm以下のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して、スルーホールを設けた工具を用いて切削、研削、刃切り、ブローチ加工などの機械加工を行う際に、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却することにより、効率よく放熱させて冷却できるので、いわゆる潤滑油などを使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができる上、前記強アルカリ水は、安全性が高く、また高い抗菌・防腐効果および高い防錆効果があり、腐敗せず、前記工作物などに対する界面浸透性、剥離分離能力、乳化・分離能力が大きいため、効率よく放熱させて冷却でき、洗浄力がきわめて大きく、かつ環境に優しいことを見いだして、本発明を成すに至った。
本発明者らは、さらに、例えば、工作物全体を、平均外径が60μm以下のマイクロバブルおよび平均外径が1〜8mmのミリバブルの両者を混入した強アルカリ水中に浸漬して、スルーホールを設けた工具を用いて前記機械加工を行う際に、
前記マイクロバブルおよびミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して前記加工点を強制冷却することにより、より効率よく放熱させて冷却できることを見いだして、本発明を成すに至った。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、
スルーホールを有する工具を備えた工作機械と、
強アルカリ水を収容する容器と、
前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置と、
工作物を固定する固定装置と、
前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却する強制冷却装置とを
少なくとも備えたことを特徴とする機械加工装置である。
本発明の請求項2は、請求項1記載の機械加工装置において、
前記工作機械に前記容器が取り付けられており、工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定することを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1記載の機械加工装置において、
前記工作機械に前記容器が取り付けられておらず、工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに固定装置に固定することを特徴とする。
本発明の請求項4は、
工作物を備えた工作機械と、
強アルカリ水を収容する容器と、
前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置と、
スルーホールを有する工具を固定する固定装置と、
前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却する強制冷却装置とを
少なくとも備えたことを特徴とする機械加工装置である。
本発明の請求項5は、請求項4記載の機械加工装置において、
前記工作機械に前記容器が取り付けられており、前記工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定することを特徴とする。
本発明の請求項6は、請求項4記載の機械加工装置において、
前記工作機械に前記容器が取り付けられておらず、前記工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに固定装置に固定することを特徴とする。
本発明の請求項7は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の機械加工装置において、
さらに、前記容器中の強アルカリ水に平均外径が1〜8mmのミリバブルを供給してミリバブルを混入した強アルカリ水を調製するミリバブル発生調製装置を備え、
マイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルとミリバブル発生調製装置で発生したミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を調製し、両者を混入した強アルカリ水を前記工具に供給するように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項8は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の機械加工装置において、
さらに、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲制御して維持する手段を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項9は、請求項2記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、次の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法である。
(1)容器中に強アルカリ水を所定量収容する。
(2)前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製する。
(3)工作物全体をマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定する。
(4)工作機械のスルーホールを有する工具を前記工作物の加工位置にセットする。
(5)強制冷却装置を作動して、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なう。
本発明の請求項10は、請求項3記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、次の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法である。
(1)容器中に強アルカリ水を所定量収容する。
(2)前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製する。
(3)工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに工作物を固定装置に固定する。
(4)工作機械のスルーホールを有する工具を前記工作物の加工位置にセットする。
(5)強制冷却装置を作動して、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なう。
本発明の請求項11は、請求項5記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、次の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法である。
(1)容器中に強アルカリ水を所定量収容する。
(2)前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製する。
(3)スルーホールを有する工具全体を、マイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定する。
(4)工作機械に備えた工作物を加工位置にセットする。
(5)強制冷却装置を作動して、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なう。
本発明の請求項12は、請求項6記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、次の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法である。
(1)容器中に強アルカリ水を所定量収容する。
(2)前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製する。
(3)スルーホールを有する工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに固定装置に固定する。
(4)工作機械に備えた工作物を加工位置にセットする。
(5)強制冷却装置を作動して、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なう。
本発明の請求項13は、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の工作物の機械加工方法において、前記マイクロバブルの平均外径が60μm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項14は、請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の工作物の機械加工方法において、前記強アルカリ水のpHが10〜13であることを特徴とする。
本発明の請求項15は、請求項9から請求項14のいずれか一項に記載の工作物の機械加工方法において、
前記スルーホールを有する工具が、切削および/または研削および/または刃切りおよび/またはブローチ加工を行う工具であることを特徴とする。
本発明の請求項16は、請求項7記載の機械加工装置を用いた請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法であって、
前記マイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルと前記ミリバブル発生調製装置で発生したミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を調製し、両者を混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なうように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項17は、請求項8記載の機械加工装置を用いた請求項9から請求項16のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法であって、
さらに、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持する制御手段により、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持することを特徴とする。
本発明の請求項18は、請求項9から請求項17のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法であって、前記強アルカリ水として、逆浸透圧ろ過した水を使用して調製された強アルカリ水を使用することを特徴とする。
本発明の請求項1は、スルーホールを有する工具を備えた工作機械と、強アルカリ水を収容する容器と、前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置と、工作物あるいは前記工具を固定する固定装置と、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却する強制冷却装置とを少なくとも備えたことを特徴とする機械加工装置であり、
スルーホールを設けた工具を用いて切削、研削、刃切り、ブローチ加工などの機械加工を行う際に、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して前記加工点を強制冷却することにより、効率よく放熱させて冷却でき、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、いわゆる潤滑油を使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができるという顕著な効果を奏する。
前記強アルカリ水は、安全性が高く、また高い抗菌・防腐効果および高い防錆効果があり、腐敗せず、前記工作物などに対する界面浸透性、剥離分離能力、乳化・分離能力が大きいため洗浄力がきわめて大きいので、より効率よく放熱させて冷却でき、しかも環境に優しいという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の機械加工装置において、前記工作機械に前記容器が取り付けられており、工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定することを特徴とするものであり、
工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定して機械加工を行うので、より効率よく放熱させて冷却でき、前記工作機械に前記容器が取り付けられているので機械加工装置全体を小型化でき、作業性や取扱性などに優れるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、請求項1記載の機械加工装置において、
前記工作機械に前記容器が取り付けられておらず、工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに固定装置に固定することを特徴とするものであり、
前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して前記加工点を強制冷却することにより、効率よく放熱させて冷却できるとともに、前記工作機械に前記容器が取り付けられていないので、それぞれ別々に取扱うことができ、マイクロバブル発生調製装置と前記容器が、前記工作機械から離れた位置にあっても機械加工を行えるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4は、工作物を備えた工作機械と、強アルカリ水を収容する容器と、前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置と、スルーホールを有する工具を固定する固定装置と、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却する強制冷却装置とを少なくとも備えたことを特徴とする機械加工装置であり、
スルーホールを設けた工具を用いて切削、研削、刃切り、ブローチ加工などの機械加工を行う際に、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して前記加工点を強制冷却することにより、効率よく放熱させて冷却でき、いわゆる潤滑油を使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができるという顕著な効果を奏する。
前記強アルカリ水は、安全性が高く、また高い抗菌・防腐効果および高い防錆効果があり、腐敗せず、前記工作物などに対する界面浸透性、剥離分離能力、乳化・分離能力が大きいため洗浄力がきわめて大きいので、より効率よく放熱させて冷却でき、しかも環境に優しいという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5は、請求項4記載の機械加工装置において、
前記工作機械に前記容器が取り付けられており、前記工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定することを特徴とするものであり、
工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定して、マイクロバブルを混入した強アルカリ水中で前記工作物の機械加工を行うので、より効率よく放熱させて冷却でき、作業性や取扱性などに優れるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6は、請求項4記載の機械加工装置において、
前記工作機械に前記容器が取り付けられておらず、前記工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに固定装置に固定することを特徴とするものであり、
前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して前記加工点を強制冷却することにより、効率よく放熱させて冷却できるとともに、前記工作機械に前記容器が取り付けられていないので、それぞれ別々に取扱うことができ、マイクロバブル発生調製装置と前記容器が、前記工作機械から離れた位置にあっても機械加工を行えるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項7は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の機械加工装置において、
さらに、前記容器中の強アルカリ水に平均外径が1〜8mmのミリバブルを供給してミリバブルを混入した強アルカリ水を調製するミリバブル発生調製装置を備え、
マイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルとミリバブル発生調製装置で発生したミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を調製し、両者を混入した強アルカリ水を前記工具に供給するように構成したことを特徴とするものであり、
前記両者を混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して前記加工点を強制冷却するように構成したことにより、より効率よく放熱させて冷却できるので、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、いわゆる潤滑油を使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の機械加工装置において、
さらに、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持する制御手段を備えたことを特徴とするものであり、
前記手段を用いて前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持することにより、機械加工装置、工具、工作物が腐食しない環境を維持でき、また加工精度をより向上させることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項9は、請求項2記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、前記工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法であり、
本発明の機械加工装置を用いて、工作物を固定装置に固定して、工作物全体を、マイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して、スルーホールを設けた工具を用いて切削、研削、刃切り、ブローチ加工などの機械加工を行う際に、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却することにより、より効率よく放熱させて冷却できるので、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、いわゆる潤滑油を使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができる上、前記強アルカリ水は、安全性が高く、また高い抗菌・防腐効果および高い防錆効果があり、腐敗せず、前記工作物などに対する界面浸透性、剥離分離能力、乳化・分離能力が大きいため洗浄力がきわめて大きいので、より効率よく放熱させて冷却でき、しかも環境に優しいという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項10は、請求項3記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、前記工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法であり、
本発明の機械加工装置を用いて、工作物全体を、マイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに、工作物を固定装置に固定して、スルーホールを設けた工具を用いて切削、研削、刃切り、ブローチ加工などの機械加工を行う際に、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具および工作物に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却することにより、効率よく放熱させて冷却できるので、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、いわゆる潤滑油を使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができる上、前記強アルカリ水は、安全性が高く、また高い抗菌・防腐効果および高い防錆効果があり、腐敗せず、前記工作物などに対する界面浸透性、剥離分離能力、乳化・分離能力が大きいため洗浄力がきわめて大きいので、より効率よく放熱させて冷却でき、しかも環境に優しいという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項11は、請求項5記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、前記工程(1)〜(5)を含むことを特徴とするものであり、
本発明の機械加工装置を用いて、スルーホールを設けた工具を固定装置に固定してマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬し、工作物全体を、マイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して、前記工具を用いて切削、研削、刃切り、ブローチ加工などの機械加工を行う際に、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却することにより、より効率よく放熱させて冷却できるので、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、いわゆる潤滑油を使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができる上、前記強アルカリ水は、安全性が高く、また高い抗菌・防腐効果および高い防錆効果があり、腐敗せず、前記工作物などに対する界面浸透性、剥離分離能力、乳化・分離能力が大きいため洗浄力がきわめて大きいので、より効率よく放熱させて冷却でき、しかも環境に優しいという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項12は、請求項6記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、前記工程(1)〜(5)を含むことを特徴とするものであり、
本発明の機械加工装置を用いて、固定装置に固定したスルーホールを設けた工具を、マイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに、前記工具を用いて切削、研削、刃切り、ブローチ加工などの機械加工を行う際に、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具および工作物に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却することにより、効率よく放熱させて冷却できるので、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、いわゆる潤滑油を使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができる上、前記強アルカリ水は、安全性が高く、また高い抗菌・防腐効果および高い防錆効果があり、腐敗せず、前記工作物などに対する界面浸透性、剥離分離能力、乳化・分離能力が大きいため洗浄力がきわめて大きいので、より効率よく放熱させて冷却でき、しかも環境に優しいという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項13は、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法であって、前記マイクロバブルの平均外径が60μm以下であることを特徴とするものであり、
前記マイクロバブルの平均外径が60μm以下であると、前記強アルカリ水の気化熱を利用して前記加工点をさらにより強制冷却することができ、より効率よく放熱させて冷却できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項14は、請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法であって、前記強アルカリ水のpHが10〜13であることを特徴とするものであり、
前記強アルカリ水のpHが10〜13であると、工作機械を構成する鋼部品や工作物が鋼、銅、黄銅の場合も腐食をより抑制できるとともに熱伝導率の小さなチタン合金材料やニッケル基合金材料などの腐食をより抑制できる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項15は、請求項9から請求項14のいずれか一項に記載の工作物の機械加工方法であって、前記スルーホールを有する工具が、切削および/または研削および/または刃切りおよび/またはブローチ加工を行う工具であることを特徴とするものであり、
各種の機械加工を容易に行うことができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項16は、請求項7記載の機械加工装置を用いた請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法であって、
前記マイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルと前記ミリバブル発生調製装置で発生したミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を調製し、両者を混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なうように構成したので、より効率よく放熱させて冷却できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項17は、請求項8記載の機械加工装置を用いた請求項9から請求項16のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法であって、
さらに、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持する制御手段により、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持することを特徴とするものであり、
前記手段を用いて前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持することにより、工作物、工具、固定装置(バイスなど)、工作機械などが腐食しないように維持しつつ、工作物の加工精度をより向上させることができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項18は、請求項9から請求項17のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法であって、前記強アルカリ水として、逆浸透圧ろ過した水を使用して調製された強アルカリ水を使用することを特徴とするものであり、
逆浸透圧ろ過した水には有害な不純物が含まれていないので、調製された強アルカリ水にも有害な不純物が含まれておらず、前記強アルカリ水が接触する工具、容器、工作物、固定装置などの表面に不純物が沈着したり、沈澱したり、あるいはこれらの不純物層が剥離したりして機械加工の連続運転を妨げることがなく、安定した機械加工を行うことができ、特に加工点に前記不純物が介在すると加工精度を低下させるが、不純物が含まれていない高品質の強アルカリ水を使用することにより加工精度を一層向上することができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
図1は、本発明の機械加工装置の一例を模式的に説明する図である。 図2(1)〜(5)は、図1に示した本発明の機械加工装置を用いる本発明の機械加工方法の一例を説明する説明図である。 図3は、本発明の機械加工装置の他の例を模式的に説明する図である。 図4(1)〜(5)は、図3に示した本発明の機械加工装置を用いる本発明の機械加工方法の他の例を説明する説明図である。 図5は、ドリルに設けたスルーホールの他の例を説明する説明図である。 図6は、エンドミルに設けたスルーホールの1例を説明する説明図である。 図7は、バイトのチップに設けたスルーホールの1例を説明する説明図である。 図8は、エンドミルのスロアチップに設けたスルーホールの1例を説明する説明図である。 図9(a)は、マイクロバブルやミリバブルの気化熱冷却効果を知るための、実験装置の正面断面説明図であり、(b)は同実験装置の側面断面説明図である。 図10は、図9に示した実験装置で得られた結果(実施例1、実施例2、比較例1〜3)をミリバブル供給量(横軸)と熱伝達率(縦軸)で示したグラフである。 図11は、工具先端の最大温度と工具寿命、表面粗さを求めるための実験装置(本発明の機械加工装置の他の例)の正面断面説明図である。 図12は、図11に示した実験装置で得られた結果(実施例3、比較例4、5、6、7の工具先端の最大温度)を示すグラフである。 図13は、図11に示した実験装置で得られた結果(実施例3、実施例4、比較例7、8)を逃げ面摩耗量(縦軸)と切削量(横軸)との関係を示したグラフである。 図14は、図11に示した実験装置を用いて得られた表面粗さ(縦軸)の結果(実施例3、実施例4、比較例7、8)を示したグラフである。 図15は、図11に示した本発明の他の機械加工装置を用いる本発明の機械加工方法の他の例を説明する説明図である。 図16は、図11に示した本発明の他の機械加工装置を用いて、工作物の加工を行ない、工具の加工点の応力(GPa)(b)とスルーホールの周囲の応力(GPa)(a)(縦軸)を測定し、距離(Lx)(横軸)、距離X、スルーホールの内径Dとの関係で示したグラフである。 図17は、図11に示した本発明の他の機械加工装置を用いて、工作物の加工を行ない、スルーホールの内径D(横軸)と工具の先端部の最高温度の関係を示したグラフである。 図18は、強アルカリ水7の温度およびpHを適正範囲に制御して維持する制御手段を備えた本発明の他の機械加工装置の例を説明する説明図である。 図19は、強アルカリ水7の温度(℃)を横軸に、pHメータにより検出されたpHと、容器中の強アルカリ水7の実際のpHを縦軸にして示したグラフである。 図20は、図18に示した本発明の機械加工装置に、さらに温度コントローラを備えた本発明の他の機械加工装置の例を説明する説明図である。 図21は、図20に示した本発明の機械加工装置のコントローラとして、工作物、工具、固定装置(バイスなど)、工作機械などが腐食しないpHの領域を予め入力しておき、実際に使用する、工作物、工具、固定装置(バイスなど)、工作機械の組み合わせの場合に用いられる適切なpHの範囲を計算できるように設定してあるコントローラを用いた本発明の他の機械加工装置の例を説明する説明図である。 図22は、強アルカリ水製造装置のフローを説明するフローシート図である。 図23は、強アルカリ水製造装置の電解槽の陽極および陰極における電極反応および中和反応を説明する説明図である。
本発明は、強アルカリ水を用いたスルーホール付き工具を強制冷却するための強制冷却手段を備えた機械加工装置およびそれを用いた工作物の機械加工方法に関するものである。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
以下の説明において、ミリバブル発生調製装置を用いて発生させたミリバブルおよびマイクロバブル発生調製装置を用いて発生させたマイクロバブルは、平均外径は異なるが、いずれも空気のバブルである。
図1は、本発明の機械加工装置の一例を模式的に説明する図である。
本発明の機械加工装置1Aは、スルーホール2を有する工具3(ドリル)を主軸4に装着して備えた工作機械5(マシニングセンター)と、
工作機械5(マシニングセンター)のテーブル6の上に設置した強アルカリ水7を収容した容器8と、
容器8内の強アルカリ水7中に加工部分を浸漬した工作物10(Ti6Al4V製)を固定(クランプ)する固定装置9(バイス)と、
容器8中の強アルカリ水7にマイクロバブル13を、経路16を経て供給してマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置11と、
容器8中のマイクロバブル13を混入した強アルカリ水をポンプ14を作動して経路15を経て取り込んで、工具3(ドリル)のスルーホール2に経路15を経て供給して、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却する強制冷却装置17と、
を少なくとも備えている。
図1に示した本発明の機械加工装置1Aは、工作機械5(マシニングセンター)に容器8が取り付けられている例である。
図2(1)〜(5)は、図1に示した本発明の機械加工装置1Aを用いて機械加工する方法の一例を説明する説明図である。
先ず、工程(1)において、容器8中に強アルカリ水7を所定量収容する。
そして、工程(2)において、容器8中の強アルカリ水7にマイクロバブル発生調製装置11で発生したマイクロバブル13を、経路16を経て供給してマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を調製する。
そして、工程(3)において、工作物10全体を、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置9に固定する。
そして、工程(4)において、工作機械5に装着したスルーホール2を有する工具3を工作物10の加工位置にセットする。
そして、工程(5)において、強制冷却装置17のポンプ14を作動して、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を、経路15を経て工具3のスルーホール2に供給して、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ加工を行なう。
図1に示した本発明の機械加工装置1Aは、さらに、前記容器8中の強アルカリ水7に平均外径が1〜8mmのミリバブルを供給してミリバブルを混入した強アルカリ水を調製する図示しないミリバブル発生調製装置を備えることができ、前記マイクロバブル発生調製装置11で発生したマイクロバブル13と図示しないミリバブル発生調製装置で発生した図示しないミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を調製し、両者を混入した強アルカリ水を前記強制冷却装置17のポンプ14を作動して、マイクロバブル13と図示しないミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を、経路15を経て工具3のスルーホール2に供給して、マイクロバブル13と図示しないミリバブルの両者を混入した強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ加工を行なうことができる。
図3は、本発明の機械加工装置の他の例を模式的に説明する図である。
本発明の機械加工装置1Bは、工作機械5(マシニングセンター)に容器8が取り付けられていない例である。
工作機械5(マシニングセンター)のテーブル6の上に工作物10(Ti6Al4V製)を固定(クランプ)する固定装置9(バイス)が設置されている。
スルーホール2を有する工具3(ドリル)は工作機械5(マシニングセンター)の主軸4に装着して備えられている。
容器8中には所定量の強アルカリ水7が収容されている。
工作機械5(マシニングセンター)の外部に設置された容器8中の強アルカリ水に、マイクロバブル13を、経路16を経て供給して、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置11が設けられている。
容器8中のマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を、強制冷却装置17のポンプ14を作動して経路15を経て取り込んで、工具3(ドリル)のスルーホール2に経路15を経て供給し、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却するように構成されている。
以上のように、工作物10(Ti6Al4V製)は固定装置9(バイス)によって固定(クランプ)されているが、容器8内の強アルカリ水7中に浸漬されていない。
図4(1)〜(5)は、図3に示した本発明の機械加工装置1Bを用いて機械加工する方法の一例を説明する説明図である。
先ず、工程(1)において、容器8中に強アルカリ水7を所定量収容する。
ついで、工程(2)において、容器8中の強アルカリ水7に、マイクロバブル発生調製装置11で発生したマイクロバブル13を、経路16を経て供給してマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を調製する。
ついで、工程(3)において、工作物10を固定装置9にクランプして固定する。
ついで、工程(4)において、工作機械5に装着したスルーホール2を有する工具3を工作物10の加工位置にセットする。
そして、工程(5)において、強制冷却装置17のポンプ14を作動して、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を、経路15を経て工具3のスルーホール2に供給して、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ加工を行なう。
マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を、経路15を経て工具3のスルーホール2に供給する際の前記強アルカリ水の供給量を大きくして、工作物10全体の表面に前記強アルカリ水が供給されるようにすることも可能である。
工作物10全体の表面に前記強アルカリ水が供給されると工作物10自体や切り屑なども冷却される。前記強アルカリ水を図示しないリサイクルラインを経て容器8にリサイクルすることも可能である。
図3に示した本発明の機械加工装置1Bは、さらに、前記容器8中の強アルカリ水7に平均外径が1〜8mmのミリバブルを供給してミリバブルを混入した強アルカリ水を調製する図示しないミリバブル発生調製装置を備えることができ、前記マイクロバブル発生調製装置11で発生したマイクロバブル13と図示しないミリバブル発生調製装置で発生した図示しないミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を調製し、両者を混入した強アルカリ水を前記強制冷却装置17のポンプ14を作動して、マイクロバブル13と図示しないミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を、経路15を経て工具3のスルーホール2に供給して、マイクロバブル13と図示しないミリバブルの両者を混入した強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ加工を行なうことができる。
本発明においては、本発明の機械加工装置1A、1Bを用いて機械加工する場合、容器8中に調製したマイクロバブルを混入した強アルカリ水を工具3に供給して、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ機械加工を行なうが、潤滑油やミスト、圧縮空気、洗浄剤などを添加しない。
本発明においては、環境汚染への配慮および省エネルギーの観点から潤滑油やミスト、圧縮空気、洗浄剤などを使用しないで機械加工を行なうので、加工後は、強アルカリ水の洗浄効果によって、乾燥するだけで清浄になるという効果がある。
また、強アルカリ水は工作機械を構成する鋼部品や工作物であるTi6Al4V、Ti、Inconel718、チタン合金、ニッケル合金、鋼、銅、黄銅などを腐食することがない。アルミニウムは腐食されるので注意を要する。
マイクロバブルを混入した強アルカリ水の気化熱による冷却効果によって、マイクロバブルを混入した強アルカリ水に接触する部分が極めて効果的に自然冷却される。
マイクロバブルとミリバブルの両者を混入した強アルカリ水の気化熱による冷却効果によって、マイクロバブルとミリバブルの両者を混入した強アルカリ水に接触する部分がさらに極めて効果的に自然冷却される。
図1に示したように、固定装置9に固定した工作物10全体を、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水中に浸漬して、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を、経路15を経て工具3に供給して、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ加工を行なうと、工作物10、工具3および切り屑のほとんどが、後述する図10(ミリバブル供給量と熱伝達率との関係を示すグラフ)の実施例1(マイクロバブルのみを混入した強アルカリ水を使用した場合の例)に示されるように、5,000(W/mK)の大きな熱伝達率で冷却される。
マイクロバブル13を混入した強アルカリ水の温度は、例えば、当初は常温から使用開始しても、機械加工によって発生する熱を吸収して上昇する。従って、使用する前記強アルカリ水の温度は、当初はなるべく低い方が好ましい。あまり低いと凍結するので、前記強アルカリ水の氷点を超える温度から常温までの温度がさらに好ましい。
しかし、前記強アルカリ水の最高温度は100℃であるため、工作物10、工具3および切り屑は常に100℃以下の外部環境にあり、大きな熱伝達率での冷却が可能となる。
しかも冷却に電気ネルギーをほとんど使用しないために環境にやさしく、しかも省エネルギーの機械加工となる。
しかし、例えば100mmの長さの鋼の温度が1℃上昇すると、約1μm膨張するので、工作物を精度良く加工して仕上げるためには、例えば工作物の種類に応じて要求される精度を得るために、加工する際の温度を、工業製品の場合は20℃に、電気製品の場合は23〜24℃に制御することが好ましい。
また、前記強アルカリ水のpHについても工作物の種類に応じて要求されるpHを、制御して所定の値を維持できるようにすることが好ましい。
また、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水は、普通の水道水よりも浸透性が高く、工作物と工具、工具と切削の界面に浸透する特性があるので、前記界面の熱伝達率が向上し、その結果、冷却特性をさらに向上させることが可能となる。
図3に示したように、固定装置9に固定した工作物10全体を、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水中に浸漬することなく、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を、経路15を経て工具3のスルーホール2に供給して、工作物10全体の表面にマイクロバブル13を混入した強アルカリ水が流れるようにして、工作物10全体を冷却するとともに、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ加工を行なうことによっても、工作物10、工具3および切り屑のほとんどが、後述する図10(ミリバブル供給量と熱伝達率との関係を示すグラフ)の実施例1(マイクロバブルのみを混入した強アルカリ水を使用した場合の例)に示されるように、5,000(W/mK)の大きな熱伝達率で冷却される。
この場合も、潤滑油やミスト、圧縮空気、洗浄剤などを使用しないで機械加工を行なうので、加工後は、強アルカリ水の洗浄効果によって、乾燥するだけで清浄になるという効果があり、また、前記のように強アルカリ水は工作機械を構成する鋼部品や工作物であるTi6Al4Vなどを腐食することがない。
この場合も、冷却に電気ネルギーをほとんど使用しないために環境にやさしく、しかも省エネルギーの機械加工となる。
図5は、ドリルに設けたスルーホールの他の例を説明する説明図である。
マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を加工点12付近に効果的に供給するためにデザインされた他の例を示す。
工具3A(ドリル)の場合は、工具3Aの上部の2方向からマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を工具3Aのスルーホール2に供給し、そして工具3Aの先端部近傍においてスルーホール2を2−1、2−2の2方向に分岐させ、分岐させた2−1、2−2からマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を加工点12付近に効果的に供給するように構成されている。
図6は、エンドミルに設けたスルーホールの1例を説明する説明図である。
マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を加工点12付近に効果的に供給するための他のデザインの例である。
工具3B(エンドミル)の場合は、工具3Bの上部の2方向からマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を工具3Bのスルーホール2に供給し、そして工具3Bの先端部のスルーホール2からマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を加工点12付近に効果的に供給するように構成されている。
図7は、バイトに設けたスルーホールの1例を説明する説明図である。
マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を加工点12付近に効果的に供給するための他のデザインの例である。
工具3C(バイト)の場合は、ホルダー18の先に先端部19が備えられ、先端部19にチップ20が固定されており、チップ20の一端が加工点12となっている。
そして、図7に示したように、チップ20の一端の加工点12の近傍に、垂直方向に、スルーホール2(平均内径約2mm程度)がチップ20と対応する先端部19を貫通して設けられている。
工具3C(バイト)を用いて図示しない工作物を機械加工する際には、図7に破線矢印で示した方向から、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を供給すると、図示しない工作物全体の表面にマイクロバブル13を混入した強アルカリ水が供給されて工作物全体を冷却するとともに、図7に破線示した方向からマイクロバブル13を混入した強アルカリ水がスルーホール2に供給されて加工点12およびその付近を効果的に冷却するように構成されている。
図8は、エンドミルのスロアチップに設けたスルーホールの1例を説明する説明図である。
マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を加工点12付近に効果的に供給するための他のデザインの例である。
工具3D(スロアチップのエンドミル)の場合は、ホルダー18の先に先端部19が備えられ、先端部19にスロアチップ21が固定されており、スロアチップ21の一端が加工点12となっている。
そして、図8に示したように、スロアチップ21の一端の加工点12の近傍に、スロアチップ21の厚さ方向に対して直角方向に、スルーホール2(平均内径約2mm程度)が貫通して設けられている。
工具3D(スロアチップのエンドミル)を用いて図示しない工作物を機械加工する際には、図8に破線矢印で示した方向から、マイクロバブル13を混入した強アルカリ水を供給すると、工作物全体の表面にマイクロバブル13を混入した強アルカリ水が供給されて工作物全体を冷却するとともに、図8に破線示した方向からマイクロバブル13を混入した強アルカリ水がスルーホール2に供給されて加工点12およびその付近を効果的に冷却するように構成されている。
図5〜図8に示した工具3A、3B、3C、3Dは、図1および図3に示した本発明の機械加工装置1A、1Bと組み合わせて使用することができ、5,000(W/mK)以上の大きな熱伝達率での加工点の冷却が可能となる。
図9(a)は、マイクロバブルの気化熱冷却効果を測定するための実験装置1C(機械加工装置)の正面断面説明図であり、(b)は、実験装置1C(機械加工装置)の側面断面説明図である。図9中の数字の単位はmmである。
図9に示したように、ラバーヒーター30(100mm×100mm×2mm)を2枚の鋼板31(SPCC100mm×100mm×1mm)でサンドイッチして積層し、それを強アルカリ水7(20リットル、pH12.5)の入っている水槽32中に宙吊り状態に配置してある。ラバーヒーター30に電源33(96.7V、50W)を入れ、鋼板31の表面に貼った熱電対34の温度が定常状態になった状態で、鋼板31の表面温度と水槽32内の平均水温から見かけの熱伝達率を計算した。
35はミリバブル発生装置であり、11はマイクロバブル発生装置である。
実験は次のようにして行なった。
(実施例1)マイクロバブル発生装置11から平均外径10μm(気泡分布5〜15μm)のマイクロバブルを発生させて水槽32の下方からマイクロバブルを上方の鋼板21の表面へ供給(10リットル/分)した。
(実施例2)マイクロバブル発生装置11から平均外径1μmのマイクロバブルを発生させる(10リットル/分)とともに、ミリバブル発生装置35から平均外径3〜5mmのミリバブルを発生させて(0〜70リットル/分)、水槽32の下方から両者を上方の鋼板21の表面へ供給した。
(比較例1)ミリバブル発生装置35から平均外径1〜2mmのミリバブルを発生させて水槽32の下方からミリバブルを上方の鋼板31の表面へ供給(0〜70リットル/分)した。
(比較例2)ミリバブル発生装置35から平均外径3〜5mmのミリバブルを発生させて水槽32の下方からミリバブルを上方の鋼板31の表面へ供給(0〜70リットル/分)した。
(比較例3)いずれのバブルも発生させず、水槽32内を自然対流状態に保った。
実験の結果を、図10に、縦軸に熱伝達率(W/mK)、横軸にミリバブル供給量(リットル/分)をとり示す。
図10から判るように、バブルを発生させず、水槽32内を自然対流状態に保った(比較例3)の場合は熱伝達率が非常に低い。
しかし、マイクロバブル発生装置11から平均外径1μmのマイクロバブルを発生させて水槽32の下方からマイクロバブルを上方の鋼板21の表面へ供した場合(実施例1)は熱伝達率が約5、000と、自然対流した比較例3の場合の約50倍高かった。
マイクロバブル発生装置11から平均外径1μmのマイクロバブルを発生させる(10リットル/分)とともに、ミリバブル発生装置35から平均外径3〜5mmのミリバブルを発生させて(0〜70リットル/分)、水槽32の下方から両者を上方の鋼板21の表面へ供給した場合(実施例2)は、供給するミリバブル量が増加すると見かけの熱伝達率が向上し、ミリバブル量が適量となると最高値が得られ、この最高値は自然対流した比較例3の場合の約357倍であった。最高値を超えるミリバブルを供給すると、強アルカリ水7が鋼板31の表面へ供給されるのが妨げられるために、見かけの熱伝達率が低下した。
比較例1、2の場合は実施例1および実施例2の場合より見かけの熱伝達率が低かった。
図11は、エンドミル加工における工具先端の最大温度を測定し、工具寿命を判定するための実験装置1D(実験装置1Dは本発明の機械加工装置の他の例である)の正面断面説明図である。
図11に示すように実験装置1Dは、容器8の中に強アルカリ水7(pH12.5)が収容されている。
強アルカリ水7中にバイス36に固定された、スルーホール2(図11に示すように工具先端の位置に内径2mmのスルーホール2を設けてある)を有する切削工具3(超硬工具。カーバイド被覆。Rake 角5°)が浸漬されている。38は放射型温度計である。12は加工点である。
一方、加工位置の上方にはスピンドル37の主軸4に工作物10(Ti6Al4V製)が装着されており、加工時には矢印のよう下方の加工位置に移動させ、工作物10を回転させてエンドミル加工を行うようになっている。
マイクロバブル発生装置11から平均外径10μm(気泡分布5〜15μm)のマイクロバブルを発生させて容器8の下方からマイクロバブルを、そしてミリバブル発生装置35から平均外径3〜5mmのミリバブルを発生させて、容器8の下方から両者を上方へ供給する。
図11に示した実験装置1Dを用いて本発明の機械加工方法により、工作物の機械加工を行うには、例えば、図15に示したように次の工程(1)〜(5)により行なう方法を例示できる。
先ず、工程(1)において、容器8中に強アルカリ水を所定量収容する。
次に、工程(2)において、容器8中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置11で発生したマイクロバブルを供給し、ミリバブル発生装置35からミリバブルを発生させて供給し、両者を混入した強アルカリ水を調製する。
そして工程(3)において、スルーホール2を有する工具3全体を、両者を混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置36に固定する。
そして工程(4)において、工作機械37(スピンドル)に備えた工作物10を加工位置にセットする。
そして工程(5)において、図示しない強制冷却装置を作動して、工作物10を強アルカリ水中に浸漬して、マイクロバブルとミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を工具3に供給して、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ加工を行なう。
切削工具3の先端には図11に拡大して示したように放射型温度計38を設置して工具3の先端の最大温度を測定し、FEM解析によって工具3の先端の温度を外挿する。
切削速度80m/分、供給速度0.25mm/回転、切り込み量0.4mm、切削力3178N/mmの条件で行なった。
図11に示した実験装置1Dを用いての実験は次のようにして行なった。
(実施例3)スルーホール2を有する工具3を用い、マイクロバブル発生装置11から平均外径10μmのマイクロバブルを発生させて容器8の下方からマイクロバブルを上方へ供給(10リットル/分)するとともに、ミリバブル発生装置35から平均外径3〜5mmのミリバブルを発生させて(30リットル/分)、容器8の下方から両者を上方へ供給した強アルカリ水中でテストした。
(比較例4)スルーホール2のない工具3を用いた以外は、実施例3と同様にしてテストした。
(比較例5)スルーホール2のない工具3を用いるが、マイクロバブルとミリバブルの両者を容器8の下方から上方へ供給しない強アルカリ水中で行なった以外は、実施例3と同様にしてテストした。
(比較例6)スルーホール2のある工具3を用い、マイクロバブルとミリバブルの両者を容器8の下方から上方へ供給しない強アルカリ水中で行なった以外は、実施例3と同様にしてテストした。
(比較例7)スルーホール2のない工具3を用い、空気中で行なった以外は、実施例3と同様にしてテストした。
(実施例4)スルーホール2を有する工具3を用い、マイクロバブル発生装置11から平均外径10μmのマイクロバブルを発生させて容器8の下方からマイクロバブルを上方へ供給(10リットル/分)した強アルカリ水中でテストした。
(比較例8)従来行なわれている湿式切削を行なった以外は、実施例3と同様にしてテストした。
図12に、工具先端の最大温度上昇(縦軸)を測定した実験(実施例3、および比較例4、5、6、7)の結果を示す。
図12から、実施例3の場合が工具先端の最大温度上昇が最も低く、比較例7と比較すると約64%も工具先端の最大温度が低下したことが判る。
実施例3と比較例4のスルーホール2のない工具3を用いた場合を対比すると、スルーホール2を備えた工具3を用いた実施例3の方が約8%最大温度が低下したことが判る。
図13に、切削速度80m/分、供給速度0.25mm/回転、切り込み量0.4mm、切削力3178N/mmの条件で工具寿命試験を寿命限界(フランクウエアRz0.3mm)までそれぞれ試験した際の実施例3、4、および比較例7、8の逃げ面摩耗量Rz(mm)と切削量(cm)の関係を示す。
工具寿命試験では逃げ面摩耗量が0.3mmになったときに寿命と判定した。
図13から、スルーホール2を有する工具3を用い、マイクロバブル発生装置11から平均外径10μmのマイクロバブルを発生させて容器8の下方からマイクロバブルを上方へ供給(10リットル/分)するとともに、ミリバブル発生装置35から平均外径3〜5mmのミリバブルを発生させて(30リットル/分)、容器8の下方から両者を上方へ供給した強アルカリ水中でテストした実施例3の場合は、難削材切削時に発生する熱を効率良く除去できるので、スルーホール2のない工具3を用い、空気中で行なった以外は、実施例3と同様にしてテストした比較例7の場合に比較して、3.5倍寿命が伸びていることが判る。
従来行なわれている湿式切削を行なった以外は、実施例3と同様にしてテストした比較例8の場合に比較して、2.4倍寿命が伸びていることが判る。
図14に、前記の条件で工具寿命試験を行った際の実施例3、および比較例7、8の加工精度(表面粗さ)を測定した。
加工精度(表面粗さ。最大高さ)は、工具寿命試験開始直後の切削面と寿命に至った際の切削面について、切削方向に対して直角に測定した。
図14から、実施例3の加工精度(表面粗さ)は、スルーホール2のない工具3を用い、空気中で行なった以外は、実施例3と同様にしてテストした比較例7の場合、および従来行なわれている湿式切削を行なった以外は、実施例3と同様にしてテストした比較例8の場合、に比べてそれぞれ70%、89%とよくなっている。
スルーホール2のない工具3を用いた以外は、実施例3と同様にしてテストした比較例4の場合と比較して、実施例3の加工精度(表面粗さ)は、表面粗さのバラツキが小さくなっている。
これは実施例3の場合はスルーホール2の冷却効果で工具温度上昇が抑制されたことにより、工具の熱変形が抑制されたのみならず、工具の硬度の低下も抑制され工具剛性も維持されたことにより、工具先端位置(加工点)の変動が抑制されたものと考えられる。
図11に示した実験装置1D(本発明の機械加工装置の他の例である)を用いて、工作物10(S45C)を強アルカリ水中に浸漬して、マイクロバブルとミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を工具3(超硬工具。カーバイド被覆。Rake 角5°)に供給して、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却しつつ、切削速度100m/分、送り速度500mm/分、切り込み量1.5mm、切削力3178N/mmの条件で加工を行ない、工具3の先端から切れ刃上の距離(Lx:mm)を0〜6mmまで変化させ、工具3の加工点12からスルーホール2の中心までの距離Xを2mm、3mmと変化させ、スルーホール2の内径Dを1mm、2mm、3mmと変化させた場合の工具3の加工点12の応力(GPa)(b)とスルーホール2の周囲の応力(GPa)(a)および工具3の先端の最大温度(℃)を求めた。
工具3の応力(GPa)(縦軸)と距離(Lx)(横軸)との関係を、距離Lx、スルーホール2の内径Dをパラメータとして図16に示す。
図16からスルーホール2の内径D2.0mm、距離Lx3.0mmとすることにより、工具3の加工点12の応力(GPa)(b)がスルーホールのない場合と同等になった。
そのときスルーホール2の周囲の最大応力(GPa)(a)が4.92(GPa)と超硬工具3の許容応力内に入っていた。
なおこの条件で、工具3の先端の変形は8.3μmであり、スルーホールのない場合の7.4μmと同程度であった。
この結果、本発明に適する工具3は、スルーホール2の内径D2.0mm、距離X3.0mmであれば、強度的にも、機能的にも優れていることが判った。
すなわち、図16はバイト(工具)のすくい面と横逃げ面の境界にあるエッジ部の応力状態を示したものである。できるだけ冷却効果を向上させるために強アルカリ水を工具先端まで導くために、その先端付近の近傍に穴(スルーホール)を近づけて設ければ、近づけた分だけ冷却効率は上がる。しかし工具の強度は落ちる。工具の強度を落とすことなく、最大限の冷却効率を上げるための穴として、Lx=3.0mm、D=2.0mmであれば、エッジ部の強度が穴がない場合と同様であり、しかも穴が工具先端に近い穴になり、冷却効率が高くなると考えられる結果が得られた。
図17に、前記のように工具先端に穴を設けた場合、工具先端部の最高温度(縦軸)と、距離Lx、スルーホール2の内径D(横軸)との関係を示す。
工具3は、スルーホール2の内径D2.0mm、距離Lx3.0mmであれば、スルーホール2のない場合と比べて、約10%工具先端部の最高温度を抑制できることが判った。なお、図17中の(比較例7)は、スルーホール2のない工具3を用い、空気中で行なった場合である。
本発明の機械加工装置において、さらに、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持する手段を備えることが好ましい。
前記手段を用いて前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持することにより、加工精度をより向上させることができる。
前記のように、100mmの長さの鋼の温度が1℃上昇すると、約1μm膨張する。そこで、工作物を精度良く加工して仕上げるためには、例えば、工作物の種類に応じて要求される精度を得るために、加工する際の温度を、工業製品の場合は20℃に、電気製品の場合は23〜24℃に制御することが好ましい。
また、前記強アルカリ水のpHについても工作物の種類に応じて要求される加工する際のpHを、制御して所定の値を維持できるようにすることが好ましい。
次に、強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持する制御手段を備えた本発明の機械加工装置について説明する。
図18に示した本発明の機械加工装置1Eは、容器8中の強アルカリ水7にマイクロバブル13を、図1に示した本発明の機械加工装置1Aに、さらに強アルカリ水7の温度およびpHを適正範囲に制御して維持する制御手段40を備え、そして経路16を経て供給してマイクロバブル13を混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置11と、容器8中のマイクロバブル13を混入した強アルカリ水をポンプ14を作動して経路15を経て取り込んで、工具3(ドリル)のスルーホール2に経路15を経て供給して、強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却する強制冷却装置17とを省略して図示しない以外は、図1に示した本発明の機械加工装置1Aとほぼ同様に構成されている。
図18において、図1に記載した符号と同じ符号のものは、図1に記載したものと同じものを示す。
制御手段40は、水タンク41、強アルカリ水(pH13)タンク42、開閉弁43、44、管路45、46、47、pHメータ48、コントローラ49などを備えている。
容器8中の強アルカリ水7が空中の炭酸ガスを吸収して、そのpHが低下したり、加工により発生する熱や環境温度による蒸発によりpHが変化する。
変化するpHをpHメータ48により検出し、検出したデータをコントローラ49へ送り、適切なpHを予め記憶したコントローラ49から信号を開閉弁43、44へ送り、開閉弁43、44の開度を適切な開度にすることにより、水タンク41から開閉弁43を経て管路45を通って適切な量の水が供給され、一方、強アルカリ水(pH13)タンク42から開閉弁44を経て管路46を通って適切な量の強アルカリ水が供給される。
そして、両者は均一に混合されて管路47から容器8中の強アルカリ水7に供給され、容器8中で均一に混合されて予め設定された強アルカリ水のpHに制御され維持されるように構成されている。
図18の下部にブロック図を示した。
ガラス電極を備えたpHメータ48を用いてpHを測定すると、容器8中の強アルカリ水7の温度によって、pHメータ48により検出されたpHと、容器8中の強アルカリ水7の実際のpHとは一致しない。
図19に、強アルカリ水7の温度(℃)を横軸に、pHメータ48により検出されたpHと、容器8中の強アルカリ水7の補正後のpHを縦軸にして示す。
したがって、pHメータ48により検出されたpHを図19に示した関係に従って補正する必要がある。
図19に示した関係を予め入力して記憶させたコントローラ49において補正値を計算し、補正値の信号をコントローラ49から開閉弁43、44へ送り、開閉弁43、44の開度を適切な開度にすることにより、水タンク41から開閉弁43を経て管路45を通って適切な量の水が供給され、一方、強アルカリ水(pH13)タンク42から開閉弁44を経て管路46を通って適切な量の強アルカリ水が供給される。
そして、両者は均一に混合されて管路47から容器8中の強アルカリ水7に供給され、容器8中で均一に混合されて予め設定された強アルカリ水のpHに制御され維持されるように構成されている。
図19の下部にブロック図を示した。
図20に示した本発明の機械加工装置1Fは、図18に示した本発明の機械加工装置1Eに、さらに温度コントローラ50を備えた以外は、図18に示した本発明の機械加工装置1Eと同様に構成されている。
図20において、図18に記載した符号と同じ符号のものは、図18に記載したものと同じものを示す。
温度コントローラ50は冷凍機を主たる構成装置として備え、容器8中の強アルカリ水7を管路51から取り入れ、温度コントローラ50の図示しない内部の熱交換器で予め入力され記憶された適正温度範囲になるように熱交換され、適正温度範囲に制御された強アルカリ水が管路52から容器8中の強アルカリ水7中に供給されて均一に混合され、容器8中の強アルカリ水7の温度が適正温度範囲に制御され維持されるように構成されている。
図21に示した本発明の機械加工装置1Gは、図20に示した本発明の機械加工装置1Fのコントローラ49として、工作物10、工具3、固定装置(バイスなど)10、工作機械5などが腐食しないpHの領域を予め入力して記憶させておき、実際に使用する、工作物10、工具3、固定装置(バイスなど)10、工作機械5の組み合わせの場合に用いられる適切なpHの範囲を計算できるように設定してあるコントローラ49を用いた以外は、図20に示した本発明の機械加工装置1Fと同様に構成されている。
実際に使用する、工作物10、工具3、固定装置(バイスなど)10、工作機械5の組み合わせは多岐にわたるが、本発明の機械加工装置1Gのコントローラ41は、腐食しないpHの領域をすぐに計算できるので、適切なpH領域に制御しつつ、多岐にわたる機械加工をオンデマンドで効率良く行うことができる。
本発明で用いる工作機械は特に限定されるものではなく、公知の市販されている工作機械の中から選択して使用することができる。公知の工作機械としては、具体的には、例えば、マシニングセンター、ターニングセンター、ボール盤、旋盤、フライス盤、ボブ盤、ブローチ盤、研削盤などを挙げることができる。
本発明で用いる工作物の材質は、特に限定されるものではなく、例えばTi6Al4V、Ti、Inconel 718、チタン合金、ニッケル合金、鋼、銅、黄銅などの一種あるいは2種以上の材質の工作物を挙げることができる。
難削材のTi6Al4V、Ti、Inconel718などの工作物であっても容易に機械加工することができる。
本発明で用いるスルーホールを有する工具の例として、図1、3、5、6、7、8、11、18などに示したものを挙げたが、これらに限定されるものではなく、切削加工、研削加工、刃切り加工、ブローチ加工などから選択される1つあるいは2つ以上の加工ができるものでればよく、具体的には、例えば、ドリル、エンドミル、バイト、スロアウエイ型エンドミルなどを挙げることができる。
工具の材質も特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、超硬、サーメット、ハイス、セラミックス、ダイヤモンド、CBNなどを挙げることができる。
工具に設置するスルーホールとは、使用する工具に1つあるいは2つ以上貫通して設けたものであり、マイクロバブルを混入した強アルカリ水がその内部を通過して熱伝導および気化熱により工具の加工点を効率良く冷却するものである。
工具に設置するスルーホールの形状、内径、長さ、数、設置箇所などは、特に限定されるものではなく、機械的強度を維持しつつ、加工点を効率よく冷却して放熱できるように設計して、設置されるものである。
スルーホールの形状としては、具体的には、丸、楕円、矩形、四角や六角形などの多角形などを挙げることができる。
加工性や表面積や機械的強度維持の観点から丸が好ましい。
平均内径としては、具体的には、0.5〜5mm、好ましくは1〜4mmを挙げることができる。
スルーホールの設置箇所や個数としては、加工点になるべく近接した1つあるいは2つ以上の箇所がよいが、冷却性、加工性、加工精度や機械的強度維持を勘案して決定することが好ましい。
本発明で用いる容器は、強アルカリ水に化学的に耐えるとともに機械的強度を有するものであればよく、材質も金属、セラミック、ガラス、木材あるいはこれらの2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
本発明で用いる強アルカリ水は、好ましくはpH10以上、より好ましくはpH10〜13の強アルカリ水であればよく、工作機械を構成する鋼部品や工作物であるTi6Al4V、Ti、Inconel 718、チタン合金、ニッケル合金、鋼、銅、黄銅などなどを腐食することがない。
pH10未満では鋼材の腐食が発生する恐れがあり、好ましくない。
pH13を超えると製造が困難であり、安定に維持することが困難となる恐れがある。
本発明で用いる強アルカリ水には、環境汚染への配慮および省エネルギーの観点から、潤滑油やミスト、圧縮空気、洗浄剤などを添加しないので、加工後は、強アルカリ水の洗浄効果によって、工作物を乾燥するだけで清浄になるという効果がある。
強アルカリ水は、普通の水道水よりも浸透性が高く、工作物と工具、工具と切削の界面に浸透する特性があるので、前記界面の熱伝達率が向上し、その結果、冷却特性をさらに向上させることが可能となる。
以上のように、本発明で用いる強アルカリ水は、安全性が高く、また高い抗菌・防腐効果および高い防錆効果があり、腐敗せず、工作物などに対する界面浸透性、剥離分離能力、乳化・分離能力が大きいため洗浄力がきわめて大きいので、より効率よく放熱させて冷却でき、しかも環境に優しいという顕著な効果を奏する。
本発明で用いる強アルカリ水の製法は特に限定されないが、例えば、日伸精機株式会社製強アルカリ水製造装置(EW−01−RO21)を用いて、下記のようにして製造された強アルカリ水は本発明において好ましく使用できる。
図22は、強アルカリ水製造装置60のフローを説明するフローシート図である。
図23は、電解槽の陽極および陰極における電極反応および中和反応を説明する説明図である。
図22に記載の記号の意味は、図22中に記載の(表1)に記載してある。
外部より、ラインL1へ、原水(水道水)を手動弁61、圧力計62、フィルタ(ポリプロピレン繊維)63、プレッシャースイッチ(圧力が所定値以下になった時に作動する)64、フィルタ(活性炭)65、電動弁66を経て、電動機ポンプ67を駆動して、逆浸透圧膜ろ過装置(RO)68[例えば、GE OSMONICS社製型式DESAL(登録商標)]へ移送する。
移送した原水を逆浸透圧膜ろ過装置(RO)68で逆浸透圧ろ過し、透過水(以下、純水と称す場合がある)をラインL2から、電動弁69、手動調整弁70、流量計71、流量スイッチ(流量が所定値以下になった時に作動する)72を経て、電解槽73の陰極側へ供給する。
一方、電解質槽74へ炭酸カリウム(電解質)を投入して所定の濃度に調整された電解質水溶液を電動機ポンプ75を駆動して、ラインL3を経て電解槽73の陽極側へ供給する。陽極側の電解質水溶液はラインL4の流量スイッチ(流量が所定値以下になった時に作動する)75を経て電解質槽74へリサイクルしている。
また、異常時に電解質槽74の上部から電解質水溶液の一部をオーバーフローさせて外部へ移送している。
なお、原水を逆浸透圧ろ過できなかった未透過水の一部はラインL5の手動弁77を経て逆浸透圧膜ろ過装置(RO)68へリサイクルしている。原水を逆浸透圧ろ過できなかった未透過水の一部はRO余剰水として外部へ移送している。
また、原水を逆浸透圧膜ろ過装置(RO)68で逆浸透圧ろ過して得られた純水の一部は、ラインL2から分岐して設けたラインL6から電動弁78を経てRO水として外部へ移送できる。
図23に示したように、電解槽73の陽極および陰極においてそれぞれ下記の電極反応[式(1)、(3)で表される]および中和反応[式(2)、(4)で表される]が行われて、陰極側から本発明で使用する強アルカリ水(pH=12-12.5)が得られる。
(陽極槽での反応)
(電極反応)
2HO→4H+O↑−4e(1)
(中和反応)
4H+O↑−4e+2KCO
→2HCO+4K+O
→2HO+CO↑+O↑+4K(2)
(陰極槽での反応)
(電極反応)
4HO+4e→4OH+2H (3)
(中和反応)
4OH+2H↑+4K
→4KOH+2H (4)
日伸精機株式会社製強アルカリ水製造装置EW−01−RO21を用いて製造された強アルカリ水は、原水を逆浸透圧膜ろ過装置(RO)68へ移送し、移送した原水を逆浸透圧ろ過し、得られた純水を使用して製造されるので、この強アルカリ水には、電解槽73の陽極および陰極の表面に沈着、沈澱するなどして電極反応や中和反応を妨げるようなカルシウムイオン、マグネシウムイオン、各種金属イオンなどの不純物が含有されていないので、長期にわたり安定して電極反応や中和反応を行って、前記不純物が含まれていない高品質の本発明で使用する強アルカリ水を製造することができる。
そして、本発明の機械加工装置および機械加工方法を用いて、前記不純物が含まれていない高品質の強アルカリ水にマイクロバブルあるいはさらにミリバブルを混入して切削、研削、刃切り、ブローチ加工などの機械加工を行うと、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却することにより、効率よく放熱させて冷却できるので、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度を向上させることができるとともに、機械加工中に前記強アルカリ水が接触する工具、容器、工作物、固定装置などの表面に不純物が沈着したり、沈澱したり、あるいはこれらの不純物層が剥離したりして機械加工の連続運転がを妨げられることがなく、安定した機械加工を行うことができ、特に加工点に前記不純物が介在すると加工精度を低下させるが、不純物が含まれていない高品質の強アルカリ水を使用することにより加工精度を一層向上することができるという顕著な効果がある。
本発明で用いるマイクロバブル発生調製装置は、平均外径60μm以下のマイクロバブルを発生して、強アルカリ水中に均一に混合できるものであればよく、公知の市販されているマイクロバブル発生調製装置の中から選択して使用することができる。公知のマイクロバブル発生調製装置としては、具体的には、例えば、関西オートメ機器株隙会社製のMBLL07−101−S、MBLL11−102−S、MBL15−108V/208S、MBL50−222−S、MBL95−237−Sなどを挙げることができる。
本発明で用いるマイクロバブルの平均外径は、60μm以下が好ましく、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは40μm以下である。
平均外径10μm以下のマイクロバブルも使用可能である。
60μmを超えると、マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を効率良く強制冷却できない恐れがある。
前記強アルカリ水中のマイクロバブルとミリバブルの混合割合は、前述のように図10から、供給するミリバブル量が増加すると見かけの熱伝達率が向上し、そしてミリバブル量が適量となると最高値が得られ、その後減少することが判っているので、使用する工具、工作物、工作機械、容器中の強アルカリ水量および工具への強アルカリ水供給量などを含む機械加工条件において見かけの熱伝達率が最高となる混合割合を試験などによって予め知って、決めることが好ましい。
本発明で用いるミリバブル発生調製装置としては、具体的には、例えば、FlexAir(登録商標)(製造元;Environment Dynamics inc.代理店;株式会社YYコーポレーション)を挙げることができる。
通常、前記強アルカリ水中のマイクロバブルの混合割合は、30〜60(cc%/強アルカリ水g)好ましく、さらに好ましくは40〜50(cc%/強アルカリ水g)である。
混合割合が30(cc%/強アルカリ水g)未満では、熱伝達率が低下して良好な冷却ができない恐れがあり、60(cc%/強アルカリ水g)を超えると、やはり熱伝達率が低下して良好な冷却ができない恐れがある。
本発明においては、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水中に、さらに平均外径1〜8mmのバブルを、熱伝達率を損なわない範囲で混入することができる。
平均外径1〜8mmのミリバブルをマイクロバブルにさらに混入する理由は、より効率よく放熱させて冷却するためである。工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、いわゆる潤滑油を使用しないでも、高速切削加工による工具摩耗の進行を抑制し、工具寿命や加工精度をさらに向上させることができる。
本発明で用いるミリバブルの平均外径は、1〜8mmが好ましく、さらに好ましくは1〜7mm、特に好ましくは1〜5mmである。
8mmを超えると、ミリバブルが強アルカリ水中で壊れたり、強アルカリ水から分離したりしてマイクロバブルと協同して効率良く強制冷却できない恐れがある。
一方、1mm未満では、工具寿命や加工精度をさらに向上させることができない恐れがある。
本発明で使用する、ミリバブルやマイクロバブルを形成する気体としては、具体的には、例えば、空気、窒素、酸素、水素、アルゴンなどの不活性ガスなどを挙げることができるが、安価で安全で入手しやすい空気が好ましく使用できる。しかし、引火などの恐れがある場合は、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを好ましく使用できる。
本発明で用いる工作物を固定する固定装置は、公知の市販されている固定装置の中から選択して使用することができる。公知の固定装置としては、具体的には、例えば、バイス、チャック、円テーブル、角テーブルなどを挙げることができる。
本発明で用いる強制冷却装置としては、図1、3に示したように、容器8中のマイクロバブル13を混入した強アルカリ水をポンプ14により経路15を経て取り込んで工具3(ドリル)のスルーホール2に経路15を経て供給して強アルカリ水の気化熱を利用して加工点12を強制冷却する強制冷却装置17を例示することができる。
本発明で用いる強制冷却装置は、図1、3に例示した強制冷却装置17に限定されるものではなく、強制冷却装置17のような作用効果を果たすことができる装置であれば、本発明で用いることができることは当然である。
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
本発明の機械加工装置は、工作物が、例え、熱伝導率の小さなチタン合金材料やニッケル基合金材料であっても、効率よく冷却して放熱できるので、工具の硬さや機械的強度が著しく低下せず、高速切削加工による工具摩耗の進行を遅くし、工具寿命や加工精度を向上させることができるという顕著な効果を奏し、本発明の機械加工方法を用いて容易に工作物の加工を行うことができるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G 機械加工装置
2 スルーホール
3 3、3A、3B、3C、3D 工具
4 主軸
5 工作機械
6 テーブル
7 強アルカリ水
8 容器
9 固定装置
10 工作物
11 マイクロバブル発生調製装置
12 加工点
13 マイクロバブル
14 ポンプ
15、16 経路
17 強制冷却装置
18 ホルダー
19 先端部
20 チップ
21 スロアチップ
30 ラバーヒーター
31 鋼板
32 水槽
33 電源
34 熱電対
35 ミリバブル発生装置
36 バイス
37 スピンドル
38 放射型温度計
40 制御手段
41 水タンク
42 強アルカリ水(pH13)タンク
43 44 開閉弁
45、46、47、51、52 管路
48 pHメータ
49 コントローラ
50 温度コントローラ
60 強アルカリ水製造装置
68 逆浸透圧膜ろ過装置(RO)
73 電解槽

Claims (18)

  1. スルーホールを有する工具を備えた工作機械と、
    強アルカリ水を収容する容器と、
    前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置と、
    工作物を固定する固定装置と、
    前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却する強制冷却装置とを
    少なくとも備えたことを特徴とする機械加工装置。
  2. 前記工作機械に前記容器が取り付けられており、工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定することを特徴とする請求項1記載の機械加工装置。
  3. 前記工作機械に前記容器が取り付けられておらず、工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに固定装置に固定することを特徴とする請求項1記載の機械加工装置。
  4. 工作物を備えた工作機械と、
    強アルカリ水を収容する容器と、
    前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製するマイクロバブル発生調製装置と、
    スルーホールを有する工具を固定する固定装置と、
    前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却する強制冷却装置とを
    少なくとも備えたことを特徴とする機械加工装置である。
  5. 前記工作機械に前記容器が取り付けられており、前記工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定することを特徴とする請求項4記載の機械加工装置。
  6. 前記工作機械に前記容器が取り付けられておらず、前記工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに固定装置に固定することを特徴とする請求項4記載の機械加工装置。
  7. さらに、前記容器中の強アルカリ水に平均外径が1〜8mmのミリバブルを供給してミリバブルを混入した強アルカリ水を調製するミリバブル発生調製装置を備え、
    マイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルとミリバブル発生調製装置で発生したミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を調製し、両者を混入した強アルカリ水を前記工具に供給するように構成したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の機械加工装置。
  8. さらに、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲制御して維持する手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の機械加工装置。
  9. 請求項2記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、次の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法。
    (1)容器中に強アルカリ水を所定量収容する。
    (2)前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製する。
    (3)工作物全体をマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定する。
    (4)工作機械のスルーホールを有する工具を前記工作物の加工位置にセットする。
    (5)強制冷却装置を作動して、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なう。
  10. 請求項3記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、次の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法。
    (1)容器中に強アルカリ水を所定量収容する。
    (2)前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製する。
    (3)工作物全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに工作物を固定装置に固定する。
    (4)工作機械のスルーホールを有する工具を前記工作物の加工位置にセットする。
    (5)強制冷却装置を作動して、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なう。
  11. 請求項5記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、次の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法。
    (1)容器中に強アルカリ水を所定量収容する。
    (2)前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製する。
    (3)スルーホールを有する工具全体を、マイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬して固定装置に固定する。
    (4)工作機械に備えた工作物を加工位置にセットする。
    (5)強制冷却装置を作動して、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なう。
  12. 請求項6記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、次の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする機械加工方法。
    (1)容器中に強アルカリ水を所定量収容する。
    (2)前記容器中の強アルカリ水にマイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルを供給してマイクロバブルを混入した強アルカリ水を調製する。
    (3)スルーホールを有する工具全体を前記容器中のマイクロバブルを混入した強アルカリ水中に浸漬せずに固定装置に固定する。
    (4)工作機械に備えた工作物を加工位置にセットする。
    (5)強制冷却装置を作動して、前記マイクロバブルを混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なう。
  13. 前記マイクロバブルの平均外径が60μm以下であることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の工作物の機械加工方法。
  14. 前記強アルカリ水のpHが10〜13であることを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の工作物の機械加工方法。
  15. 前記スルーホールを有する工具が、切削および/または研削および/または刃切りおよび/またはブローチ加工を行う工具であることを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか一項に記載の工作物の機械加工方法。
  16. 請求項7記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、
    前記マイクロバブル発生調製装置で発生したマイクロバブルと前記ミリバブル発生調製装置で発生したミリバブルの両者を混入した強アルカリ水を調製し、両者を混入した強アルカリ水を前記工具に供給して、前記強アルカリ水の気化熱を利用して加工点を強制冷却しつつ加工を行なうように構成したことを特徴とする請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法。
  17. 請求項8記載の機械加工装置を用いた工作物の機械加工方法であって、
    さらに、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持する制御手段により、前記強アルカリ水の温度および/またはpHを適正範囲に制御して維持することを特徴とする請求項9から請求項16のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法。
  18. 前記強アルカリ水として、逆浸透圧ろ過した水を使用して調製された強アルカリ水を使用することを特徴とする請求項9から請求項17のいずれか1項に記載の工作物の機械加工方法。
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