JP2013052142A - ティシュペーパー、ティシュペーパー製品及び保湿ティシュペーパーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
保湿ティシュペーパーに用いるティシュー原紙を、抄紙原料中に湿潤紙力剤を7.0〜22.0kg/t、サイズ剤を1.0〜8.0kg/t添加して抄造したものとし、これに保湿剤を含む薬液を薬液含有量2.0〜6.0g/m2となるように塗布することにより解決される。
【選択図】図1
Description
〔請求項1記載の発明〕
保湿剤を含む薬液を含有する2プライの保湿ティシュペーパーであって、
前記ティシュペーパーに用いられるティシュー原紙が、抄紙原料中に湿潤紙力剤を7.0〜22.0kg/t、サイズ剤を1.0〜8.0kg/t添加して抄造したものであり、
薬剤含有量が2.0〜6.0g/m2であり、
水分率が9.0〜13.0%であり、
2プライを構成するシートの1層あたりの坪量が12〜25g/m2であり、
2プライの紙厚が100〜160μmであり、
ソフトネスが1.1〜1.8cN/100mmであり、
乾燥引張強度(横)が80〜140cN/25mmであり、
湿潤引張強度(横)50〜70cN/25mmであり、
下記(A)〜(D)の手順により測定される静摩擦係数が0.53〜0.68である、ことを特徴とする保湿ティシュペーパー。
(A)ティシュペーパーを1プライにはがし、2プライ時にティシュペーパーの外面にあった面が外側となるようしてアクリル板に張り付ける。
(B)前記ティシュペーパーとは別のティシュペーパーを2プライのまま100gの分銅に巻きつけ、前記アクリル板上のティシュペーパー上に乗せる。
(C)前記アクリル板を傾け、前記おもりが滑り落ちる角度を測定する。
(D)前記角度の測定を、ティシュペーパーのMD方向同士、ティシュペーパーのCD方向同士で行うこととし、各4回ずつの計8回測定して平均角度を算出して、そのタンジェント値を静摩擦係数とする。
請求項1記載の保湿ティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて略直方体の収納箱に収納された保湿ティシュペーパー製品であり、
前記収納箱が、上面にその長辺方向に平行に開口を有する紙箱よりなり、前記開口が収納箱内面に貼付されたフィルムにより被覆され、かつ前記フィルムが前記開口に長辺方向に平行なスリットを有し、
前記スリットを介して収納された保湿ティシューを引き出す際の取り出し抵抗値が、最上層から1組目から5組目までの計5組、及び11組目から15組目までの計5組の取り出し抵抗値が70gf以下とされている、ことを特徴とする保湿ティシュペーパー製品。
保湿剤を含む薬液を含有する2プライの保湿ティシュペーパーの製造方法であって、
抄紙原料中に湿潤紙力剤を7.0〜22.0kg/t、サイズ剤を1.0〜8.0kg/t添加して抄造しやティシュー原紙を2層積層した後、水分を1.0〜15重量%含む薬液を薬液含有量が両面で2.2〜6.6g/m2塗布し、
水分率が9.0〜13.0%、2プライを構成するシートの1層あたりの坪量が12〜25g/m2、2プライの紙厚が100〜160μm、ソフトネスが1.1〜1.8cN/100mm、乾燥引張強度(横)が80〜140cN/25mm、湿潤引張強度(横)50〜70cN/25mm、
下記(A)〜(D)の手順により測定される静摩擦係数が0.53〜0.68、とすることを特徴とする保湿ティシュペーパーの製造方法。
(A)ティシュペーパーを1プライにはがし、2プライ時にティシュペーパーの外面にあった面が外側となるようしてアクリル板に張り付ける。
(B)前記ティシュペーパーとは別のティシュペーパーを2プライのまま100gの分銅に巻きつけ、前記アクリル板上のティシュペーパー上に乗せる。
(C)前記アクリル板を傾け、前記おもりが滑り落ちる角度を測定する。
(D)前記角度の測定を、ティシュペーパーのMD方向同士、ティシュペーパーのCD方向同士で行うこととし、各4回ずつの計8回測定して平均角度を算出して、そのタンジェント値を静摩擦係数とする。
ここで、本願発明におけるサイズ剤、湿潤紙力剤の含有量は、これらの相乗効果と本願特有の他の構成と相まって規定されるものである。すなわち、まず、サイズ剤、湿潤紙力剤の含有は、一般に紙を硬くする傾向にあるため本願発明にかかる滑らかさ、柔らかさ、しなやかさが必要となる保湿ティシューにおいては、この効果を相殺するような量であってはならない。また、本願発明は、ティシュー原紙に所定の水分を含有する薬液をティシュー原紙に塗布することでクレープを伸ばし滑らかさを発現させるため係るクレープの延びが十分に発揮されない量であってもならない。これらの観点から本願発明では、サイズ剤及び湿潤紙力剤の上限値をそれぞれ22kg/t、8.0kg/tとした。
『保湿ティシュペーパー』
〔構造例〕
本発明に係る保湿ティシュペーパー(以下、単に保湿ティシューともいう)は、2枚のクレープ紙が積層された2プライ構造を有する。1プライ或いは3プライ以上では、本願発明の他の構成との関係で、本願発明所望の効果を十分に発揮することが困難である。
他方、本発明の保湿ティシューに係るティシュー原紙は、クレープ紙でありパルプを主原料とする抄紙原料を抄紙したものである。
前記パルプは、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹クラフトパルプ)とを配合したものが好ましい。適宜古紙パルプ等が配合されていてもよいが、風合いなどの点で、特にNBKPとLBKPのバージンパルプのみから構成されているのがよい。その場合配合割合としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。
ここで、本発明の保湿ティシューに係るティシュー原紙のクレープ率は10〜30%、より好ましくは13〜22%とする。本発明ではクレープ率をこの範囲にすると薬液付与によるクレープの延びによる滑らかさが効果的に発現する。ここで、クレープ率とは、下式で表わされるものである。
クレープ率:{(抄紙時のドライヤーの周速)−(リール周速)}/(製紙時のドライヤーの周速)×100。
本発明の保湿ティシューは、薬剤を2.0〜6.0g/m2、好ましくは3.0〜5.0g/m2含有する。薬剤含有量が2.0g/m2未満であれば薬液の効果が発揮されず、また、6.0g/m2を超えるとベタつき感が生じ、また、特に好適な湿潤紙力を確保することが困難となる。ここで薬剤とは、薬液中の有効成分を指し、具体的には薬液中の水分を除いた部分を言う。
柔軟剤、界面活性剤はティシューに柔軟性を与え、また、表面を滑らかにする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
また、機能性薬液として香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
なお、薬液塗布量は、薬液を塗布しない場合のティシュー原紙を積層して2プライとしたシートの米坪と、対応する塗布した直後のシート米坪との差異により算出することができる。すなわち、下記の式により算出することができる。
(塗布量g/m2)=(塗布直後の米坪g/m2)−(塗布しない場合の米坪g/m2)
薬液塗布時の温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
他方、本発明に係る保湿ティシューは、水分率が9.0〜13.0%である。この水分率はJIS P 8127に基づき求める。すなわち、下記の式により求める。
水分率(%)={(乾燥前の紙の重量)−(乾燥後の紙の重量)}/(乾燥前の紙の重量)×100
本発明では、上述のとおり本発明に係るティシュー原紙に対して上記薬液を上記態様で所定量塗布することで保湿剤による吸湿効果が発揮され、係る水分率とすることができる。なお、水分率が9.0%未満では、しっとり感、柔らかさに劣り、13.0%を超えるとべたつき感が感じられるようになる。
他方、本発明に係る保湿ティシューはソフトネスの値が1.1〜1.8cN/100mmである。ソフトネスは、JIS L1096 E法に準じたハンドルオメータ法に基づいて測定する。但し、試験片は100mm×100mmの大きさとし、クリアランスは5mmで実施する。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、その全10回の平均値を小数点2桁とし、cN/100mmを単位として表す。ソフトネスの値が、上記範囲外であると柔らかさが感じがたくなる。
他方、本発明に係る保湿ティシューは、シート1層あたりの米坪が12〜25g/m2、好ましくは13〜16g/m2である。米坪が12g/m2未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を適正に確保することが困難となる。逆に米坪が25g/m2を超えると紙全体が硬くなるとともに、ゴワ付き感が生じてしまい肌触りが悪くなる。なお、米坪は、JIS P 8124(1998)の米坪測定方法による。
本発明に係る保湿ティシューの紙厚は、2プライの状態で100〜160μm、特には好ましくは120〜140μmである。特にこの120〜140μmであると、十分な強度も確保しつる、極めて柔らかさ、滑らかさに優れ、べたつき感もないものとなる。なお、紙厚が100μm未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、ティシュペーパーとしての強度を適正に確保することが困難となる。また、160μm超では、ティシュペーパーの肌触りが悪化するとともに、使用時にゴワツキ感が生じるようになる。
ここで、紙厚の測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)に基づき調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて2プライの状態で測定するものとする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。
他方、本発明に係る保湿ティシューは、乾燥引張強度(横)が80〜140cN/25mm、好ましくは、80〜120cN/25mmである。なお、乾燥引張強度は2プライの状態で測定する。測定は、JIS P 8113(1998)の引張試験方法に準じて行う。その中でJIS P 8111(1998)に規定された標準条件下で横方向に幅25mmに裁断するものとする。
本発明に係る保湿ティシューでは、乾燥引張強度(横)が80cN/25mmであると、特に収納箱から当該方向で引き出すようにしたポップアップ時における引出し時に破れやすくなる。なお、MD方向(縦)/CD方向(横)の比は、1.5〜3.0であるのが望ましい。
他方、本発明に係る保湿ティシューは、湿潤引張強度(横)50〜70cN/25mmである。なお、湿潤引張強度は2プライの状態で測定する。測定は、JIS P 8135(1998)に準じて行う。本発明に係る保湿ティシューでは、湿潤引張強度(横)が50cN/25mmであると、特にフェイシャルケアや鼻を強くかんだ際における強度が十分に確保し難くなる。
他方、本発明に係る保湿ティシューは、静摩擦係数が0.53〜0.68、より好ましくは0.55〜0.65である。ここでの静摩擦係数は、JIS P 8147(1998)に準じた、下記の方法で測定する。
まず、保湿ティシューを1プライにはがし、2プライ時に積層外面にあった面が外側(外面)となるようしてアクリル平板に張り付ける。次いで、前記ティシュペーパーとは別の保湿ティシューを2プライのまま100gの分銅に対してこれを被覆するように巻きつけ、前記アクリル平板上の1プライの保湿ティシュー上に乗せる。次いで、前記アクリル平板を傾け、前記ティシュペーパーを巻き付けた分銅(おもり)が滑り落ちる角度を測定する。その角度測定を、保湿ティシューのMD方向同士、CD方向同士について各4回ずつの計8回測定して平均角度を算出し、そのタンジェント値を静摩擦係数とする。本発明の静摩擦係数の範囲であると滑らかさとべとつき感に優れるものとなる。
他方、本発明に係る保湿ティシューは、MD方向(縦方向)の伸び率が11.0〜15.0%であるのが望ましい。伸び率が11.0%未満であると破れやすくなり、15.0%を超えると清拭作業がし難くなる。なお、伸び率は、ミネベア株式会社製「万能引張圧縮試験機 TG−200N」を用いて測定したものである。伸び率はJIS P 8113の「3.定義 e)に記載の「引張破断伸び(stretch at break)」のことである。
ここで、本願発明における保湿ティシューは、従来の滑らかさの指標であるMMD(摩擦係数μの平均偏差(単位:無次元))については、8.5以下であるのが望ましい。MMD値の測定方法としては、図11(a)に示すように、摩擦子112の接触面を所定方向(図11(a)における右斜め下方向)に20g/cmの張力が付与された測定試料であるティシュペーパー111の表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させる。このときの、摩擦係数を、摩擦感テスター KES−SE(カトーテック株式会社製)を用いて測定し、その摩擦係数μの摩擦距離2cm(移動距離は3cmで前後5mmずつを除く)における平均偏差をMMD値とする。
なお、摩擦子112は、直径0.5mmのピアノ線Pを20本隣接させてなり、長さ及び幅がともに10mmとなるように形成された接触面を有している。接触面には、先端が20本のピアノ線P(曲率半径0.25mm)で形成された単位膨出部が形成されている。
また、図11(a)には、摩擦子112を模式的に表し、図11(b)には、図11(a)における一点鎖線で囲まれた部分の拡大図を示すものとする。
他方、保湿ティシューは、インターフォルダによりポップアップ式となるように折り加工が施され、前記折り加工の前後いずれかの段階で製品サイズに裁断され、例えば180組が箱詰めされて製品とするのが一般滴であるが、本発明に係る保湿ティシューは、180組の折り加工後の密度(製品密度)が、0.15〜0.25g/cm3、特に0.17〜0.23g/m3であるのがよい。0.15g/cm3より低いとしっとり感や滑らかさが得られず、0.25g/cm3より高いと、ティシュペーパーの厚みが損なわれベタつき感が出てしまうとともに、吸水性が悪くなってしまう。
上記紙密度は、JIS P 8111 条件下において調湿させたティシュペーパー製品米坪を2倍した値(C)を、「PEACOCK G型」によるティシュペーパー(2プライ)での紙厚(D)で除した値で、単位をg/cm3、小数点3桁で表す。
((密度(g/cm3))=(C(g/m2))×2÷(D(μm))
上記説明の本発明の保湿ティシューは、例えば、以下のようにして製造することが可能である。
まず、抄紙設備においてクレープを有するティシュー原紙を巻き取り一次原反ロール11,12(一般的にジャンボロールともいわれている)を製造する。
図1のプライマシン(プライ工程)では、2つのフレキソコーター16,17を備え、2プライの連続シートの各面に薬液を塗布している。
フレキソ印刷方式は、加工速度が高速であっても塗布量を安定させることができ、また、一つのロールで幅広い薬液の粘度を安定的に塗布することができる。
コンタクトエンボスを付与した2プライの連続シートは、直接ロータリー式インターフォルダ等に供されて折り加工を施された後に製品サイズに裁断されるか、または、スリッター20により製品幅にカットされた後、ワインディングドラム21により巻き取り二次原反ロール22とされ、折り加工が施され、紙箱への収納がなされる。
なお、図示の形態ではコンタクトエンボス前に薬液を塗布する構成をとっているが、コンタクトエンボス後に薬液を塗布する構成としてもよい。
但し、本発明の保湿ティシューを箱詰めして製品化した際には、特に、本発明の保湿ティシューの構造及び生産性の観点から、マルチスタンド式インターフォルダでの折り畳み加工を採用するのが特に適する。以下にマルチスタンド式インターフォルダでの折り畳み加工について説明する。
マルチスタンド式インターでは、上記プライマシンで製造された二次原反ロール22が多数セットされ、セットされた二次原反ロール22から二次連続シートを繰り出して折り畳むと共に積層することによってティシュペーパー束が製造される。以下では、そのマルチスタンド式インターフォルダの一例について説明する。
本発明に係る保湿ティシューでは、係る引出し方向となる製品において、その仕様態様から特に効果的な構造となっている。
本発明に係る保湿ティシューは、第1の製造例で示したプライマシン塗布の他、プライマシンとは別の薬液塗布装置を使用して製造してもよい。オフマシンの薬液塗布を行う場合、プライ工程は図12に示すようなプライマシンを使用して行われる。すなわち、一次原反ロール11,12から連続シート31,32を巻だし、積層ローラー13で積層して2プライとした後、薬液塗布工程を経ずに コンタクトエンボスコロ18及びコロロール19に供し、コンタクトエンボスを付与した2プライの連続シートを薬液未塗布のままワインディングロール221により巻き取り二次原反ロール(薬液未塗布)222とする。
なお、プライマシンの運転は、100〜1100m/分で行うことが可能である。しかし、折り加工に後述のロータリー式インターフォルダを使用する場合は、インターフォルダの運転速度が律速となるため、80〜100m/分で運転するのが現状である。
実施例1〜5は本発明に係る保湿ティシューであり、折り加工はマルチスタンド式インターフォルダで行なった。
比較例1〜4は、ティシュー原紙中の湿潤紙力剤及びサイズ剤の含有量を本発明の範囲外としたもの、比較例5は、非保湿系の汎用ティシュペーパー、比較例6は従来の保湿系のローションタイプのティシュペーパー、比較例7,8は非保湿系で米坪、紙厚の高い高級タイプのティシュペーパーである。その他、各例における物性・組成、仕様は表1に示すとおりである。
米坪、紙厚、引張強度、伸び率、ソフトネス、静摩擦係数、水分率の測定方法は、上記発明を実施するための形態の欄で説明したとおりである。薬液含有率とは、ティシュペーパー坪量に対する薬液の乾燥重量の割合を示すものである。
紙質の評価とともに、各例については、30名の被験者を対象に、やわらかさ、なめらかさ、厚み感、しっとり感について下記の基準に基づく官能評価を行った。官能評価は、非保湿ティシュペーパーである比較例1の成績をすべて3として、下記の基準に基づいて行った。
5:大変優れている、4:優れている、3:基準と同等、2:劣る、1:顕著に劣る
さらに、薬液塗布ティシュペーパーについては、ベタつき感の有無についても評価を行った。
○:ベタつき感が少ない、×:明らかにベタつき感がある
また、官能評価において、本発明に係るティシュペーパーは、厚み感に優れたものではないものの、保湿ティシューと同等以上のやわらかさ、なめらかさ、しっとり感を有し、かつ、保湿ティシューにみられるベタつき感が軽減されていることが分かった。
Claims (3)
- 保湿剤を含む薬液を含有する2プライの保湿ティシュペーパーであって、
前記ティシュペーパーに用いられるティシュー原紙が、抄紙原料中に湿潤紙力剤を7.0〜22.0kg/t、サイズ剤を1.0〜8.0kg/t添加して抄造したものであり、
薬剤含有量が2.0〜6.0g/m2であり、
水分率が9.0〜13.0%であり、
2プライを構成するシートの1層あたりの坪量が12〜25g/m2であり、
2プライの紙厚が100〜160μmであり、
ソフトネスが1.1〜1.8cN/100mmであり、
乾燥引張強度(横)が80〜140cN/25mmであり、
湿潤引張強度(横)50〜70cN/25mmであり、
下記(A)〜(D)の手順により測定される静摩擦係数が0.53〜0.68である、ことを特徴とする保湿ティシュペーパー。
(A)ティシュペーパーを1プライにはがし、2プライ時にティシュペーパーの外面にあった面が外側となるようしてアクリル板に張り付ける。
(B)前記ティシュペーパーとは別のティシュペーパーを2プライのまま100gの分銅に巻きつけ、前記アクリル板上のティシュペーパー上に乗せる。
(C)前記アクリル板を傾け、前記おもりが滑り落ちる角度を測定する。
(D)前記角度の測定を、ティシュペーパーのMD方向同士、ティシュペーパーのCD方向同士で行うこととし、各4回ずつの計8回測定して平均角度を算出して、そのタンジェント値を静摩擦係数とする。 - 請求項1記載の保湿ティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて略直方体の収納箱に収納された保湿ティシュペーパー製品であり、
前記収納箱が、上面にその長辺方向に平行に開口を有する紙箱よりなり、前記開口が収納箱内面に貼付されたフィルムにより被覆され、かつ前記フィルムが前記開口に長辺方向に平行なスリットを有し、
前記スリットを介して収納された保湿ティシューを引き出す際の取り出し抵抗値が、最上層から1組目から5組目までの計5組、及び11組目から15組目までの計5組の取り出し抵抗値が70gf以下とされている、ことを特徴とする保湿ティシュペーパー製品。 - 保湿剤を含む薬液を含有する2プライの保湿ティシュペーパーの製造方法であって、
抄紙原料中に湿潤紙力剤を7.0〜22.0kg/t、サイズ剤を1.0〜8.0kg/t添加して抄造しやティシュー原紙を2層積層した後、水分を1.0〜15重量%含む薬液を薬液含有量が両面で2.2〜6.6g/m2塗布し、
水分率が9.0〜13.0%、2プライを構成するシートの1層あたりの坪量が12〜25g/m2、2プライの紙厚が100〜160μm、ソフトネスが1.1〜1.8cN/100mm、乾燥引張強度(横)が80〜140cN/25mm、湿潤引張強度(横)50〜70cN/25mm、
下記(A)〜(D)の手順により測定される静摩擦係数が0.53〜0.68、とすることを特徴とする保湿ティシュペーパーの製造方法。
(A)ティシュペーパーを1プライにはがし、2プライ時にティシュペーパーの外面にあった面が外側となるようしてアクリル板に張り付ける。
(B)前記ティシュペーパーとは別のティシュペーパーを2プライのまま100gの分銅に巻きつけ、前記アクリル板上のティシュペーパー上に乗せる。
(C)前記アクリル板を傾け、前記おもりが滑り落ちる角度を測定する。
(D)前記角度の測定を、ティシュペーパーのMD方向同士、ティシュペーパーのCD方向同士で行うこととし、各4回ずつの計8回測定して平均角度を算出して、そのタンジェント値を静摩擦係数とする。
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