JP2013051057A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】端面集電構造を用いた二次電池において、電極群端部と集電板の接合時に正負極間の短絡の発生を抑制した集電板を備えた二次電池を提供する。
【解決手段】正極板と負極板とがセパレータを介して捲回または積層された電極群5が電池ケース1に収納された二次電池であって、少なくとも正極板または負極板の一方の極板の端部は、セパレータから突出した状態で集電板に接合されており、集電板には、電極群と対向する面に突起部が形成されており、突起部により、前記極板の端部と前記集電板が溶接された際に発生したスパッタを補足する。
【選択図】図3
【解決手段】正極板と負極板とがセパレータを介して捲回または積層された電極群5が電池ケース1に収納された二次電池であって、少なくとも正極板または負極板の一方の極板の端部は、セパレータから突出した状態で集電板に接合されており、集電板には、電極群と対向する面に突起部が形成されており、突起部により、前記極板の端部と前記集電板が溶接された際に発生したスパッタを補足する。
【選択図】図3
Description
本発明は、二次電池に関し、特に、好適な集電板構造を持つものに関する。
車両等の駆動用電源として用いられる二次電池は、大きな出力が要求される。このような要求を満たす二次電池として、捲回または積層した電極群の極板端部を集電板に接合した集電構造(端面集電またはタブレス集電)を採用した二次電池が知られている。このような集電構造は、二次電池の集電抵抗を小さくできるので、高出力化に適している一方、集電板を極板端部に確実に接合する必要がある。そのためには、溶接時に用いるレーザービームや電子ビーム等の高エネルギー線の出力を高く設定することが好ましいが、極板端部と集電板の接触が十分でない場合、前記高エネルギー線が集電板または極板端部に位置する金属箔を貫通したり、高温の溶融金属からなるスパッタが発生し、電極群内に混入したりすることでセパレータが溶融し、正負極間の短絡が生じるという課題を有していた。
上記課題に対し、特許文献1には、集電板に凸部を設け、この凸部と極板端部を溶接する構造とし、さらに凸部が極板端部と溶接される領域付近に貫通孔を設けることで、高エネルギー線が集電板を貫通しにくくなると記載されている。また、特許文献2には、正極板端縁部の合剤層未塗布部分に合剤層と同じ厚みの耐熱絶縁層を形成することで、スパッタ等が混入しても正負極間の短絡が抑制できることが提案されている。
しかしながら特許文献1に記載の構造を有する集電板を用いた場合でも、溶接時の極板端部と集電板の接触が十分でない場合、または集電板が厚く高エネルギー線の出力を高く設定する必要がある場合等にはスパッタの発生は避けられず、正負極間の短絡の要因となる可能性がある。また、発生したスパッタの粒径・速度が比較的大きい、つまり大きな運動エネルギーを有する場合には特許文献2に記載の耐熱絶縁層を貫通し、正負極間の短絡を生じる可能性があるため、これだけでは十分な対策となり得ない。以上のように、特許文献1および2に記載の方法では上記課題を完全に解決することが出来ない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、端面集電構造を用いた二次電池において、集電板と極板端部の溶接時に発生するスパッタを要因とした正負極間の短絡を抑制した集電板を備えた二次電池を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、端面集電構造を用いた二次電池において、集電板の電極群対向面に、突起部を形成した構成を採用する。
このような構成により、集電板と極板端部の溶接時に高エネルギー線が貫通あるいはスパッタが発生した場合においても、突起部により捕捉されるため、それらが直接電極群内部に侵入することを阻止でき、セパレータの溶融による正負極間の短絡の発生を抑制することが可能となる。
すなわち、本発明に係る二次電池は、正極板と負極板とがセパレータを介して捲回または積層された電極群が電池ケースに収納された二次電池であって、少なくとも正極板または負極板の一方の極板の端部は、セパレータから突出した状態で集電板に接合されており、集電板の電極群対向面に、突起部が形成されている。そして、この突起部により、極板の端部と集電板が溶接された際に発生したスパッタを補足するものである。
つまり本発明の突起部は、集電板と極板の端部を溶接した際に集電板を貫通した高エネルギー線や溶接時に発生したスパッタを捕捉する機能を有する。このような機能を有することが出来ればその具体的な構成は特に限定されない。突起部は、例えば、集電板本体に別の金属板等を接合する、集電板本体を部分的に折り曲げる等の方法により形成される。
本発明の一態様は、正極板と負極板とがセパレータを介して捲回または積層された電極群が電池ケースに収納された二次電池であって、少なくとも前記正極板または負極板の一方の極板の端部は、前記セパレータから突出した状態で集電板に溶接されており、前記集電板は、電極群対向面に突起部を有し、前記突起部は、前記極板の端部と前記集電板が溶接された点と前記セパレータを最短で結ぶ線分上に、前記突起部の一部が位置するように形成されているものである。この態様は、本発明の作用効果を効果的に発揮するものである。
本発明によれば、端面集電構造を用いた電池において、極板端部と集電板を溶接した際に貫通した高エネルギー線や発生したスパッタが要因となる正負極間の短絡が抑制出来るため、極板端部と集電板の溶接強度を確保しながら、不良率を低減した電池を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。さらに、他の実施形態との組み合わせも可能である。
図1(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態における二次電池の外観斜視図及び内部斜視図である。また、図2(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本発明の一実施形態における負極集電板10の斜視図、平面図(電極群対向面)及び断面図である。
図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態における二次電池は、角形電池であり、電池ケース1内に、正極板2と負極板3とがセパレータ4を介して捲回された電極群5が電解液と共に収容されている。また、電池ケース1は、防爆弁21を備えた封口板6で封口され、電解液を注液した注液口は、封栓20で封口されている。
正極板2の端部(不図示)及び負極板端部3aは、それぞれ、セパレータ4から互いに反対方向に突出した状態で、電池ケース(正極端子)1及び負極集電板10に接合されている。負極集電板10は、リード部8を介して負極端子7に接続されている。ここで、封口板6は電池ケース1と同じ正極であるので、負極端子7はガスケット等の絶縁部材9を介して、封口板6に貫設されている。
負極集電板10は、図1(b)に示すように、電極群5の一端面を覆っており、負極集電板10には、図2(a)、(b)及び(c)に示すように、電極群5と対向する面に突起部11が形成されている。また、図3に示すように、負極板端部3aは、溶接点10bにおいて負極集電板10に接合されている。本実施形態では、突起部11は、負極集電板10の平坦部10aに対して45度の角度で固定された長方形の形状を有しており、負極集電板10の長手方向の両端部にそれぞれ1箇所ずつ、中央部に2箇所形成されている。また、突起部11は、図2(c)に示すように、負極集電板10の長手方向の両端部および中央部とも負極集電板10に対して外向きとなるようにななめに形成されている。さらに、突起部11は、図3に示すように、負極板端部3aと負極集電板10が接合される溶接点10bとセパレータ4を最短で結ぶ線分上に、突起部11の一部が位置するような形状を持って形成されている。
端面集電構造では、アーク溶接、レーザービーム溶接、電子ビーム溶接等の溶接手法を用いて、負極集電板10と負極板端部3aを接合する。このとき、負極集電板10と負極板端部3aの接触が十分でない場合には、アーク、レーザービーム、電子ビーム等により負極集電板10に与えられた熱量が過剰となり、アーク、レーザービーム、電子ビーム等の貫通あるいは高温の溶融金属からなるスパッタの発生を招くことがある。これらが電極群5内部に侵入した場合、熱によりセパレータ4が破損し、その結果、正負極間の短絡が生じる畏れがある。
しかしながら、本発明の負極集電板10では、電極群5と対向する面に、突起部11が負極板端部3aと負極集電板10との溶接点10bとセパレータ4を最短で結ぶ線分上に、突起部11の一部が位置するような形状を持って形成されている。そのため、溶接時にアーク、レーザービーム、電子ビーム等が貫通あるいは高温の溶融金属からなるスパッタが発生した場合でも、突起部11が電極群5までの間に存在し、それらを捕捉することで、アーク、レーザービーム、電子ビーム等あるいは高温の溶融金属からなるスパッタが直接、電極群5の内部に侵入し、セパレータ4が損傷に至ることが回避できる。
ここで、本発明において、負極集電板10の電極群5と対向する面に形成される「突起部11」は、溶接時に負極集電板10を貫通したアーク、レーザービーム、電子ビーム等あるいは溶接時に発生した高温の溶融金属からなるスパッタが電極群5内に侵入する前に捕捉する役割を有しており、その具体的な構成は特に限定されない。
突起部11の形状は、図2(c)に示すようにその断面が負極集電板10から伸びる直線状であっても良いし、曲線状あるいはL字型であっても良い。また、突起部11の厚みは、特に限定されないが、負極集電板10と同じかあるいはより薄く形成することが軽量化の観点から好ましい。さらに、突起部11の材質は、特に限定されず、負極集電板10と同じであっても良いし異なるものを用いても良い。
突起部11の幅は、溶接痕の最大径よりも大きく形成することが好ましい。このような構成とすることで、溶接時に負極集電板10を貫通したアーク、レーザービーム、電子ビーム等あるいは溶接時に発生した高温の溶融金属からなるスパッタを確実に捕捉できる可能性が高くなる。
突起部11を形成する位置は、特に限定されないが、負極集電板10の長手方向両端部および中央部に、それぞれ少なくとも1箇所以上形成することが好ましい。このように突起部11を配置することで、溶接強度の確保および集電抵抗の低減が実現できる。
突起部11の個数は、特に限定されず、溶接により負極集電板10と接合する負極板端部3aの数や厚さに応じて自由に選択できる。溶接時には、図3に示すように、負極集電板10に形成した突起部11の個数に合わせて負極板端部3aをほぼ同数枚となるように集合させ、突起部11の間に挿入し、負極集電板10と密着させることが好ましい。
突起部11の形成方法は、特に限定されない。例えば、負極集電板10の成形後に加工して付与してもよいし、負極集電板の基材に突起部11を形成したものを成形して負極集電板10としてもよい。また、負極集電板10の成形と同時に突起部11を形成してもよい。突起部11の形成方法としては、切削加工、レーザ加工、放電加工、折り曲げ加工、溶接等による接合などの一般的な手法を用いることができる。
また、本発明に適用できる二次電池は、特に限定されない。例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池であってもよいし、ニッケル水素二次電池等であってもよい。
また、本発明に適用できる二次電池は、角形電池だけでなく、円筒形電池にも適用できる。
図4(a)、(b)及び(c)は、本発明を円筒形電池に適用した場合の電極群5の斜視図、負極集電板10の平面図(電極群対向面)及び断面図である。図4(a)に示すように、正極板及び負極板は、正極板端部2a及び負極板端部3aが、それぞれ互いに反対方向に突出した状態で捲回されている。また、図4(b)、(c)に示すように、負極集電板10には、電極群5と対抗する面に複数の突起部11が形成されている。
このような構成において、突起部11は、負極板端部3aと負極集電板10の溶接点と電極群5を最短で結ぶ線分上に、突起部11の少なくとも一部が位置するように形成されているため、溶接時にアーク、レーザービーム、電子ビーム等が負極集電板10を貫通あるいは高温の溶融金属からなるスパッタが発生した場合でも、突起部11が電極群5までの間に存在し、それらを捕捉することで、セパレータが損傷に至ることが回避される。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、上記の実施形態では、正極板2と負極板3とがセパレータ4を介して捲回された電極群5を例に説明したが、正極板2と負極板3とがセパレータ4を介して積層された電極群であってもよい。また、上記の実施形態では、負極板端部3aを負極集電板10に接合した例を説明したが、正極板2の端部を正極集電板に接合する場合においても、同様の構成を採用することができる。
本発明は、携帯型電子機器、移動体通信機器又は車両等の駆動用電源として有用である。
1 電池ケース
2 正極板
2a 正極板端部
3 負極板
3a 負極板端部
4 セパレータ
5 電極群
6 封口板
7 負極端子
8 リード部
9 絶縁部材
10 負極集電板
10a 平坦部
10b 溶接点
11 突起部
20 封栓
21 防爆弁
2 正極板
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10 負極集電板
10a 平坦部
10b 溶接点
11 突起部
20 封栓
21 防爆弁
Claims (3)
- 正極板と負極板とがセパレータを介して捲回または積層された電極群が電池ケースに収納された二次電池であって、
少なくとも前記正極板または負極板の一方の極板の端部は、前記セパレータから突出した状態で集電板に溶接されており、
前記集電板は、電極群対向面に突起部を有し、
前記突起部は、前記極板の端部と前記集電板が溶接された点と前記セパレータを最短で結ぶ線分上に、前記突起部の一部が位置するように形成されていることを特徴とする二次電池。 - 正極板と負極板とがセパレータを介して捲回または積層された電極群が電池ケースに収納された二次電池であって、
少なくとも前記正極板または負極板の一方の極板の端部は、前記セパレータから突出した状態で集電板に溶接されており、
前記集電板は、電極群対向面に突起部を有し、
前記突起部により、前記極板の端部と前記集電板が溶接された際に発生したスパッタを補足することを特徴とする二次電池。 - 前記溶接の種類は、アーク溶接、レーザービーム溶接、または電子ビーム溶接のうち少なくとも1つである、請求項1または2に記載の二次電池。
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Cited By (2)
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WO2014013992A1 (ja) * | 2012-07-17 | 2014-01-23 | 新神戸電機株式会社 | 二次電池の集電構造及び二次電池 |
JP2020095911A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気化学デバイス |
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2011
- 2011-08-30 JP JP2011187201A patent/JP2013051057A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
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JP2020095911A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気化学デバイス |
JP7262041B2 (ja) | 2018-12-14 | 2023-04-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気化学デバイス |
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