JP2013050012A - 床用断熱材とそれを用いた床断熱構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの異なったモジュールの床構造に、1種類の床用断熱材で、隣接する大引の間及び土台と大引の間の双方に、挿入できる床用断熱材を提供する。
【解決手段】土台の横幅YがY1およびY2、大引の横幅がDである異なる2つの態様の床構造で用いる合成樹脂発泡製の床用断熱材10は、矩形形状をなす中央部分10aと、中央部分の側辺側からV字状をなす第1及び第2の割溝S1、S2を介して接続した第1の側方部分10bと第2の側方部分c10とを備える。割溝S1の中央部分10a側位置は、床用断熱材10を平板姿勢状態で側方部分10bの側方端面11から土台と大引の横幅の差の半分入った位置とし、割溝S2の中央部分10a側の位置は、側方部分10cの側方端面12から土台と大引の横幅の差の半分入った位置とする。割溝S1と割溝S2上端の開口幅は双方の側方部分の側方端面の上縁間の距離P2と下縁間の距離P1の差に等しいか広いとする。
【選択図】図4
【解決手段】土台の横幅YがY1およびY2、大引の横幅がDである異なる2つの態様の床構造で用いる合成樹脂発泡製の床用断熱材10は、矩形形状をなす中央部分10aと、中央部分の側辺側からV字状をなす第1及び第2の割溝S1、S2を介して接続した第1の側方部分10bと第2の側方部分c10とを備える。割溝S1の中央部分10a側位置は、床用断熱材10を平板姿勢状態で側方部分10bの側方端面11から土台と大引の横幅の差の半分入った位置とし、割溝S2の中央部分10a側の位置は、側方部分10cの側方端面12から土台と大引の横幅の差の半分入った位置とする。割溝S1と割溝S2上端の開口幅は双方の側方部分の側方端面の上縁間の距離P2と下縁間の距離P1の差に等しいか広いとする。
【選択図】図4
Description
本発明は、軸組木造建築物における床部分、特に根太レス工法で造られる床部分を断熱するための床用断熱材とそれを用いた床断熱構造に関する。
軸組工法で組み立てられる木造建築物において、床構造は、通常、布基礎の上に土台が固定され、該土台に平行に適数の大引が配置され、該大引の上に大引と直交するように適数の根太が配置された構成とされている。そして、当該床構造に断熱性を持たせるために、配置した根太と根太の間に合成樹脂発泡体である断熱材を挿入する断熱工法が行われている。一方、木材のプレカット技術が発展したため、床工事において、土台、大引の上に根太を組み込まずに、直接床下地合板を打ち付ける根太レス工法も普及しつつある。そして、特許文献1には、根太レス工法で造られた床構造に断熱施工をすること、およびそこで用いる床用断熱材が提案されている。
特許文献1に記載の床用断熱材では、左右に間隔を空けて架設された複数の横架材(大引等)間に取り付けられる床下断熱材の周壁部に沿うようにしてスリットが形成されており、大引間に床用断熱材を挿入するときに、その側端部(周壁部)が内側に向けて弾性曲げ変形することで、周側壁と大引との密着性を向上させている。
また、特許文献2には、長方形である合成樹脂発泡体製の断熱材を、側縁に沿って形成した2本の割溝によって中央部分と2つの側方部分とに区分けするとともに、該側方部分の側面を5°〜20°の範囲で斜め下方に傾斜させるようにした断熱材が記載されている。この断熱材を隣接する根太間に挿入し、その後、上から押し付けることで、断熱材は根太間にしっかりと挿入された状態となる。
一般に、根太レス工法による軸組木造建築物の床部では、土台として横幅の異なる2種類の角材が用いられる。具体的には、大引には一般的に90mmの角材の1種類のみが用いられるが、土台には105mmの角材と120mmの角材の2種類の角材が選択的に用いられる。また、根太レス工法においては、標準として、対向して位置する2本の土台におけるそれぞれの幅方向中心間の距離Sを等間隔Xに区分する位置に適数の大引が取り付けられる。そのために、隣接する大引の側面間の距離Taと土台の側面と該土台に隣接する大引の側面間の距離Tbは異なり、断熱施工に当たっては、隣接する大引同士の側面間の距離Taの横幅である床用断熱材と、土台の側面と該土台に隣接する大引の側面間の距離Tbの横幅である床用断熱材との2種類を用意するか、横幅Taの床用断熱材を横幅Tbとなるように施工現場で切除作業することが行われている。
また、大引は同じ寸法の角材であっても、土台として105mmの角材を用いるかまたは120mmの角材を用いるかで、土台の側面と該土台に隣接する大引の側面間に挿入すべき床用断熱材の横幅が異なってくるので、ここでも2種類の横幅のものを用意することが必要とされている。
そのために、根太レス工法においての床面の断熱工法においては、横幅の異なる2種類または3種類の床用断熱材を用意するか、施工現場で必要な横幅とするための切除作業を行うことが必要となっており、作業性の向上の観点から改善が求められている。上記した特許文献1および2に記載の床用断熱材には、上記の不都合を解決するための方法については、まったく記載がされていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、根太レス工法による床構造が、標準として採用されている2種類の寸法の土台のいずれによって造られている場合でも、そのいずれに対しても、隣接する大引間および土台と該土台に隣接する大引間の双方に適切にかつ容易に挿入することができる床用断熱材を提供することを課題とする。また、その床用断熱材を用いた床面の断熱構造を提供することを課題とする。
本発明による軸組木造建築物用の床用断熱材は、対向して位置する2本の土台におけるそれぞれの幅方向中心間の距離Sを等間隔Xに区分する位置に適数の大引が取り付けられている構造を備えた床構造を断熱するために前記土台と該土台に隣接する大引との間および隣接する大引同士の間に挿入される合成樹脂発泡体製の床用断熱材であって、床用断熱材は、土台の横幅YがY1およびY2(>Y1)、大引の横幅がD(<Y)である2つの態様の前記床構造で用いることが予定されているものであり、床用断熱材は、平板状で矩形形状をなす中央部分10aと、該中央部分の長手方向の一方および他方の側辺側からほぼV字状をなす第1および第2の割溝S1、S2を介して斜め下方に傾斜した該中央部分と実質的に同じ厚みを持ちかつほぼ矩形形状をなす第1および第2の側方部分10b、10cとを有し、前記各側方部分の長手方向に沿った側方端面11、12は、その上縁がその下縁よりも外方に位置する傾斜面とされかつ前記双方の側方端面の下縁間の距離P1は前記隣接する大引間の距離よりやや狭く、上縁間の距離P2は前記隣接する大引間の距離よりも広くされており、前記第1の割溝S1の前記中央部分10a側の位置は、床用断熱材を平板状の姿勢とした状態で前記第1の側方部分10bの側方端面11から前記土台の横幅Y1と大引の横幅Dの差のほぼ半分の距離Z1だけ内側に入った位置とされており、前記第2の割溝S2の前記中央部分10a側の位置は、床用断熱材を平板状の姿勢とした状態で前記第2の側方部分10cの側方端面から前記土台の横幅Y2と大引の横幅Dとの差のほぼ半分の距離Z2だけ内側に入った位置とされており、前記第1の割溝S1と第2の割溝S2の上端の開口幅は、少なくとも前記双方の側方部分の側方端面の上縁間の距離と下縁間の距離の差に等しいかよりも広い距離とされていることを特徴とする。
上記の床用断熱材は、基本構成として、中央部分10aと、その両側にほぼV字状をなす第1と第2の割溝S1、S2を介して斜め下方に傾斜したほぼ矩形形状をなす第1および第2の側方部分10b、10cとを備える。そして、前記各側方部分10b、10cの長手方向に沿った側方端面11、12は、その上縁がその下縁よりも外方に位置する傾斜面とされ、さらに、前記双方の側方端面11、12の下縁間の距離P1は前記隣接する大引間の距離Taよりやや狭く、上縁間の距離P2は前記隣接する大引間の距離Taよりも広くされている。
したがって、隣接する大引と大引の間には、上記床用断熱材をそのままの姿勢で裏面側から容易に挿入することができる。挿入後にさらに上から押し付けることで、床用断熱材は、双方の側方部分10b、10cが前記V字状をなす割溝S1、S2の幅を次第に狭くする方向に回動しながら下方に向けて移動していき、最後には、全体が平板状の姿勢となって大引と大引の間に隙間のない状態で嵌め込まれる。それにより、隣接する大引と大引の間には、合成樹脂発泡体製の床用断熱材10による断熱層が形成される。
次に、土台と土台に隣接する大引との間に、本発明による床用断熱材を挿入する場合を説明する。根太レス工法による床構造において、隣接する大引間の距離Taは前記距離X−距離Dであり、土台とそこに隣接する大引間の距離Tbは距離X−1/2(距離Y+距離D)となる。
したがって、本発明による床用断熱材において、前記のように第1の割溝S1と第2の割溝S2とを形成し、第1の割溝S1の前記中央部分10a側の位置を、床用断熱材10を平板状の姿勢とした状態で第1の側方部分10bの側方端面11から土台の横幅Y1と大引の横幅Dの差のほぼ半分の距離Z1だけ内側に入った位置とし、第2の割溝S2の前記中央部分10a側の位置を、床用断熱材10を平板状の姿勢とした状態で第2の側方部分10cの側方端面12から土台の横幅Y2と大引の横幅Dとの和のほぼ半分の距離Z2だけ内側に入った位置としている。
そのために、横幅Y1の土台を用いた床構造に対しては、割溝S1を利用して前記第1の側方部分を除去した床用断熱材、すなわち前記中央部分10aと第2の側方部分10cとからなる床用断熱材を用いることで、土台とそこに隣接する大引との間に容易に床用断熱材を挿入することができる。また、横幅Y2の土台を用いた床構造に対しては、割溝S2を利用して前記第2の側方部分を除去した床用断熱材、すなわち第1の側方部分10bと中央部分10aとからなる床用断熱材を用いることで、土台とそこに隣接する大引との間に容易に床用断熱材を挿入することができる。
上記のように、本発明による床用断熱材を用いることにより、根太レス工法による床構造が、標準として採用されている2種類の寸法の土台のいずれによって造られている場合でも、そのいずれに対しても、隣接する大引間および土台と該土台に隣接する大引間の双方に適切にかつ容易に断熱材を挿入することができるようになる。そのために、断熱施工が容易化することに加え、床用断熱材の在庫管理や製品管理も容易となる。
本発明による床用断熱材において、割溝S1、S2は、基本的に、隣接する大引間あるいは土台と該土台に隣接する大引間に床用断熱材を挿入するときに、側方部分が前記上縁間の距離P2と下縁間の距離P1の差分だけ回動することができるように設けられる。したがって、割溝S1、S2の上端側の距離Wは狭いものでよく、断熱性が破壊される可能性を極力小さくすることができる利点がある。もちろん、前記上縁間の距離P2と下縁間の距離P1の差分よりも少し広くしておくことで、土台と大引を設置すめときの施工誤差にも対応可能となる。
なお、本発明において、前記並行して走る大引の中心間の間隔Xの値、大引の横幅Dの値、土台の横幅Yの値に特に制限はないが、現在の軸組工法を参照すれば、隣接する大引の中心間距離Xは910mm前後であり、Dは90mm前後、Y1は105mm前後、Y2が120mm前後の値が選択される。
本発明は、また、上記した床用断熱材の複数枚が幅方向に間隔を置いて配置されており、隣接する該床用断熱材の群は可撓性を有する帯材によって互いに連接されていることを特徴とする軸組木造建築物用の床用断熱材ユニットをも開示する。好ましくは、前記床用断熱材ユニットにおいて、各床用断熱材は、前記中央部分10aの領域において前記帯材と一体に接合されている。
上記の床用断熱材ユニットは、複数の床用断熱材が可撓性を有する帯材によって互いに連接されているので、大引間あるいは土台と大引間への挿入作業が容易となるとともに、不用意に大引間から落下してしまうのを防止することができる。また、中央部分において帯材と一体に接合しておくことにより、必要時に行う側方部分の分離作業も容易に行うことができる。
本発明はさらに、上記した床用断熱材床用断熱材ユニットを用いた床断熱構造であって、床構造は、対向して平行に位置する2本の土台におけるそれぞれの幅方向中心間の距離を等間隔に区分する位置に適数の大引が取り付けられている構造を備えた床構造であり、その床構造における前記土台と該土台に隣接する大引の間には、前記床用断熱材から第1の側方部分または第2の側方部分のいずれか一方を前記割溝の部分から除去した後の床用断熱材が挿入されており、隣接する大引同士の間には、前記床用断熱材がそのまま挿入されている構造を少なくとも備えることを特徴とする床断熱構造をも開示する。
本発明によれば、根太レス工法による異なったモジュールの床構造、具体的には土台寸法の異なる2種類の床構造に対して、1種類の床用断熱材を用意するのみで、隣接する大引同士の間および土台とそこに隣接する大引との間の双方に、適切にかつ容易に断熱材を挿入することが可能となる。それにより、断熱施工の容易性が得られるとともに、床用断熱材の在庫管理あるいは製品管理も容易となる。
以下、本発明を実施の形態に基づき説明する。
図1に示すように、軸組工法における木造建築物の床部は、一般に、最初にコンクリートによる布基礎1が矩形状に作られ、その上に横幅Yの角材からなる土台2が固定される。土台2には柱3や間柱4が立設されるとともに、対向する土台2、2の間にやはり角材である適数の大引5が取り付けられる。一般に大引5の横幅Dは土台2の横幅Yよりも狭い。大引5の上には適数の根太が配置される施工法もあるが、根太を配置することなく、大引5の上に床下地合板を直接張り付ける根太レス工法も行われている。本発明は、根太レス工法で作られた床部を断熱施工するときに使用する合成樹脂発泡体製の床用断熱材10と、それを用いた床断熱構造に関している。根太レス工法による床部に断熱施工する際には、以下に説明しかつ図2に示すように、隣接する大引5、5間と、土台2と該土台2に隣接する大引5との間に、床用断熱材10が挿入される。
図1に示すように、軸組工法における木造建築物の床部は、一般に、最初にコンクリートによる布基礎1が矩形状に作られ、その上に横幅Yの角材からなる土台2が固定される。土台2には柱3や間柱4が立設されるとともに、対向する土台2、2の間にやはり角材である適数の大引5が取り付けられる。一般に大引5の横幅Dは土台2の横幅Yよりも狭い。大引5の上には適数の根太が配置される施工法もあるが、根太を配置することなく、大引5の上に床下地合板を直接張り付ける根太レス工法も行われている。本発明は、根太レス工法で作られた床部を断熱施工するときに使用する合成樹脂発泡体製の床用断熱材10と、それを用いた床断熱構造に関している。根太レス工法による床部に断熱施工する際には、以下に説明しかつ図2に示すように、隣接する大引5、5間と、土台2と該土台2に隣接する大引5との間に、床用断熱材10が挿入される。
軸組工法の標準では、図2に示すように、対向する横幅Yの土台2、2の双方の中心間の距離Sを等距離Xに区分するようにして、適数(図示の例では2本)の横幅がD(<Y)である大引5が土台2と平行に配置される。前記した床部の断熱を行うには、大引5と大引5の間には、対向する大引5、5の側面間の距離Ta(=X−D)にほぼ等しい横幅である合成樹脂発泡体製の床用断熱材10が挿入される。一方、土台2と該土台2に隣接する大引5の対向する側面間の距離Tbは、大引5、5の側面間の距離Taより狭く、その距離Tb=X−1/2(Y+D)=Ta−1/2(Y−D)となる。したがって、前記土台2と隣接する大引5との間には、横幅がほぼTbに等しい合成樹脂発泡体製の部分断熱材10sが挿入される。
具体的には、軸組工法において、現在、大引中心間の距離Xが910mmの標準モジュールMが一般に採用されており、そこにおいて、大引5には横幅D=90mmの角材が用いられる。一方、土台2には、横幅Yが105mm(Y1)と120mm(Y2)の2種類のものが用いられており、下記の表1に示すように、Y1とDの組み合わせを取ると(選択1)、距離Taは(910−90)mm=820mm、距離Tbは(820−1/2(105−90))mm=812.5mmとなる。また、Y2とDの組み合わせを取ると(選択2)、距離Taは(910−90)mm=820.0mm、距離Tbは(820−1/2(120−90)mm=805.0mmとなる。なお、表1で、Z(Z1、Z2)は、Ta−Tbの値である。
本発明は、上記した2つの標準(選択1と選択2)の床構造の双方において、大引5、5の間および土台2と該土台2に隣接する大引5の間に、容易に挿入することのできる合成樹脂発泡体製の床用断熱材10を提供するものである。
図3、図4は、本発明による合成樹脂発泡体製の床用断熱材の一例を示している。床用断熱材10は、基本的形態として、平板状で矩形形状をなす中央部分10aと、該中央部分の対向する2つの側辺側からほぼV字状をなす第1および第2の割溝S1、S2を介して斜め下方に傾斜した該中央部分10aと実質的に同じ厚みを持ちかつほぼ矩形形状をなす第1および第2の側方部分10b、10cとを備える。そして、前記各側方部分10b、10cの長手方向に沿った側方端面11、12は、その上縁11a、12aがその下縁11b、12bよりも外方に位置する傾斜面とされており、さらに前記双方の側方端面11、12の下縁11b、12b間の距離P1は前記隣接する大引間の距離Taよりやや狭く、また、上縁11a、12a間の距離P2は前記隣接する大引間の距離Taよりも広くされている。床用断熱材10の厚みは任意であるが、この例では、大引5の高さとほぼ同じにされている。
床用断熱材10の素材としての合成樹脂発泡体は、柔軟性を有し圧縮可能であり、反発弾性を有していて大引間に圧挿した場合に大引に断熱材の端部が密着する性質を有するものであるのが好ましい。具体的には、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂を、押出発泡成形あるいはビーズ発泡成形によって成形したものが好ましい。
上記の構成を備えた床用断熱材10を床構造に取り付けるに当たっては、図5に示すように、大引5と大引5の間にはそのままの形で挿入し、土台2とそれに隣接する大引5との間には、前記第1の側方部分10bまたは第2の側方部分10cのいずれか一方を施工現場で分離除去した後の部分断熱材10sを挿入する。以下、その具体例をさらに詳細に説明する。
図6(a)は、床用断熱材10の一つの具体例における図4に相当する断面を、実際の数値も入れて示している。この例において、中央部分10aの上面幅および下面幅はともに793mm、第1の側方部分10bの上面幅7mm、下面幅9.1mm、第2の側方部分10cの上面幅15.1mm、下面幅17.1mmであり、すべての厚みは90mmである。第1の側方部分10bと第2の側方部分10cは下方に向けて傾斜した姿勢とされており、第1の側方部分10bと中央部分10aとの間にはV字状である第1の割溝S1が、また、中央部分10aと第2の側方部分10cとの間にはV字状である第2の割溝S2が形成されており、割溝S1および割溝S2の上端開口幅Wはともに7.0mmである。具体的には、第1の割溝S1は、中央部分10aの図で左方の側面と第1の側方部分10bの対向する側面によって形成され、また、第2の割溝S2は、中央部分10aの右方の側面と第2の側方部分10cの対向する側面によって形成されている。
この姿勢にあるときの前記側方端面11、12の下縁11b、12b間の距離P1は、略9mm+793mm+略17mm=略819mmであって、前記選択1、2でのTa値820mmよりも狭い。また、側方端面11、12の上縁11a、12a間の距離P2は、略7mm+7mm+793mm+7mm+略15mm=829mmであって、前記選択1、2でのTa値820mmよりも広い。したがって、選択1、2のいずれであっても、床用断熱材10は、図6(a)に示されるそのままの姿勢で隣接する大引5、5の間に容易に入り込むことができ、その後、押し下げられることにより、図7(a)に示すように平板状の姿勢とされて側方端面11、12のほぼ全面を左右の大引5、5に密接させた姿勢となる。そのときに、第1と第2の側方部分10b、10cは前記V字状の割溝S1、S2を閉じる方向の回転移動を受ける。それにより、断熱材10の上方の横幅829mmは、大引5、5間の距離である前記Ta=820mmまで、すなわち9mmだけ狭められる。言い換えれば、2つのV字状の割溝S1、S2の合計の開口幅14mmは9mmだけ狭められて合計の開口幅が5mmとなった状態で、断熱材10は大引5、5間に挿入される。それにより、大引5、5間の断熱性はしっかりと確保される。
次に、土台2と該土台2に隣接する大引5間に、床用断熱材10を挿入する場合を説明する。最初に、土台2として横幅Y1=105mmを用いる場合を説明する(前記選択1)。この場合、土台2と該土台2に隣接する大引5の間隔Tb=812.5mmとなる。それで、選択1の場合には、図6(a)に示した断熱材10から第1の側方部分10bを第1の割溝S1を利用して分離除去した後の第1部分断熱材10s1を用いる。
図7(b)は第1部分断熱材10s1を示しており、その下方側の横幅は793mm+略17m=810mmであって、Tb値812.5mmより狭い。また、上方側の横幅は793mm+7mm+略15mm=815mmであって、Tb値812.5mmより広い。したがって、第1部分断熱材10s1は、選択1において、第1の側方部分10bを除去したそのままの姿勢で土台2と該土台2に隣接する大引5の間に容易に入り込むことができる。その後、押し下げられることにより、図7(b)に示すように平板状の姿勢とされ、第2の側方部分10cの側方端面12のほぼ全面を土台2に密接させ、中央部分10aの側面を大引5に密接させた姿勢となる。
そのときに、第2の側方部分10cは前記V字状の割溝S2を閉じる方向の回転移動を受ける。それにより、第1部分断熱材10s1の上方の横幅815mmは、土台5と大引5間の距離である前記Tb=812.5mmまで、すなわち2.5mmだけ狭められる。言い換えれば、第2のV字状の割溝S2の開口幅7mmは2.5mmだけ狭められて合計の開口幅が4.5mmとなった状態で、第1部分断熱材10s1は土台2と大引5間に挿入される。それにより、土台2と大引5間の断熱性はしっかりと確保される。
次に、土台2として横幅Y2=120mmを用いる場合を説明する(前記選択2)。この場合、土台2と該土台2に隣接する大引5の間隔Tb=805.0mmとなる。それで、選択2の場合には、図6(a)に示した断熱材10から第2の側方部分10cを第2の割溝S2を利用して分離除去した後の第1部分断熱材10s2を用いる。
図7(c)は第1部分断熱材10s2を示しており、その下方側の横幅は793mm+略9m=802mmであって、Tb値805.0mmより狭い。また、上方側の横幅は793mm+7mm+略7mm=807mmであって、Tb値805.0mmより広い。したがって、第2部分断熱材10s2は、選択2において、第2の側方部分10cを除去したそのままの姿勢で土台2と該土台2に隣接する大引5の間に容易に入り込むことができる。その後、押し下げられることにより、図7(c)に示すように平板状の姿勢とされ、第1の側方部分10bの側方端面11のほぼ全面を土台2に密接させ、中央部分10aの側面を大引5に密接させた姿勢となる。
そのときに、第1の側方部分10bは前記V字状の割溝S1を閉じる方向の回転移動を受ける。それにより、第2部分断熱材10s2の上方の横幅807mmは、土台5と大引5間の距離である前記Tb=805.0mmまで、すなわち2.0mmだけ狭められる。言い換えれば、第1のV字状の割溝S1の開口幅7mmは2.0mmだけ狭められて開口幅が5.0mmとなった状態で、第2部分断熱材10s2は土台2と大引5間に挿入される。それにより、土台2と大引5間の断熱性はしっかりと確保される。
上記では、図6(a)に具体的に示した床用断熱材10を用いる場合を例として説明したが、本発明による床用断熱材10は、下記の条件、すなわち、各側方部分10b、10cの長手方向に沿った側方端面11、12は、その上縁11a、12aがその下縁11b、12bよりも外方に位置する傾斜面とされ、かつ双方の側方端面11、12の下縁11b、12b間の距離P1が隣接する大引5、5間の距離Taよりやや狭く、上縁11a、12a間の距離P2が距離Taよりも広くされてすること、第1の割溝S1の中央部分10a側の位置は、床用断熱材10を平板状の姿勢とした状態で第1の側方部分10bの側方端面11から土台2の横幅Y1と大引5の横幅Dの差のほぼ半分の距離Z1だけ内側に入った位置とされていること、第2の割溝S2の中央部分10c側の位置は、床用断熱材10を平板状の姿勢とした状態で第2の側方部分10cの側方端面12から土台2の横幅Y2と大引5の横幅Dとの差のほぼ半分の距離Z2だけ内側に入った位置とされていること、第1の割溝S1と第2の割溝S2の上端の開口幅Wは、少なくとも双方の側方部分10b、10cの側方端面11、12の上縁間の距離P2と下縁間の距離P1の差に等しいかよりも広い距離とされていること、を満足していれば、所期の目的を達成することができる。図6(b)〜図6(d)は、上記の条件を満たす本発明による床用断熱材10の他の変形例を、具体的数値を入れて示している。説明は省略するが、いずれの変形例であっても、図6(a)に示した床用断熱材10と同じようにして、床構造における大引5、5の間にはそのままの姿勢で、また、土台2と大引5の間には第1と第2の側方部分10a、10bのいずれか一方を除去した姿勢で、挿入できることは明らかである。
図8は、本発明による床用断熱材ユニットの一例を示す。床用断熱材ユニット50は、上記した床用断熱材10の複数個が幅方向に平行に、所要の間隔を置いて配置されており、各床用断熱材10の一部、好ましくは前記中央部分10aの個所が、可能性を有する帯状部材20によって互いに接合されている構成を備える。この形態の床用断熱材ユニット50は、複数個の床用断熱材10の取り扱いが容易となることに加え、不用意に一部の床用断熱材10が大引間または土台と大引間から落下してしまうのを防止することができる。施工時に、いずれか一方の側方部分10b、10cを分離する作業が必要となるが、側方部分10b、10cは帯状部材20には接着一体化していないので、分離作業は支障なく行うことができる。
図9は、前記V字状の第2の割溝S2の溝底部形状のいくつかの例を示している。なお、図示の都合から、第2の割溝S2について説明するが、第1の割溝S1についても同様である。いずれの場合も、割溝S2の中央部分10a側の側面Sa、すなわち、図で中央部分10aの左側側面Saは垂直面とされ、他方の側面Sb、すなわち第2の側方部分10cの図で左側側面Sbは傾斜面とされている。また、割溝S2の底部Scは、分離作業が容易に行えるように、床用断熱材10の底面近傍まで達している。底部Scは、図9(a)に示す例では右上がりの傾斜面であり、図9(b)に示す例では水平面であり、図9(c)に示す例ではほぼ円弧状となっている。原料材である発泡樹脂の種類や全体の形状と寸法に応じて、分離面ができるだけ平坦な面となるように底部Scの形状を選定することが望ましい。
2…土台、
5…大引、
10…合成樹脂発泡体製の床用断熱材、
10a…床用断熱材の中央部分、
10b…床用断熱材の第1の側方部分、
10c…床用断熱材の第2の側方部分、
10s(10s1、10s2)…部分断熱材、
11…第1の側方部分の側方端面、
12…第2の側方部分の側方端面、
P1…床用断熱材における2つの側方部分の下縁間の距離、
P2…床用断熱材における2つの側方部分の上縁間の距離、
S1…V字状をなす第1の割溝、
S2…V字状をなす第2の割溝、
W…割溝の開口幅、
Y(Y1、Y2)…土台の横幅、
D…大引の横幅、
Ta…大引間の距離、
Tb…土台と大引間の距離、
Z1…土台の横幅Y1と大引の横幅Dの差のほぼ半分の距離、
Z2…土台の横幅Y2と大引の横幅Dの差のほぼ半分の距離。
5…大引、
10…合成樹脂発泡体製の床用断熱材、
10a…床用断熱材の中央部分、
10b…床用断熱材の第1の側方部分、
10c…床用断熱材の第2の側方部分、
10s(10s1、10s2)…部分断熱材、
11…第1の側方部分の側方端面、
12…第2の側方部分の側方端面、
P1…床用断熱材における2つの側方部分の下縁間の距離、
P2…床用断熱材における2つの側方部分の上縁間の距離、
S1…V字状をなす第1の割溝、
S2…V字状をなす第2の割溝、
W…割溝の開口幅、
Y(Y1、Y2)…土台の横幅、
D…大引の横幅、
Ta…大引間の距離、
Tb…土台と大引間の距離、
Z1…土台の横幅Y1と大引の横幅Dの差のほぼ半分の距離、
Z2…土台の横幅Y2と大引の横幅Dの差のほぼ半分の距離。
Claims (4)
- 対向して位置する2本の土台におけるそれぞれの幅方向中心間の距離Sを等間隔Xに区分する位置に適数の大引が取り付けられている構造を備えた床構造を断熱するために前記土台と該土台に隣接する大引との間および隣接する大引同士の間に挿入される合成樹脂発泡体製の床用断熱材であって、
前記床用断熱材は、土台の横幅YがY1およびY2(>Y1)、大引の横幅がD(<Y)である2つの態様の前記床構造で用いることが予定されているものであり、
前記床用断熱材は、平板状で矩形形状をなす中央部分と、該中央部分の長手方向の一方および他方の側辺側からほぼV字状をなす第1および第2の割溝を介して斜め下方に傾斜した該中央部分と実質的に同じ厚みを持ちかつほぼ矩形形状をなす第1および第2の側方部分とを有し、
前記各側方部分の長手方向に沿った側方端面は、その上縁がその下縁よりも外方に位置する傾斜面とされかつ前記双方の側方端面の下縁間の距離は前記隣接する大引間の距離よりやや狭く、上縁間の距離は前記隣接する大引間の距離よりも広くされており、
前記第1の割溝の前記中央部分側の位置は、床用断熱材を平板状の姿勢とした状態で前記第1の側方部分の側方端面から前記土台の横幅Y1と大引の横幅Dの差のほぼ半分の距離Z1だけ内側に入った位置とされており、
前記第2の割溝の前記中央部分側の位置は、床用断熱材を平板状の姿勢とした状態で前記第2の側方部分の側方端面から前記土台の横幅Y2と大引の横幅Dとの差のほぼ半分の距離Z2だけ内側に入った位置とされており、
前記第1の割溝と第2の割溝の上端の開口幅は、少なくとも前記双方の側方部分の側方端面の上縁間の距離と下縁間の距離の差に等しいかよりも広い距離とされていることを特徴とする床用断熱材。 - 請求項1に記載の床用断熱材の複数枚が幅方向に間隔を置いて配置されており、隣接する該床用断熱材の群は可撓性を有する帯材によって互いに連接されていることを特徴とする床用断熱材ユニット。
- 各床用断熱材は、前記第1の割溝S1と第2の割溝S2との間の領域において前記帯材と一体に接合していることを特徴とする請求項2に記載の床用断熱材ユニット。
- 請求項1に記載された床用断熱材または請求項2または3に記載の床用断熱材ユニットを用いた床断熱構造であって、床構造は、対向して平行に位置する2本の土台におけるそれぞれの幅方向中心間の距離を等間隔に区分する位置に適数の大引が取り付けられている構造を備えた床構造であり、その床構造における前記土台と該土台に隣接する大引の間には、前記床用断熱材から第1の側方部分または第2の側方部分のいずれか一方を前記割溝の部分から除去した後の床用断熱材が挿入されており、隣接する大引同士の間には、前記床用断熱材がそのまま挿入されている構造を少なくとも備えることを特徴とする床断熱構造。
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JP2011189899A JP2013050012A (ja) | 2011-08-31 | 2011-08-31 | 床用断熱材とそれを用いた床断熱構造 |
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- 2011-08-31 JP JP2011189899A patent/JP2013050012A/ja not_active Withdrawn
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