JP2013048145A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換部に入射する光の量の増加によって変換効率が向上し得る光電変換モジュールを提供する。
【解決手段】一主面同士が対向するように配置された第1基板2および第2基板10と、第1基板2の前記一主面上に配置された光電変換部1とを有している。また、本実施形態では、平面視したときに、光電変換部1の周囲に配置されており、光電変換部1に電気的に接続された配線導体11と、該配線導体11から間隔を空けて第2基板10の前記一主面上に配置された反射部材13とを備えている。そして、本実施形態において、反射部材13は、平面視したときに、配線導体11に重なるように配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、光電変換装置に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換モジュールは、様々な種類のものがあるが、CIS系(銅インジウムセレナイド系)、CIGS系(銅インジウムガリウムセレナイド系)等のカルコパイライト系の材料は、比較的低コストで大面積の光電変換モジュールを容易に製造できる点から、研究開発が進められている。このような光電変換モジュールでは、光電変換部から得られた電力をリボンワイヤ等の配線導体によって外部に導出している(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−252975号公報
ところで、上記光電変換モジュールに対しては、変換効率のさらなる向上が求められている。このような変換効率を向上させる方法としては、光電変換部に入射する光の量を増加させる方法が考えられる。
本発明の一つの目的は、光電変換部に入射する光の量の増加によって変換効率が向上し得る光電変換モジュールを提供することである。
本発明の一実施形態に係る光電変換モジュールは、一主面同士が対向するように配置された第1基板および第2基板と、前記第1基板の前記一主面上に配置された光電変換部とを有している。また、本実施形態では、平面視したときに、前記光電変換部の周囲に配置されており、前記光電変換部に電気的に接続された配線導体と、該配線導体から間隔を空けて前記第2基板の前記一主面上に配置された反射部材とを備えている。そして、本実施形態において、前記反射部材は、平面視したときに、前記配線導体に重なるように配置されている。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置によれば、平面視したときに、配線導体に重なるように反射部材を配置しているため、配線導体で反射した光を再度反射部材によって反射させやすくできる。これにより、この反射した光が配線導体と反射部材との間で反射を繰り返すことによって、光電変換部に入射されやすくなる。その結果、光電変換部に入射する光の量が増加するため、変換効率が向上する。
本発明の一実施形態に係る光電変換モジュ−ルの光電変換部の一例を示す模式図である。 図1に示した光電変換部の断面図である。 本発明の一実施形態に係る光電変換モジュ−ルを受光面側からみた模式図である。 図3のA−A部の断面図である。 図3に示した光電変換モジュ−ルの裏面側からみた模式図である。 図5のB部における部分拡大図である。 本発明の他の実施形態に係る光電変換モジュ−ルの図5のB部に対応する部位における部分拡大図である。
本発明の光電変換モジュ−ルの実施形態の一例について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図には、後述する光電変換セルの配列方向をX軸とする右手系のXYZ座標が付している場合がある。
<光電変換部>
光電変換部1は、図1および図2に示すように第1基板2の一主面上に設けられている。そして、この光電変換部1は、下部電極3と、光吸収層4およびバッファ層5を備えた光電変換層と、透光性導電層6および集電電極7を備えた上部電極とを有する。この光電変換部1では、下部電極3および上部電極で挟まれた光吸収層4およびバッファ層5によって光電変換が行なわれる。
この光電変換部1は、図1に示すように、複数の光電変換セル1a、1bが電気的に接続されるような態様を成している。具体的には、図1に示すように、一方の光電変換セル1aの上部電極(集電電極7)と、一方の光電変換セル1aに隣り合う他方の光電変換セル1bの下部電極3とが電気的に接続されている。これにより、隣接する光電変換セル1a、1bは、図1中のX方向に沿って直列接続され、第1基板2上で集積化されている。
また、光電変換部1には、この光電変換部1で得られた電気出力を外部に導出するための出力電極8(出力電極8a、8b)がそれぞれ設けられている。
次に、光電変換部1の各部材について説明する。
下部電極3は、一方向(図1のX方向)に互いに間隔をあけて第1基板2の一主面上に複数配置されている。本実施形態では、図2に示すように、上記間隔に対応する分離溝P1によって互いに離間した3つの下部電極3が設けられている。なお、下部電極3の個数については、図2に示したものに限られない。このような下部電極3は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)または金(Au)等の金属またはこれらの合金を含む薄膜であればよい。また、これらの金属が積層されてなる構造体であってもよい。この下部電極3は、例えば、第1基板2上にスパッタリング法または蒸着法等を利用して、厚さ0.2〜1μm程度に形成すればよい。
光吸収層4は、下部電極3上に配置されている。光吸収層4は、例えば、化合物半導体を含んでいる。このような化合物半導体としては、例えば、カルコゲン化合物半導体が挙げられる。カルコゲン化合物半導体は、カルコゲン元素である硫黄(S)、セレン(Se)またはテルル(Te)を含むものである。カルコゲン化合物半導体としては、例えば、I−III−VI化合物半導体がある。I−III−VI化合物半導体とは、I−B族元素(11族元素ともいう)、III−B族元素(13族元素ともいう)およびVI−B族元素(16族元素ともいう)の化合物半導体である。そして、このようなI−III−VI化合物半導体は、カルコパイライト構造を有し、カルコパイライト系化合物半導体とも呼ばれる(CIS系化合物半導体ともいう)。I−III−VI化合物半導体としては、例えば、二セレン化銅インジウム(CuInSe)、二セレン化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)Se)、二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)(Se,S))、二イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)S)または薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・
ガリウム等の多元化合物半導体薄膜がある。なお、光吸収層4が含む化合物半導体は、上記したI−III−VI化合物半導体だけでなく、例えば、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、硫黄(S)を含む、CZTS系のものであってもよい。このようなCZTS系化合物半導体としては、例えば、CuZnSnSが挙げられる。CZTS系化合物半導体は、I−III−VI化合物半導体のようにレアメタルを使用していないため、材料を確保しやすい。また、光吸収層4は、例えば、p型の導電型を有し、厚さが1〜3μm程度である。
光吸収層4は、例えばスパッタリング法、蒸着法等といった真空プロセスによって形成される。また、光吸収層4は、塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによっても形成される。塗布法あるいは印刷法では、例えば、光吸収層4に主として含まれる元素の錯体溶液が下部電極層2の上に塗布され、その後、乾燥および熱処理が行われる。
バッファ層5は、光吸収層4の+Z側の主面の上に設けられており、光吸収層4の第1導電型とは異なる第2導電型(ここではn型の導電型)を有する半導体を主に含む。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体である。また、光吸収層4の導電型がn型であり、バッファ層5の導電型がp型であってもよい。ここでは、バッファ層5と光吸収層4との間にヘテロ接合領域が形成されている。このため、各光電変換セルでは、ヘテロ接合領域を形成する光吸収層4とバッファ層5とにおいて光電変換が生じ得る。
バッファ層5は、化合物半導体を主に含む。バッファ層5に含まれる化合物半導体としては、例えば硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)および(Zn,Mg)O等が挙げられる。また、バッファ層5が1Ω・cm以上の抵抗率を有していれば、リ−ク電流の発生が低減され得る。なお、バッファ層5は、例えば、ケミカルバスデポジション(CBD)法等によって形成され得る。
また、バッファ層5は、光吸収層4の一主面の法線方向(+Z方向)に厚さを有する。この厚さは、例えば、10〜200nmであればよい。バッファ層5の厚さが100〜200nmであれば、バッファ層5の上に透光性導電層6をスパッタリング法等で形成しても、バッファ層5においてダメージが生じ難くなる。
透光性導電層6は、バッファ層5の+Z側の主面の上に設けられており、例えば、n型の導電型を有する透明の導電層(透明導電層とも言う)である。この透光性導電層6は、光吸収層4において生じた電荷を取り出す電極(取出電極とも言う)として働く。透光性導電層6は、バッファ層5よりも低い抵抗率を有する材料を主に含む。透光性導電層6には、いわゆる窓層と呼ばれるものが含まれてもよいし、窓層と透明導電層とが含まれてもよい。
透光性導電層6は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛の化合物、錫が含まれた酸化インジウム(ITO)および酸化錫(SnO)等の金属酸化物半導体等が挙げられる。酸化亜鉛の化合物は、アルミニウム、ボロン、ガリウム、インジウムおよびフッ素のうちの何れか1つの元素等が含まれたものである。
透光性導電層6は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等によって形成され得る。透光性導電層6の厚さは、例えば、0.05〜3.0μmである。ここで、透光性導電層6が、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗と
を有していれば、透光性導電層6を介して光吸収層4から電荷が良好に取り出され得る。
バッファ層5および透光性導電層6は、光吸収層4が吸収し得る光の波長帯域に対して、光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有していてもよい。これにより、光吸収層4における光の吸収効率の低下が低減され得る。また、透光性導電層6の厚さが0.05〜0.5μmであれば、透光性導電層6における光透過性が高められると同時に、光電変換によって生じた電流が良好に伝送され得る。さらに、透光性導電層6の絶対屈折率とバッファ層5の絶対屈折率とが略同一であれば、透光性導電層6とバッファ層5との界面で光が反射することで生じる入射光のロスが低減され得る。
集電電極7は、透光性導電層6の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられている線状部7aと、接続部7bを有している。そして、例えば、光電変換セル1aの透光性導電層6によって集められた電荷は、線状部7aによってさらに集められ、接続部7bを介して隣接する光電変換セル1bに伝達され得る。
この線状部7aが設けられることで、透光性導電層6における導電性が補われるため、透光性導電層6の薄層化が可能となる。これにより、透光性導電層6の高抵抗化の低減と、透光性導電層6における光透過性の向上とが両立し得る。なお、線状部7aが、例えば、銀等の導電性が優れた金属を主に含んでいれば、光電変換部1における変換効率が向上し得る。なお、線状部7aに含まれる金属としては、例えば、銅、アルミニウムおよびニッケル等が挙げられる。
また、線状部7aの幅は、50〜400μmであればより。これにより、隣接する光電変換セル1aおよび光電変換セル1b間における良好な導電が確保される。これに加えて、光吸収層4への光の入射量の低下が低減され得る。また、1つの光電変換セルに複数の線状部7aが設けられる場合、該複数の線状部7aの間隔は、例えば、2.5mm程度であればよい。
なお、線状部7aの表面が、光吸収層4が吸収し得る波長領域の光を反射する性質を有していれば、光電変換部1がモジュ−ル化された際に、線状部7aの表面で反射した光が、モジュール内で再び反射して光吸収層4に入射し得る。これにより、光電変換部1における変換効率が向上し得る。このような線状部7aは、例えば、透光性の樹脂に光反射率の高い銀等の金属粒子が添加されたペーストを用いて形成すればよい。また、アルミニウム等の光反射率の高い金属が線状部7aの表面に蒸着されることによっても実現できる。
接続部7bは、光吸収層4およびバッファ層5を分離する分離溝P2内に配置されている。この接続部7bは、線状部7aと電気的に接続している。そして、例えば、光電変換セル1a内に位置する接続部7bは、分離溝P2を通って隣の光電変換セル1bから延伸されている下部電極3に接続するような垂下部を有している。これにより接続部7bは、図1(a)において、光電変換セル1aの上部電極(透光性導電層6および線状部7a)と、光電変換セル1bの下部電極3とを電気的に接続できる。なお、図1では、透光性導電層6に電気的に接続された光電変換セル1aの線状部7aと光電変換セル1bの下部電極3とを直に接続しているが、この形態に限られない。接続部7bは、例えば、分離溝P2に配置されるバッファ層5および透光性導電層6の少なくとも一方を介して光電変換セル1aの上部電極と光電変換セル1bの下部電極3とを電気的に接続する形態であってもよい。
接続部7bは、線状部7aと同様の材質、方法で作製してもよい。そのため、接続部7bは、線状部7aの形成と同時に行なってもよい。また、接続部7bは、線状部7aの一部であってもよい。
出力電極8a、8bは、各光電変換セルで光から変換された電流を外部に出力するものである。出力電極8aおよび出力電極8bは、一方が正極であり、他方が負極である。本実施形態では、光電変換部1の一端側に出力電極8a、他端側に出力電極8bがそれぞれ設けられている。すなわち、出力電極8aおよび出力電極8bは、光電変換部1と電気的に接続されているといえる。具体的に、本実施形態において、出力電極8aは、光電変換セル1aの一端側(−X方向)に位置する下部電極3の一部が延在された部位に相当する。一方で、出力電極8bは、光電変換セル1bの他端側(+X方向)に位置する下部電極3の一部が延在された部位に相当する。なお、本実施形態では、出力電極8aおよび出力電極8bを下部電極3の一部を延在させて形成しているが、これに限られない。出力電極8aおよび出力電極8bは、例えば、光電変換セルの上部電極の一部を延在させて形成してもよい。また、光電変換セルが3個以上配列されるような場合は、光電変換部1の一端に位置する光電変換セルに出力電極8aが設けられ、光電変換部1の他端に位置する光電変換セルに出力電極8bが設けられる。
次に光電変換部1の製造方法の一例について説明する。
まず、第1基板2の外周部から内側に3〜20mm程度を除く略全面にモリブデン等の金属をスパッタリング法で成膜し、下部電極3を形成する。次いで、下部電極3の所望の位置にYAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネット)レーザ等を照射して分割溝P1を形成し、下部電極3をパターニングする。次に、パターニングされた下部電極3上に光吸収層4をスパッタリング法、蒸着法または印刷法等を用いて成膜する。次いで、光吸収層4上にバッファ層5をCBD法等で成膜する。
次に、スパッタリング法または有機金属気相成長法(MOCVD法)等でバッファ層5上に透光性導電層6を成膜する。次いで、メカニカルスクライビング等で分割溝P2を形成して、光吸収層4、バッファ層5および透光性導電層6をパターニングする。次に、透光性導電層6上にスクリーン印刷法等で金属ペーストを塗布した後、焼成して集電電極7を形成する。次いで、メカニカルスクライビング等でY方向に沿って分割溝P3を形成してパターニングを行なうことにより、X方向に配列する複数の光電変換セルを形成することによって、光電変換部1が形成される。
次に、X方向における両端に位置する光電変換セル(本実施形態では光電変換セル1aおよび光電変換セル1b)について、例えばブレードおよびホイールブラシ等などを用いて光吸収層4、バッファ層5、透光性導電層6および集電電極7等を2〜7mm程度の幅で削り取り、下部電極3の一部を延在させる。これにより、光電変換セル1aの一端部に出力電極8aを形成し、光電変換セル1bの他端部に出力電極8bが形成される。
<光電変換モジュール>
本発明の一実施形態に係る光電変換モジュールMは、図3乃至図5に示すように、光電変換部1と、第1基板2と、被覆部材9と、第2基板10と、配線導体11と、端子ボックス12と、反射部材13とを備えている。なお、図3では、図示の都合上、被覆部材9および反射部材13を省略している。
第1基板2は、光電変換部1を支持する機能を有している。この第1基板2の材質としては、例えば厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)およびポリイミド樹脂などの耐熱性プラスチック等が挙げられる。また、第1基板2としては、表面を酸化膜などの絶縁膜で被覆した厚さ100〜200μm程度のステンレスまたはチタン等の金属箔を用いてもよい。また、第1基板2の形状は、例えば矩形状、円形状等の平板状であればよい。
被覆部材9は、図4に示すように、第1基板2および第2基板10の互いに対向する一主面間に充填されている。この被覆部材9は、主として光電変換部1を保護する機能を有しており、光電変換部1を覆うように配置されている。このような被覆部材9としては、例えば共重合したエチレンビニルアセテート(EVA)を主成分とする樹脂が挙げられる。なお、EVAには、樹脂の架橋を促進すべく、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤が含まれていてもよい。また、EVAにより、第1基板2と第2基板10とを接着し、これらが一体化されていてもよい。
第2基板10は、被覆部材9と接触するように設けられており、光電変換部1等を外部から保護する機能を有している。そのため、第2基板10は、第1基板2と被覆部材9を介して離間している。この第2基板10の大きさおよび形状は、第1基板2とほぼ同等のものである。第2基板10は、光透過率と必要な強度の点から、例えば、風冷強化した白板ガラス等を用いることができる。
配線導体11は、光電変換部1の出力を、出力電極8を介して外部に導く機能を有している。また、配線導体11は、図3に示すように、光電変換部1の出力電極8と電気的に接続されており、XY面で平面視したときに、光電変換部1の周囲に配置されている。本実施形態において、配線導体11aは、出力電極8aと電気的に接続されている。一方で、配線導体11bは、出力電極8bと電気的に接続されている。配線導体11aおよび配線導体11bは、図3に示すように、第1基板2に設けられた開口部2aを介して第1基板2の裏面側に引き出されている。そして、配線導体11aおよび配線導体11bは、端子ボックス12内まで延びている。開口部2aは、第1基板2の一主面から他主面に向かって形成された第1基板2を貫通する貫通孔である。開口部2aは、光電変換部1を第1基板2上に形成する前に予め設けてもよいし、光電変換部1を形成した後に設けてもよい。なお、第1基板2がステンレス等の金属、ガラスまたはプラスチックである場合、開口部2aは、ドリル等を用いた機械加工法およびYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザなどによるレーザ加工法等で形成できる。
配線導体11は、例えば厚み0.3〜2mm程度の銅、銀またはアルミニウム等の金属を含む金属箔を利用できる。また、配線導体11は、この金属を複数含む合金からなら積層体であってもよい。また、配線導体11の幅は、特に限定されるものではないが、例えば出力電極8の幅の50〜90%程度であればよい。この配線導体11と出力電極8とは、例えば超音波ハンダまたは導電性接着剤等で接続されている。
端子ボックス12は、光電変換部1の電力を外部に出力できるようにする役割を有する。このような端子ボックス12は、ポリフェニレンエーテル樹脂またはABS樹脂等からなる箱体内に、銅およびステンレス等からなるターミナルを備えている。そして、配線導体11は、ターミナルに電気的に接続されている。また、ターミナルには、外部の機器と接続するための接続ケーブル(図示なし)が取り付けられている。
反射部材13は、第1基板2の一主面と対向する第2基板10の一主面上に配置されている。そして、反射部材13は、XY平面で平面視したときに、配線導体11に重なるように第2基板10の一主面上に配置されている。このとき、図6に示すように、反射部材13は、配線導体11と間隔を空けて配置されている。なお、本実施形態では、反射部材13と配線導体11との間に被覆部材9が配置されているが、このような形態に限られない。本実施形態のように、配線導体11と反射部材13との間に被覆部材9等の透光性部材を設ければ、配線導体11と反射部材13との間の光路を容易に確保できる。これに加えて、このような透光性部材を設けることによって、光が伝達によって生じ得る光の損失を低減することができる。
反射部材13は、配線導体11で反射した光を再度反射させることができる。配線導体11の表面で反射される光は、例えば、図6に示すように、第2基板10側から入射される。なお、このような外部から入射される入射光は、第1基板2側から入射されて、配線導体11で反射する前に反射部材13で反射する場合もある。このように配線導体11または反射部材13で反射された光(以下、反射光)は、図6に示すように、配線導体11と反射部材13との間で反射を繰り返すことによって、光電変換部1に入射されやすくなる(同図中、矢印参照)。これにより、光電変換部1に入射する光の量が増加する。その結果、光電変換モジュールMの変換効率が向上する。
反射部材13は、0.1〜0.5μm程度の厚みであればよい。また、反射部材13は、例えば、銀またはアルミニウム等の金属膜であればよい。このような金属膜は、例えば、蒸着法またはスパッタリング法で形成され得る。また、反射部材13は、TiOおよびSiOまたはTaおよびSiOを組み合わせた誘電体多層膜であってもよい。このような誘電体多層膜であれば、光電変換層で変換されやすい波長の光を選択的に反射させることができるため、光電変換部1に入射される光の量を効率良く増加させることができる。なお、誘電体多層膜は、蒸着法またはスパッタリング法で形成され得る。また、反射部材13は、例えば、白色のエポキシ樹脂等の樹脂層であってもよい。このような樹脂層であれば、金属膜に比べて厚みを大きくできるため、配線導体11で反射した反射光の透過を低減できる。このような樹脂層の反射部材13であれば、10〜80μm程度まで厚みを大きくできる。また、樹脂層の反射部材13では、サンドペーパーまたはサンドブラスト法等によって反射部材13の表面に容易に凹凸を形成することができる。これにより、反射部材13に到達した光を乱反射させることができるため、光電変換部1に伝達される光の量をより増加させることができる。なお、樹脂層は、例えば、スクリーン印刷法で形成され得る。
また、反射部材13は、XY面で平面視したときに、配線導体11の全体を覆うように配置してもよい。これにより、配線導体11より反射された光が第2基板10を介して外部に出射しにくくなるため、光電変換部1側に伝達される光の量がより増加する。
ここで、出力電極8は、図6に示すように、配線導体11に接続されている第1領域S、よりも、第1基板2の外周部に延在している第2領域Tを有していてもよい。これにより、出力電極8の第2領域Tの表面で光を反射させることができるため、第2基板10側から入射される光を反射部材13に向かって反射させやすくなる。一方で、反射部材13を第2基板10の外周部側に延在するように配置すれば、第1基板2側から入射される光を反射部材13で反射させやすくなる。また、出力電極8の第2領域Tの表面における算術平均粗さRaが0.2〜1.2μm程度であれば、光を乱反射させやすくなるため、配線導体11と反射部材13との間を伝達する光の量をより増加させることができる。出力電極8の表面の算術平均粗さRaは、例えば、レーザ変位計で測定できる。具体的には、一定の角度で配置された光源(発光素子)から出力電極8の表面にレーザを照射し、該表面で反射した反射光の正反射成分を受光素子で受光することによって測定できる。なお、上述のような表面粗さを有する出力電極8は、例えば、所望の位置にブレードまたはホイールブラシ等で研削すればよい。
次に、光電変換モジュールMの製造方法の一例について説明する。
まず、第2基板10の一主面上に、形成する反射部材13のパターンに応じてフォトレジスト等でマスクを配置する。そのため、マスクは、第2基板10の一主面上において、反射部材13が形成され得る部位を除いた位置に設ける。次に、スパッタリング法でアルミニウム等の金属膜を形成する。次いで、エッチング等でマスクを除去することによって
、所望のパターン形状を有する反射部材13が形成される。
次いで、上述した方法で作製された光電変換部1を有する第1基板2上を準備する。次に、光電変換部1上に、EVAなどの被覆部材9を載置する。次いで、反射部材13で配線導体11を覆うように、被覆部材9上に第2基板10を載置する。次に、各部材が積層された積層体をラミネート装置にセットし、50〜150Pa程度の減圧下で100〜200℃程度の温度で15〜60分間程度加熱しながら加圧して一体化する。以上の工程により、光電変換モジュールMを作製できる。
<変形例>
上記した実施形態の反射部材13に代えて、図7に示すように、反射部13aおよび支持部13bを有する反射部材13にしてもよい。反射部13aは、上記した実施形態における金属膜、誘電体多層膜または樹脂層に相当する。支持部13bは、第2基板10の一主面上に配置されている。そのため、本実施形態における反射部材13は、支持部13b上に反射部3bが配置された構成を有している。そして、この支持部13bは、黒色であるとよい。これにより、反射部13aにおける外部に向かって出射される反射光を低減できる。これに加えて、配線導体11および反射部13aの光沢による外観の悪化を低減できる。なお、ここでいう黒色とは、例えば、マンセル値でN1〜N3程度であればよい。
支持部13bは、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)等を含む黒色のセラミックスまたは黒色のエポキシ樹脂等で形成される。また、これらの部材は、例えば、反射部材13での形状に合わせてスクリーンプリント法等で塗布した後、所定の温度で焼成または硬化させればよい。特に、支持部13bをアルミナセラミックスで形成すれば、光電変換モジュール作製時のラミネート工程における加熱および加圧による影響を受けにくくすることができる。これにより、支持部13bの製造時における破損等を低減できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正及び変更を加えることができる。例えば、光電変換モジュールは上述のCIS系などのカルコパイライト系光電変換モジュールに限定されるものではなく、アモルファスシリコンや微結晶シリコンを使用した薄膜太陽電池、シリコン基板を用いた結晶系シリコン太陽電池等の光電変換モジュールにも適用可能である。
M:光電変換モジュ−ル
1:光電変換部
2:第1基板
2a:開口部
3:下部電極
4:光吸収層
5:バッファ層
6:透光性導電層
7:集電電極
7a:線状部
7b:接続部
8、8a、8b:出力電極(電極)
9:被覆部材
10:第2基板
11、11a、11b:配線導体
12:端子ボックス
13:反射部材
13a:反射部
13b:支持部

Claims (6)

  1. 一主面同士が対向するように配置された第1基板および第2基板と、
    前記第1基板の前記一主面上に配置された光電変換部と、
    平面視したときに、前記光電変換部の周囲に配置されており、前記光電変換部に電気的に接続された配線導体と、
    該配線導体から間隔を空けて前記第2基板の前記一主面上に配置された反射部材とを備え、
    該反射部材は、平面視したときに、前記配線導体に重なるように配置されている、光電変換モジュール。
  2. 前記配線導体は、前記光電変換部から延在する出力電極を介して前記光電変換部に電気的に接続されており、
    前記出力電極は、前記第1基板の前記一主面上に配置されているとともに、前記配線導体が接続されている第1領域と、前記配線導体よりも前記第1基板の外周側に延在している第2領域とを有している、請求項1に記載の光電変換モジュール。
  3. 前記反射部材は、平面視したときに、前記配線導体の全体を覆うように配置されている、請求項1または請求項2に記載の光電変換モジュール。
  4. 前記反射部材は、前記第2基板の前記一主面に接している支持部および該支持部上に設けられた反射部を有しており、前記支持部が黒色である、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光電変換モジュール。
  5. 前記支持部は、アルミナセラミックスからなる、請求項4に記載の光電変換モジュール。
  6. 前記配線導体と前記反射部材との間に透光性部材がさらに設けられた、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光電変換モジュール。
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