JP2013047400A - カツラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のカツラは、使用者の頭部に装着されるベース10に、人工または天然の毛髪を植え込んで構成される。ベース10の前頭部端縁11を波打ち形状とし、当該端縁を含む近傍領域15を合成樹脂で硬化している。本発明のカツラにおいては、ベースの前頭部端縁11の波打ち形状を構成する突出した山の部分が合成樹脂で固められているので、当該端縁11の強度が高く、したがって、頭皮からの捲れ上がり、反り、丸まり等を有効に防止して、特に生え際部分における自然な外観を実現することができる。
【選択図】図2
Description
特許文献1では、カツラのベースの前頭部端縁が波打った凹凸形状とされている。生え際におけるカツラのベース端縁が直線的なラインにならないので、自然な外観を得ることができる。
特許文献2では、生え際の迷彩効果(自然な外観)を目的として、カツラのベース端縁をジグザグの波打ち形状に構成し、当該端縁に、縁取り用テープを貼着、あるいはリボンを編み付けている。
そこで、本発明の目的は、カツラのベースの前頭部端縁を波打ち形状とした場合であっても、そのような不都合が生じないカツラを提供することである。
本発明のカツラ(ウイッグ)は、使用者の頭部に装着されるベースに、(人工または天然の)毛髪を植え込んで構成される。上記ベースの前頭部端縁を波打ち形状とし、当該端縁を含む近傍領域を合成樹脂で硬化している。
本発明では、図2に示したように、前頭部端縁11を含む近傍領域15において、ベース10を合成樹脂で硬化している。本明細書において、この合成樹脂で硬化した領域を「近傍領域15」または「硬化領域15」と呼ぶ。
図において、ラインXは、本来の生え際に相当するラインを示し、ラインYは、波打ち形状の谷底に相当するラインを示している。
しかし、例えば図2、3に示すように、硬化領域15は、その少なくともその一部分において、波打ち形状の谷底ラインYを超えて、さらにベース内方の領域にまで(図中上方へ)延在していることが好ましい。
図2の例では、硬化領域15を、波打ち形状の谷底ラインYを5mm超えて、ベース内方の領域にまで(図中上方へ)延在させている。これは、次の理由による。すなわち、仮に硬化領域15がラインYよりも図中下方に存在すると、波打ち形状の山部分だけが折れ易くなって、頭皮から捲れ上がってしまうので、これを防止するためである。
なお、図2中に各部の寸法を示したが、これは単なる例示であって、必要に応じて適宜寸法設定を変更することができる。
折れ曲がりを確実に防止するという観点では、図2の方が優れ、使用する合成樹脂量を抑えてコスト低減を図るという観点では、図3の方が優れる。
図4は、カツラの側方断面図を模式的に示している。かつらのベース10に対する植毛は、当然にベース10の上面に行うが、前頭部端縁11の近傍において、ベース10の裏面にも植毛してもよい。本明細書では、これを「飾り植え」と呼ぶ。このような「飾り植え」を施すことで、生え際におけるベース端縁を隠す迷彩効果がさらに高まるとともに、ボリューム感を増すことが可能となる。
次に、本発明のカツラの製造工程の一例を、図5を参照して簡単に説明する。図5に示した頭部雄型30は、そのカツラを実際に着用する者の頭部の形状を採取した一種の模型であって、これは一般的に知られた方法で作成される。
(1)カツラ着用者の頭部雄型30を作成し、この雄型30に、前頭部端縁11に対応する波打ち形状のライン1を記入する。また、この波打ち形状のライン1から延在し、ベース10の全体形状(輪郭)を表すライン2も記入する。
(2)ライン記入済みの頭部雄型30に対して、メッシュ材料、あるいはフィルム状の薄膜樹脂材料から構成されるベース素材を被せて加熱処理し、雄型30の形状にフィットするベース10を構成する。そして、記入済みのライン1、2に沿ってカットし、最終的なベース10の形状とする。
(3)植毛を行う。
ベース10の上面、あるいは裏面(飾り植えの場合)に、所望の長さ、色、密度に応じた本数の毛髪を植え込む。
(4)硬化領域15を形成する。
ベース10の「近傍領域15」(図2、3参照)に、合成樹脂溶液を塗布した後、乾燥して硬化させ(40℃、3時間)、当該領域を「硬化領域15」とする。なお、合成樹脂溶液は、ベース10の裏面または上面のいずれから塗布してもよい。
使用する合成樹脂の種類は、特に限定されるものではなく、適宜の素材を使用することができる。熱可塑性または熱硬化性のいずれの樹脂を使用してもよいが、熱硬化性樹脂の方が、所望の硬さが得られ易く好ましい。
一例を挙げると、ウレタン樹脂(主剤)、イソシアネート(硬化剤)、MEK(希釈溶剤)を、1:2:7の割合で配合したものを、合成樹脂溶液として用いる。
ベース10としては、メッシュ材料、またはフィルム状の薄膜樹脂材料を使用することが可能であるが、メッシュ材料を使用する場合、当該メッシュ材料の網目(開口)を塞ぐことのないように、合成樹脂の量を調整して、塗布することが好ましい。そのようにすると、硬化領域15においても、メッシュ材料の開口による通気性が維持されるので装着感が良く、また、生え際を自然に見せる迷彩効果にも優れる。
なお、図6に示した例は、ある程度の自毛が残っている使用者に対して、自毛のボリューム不足をカバー、あるいは白髪隠しを目的として、補助的にカツラを使用する場合である。
11 前頭部端縁
15 硬化領域(近傍領域)
30 頭部雄型
Claims (4)
- 使用者の頭部に装着されるベース(10)に、毛髪を植え込んで構成されるカツラであって、
上記ベースの前頭部端縁(11)を波打ち形状とし、当該端縁(11)を含む近傍領域(15)を合成樹脂で硬化したことを特徴とする、カツラ。
- 上記近傍領域(15)は、少なくともその一部分が、上記波打ち形状の谷底(Y)を超えてさらにベース内方へ延在していることを特徴とする、請求項1記載のカツラ。
- 上記ベース(10)がメッシュ材料で構成されており、合成樹脂は、当該メッシュ材料の開口を塞ぐことのない量が上記近傍領域(15)に塗布され、硬化されていることを特徴とする、請求項1または2記載のカツラ。
- 上記ベース(10)の前頭部端縁(11)の近傍において、ベースの裏面にも毛髪が植え込まれていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載のカツラ。
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