JP2013044257A - 内燃機関のアイドリングストップの制御方法及びアイドリングストップシステム - Google Patents

内燃機関のアイドリングストップの制御方法及びアイドリングストップシステム Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンの自動停止時における再始動を、リングギアを局所的に摩耗させることなく、従来よりも速やかに行うことができる内燃機関のアイドリングストップの制御方法及びアイドリングストップシステムを提供する。
【解決手段】エンジン1が完全停止する前に再始動要求が発生したときには、エンジン1の水温又は油温の測定値を参照してエンジン1のクランク軸2の推定回転速度Neを算出し、スタータのピニオン5の推定回転速度Nsを算出し、あらかじめ指定されたクランク角度タイミングで、推定回転速度Nsが回転速度Neと同一の又は近似する値以下となる時刻Tsを複数求めるとともに、それらTsのうちで前回の再始動要求までに最も選択回数が少ない気筒10に対応する時刻Tsにおいて、ピニオン5がリンクギア4に噛合するようにピニオン5の回転駆動と押し出しとを開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のアイドリングストップの制御方法及びアイドリングストップシステムに関し、更に詳しくは、エンジンの自動停止時における再始動を、スタータの損傷及びリングギアの局所的な摩耗を防止しつつ、従来よりも速やかに行うことができる内燃機関のアイドリングストップの制御方法及びアイドリングストップシステムに関する。
近年、自動車のエンジンには、燃費の節減及び排気ガスによる環境悪化の防止の観点から、停車時においてエンジンを自動停止し、かつ発車時にエンジンを自動で再始動させる、いわゆるアイドリングストップ機構が搭載されるようになっている。具体的には、エンジンの停止要求が発せられたときにはエンジンへの燃料供給を停止し、エンジンの再始動要求が発せられたときは、燃料供給を再開してスタータでエンジンを再始動させることが自動的に行われるようになっている。
このエンジンの再始動に用いられるスタータは、モーターにより回転駆動されるピニオンを、エンジンのクランク軸に連結されたリングギアに向けて押し出して両者を噛合させることで、エンジンをクランキングするものである。そのため、従来のアイドリングストップ機構では、エンジンが完全停止する前に再始動要求が発せられた場合でも、スタータのピニオンとリングギアとがスムーズに噛合するように、エンジンが完全停止してからスタータを起動してエンジンをクランキングすることが行われていた。
しかし、そのようにエンジンの完全停止を待っていては、再始動要求の発生からエンジンの再始動までにタイムロスが発生するので、ドライバーに再始動が遅いという感覚(もたつき感)を抱かせることになってしまう。
そのため近年では、エンジンが完全停止する前に再始動要求が発せられた場合には、エンジンの完全停止を待たずにスタータを起動させて、エンジンをクランキングするようなシステムが登場してきているが、スタータのピニオンとリングギアとは互いに回転しているためスムーズに噛み合わないことがあり、そのようなケースでは異音が発生し、最悪の場合にはスタータが損傷してしまうおそれがある。
このような問題を解決するため、例えば、エンジンの回転速度の変化を予測し、その回転速度とピニオンの回転速度とが同期する時刻に合わせて、ピニオンをリングギアに向けて押し出すエンジン自動停止再始動装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
上記のエンジン自動停止再始動装置では、エンジンの回転速度の変化を予測する方法として、エンジンの運動エネルギーを仕事量とから演算により求める(特許文献2を参照)ことを例示しているが、エンジンの実際の仕様や状態を考慮していないため正確性に欠け、スタータの損傷を十分に防止することはできない。
そのような問題を解決するには、例えばエンジンの実際の状態に基づいてエンジンの回転変動を精度良く推定し、かつピニオンの押し出しと回転始まりとを適切に制御することにより、クランク軸の回転変動の指定部分(例えば、変動極小点や変動上昇面など)でリングギヤとピニオンとを噛合させることが考えられる。
しかしながら、上記のような制御方法では、常にリングギアの特定位置でピニオンが噛合することになるため、リングギアが局所的に摩耗するおそれがある。
特許4214401号公報 特開2004−245106号公報
本発明の目的は、エンジンの自動停止時における再始動を、スタータの損傷及びリングギアの局所的な摩耗を防止しつつ、従来よりも速やかに行うことができる内燃機関のアイドリングストップの制御方法及びアイドリングストップシステムを提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の内燃機関のアイドリングストップの制御方法は、エンジンの運転中に発生した停止要求により前記エンジンへの燃料供給を停止し、再始動要求によりスタータを起動させるアイドリングストップシステムを備えた内燃機関のアイドリングストップの制御方法であって、前記エンジンが完全停止する前に前記再始動要求が発生したときには、前記エンジンのクランク軸の将来の回転速度を前記エンジンの水温又は油温の測定値を参照して推定するとともに、前記スタータのピニオンの将来の回転速度を推定し、あらかじめ指定されたクランク角度タイミングで、前記クランク軸の推定回転速度Neが前記ピニオンの推定回転速度Nsと同一の又は近似する値以下となる時刻Tsを複数求めるとともに、その複数の時刻Ts毎に前記あらかじめ指定されたクランク角度タイミングとなる前記エンジンの気筒をそれぞれ判別し、その判別された気筒のうちで前回の再始動要求までに最も少ない回数で、前記あらかじめ指定されたクランク角度タイミングとなった気筒に対応する時刻Tsを選択し、その選択された時刻Tsにおいて、前記ピニオンが前記クランク軸に連結されたリンクギアに噛合するように前記ピニオンの回転駆動と押し出しとを開始することを特徴とすることを特徴とするものである。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関のアイドリングストップシステムは、複数の気筒を有するエンジンの運転中に発生した停止要求により前記エンジンへの燃料供給を停止し、再始動要求によりスタータを起動させて、前記エンジンのクランク軸に連結されたリングギアに噛合可能なピニオンを回転駆動する内燃機関のアイドリングストップシステムであって、前記エンジンの水温又は油温を測定する測定手段と、前記クランク軸の回転速度の変動及び前記気筒の状態を検出する回転センサと、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記エンジンが完全停止する前に前記再始動要求が発生したときには、前記回転センサが検出した前記クランク軸の回転変動に基づいて、前記エンジンのクランク軸の将来の回転速度を前記測定手段が測定した前記エンジンの水温又は油温を参照して推定するとともに、前記スタータのピニオンの将来の回転速度を推定し、あらかじめ指定されたクランク角度タイミングで、前記クランク軸の推定回転速度Neが前記ピニオンの推定回転速度Nsと同一の又は近似する値以下となる時刻Tsを複数求めるとともに、前記回転センサが検出した前記気筒の状態に基づいて、前記複数の時刻Ts毎に前記あらかじめ指定されたクランク角度タイミングとなる気筒をそれぞれ判別し、その判別された気筒のうちで前回の再始動要求までに最も少ない回数で、前記あらかじめ指定されたクランク角度タイミングとなった気筒に対応する時刻Tsを選択し、その選択された時刻Tsにおいて、前記ピニオンが前記クランク軸に連結されたリンクギアに噛合するように前記ピニオンの回転駆動と押し出しとを開始することを特徴とするものである。
本発明の内燃機関のアイドリングストップの制御方法及びアイドリングストップシステムによれば、再始動時にあらかじめ指定されたクランク角度でピニオンをリングギアに噛合させる場合において、その指定されたクランク角度になる気筒が、特定の気筒に偏らないようにしたことにより、ピニオンが常にリングギアの特定位置で噛合することがなくなるので、リングギアの局所的な摩耗を防止することができる。
また、エンジンの実際の状態を示す水温又は油温に基づいて、クランク軸の将来の推定回転速度Neを精度良く算出し、そのクランク軸の推定回転速度Neが、あらかじめ指定されたクランク角度となる回転変動の指定部分において、ピニオンの再始動要求後の一定時間における推定回転速度Nsと同一の又は近似する回転速度以下になるようなタイミングでピニオンを作動させて押し出してリングギアと噛合させるようにしたので、リングギアとピニオンがスムーズに噛合するようになるため、スタータが損傷することなく、従来よりも速やかに再始動をおこなうことができる。
本発明の実施の形態からなる内燃機関のアイドリングストップシステムの構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態からなる内燃機関のアイドリングストップの制御方法を説明するフロー図である。 図2の制御方法におけるエンジン及びピニオンの回転速度の経時変化を説明するグラフである。 エンジンの水温とフリクションの関係の一例を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の内燃機関のアイドリングストップシステムの構成を示す。
この内燃機関のアイドリングストップシステムは、エンジン1のクランク軸2の回りにフライホイール3を介して接続されたリングギア4と、そのリングギア4に噛合可能なピニオン5と、エンジン1の水温又は油温を測定する測定手段6と、制御手段7とを有している。
エンジン1は、クランク軸2に接続するピストン8が往復動するシリンダ9からなる複数(図1の例では4個)の気筒10を有しており、それらの気筒10にはそれぞれ識別番号(例えば、k1〜k4)が付されている。
ピニオン5は、モータ11により回転駆動され、その回転軸12は電磁ソレノイド式のアクチュエータ13によってリングギア4に向けて伸縮可能に構成されている。モータ11とピニオン5の回転軸12との間には、図示しない減速ギアが介設されており、リングギア4からピニオン5に高速回転が付加されたときにモータ11を保護するようになっている。これらのピニオン5、モータ11、アクチュエータ13等によりスタータが構成される。
エンジン1の水温又は油温を測定する測定手段6は、特に限定するものではないが、熱電対やサーミスタを利用したセンサが用いられる。エンジン1の水温及び油温としては、冷却水及びエンジンオイルの温度(例えば、一次遅れフィルタや移動平均フィルタ後の値)をそれぞれ用いるようにする。
制御手段7は、不揮発性のメモリからなる記憶部14を備えたCPU(中央演算処理装置)から構成され、モータ11、アクチュエータ13、測定手段6及びエンジン1のECU(エンジンコントロールユニット)15のそれぞれに信号線16a〜16dを通じて接続している。
ECU15は、燃料タンク17からエンジン1に燃料を供給する燃料供給管18に介設された電磁バルブ19に信号線16eを通じて接続しており、エンジン1の停止要求又は再始動要求の発生に応じて、主に電磁バルブ19を開弁又は閉弁することでアイドリングストップを行うようになっている。エンジン1の停止要求は、例えば、車速(車輪速センサにより検知)やバッテリー電圧などの項目のうちのいくつかが、所定の条件を満たしたときに発せられる。また、エンジンの再始動要求は、例えば、ギアの位置やクラッチペダルの状態などが、所定の条件を満たしたときに発せられる。
更に、フライホイール3又はリングギア4の側面に対向する位置には、信号線16fにより制御手段7に接続された回転センサ20が取り付けられている。回転センサ20としては、ホール素子や電磁ピックアップにより、フライホイール3表面に刻まれた凹凸やリングギア4の歯数を検出するものを例示することができる。回転センサ20により検出された回転パルスは、制御手段7においてクランク軸2の回転速度の変動及び各気筒10の状態(行程)に変換される。
上記の制御手段7、モータ11、アクチュエータ13、ECU15及び回転センサ20は、バッテリー21を電源として動作する。
なお、上記の構成では、制御手段7とECU15を別体としているが、ECU15に制御手段7の機能を合わせて持たせるようにしてもよい。
このような構成を有するアイドリングストップシステムにおいて、エンジン1が完全停止する前に再始動要求が発せられた場合におけるアイドリングストップの制御方法を、図2に示すフロー図、及び図3に示すグラフに基づいて以下に説明する。
なお、図3は、エンジンが完全停止する前に、ECU15から再始動要求が発せられた場合におけるエンジン1(クランク軸2)及びピニオン8の推定回転速度の経時変化を示すグラフである。
制御手段7は、エンジン1が完全停止する前に発せられた再始動要求をECU15を通じて受け取ると(S10)、信号線16cを通じてエンジン1の水温又は油温の測定値を入力する(S20)。なお、このときECU15は、信号線16eを通じて、電磁バルブ19を開弁して、エンジン1に燃料を供給している。
そして、あらかじめ記憶部14に格納されている、水温又は油温と、クランク軸2のイナーシャ及びフリクショントルクとの関係を示すデータテーブルと照合して、測定値に対応するイナーシャI及びフリクショントルクTfを決定する(S30)。図4に、水温とフリクショントルクとの関係を例示する。記憶部14には、このようなデータが、データテーブルの形式であらかじめ格納されている。
次に、下記に示す式(1)〜(7)を用いて、クランク軸2の角加速度αを算出する。
Figure 2013044257
但し、D:シリンダ内径、L:コンロッド長さ、R:クランク半径、mrec:往復部質量、P0:インマニ圧力、κ:比熱比、Vs:隙間容積、V0:下死点でのシリンダ容積、θ:クランク角度、ψ:コンロッド−シリンダ軸間角度、をそれぞれ示す。
この角加速度αを再始動要求の発生時から所定の期間で積分することで、クランク軸2の将来の(例えば、数サイクル先までの)推定回転速度Neを算出する(S40)。この推定回転速度Neの計算においては、積分開始の初期値として、回転センサ20により検出されたフライホイール3又はリングギア4の回転速度を利用する。
また、それと同時に、再始動要求後の一定時間におけるピニオン5の推定回転速度Nsも算出する(S40)。このピニオン5の推定回転速度Nsは、記憶部14に格納されている、あらかじめ実験的に得られたモータ11についての起動開始からの経過時間とバッテリー21電圧とのデータテーブルを参照することにより求められる。
そして、あらかじめ指定されたクランク角度(例えば、変動極小点や変動上昇面など)のタイミングで、クランク軸2の推定回転速度Neが、ピニオン5の推定回転速度Nsと同一又は近似する値(近似幅:Nth)以下(Ne≦Ns+Nth)になるまでの時間Ts、及びそのTsに基づくピニオン5の飛び出しタイミングTp及びモータ11の駆動タイミングTmを算出する(S50)。なお、図2、3では、変動極小点のタイミングで時刻Tsを求める例を示している。
例えば、図3に示すように、クランク角度の変動極小点、すなわち気筒10のピストン8が上死点になって圧縮圧力が最大となりエンジン回転数が極小となる点で、リングギア4にピニオン5を噛合させる場合には、上死点を0度とすると、指定された角度は0度となる。
このときの時刻Tsは、推定回転速度Neを微分して、その微分値が負から正に変位する時刻となる。この時刻Tsは、再始動要求後の一定時間において通常は複数点算出される。図3に示す例では、時刻Ts1及び時刻Ts2の2点が算出されている。
ピニオン5の飛び出しタイミングTpについては、図3に示すように、ピニオン5には作動指令を受けてからリングギア4に到達するまでの移動時間Trがあるので、時刻Ts1及び時刻Ts2からそれぞれ移動時間Trだけ戻すことで、Tp1及びTp2がそれぞれ求められる。この移動時間Trは、あらかじめ実験等により求めることができる。
また、モータ11の回転駆動のタイミングTmについては、ピニオン5の推定回転速度Nsと、クランク軸2の推定回転速度Neと、指定角度0度との関係から、ピニオン5が噛合するまでの時間Tm0が算出されるので、ピニオン5が静止状態から回転速度Nsに達するまでのタイムラグTdを考慮すると、Tm=Ts−Tm0−Td0から求めることができる。このタイムラグTdは、モータ11の特性とバッテリー21の電圧から、あらかじめ求めることができる。
上述したように、ピニオン5の推定回転速度Nsに近似する幅Nthを持たせているのは、このようなタイムラグTdやバラツキを考慮したものであり、ピニオン5の実際の機器の仕様、運転状態及びピニオン5とリングギア4との噛み合い作動のバラツキなどの条件を考慮すると、クランク軸2の推定回転速度Neからピニオン5の推定回転速度Nsを差し引いた値(Nth)は、例えば0rpm以上の値とするのがよい。
また、上記のタイムラグTdには、非常に微少な時間ではあるが、回路やリレーなどの遅れに起因するモータ11への通電から回転開始までのタイムラグを含ませるようにしてもよい。
なお、図3に示す例では、クランク角度の変動極小点でリングギア4にピニオン5を噛合させているが、これに限るものではなく、ピニオン5とリングギア4とを、どのような局面で噛合させる(当てる)かは、あらかじめ音や振動などから判定して決めておくようにする。また、どのタイミングで当たるかは、上述したようにクランク角度で指定する。
次に、時間Ts1及び時刻Ts2において、複数の気筒10のうちのいずれかが、あらかじめ指定されたクランク角度(図3の例では0度)になるのかを、回転センサ20により検出された回転パルスから決定し(S60)、その気筒10の識別番号をそれぞれ判別する。
例えば、図1、3の例では、識別番号k1の気筒10のタイミングはTp1、Tm1となり、識別番号k4の気筒10のタイミングはTp2、Tm2となる。
そして、それらの識別番号を制御手段7の記憶部14に格納されているデータベースと照合する。このデータベースには、気筒10の識別番号毎に、過去の再始動要求毎に選択された回数が記録されている。このデータベースとの照合により、過去の選択回数がより少ない方の識別番号に係る気筒10に対応するタイミングTp、Tmを選択する(S70)。
例えば、上記の例では、識別番号k1、k4のうちで識別番号k4の方の選択回数が少ない場合には、タイミングTp2、Tm2をタイミングTp、Tmとして用いることになる。
また、全ての識別番号に係る気筒10の選択回数が同じである場合には、ランダムに選択した識別番号に対応する気筒20を選択するか、あるいは例えば識別番号自体が小さい方の気筒10を選択する。例えば、上記の例では識別番号k1に係る気筒10を選択することになる。
なお、上記の例では時刻Tsが2点算出された場合を示しているが、3点以上が算出された場合には、3つの識別番号に係る気筒10のうちで選択回数が最も少ない識別番号kiに係る気筒10を選択し、その選択された気筒10に対応するタイミングTpi、TmiをタイミングTp、Tmとして用いる。
そして、再始動要求から時刻Tmが経過したときに(S90)、モータ11を起動させてピニオン5の回転駆動を開始し(S100)、再始動の要求から時刻Tpが経過したときに(S110)、アクチュエータ13を起動して、回転するピニオン5をリンクギア4に向けて押し出して(飛び出させて)(S120)噛合させ、クランク軸2にトルクを加えてエンジン1をクランキングする。
最後に、今回のアイドリングストップで選択された気筒10の識別番号の選択回数を1回分増加させて、記憶部14のデータベースに記録する(S130)。
このように、再始動時にあらかじめ指定されたクランク角度になる気筒10が、特定の気筒10に偏らないようにしたことにより、ピニオン5が常にリングギア4の特定位置で噛合することがなくなるので、リングギア4の局所的な摩耗を防止することができる。
また、エンジン1の実際の状態を示す水温又は油温に基づいて、クランク軸2の将来の推定回転速度Neを精度良く算出し、そのクランク軸2の推定回転速度Neが、あらかじめ指定されたクランク角度となる回転変動の指定部分において、ピニオン5の再始動要求後の一定時間における推定回転速度Nsと同一の又は近似する回転速度以下になるようなタイミングでピニオン5を作動させて押し出してリングギア4と噛合させる(当てる)ようにしたので、リングギア4とピニオン5がスムーズに噛み合うようになる。そのため、スタータが損傷することなく、従来よりも速やかに再始動をおこなうことができる。また、リングギア4とピニオン5が噛合する際の打音を低減することもできる。
更には、エンジン1の実際の仕様を考慮した所定の式(1)〜(7)を用いることで、クランク軸2の推定回転速度Neをより精度良く算出することができる。
なお、図1に示すエンジン1のように4気筒のエンジン1の場合には、上述した例のようにクランク軸2の変動極小点でピニオン5とリングギア4とを当てるようにすると、クランク角度が180度毎にリングギア4の4箇所のみにピニオン5が当たることになる。それ故、リングギア4の局所的な摩耗を更に防止するためには、クランク軸2の変動極小点の前後の箇所(例えば、上死点±10度など)で当たるように、クランク角度タイミングを調整することが望ましい。
本発明の制御装置及び制御方法の用途は、自動車用のエンジン1に限るものではなく、一般の内燃機関にも適用することができる。
1 エンジン
2 クランク軸
3 フライホイール
4 リングギア
5 ピニオン
6 測定手段
7 制御手段
8 ピストン
9 シリンダ
10 気筒
11 モータ
12 回転軸
13 アクチュエータ
14 記憶部
15 ECU
16a〜16f 信号線
17 燃料タンク
18 燃料供給管
19 電磁バルブ
20 回転センサ
21 バッテリ

Claims (8)

  1. エンジンの運転中に発生した停止要求により前記エンジンへの燃料供給を停止し、再始動要求によりスタータを起動させるアイドリングストップシステムを備えた内燃機関のアイドリングストップの制御方法であって、
    前記エンジンが完全停止する前に前記再始動要求が発生したときには、前記エンジンのクランク軸の将来の回転速度を前記エンジンの水温又は油温の測定値を参照して推定するともに、前記スタータのピニオンの将来の回転速度を推定し、
    あらかじめ指定されたクランク角度タイミングで、前記クランク軸の推定回転速度Neが前記ピニオンの推定回転速度Nsと同一の又は近似する値以下となる時刻Tsを複数求めるとともに、その複数の時刻Ts毎に前記あらかじめ指定されたクランク角度タイミングとなる前記エンジンの気筒をそれぞれ判別し、
    その判別された気筒のうちで前回の再始動要求までに最も少ない回数で、前記あらかじめ指定されたクランク角度タイミングとなった気筒に対応する時刻Tsを選択し、
    その選択された時刻Tsにおいて、前記ピニオンが前記クランク軸に連結されたリンクギアに噛合するように前記ピニオンの回転駆動と押し出しとを開始することを特徴とする内燃機関のアイドリングストップの制御方法。
  2. 前記エンジンの水温又は油温の測定値に対応するクランク軸のイナーシャI及びフリクショントルクTfを決定し、下記に示す式(1)〜(7)により求めた前記クランク軸の角加速度αを、前記再始動要求の発生時から所定の期間で積分することで、前記クランク軸の推定回転速度Neを算出する請求項1に記載の内燃機関のアイドリングストップの制御方法。
    Figure 2013044257
    但し、D:シリンダ内径、L:コンロッド長さ、R:クランク半径、mrec:往復部質量、P0:インマニ圧力、κ:比熱比、Vs:隙間容積、V0:下死点でのシリンダ容積、θ:クランク角度、ψ:コンロッド−シリンダ軸間角度、をそれぞれ示す。
  3. 前記クランク軸の推定回転速度Neから、前記ピニオンの推定回転速度Nsを差し引いた値が0rpm以上である請求項1又は2に記載の内燃機関のアイドリングストップの制御方法。
  4. 前記ピニオンの押し出しを、前記選択された時刻Tsから前記ピニオンが押し出されて前記リングギアに噛合するまでの所定の移動時間Trだけ戻った時刻から開始する請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のアイドリングストップの制御方法。
  5. 前記ピニオンの回転駆動を、前記時刻Tsから、
    前記クランク軸の推定回転速度Neと、前記ピニオンの推定回転速度Nsと、前記あらかじめ指定されたクランク角度との関係から求めた前記ピニオンが前記リングギアに噛合するまでの時間と、
    前記ピニオンが静止状態から前記推定回転速度Nsに達するまでのタイムラグと、を差し引いた時刻から開始する請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のアイドリングストップの制御方法。
  6. 複数の気筒を有するエンジンの運転中に発生した停止要求により前記エンジンへの燃料供給を停止し、再始動要求によりスタータを起動させて、前記エンジンのクランク軸に連結されたリングギアに噛合可能なピニオンを回転駆動する内燃機関のアイドリングストップシステムであって、
    前記エンジンの水温又は油温を測定する測定手段と、前記クランク軸の回転速度の変動及び前記気筒の状態を検出する回転センサと、制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記エンジンが完全停止する前に前記再始動要求が発生したときには、前記回転センサが検出した前記クランク軸の回転変動に基づいて、前記測定手段が測定した前記エンジンの水温又は油温を参照して前記エンジンのクランク軸の将来の回転速度を推定するとともに、前記スタータのピニオンの将来の回転速度を推定し、
    あらかじめ指定されたクランク角度タイミングで、前記クランク軸の推定回転速度Neが前記ピニオンの推定回転速度Nsと同一の又は近似する値以下となる時刻Tsを複数求めるとともに、前記回転センサが検出した前記気筒の状態に基づいて、前記複数の時刻Ts毎に前記あらかじめ指定されたクランク角度タイミングとなる気筒をそれぞれ判別し、
    その判別された気筒のうちで前回の再始動要求までに最も少ない回数で、前記あらかじめ指定されたクランク角度タイミングとなった気筒に対応する時刻Tsを選択し、
    その選択された時刻Tsにおいて、前記ピニオンが前記クランク軸に連結されたリンクギアに噛合するように前記ピニオンの回転駆動と押し出しとを開始することを特徴とする内燃機関のアイドリングストップシステム。
  7. 前記制御手段は、前記測定手段の測定値に対応する前記クランク軸のイナーシャI及びフリクショントルクTfを決定し、下記に示す式(1)〜(7)により求めた前記クランク軸の角加速度αを、前記再始動要求の発生時から所定の期間で積分することで、前記クランク軸の推定回転速度Neを算出する請求項6に記載の内燃機関のアイドリングストップシステム。
    Figure 2013044257
    但し、D:シリンダ内径、L:コンロッド長さ、R:クランク半径、mrec:往復部質量、P0:インマニ圧力、κ:比熱比、Vs:隙間容積、V0:下死点でのシリンダ容積、θ:クランク角度、ψ:コンロッド−シリンダ軸間角度、をそれぞれ示す。
  8. 請求項6又は7に記載の内燃機関のアイドリングストップシステムを備えた内燃機関。
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