JP2013043941A - サイドウォール補強層用ゴム組成物及びランフラットタイヤ - Google Patents

サイドウォール補強層用ゴム組成物及びランフラットタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】ランフラットタイヤの耐久性及び低燃費性を高次元で両立できるサイドウォール補強層用ゴム組成物、及びこれを用いたランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、カーボンブラックとを含み、ゴム成分100質量%中の該改質天然ゴムの含有量が5質量%以上であるサイドウォール補強層用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、サイドウォール補強層用ゴム組成物、及びそれを用いたランフラットタイヤに関する。
近年、タイヤのパンク時でも所定の距離が走行可能となるランフラットタイヤが開発されている。ランフラットタイヤは、タイヤのサイドウォールの内側に、高弾性率で分厚いサイドウォール補強層(インサート)を配置したもので、該補強層でパンク時のタイヤの剛性が維持されるため、所定の距離を走行できる。これにより、スペアタイヤを常備する必要性がなく、車両全体の重量を軽量化できるため、低燃費性の改善が可能となるが、走行速度や走行距離の面で改善の余地があり、耐久性の更なる向上が要求されている。
ランフラットタイヤの耐久性を向上させる手法として、サイドウォール補強層を厚くすることでタイヤの破壊を防ぐ方法が考えられるが、タイヤの重量が重くなることで、低燃費性の改善効果が得られない。また、補強用充填剤の増量で補強層の硬度を上げる方法も考えられるが、混練機の負荷が大きくなる、加硫ゴムの発熱が大きくなり、耐久性の改善効果が充分に得られない、低燃費性が悪化する、という問題がある。従って、ランフラットタイヤにおいて、低燃費性と耐久性を両立することは一般に困難である。
一方、サイドウォール補強層には、天然ゴムが広く使用されているが、他の合成ゴムに比べて加工性が悪く、通常しゃっ解剤を用いた素練りによりムーニー粘度を低下させてから使用される。そのため、生産性に劣り、加えて素練りによって天然ゴムの分子鎖が切断されることで天然ゴムが本来有する高分子量ポリマーの特性(低燃費性、破壊強度など)が失われるという問題もある。
例えば、特許文献1〜3には、ビード部のタイヤ内腔面側に金属粉又はダイヤモンド粉を含む熱伝導性ゴムが設けられたタイヤ、窒化ホウ素や炭化ケイ素等の熱伝導性材料を配合したトレッド用ゴム組成物、脱蛋白天然ゴムを配合したスチールベルトコード被覆用ゴム組成物が開示されている。しかしながら、ランフラットタイヤへの適用について詳細に検討されていない。
特開2007−182095号公報 特開2005−179617号公報 特開2009−24073号公報
本発明は、前記課題を解決し、ランフラットタイヤの耐久性及び低燃費性を高次元で両立できるサイドウォール補強層用ゴム組成物、及びこれを用いたランフラットタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、カーボンブラックとを含み、ゴム成分100質量%中の該改質天然ゴムの含有量が5質量%以上であるサイドウォール補強層用ゴム組成物に関する。
前記改質天然ゴムは、窒素含有量が0.3質量%以下、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下であることが好ましい。
前記改質天然ゴムとしては、天然ゴムラテックスをケン化処理して得られたものが好ましい。
前記改質天然ゴムとしては、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを調製する工程(A)、前記ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムをアルカリ処理する工程(B)、及びゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(C)を行って得られたものが好ましい。
本発明はまた、前述のゴム組成物を用いて作製したサイドウォール補強層用ゴム組成物を有するランフラットタイヤに関する。
本発明によれば、所定量のリン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、カーボンブラックとを含むサイドウォール補強層用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物を用いることで、耐久性及び低燃費性を高次元で両立したランフラットタイヤを提供できる。
本発明のサイドウォール補強層(インスピレーション)用ゴム組成物は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴム(HPNR)と、カーボンブラックとを含む。天然ゴム(NR)中に含まれるリン脂質を低減、除去したHPNR(好ましくはタンパク質やゲル分も除去したHPNR)は、発熱しにくい性質があるため、NRの使用に比べて、更なる低燃費化を図ることができる。
また、HPNRはムーニー粘度が低く加工性に優れ、特段素練り工程を行わなくても充分に混練りできるため、素練りによるゴム物性の低下を防止できる。そのため、天然ゴムが本来有するゴム物性を維持できるので、良好な低燃費性、破壊特性などの性能も得られる。更に、HPNRはTSRなどが含むゴミ成分(小石、木屑など)を含まず、該成分の除去工程も必要ないため、生産性に優れ、ゴミ成分に起因するゴム破壊の心配もない。従って、本発明では、優れた加工性(生産性)を得つつ、低燃費性能と耐久性を高次元で両立したランフラットタイヤを提供できる。
上記改質天然ゴムは、リン含有量が200ppm以下である。200ppmを超えると、tanδが上昇する傾向があり、低燃費性及び耐久性をバランス良く改善できないおそれがある。また、リンが天然ゴム中でネットワークを形成し、ゲル量の増加やムーニー粘度の上昇につながる懸念もある。該リン含有量は、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。ここで、リン含有量は、例えばICP発光分析など、従来の方法で測定することができる。リンは、リン脂質(リン化合物)に由来するものである。
改質天然ゴムにおいて、窒素含有量は0.3質量%以下が好ましく、0.15質量%以下がより好ましい。窒素含有量が0.3質量%を超えると、低燃費性及び耐久性をバランス良く改善できないおそれがある。また、タンパク質が天然ゴム中でネットワークを形成し、ゲル量の増加やムーニー粘度の上昇につながる懸念もある。窒素含有量は、例えばケルダール法など、従来の方法で測定することができる。窒素は、蛋白質に由来するものである。
改質天然ゴム中のゲル含有率は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。20質量%を超えると、フィラーの分散性が悪化したり、ムーニー粘度が上昇して加工性が悪化する傾向がある。ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」又は「ゲル分」と称することがある。ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×10rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
改質天然ゴムは、例えば、特開2010−138359号公報に記載の製法などで調製できるが、なかでも、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを調製する工程(A)、該ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムをアルカリ処理する工程(B)、及びゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(C)を含む製造方法で調製されるものを好適に使用できる。該製法により、リン量を充分減量できる。また、酸で凝集させた後、残存する酸をアルカリ処理により中和することで、酸によるゴムの劣化を防止するだけでなく、ゴム中の窒素量を一層低減できる。そして、得られた改質天然ゴムを使用することで、低燃費性及び耐久性の性能バランスを顕著に改善できる。
上記製造方法において、ケン化処理は、天然ゴムラテックスに、アルカリと、必要に応じて界面活性剤を添加して所定温度で一定時間、静置することにより行うことができる。なお、必要に応じて撹拌などを行っても良い。上記製造方法によれば、ケン化により分離したリン化合物が洗浄除去されるので、天然ゴムのリン含有量を抑えることができる。また、ケン化処理により、天然ゴム中の蛋白質が分解されるので、天然ゴムの窒素含有量を抑えることができる。
天然ゴムラテックスとしては、生ラテックス、精製ラテックス、ハイアンモニアラテックスなどの従来公知のものを使用できる。ケン化処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アミン化合物などが挙げられ、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。界面活性剤としては、公知の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が使用可能であり、なかでも、陰イオン性界面活性剤が好ましく、スルホン酸系の陰イオン性界面活性剤がより好ましい。
ケン化処理において、アルカリの添加量は適宜設定すればよいが、天然ゴムラテックス(wet状態)100質量部に対して、下限は0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、上限は10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。また、界面活性剤の添加量は、天然ゴムラテックス(wet状態)100質量部に対して、下限は0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、上限は6.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、3.5質量部以下が更に好ましい。なお、ケン化処理の温度及び時間も適宜設定すればよく、通常は20〜70℃で1〜72時間程度、好ましくは30〜70℃で1〜48時間程度である。
ケン化反応終了後、反応により得られたケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムを、必要に応じて破砕し、次いで、得られた凝集ゴムや破砕ゴムとアルカリを接触させてアルカリ処理を行う。アルカリ処理により、ゴム中の窒素含有量などを効率的に低減でき、本発明の効果が一層発揮される。凝集方法としては、例えば、ギ酸などの酸を添加する公知の方法が挙げられる。アルカリ処理方法としては、ゴムとアルカリを接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムや破砕ゴムをアルカリに浸漬する方法などが挙げられる。アルカリ処理に使用できるアルカリとしては、例えば、上記ケン化処理におけるアルカリの他に、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水などが挙げられる。なかでも、本発明の効果に優れるという点から、炭酸ナトリウムが好ましい。
上記浸漬にてアルカリ処理する場合、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%の濃度のアルカリ水溶液にゴム(破砕ゴム)を浸漬することにより、処理できる。これにより、ゴム中の窒素含有量などを一層低減できる。
上記浸漬によりアルカリ処理する場合、アルカリ処理の温度は、適宜設定できるが、通常は20〜70℃が好ましい。また、アルカリ処理の時間は、処理温度にもよるが、十分な処理と生産性を併せ考慮すると1〜20時間が好ましく、2〜12時間がより好ましい。
アルカリ処理後、洗浄処理を行うことにより、リン含有量を低減できる。洗浄処理としては、例えば、ゴム分を水で希釈して洗浄後、遠心分離処理する方法、静置してゴムを浮かせ、水相のみを排出して、ゴム分を取り出す方法が挙げられる。遠心分離する際は、まず天然ゴムラテックスのゴム分が5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるように水で希釈する。次いで、5000〜10000rpmで1〜60分間遠心分離すればよく、所望のリン含有量になるまで洗浄を繰り返せばよい。また、静置してゴムを浮かせる場合も水の添加、撹拌を繰り返して、所望のリン含有量になるまで洗浄すればよい。洗浄処理終了後、乾燥することにより、本発明における改質天然ゴムが得られる。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、5質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%でもよい。5質量%未満であると、優れた低燃費性が得られず、またゴム強度(剛性)が低下し、ランフラットタイヤの耐久性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は改質天然ゴム以外のゴム成分を含んでもよい。他のゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムが挙げられる。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有する。HPNRにカーボンブラックを配合することにより、低燃費性を得つつ、補強性を高めることができるため、ランフラットタイヤの低燃費性と耐久性を両立できる。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、低燃費性及び耐久性を両立できる点から、下限は50m/g以上が好ましく、70m/g以上がより好ましく、また、上限は200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、120m/g以下が更に好ましい。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、低燃費性及び耐久性を両立できる点から、下限は80ml/100g以上が好ましく、95ml/100g以上がより好ましく、また、200ml/100g以下が好ましく、140ml/100g以下がより好ましく、120ml/100g以下が更に好ましい。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックの含有量は、充分なゴム強度(剛性)が得られる点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは35質量部以上である。また、該カーボンブラックの含有量は、加工性に優れ、所望のゴム物性が得られる点から、好ましくは120質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは75質量部以下である。
本発明のゴム組成物は、フェノール系樹脂を含むことが好ましい。これにより、剛性が高まり、ランフラットタイヤの耐久性が改善される。
フェノール系樹脂としては特に限定されず、公知の樹脂を使用できるが、なかでも、非反応性アルキルフェノール樹脂を好適に使用できる。ここで、非反応性アルキルフェノール樹脂とは、鎖中のベンゼン環の水酸基のオルソ位及びパラ位(特にパラ位)において反応点を有さないアルキルフェノール樹脂をいう。ここで、非反応性アルキルフェノール樹脂としては、下記式(I)又は(II)で示されるものを好適に使用できる。
Figure 2013043941
式(I)中、mは整数である。適度なブルーム性という点で、mは1〜10が好ましく、2〜9がより好ましい。Rは、同一又は異なって、アルキル基を表し、ゴムとの親和性という点で、その炭素数は4〜15が好ましく、6〜10がより好ましい。
Figure 2013043941
式(II)中、nは整数である。適度なブルーム性という点で、nは1〜10が好ましく、2〜9がより好ましい。
フェノール系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満であると、充分な硬度が得られず、耐久性が低下するおそれがある。該含有量は好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。10質量部を超えると、低燃費性や耐久性が悪化する傾向がある。
また、上記式(I)、及び(II)で示される化合物の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上である。0.5質量部未満であると、充分な硬度が得られず、耐久性が低下するおそれがある。該合計含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。10質量部を超えると、低燃費性や耐久性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、オイルを含むことが好ましい。オイルとしては、アロマ系、ナフテン系、ミネラル系プロセスオイルなどのプロセスオイル;大豆油、パーム油、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの植物系オイルなどが挙げられる。なかでも、プロセスオイルを使用することが好ましい。
プロセスオイルの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。一方、該配合量は、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内の配合量に調整した場合、低燃費性、耐久性を良好に両立できる。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進補助剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで上記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。ここで、天然ゴムを含むゴム組成物を製造する場合、ゴム成分、充填剤などの各成分の混練り工程前に、通常、天然ゴムの素練り工程が行われる。本発明では、加工性に優れた改質天然ゴムが使用されているため、該素練り工程を行わなくても良好に混練り工程を実施でき、所望のゴム組成物を作製できる。
本発明のゴム組成物は、サイド補強型ランフラットタイヤのサイドウォールの補強層に使用される。当該補強層とは、ランフラットタイヤのサイドウォールの内側に配置されたライニングストリップ層のことをいう。補強ゴム層の配置形態としては、例えば、カーカスプライの内側に接してビードからショルダーにわたって配置され、両端方向に厚さを漸減する三日月状の補強ゴム層や、カーカスプライ本体部分とその折返し部の間にビードからトレッド端にわたって配置される補強ゴム層、複数のカーカスプライ又は補強プライの間に配置される2層の補強ゴム層等が挙げられる。当該補強層の具体例は、特開2007−326559号公報の図1、特開2004−330822号公報の図1に示されている。
本発明のランフラットタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、必要に応じて上記配合剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でランフラットタイヤのサイドウォール補強層(インスレーション)の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、ランフラットタイヤを得ることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックス
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
(製造例1:ケン化天然ゴムAの調製)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000g(wet状態)に対し、10%Emal−E27C水溶液25gと40%NaOH水溶液50gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加しpHを4.0に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、それを1%炭酸ナトリウム水溶液に室温で5時間浸漬した後に引き上げ、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後90℃で4時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴムA)を得た。
(製造例2:ケン化天然ゴムBの調製)
40%NaOH水溶液の添加量を25gに変更した以外は製造例1と同様に、固形ゴム(ケン化天然ゴムB)を得た。
上記製造例1〜2により得られたケン化天然ゴムA、B、後述するゴム組成物の評価で使用したTSRについて、以下に示す方法により、窒素含有量、リン含有量及びゲル含有率を測定した。結果を表1に示す。
(窒素含有量の測定)
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、天然ゴム約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所(株)製)を使用してリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDClに溶解して測定した。
(ゲル含有率の測定)
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
Figure 2013043941
表1に示すように、ケン化天然ゴムA、Bは、TSRに比べて、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率が低減していた。また、31P−NMR測定において、ケン化天然ゴムA、Bは、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在しなかった。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
ケン化天然ゴムA:上記製造例1より得られた固形ゴム
ケン化天然ゴムB:上記製造例2より得られた固形ゴム
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のBR150B
カーボンブラック1:三菱化学(株)製のダイアブラックI(NSA:114m/g、DBP吸油量:114ml/100g)
カーボンブラック2:三菱化学(株)製のダイアブラックHAN(NSA:80m/g、DBP吸油量:103ml/100g)
シリカ:ローディア社製のZ115Gr
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
プロセスオイル:H&R社製のVivatec400
アルキルフェノール樹脂:(株)日本触媒製のSP1068(上記式(I)で表される非反応性アルキルフェノール樹脂:m=1〜10の整数、R=オクチル基)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C
ステアリン酸:日油(株)製の「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
不溶性硫黄:四国化成社製のミュークロンOT(硫黄80質量%及びオイル分20質量%含む不溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS−G
(実施例及び比較例)
表2に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレスし、加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を得た。これを新品ゴムとして、以下の試験を行った。
<転がり抵抗>
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各加硫ゴム組成物のtanδを測定した。数値が小さいほど低発熱で、低燃費性に優れることを示し、結果を◎、○、△、×の4段階で評価した。
<ランフラット耐久性>
試験用ランフラットタイヤを、空気内圧0kPaにてドラム上を80km/hで走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。走行距離が長いほど、ランフラット耐久性に優れることを示し、結果を◎、○、△、×の4段階で評価した。
Figure 2013043941
カーボンブラック配合系でTSRを用いた比較例に比べて、HPNRを用いた実施例では、低燃費性とランフラット耐久性がバランス良く改善され、これらの性能を充分に両立できた。

Claims (5)

  1. リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、カーボンブラックとを含み、
    ゴム成分100質量%中の該改質天然ゴムの含有量が5質量%以上であるサイドウォール補強層用ゴム組成物。
  2. 前記改質天然ゴムは、窒素含有量が0.3質量%以下、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1記載のサイドウォール補強層用ゴム組成物。
  3. 前記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理して得られたものである請求項1又は2記載のサイドウォール補強層用ゴム組成物。
  4. 前記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理し、ケン化天然ゴムラテックスを調製する工程(A)、前記ケン化天然ゴムラテックスを凝集させて得られた凝集ゴムをアルカリ処理する工程(B)、及びゴム中に含まれるリン含有量が200ppm以下になるまで洗浄する工程(C)を行って得られたものである請求項1〜3のいずれかに記載のサイドウォール補強層用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したサイドウォール補強層用ゴム組成物を有するランフラットタイヤ。
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