JP2013041667A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の加熱コイルを駆動する際に生じる干渉音を、使用者に認識され難くすることができる誘導加熱調理器を得る。
【解決手段】2つ以上のインバータを駆動させた場合、当該2つ以上のインバータの駆動周波数の差分周波数が、冷却風の流動音およびファン29の作動音の少なくとも一方の周波数領域に含まれるように、当該2つ以上のインバータを駆動制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器に関する。
従来の誘導加熱調理器においては、例えば、「磁気誘導によって被加熱物に誘導される電流により加熱を行う電磁調理部を複数有する電磁調理器であって、前記複数の電磁調理部の近傍に設けられ、前記複数の電磁調理部に印加される高周波電流の周波数の差によって生じる干渉音の周波数を含む周波数帯域を有する冷却ファンと、前記干渉音を聞こえなくするように前記冷却ファンの音の大きさを前記干渉音の大きさより大きく設定する設定手段とを有する」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平3−088293号公報(請求項1)
特許文献1の技術では、冷却ファンの騒音により干渉音が使用者に聞こえなくなるとされている。しかしながら、誘導加熱においては、加熱する被加熱物の材質の種類や、インバータ回路の構成の違いなどにより、各加熱口の加熱コイルの駆動周波数の差分が、冷却ファンの騒音の周波数領域に含まれない場合があり、駆動周波数の差分により生じる干渉音を冷却ファンの騒音により聞こえなくすることができない、という問題点があった。
また、干渉音の周波数を冷却ファン等の騒音の周波数領域に含めるようにすると、加熱コイルの駆動周波数の可変範囲が制限され、所望の出力電力を得ることができない、という問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、複数の加熱コイルを駆動する際に生じる干渉音を、使用者に認識され難くすることができる誘導加熱調理器を得るものである。
また、干渉音を使用者に認識され難くするため、加熱コイルの駆動周波数の可変範囲に制限を設ける場合であっても、所望の電力を加熱コイルに投入することができる誘導加熱調理器を得るものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、本体上面に設けられ、被加熱物が載置されるトッププレートと、前記トッププレートに形成され、前記被加熱物の載置位置を示す複数の加熱口と、前記各加熱口ごとに設けられ、1つまたは複数の加熱コイルから構成される加熱コイル群と、前記各加熱コイル群に高周波電力を供給する複数のインバータと、前記加熱コイル群に投入される電力を検出する電力検出手段と、前記加熱コイル群に投入される電力が設定電力になるように、前記各インバータをそれぞれ制御する制御手段と、前記本体内に冷却風を供給するファンとを備え、前記制御手段は、2つ以上の前記インバータを駆動させた場合、当該2つ以上のインバータの駆動周波数の差分周波数が、前記冷却風の流動音および前記ファンの作動音の少なくとも一方の周波数領域に含まれるように、当該2つ以上のインバータを駆動制御するものである。
本発明は、複数の加熱コイルを駆動する際に生じる干渉音を、使用者に認識され難くすることができる。
また、干渉音を使用者に認識され難くするため、加熱コイルの駆動周波数の可変範囲に制限を設ける場合であっても、所望の電力を加熱コイルに投入することができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器の上面図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成を示す図である。 実施の形態1に係るフルブリッジ回路の駆動信号の一例を示す図である。 実施の形態1に係るハーフブリッジ回路の駆動信号の一例を示す図である。 実施の形態1に係る加熱出力制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る同一種出力制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る相違種出力制御処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る加熱コイルの配置例を示す図である。 SiCデバイスの耐電圧とオン抵抗との関係を説明する図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器の概要構成の一例を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る誘導加熱調理器の上面図である。
図1において、本実施の形態の誘導加熱調理器は、本体100の上面に、鍋などの被加熱物が載置されるトッププレート101が設けられている。
トッププレート101は、耐熱性を有し、鍋などの被加熱物が載置される。また、トッププレート101には、鍋などの被加熱物の載置位置を示すための加熱口を3つ備えている。本実施の形態では、例えば図1に示すように、手前右側に設けた右加熱口102と、手前左側に設けた左加熱口103と、奥側中央に設けた中央加熱口104を有している。
トッププレート101の下方には、各加熱口に対応する位置に1つまたは複数の加熱コイルから構成される加熱コイル群が設置されている。これら各加熱コイル群には、それぞれ高周波電流が供給されることにより高周波磁界を発生し、対応する加熱口の上部に載置された被加熱物を誘導加熱する。
右加熱口102の下方に配置された加熱コイル群は、それぞれ直径が異なり、同心円状に配置された、内コイル40と外コイル44とにより構成されている。
左加熱口103の下方に配置された加熱コイル群は、1つの加熱コイル80により構成されている。
中央加熱口104の下方に配置された加熱コイル群は、1つの加熱コイル107により構成されている。
なお、本実施の形態1では、右加熱口102に対応して複数の加熱コイルを配置した場合を説明するが本発明はこれに限るものではない。例えば中央加熱口104、左加熱口103の何れかまたは全てについて複数の加熱コイルを配置するようにしても良い。
また、本実施の形態1では、1つの加熱口に対応して2つの加熱コイルを同心円状に配置した場合を説明するが、本発明はこれに限るものではない。例えばそれぞれ径の異なる3つ以上の加熱コイルを同心円状に配置するようにしても良い。
なお、本実施の形態では加熱口が3つの場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、2つ以上の任意の数の加熱口を設けるようにしても良い。
また、複数の加熱口のうち任意の加熱口について、輻射によって加熱する輻射型熱源を用いる電気ヒーター(例えばニクロム線やハロゲンヒーター、ラジェントヒーター等)を用いるようにしても良い。
本体100の後方には、本体100の内部に配置された駆動回路などの回路基板や、各加熱コイルの冷却のために冷却風を取り込むための吸気口105と、冷却後の冷却風を排出する排気口106とが設けられている。本体100の内部には、本体内に冷却風を供給するためのファン29が配設されている。
また、トッププレート101の手前側には、ユーザによるスイッチの操作により火力の調整および加熱口の選択等が行われる操作部27と、例えば液晶パネル等の表示デバイスにより構成され、加熱状態等を表示する表示部28とが設けられている。なお、この操作部27、表示部28は、各加熱口ごとに設けられる場合や、各加熱口分を一括して操作部と表示部を設ける場合など、特に限定するものではない。
図2は実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成を示す図である。
図2において、商用交流電源から整流回路を通して供給される電源を、直流電源1、直流電源70として表記する。
直流電源1の後段はリアクトル2と平滑コンデンサ16とから構成されている。そして、インバータ回路14へ入力される入力電流は入力電流検出回路11によって検出される。また、インバータ回路14へ入力される入力電圧は入力電圧検出回路50によって検出される。直流電源1によって直流電力に変換された電力はインバータ回路14に供給される。インバータ回路14は、フルブリッジ回路により構成され、内コイル40、外コイル44に通電する。詳細は後述する。
直流電源70の後段はリアクトル71と平滑コンデンサ76とから構成されている。そして、インバータ回路82へ入力される入力電流は入力電流検出回路74によって検出される。また、インバータ回路82へ入力される入力電圧は入力電圧検出回路73によって検出される。直流電源70によって直流電力に変換された電力はインバータ回路82に供給される。インバータ回路82はハーフブリッジ回路により構成され、加熱コイル80に通電する。詳細は後述する。
(フルブリッジ回路)
まず、フルブリッジ回路を用いたインバータ回路14について説明を行う。
このインバータ回路14は、正負母線間に直列に接続された2個のスイッチング素子(IGBT)と、そのスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続されたダイオードとによって構成されるアームを3組備えている。なお、これ以降、3組のアームのうち1組を共通アーム60、他の2組を内コイル用アーム61および外コイル用アーム62と呼ぶ。また、各アーム60〜62の正母線側のスイッチング素子を上スイッチ31、33、35、負母線側のスイッチング素子を下スイッチ32、34、36と呼ぶ。
共通アーム60は、後述する内コイル40および外コイル44に接続されたアームで、上スイッチ31および下スイッチ32で構成され、上スイッチ31および下スイッチ32の接続点が共通アーム60の出力点となっている。内コイル用アーム61は、内コイル40が接続されたアームで、上スイッチ33および下スイッチ34から構成されている。また、外コイル用アーム62は、外コイル44が接続されたアームで、上スイッチ35および下スイッチ36とで構成されている。
共通アーム60の上スイッチ31と下スイッチ32、内コイル用アーム61の上スイッチ33と下スイッチ34、外コイル用アーム62の上スイッチ35と下スイッチ36は制御回路26から出力される駆動信号によりオンオフ駆動される。
制御回路26は、共通アーム60の上スイッチ31をオンさせている間は下スイッチ32をオフ状態にし、上スイッチ31をオフさせている間は下スイッチ32をオン状態にし、交互にオンオフする駆動信号を出力する。
同様に、制御回路26は、内コイル用アーム61の上スイッチ33と下スイッチ34、外コイル用アーム62の上スイッチ35と下スイッチ36を交互にオンオフする駆動信号を出力する。
これにより、共通アーム60と内コイル用アーム61とにより、内コイル40を駆動するフルブリッジインバータを構成する。また、共通アーム60と外コイル用アーム62とにより、外コイル44を駆動するフルブリッジインバータを構成する。
なお、制御回路26は本発明における「制御手段」に相当する。
また、共通アーム60と内コイル用アーム61とにより本発明における「フルブリッジインバータ回路」を構成する。また、共通アーム60と外コイル用アーム62とにより本発明における「フルブリッジインバータ回路」を構成する。
内コイル40および共振コンデンサ43により構成される負荷回路は、共通アーム60の出力点(上スイッチ31と下スイッチ32の接続点)と、内コイル用アーム61の出力点(上スイッチ33と下スイッチ34の接続点)との間に接続される。また、外コイル44および共振コンデンサ41により構成される負荷回路は、共通アーム60の出力点と、外コイル用アーム62の出力点(上スイッチ35と下スイッチ36の接続点)との間に接続されている。
内コイル40は、略円形に巻回された外形の小なる加熱用のコイルであり、その外周に外コイル44が配置されている。
なお、内コイル40と外コイル44は、大径鍋が載置された状態で、そのインピーダンス値に差が生じないように調整されているものとする。また、内コイル40と外コイル44は、共通アーム60から見て、同一周回方向に巻回されて接続されている。
内コイル40および外コイル44に流れる電流は、出力電流検出回路45および出力電流検出回路46により検出する。
また、内コイル40および共振コンデンサ43により構成される負荷回路に印加される電圧は出力電圧検出回路51により検出する。外コイル44および共振コンデンサ41により構成される負荷回路に印加される電圧は出力電圧検出回路52により検出する。
制御回路26は、誘導加熱調理器全体を制御するもので、内部にタイマカウンタ26aおよび負荷判別手段26bを有し、操作部27からの入力指示により、表示部28に動作状態を表示するとともに、入力電流検出回路11等の検出値に応じて加熱出力を調整する。また、加熱動作に応じてファン29の回転数(風量)を調整する。各アーム60〜62に出力される駆動信号は、それぞれ同一の周波数である。例えば、内コイル40および外コイル44の共振周波数近傍の駆動周波数とする。なお、駆動信号は共振周波数よりも高い駆動周波数として、負荷回路に流れる電流が負荷回路に印加される電圧と比較して遅れ位相で流れるようにするのが望ましい。
(フルブリッジ回路の電力制御動作)
次に、インバータ回路14のアーム相互間の位相差による投入電力(加熱出力)の制御動作について説明する。
図3は実施の形態1に係るフルブリッジ回路の駆動信号の一例を示す図である。
図3においては、内コイル40および外コイル44に高周波電力を出力する場合の駆動信号の一例を示している。
図3に示すように、制御回路26は、共通アーム60の上スイッチ31および下スイッチ32に、負荷回路の共振周波数近傍の駆動信号を出力する。
また、制御回路26は、共通アーム60の駆動信号より位相の進んだ駆動信号を、内コイル用アーム61の上スイッチ33と下スイッチ34、外コイル用アーム62の上スイッチ35と下スイッチ36に出力する。なお、各アーム60〜62の駆動信号の周波数は同一周波数である。
各アーム60〜62の出力点(上スイッチと下スイッチの接続点)には、上スイッチと下スイッチのオンオフ状態に応じて、直流電源回路の出力である正母線電位、あるいは負母線電位が高周波で切り替わって出力される。これにより、内コイル40には、共通アーム60の出力点と、内コイル用アーム61の出力点との電位差が印加される。また、外コイル44には、共通アーム60の出力点と、外コイル用アーム62の出力点との電位差が印加される。
したがって、共通アーム60への駆動信号と、内コイル用アーム61および外コイル用アーム62への駆動信号との位相差を増減することにより、内コイル40および外コイル44に印加する高周波電圧を調整することができ、内コイル40と外コイル44に流れる高周波出力電流と入力電流を制御することができる。
つまり、高出力状態の場合には、アーム間位相差を大きくして、1周期における電圧印加時間幅を大きくする。また、中出力状態の場合には、高出力状態と比較してアーム間位相差を小さくして、1周期における電圧印加時間幅を減少させる。そして、低出力状態の場合には、さらにアーム間位相差を小さくして、1周期における電圧印加時間幅をさらに減少させる。
なお、アーム間位相差の上限は、逆相(位相差180°)の場合であり、このときの出力電圧波形はほぼ矩形波となる。また、アーム間位相差の下限は、例えば、ターンオン時に負荷回路に流れる電流の位相等との関係でスイッチング素子に過大電流が流れて破壊してしまわないレベルに設定する。
(ハーフブリッジ回路)
次に、ハーフブリッジ回路を用いたインバータ回路82について説明を行う。
このインバータ回路82は、正負母線間に直列に接続された2個のスイッチング素子(IGBT)と、そのスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続されたダイオードとによって構成されるアームを1組備えている。なお、アームの正母線側のスイッチング素子を上スイッチ75、負母線側のスイッチング素子を下スイッチ77と呼ぶ。
上スイッチ75と下スイッチ77は、制御回路26から出力される駆動信号によりオンオフ駆動される。
制御回路26は、上スイッチ75をオンさせている間は下スイッチ77をオフ状態にし、上スイッチ75をオフさせている間は下スイッチ77をオン状態にし、交互にオンオフする駆動信号を出力する。
これにより、上スイッチ75と下スイッチ77とにより、加熱コイル80を駆動するハーフブリッジインバータを構成する。
なお、上スイッチ75と下スイッチ77とにより本発明における「ハーフブリッジインバータ回路」を構成する。
加熱コイル80に流れる電流は、出力電流検出回路79により検出する。また、加熱コイル80および共振コンデンサ81により構成される負荷回路に印加される電圧は出力電圧検出回路78により検出する。
制御回路26は、操作部27からの入力指示により、表示部28に動作状態を表示するとともに、入力電流検出回路74や出力電流検出回路79の検出値に応じて上スイッチ75および下スイッチ77に高周波の駆動信号を入力し、加熱出力を調整する。上スイッチ75および下スイッチ77に出力される駆動信号は、加熱コイル80の共振周波数よりも高い駆動周波数の範囲で可変して、負荷回路に流れる電流が負荷回路に印加される電圧と比較して遅れ位相で流れるように制御する。
(ハーフブリッジ回路の電力制御動作)
次に、インバータ回路82の駆動周波数とオンデューティー比とによる投入電力(加熱出力)の制御動作について説明する。
制御回路26は、インバータ回路82の上スイッチ75および下スイッチ77に、負荷回路の共振周波数よりも高い高周波の駆動信号を出力する。
この駆動信号の周波数を低くしたり高くしたりすることにより、インバータ回路82の出力が増減する。つまり、駆動周波数を低下させると、加熱コイル80に供給される高周波電流の周波数が、負荷回路の共振周波数に近づき、加熱コイル80への投入電力が増加する。一方、駆動周波数を上昇させると、加熱コイル80に供給される高周波電流の周波数が、負荷回路の共振周波数から離れ、加熱コイル80への投入電力が減少する。
さらに、制御回路26は、上述した駆動周波数の可変による投入電力の制御とともに、インバータ回路82の上スイッチ75および下スイッチ77のオンデューティー比を可変することで、加熱コイル80への投入電力を制御する。図4により一例を説明する。
図4は実施の形態1に係るハーフブリッジ回路の駆動信号の一例を示す図である。
(a)は高出力状態における各スイッチの駆動信号と出力電圧波形の例である。
(b)は中出力状態における各スイッチの駆動信号と出力電圧波形の例である。
(c)は低出力状態における各スイッチの駆動信号と出力電圧波形の例である。
(a)〜(c)に示すように、制御回路26は、上スイッチ75および下スイッチ77の通電比率を制御することによって、インバータ回路82の出力電圧の印加時間が制御され、加熱コイル80に流れる出力電流の大きさを制御する。
(a)に示すように、高出力状態の場合には、上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を大きくして、1周期における電圧印加時間幅を大きくする。また、(b)に示すように、中出力状態の場合には、高出力状態と比較して上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を小さくして、1周期における電圧印加時間幅を減少させる。そして、(c)に示す低出力状態の場合には、さらに上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を小さくして、1周期における電圧印加時間幅をさらに減少させる。
(負荷判別)
制御回路26内に設けられた負荷判別手段26bは、出力電流検出回路45、46、79により検出された出力電流と、入力電流検出回路11、74により検出された入力電流との相関に基づいて、各加熱コイルの上方に載置された被加熱物が磁性材質または非磁性材質の何れの材質種であるかを判別する。このような負荷判別の具体例を以下に説明する。
制御回路26は、加熱開始時に各加熱コイルへ所定の高周波電流(所定周波数)を供給させる。そして、負荷判別手段26bは、出力電流検出回路45、46、79により検出された出力電流と、入力電流検出回路11、74により検出された入力電流とを取得する。そして予め記憶した出力電流と入力電流とに対応する材質種の情報(マッピング情報)を参照し、取得した出力電流および入力電流に基づいて、各加熱コイルの上方に載置された被加熱物の材質種を判別する。
例えば、入力電流に対して出力電流の割合が大きい領域では、アルミ鍋のような低抵抗鍋(非磁性系鍋)であると判断する。また、入力電流に対して出力電流の割合が小さい領域では、鉄鍋のような磁性系鍋であると判断する。
なお、ここでは出力電流と入力電流とに基づき負荷判別をする例を示したが、これに限らず、出力電圧検出回路51、52、78、入力電圧検出回路50、73の検出値を用いて判別しても良い。また、ここでは被加熱物の材質種を判別したが、各加熱コイルの上方の被加熱物の有無を併せて判別するようにしても良い。
(干渉音)
ここで、複数の加熱口に載置された被加熱物を同時に誘導加熱する場合に発生する干渉音について説明する。
上述したように、フルブリッジ回路の電力制御では駆動周波数を一定(例えば共振周波数近傍)としてアーム相互間の位相差を可変することで投入電力(火力)を制御している。一方、ハーフブリッジ回路の電力制御では、駆動周波数とオンデューティー比とを可変することで投入電力を制御している。
このような構成において、例えば右加熱口102と左加熱口103とに載置された被加熱物を同時に誘導加熱する場合、各加熱口に対応するインバータ回路の駆動周波数がその設定火力の違い、または被加熱物の材質の違いなどから右加熱口102と左加熱口103とで異なる場合があり、その駆動周波数の差分周波数が可聴周波数範囲である20kHz未満の場合には、使用者に干渉音として聞こえるものである。
また、被加熱物の底面形状と加熱コイルの大きさとの関係により、一方の加熱コイルからの磁束が、他方の加熱口に載置されている被加熱物に影響を与えるような場合には顕著に干渉音が発生する。これは、他方の加熱口側の被加熱物に、自身の加熱コイルによる駆動周波数と、もう一方から入ってくる異なる駆動周波数との磁束により、被加熱物が誘導加熱されることになり、その駆動周波数の差分が干渉音となって現れるものである。
本実施の形態においては、干渉音の周波数を、誘導加熱調理器自体が駆動時に発する、調理音や冷却風の流動音、ファン29の作動音などの音(以下、駆動騒音という)の周波数領域と重ねることにより、干渉音が発生していても使用者に気づき難くする(以下、マスキングともいう)ように制御する。
この駆動騒音は、可聴周波数範囲(20kHz未満)のうち低周波成分において音が大きくなる場合が多い。例えば、4kHz以下の周波数領域で駆動騒音の大きさ(デシベル)が、干渉音の大きさ(デシベル)と略同等または干渉音より大きくなる場合、干渉音の周波数を4kHz以下とすることで、マスキング効果を得ることができる。言い換えれば、各加熱口に対応するインバータ回路の駆動周波数の差分を4kHzまで許容することができる。
なお、駆動騒音が干渉音よりも大きくなる周波数領域は、本発明における「冷却風の流動音およびファンの作動音の少なくとも一方の周波数領域」に相当する。
なお、この周波数領域は、例えば実験値やシミュレーション等により取得することができる。
なお、上述したように本実施の形態においては、右加熱口102に対応するインバータ回路14をフルブリッジ回路で構成し、左加熱口103に対応するインバータ回路82をハーフブリッジ回路で構成している。
仮に、インバータ回路14、82を共にフルブリッジ回路で構成した場合、駆動周波数を同一にした状態でアーム間位相差のみを変更し、各加熱口の火力をそれぞれ調整することも考えられる。その場合は干渉音が発生しないこととなる。しかし、各加熱口のインバータ回路を全てフルブリッジ回路で構成すると、本実施の形態の構成と比較し、スイッチング素子の数が多くなり、またそれに伴い回路規模が増大する。また、回路規模の増大により、本体100内の構造的な制約が増えることとなる。また、製造コストも大幅に増加する。
このため、本実施の形態においては、右加熱口102に対応するインバータ回路14をフルブリッジ回路で構成し、左加熱口103に対応するインバータ回路82をハーフブリッジ回路で構成している。
(加熱動作)
以下、複数の加熱口に載置された被加熱物を同時に誘導加熱する際に、干渉音をマスキングする動作について説明する。
ここでは右加熱口102および左加熱口103(以下、左右の加熱口ともいう)に、それぞれ被加熱物が載置され、これらの被加熱物を同時に誘導加熱する場合の加熱出力の制御動作を説明する。
まず、制御動作の概要について、左右の加熱口に載置された被加熱物の材質種が同一の場合と、相違する場合とに分けて説明する。
なお、以下の説明において、駆動騒音が干渉音よりも大きくなる周波数領域(以下、マスキング周波数領域)が4kHz未満の領域である場合を例に説明する。
(同一の場合)
まず、左右の加熱口に載置された被加熱物の材質種が同一のものであった場合について説明する。
この場合、右加熱口102に対応するインバータ回路14と、左加熱口103に対応するインバータ回路82の駆動周波数を共に、材質種に応じて設定した所定の周波数範囲内となるよう設定する。そして、この所定の周波数範囲の上限値と下限値との差が、マスキング周波数領域に含まれるようにする。
例えば、被加熱物が共に磁性系鍋の場合、周波数範囲の下限値を21kHz、上限値を25kHzと設定する。これにより、干渉音の周波数となる差分周波数は、最大で4kHzとなる。
また例えば、被加熱物が共に非磁性系鍋の場合、周波数範囲の下限値を31kHz、上限値を35kHzと設定する。これにより、干渉音の周波数となる差分周波数は、最大で4kHzとなる。
このように、左右の加熱口に載置された被加熱物を誘導加熱する駆動周波数の差分周波数を、マスキング周波数領域(4kHz以内)に収めることにより、調理音やファン29による流動音等の駆動騒音により十分なマスキング効果が得られる。したがって、お互いの駆動周波数に閾値を設けることで干渉音が発生していても使用者に不快感を与えないことが可能となる。
なお、マスキング周波数領域は、ファン29の回転数(風量)などにより変化する場合も有る。このため、制御回路26は、複数のインバータ回路を駆動させた場合に、ファン29を予め設定した所定回転で作動させるようにしても良い。この場合には、当該所定回転数で作動するファン29から供給された冷却風の流動音、および所定回転数で作動するファン29の作動音の少なくとも一方の周波数領域に含まれるように、各インバータ回路の駆動周波数を制御する。
(相違の場合)
次に、左右の加熱口に載置された被加熱物の材質種が相違する場合について説明する。
例えば右加熱口102に非磁性系鍋、左加熱口103に磁性系鍋が載置された場合を考える。
非磁性系鍋を加熱する場合は、磁性形鍋に比べて高い周波数で駆動しなければ任意の火力が得られにくい。そのため、非磁性鍋に対応するインバータ回路14の駆動周波数を、磁性形鍋に対応するインバータ回路82の駆動周波数よりも高くする必要がある。
この場合、右加熱口102に対応するインバータ回路14と、左加熱口103に対応するインバータ回路82の駆動周波数には、その周波数範囲に閾値(上限値、下限値)を設けることなく、それぞれの材質種に応じて設定した任意の周波数で駆動する。
このような制御では、互いの駆動周波数の差分がマスキング周波数領域に収まらず(4kHz以上)、調理音やファン29による流動音等の駆動騒音によるマスキング効果が得られ難くなる。
その対策として、右加熱口102に対応して配置された内コイル40、外コイル44のうち、外側に配置された外コイル44への出力を停止または低減するように、インバータ回路14への駆動信号を制御する。
これにより、内コイル40、外コイル44のうち、隣接する左加熱口103の加熱コイル80に近い外コイル44から発生する磁束が低減するため、右加熱口102から左加熱口103への漏洩磁束が減少され、干渉音を低減することが可能となる。したがって、干渉音の周波数がマスキング周波数領域にない場合であっても、干渉音の音圧レベル自体が低減して、使用者に認識し難くすることができる。
(加熱出力制御処理)
図5は、実施の形態1における加熱出力制御処理を示すフローチャートである。
以下、複数の加熱口に載置された被加熱物を同時に誘導加熱する際の、加熱出力制御処理の詳細を、図5の各ステップに基づき説明する。
(ステップ1)
制御回路26は、操作部27から、左右の加熱口に対して加熱開始指示の入力があった場合には、加熱出力制御処理を開始する。
まず、制御回路26はタイマカウンタ26aを初期化してスタートして、時間経過をカウントする。
(ステップ2)
制御回路26は、インバータ回路14の共通アーム60の上スイッチ31、下スイッチ32、および、内コイル用アーム61の上スイッチ33、下スイッチ34に駆動信号(図3)を出力して、内コイル40への高周波電圧の印加を開始する。
(ステップ3)
制御回路26は、インバータ回路14の外コイル用アーム62の上スイッチ35、下スイッチ36に駆動信号(図3)を出力して、外コイル44への高周波電圧の印加を開始する。
(ステップ4)
制御回路26は、インバータ回路82の上スイッチ75、下スイッチ77に駆動信号(図4)を出力して、加熱コイル80への高周波電圧の印加を開始する。
(ステップ5)
制御回路26は、入力電流検出回路11、74、出力電流検出回路45、46、79、入力電圧検出回路50、73、出力電圧検出回路51、52、78を用いてそれぞれの電流と電圧とを検出する。
(ステップ6)
制御回路26は、負荷判別手段26bを用いて、検出した電流、電圧に基づき、予め記憶したマッピング情報を参照して、右加熱口102、および左加熱口103に載置された被加熱物の材質種をそれぞれ判別する。そして、右加熱口102に載置された被加熱物と、左加熱口103に載置された被加熱物とが同一の材質種であるか、相違する材質種であるかを判断する。
(ステップ7)
左右の加熱口に載置された被加熱物が同一の材質種である場合、同一種出力制御処理に移行する。この同一種出力制御処理について図6の各ステップにより説明する。
図6は実施の形態1に係る同一種出力制御処理を示すフローチャートである。
以下、図6の各ステップに基づき説明する。
(ステップ700)
制御回路26は、インバータ回路14(フルブリッジ回路)の各アーム60〜62の駆動信号の周波数(以下、内外コイル40、44駆動周波数という)を、右加熱口102に載置された被加熱物の材質種に応じた周波数に設定する。
この材質種に応じた周波数としては、例えば磁性系鍋の場合には、共振周波数近傍の周波数とし、非磁性系鍋の場合にはこれよりも高い周波数に設定する。なお、共振周波数は載置された被加熱物のインダクタンスや載置位置、隣接する加熱コイル80からの磁束の影響等により変動するため、各検出回路の検出値等から適宜求めるようにしても良い。また、材質種ごとに予め設定した駆動周波数により駆動しても良い。
(ステップ701)
次に、制御回路26は、材料種ごとに予め設定した周波数範囲の上限値と、内外コイル40、44駆動周波数とを比較する。
この周波数範囲は、上述したように、磁性系鍋の場合、例えば、周波数範囲の下限値を21kHz、上限値を25kHzと設定する。非磁性系鍋の場合、例えば、周波数範囲の下限値を31kHz、上限値を35kHzと設定する。
内外コイル40、44駆動周波数が、上限値以下の場合、ステップ703に進む。
(ステップ702)
一方、内外コイル40、44駆動周波数が上限値を上回る場合、制御回路26は、インバータ回路14の各アーム60〜62の駆動信号の周波数を低下させる。
なお、駆動信号の周波数を低下させる値は、所定値としても良いし、上限値と現在の周波数との差を検出して当該差に相当する周波数分だけ低下するようにしても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には上限値以下の周波数に収束することとなる。
(ステップ703)
次に、制御回路26は、材料種ごとに予め設定した周波数範囲の下限値と、内外コイル40、44駆動周波数とを比較する。
内外コイル40、44駆動周波数が、下限値以上の場合、ステップ705に進む。
(ステップ704)
一方、内外コイル40、44駆動周波数が下限値を下回る場合、制御回路26は、インバータ回路14の各アーム60〜62の駆動信号の周波数を増加させる。
なお、駆動信号の周波数を増加させる値は、所定値としても良いし、下限値と現在の周波数との差を検出して当該差に相当する周波数分だけ増加するようにしても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には下限値以上の周波数に収束することとなる。
(ステップ705)
制御回路26は、操作部27で使用者により設定された設定電力(火力)と、出力電流検出回路45、46および出力電圧検出回路51、52の検出値から求めた、内コイル40および外コイル44に投入される電力の合計値(以下、内外コイル40、44出力電力という)とを比較する。
(ステップ706)
設定電力より内外コイル40、44出力電力が小さい場合には(ステップ705;>)、制御回路26は、インバータ回路14のアーム間位相差を大きくし、内外コイル40、44出力電力を増加させた後、ステップ708に進む。
なお、アーム間位相差を大きくする値は、所定値としても良いし、設定電力と現在の内外コイル40、44出力電力との差を検出して当該差に応じた位相分だけ増加するようにしても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には設定電力に収束することとなる。
(ステップ707)
設定電力より内外コイル40、44出力電力が大きい場合には(ステップ705;<)、制御回路26は、インバータ回路14のアーム間位相差を小さくし、内外コイル40、44出力電力を減少させた後、ステップ708に進む。
なお、アーム間位相差を小さくする値は、所定値としても良いし、設定電力と現在の内外コイル40、44出力電力との差を検出して当該差に応じた位相分だけ増加するようにしても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には設定電力に収束することとなる。
設定電力と内外コイル40、44出力電力とが略同一の場合(ステップ705;=)、ステップ708に進む。
(ステップ708)
制御回路26は、インバータ回路82(ハーフブリッジ回路)の上スイッチ75および下スイッチ77の駆動信号の周波数(以下、加熱コイル80駆動周波数という)を、左加熱口103に載置された被加熱物の材質種に応じた周波数に設定する。
この材質種に応じた周波数としては、例えば磁性系鍋の場合には、共振周波数近傍の周波数とし、非磁性系鍋の場合にはこれよりも高い周波数に設定する。なお、共振周波数は載置された被加熱物のインダクタンスや載置位置、隣接する内外コイル40、44からの磁束の影響等により変動するため、各検出回路の検出値等から適宜求めるようにしても良い。また、材質種ごとに予め設定した駆動周波数により駆動しても良い。
また、制御回路26は、上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を初期設定値として所定のオンデューティー比(例えば50%)に設定する。
(ステップ709)
次に、制御回路26は、材料種ごとに予め設定した周波数範囲の上限値と、加熱コイル80駆動周波数とを比較する。
この周波数範囲は、上述したように、磁性系鍋の場合、例えば、周波数範囲の下限値を21kHz、上限値を25kHzと設定する。非磁性系鍋の場合、例えば、周波数範囲の下限値を31kHz、上限値を35kHzと設定する。
加熱コイル80駆動周波数が、上限値以下の場合、ステップ711に進む。
(ステップ710)
一方、加熱コイル80駆動周波数が上限値を上回る場合、制御回路26は、インバータ回路82の上スイッチ75および下スイッチ77の駆動信号の周波数を低下させる。
なお、駆動信号の周波数を低下させる値は、所定値としても良いし、上限値と現在の周波数との差を検出して当該差に相当する周波数分だけ低下するようにしても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には上限値以下の周波数に収束することとなる。
(ステップ711)
次に、制御回路26は、材料種ごとに予め設定した周波数範囲の下限値と、加熱コイル80駆動周波数とを比較する。
加熱コイル80駆動周波数が、下限値以上の場合、ステップ713に進む。
(ステップ712)
一方、加熱コイル80駆動周波数が下限値を下回る場合、制御回路26は、インバータ回路82の上スイッチ75および下スイッチ77の駆動信号の周波数を増加させる。
なお、駆動信号の周波数を増加させる値は、所定値としても良いし、下限値と現在の周波数との差を検出して当該差に相当する周波数分だけ増加するようにしても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には上限値以下の周波数に収束することとなる。
(ステップ713)
制御回路26は、操作部27で使用者により設定された設定電力(火力)と、出力電流検出回路79および出力電圧検出回路78の検出値から求めた、加熱コイル80に投入される電力(以下、加熱コイル80出力電力という)とを比較する。
(ステップ714)
設定電力より加熱コイル80出力電力が小さい場合には(ステップ713;>)、制御回路26は、インバータ回路82の上スイッチ75および下スイッチ77の駆動信号の周波数を、材料種ごとに予め設定した周波数範囲内(下限値以上、上限値以下の範囲)で低下させ、加熱コイル80出力電力を増加させる。
さらに、制御回路26は、上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を大きくして、1周期における電圧印加時間幅を増加させることで、加熱コイル80出力電力を増加させる。そして、同一種出力制御処理を終了する。
なお、駆動信号の周波数を低下させる値、およびオンデューティー比を増加させる値は、所定値としても良いし、設定電力と現在の加熱コイル80出力電力との差を検出して当該差に応じた値を設定しても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には設定電力に収束することとなる。
また、ここでは、駆動周波数とオンデューティー比とを併せて制御する場合を説明するが、これに限らず、駆動周波数が下限値に達した場合にのみ、オンデューティー比による出力制御を行うようにしても良い。
(ステップ715)
設定電力より加熱コイル80出力電力が大きい場合には(ステップ713;<)、制御回路26は、インバータ回路82の上スイッチ75および下スイッチ77の駆動信号の周波数を、材料種ごとに予め設定した周波数範囲内(下限値以上、上限値以下の範囲)で増加させ、加熱コイル80出力電力を低下させる。
さらに、制御回路26は、上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を小さくして、1周期における電圧印加時間幅を減少させることで、加熱コイル80出力電力を低下させる。そして、同一種出力制御処理を終了する。
なお、駆動信号の周波数を増加させる値、およびオンデューティー比を低下させる値は、所定値としても良いし、設定電力と現在の加熱コイル80出力電力との差を検出して当該差に応じた値を設定しても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には設定電力に収束することとなる。
また、ここでは、駆動周波数とオンデューティー比とを併せて制御する場合を説明するが、これに限らず、駆動周波数が上限値に達した場合にのみ、オンデューティー比による出力制御を行うようにしても良い。
設定電力と加熱コイル80出力電力とが略同一の場合(ステップ713;=)、同一種出力制御処理を終了する。
このような同一種出力制御処理により、内外コイル40、44駆動周波数、および加熱コイル80駆動周波数は共に、材料種ごとに予め設定した周波数範囲内(下限値以上、上限値以下の範囲)の周波数に設定された状態で、内外コイル40、44、および加熱コイル80にはそれぞれ設定電力が投入される。
すなわち、右加熱口102に対応するインバータ回路14と、左加熱口103に対応するインバータ回路82の駆動周波数の差分周波数は、周波数範囲の上限値と下限値との差分に収まることとなる。これにより、左右の加熱口で同時駆動する際の干渉音が、マスキング周波数領域に含まれるようにする。
(ステップ8)
再び図5において、上述したステップ6において、左右の加熱口に載置された被加熱物が相違する材質種である場合、相違種出力制御処理に移行する。この相違種出力制御処理について図7の各ステップにより説明する。
図7は実施の形態1に係る相違種出力制御処理を示すフローチャートである。
以下、図7の各ステップに基づき説明する。
(ステップ800)
制御回路26は、インバータ回路14(フルブリッジ回路)の各アーム60〜62の駆動信号の周波数(以下、内外コイル40、44駆動周波数という)を、右加熱口102に載置された被加熱物の材質種に応じた周波数に設定する。
この材質種に応じた周波数としては、例えば磁性系鍋の場合には、共振周波数近傍の周波数とし、非磁性系鍋の場合にはこれよりも高い周波数に設定する。なお、共振周波数は載置された被加熱物のインダクタンスや載置位置、隣接する加熱コイル80からの磁束の影響等により変動するため、各検出回路の検出値等から適宜求めるようにしても良い。また、材質種ごとに予め設定した駆動周波数により駆動しても良い。
(ステップ801)
次に、制御回路26は、インバータ回路14の共通アーム60と外コイル用アーム62とのアーム間位相差のみを小さくし、外コイル44へ投入する電力(出力)を減少させる。
ここで外コイル44の出力を減少させる値は、予め設定した所定値でも良いし、内コイル40の出力に対して所定の割合だけ小さくなるように設定しても良い。また、外コイル用アーム62の駆動を停止させ、外コイル44へ投入する電力の出力を停止するようにしても良い。
(ステップ802)
制御回路26は、操作部27で使用者により設定された設定電力(火力)と、出力電流検出回路45、46および出力電圧検出回路51、52の検出値から求めた、内コイル40および外コイル44に投入される電力の合計値(以下、内外コイル40、44出力電力という)とを比較する。
(ステップ803)
設定電力より内外コイル40、44出力電力が小さい場合には(ステップ802;>)、制御回路26は、インバータ回路14の共通アーム60と内コイル用アーム61とのアーム間位相差を大きくし、内コイル40への投入電力を増加させた後、ステップ805に進む。
なお、アーム間位相差を大きくする値は、所定値としても良いし、設定電力と現在の内外コイル40、44出力電力との差を検出して当該差に応じた位相分だけ増加するようにしても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には設定電力に収束することとなる。
(ステップ804)
設定電力より内外コイル40、44出力電力が大きい場合には(ステップ802;<)、制御回路26は、インバータ回路14の共通アーム60と内コイル用アーム61とのアーム間位相差を小さくし、内コイル40への投入電力を減少させた後、ステップ805に進む。
なお、アーム間位相差を小さくする値は、所定値としても良いし、設定電力と現在の内外コイル40、44出力電力との差を検出して当該差に応じた位相分だけ増加するようにしても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には設定電力に収束することとなる。
設定電力と内外コイル40、44出力電力とが略同一の場合(ステップ802;=)、ステップ805に進む。
(ステップ805)
次に、制御回路26は、インバータ回路82(ハーフブリッジ回路)の上スイッチ75および下スイッチ77の駆動信号の周波数(以下、加熱コイル80駆動周波数という)を、左加熱口103に載置された被加熱物の材質種に応じた周波数に設定する。
この材質種に応じた周波数としては、例えば磁性系鍋の場合には、共振周波数近傍の周波数とし、非磁性系鍋の場合にはこれよりも高い周波数に設定する。なお、共振周波数は載置された被加熱物のインダクタンスや載置位置、隣接する内外コイル40、44からの磁束の影響等により変動するため、各検出回路の検出値等から適宜求めるようにしても良い。また、材質種ごとに予め設定した駆動周波数により駆動しても良い。
また、制御回路26は、上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を初期設定値として所定のオンデューティー比(例えば50%)に設定する。
(ステップ806)
制御回路26は、操作部27で使用者により設定された設定電力(火力)と、出力電流検出回路79および出力電圧検出回路78の検出値から求めた、加熱コイル80に投入される電力(以下、加熱コイル80出力電力という)とを比較する。
(ステップ807)
設定電力より加熱コイル80出力電力が小さい場合には(ステップ806;>)、制御回路26は、インバータ回路82の上スイッチ75および下スイッチ77の駆動信号の周波数を低下させ、加熱コイル80出力電力を増加させる。
さらに、制御回路26は、上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を大きくして、1周期における電圧印加時間幅を増加させることで、加熱コイル80出力電力を増加させる。そして、相違種出力制御処理を終了する。
なお、駆動信号の周波数を低下させる値、およびオンデューティー比を増加させる値は、所定値としても良いし、設定電力と現在の加熱コイル80出力電力との差を検出して当該差に応じた値を設定しても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には設定電力に収束することとなる。
(ステップ808)
設定電力より加熱コイル80出力電力が大きい場合には(ステップ806;<)、制御回路26は、インバータ回路82の上スイッチ75および下スイッチ77の駆動信号の周波数を増加させ、加熱コイル80出力電力を低下させる。
さらに、制御回路26は、上スイッチ75の通電比率(オンデューティー比)を小さくして、1周期における電圧印加時間幅を減少させることで、加熱コイル80出力電力を低下させる。そして、相違種出力制御処理を終了する。
なお、駆動信号の周波数を増加させる値、およびオンデューティー比を低下させる値は、所定値としても良いし、設定電力と現在の加熱コイル80出力電力との差を検出して当該差に応じた値を設定しても良い。なお、所定値とした場合であっても、後述するように当該出力処理は繰り返し実行されるため、最終的には設定電力に収束することとなる。
設定電力と加熱コイル80出力電力とが略同一の場合(ステップ806;=)、相違種出力制御処理を終了する。
このような相違種出力制御処理により、内外コイル40、44駆動周波数、および加熱コイル80駆動周波数は共に、材料種に適した周波数に設定された状態で、内外コイル40、44、および加熱コイル80にはそれぞれ設定電力が投入される。
また、右加熱口102の外コイル44へ投入される電力を低下または停止するため、右加熱口102から左加熱口103への漏洩磁束が減少され、干渉音を低減することが可能となる。したがって、干渉音の周波数がマスキング周波数領域にない場合であっても、干渉音の音圧レベル自体が低減して、使用者に認識し難くすることができる。
(ステップ9)
再び図5において、上述したステップ7またはステップ8の後、制御回路26は、ステップ2から実行しているタイマカウンタ26aの計測時間を検出する。そして、制御回路26は、その計測結果と、予め設定されてた所定時間T1との大小を比較する。
この、所定時間T1は、例えば、ステップ5〜8において、内コイル40、外コイル44、加熱コイル80の出力を調整する際に、制御信号を変化させてから実際にコイルの出力が変化し、各電流検出回路および各電圧検出回路の検出結果が安定するまでの時間を設定する。
タイマカウンタ26aの計測結果が所定時間T1より小さい場合、当該ステップ9の動作を繰り返す。
(ステップ10)
一方、タイマカウンタ26aの計測結果が所定時間T1以上である場合、制御回路26はタイマカウンタ26aを初期化してスタートし、再度、時間経過をカウントする。
(ステップ11)
次に、制御回路26は、操作部27からの加熱停止指示の入力の有無を判断する。
加熱停止指示入力が無い場合には、ステップ5に戻り、上述した動作を繰り返す。
(ステップ12)
一方、加熱停止指示入力が有る場合には、制御回路26は、インバータ回路14およびインバータ回路82へ各スイッチング素子への駆動信号の出力を停止して、内コイル40、外コイル44、および加熱コイル80への通電を停止する。
(ステップ13)
制御回路26は、タイマカウンタ26aに時間の計測を停止させ、ステップ1に戻り、上述した動作を繰り返す。
(効果)
以上のように本実施の形態においては、インバータ回路14およびインバータ回路82を駆動させた場合、当該インバータ回路14、82の駆動周波数の差分周波数が、冷却風の流動音およびファン29の作動音の少なくとも一方の周波数領域に含まれるように、当該インバータ回路14、82を駆動制御する。
このため、右加熱口102と左加熱口103とに載置された被加熱物を同時に誘導加熱する場合に、干渉音が発生していても使用者に認識され難くすることができる。したがって、干渉音が発生していても使用者に不快感を与えないことが可能となる。
また本実施の形態においては、インバータ回路14は、フルブリッジインバータ回路により構成され、インバータ回路82は、ハーフブリッジインバータ回路により構成される。そして、制御回路26は、フルブリッジインバータ回路の駆動周波数を一定とし、各アームの相互間の駆動位相差を可変することで、内コイル40および外コイル44へ投入される電力を制御する。また、制御回路26は、ハーフブリッジインバータ回路の駆動周波数とオンデューティー比とを可変することで、加熱コイル80へ投入される電力を制御する。
このため、干渉音を使用者に認識され難くするため、各加熱コイルの駆動周波数の可変範囲に制限を設ける場合であっても、所望の電力を各加熱コイルに投入することができる。したがって、使用者にとって調理上の利便性を損なわずに干渉音を認識され難くすることができる。
また本実施の形態においては、インバータ回路14は、フルブリッジインバータ回路により構成され、インバータ回路82は、ハーフブリッジインバータ回路により構成される。
このため、各加熱口のインバータ回路を全てフルブリッジインバータ回路で構成する場合と比較して、スイッチング素子の数を少なくでき、またそれに伴い回路規模を縮小することができる。また、回路規模の縮小により、本体100内の構造的な制約を軽減することができる。また、製造コストを低減することができる。
なお、本実施の形態では、右加熱口102に対応する加熱コイル群として、内コイル40と外コイル44とが同心円状に配置された場合を説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば図8に示すように、内コイル40の周辺に、小判形の外コイル44を複数配置するようにしても良い。なお、外コイル44の形状・数量はこれに限るものではない。
なお、複数の外コイル44は、それぞれ直列に接続され、インバータ回路14の共通アーム60と外コイル用アーム62との間に接続されることで、上述した動作により駆動される。なお、これに限らず、各外コイル44のそれぞれに対応するインバータ回路を設け、それぞれ個別に駆動制御するようにしても良い。
なお、この構成における内コイル40は、本発明における「第1の加熱コイル」に相当し、複数の外コイル44は、本発明における「第2の加熱コイル」に相当する。
なお、本実施の形態1、2では、インバータ回路14、82の各スイッチング素子(31〜36、75、77)にIGBTを採用した場合を例に説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パワーMOSFET、その他の絶縁ゲート半導体装置、バイポーラトランジスタなどを採用してもよい。
実施の形態2.
本実施の形態2に係る誘導加熱調理器は、スイッチング素子の耐電圧、およびオン抵抗についても考慮したものである。
図9は、シリコン半導体デバイスと、シリコンカーバイド半導体デバイスの耐電圧とオン抵抗について説明する図である。
図9の横軸は耐電圧を表し、縦軸はオン抵抗を表している。
なお、以下の説明において、シリコン半導体デバイスはSiデバイスとも称し、シリコンカーバイド半導体デバイスはSiCデバイスとも称するものとする。また、本実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号とし、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
図9に示すように、Siデバイスは耐電圧を大きくすると、オン抵抗が大きくなってしまうので、その分電力効率が低減してしまう。また、Siデバイスはオン抵抗を小さくすると、その分、耐電圧性が低減してしまう。一方、ワイドギャップ半導体で構成されるSiCデバイスは、Siデバイスと比較すると、大幅に耐電圧とオン抵抗のトレードオフを改善できることがわかる。
そこで、本実施の形態においては、インバータ回路14、82の各スイッチング素子(31〜36、75、77)を、SiCデバイスで構成する。これにより、実施の形態2に係る誘導加熱調理器は、各スイッチング素子(31〜36、75、77)の耐電圧性能とオン抵抗性能を両立することができる。
図10は、本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器の概要構成の一例を説明する斜視図である。
SiデバイスはSiCデバイスと比較すると耐熱性が劣る。すなわち、Siデバイスを各種素子に採用した誘導加熱調理器では、Siデバイスを冷却するための冷却装置や放熱ファンが必須である。
本実施の形態2に係る誘導加熱調理器は、各スイッチング素子(31〜36、75、77)をSiCデバイスで構成するので、冷却装置や放熱フィンの小型化、またはそれらを搭載しなくとも、動作信頼性が低減してしまうことが抑制される。また、冷却装置や放熱フィンの小型化、またはそれらを搭載しなくともよいので、その分コストアップを抑制することができる。
なお、インバータ回路14の共通アーム60のスイッチング素子(31、32)は、他のスイッチング素子(33〜36、75、77)と比較すると流れる電流量が大きい分、発熱量が大きい。そこで、共通アーム60のスイッチング素子(31、32)のみを、Siと比較すると高価であるSiCデバイスで構成してもよい。これにより、コストアップを抑制しながら、耐電圧性能とオン抵抗性能を両立することができる。
また、左加熱口103には、内コイル40と外コイル44とからなる変形コイルが設けられているので、本体100の空間内を占める容積が大きくなってしまう。
本実施の形態2に係る誘導加熱調理器は、インバータ回路14、82の各スイッチング素子(31〜36、75、77)を、SiCデバイスで構成するので、冷却装置や放熱フィンの小型化、または搭載しなくともよい。これにより、本体100の空間内が広くなるので、図10(a)、(b)に示すように、左加熱口103の下方に対応する位置に、ロースター202を配置することができる。このロースター202は、レール203により焼き網204等が加熱室内に出し入れ自在に配置される。
さらに、図10(c)に示すように、制御回路26などが設けられる基板205を、縦に並列配置した場合には、各スイッチング素子(31〜36、75、77)の放熱がされ難かったり、冷却装置や放熱フィンが大きく本体100内に収納できなくなってしまう可能性があった。
本実施の形態2においては、SiCデバイスであるスイッチング素子(31〜36、75、77)は耐熱性が高く、放熱されにくかったり、冷却装置や放熱フィンが設けたりすることができなくとも、動作信頼性が低減してしまうことが抑制される。すなわち、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器は、図10(c)に示すように、基板205を縦に並列配置することができるので、本体100内の空間を有効に利用することができる。
なお、各スイッチング素子(31〜36、75、77)は、耐熱性、および耐電圧性が高いので、内コイル40および外コイル44、並びに加熱コイル80を同時に使用した場合のそれぞれの火力(出力電力)を大きく設定してもよい。具体的には、各スイッチング素子(31〜36、75、77)がSiデバイスである場合における最大火力の倍の火力であっても、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器の各スイッチング素子(31〜36、75、77)は、機能が低減したり、壊れてしまったりすることが抑制される。
なお、他のスイッチング素子(33〜36、75、77)と比較すると発熱量が大きいインバータ回路14の共通アーム60のスイッチング素子(31、32)のみを、SiCデバイスで構成した場合でも同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態2では、各スイッチング素子(31〜36、75、77)を、SiC(炭化珪素)デバイスで構成する場合を例に説明してきたが、ガリウムナイトライド(GaN)などの窒化ガリウム系材料、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体デバイスを用いてもよい。
なお、本実施の形態2では、各スイッチング素子(31〜36、75、77)を、SiCデバイスなどのワイドバンドギャップ半導体デバイスで構成する場合を説明したが、各スイッチング素子(31〜36、75、77)、およびダイオード素子のうち、少なくとも1つについてワイドバンドギャップ半導体デバイスで構成するようにしても良い。
1 直流電源、2 リアクトル、11 入力電流検出回路、14 インバータ回路、16 平滑コンデンサ、26 制御回路、26a タイマカウンタ、26b 負荷判別手段、27 操作部、28 表示部、29 ファン、31 上スイッチ、32 下スイッチ、33 上スイッチ、34 下スイッチ、35 上スイッチ、36 下スイッチ、40 内コイル、41 共振コンデンサ、43 共振コンデンサ、44 外コイル、45 出力電流検出回路、46 出力電流検出回路、50 入力電圧検出回路、51 出力電圧検出回路、52 出力電圧検出回路、60 共通アーム、61 内コイル用アーム、62 外コイル用アーム、70 直流電源、71 リアクトル、73 入力電圧検出回路、74 入力電流検出回路、75 上スイッチ、76 平滑コンデンサ、77 下スイッチ、78 出力電圧検出回路、79 出力電流検出回路、80 加熱コイル、81 共振コンデンサ、82 インバータ回路、100 本体、101 トッププレート、102 右加熱口、103 左加熱口、104 中央加熱口、105 吸気口、106 排気口、107 加熱コイル、202 ロースター、203 レール、204 焼き網、205 基板。
本発明に係る誘導加熱調理器は、本体上面に設けられ、被加熱物が載置されるトッププレートと、前記トッププレートに形成され、前記被加熱物の載置位置を示す複数の加熱口と、前記各加熱口ごとに設けられ、1つまたは複数の加熱コイルから構成される加熱コイル群と、前記各加熱コイル群に高周波電力を供給する複数のインバータと、前記加熱コイル群に投入される電力を検出する電力検出手段と、前記加熱コイル群に投入される電力が設定電力になるように、前記各インバータをそれぞれ制御する制御手段と、前記本体内に冷却風を供給するファンと、前記被加熱物が磁性材質または非磁性材質の何れの材質種であるかを判別する負荷判別手段とを備え、前記複数の加熱コイル群の少なくとも1つは、径の異なる複数の加熱コイルが同心円状に配置されて構成され、前記制御手段は、2つ以上の前記加熱口に対応する前記インバータをそれぞれ駆動させる場合であって、当該2つ以上の前記加熱口に載置された前記被加熱物の全てが同一の材質種のとき、当該2つ以上のインバータの駆動周波数の差分周波数が、前記冷却風の流動音および前記ファンの作動音の少なくとも一方の周波数領域に含まれるように、当該2つ以上のインバータを駆動制御し、同心円状に前記複数の加熱コイルが配置された前記加熱コイル群の前記加熱口を含む、2つ以上の前記加熱口に対応する前記インバータをそれぞれ駆動させる場合であって、当該2つ以上の前記加熱口に載置された前記被加熱物の少なくとも1つの材質種が異なるとき、同心円状に配置された前記複数の加熱コイルのうち、少なくとも最も外側の加熱コイルの出力を停止または低下させるものである。

Claims (12)

  1. 本体上面に設けられ、被加熱物が載置されるトッププレートと、
    前記トッププレートに形成され、前記被加熱物の載置位置を示す複数の加熱口と、
    前記各加熱口ごとに設けられ、1つまたは複数の加熱コイルから構成される加熱コイル群と、
    前記各加熱コイル群に高周波電力を供給する複数のインバータと、
    前記加熱コイル群に投入される電力を検出する電力検出手段と、
    前記加熱コイル群に投入される電力が設定電力になるように、前記各インバータをそれぞれ制御する制御手段と、
    前記本体内に冷却風を供給するファンと
    を備え、
    前記制御手段は、
    2つ以上の前記インバータを駆動させた場合、当該2つ以上のインバータの駆動周波数の差分周波数が、
    前記冷却風の流動音および前記ファンの作動音の少なくとも一方の周波数領域に含まれるように、当該2つ以上のインバータを駆動制御する
    ことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記複数のインバータの一部は、
    2つのスイッチング素子を直列に接続したアームを少なくとも2つ有するフルブリッジインバータ回路により構成され、
    前記制御手段は、
    前記フルブリッジインバータ回路の、前記スイッチング素子の駆動周波数を一定とし、前記2つのアームの相互間の前記スイッチング素子の駆動位相差を可変することで、前記加熱コイル群へ投入される電力を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記複数のインバータの一部は、
    2つのスイッチング素子を直列に接続したアームを有するハーフブリッジインバータ回路により構成され、
    前記制御手段は、
    前記ハーフブリッジインバータ回路の、前記スイッチング素子の駆動周波数とオンデューティ比とを可変することで、前記加熱コイル群へ投入される電力を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記複数の加熱コイル群の少なくとも1つは、
    径の異なる複数の加熱コイルが同心円状に配置されて構成された
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記複数の加熱コイル群の少なくとも1つは、
    第1の加熱コイルの周辺に、第2の加熱コイルが複数配置されて構成された
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記被加熱物が磁性材質または非磁性材質の何れの材質種であるかを判別する負荷判別手段を備え、
    前記制御手段は、
    2つ以上の前記インバータを駆動させる場合であって、当該2つ以上のインバータに対応する前記被加熱物の全てが同一の材質種のとき、
    当該2つ以上のインバータの駆動周波数の差分周波数が、前記冷却風の流動音および前記ファンの作動音の少なくとも一方の周波数領域に含まれるように、当該2つ以上のインバータを駆動制御する
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記制御手段は、
    2つ以上の前記インバータを駆動させる場合であって、当該2つ以上のインバータに対応する前記被加熱物の少なくとも1つの材質種が異なるとき、
    同心円状に配置された前記複数の加熱コイルのうち、少なくとも最も外側の加熱コイルの出力を停止または低下させる
    ことを特徴とする請求項4に従属する請求項6記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記制御手段は、
    2つ以上の前記インバータを駆動させる場合であって、当該2つ以上のインバータに対応する前記被加熱物の少なくとも1つの材質種が異なるとき、
    前記第2の加熱コイルの少なくとも1つの出力を停止または低下させる
    ことを特徴とする請求項5に従属する請求項6記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記制御手段は、
    2つ以上の前記インバータを駆動させた場合、当該2つ以上のインバータの駆動周波数の少なくとも1つを、前記加熱コイルと共振コンデンサとを含む負荷回路の共振周波数近傍の周波数で駆動する
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記制御手段は、
    2つ以上の前記インバータを駆動させた場合、前記ファンを所定回転数で作動させ、
    当該2つ以上のインバータの駆動周波数の差分周波数が、
    前記所定回転数で作動する前記ファンから供給された前記冷却風の流動音、および前記所定回転数で作動する前記ファンの作動音、の少なくとも一方の周波数領域に含まれるように、当該2つ以上のインバータを駆動制御する
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  11. 前記複数のインバータの少なくとも1つは、スイッチング素子およびダイオード素子の少なくとも一方が、ワイドバンドギャップ半導体により形成された
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、またはダイヤモンドである
    ことを特徴とする請求項11記載の誘導加熱調理器。
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