JP2013039690A - ボールペンレフィル及びそれを用いたボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱変色性筆跡を形成できるボールペンレフィルであることを筆記することなく識別することができる利便性に富むボールペンレフィル及びそれを用いたボールペンを提供する。
【解決手段】 可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの後端に、可逆熱変色性操作体5を連結してなり、軸筒内に取り外し可能且つ挿入可能であり、挿入した状態で前記可逆熱変色性操作体を操作することにより軸筒の先端開口部から筆記先端部を出没させるボールペンレフィル1及びそれを用いたボールペン。
【選択図】 図4

Description

本発明はボールペンレフィル及びそれを用いたボールペンに関する。更に詳細には、可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィル及びそれを用いたボールペンに関する。
従来、ボールを抱持したボールペンチップが前端に固着され、且つ、内部にインキ組成物が収容されたインキ収容管と、インキ色に着色された操作体をインキ収容管の後端に連結し、使用時に軸筒内に収容して操作体を軸筒の側壁より突出させ、操作体をスライド操作することにより軸筒先端開口部から筆記先端部を出没させるボールペンレフィルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記ボールペンレフィルは、異なるインキ色に着色された操作体を有するレフィルを複数本軸筒内に収容することにより、様々な色の筆跡を形成可能な利便性に優れた複合式ボールペンを得ることができる。
しかしながら、インキ収容管内に熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの場合、該ボールペンレフィルにより形成される筆跡が熱変色性筆跡であるかを識別する機能に乏しく、一旦筆記してその筆跡が変色するか確認する必要があった。
特開2007−45139号公報
本発明は、前記インキ収容管内に可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの不具合、即ち、形成される筆跡が熱変色性筆跡であるかを識別する際、一旦筆記して筆跡を確認するといった手間を要することなく、熱変色性筆跡を形成できることを識別することが可能なボールペンレフィル及びそれを用いたボールペンを提供する。
本発明は、前記した複合式筆記具の問題点を解消するものであって、即ち、可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの後端に、可逆熱変色性操作体を連結してなり、軸筒内に取り外し可能且つ挿入可能であり、挿入した状態で前記可逆熱変色性操作体を操作することにより軸筒の先端開口部から筆記先端部を出没させるボールペンレフィルを要件とする。
更には、前記可逆熱変色性操作体が樹脂中に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を分散して成形した可逆熱変色性操作体であること、前記可逆熱変色性操作体が樹脂中に前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料及び非熱変色性着色剤を分散して成形した可逆熱変色性操作体であること、前記可逆熱変色性操作体が樹脂製操作体表面に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含む可逆熱変色層を設けた可逆熱変色性操作体であること、前記可逆熱変色性操作体が樹脂製操作体表面に前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料及び非熱変色性着色剤を含む可逆熱変色層を設けた可逆熱変色性操作体であること、前記可逆熱変色性操作体が呈するいずれかの色がインキ収容管内のインキ組成物と同色であること等を要件とする。
更には、前記ボールペンレフィルを軸筒内に単数本又は複数本収容したボールペン、前記ボールペンレフィルを単数本又は複数本と、非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルを軸筒内に単数本又は複数本収容したボールペンを要件とする。
本発明は、熱変色性筆跡を形成できるボールペンレフィルであることを筆記することなく識別することができる利便性に富むボールペンレフィル及びそれを用いたボールペンを提供できる。
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 色彩記憶性を有する加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 本発明の可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの一実施例を示す説明図である。 図4のボールペンレフィルを収容したボールペンの断面図である。
本発明のボールペンレフィルは、インキ収容管内に可逆熱変色性インキ組成物を収容し、インキ収容管の先端部に直接又は接続部材を介して筆記先端部(ボールペンチップ)を連通して設けてなり、インキ収容管の後端部には可逆熱変色性操作体を連結してなる。
前記ボールペンチップは汎用の構造が用いられ、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させて形成したボール抱持部にボールを抱持する構造、金属材料のドリル等による切削加工によりチップ部を形成し、ボール抱持部にボールを抱持する構造、バネ体によりボールを前方に付勢させた構造、或いは、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けた構造を例示できる。
前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.1〜1.5mm径程度のものが適用できるが、好ましくは0.3〜1.0mm、より好ましくは0.3〜0.7mmのものが用いられる。
前記インキ組成物を収容するインキ収容管は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体、ステンレス等の金属からなる管体が用いられる。
なお、可逆熱変色性インキ組成物を収容する場合、光遮蔽性を有するインキ収容管を用いてインキ組成物の耐光劣化を防止することが好ましく、金属製、或いは、着色剤を含む熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。また、透明性を有するインキ収容管を用いる場合は、レフィルを収容する軸筒が光遮蔽性であることが好ましい。
なお、インキ収容管に収容したインキ組成物の端面にはインキ逆流防止体組成物を密接配置することが好ましい。
前記可逆熱変色性インキ組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた有色から無色に変色する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を着色剤として用いたインキ組成物が好適である。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する加熱消色型(加熱により消色し、冷却により発色する)の可逆熱変色性組成物を適用できる(図1参照)。
また、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、または完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩記憶性を有する加熱消色型(加熱により消色し、冷却により発色する)の可逆熱変色性組成物も適用できる(図2参照)。
前記可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性について説明する。
図2において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度t(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度t(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度t(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する温度t(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度域は前記tとt間の温度域であり、着色状態と消色状態のいずれかの状態を呈することができ、色濃度の差の大きい領域であるtとtの間の温度域が実質変色温度域である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さいと変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易となる。
前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度tを冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度tを摩擦体(摩擦部材)による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは55〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記完全消色温度tが50℃以上であれば、夏場のような気温の高い条件下でも変色前の状態を維持でき、また、95℃以下であれば、筆記面に形成された筆跡上を摩擦部材による数回の擦過による摩擦熱で十分に消去することができる。
完全消色温度tが95℃を越える温度の場合、摩擦部材による擦過で得られる摩擦熱が完全消色温度に達し難くなるため、容易に消去し難くなり、擦過回数が増加したり、或いは、荷重をかけ過ぎて擦過する傾向にあるため、筆記面を傷めてしまう虞がある。
また、完全発色温度tの温度設定において、消色状態が通常の使用状態において維持されるためにはより低い温度であることが好ましく、0℃以下が好適である。
更に、筆記具に充填された状態の可逆熱変色性組成物を発色状態にする必要がある。そのため、レフィル、インキ組成物、或いは、マイクロカプセル顔料を予め冷却して可逆熱変色性組成物を発色させておく必要がある。
製造工程における冷却手段としては汎用の冷凍庫にて冷却することが好ましいが、冷凍庫の冷却能力を考慮すると、−50℃迄が限度である。
以下に可逆熱色性組成物の(イ)、(ロ)、(ハ)成分について化合物を例示する。
本発明の(イ)成分である電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられる。
以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,6−ジフェニルアミノフルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、
3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、
2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアミノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン、
2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジメチルアミノ)−2−メチルフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン、
3′,6′−ビス〔フェニル(2−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3′,6′−ビス〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3′,6′−ビス〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン等を挙げることができる。
前記(ロ)成分の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。また、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)2−エチルヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。
前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類を挙げることができる。
前記(ハ)成分として好ましくは、色濃度−温度曲線に関し、大きなヒステリシス特性(温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線が、温度を低温側から高温側へ変化させる場合と、高温側から低温側へ変化させる場合で異なる)を示して変色する、色彩記憶性を示す可逆熱変色性組成物を形成できる5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が用いられる。
また、炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデシル、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタデシル等を挙げることができる。
また、ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類が有効であり、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナデカノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2−ドコサノン、ラウロン、ステアロン等を挙げることができる。
また、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等を挙げることができる。
また、エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等を挙げることができる。
更に、前記(ハ)成分として、下記一般式(1)で示される化合物が好適に用いられる。
Figure 2013039690
〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜2の整数を示し、X、Xのいずれか一方は−(CHOCOR又は−(CHCOOR、他方は水素原子を示し、nは0〜2の整数を示し、Rは炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Y及びYは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、又は、ハロゲンを示し、r及びpは1〜3の整数を示す。〕
前記式(1)で示される化合物のうち、Rが水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にRが水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
なお、式(1)で示される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(2)で示される化合物が用いられる。
Figure 2013039690
式中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数10〜24のアルキル基、更に好ましくは炭素数12〜22のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として、下記一般式(3)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2013039690
(式中、Rは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはそれぞれ1〜3の整数を示し、X及びYはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンを示す。)
前記化合物として具体的には、オクタン酸1,1−ジフェニルメチル、ノナン酸1,1−ジフェニルメチル、デカン酸1,1−ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1−ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1−ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1−ジフェニルメチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(4)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2013039690
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、マロン酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、こはく酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、こはく酸と2−〔4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アジピン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、ピメリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アゼライン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、セバシン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,10−デカンジカルボン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−〔4−(2−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(5)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2013039690
(式中、Rは炭素数1乃至21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとウンデカン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステル、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンと酪酸とのジエステル、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンとイソ吉草酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと酢酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとプロピオン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと吉草酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプロン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリル酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(6)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2013039690
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、こはく酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、スベリン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、セバシン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステルを例示できる。
更に、電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を用いたり(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステルを用いたり(特開2001−105732号公報)、没食子酸エステル等を用いた(特公昭51−44706号公報、特開2003−253149号公報)加熱発色型(加熱により発色し、冷却により消色する)の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を適用することもできる(図3参照)。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。
前記可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル化する方法としては、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与したり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
ここで、前記マイクロカプセル顔料中に非熱変色性の染料や顔料を配合して、有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈する構成となすこともできる。
前記マイクロカプセル顔料は、平均粒子径が0.01〜5.0μm、好ましくは0.1〜4.0μm、より好ましくは0.5〜3.0μmの範囲のものが実用性を満たす。
平均粒子径が5.0μmを越えると、ボールペンに収容して実用に供する際、ボールとボール抱持部の空隙をマイクロカプセル顔料が塞いで目詰まりを生じ、インキ吐出性を損ない易くなる。一方、0.01μm未満の系では、高濃度の発色性を示し難い。
なお、粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を体積基準で算出する。
前記マイクロカプセル顔料の形態は円形断面の形態の他、非円形断面の形態であってもよい。
ここで、可逆熱変色性組成物:壁膜=7:1〜1:1(質量比)、好ましくは6:1〜1:1の範囲を満たすことが好ましい。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を生じ易く、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を生じ易くなる。
前記マイクロカプセル顔料は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中10乃至50質量%、好ましくは15乃至45質量%、より好ましくは20乃至45質量%の範囲で用いられる。
前記インキ組成物に用いられる媒体としては、有機溶剤であってもよいが、好ましくは水と必要により水溶性有機溶剤が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。
なお、ヒステリシス幅の大きい可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料については比重が概ね1を越えるため、適用する水溶性有機溶剤は1.1を超えるものが好適である。
前記インキ組成物としては、剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インキを挙げることができる。
前記剪断減粘性付与剤を添加することにより、マイクロカプセル顔料の凝集、沈降を抑制することができると共に、筆跡の滲みを抑制することができるため、良好な筆跡を形成できる。
更に、前記インキ組成物を充填する筆記具がボールペンの場合、不使用時のボールとボール抱持部の間隙からのインキ漏れを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
なお、前記剪断減粘性付与剤として多糖類と、スメクタイトやヘクトライト等の無機粒子を併用することにより、インキを収容したレフィルの筆記先端部が大気中で長時間放置された場合でも筆記先端部の乾燥に起因するカスレや筆記不能の発生を抑制することができる。
前記多糖類はインキ組成物全量中0.2〜0.5質量%含有され、且つ、多糖類と無機粒子の質量比率が1:0.2〜1:1.5であることにより、インキ中でマイクロカプセル顔料が凝集、沈降することを抑制する効果と、前記筆記先端部の乾燥に起因するカスレや筆記不能の発生を抑制する効果を共に満たし、経時後も良好な筆記性能を示すレフィルを得ることができる。
前記剪断減粘性付与剤のうち、多糖類がインキ組成物全量中0.2質量%未満では、インキ粘度が低すぎてマイクロカプセル顔料の凝集、沈降を抑制する効果に乏しく、一方、多糖類がインキ組成物全量中0.5質量%を越えると、インキ粘度が高すぎて筆跡がかすれ易くなる。
更に、前記多糖類の質量に対し、無機粒子の質量比率が0.2を下回ると多糖類との相乗効果に乏しく、前記多糖類を単独で用いた場合と同様の効果が得られるのみである。一方、前記多糖類の質量に対し、無機粒子の質量比率が1.5を超えると、筆跡のかすれを生じ易くなる。
なお、前記多糖類はインキ組成物全量中0.2〜0.3質量%含有されることがより好ましく、且つ、多糖類と無機粒子の質量比率は、1:0.4〜1:1.0であることがより好ましい。
前記インキ組成物中には、8糖以上の澱粉糖化物及び/又はその還元物を30質量%以上含有してなる糖混合物を含有させることが好ましく、耐乾燥性を向上させることができると共に、垂れ下がり防止性能を付与することができる。
前記糖混合物として好ましくは8糖以上の糖類が50%以上含まれるものが用いられ、より好ましくは8糖以上の糖類が70%以上含まれるものが用いられる。
耐乾燥性を付与するためには、ある程度の乾燥皮膜の形成が必要であるが、単糖や二糖は乾燥皮膜の形成が充分でないので耐乾燥性に対する効果が小さく、吸水性が高いためにボールペンに適用した場合、筆記先端部を下向き(倒立)で放置することによる垂れ下がりが発生しやすい。また、3糖〜7糖程度では、単糖や二糖に比べて吸水性は低くなるが、十分な耐乾燥性を得るには至らない。
更に、十分な耐乾燥性を得るために多量の添加を試みると、吸水性が高くなり垂れ下がりの原因になったり、添加した糖が溶解しきれずにインキ中の固形分が増加し、耐乾燥性が低下することがある。
前記糖類は分子量が大きくなるに従い吸湿性が低くなり、乾燥皮膜を形成し易くなる特徴を有することから、8糖以上の糖類を用いることで高湿度下での垂れ下がりを防止できると共に、耐乾燥性も向上する。
更に、耐熱性、耐酸性、耐微生物性等の性能も向上し、インキ中で安定した状態を維持できる。
前記8糖以上の糖類としては、澱粉の酵素分解等によって得られる澱粉糖化物や、該澱粉糖化物の末端基を還元した還元澱粉糖化物を用いることができる。
また、澱粉を分解していくと、様々な重合度の糖類が生成するため、8糖以上の糖類のみを完全に単離することは技術的に困難であり、製造コストもかかってしまう。そこで、7糖以下の糖類が存在する糖混合物において、前記8糖以上の糖類を30質量%以上含有することにより、インキ中で前記性能を十分に得ることができ、耐乾燥性及び垂れ下がり防止性能を付与できる。
前記糖混合物はインキ組成物全量に対して0.5〜10.0質量%、好ましくは1.0〜8.0質量%の範囲で配合される。0.5質量%より少ないと耐乾燥性を向上させる効果が得られ難く、10.0質量%より多いとインキの粘度が上昇して泣き出しやボテの原因になったり、追従性を妨げることがある。更には耐乾燥性を悪化させてしまうこともある。
また、必要により紙面への固着性や粘性付与のためにアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等を添加することもできる。
また、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗を防止することが好ましい。
その他、必要に応じて炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等が挙げられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
前記可逆熱変色性操作体は、インキ収容管の後端に連結されてなり、軸筒内に収容した状態では操作体が軸筒の側壁より突出する。
前記突出した操作体をスライド操作することにより軸筒先端の開口部から筆記先端部(ボールペンチップ)が出没する。
前記可逆熱変色性操作体は、前記可逆変色性インキ組成物に用いられる(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を成形用樹脂に分散、成形し、樹脂成形体として得たり、成形用樹脂を用いて成形した樹脂製操作体表面に前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含む可逆熱変色層を設けて得られる。
更に、樹脂中に前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料及び非熱変色性着色剤を分散して成形して可逆熱変色性操作体を得たり、樹脂製操作体表面に前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料及び非熱変色性着色剤を含む可逆熱変色層を設けて可逆熱変色性操作体を得ることもできる。
前記可逆熱変色性組成物としては、前述の所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る可逆熱変色性組成物が好適に用いられる。
前記成形用樹脂としては、従来より汎用の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等が適宜、目的に応じて適用される。
熱可塑性樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、フッ素樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、石油系炭化水素樹脂、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリブテン、クマロン−インデン共重合物、フェノキシプラスチック等の熱可塑性樹脂。
エポキシ樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシアクリレート、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、ポリウレタン、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
前記可逆熱変色層は、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を膜形成材料であるバインダーを含む媒体中に分散したインキ、塗料を用いて、公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により形成することができる。
また、前記可逆熱変色層は、文字、記号、模様、線の組合せ等の可逆熱変色像であってもよい。
また、前記可逆熱変色性操作体には、必要により各種光安定剤を添加することもできる。
前記光安定剤は、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を成形用樹脂に分散、成形した樹脂成形体の場合は前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と共に成形用樹脂中に混合され、樹脂製操作体表面に前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含む可逆熱変色層を設ける場合は可逆熱変色層中に混合される。
前記光安定剤は、(イ)、(ロ)、(ハ)成分からなる可逆熱変色性組成物の光劣化を防止するために含有され、0.3〜24質量%、好ましくは0.8〜16質量%の割合で含有される。
前記光安定剤のうち、紫外線吸収剤は、太陽光等に含まれる紫外線を効果的にカットして(イ)成分の光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する。酸化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等は、酸化反応を抑制する。
前記光安定剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
尚、前記光安定剤はマイクロカプセルに内包してもよいし、マイクロカプセルに内包すると共に、成形用樹脂中にも添加することができる。
更に、前記操作体表面には、光安定剤および/または光遮蔽性顔料を含む層を積層することによって耐光性を向上させたり、或いは、トップコート層を設けて耐久性を向上させることもできる。
前記光遮蔽性顔料は、金属光沢顔料、透明二酸化チタン、透明酸化鉄、透明酸化セシウム、透明酸化亜鉛等の顔料類が挙げられる。
前記ボールペンレフィルは軸筒内に収納し、操作体の作動によってレフィルの筆記先端部が軸筒先端開口部から出没する。
前記軸筒は樹脂製、金属製、セラミック製等が挙げられる。
前記ボールペンにより筆記して得られる筆跡は、指による摩擦や加熱具又は冷熱具の適用により変色させることができる。
前記加熱具としては、抵抗発熱体を装備した通電加熱変色具、温水等を充填した加熱変色具、ヘアドライヤーの適用が挙げられるが、好ましくは、簡便な方法により変色可能な摩擦部材や摩擦体が用いられる。
前記摩擦部材や摩擦体としては、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるゴム、エラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
なお、消しゴムを使用して筆跡を摩擦することもできるが、摩擦時に消しカスが発生するため、前述の摩擦部材が好適に用いられる。
前記摩擦部材の材質としては、シリコーン樹脂やSEBS樹脂(スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体)、ポリエステル系樹脂等が用いられる。
前記摩擦部材は筆記具と別体の任意形状の部材(摩擦体)とを組み合わせて筆記具セットを得ることもできるが、筆記具に摩擦部材を備えることにより、携帯性に優れる。
摩擦部材を設ける箇所は特に限定されるものではないが、例えば、軸筒自体を摩擦部材により形成したり、クリップを設ける場合はクリップ自体を摩擦部材により形成したり、軸筒先端開口部近傍、軸筒後端部(筆記先端部を設けていない部分)に摩擦部材を設けることができる。
冷熱具としては、ペルチエ素子を利用した冷熱変色具、冷水、氷片等の冷媒を充填した冷熱変色具、冷蔵庫や冷凍庫の適用が挙げられる。
前記ボールペンには、インキ収容管内に非変色性インキ組成物を収容し、インキ収容管の先端部には直接又は接続部材を介してボールペンチップを連通して設けてなり、インキ収容管の後端部にはインキ色と同色の着色された操作体を連結したボールペンレフィルを併用することもできる。
次に、前記非変色性インキ組成物の着色剤としては、一般の染料や顔料、蛍光顔料、金属光沢顔料、二酸化チタン等の白色顔料が挙げられる。
前記インキ組成物に用いられる媒体としては、有機溶剤であってもよいが、好ましくは水と必要により水溶性有機溶剤が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、前記と同様のものが用いられる。
前記インキ組成物としては、剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インキを挙げることができる。
前記剪断減粘性付与剤としては、前記と同様のものが用いられる。
また、前記インキ組成物中には、前記と同様の8糖以上の澱粉糖化物及び/又はその還元物を30質量%以上含有してなる糖混合物、樹脂、潤滑剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤或いは防黴剤、湿潤剤、消泡剤、界面活性剤等を添加することもできる。
前記非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルは軸筒内に1本又は2本以上収容される。
具体的には、可逆熱変色性インキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に1本収容し、非変色性インキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に1本収容する構成、可逆熱変色性インキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に1本収容し、色の異なる非変色性インキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に2本乃至4本収容する構成、色の異なる可逆熱変色性インキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に2本乃至4本収容し、非変色性インキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に1本収容する構成、色の異なる可逆熱変色性インキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に2本乃至4本収容し、非変色性インキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に2本乃至4収容する構成が挙げられる。








































実施例1
可逆熱変色性インキ組成物Aの調製
(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール4.5部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−20℃、T:−9℃、T:40℃、T:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、黒色から無色に色変化する)20.0部、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.3部、防黴剤0.2部、潤滑剤1.0部、トリエタノールアミン1.0部、水77.5部からなる可逆熱変色性インキAを調製した。
可逆熱変色性インキ組成物Bの調製
(イ)成分として2−(ブチルアミノ)−8−(ジフェニルアミノ)−4−メチルスピロ〔5H−〔1〕ベンゾピラノ〔2−3−g〕ピリミジン−5,1(3′H)−イソベンゾフラン〕−3−オン2.0部、(ロ)成分として2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−16℃、T:−8℃、T:48℃、T:58℃、ΔH:65℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、ピンク色から無色に色変化する)20.0部、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.3部、防黴剤0.2部、潤滑剤1.0部、トリエタノールアミン1.0部、水77.5部からなる可逆熱変色性インキBを調製した。
可逆熱変色性インキ組成物Cの調製
(イ)成分として3−(4−ジエチルアミノ−2−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド2.0部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(T:−14℃、T:−6℃、T:48℃、T:60℃、ΔH:64℃、平均粒子径:2.5μm、可逆熱変色性組成物/壁膜=2.6/1.0、青色から無色に色変化する)20.0部、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.3部、防黴剤0.2部、潤滑剤1.0部、トリエタノールアミン1.0部、水77.5部からなる可逆熱変色性インキCを調製した。
非変色性インキ組成物aの調製
黒色染料5.0部、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.5部、N-ビニル−2−ピロリドンオリゴマー10.0部、防黴剤0.3部、潤滑剤0.5部、トリエタノールアミン1.0部、水82.7部からなる非変色性インキaを調製した。
非変色性インキ組成物bの調製
赤色染料5.0部、N-ビニル−2−ピロリドンオリゴマー10.0部、防黴剤0.3部、潤滑剤0.5部、トリエタノールアミン1.0部、水82.7部からなる非変色性インキを調製した。
非変色性インキ組成物cの調製
青色染料5.0部、N-ビニル−2−ピロリドンオリゴマー10.0部、防黴剤0.3部、潤滑剤0.5部、トリエタノールアミン1.0部、水82.7部からなる非変色性インキcを調製した。
実施例1(図4、5参照)
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップ2を接続部材3を介して固着したインキ収容管4に前記可逆熱変色性インキAを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体5を装着してボールペンレフィル1を得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂中に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下で黒色、35℃以上で無色に色変化する)を分散して成形してなる。
非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを固着したインキ収容管に前記非変色性インキaを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に黒色の樹脂成形体からなる操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
ボールペンの作製
前記各レフィルを光遮蔽性軸筒7内に収容し、軸筒側壁に設けた窓孔から突出させた操作体(レバー)のスライド操作により各レフィルの筆記先端部を選択的に出没させる複合式ボールペン6を得た。
なお、前記複合式ボールペンは、軸筒後端部にSEBS樹脂製の摩擦部材8を設けてなる。
前記複合式筆記具は一本の筆記具で黒色の熱変色性筆跡と、黒色の非変色性筆跡を形成することができ、熱変色性筆跡は摩擦部材で摩擦することにより簡単に消去できる。
前記複合式筆記具は、筆記する際、熱変色性筆跡を形成できる状態と非変色性筆跡を形成できる状態を判断する際、一旦筆記して筆跡を確認するといった手間を要することなく、レフィルの操作部の手触による色変化を確認することにより容易に見分けることができた。
実施例2
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキAを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂中に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下で黒色、35℃以上で無色に色変化する)を分散して成形してなる。
非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを固着したインキ収容管に前記非変色性インキbを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に赤色の樹脂成形体からなる操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
ボールペンの作製
前記各レフィルを光遮蔽性軸筒内に収容し、軸筒側壁に設けた窓孔から突出させた操作体(レバー)のスライド操作により各レフィルの筆記先端部を選択的に出没させる複合式ボールペンを得た。
なお、前記複合式ボールペンは、軸筒後端部にSEBS樹脂製の摩擦部材を設けてなる。
前記複合式筆記具は一本の筆記具で黒色の熱変色性筆跡と、赤色の非変色性筆跡を形成することができ、熱変色性筆跡は摩擦部材で摩擦することにより簡単に消去できる。
前記複合式筆記具は、筆記する際、熱変色性筆跡を形成できる状態と非変色性筆跡を形成できる状態を判断する際、一旦筆記して筆跡を確認するといった手間を要することなく、レフィルの操作部の手触による色変化を確認することにより容易に見分けることができた。
実施例3
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキA5を充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂中に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下で黒色、35℃以上で無色に色変化する)、白色顔料を分散して成形してなる。
非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを固着したインキ収容管に前記非変色性インキaを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に黒色の樹脂成形体からなる操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを固着したインキ収容管に前記非変色性インキbを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に赤色の樹脂成形体からなる操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを固着したインキ収容管に前記非変色性インキcを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に青色の樹脂成形体からなる操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
ボールペンの作製
前記各レフィルを光遮蔽性軸筒内に収容し、軸筒側壁に設けた窓孔から突出させた操作体(レバー)のスライド操作により各レフィルの筆記先端部を選択的に出没させる複合式ボールペンを得た。
なお、前記複合式ボールペンは、軸筒後端部にSEBS樹脂製の摩擦部材を設けてなる。
前記複合式筆記具は一本の筆記具で黒色の熱変色性筆跡と、黒色の非変色性筆跡と、赤色の非変色性筆跡と、青色の非変色性筆跡を形成することができ、熱変色性筆跡は摩擦部材で摩擦することにより簡単に消去できる。
前記複合式筆記具は、筆記する際、熱変色性筆跡を形成できる状態と非変色性筆跡を形成できる状態を判断する際、一旦筆記して筆跡を確認といった手間を要することなく、レフィルの操作部の手触による色変化を確認することにより容易に見分けることができた。
実施例4
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキAを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂中に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下で黒色、35℃以上で無色に色変化する)を分散して成形してなる。
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキBを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂中に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(35℃未満でピンク色、33℃以上で無色に色変化する)を分散して成形してなる。
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキCを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂中に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下で青色、35℃以上で無色に色変化する)を分散して成形してなる。
ボールペンの作製
前記各レフィルを光遮蔽性軸筒内に収容し、軸筒側壁に設けた窓孔から突出させた操作体(レバー)のスライド操作により各レフィルの筆記先端部を選択的に出没させる複合式ボールペンを得た。
なお、前記複合式ボールペンは、軸筒後端部にSEBS樹脂製の摩擦部材を設けてなる。
前記複合式筆記具は一本の筆記具で黒色の熱変色性筆跡と、ピンク色の変色性筆跡と、青色の変色性筆跡を形成することができ、熱変色性筆跡は摩擦部材で摩擦することにより簡単に消去できる。
前記複合式ボールペンは、異なる熱変色性筆跡が形成できることをレフィルの操作部の手触による色変化を確認することにより容易に見分けることができた。
実施例5
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキAを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂中に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下で黒色、35℃以上で無色に色変化する)を分散して成形してなる。
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキBを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂中に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下でピンク色、35℃以上で無色に色変化する)を分散して成形してなる。
非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを固着したインキ収容管に前記非変色性インキaを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に黒色の樹脂成形体からなる操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
ボールペンの作製
前記各レフィルを光遮蔽性軸筒内に収容し、軸筒側壁に設けた窓孔から突出させた操作体(レバー)のスライド操作により各レフィルの筆記先端部を選択的に出没させる複合式ボールペンを得た。
なお、前記複合式ボールペンは、軸筒後端部にSEBS樹脂製の摩擦部材を設けてなる。
前記複合式筆記具は一本の筆記具で黒色の熱変色性筆跡と、ピンク色の熱変色性筆跡と、黒色の非変色性筆跡を形成することができ、熱変色性筆跡は摩擦部材で摩擦することにより簡単に消去できる。
前記複合式筆記具は、筆記する際、熱変色性筆跡を形成できる状態と非変色性筆跡を形成できる状態を判断する際、一旦筆記して筆跡を確認するといった手間を要することなく、レフィルの操作部の手触による色変化を確認することにより容易に見分けることができた。
実施例6
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキAを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂からなる操作体表面に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下で黒色、35℃以上で無色に色変化する)を含む塗料を用いて可逆熱変色層を設けて形成される。
非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを固着したインキ収容管に前記非変色性インキaを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に黒色の樹脂成形体からなる操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
ボールペンの作製
前記各レフィルを光遮蔽性軸筒内に収容し、軸筒側壁に設けた窓孔から突出させた操作体(レバー)のスライド操作により各レフィルの筆記先端部を選択的に出没させる複合式ボールペンを得た。
なお、前記複合式ボールペンは、軸筒後端部にSEBS樹脂製の摩擦部材を設けてなる。
前記複合式筆記具は一本の筆記具で黒色の熱変色性筆跡と、黒色の非変色性筆跡を形成することができ、熱変色性筆跡は摩擦部材で摩擦することにより簡単に消去できる。
前記複合式筆記具は、筆記する際、熱変色性筆跡を形成できる状態と非変色性筆跡を形成できる状態を判断する際、一旦筆記して筆跡を確認するといった手間を要することなく、レフィルの操作部の手触による色変化を確認することにより容易に見分けることができた。
実施例7
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキAを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂からなる操作体表面に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下で黒色、35℃以上で無色に色変化する)を含む塗料を用いて可逆熱変色層(円形の可逆熱変色像)を設けて形成される。
可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを接続部材を介して固着したインキ収容管に前記可逆熱変色性インキBを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に可逆熱変色性操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
なお、前記可逆熱変色性操作体はポリアセタール樹脂からなる操作体表面に可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(33℃以下でピンク色、35℃以上で無色に色変化する)を含む塗料を用いて可逆熱変色層(円形の可逆熱変色像)を設けて形成される。
非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの作製
金属を切削加工して形成したボール抱持部にボールを抱持したボールペンチップを固着したインキ収容管に前記非変色性インキaを充填し、次いで、ポリブテンを主成分とするインキ追従体を充填し、インキ収容管の後端部に黒色の樹脂成形体からなる操作体を装着してボールペンレフィルを得た。
ボールペンの作製
前記各レフィルを光遮蔽性軸筒内に収容し、軸筒側壁に設けた窓孔から突出させた操作体(レバー)のスライド操作により各レフィルの筆記先端部を選択的に出没させる複合式ボールペンを得た。
なお、前記複合式ボールペンは、軸筒後端部にSEBS樹脂製の摩擦部材を設けてなる。
前記複合式筆記具は一本の筆記具で黒色の熱変色性筆跡と、ピンク色の熱変色性筆跡と、黒色の非変色性筆跡を形成することができ、熱変色性筆跡は摩擦部材で摩擦することにより簡単に消去できる。
前記複合式筆記具は、筆記する際、熱変色性筆跡を形成できる状態と非変色性筆跡を形成できる状態を判断する際、一旦筆記して筆跡を確認するといった手間を要することなく、レフィルの操作部の手触による色変化を確認することにより容易に見分けることができた。
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 ボールペンレフィル
2 ボールペンチップ
3 接続部材
4 インキ収容管
5 可逆熱変色性操作体
6 ボールペン
7 軸筒
8 摩擦部材

Claims (9)

  1. 可逆熱変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルの後端に、可逆熱変色性操作体を連結してなり、軸筒内に取り外し可能且つ挿入可能であり、挿入した状態で前記可逆熱変色性操作体を操作することにより軸筒の先端開口部から筆記先端部を出没させるボールペンレフィル。
  2. 前記可逆熱変色性操作体が樹脂中に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を分散して成形した可逆熱変色性操作体である請求項1記載のボールペンレフィル。
  3. 前記可逆熱変色性操作体が樹脂中に前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料及び非熱変色性着色剤を分散して成形した可逆熱変色性操作体である請求項2記載のボールペンレフィル。
  4. 前記可逆熱変色性操作体が樹脂製操作体表面に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含む可逆熱変色層を設けた可逆熱変色性操作体である請求項1記載のボールペンレフィル。
  5. 前記可逆熱変色性操作体が樹脂製操作体表面に前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料及び非熱変色性着色剤を含む可逆熱変色層を設けた可逆熱変色性操作体である請求項4記載のボールペンレフィル。
  6. 前記可逆熱変色性操作体が呈するいずれかの色がインキ収容管内のインキ組成物と同色である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のボールペンレフィル。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のボールペンレフィルを軸筒内に単数本又は複数本収容したボールペン。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のボールペンレフィルを単数本又は複数本と、非変色性インキ組成物を収容したボールペンレフィルを軸筒内に単数本又は複数本収容したボールペン。
  9. 摩擦部材を備えてなる請求項7又は8記載のボールペン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016101703A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具レフィル及びそれを収容した筆記具

Cited By (1)

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JP2016101703A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具レフィル及びそれを収容した筆記具

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