JP2013038959A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷の最大電力量に対して少ない数の蓄電素子で構成された運転継続性の高い蓄電装置を提供することにある。
【解決手段】発電機12による電力をPWMコンバータ13及びPWMインバータ14を介して電動機15に供給する車両10における、PWMコンバータ13及びPWMインバータ14の直流側にDC/DCコンバータ11を介して接続された蓄電装置1であって、並列接続された蓄電素子列L1〜L4を備え、蓄電素子列L1〜L4を構成するセルE11〜E43の状態情報DT1〜DT4を検出して、劣化状態を判断し、蓄電素子列L1〜L4を、劣化状態に基づいて、主蓄電素子列と予備蓄電素子列に割り当てて、各蓄電素子列L1〜L4の接続又は切り離しをする。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、電気車両に適用される蓄電装置に関する。
近年、車両における回生エネルギーの有効利用又は電気鉄道の非架線区域での走行などを目的として大容量の蓄電装置の適用が進められている。
そこで、蓄電装置の大容量化のために、想定される負荷の最大電力量を授受するために必要な数の蓄電素子を直列及び並列に接続する蓄電装置が知られている。
特開2009−33936号公報
しかしながら、負荷の最大電力量に対して必要最小限の数の蓄電素子で蓄電装置を構成すると、いずれかの蓄電素子に異常などが発生した場合、運転を継続することが困難になる。これに対して、負荷の最大電力量に対して十分余裕のある数の蓄電素子で蓄電装置を構成すると、蓄電装置が大型化し、蓄電装置に掛かるコストが増加する。
そこで、本発明の実施形態の目的は、負荷の最大電力量に対して少ない数の蓄電素子で構成された運転継続性の高い蓄電装置を提供することにある。
本発明の実施形態に従った蓄電装置は、発電機から出力された交流電力がコンバータにより直流電力に変換され、前記コンバータにより変換された直流電力がインバータにより電動機を駆動するための交流電力に変換されるシステムにおける、直流電力を制御する直流/直流コンバータを介して前記コンバータ及び前記インバータの直流側に接続された蓄電装置であって、充電及び放電する蓄電素子で構成され、並列に接続された複数の蓄電手段と、前記複数の蓄電手段のそれぞれに設けられ、前記蓄電素子の状態に関する情報を含む蓄電素子情報を検出する複数の蓄電素子情報検出手段と、前記複数の蓄電素子情報検出手段により検出された前記蓄電素子情報に基づいて、前記複数の蓄電手段のそれぞれの劣化状態を判断する劣化状態判断手段と、前記劣化状態判断手段により判断された前記複数の蓄電手段のそれぞれの劣化状態に基づいて、前記複数の蓄電手段を、常時使用する常時用蓄電手段と予備として使用する予備用蓄電手段に割り当てる割当手段と、前記複数の蓄電手段を個別に前記直流/直流コンバータと接続又は切り離しをするための複数のスイッチと、前記割当手段による前記複数の蓄電手段の割り当てに基づいて、前記複数のスイッチを制御するスイッチ制御手段とを備えている。
本発明の第1の実施形態に係る蓄電装置の適用された車両の構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る運転開始制御手順による蓄電装置の制御動作を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置の制御動作を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置の動作を示すグラフ図。 本発明の第3の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置の制御動作を示すフローチャート。 第3の実施形態に係る蓄電装置の温度と合成内部抵抗との関係を示すグラフ図。 本発明の第4の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置の制御動作を示すフローチャート。 第4の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置全体の充電電流を示すグラフ図。 第4の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置の各蓄電素子列の充電電流を示すグラフ図。 第4の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置全体の放電電流を示すグラフ図。 第4の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置の各蓄電素子列の充電電流を示すグラフ図。 本発明の第5の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置の制御動作を示すフローチャート。 第5の実施形態に係る運転制御手順による蓄電装置に供給される電力を示すグラフ図。 第5の実施形態に係る運転制御手順による各蓄電素子列の電圧を示すグラフ図。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓄電装置1の適用された車両10の構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
車両10は、電動機15の駆動により走行するシステムである。車両10は、例えば電気鉄道車両である。
車両10は、蓄電装置1と、DC(direct current)/DCコンバータ11と、発電機12と、PWM(pulse width modulation)コンバータ13と、PWMインバータ14と、電動機15と、フィルタコンデンサ16とを備えている。
発電機12は、電動機15を駆動する電力を供給するために、三相交流電力を発電する。発電機12は、発電した三相交流電力をPWMコンバータ13に供給する。発電機12は、交流電力を供給するものであれば、それ自体が発電するものでなくてもよい。例えば、発電機12は、直流電力を交流電力に変換するインバータ又は電気鉄道における交流架線などでもよい。
PWMコンバータ13は、発電機12から供給された三相交流電力を直流電力に変換する。PWMコンバータ13は、変換した直流電力をPWMインバータ14に供給する。PWMコンバータ13の直流側は、PWMインバータ14の直流側と直流リンクで接続されている。
PWMインバータ14は、PWMコンバータ13から供給された直流電力を電動機15を駆動するための三相交流電力に変換する。PWMインバータ14は、変換した三相交流電力を電動機15に供給する。また、PWMインバータ14は、電動機15から発生した回生電力を直流電力に変換する。PWMインバータ14は、変換した直流電力を直流リンクに供給する。
電動機15は、車両10を走行させるための動力源である。力行時は、電動機15は、PWMインバータ14から供給される交流電力により駆動する。回生時は、電動機15は、発生させた回生電力をPWMインバータ14に供給する。
フィルタコンデンサ16は、直流リンクに印加されている直流電圧に重畳するノイズを除去する。
DC/DCコンバータ11は、蓄電装置1と直流リンクとの間に設けられている。DC/DCコンバータ11は、直流リンクに印加される直流電力の制御、直流リンクと蓄電装置1との電力の授受、及び蓄電装置1の充放電制御を行う。
蓄電装置1は、車両10に搭載される。蓄電装置1は、電動機15からPWMインバータ14とDC/DCコンバータ11を順次に介して供給される回生電力を蓄電する。蓄電装置1は、放電した電力をDC/DCコンバータ11とPWMインバータ14を順次に介して、電動機15に供給する。
蓄電装置1は、4つの蓄電素子列L1〜L4と、4つのセル状態情報検出器D1〜D4と、4つのスイッチSW1〜SW4と、蓄電素子状態検出部2と、蓄電素子列制御部3と、スイッチ制御装置4とを備えている。
4つの蓄電素子列L1〜L4は、蓄電装置1の蓄電する部分である。第1の蓄電素子列L1は、3つのセルE11,E12,E13が直列に接続された構成である。第2の蓄電素子列L2は、3つのセルE21,E22,E23が直列に接続された構成である。第3の蓄電素子列L3は、3つのセルE31,E32,E33が直列に接続された構成である。第4の蓄電素子列L4は、3つのセルE41,E42,E43が直列に接続された構成である。セルE11〜E43は、蓄電素子である。セルE11〜E43は、例えばリチウムイオン電池などの2次電池である。
スイッチSW1〜SW4は、それぞれ蓄電素子列L1〜L4と直列に接続されている。4つの直列に接続されたスイッチSW1〜SW4と蓄電素子列L1〜L4は、DC/DCコンバータ11に並列に接続されている。これにより、各スイッチSW1〜SW4を個別に開閉させることにより、各蓄電素子列L1〜L4をDC/DCコンバータ11と個別に接続及び切り離しをすることができる。
セル状態情報検出器D1〜D4は、それぞれ蓄電素子列L1〜L4に設けられている。セル状態情報検出器D1〜D4は、自身が設けられているそれぞれ蓄電素子列L1〜L4の状態情報DT1,DT2,DT3,DT4を検出する。状態情報DT1〜DT4には、各セルE11〜E43の温度、電流、電圧、異常又は正常を示すセル状態、及びその他のセルE11〜E43の状態を把握するための情報が含まれている。異常を示すセル状態とは、例えば、通信異常又は各種電気量の検出異常などである。セル状態情報検出器D1〜D4は、検出した状態情報DT1〜DT4を蓄電素子状態検出部2に出力する。
蓄電素子列制御部3は、セル状態情報検出器D1〜D4から受信した各状態情報DT1〜DT4に基づいて、各蓄電素子列L1〜L4の運用を判断するための演算処理をする。蓄電素子列制御部3は、演算処理結果に基づいて、各スイッチSW1〜SW4の接続又は切り離しを判断する。蓄電素子列制御部3は、判断した各スイッチSW1〜SW4の制御についての情報をスイッチ制御装置4に出力する。
スイッチ制御装置4は、蓄電素子列制御部3による判断結果に基づいて、各スイッチSW1〜SW4をそれぞれ開閉するための制御指令IS1,IS2,IS3,IS4を生成する。スイッチ制御装置4は、生成した制御指令IS1〜IS4を各スイッチSW1〜SW4に出力する。
図2は、本実施形態に係る運転開始制御手順PR1による蓄電装置1の制御動作を示すフローチャートである。
図2を参照して、運転開始制御手順PR1による蓄電装置1の運転開始までの制御動作について説明する。
蓄電装置1は、起動指令を受信することにより、運転開始制御手順PR1を開始する(ステップS1010)。起動指令は、例えば上位制御装置から受信する。
蓄電素子列制御部3は、起動指令を受信後、セル状態情報検出器D1〜D4から受信する状態情報DT1〜DT4に基づいて、各蓄電素子列L1〜L4の劣化状態を判断する(ステップS1020)。ここで、蓄電素子列L1〜L4の劣化状態とは、その蓄電素子列L1〜L4を構成するセルE11〜E43の中で最も劣化したセルE11〜E43の状態とする。
次に、蓄電素子列L1〜L4の劣化状態の判断方法について説明する。
セルE11〜E43の内部抵抗は、劣化が進むに従って高くなる。従って、セルE11〜E43の劣化状態は、内部抵抗を測定することで、判断することができる。
セルE11〜E43の内部抵抗は、蓄電素子列L1〜L4の状態情報DT1〜DT4に含まれる各セルの電圧及び電流に基づいて演算する。
ここで、セルE11〜E43の内部抵抗は、温度が高いほど低くなる。蓄電素子列制御部3には、基準温度でのセルE11〜E43の内部抵抗と劣化状態との相関関係を示すデータ、及び温度と内部抵抗との相関関係を示すデータが格納されている。これらの相関関係を示すデータは、表又は演算式などである。
蓄電素子列制御部3は、温度と内部抵抗との相関関係を示すデータを用いて、現在の温度及び演算した内部抵抗に基づいて、基準温度での内部抵抗を演算する。蓄電素子列制御部3は、基準温度でのセルE11〜E43の内部抵抗と劣化状態との相関関係を示すデータを用いて、演算した基準温度での内部抵抗に基づいて、セルE11〜E43の劣化状態を判断する。
蓄電素子列制御部3は、このようにして、全てのセルE11〜E43の劣化状態を判断することで、各蓄電素子列L1〜L4の劣化状態を判断する。
蓄電素子列制御部3は、判断した各蓄電素子列L1〜L4の劣化状態に基づいて、各蓄電素子列L1〜L4に、使用する優先順位を決定する(ステップS1030)。この優先順位は、劣化が進んでいない蓄電素子列L1〜L4ほど、順位が高くなるように決定する。これにより、劣化が進んでいない蓄電素子列L1〜L4ほど優先的に使用される。
蓄電素子列制御部3は、各蓄電素子列L1〜L4の劣化状態の判断後、各蓄電素子列L1〜L4の劣化状態が許容範囲内にあるか否かを判断する(ステップS1040)。
蓄電素子列制御部3は、全ての蓄電素子列L1〜L4の劣化状態が許容範囲内にあると判断した場合、主蓄電素子列の並列数と予備蓄電素子列の並列数を予め設定されている初期値に決定する(ステップS1040のYes、ステップS1050)。
ここで、主蓄電素子列とは、DC/DCコンバータ11に常時接続され、常時使用可能な状態にある蓄電素子列である。予備蓄電素子列とは、DC/DCコンバータ11から切り離され、通常時は使用しない状態にある蓄電素子列である。予備蓄電素子列には、正常な蓄電素子列と異常な蓄電素子列がある。正常な予備蓄電素子列は、非常時に必要に応じてDC/DCコンバータ11に接続され、使用可能な状態になる。また、正常な予備蓄電素子列は、将来、主蓄電素子列になる可能性もある。一方、異常な蓄電素子列は、DC/DCコンバータ11と接続できないようになっている。
主蓄電素子列の並列数の初期値は、蓄電素子列L1〜L4の劣化が許容範囲内にある状態で、負荷の想定される最大電力の授受が可能である最小限の並列数が設定されている。予備蓄電素子列の並列数の初期値は、全ての蓄電素子列L1〜L4の並列数から主蓄電素子列の並列数の上述した初期値を引いた数が設定されている。ここでは、初期値は、主蓄電素子列を3列、予備蓄電素子列を1列に設定している。
蓄電素子列制御部3は、少なくとも1つの蓄電素子列L1〜L4の劣化状態が許容範囲内にないと判断した場合、全ての使用可能な蓄電素子列L1〜L4で、負荷の想定される最大電力の授受ができるか否かを判断する(ステップS1040のNo、ステップS1060)。使用可能な蓄電素子列でないものとしては、既に以前の運転で異常と判断されている蓄電素子列又は接続を禁止している蓄電素子列などである。
蓄電素子列制御部3は、全ての蓄電素子列L1〜L4で、負荷の想定される最大電力の授受ができないと判断した場合、蓄電装置1の運転を中止する(ステップS1060のNo、ステップS1070)。
蓄電素子列制御部3は、全ての蓄電素子列L1〜L4で、負荷の想定される最大電力の授受ができると判断した場合、主蓄電素子列の並列数と予備蓄電素子列の並列数を決定する(ステップS1060のYes、ステップS1080)。
例えば、蓄電素子列制御部3は、次のように、主蓄電素子列の並列数と予備蓄電素子列の並列数を決定する。
まず、蓄電素子列制御部3は、負荷の想定される最大電力の授受が可能である最小限の並列数を決定する。“負荷の想定される最大電力の授受が可能である最小限の並列数“は、次のように決定する。
蓄電素子列制御部3は、全ての蓄電素子列L1〜L4について、劣化状態を考慮した蓄電容量を演算する。蓄電素子列L1〜L4の劣化状態を考慮した蓄電容量とは、自己を構成する全てのセルE11〜E43の劣化状態を考慮した蓄電容量の総和である。
蓄電素子列制御部3は、この演算結果に基づいて、蓄電素子列L1〜L4の蓄電容量が高い順(通常は、優先順位が高い順)に、負荷の想定される最大電力を超えるまで、この蓄電容量を加算し続ける。このように加算された蓄電容量が負荷の想定される最大電力を超えた時点の蓄電容量を加算した蓄電素子列L1〜L4の数が、”負荷の想定される最大電力の授受が可能である最小限の並列数“である。
蓄電素子列制御部3は、演算した”負荷の想定される最大電力の授受が可能である最小限の並列数“を、主蓄電素子列の並列数に決定する。蓄電素子列制御部3は、全ての蓄電素子列L1〜L4の並列数から主蓄電素子列の並列数を引いた数を、予備蓄電素子列の並列数に決定する。
蓄電素子列制御部3は、主蓄電素子列の並列数及び予備蓄電素子列の並列数を決定した後(ステップS1050又はステップS1080)、それぞれの並列数に合せて、全ての蓄電素子列L1〜L4を主蓄電素子列又は予備蓄電素子列に割り当てる(ステップS1090)。蓄電素子列制御部3は、主蓄電素子列及び予備蓄電素子列の割り当てに従って、各蓄電素子列L1〜L4の接続又は切り離しを判断する。蓄電素子列制御部3は、この判断結果を情報として、スイッチ制御装置4に送信する。
スイッチ制御装置4は、蓄電素子列制御部3による判断結果に従って、各蓄電素子列L1〜L4の接続又は切り離しをするための制御指令IS1〜IS4を各スイッチSW1〜SW4に出力する(ステップS1100)。これにより、主蓄電素子列に割り当てられた蓄電素子列L1〜L4は接続され、予備蓄電素子列に割り当てられた蓄電素子列L1〜L4は切り離される。ここで、主蓄電素子列及び予備蓄電素子列の割り当てに変更がなければ、スイッチ制御装置4は、制御指令IS1〜IS4を各スイッチSW1〜SW4に出力しなくてもよい。
蓄電装置1は、各蓄電素子列L1〜L4の接続又は切り離しを完了後、運転を開始する(ステップS1110)。
本実施形態によれば、なるべく少ない並列数の蓄電素子列L1〜L4で、蓄電装置1を運転することができる。これにより、予備蓄電素子列を確保するように運転するため、主蓄電素子列に異常などが発生して使用が出来なくなった場合でも、予備蓄電素子列に切り替えられる可能性を高くすることができる。従って、蓄電装置1の運転継続性を高く保つことができる。
また、セルE11〜E43の劣化が進行し、初期の主蓄電素子列の並列数で蓄電装置1を運転できない場合でも、主蓄電素子列の並列数を増加させることで、蓄電装置1を運転することができる。これにより、セルE11〜E43の劣化による使用の限界を延ばすことができる。従って、蓄電装置1の寿命を延ばすことができる。
さらに、セルE11〜E43の劣化が進行していない蓄電素子列L1〜L4を優先的に使用することで、蓄電素子列L1〜L4間での劣化の不均衡を低減することができる。これにより、蓄電装置1の寿命を延ばすことができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る運転制御手順PR2による蓄電装置1の制御動作を示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係る運転制御手順PR2による蓄電装置1の動作を示すグラフ図である。
本実施形態に係る蓄電装置1は、図2に示す第1の実施形態に係る運転開始制御手順PR1に、ステップS2010〜ステップS2070を追加した運転制御手順PR2により動作する。その他の点は、本実施形態に係る蓄電装置1は、第1の実施形態と同様である。従って、本実施形態に係る蓄電装置1のハードウェア構成についても、図1に示す第1の実施形態に係る蓄電装置1と同様である。
運転開始制御手順PR1については、第1の実施形態と同様である。
運転開始制御手順PR1による運転開始後、蓄電素子列制御部3は、セル状態情報検出器D1〜D4から受信する状態情報DT1〜DT4に基づいて、各蓄電素子列L1〜L4の運転状態ST1〜ST4を判断する(ステップS2010)。
蓄電素子列制御部3は、判断した各蓄電素子列L1〜L4の運転状態ST1〜ST4が正常か異常かを判断する(ステップS2020)。異常とは、例えば、過発熱、過電圧、過電流、通信異常、又は検出異常などである。
蓄電素子列制御部3は、全ての蓄電素子列L1〜L4の運転状態ST1〜ST4が正常であると判断した場合、現状の状態で運転を継続する(ステップS2020のYes、ステップS2070)。
蓄電素子列制御部3は、少なくとも1つの蓄電素子列L1〜L4の運転状態ST1〜ST4が異常であると判断した場合、正常な蓄電素子列L1〜L4の数が主蓄電素子列の並列数以上あるか否かを判断する(ステップS2020のNo、ステップS2030)。
蓄電素子列制御部3は、正常な蓄電素子列L1〜L4の数が主蓄電素子列の並列数よりも少ない場合、蓄電装置1の運転を中止する(ステップS2030のNo、ステップS2040)。なお、劣化状態を考慮した全ての正常な蓄電素子列L1〜L4で、負荷の想定される最大電力の授受ができないと判断した場合も、蓄電装置1の運転を中止する。
蓄電素子列制御部3は、正常な蓄電素子列L1〜L4の数が主蓄電素子列の並列数以上である場合、全ての蓄電素子列L1〜L4を主蓄電素子列又は予備蓄電素子列に割り当てる(ステップS2030のYes、ステップS2050)。
例えば、主蓄電素子列の中に、異常な蓄電素子列L1〜L4がある場合、蓄電素子列制御部3は、この異常な蓄電素子列L1〜L4を予備蓄電素子列に割り当て、正常な予備蓄電素子列の中で最も劣化の進んでいない蓄電素子列L1〜L4を主蓄電素子列に割り当てる。蓄電素子列制御部3は、異常と判断した蓄電素子列L1〜L4については、以後の接続を禁止する処理をする。蓄電素子列制御部3は、主蓄電素子列及び予備蓄電素子列の割り当てに従って、各蓄電素子列L1〜L4の接続又は切り離しを判断する。蓄電素子列制御部3は、この判断結果を情報として、スイッチ制御装置4に送信する。
スイッチ制御装置4は、蓄電素子列制御部3による判断結果に従って、各蓄電素子列L1〜L4の接続又は切り離しをするための制御指令IS1〜IS4を各スイッチSW1〜SW4に出力する(ステップS2060)。本ステップについては、第1の実施形態に係るステップS1100と同様である。
蓄電装置1は、各蓄電素子列L1〜L4の接続又は切り離しを完了後、運転を継続する(ステップS2070)。
蓄電装置1は、運転している間、上述のステップS2010からステップS2070の処理を繰り返し行う。
図4を参照して、運転制御手順PR2による蓄電装置1の動作について説明する。
運転開始直後の時刻t0では、第1の蓄電素子列L1から第3の蓄電素子列L3は主蓄電素子列であり、第4の蓄電素子列L4は予備蓄電素子列である。また、全ての蓄電素子列L1〜L4の運転状態ST1〜ST4は正常である。
時刻t1で、主蓄電素子列である第1の蓄電素子列L1の運転状態ST1が異常になる。ここで、正常な予備蓄電素子列に第4の蓄電素子列L4がある。従って、蓄電装置1は、第1の蓄電素子列L1を切り離し、第4の蓄電素子列L4を主蓄電素子列として接続する。また、蓄電装置1は、第1の蓄電素子列L1の再接続を禁止する処理を行う。
時刻t1以降では、蓄電装置1は、第2の蓄電素子列L2から第4の蓄電素子列L4で運転を継続する。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
運転制御手順PR2により、蓄電装置1は、主蓄電素子列に異常が発生した場合でも、正常な予備蓄電素子列を、異常が発生した主蓄電素子列と切り替えることで、運転を継続することができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る運転制御手順PR3による蓄電装置1の制御動作を示すフローチャートである。
本実施形態に係る蓄電装置1は、図2に示す第1の実施形態に係る運転開始制御手順PR1に、ステップS3010〜ステップS3050を追加した運転制御手順PR3により動作する。その他の点は、本実施形態に係る蓄電装置1は、第1の実施形態と同様である。従って、本実施形態に係る蓄電装置1のハードウェア構成についても、図1に示す第1の実施形態に係る蓄電装置1と同様である。
運転開始制御手順PR1については、第1の実施形態と同様である。
運転開始直後は、第1の蓄電素子列L1から第3の蓄電素子列L3が主蓄電素子列であり、第4の蓄電素子列L4が予備蓄電素子列であるものとする。
運転開始制御手順PR1による運転開始後、蓄電素子列制御部3は、セル状態情報検出器D1〜D3から受信する状態情報DT1〜DT3に基づいて、各主蓄電素子列L1〜L3の温度を検出する(ステップS3010)。ここで、主蓄電素子列L1〜L3の温度は、それぞれを構成するセルE11〜E43の中で最も高い温度とする。
蓄電素子列制御部3は、検出した全ての主蓄電素子列L1〜L3の温度が予め設定された基準温度Tth以上か否かを判断する(ステップS3020)。
蓄電素子列制御部3は、少なくとも1つの主蓄電素子列L1〜L3の温度が予め設定された基準温度Tth未満の場合、低温時運転に切り替える。既に、蓄電装置1が低温時運転をしている場合は、蓄電装置1はそのまま低温時運転を継続する(ステップS3020のNo、ステップS3030)。低温時運転にするために、蓄電素子列制御部3は、予備蓄電素子列L4を一時的に接続する制御をする。スイッチ制御装置4は、スイッチSW4に接続するための指令IS4を出力する。これにより、蓄電装置1は、低温時運転に切り替わる。蓄電装置1は、低温時運転に切り替えた後、運転を継続する(ステップS3050)。
ここで、低温時運転とは、正常な予備蓄電素子列の全て又は一部を一時的に接続して運転する方式である。予備蓄電素子列の一部を一時的に接続する場合は、主蓄電素子列L1〜L3の温度に応じて予備蓄電素子列を接続する数を決定してもよいし、主蓄電素子列L1〜L3の内部抵抗に応じて予備蓄電素子列を接続する数を決定してもよい。
蓄電素子列制御部3は、全ての主蓄電素子列L1〜L3の温度が予め設定された基準温度Tth以上の場合、定常運転をする(ステップS3020のYes、ステップS3040)。
ここで、定常運転とは、主蓄電素子列L1〜L3のみを接続して運転する方式である。運転開始直後は、蓄電装置1は原則として定常運転をする。既に、蓄電装置1が定常運転をしている場合は、蓄電装置1はそのまま定常運転を継続する(ステップS3050)。蓄電装置1が低温時運転をしている場合は、定常運転に切り替える。定常運転への切り替えは、一時的に接続している予備蓄電素子列を切り離すことで完了する。定常運転への切り替え後、蓄電装置1は運転を継続する(ステップS3050)。
蓄電装置1は、運転している間、上述のステップS3010からステップS3050の処理を繰り返し行う。
図6は、本実施形態に係る蓄電装置1の温度と合成内部抵抗との関係を示すグラフ図である。実線のグラフGsは、運転制御手順PR3による蓄電装置1の温度と合成内部抵抗の関係を示している。縦軸は、抵抗を示している。横軸は、温度を示している。
点線のグラフGs3は、3並列に接続された蓄電素子列L1〜L3の温度と合成内部抵抗の関係を示している。点線のグラフGs4は、4並列に接続された蓄電素子列L1〜L4の温度と合成内部抵抗の関係を示している。
ここで、蓄電装置1の温度とは、並列に接続されている蓄電素子列L1〜L4を構成するセルE11〜E43の中で最も高い温度とする。
蓄電装置1の温度が基準温度Tth以上であれば、蓄電装置1は、3並列に接続された主蓄電素子列L1〜L3で運転を行う(定常運転)。蓄電装置1の温度が基準温度Tth未満であれば、蓄電装置1は、4並列に接続された主蓄電素子列L1〜L3及び予備蓄電素子列L4で運転を行う(低温時運転)。
図6に示すように、合成内部抵抗は温度に関係なく、4並列に接続された蓄電素子列L1〜L4の方が3並列に接続された蓄電素子列L1〜L3よりも低い。
セルE11〜E43として、リチウムイオン電池のような二次電池を用いた場合、低温時では、蓄電装置1の合成内部抵抗(並列接続されている蓄電素子列を構成する全てのセルの内部抵抗を合成した抵抗)が増加する。そこで、蓄電装置1は、合成内部抵抗が高くなる温度が低い領域では、主蓄電素子列L1〜L3に予備蓄電素子列L4を追加接続する。このように、蓄電装置1は、使用する蓄電素子列の並列数を増やして運転することで、合成内部抵抗を減少させる。
本実形態によれば、第1の実施形態の作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
運転制御手順PR3により、低温時に蓄電装置1の合成内部抵抗が高くなる場合でも、一時的に、蓄電素子列の並列数を増加させることで、合成内部抵抗を低くすることができる。これにより、低温時の蓄電装置1の合成内部抵抗による損失を軽減することができる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る運転制御手順PR4による蓄電装置1の制御動作を示すフローチャートである。
本実施形態に係る蓄電装置1は、図2に示す第1の実施形態に係る運転開始制御手順PR1に、ステップS4010〜ステップS4090を追加した運転制御手順PR4により動作する。その他の点は、本実施形態に係る蓄電装置1は、第1の実施形態と同様である。従って、本実施形態に係る蓄電装置1のハードウェア構成についても、図1に示す第1の実施形態に係る蓄電装置1と同様である。
運転開始制御手順PR1については、第1の実施形態と同様である。
運転開始直後は、第1の蓄電素子列L1から第3の蓄電素子列L3が主蓄電素子列であり、第4の蓄電素子列L4が予備蓄電素子列であるものとする。
運転開始制御手順PR1による運転開始後、蓄電素子列制御部3は、セル状態情報検出器D1〜D3から受信する状態情報DT1〜DT3に基づいて、各主蓄電素子列L1〜L3の電流を検出する(ステップS4010)。
蓄電素子列制御部3は、検出した全ての主蓄電素子列L1〜L3の電流が予め設定された上限電流以下か否かを判断する(ステップS4020)。この上限電流は、放電電流と充電電流で異なる電流値としてもよい。
蓄電素子列制御部3は、全ての主蓄電素子列L1〜L3の電流が予め設定された上限電流以下の場合、蓄電装置1は、現状の状態のまま運転を継続する(ステップS4020のNo、ステップS4070)。
蓄電素子列制御部3は、少なくとも1つの主蓄電素子列L1〜L3の電流が予め設定された上限電流を超えた場合、使用可能な予備蓄電素子列L4があるか否かを判断する(ステップS4020のYes、ステップS4030)。
蓄電素子列制御部3は、使用可能な予備蓄電素子列L4があると判断した場合、この予備蓄電素子列L4を一時的に使用する割り当てをする(ステップS4030のYes、ステップS4040)。スイッチ制御装置4は、蓄電素子列制御部3の割り当てに従って、スイッチSW4に接続するための指令IS4を出力する(ステップS4050)。蓄電装置1は、予備蓄電素子列L4を接続した後、運転を継続する(ステップS4070)。
蓄電素子列制御部3は、使用可能な予備蓄電素子列L4がないと判断した場合、DC/DCコンバータ11に授受する電力を制限するための指令を出力する(ステップS4030のNo、ステップS4060)。なお、蓄電素子列制御部3は、この電力制限するための指令を、発電機12、PWMコンバータ13、PWMインバータ14、電動機15、又はこれら(DC/DCコンバータ11を含む)を制御する制御装置などに出力してもよい。蓄電装置1は、電力制限の指令を出力した後、運転を継続する(ステップS4070)。
運転継続後、蓄電素子列制御部3は、運転方式を変更したか否かを判断する(ステップS4080)。運転方式の変更とは、電動機15が力行運転から回生運転又は回生運転から力行運転などに変更することである。また、運転方式の変更として、惰行運転への変更又は惰行運転からの変更を加えてもよい。
蓄電素子列制御部3は、運転方式を変更したと判断した場合、定常運転をする(ステップS4080のYes、ステップS4090)。
定常運転をする制御は、次のように行う。
一時的に予備蓄電素子列L4を接続していた場合(ステップS4040)、蓄電素子列制御部3は、予備蓄電素子列L4の接続を切り離す。電力制限の指令を出力していた場合(ステップS4060)、蓄電素子列制御部3は、電力制限を解除する指令を出力する。予備蓄電素子列L4の接続又は電力制限の指令の出力のいずれもしていない場合、蓄電装置1は、原則として、既に定常運転している状態である。この場合は、蓄電装置1は、そのまま定常運転を継続すればよい。
蓄電装置1は、運転している間、上述のステップS4010からステップS4090の処理を繰り返し行う。
図8及び図9を参照して、運転制御手順PR4による蓄電装置1の充電時の動作について説明する。図8は、蓄電装置1全体の充電電流Itcを示している。図9は、各蓄電素子列L1〜L4の充電電流I1c,I2c,I3c,I4cを示している。
運転開始直後の時刻t10では、第1の蓄電素子列L1から第3の蓄電素子列L3は主蓄電素子列であり、第4の蓄電素子列L4は予備蓄電素子列である。
時刻t10から電動機15の回生運転が開始される。これにより、各蓄電素子列L1〜L4の充電電流I1c〜I4cは徐々に上昇する。
時刻t11で、第1の蓄電素子列L1の充電電流I1cが充電電流の上限値Iupcに達する。従って、蓄電装置1は、予備蓄電素子列である第4の蓄電素子列L4を並列接続に追加する。これにより、各蓄電素子列L1〜L4の充電電流I1c〜I4cは、全て一時的に減少する。但し、蓄電装置1全体の充電電流Itcは変わらない。
時刻t11後も、電動機15は回生運転をしているため、各蓄電素子列L1〜L4の充電電流I1c〜I4cは再び徐々に上昇する。
時刻t12で、第1の蓄電素子列L1の充電電流I1cが、再度、充電電流の上限値Iupcに達する。ここで、第4の蓄電素子列L4は、既に並列接続されているため、他に予備蓄電素子列はない。従って、蓄電装置1は、回生電力を制限するための指令を出力する。これにより、蓄電装置1全体の充電電流Itcはこれ以上増加しない。従って、各蓄電素子列L1〜L4の充電電流I1c〜I4cもこれ以上増加しない。
時刻t13で、電動機15が回生運転から力行運転に切り替わる。これにより、蓄電装置1は、定常運転に戻すために、一時的に接続した第4の蓄電素子列L4を切り離す。この動作とともに、蓄電装置1は、回生電力の制限を解除する指令を出力する。
次に、図10及び図11を参照して、運転制御手順PR4による蓄電装置1の放電時の動作について説明する。図10は、蓄電装置1全体の放電電流Itdを示している。図11は、各蓄電素子列L1〜L4の放電電流I1d,I2d,I3d,I4dを示している。
運転開始直後の時刻t20では、第1の蓄電素子列L1から第3の蓄電素子列L3は主蓄電素子列であり、第4の蓄電素子列L4は予備蓄電素子列である。
時刻t20から電動機15の力行運転が開始される。これにより、各蓄電素子列L1〜L4の放電電流I1d〜I4dは徐々に上昇する。
時刻t21で、第1の蓄電素子列L1の放電電流I1dが放電電流の上限値Iupdに達する。従って、蓄電装置1は、予備蓄電素子列である第4の蓄電素子列L4を並列接続に追加する。これにより、各蓄電素子列L1〜L4の放電電流I1d〜I4dは、全て一時的に減少する。但し、蓄電装置1全体の放電電流Itdは変わらない。
時刻t21後も、電動機15は力行運転をしているため、各蓄電素子列L1〜L4の放電電流I1d〜I4dは再び徐々に上昇する。
時刻t22で、第1の蓄電素子列L1の放電電流I1dが、再度、放電電流の上限値Iupdに達する。ここで、第4の蓄電素子列L4は、既に並列接続されているため、他に予備蓄電素子列はない。従って、蓄電装置1は、力行電力を制限するための指令を出力する。これにより、蓄電装置1全体の放電電流Itdはこれ以上増加しない。従って、各蓄電素子列L1〜L4の放電電流I1d〜I4dもこれ以上増加しない。
時刻t23で、電動機15が力行運転から回生運転に切り替わる。これにより、蓄電装置1は、定常運転に戻すために、一時的に接続した第4の蓄電素子列L4を切り離す。この動作とともに、蓄電装置1は、力行電力の制限を解除する指令を出力する。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
運転制御手順PR4により、各蓄電素子列L1〜L4の電流が上限値に達するような場合でも、一時的に予備蓄電素子列を接続することで、各蓄電素子列L1〜L4の電流を減少させることができる。また、使用可能な予備蓄電素子列がない場合であっても、回生電力又は力行電力を制限することで、各蓄電素子列L1〜L4の電流を増加させないようにすることができる。これにより、蓄電装置1の運転継続性を高めることができる。
(第5の実施形態)
図12は、本発明の第5の実施形態に係る運転制御手順PR5による蓄電装置1の制御動作を示すフローチャートである。
本実施形態に係る蓄電装置1は、図2に示す第1の実施形態に係る運転開始制御手順PR1に、ステップS5010〜ステップS5110を追加した運転制御手順PR5により動作する。その他の点は、本実施形態に係る蓄電装置1は、第1の実施形態と同様である。従って、本実施形態に係る蓄電装置1のハードウェア構成についても、図1に示す第1の実施形態に係る蓄電装置1と同様である。
運転開始制御手順PR1については、第1の実施形態と同様である。
運転開始直後は、第1の蓄電素子列L1から第3の蓄電素子列L3が主蓄電素子列であり、第4の蓄電素子列L4が予備蓄電素子列であるものとする。
運転開始制御手順PR1による運転開始後、蓄電素子列制御部3は、電動機15が回生運転か否かを判断する(ステップS5010)。
蓄電素子列制御部3は、回生運転ではないと判断した場合、電動機15が力行運転か否かを判断する制御処理に移行する(ステップS5010のNo、ステップS5100)。
蓄電素子列制御部3は、回生運転であると判断した場合、セル状態情報検出器D1〜D3から受信する状態情報DT1〜DT3に基づいて、各主蓄電素子列L1〜L3の電圧を検出する(ステップS5020)。ここで、蓄電素子列L1〜L4の電圧とは、自身を構成するセルE11〜E43の中で、最も高いセルの電圧とする。
蓄電素子列制御部3は、検出した主蓄電素子列L1〜L3の電圧が予め設定された上限電圧を超えているか否かを判断する(ステップS5030)。
蓄電素子列制御部3は、全ての主蓄電素子列L1〜L3の電圧が予め設定された上限電圧以下の場合、蓄電装置1は、現状の状態のまま運転を継続する。(ステップS5030のNo、ステップS5090)。
蓄電素子列制御部3は、少なくとも1つの主蓄電素子列L1〜L3の電圧が予め設定された上限電圧を超えた場合、使用可能な予備蓄電素子列L4があるか否かを判断する(ステップS5030のYes、ステップS5040)。
蓄電素子列制御部3は、使用可能な予備蓄電素子列L4があると判断した場合、この予備蓄電素子列L4を一時的に使用する割り当てをする(ステップS5040のYes、ステップS5050)。これに伴い、蓄電素子列制御部3は、上限電圧を超えた主蓄電素子列L1〜L3を一時的に不使用にする割り当てをする(ステップS5060)。
スイッチ制御装置4は、蓄電素子列制御部3の割り当てに従って、スイッチSW4に予備蓄電素子列L4を接続するための指令IS4を出力する(ステップS5070)。蓄電装置1は、予備蓄電素子列L4を接続した後、運転を継続する(ステップS5090)。
蓄電素子列制御部3は、使用可能な予備蓄電素子列がないと判断した場合、DC/DCコンバータ11に回生電力を制限するための指令を出力する(ステップS5040のNo、ステップS5080)。なお、蓄電素子列制御部3は、この回生電力制限するための指令を、PWMインバータ14、電動機15、又はこれら(DC/DCコンバータ11を含む)を制御する制御装置などに出力してもよい。蓄電装置1は、回生電力を制限する指令を出力した後、運転を継続する(ステップS5090)。
運転継続後、蓄電素子列制御部3は、電動機15が力行運転か否かを判断する(ステップS5100)。
蓄電素子列制御部3は、力行運転であると判断した場合、定常運転をする(ステップS5100のYes、ステップS5110)。
定常運転をする制御は、次のように行う。
一時的に上限電圧を越えた主蓄電素子列L1〜L3の代わりに予備蓄電素子列L4を接続していた場合(ステップS5050,S5060)、蓄電素子列制御部3は、予備蓄電素子列L4の接続を切り離し、予備蓄電素子列L4の代わりに切り離していた主蓄電素子列L1〜L3を接続する。回生電力を制限する指令を出力していた場合(ステップS5080)、蓄電素子列制御部3は、回生電力の制限を解除する指令を出力する。予備蓄電素子列L4の接続又は回生電力を制限する指令の出力のいずれもしていない場合、蓄電装置1は、原則として、既に定常運転している状態である。よって、蓄電装置1は、そのまま定常運転を継続する。
蓄電装置1は、運転している間、上述のステップS5010からステップS5110の処理を繰り返し行う。
図13及び図14を参照して、運転制御手順PR5による蓄電装置1の動作について説明する。図13は、蓄電装置1全体に供給される電力Ptを示している。図14は、各蓄電素子列L1〜L4の電圧V1,V2,V3,V4を示している。
運転開始直後の時刻t30では、第1の蓄電素子列L1から第3の蓄電素子列L3は主蓄電素子列であり、第4の蓄電素子列L4は予備蓄電素子列である。また、各蓄電素子列L1〜L4の電圧V1〜V4は、電圧V1>電圧V2>電圧V3>電圧V4、を満たす関係にあるものとする。
時刻t30から電動機15の回生運転が開始される。これにより、各蓄電素子列L1〜L4の電圧V1〜V4は徐々に上昇する。
時刻t31で、第1の蓄電素子列L1の電圧V1が電圧の上限値Vupに達する。従って、蓄電装置1は、第1の蓄電素子列L1を切り離し、第1の蓄電素子列L1の代わりに予備蓄電素子列である第4の蓄電素子列L4を接続する。
時刻t31後も、電動機15は回生運転をしているため、各蓄電素子列L2〜L4の電圧V2〜V4は徐々に上昇する。
時刻t32で、第2の蓄電素子列L2の電圧V2が、電圧の上限値Vupに達する。ここで、第4の蓄電素子列L4は、既に並列接続されているため、他に予備蓄電素子列はない。従って、蓄電装置1は、回生電力を制限するための指令を出力する。これにより、回生電力Ptは無くなる。従って、各蓄電素子列L2〜L4の電圧V2〜V4はこれ以上増加しない。
時刻t33で、電動機15が力行運転を開始する。これにより、蓄電装置1は、定常運転に戻すために、一時的に接続した第4の蓄電素子列L4を切り離し、一時的に切り離した第1の蓄電素子列L1を接続する。この動作とともに、蓄電装置1は、回生電力の制限を解除する指令を出力する。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
運転制御手順PR5により、電動機15の回生運転で、主蓄電素子列L1〜L3の電圧が上限値に達するような場合でも、上限値に達した主蓄電素子列L1〜L3の代わりに一時的に予備蓄電素子列L4を接続することで、蓄電素子列L1〜L4の過充電を防止することができる。また、使用可能な予備蓄電素子列がない場合であっても、回生電力を制限することで、蓄電素子列L1〜L4の過充電を防止することができる。これにより、回生電力を効果的に充電することができる。
なお、各実施形態では、4つの蓄電素子列L1〜L4の構成について説明したが、少なくとも2つ以上あればいくつでもよい。負荷電力に応じて、蓄電素子列L1〜L4の数を適宜変更することができる。また、各蓄電素子列L1〜L4を構成するセルE11〜E43の数をそれぞれ3つとしたが、少なくとも1つ以上あればいくつでもよい。負荷電力に応じて、セルE11〜E43の数を適宜変更することができる。
また、各実施形態に係る制御手順PR1〜PR5において、これらの手順で行われる処理(ステップ又はステップにおける各種処理など)は、変更、付加又削除をしてもよい。例えば、第1の実施形態で説明した蓄電装置1の運転開始制御手順PR1では、“少なくとも1つの蓄電素子列L1〜L4の劣化状態が許容範囲内にない(ステップS1040)”と一度判断したのであれば、次回以降の運転開始制御手順では、この判定を行わなくてもよい。このように、前回以前の各種手順で判明している判定の処理は省略することができる。また、順序に関係なく行える処理については適宜順序を変更することができる。
さらに、各実施形態に係る制御手順PR1〜PR5は、全て組み合わせた1つの運転制御手順としてもよいし、任意の組合せの運転制御手順としてもよい。これにより、組み合わせた運転制御手順の全ての実施形態の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
また、各実施形態では、蓄電素子列L1〜L4の劣化状態を判断するために、基準温度でのセルE11〜E43の内部抵抗を演算したが、これに限らない。蓄電素子列制御部3に予め温度毎のセルE11〜E43の内部抵抗と劣化状態との相関関係を示すデータを格納しておくことで、基準温度でのセルE11〜E43の内部抵抗を演算しなくても、現在の温度と内部抵抗で、セルの劣化状態を判定することができる。
さらに、蓄電素子列L1〜L4の劣化状態の判断は、第1の実施形態で説明した方法に限らない。蓄電素子列L1〜L4の劣化状態の判断できるのであれば、セルの電圧、電流、及び温度以外の情報を用いてもよいし、これらの全ての情報を用いなくてもよい。
また、各実施形態において、セル状態情報検出器D1〜D4により検出される状態情報DT1〜DT4には、各セルE11〜E43の温度、電流、電圧、異常又は正常を示すセル状態、及びその他のセルE11〜E43の状態を把握するための情報が含まれるものとしたが、これらの情報のうち少なくとも1つが含まれていれば、蓄電装置1に必要のない情報は含まれていなくてもよい。また、セル状態情報検出器D1〜D4は、1つの検出器でこれら全ての情報を一度に取得する必要はなく、温度、電流、及び電圧などは、それぞれを検出するための複数の検出器が含まれていてもよい。
また、各実施形態において、蓄電装置1は、電動機の運転方式(回生運転、力行運転又は惰行運転)をどのように判断してもよい。例えば、蓄電装置1は、セル状態情報検出器D1〜D3から受信する状態情報DT1〜DT3(セルE11〜E43の電流又は電圧など)に基づいて、判断してもよいし、DC/DCコンバータ11、発電機12、PWMコンバータ13、PWMインバータ14、電動機15、又はこれらを制御する制御装置などの外部の機器から情報を取得してもよい。
さらに、第3の実施形態では、蓄電装置1の温度に基づいて、蓄電素子列の並列数を変えたが、これに限らない。蓄電素子列の並列数は、蓄電装置1の合成内部抵抗に基づいて、変更してもよいし、蓄電装置1の最も高いセルの内部抵抗に基づいて変更してもよい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…蓄電装置、2…蓄電素子状態検出部、3…蓄電素子列制御部、4…スイッチ制御装置、10…車両、11…DC/DCコンバータ、12…発電機、13…PWMコンバータ、14…PWMインバータ、15…電動機、16…フィルタコンデンサ、D1〜D4…セル状態情報検出器、DT1〜DT4…状態情報、E11〜E43…セル、IS1〜IS4…制御指令、L1〜L4…蓄電素子列、SW1〜SW4…スイッチ。

Claims (10)

  1. 発電機から出力された交流電力がコンバータにより直流電力に変換され、前記コンバータにより変換された直流電力がインバータにより電動機を駆動するための交流電力に変換されるシステムにおける、直流電力を制御する直流/直流コンバータを介して前記コンバータ及び前記インバータの直流側に接続された蓄電装置であって、
    充電及び放電する蓄電素子で構成され、並列に接続された複数の蓄電手段と、
    前記複数の蓄電手段のそれぞれに設けられ、前記蓄電素子の状態に関する情報を含む蓄電素子情報を検出する複数の蓄電素子情報検出手段と、
    前記複数の蓄電素子情報検出手段により検出された前記蓄電素子情報に基づいて、前記複数の蓄電手段のそれぞれの劣化状態を判断する劣化状態判断手段と、
    前記劣化状態判断手段により判断された前記複数の蓄電手段のそれぞれの劣化状態に基づいて、前記複数の蓄電手段を、常時使用する常時用蓄電手段と予備として使用する予備用蓄電手段に割り当てる割当手段と、
    前記複数の蓄電手段を個別に前記直流/直流コンバータと接続又は切り離しをするための複数のスイッチと、
    前記割当手段による前記複数の蓄電手段の割り当てに基づいて、前記複数のスイッチを制御するスイッチ制御手段と
    を備えたことを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記割当手段は、劣化状態の進んでいない前記蓄電手段を優先して、前記常時用蓄電手段に割り当てること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記割当手段は、前記劣化状態判断手段により判断された前記複数の蓄電手段のそれぞれの劣化状態に基づいて、前記常時用蓄電手段に割り当てる前記蓄電手段の数を決定すること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  4. 前記複数の蓄電素子情報検出手段により検出された前記蓄電素子情報に基づいて、前記複数の蓄電手段のそれぞれが異常か否かを判断する異常判断手段を備え、
    前記割当手段は、前記異常判断手段により前記蓄電手段が異常と判断された場合、前記複数の蓄電手段の割り当てを変更すること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  5. 前記複数の蓄電素子情報検出手段により検出された前記蓄電素子情報に基づいて、前記複数の蓄電手段のそれぞれの温度を測定する温度測定手段を備え、
    前記スイッチ制御手段は、前記温度測定手段により測定された前記複数の蓄電手段のそれぞれの温度のうち少なくとも1つの温度が所定温度よりも低い場合、前記割当手段により前記予備用蓄電手段に割り当てられた少なくとも1つの前記蓄電手段を前記直流/直流コンバータに接続すること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  6. 前記複数の蓄電素子情報検出手段により検出された前記蓄電素子情報に基づいて、前記複数の蓄電手段のそれぞれの電流を測定する電流測定手段を備え、
    前記スイッチ制御手段は、前記電流測定手段により測定された前記複数の蓄電手段のそれぞれの電流のうち少なくとも1つの電流が所定電流を超えている場合、前記割当手段により前記予備用蓄電手段に割り当てられた少なくとも1つの前記蓄電手段を前記直流/直流コンバータに接続すること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  7. 前記電流測定手段により測定された前記複数の蓄電手段のそれぞれの電流のうち少なくとも1つの電流が所定電流を超えており、前記割当手段により前記予備用蓄電手段に割り当てられた前記直流/直流コンバータに接続可能な前記蓄電手段がない場合、前記直流/直流コンバータと授受する電力を制限する電力制限手段と
    を備えたことを特徴とする請求項5に記載の蓄電装置。
  8. 前記複数の蓄電素子情報検出手段により検出された前記蓄電素子情報に基づいて、前記複数の蓄電手段のそれぞれの電圧を測定する電圧測定手段を備え、
    前記スイッチ制御手段は、前記電圧測定手段により測定された前記複数の蓄電手段のそれぞれの電圧のうち少なくとも1つの電圧が所定電圧を超えている場合、前記所定電圧を超えた前記蓄電手段を前記直流/直流コンバータから切り離し、前記割当手段により前記予備用蓄電手段に割り当てられた少なくとも1つの前記蓄電手段を前記直流/直流コンバータに接続すること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  9. 前記電圧測定手段により測定された前記複数の蓄電手段のそれぞれの電圧のうち少なくとも1つの電圧が所定電圧を超えており、前記割当手段により前記予備用蓄電手段に割り当てられた前記直流/直流コンバータに接続可能な前記蓄電手段がない場合、前記直流/直流コンバータから供給される電力を制限する電力制限手段と
    を備えたことを特徴とする請求項7に記載の蓄電装置。
  10. 発電機から出力された交流電力がコンバータにより直流電力に変換され、前記コンバータにより変換された直流電力がインバータにより電動機を駆動するための交流電力に変換されるシステムにおける、充電及び放電する蓄電素子で構成され並列に接続された複数の蓄電器を備え、直流電力を制御する直流/直流コンバータを介して前記コンバータ及び前記インバータの直流側に接続された蓄電装置の制御方法であって、
    前記複数の蓄電器のそれぞれの前記蓄電素子の状態に関する情報を含む蓄電素子情報を検出し、
    検出した前記蓄電素子情報に基づいて、前記複数の蓄電器のそれぞれの劣化状態を判断し、
    判断した前記複数の蓄電器のそれぞれの劣化状態に基づいて、前記複数の蓄電器を、常時使用する常時用蓄電器と予備として使用する予備用蓄電器に割り当て、
    前記複数の蓄電器の割り当てに基づいて、前記複数の蓄電器を個別に前記直流/直流コンバータと接続又は切り離しをするための複数のスイッチを制御すること
    を含むことを特徴とする蓄電装置の制御方法。
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