JP2013036803A - 電子線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】MCPを支持する絶縁支持部に紫外線が照射された場合に生じる放電を防止する。
【解決手段】電子線照射装置は、紫外線を出射する紫外線出射部31、電子を増幅する複数のマイクロチャネルを2次元的に配列して有するMCP33、MCP33の外縁部に当接してMCP33を支持する絶縁支持部34、および、紫外線出射部31とMCP33との間における紫外線の経路上に配置されるマスク350を支持するマスク支持部35を有する。マスク支持部35は、マスク350の周囲における紫外線を遮蔽する環状部352を有することにより、マスク支持部35にマスク350が非装着の状態において、紫外線出射部31からの紫外線が照射されるMCP33上の照射領域が、絶縁支持部34に重ならない範囲に制限される。これにより、絶縁支持部34に紫外線が照射された場合に生じる放電が、マスク350の有無にかかわらず防止される。
【選択図】図2

Description

本発明は、対象物上に電子線を照射する電子線照射装置に関する。
電子線を用いてパターンを描画する装置としては、電子源から電子線を出射し、この電子線の照射位置を基板上にて走査することによりパターンを描画する方式が一般的である。しかしながら、いわゆる一筆書きにてパターンを描画する上記装置では、基板全体へのパターンの描画に多大な時間を要し、半導体装置の製造コストが増大してしまうため、量産用の半導体製造装置としては実用化されていない。
そこで、特許文献1では、複数のマイクロチャネルの束の一端側に2次元の光パターンを入射させ、他端側から光パターンに基づく電子線アレイを出射させることにより、2次元の描画パターンの形成を、2次元一括露光により迅速に実現する手法が開示されている。
国際公開第2006/123447号
ところで、特許文献1の手法のように複数のマイクロチャネルの束を有するマイクロチャネルプレートを用いて電子線の照射を行う装置では、マイクロチャネルプレートに対してマスクを介して紫外線を入射することにより、マイクロチャネルプレートから効率よく電子線を出射することが可能となる。このとき、マイクロチャネルプレートを支持する絶縁支持部(碍子)に紫外線が照射されると、絶縁支持部においても電子の放出が生じ、周囲の部材との間にて放電が生じてしまう。マスクの外縁に遮蔽パターンを設けて紫外線の照射範囲を制限することにより、絶縁支持部への紫外線の照射を防止することが可能となるが、電子線の強度分布を測定する場合等、マスクを外した状態での電子線の出射を伴う作業は行うことができない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、絶縁支持部に紫外線が照射された場合に生じる放電を、マスクの有無にかかわらず、防止することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、対象物上に電子線を照射する電子線照射装置であって、紫外線を出射する紫外線出射部と、電子を増幅する複数のマイクロチャネルを2次元的に配列して有する板状であり、両主面のそれぞれを覆う電極膜を有し、前記紫外線出射部からの紫外線の一方の主面への入射に起因して、他方の主面から複数の電子線要素を対象物に向けて出射するマイクロチャネルプレートと、絶縁性材料にて形成され、前記マイクロチャネルプレートの外縁部に当接して前記マイクロチャネルプレートを支持する絶縁支持部と、前記紫外線出射部と前記マイクロチャネルプレートとの間における紫外線の経路上に配置されるマスクを支持するマスク支持部と、前記マスク支持部に前記マスクが非装着の状態において前記紫外線出射部からの紫外線が照射される前記マイクロチャネルプレート上の照射領域を、前記絶縁支持部に重ならない範囲に制限する照射領域制限手段とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子線照射装置であって、前記マスク支持部が、前記マスクの周囲における紫外線を遮蔽する遮蔽部材を有し、前記照射領域制限手段が前記遮蔽部材を含む。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子線照射装置であって、複数のマイクロチャネルを2次元的に配列して有し、前記マイクロチャネルプレートと対象物との間に配置されるもう1つのマイクロチャネルプレートと、前記マイクロチャネルプレートからの前記複数の電子線要素を前記もう1つのマイクロチャネルプレートへと導くレンズ部とをさらに備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子線照射装置であって、前記マイクロチャネルプレートから出射される前記複数の電子線要素を対象物へと導く電子線光学系と、前記複数の電子線要素の経路上に進退可能に配置される電子線強度検出部とをさらに備える。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子線照射装置であって、前記マイクロチャネルプレートの前記一方の主面上に設けられる光電変換膜をさらに備え、前記光電変換膜がヨウ化セシウムを主体とするものである。
本発明によれば、絶縁支持部に紫外線が照射された場合に生じる放電を、マスクの有無にかかわらず、防止することができる。その結果、マスクを外した状態での電子線の出射を伴う作業(電子線の強度分布測定等)を安全に行うことができる。
請求項2の発明では、簡単な構成で絶縁支持部からの放電を防止することができ、請求項3の発明では、複数の電子線要素の強度ばらつきを抑制することができ、請求項4の発明では、電子線強度検出部の測定結果に応じて各構成要素の設定パラメータを調整することにより、複数の電子線要素を対象物上に適切に導くことができる。
電子線照射装置の構成を示す図である。 変換部の構成を示す図である。 マイクロチャネルプレートの斜視図である。 変換部の他の例を示す図である。 実験用の変換部の概略を示す図である。 電子線の強度分布を示す図である。 実験用のマスクを示す図である。 電子線の強度分布を示す図である。 電子線照射装置の他の例を示す図である。 電子線強度検出部の他の例を示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る電子線照射装置1の構成を示す図である。電子線照射装置1は、基板9上に電子線を照射して、基板9(の電子線レジスト)にパターンを描画(記録)するものであり、電子線露光装置とも呼ばれる。基板9の一の主面上には、金属薄膜、半導体膜、絶縁膜等の薄膜および電子線レジストが順に形成されている。
電子線照射装置1は、基板9が載置されるステージ21、電子線を基板9に向けて出射する電子線出射部3、電子線出射部3からの電子線を所定の中心軸J1(光軸)に沿ってステージ21上の基板9に導く電子線光学系4、電子線出射部3および電子線光学系4に対してステージ21を基板9の主面に沿って移動する移動機構22、並びに、電子線照射装置1の全体制御を担う制御部6を備える。電子線照射装置1は、電子線出射部3の後述する変換部32、電子線光学系4、ステージ21および移動機構22を内部に収容するチャンバ本体11をさらに備え、チャンバ本体11の内部は、図示省略の真空ポンプにより、例えば10−6トル(Torr)(133.3×10−6パスカル(Pa))以下の圧力(本実施の形態では、10−8Torr)に減圧される。図1では、中心軸J1に平行な方向をZ方向とし、Z方向に垂直、かつ、直交する2方向をX方向およびY方向として矢印により図示している。
図1に示すように、電子線出射部3は、紫外線を出射する紫外線出射部31、および、チャンバ本体11内にて紫外線を電子線に変換する変換部32を備える。紫外線出射部31は、例えば、波長172ナノメートル(nm)の真空紫外線(VUV)を出射するランプを有し、紫外線出射部31からの紫外線は、中心軸J1に沿うようにコリメートされた状態にて変換部32へと入射する。
図2は、変換部32の構成を示す図である。変換部32は、中心軸J1に垂直な方向に広がる円板状のマイクロチャネルプレート(以下、単に「MCP」という。)33、MCP33を支持する円環状の絶縁支持部34、紫外線出射部31とMCP33との間における紫外線の経路上に配置されるマスク350、および、マスク350を支持するマスク支持部35を有する。MCP33の中心は中心軸J1上に位置し、絶縁性材料(例えば、セラミック)にて形成される絶縁支持部34がMCP33の外縁部の全体に当接する。絶縁支持部34は図示省略の部材によりチャンバ本体11に固定される。なお、絶縁支持部34は、必ずしも環状である必要はなく、例えば、MCP33の外縁部における3点にてMCP33を支持するものであってもよい。
MCP33の紫外線出射部31側の主面上(後述の電極膜332上)には光電変換膜333が設けられる。本実施の形態では、光電変換膜333はヨウ化セシウム(CsI)にて形成される。可視光にて光電変換が可能な一般的な光電変換膜は酸化しやすいため、取り扱いが容易ではないが、上記光電変換膜333では、メンテナンス時等においてチャンバ本体11内を大気開放する場合であっても、光電変換膜333の酸化による劣化が防止される。
マスク支持部35は、中心軸J1を中心とする筒状の支持本体部351、支持本体部351のMCP33側の端部から中心軸J1側へと突出する環状部352、および、環状部352の中心軸J1側の端部(内周縁)から中心軸J1に沿ってMCP33側へと突出する環状突出部353を有する。マスク350は環状突出部353の先端において着脱可能に支持される。環状突出部353の内径はMCP33の外径よりも小さく、絶縁支持部34の内径よりも小さい。
紫外線出射部31からの紫外線は支持本体部351内のみを通過し、一部の紫外線は遮蔽部材である環状部352にて遮蔽され、残りの紫外線は環状突出部353の内側、および、マスク350を通過する。マスク350とMCP33とは互いに近接するため、マスク350を通過する紫外線のほぼ全てが、MCP33上の光電変換膜333において絶縁支持部34よりも内側に照射される。実際には、マスク350のパターンを示す紫外線のパターンが光電変換膜333上に形成され、入射した紫外線が電子に変換されてMCP33内に放出される。なお、マスク支持部35は中心軸J1方向に移動可能であり、マスク350の交換時等にはマスク支持部35がMCP33から離れた位置に配置される。
図3はMCP33の一部を破断して示す斜視図である。図3では、光電変換膜333の図示を省略している。図3に示すように、MCP33は、それぞれが中心軸J1(図1参照)方向に伸びるとともに、内部にて電子を増幅する複数のマイクロチャネル331を有し、互いに平行な複数のマイクロチャネル331は、中心軸J1を中央に配置しつつ2次元的に密に配列形成される。各マイクロチャネル331の内周面には、電子の衝突により2次電子を放出する半導体膜が形成されており、図2の変換部32では、紫外線出射部31からの光が複数のマイクロチャネル331の一端側に位置する光電変換膜333に入射することにより、各マイクロチャネル331の他端側から電子線要素が出射される。このように、MCP33では、紫外線出射部31からの紫外線の一方の主面への入射に起因して、他方の主面から複数の電子線要素が電子線として出射される。
実際には、図3のMCP33の各主面には、当該主面の全体を覆う電極膜332が形成されており、両主面上の電極膜332間に所定の電圧が付与されることにより、各マイクロチャネル331から電子線要素が効率よく出射される。図2に示すように、MCP33からの電子線要素はウェーネルト電極361および加速電極411を介して変換部32の外側に出射される。なお、加速電極411は、後述の第1レンズ部41の一部を構成する。図3では、符号B1を付す矢印にて示すように、MCP33から図3の上側(正確には、左上側)に向かって電子線要素が進行するものとしているが、実際の電子線照射装置1では、MCP33からの電子線要素は図1および図2の右側に向かって進行する(後述の図9において同様)。MCP33は、例えば鉛ガラスを主成分として作製される。複数のMCPを積層したものが、電子線照射装置1におけるMCP33として扱われてもよい。
図1に示すように、電子線光学系4は、静電レンズ(アインツェルレンズ)である第1レンズ部41、第2レンズ部42および第3レンズ部43を中心軸J1に沿って有し、第1ないし第3レンズ部41〜43は変換部32側からステージ21に向かって順に並べられる。第1ないし第3レンズ部41〜43のそれぞれは複数の(3個の)リング部材の組合せであり、金属等の導電性材料にて形成されるこれらのリング部材間に電圧を付与することにより、中心軸J1に対して回転対称のポテンシャル(すなわち、中心軸J1に垂直な面上における各位置の静電ポテンシャルが中心軸J1を中心とする回転方向に依存せず、中心軸J1からの距離のみに依存する軸対称の電場)が生成される。
電子線照射装置1では、MCP33からの複数の電子線要素はコリメートされて変換部32から出射され、電子線光学系4により基板9上へと導かれる。実際には、MCP33の出射面における電子線の像は、縮小して基板9上に形成され、マスク350のパターンに対応する複数の電子線要素の照射により基板9上に微細なパターンが描画される。なお、電子線光学系4における各レンズ部は、静電レンズ以外に電磁レンズ(磁界レンズ)であってもよい。
また、電子線照射装置1は、電子線の強度を検出する第1電子線強度検出部51および第2電子線強度検出部52を有し、第1および第2電子線強度検出部51,52は例えばファラデーカップである。第1電子線強度検出部51は、Z方向に関して、第2レンズ部42と第3レンズ部43との間に配置され、第1進退機構511により中心軸J1に垂直なX方向およびY方向に移動する。したがって、第1電子線強度検出部51は第2レンズ部42と第3レンズ部43との間にて複数の電子線要素の経路上に進退可能である。第2電子線強度検出部52は、Z方向に関して、第3レンズ部43とステージ21(基板9)との間に配置され、第2進退機構521により中心軸J1に垂直な方向に移動する。したがって、第2電子線強度検出部52は、第3レンズ部43とステージ21との間にて複数の電子線要素の経路上に進退可能である。
電子線照射装置1では、基板9上へのパターンの非描画時におけるキャリブレーション動作として第1および第2電子線強度検出部51,52を用いた測定が行われる。具体的には、図2のマスク支持部35においてマスク350を取り外した状態にて紫外線出射部31から紫外線が出射される。また、図1の第1電子線強度検出部51を中心軸J1近傍に配置し、X方向およびY方向のそれぞれに一定のピッチにて移動しつつ電子線の強度が検出される。これにより、第2レンズ部42と第3レンズ部43との間における電子線の強度分布(すなわち、強度プロファイル)が測定される。そして、第1電子線強度検出部51による測定結果に基づいて、後段の第3レンズ部43における電子線の軌道制御等に係る設定パラメータの値が、必要に応じて変更される。また、MCP33における異常の有無等も確認される。なお、上記測定結果に基づいて、紫外線出射部31における紫外線の強度等に係る設定パラメータや、変換部32における電子線要素の加速等に係る設定パラメータ、あるいは、第1レンズ部41および第2レンズ部42における電子線の軌道制御等に係る設定パラメータの値が変更されてもよい。
続いて、第1電子線強度検出部51を中心軸J1近傍から退避させるとともに第2電子線強度検出部52を中心軸J1近傍に配置し、第1電子線強度検出部51と同様にして、第3レンズ部43とステージ21との間における電子線の強度分布が測定される。そして、第2電子線強度検出部52による測定結果に基づいて、第3レンズ部43等における設定パラメータの値の適否が判断され、必要に応じて当該設定パラメータの値が変更される。このように、電子線照射装置1では、電子線の経路上に配置される電子線強度検出部51,52の測定結果に応じて各構成要素の設定パラメータを調整することにより、複数の電子線要素を基板9上に適切に(精度よく)導くことが可能となる。
ここで、図2の変換部32において、環状部352および環状突出部353の内径が円環状の絶縁支持部34の内径よりも大きい比較例の電子線照射装置を想定すると、比較例の電子線照射装置では、環状部352および環状突出部353の内部を通過する紫外線の一部が絶縁支持部34に照射されてしまう。紫外線出射部31からの紫外線は極めて強度が高いため、絶縁支持部34に照射されると、絶縁支持部34においても電子の放出が生じ、周囲の部材との間にて放電が生じてしまう。マスク350の外縁に遮蔽パターンを設けて紫外線の照射範囲を制限することにより、絶縁支持部34への紫外線の照射を防止することが可能となるが、上記キャリブレーション動作を行う場合等、マスクを外した状態での電子線の出射を伴う作業は行うことができない。
これに対し、電子線照射装置1では、マスク支持部35にマスク350が非装着の状態において紫外線出射部31からの紫外線が照射されるMCP33上の照射領域が、マスク支持部35における環状部352により、絶縁支持部34に重ならない範囲に制限される。これにより、絶縁支持部34に紫外線が照射された場合に生じる放電を、マスク350の有無にかかわらず、防止することができる。その結果、マスク350を外した状態での電子線の出射を伴う作業(電子線の強度分布測定等)を安全に行うことができる。また、絶縁支持部34の劣化や損傷を防止することも実現される。
図4は、変換部の他の例を示す図であり、変換部32および第1レンズ部41近傍の構成を示している。図4のマスク支持部35は、中心軸J1を中心とする筒状の支持本体部351、および、支持本体部351の第1レンズ部41とは反対側の端部から中心軸J1側へと突出する環状部352を有する。環状部352内には石英にて形成される窓部材354が設けられ、マスク350は窓部材354とMCP33との間にてマスク支持部35により支持される。図1の電子線照射装置1と同様に、紫外線出射部31からの紫外線が照射されるMCP33上の照射領域は、環状部352により、絶縁支持部34に重ならない範囲に制限され、絶縁支持部34に紫外線が照射された場合に生じる放電が、マスク350の有無にかかわらず、防止される。図4では、ウェーネルト電極361を簡略化して図示している。
ここで、図5に示すように、光電変換膜333の中心部を真円状に除去し、この中心部を含む領域に紫外線が照射されるように、真円の紫外線透過領域が形成されたマスク350を用いた場合、MCP33上における環状(ドーナツ状)の領域にて光電変換が顕著に行われる。この場合に、ステージ21の位置にて電子線の強度分布を測定すると、図6に示すように、環状の領域にて強度が高くなる分布が確認された。実際には、ステージ21の位置における当該環状の領域は、MCP33上における上記環状の領域を約1/3倍に縮小した大きさである。このとき、図4のMCP33の両主面上の電極膜332(図3参照)間の電圧V1は1.5kV(キロボルト)であり、MCP33の第1レンズ部41側の電極膜332と第1レンズ部41の加速電極411との間の電圧V2は3.0kVであり、当該電極膜332とウェーネルト電極361との間の電圧V3は300Vであり、第1レンズ部41の中央のリング部材412の接地電位に対する電圧V4は2.00kVである。なお、第1レンズ部41における加速電極411、および、MCP33とは反対側のリング部材413には接地電位が付与される。また、チャンバ本体11の内部の圧力は1.0×10−4Paである。
また、図4の変換部32を有する電子線照射装置1において、図7に示す「C」字状の紫外線透過領域が形成されたマスク350を用いた場合、ステージ21の位置では、図8に示すように「C」字状の領域にて強度が高くなる分布が確認された。電子線の照射に係る各種条件は、図6の場合とは相違しており、ステージ21の位置における当該「C」字状の領域は、マスク350における上記紫外線透過領域を約1/2倍に縮小した大きさである。
図9は、電子線照射装置の他の例を示す図である。図9の電子線照射装置1aでは、図2のMCP33と同様の構造のMCP33a(ただし、光電変換膜333は省略される。後述のMCP33bにおいて同様。)が、中心軸J1上において第1レンズ部41と第2レンズ部42との間に設けられ、MCP33と同様の構造のMCP33bが、中心軸J1上において第2レンズ部42と第3レンズ部43との間に設けられる。他の構成は図1の電子線照射装置1と同様であり、同符号を付している。以下の説明では、図9中の(−Z)側から(+Z)方向に向かって順に配置されるMCP33,33a,33bをそれぞれ「第1MCP33」、「第2MCP33a」、「第3MCP33b」とも呼ぶ。
図9の電子線照射装置1aでは、第1MCP33からの複数の電子線要素は、ほぼコリメートされた状態にて第1レンズ部41により第2MCP33aへと導かれる。第2MCP33aでは、マイクロチャネル331の直径および配列(配列方向および配列ピッチ)が第1MCP33と同じであるため、第1MCP33の各マイクロチャネル331から出射された電子線要素は、第2MCP33aにおけるいずれか1つのマイクロチャネル331に入射し、第1MCP33における互いに異なるマイクロチャネル331から出射された複数の電子線要素が、第2MCP33aにおける同一のマイクロチャネル331に入射することはない。これにより、第2MCP33aでは、第1MCP33から出射される複数の電子線要素と同様の複数の電子線要素が増幅されて出射される。
第2MCP33aからの複数の電子線要素は、ほぼコリメートされた状態にて第2レンズ部42により第3MCP33bへと導かれる。第3MCP33bでは、マイクロチャネル331の直径および配列が第2MCP33aと同じであるため、第2MCP33aの各マイクロチャネル331から出射された電子線要素は、第3MCP33bにおけるいずれか1つのマイクロチャネル331に入射し、第2MCP33aにおける互いに異なるマイクロチャネル331から出射された複数の電子線要素が、第3MCP33bにおける同一のマイクロチャネル331に入射することはない。これにより、第3MCP33bでは、第2MCP33aから出射される複数の電子線要素と同様の複数の電子線要素が増幅されて出射される。第3MCP33bからの複数の電子線要素は、第3レンズ部43を介して基板9上に導かれる。
ところで、MCP33,33a,33bでは、製造上に理由により複数のマイクロチャネル331において出射される電子線要素の強度のばらつきが生じる。電子線要素の強度のばらつきは、基板9上に描画されるパターンの精度に影響する。また、第1ないし第3MCP33,33a,33bをレンズ部を挟むことなく中心軸J1に沿って並べた場合、各MCPのマイクロチャネル331から出射される電子線要素が次のMCPへと至る前に僅かに発散するため、基板9上において電子線(複数の電子線要素)により形成される像がぼけてしまう。
これに対し、図9の電子線照射装置1aでは、第1MCP33と基板9との間に第2MCP33aが配置され、第1MCP33からの複数の電子線要素がコリメートされた状態で第1レンズ部41により第2MCP33aへと導かれる。また、第2MCP33aと基板9との間に第3MCP33bが配置され、第2MCP33aからの複数の電子線要素がコリメートされた状態で第2レンズ部42により第3MCP33bへと導かれる。これにより、第3MCP33bから出射される複数の電子線要素の強度を平均化することができ、基板9上における像がぼけることなく、複数の電子線要素の強度ばらつきを抑制することが可能となる。
なお、図9の電子線照射装置1aにおいて、第1MCP33の出射面における像が、縮小して基板9上に形成されてもよい。この場合、第2MCP33aにおけるマイクロチャネル331の直径および配列ピッチを第1MCP33に対して所定の割合で小さくし、第1レンズ部41が当該割合に合わせて第1MCP33からの複数の電子線要素の第2MCP33aにおける照射範囲を小さくする。また、第3MCP33bにおけるマイクロチャネル331の直径および配列ピッチを第2MCP33aに対して所定の割合で小さくし、第2レンズ部42が当該割合に合わせて第2MCP33aからの複数の電子線要素の第3MCP33bにおける照射範囲を小さくする。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、紫外線出射部31とMCP33との間において、紫外線出射部31からの紫外線のMCP33上における照射範囲を制限する(紫外線出射部31からの紫外線を収束してMCP33上に照射する)光学系が設けられてもよい。この場合、マスク支持部にて支持されるマスクが光学系内にてMCP33と光学的に共役な位置に配置され、マスクの像がMCP33上に形成される。また、マスク支持部からマスクを取り外した状態においても、MCP33上における紫外線の照射領域が、絶縁支持部34に重ならない範囲に制限される。このように、MCP33上における紫外線の照射領域を制限する照射領域制限部は、上記実施の形態における環状部352以外に、紫外線出射部31とMCP33との間に設けられる光学系により実現することが可能である。
一方、簡単な構成で絶縁支持部34からの放電を防止するには、上記実施の形態における環状部352のように、マスク支持部35がマスク350の周囲における紫外線を遮蔽する遮蔽部材を有することにより、マスク350の有無にかかわらず、MCP33上における紫外線の照射領域が絶縁支持部34に重ならない範囲に制限されることが好ましい。もちろん、上記遮蔽部材を有するマスク支持部35が上記光学系内に設けられ、絶縁支持部34からの放電がより確実に防止されてもよい。
電子線照射装置1において、例えば、図10に示すように、チャンバ本体11内における中心軸J1上に、電子線の照射により発光する蛍光板53を配置するとともに、蛍光板53を光学的に撮像する撮像部54を設けることにより、電子線の強度分布が2次元画像として取得されてもよい。なお、蛍光板53および撮像部54を含む電子線強度検出部51aは、中心軸J1上の位置と、中心軸J1から離れた位置との間にて移動可能である(すなわち、複数の電子線要素の経路上に進退可能に配置される。)。
図9の電子線照射装置1aでは、第1MCP33と基板9との間に第2および第3MCP33a,33bが設けられるが、第3MCP33bを省略する場合であっても、複数の電子線要素の強度ばらつきをある程度抑制することが可能である。
光電変換膜333はヨウ化セシウム(CsI)を主成分とするのであるならば、他の材料が添加剤として含まれていてもよい。このように、光電変換膜333がヨウ化セシウムを主体とするものであることにより、大気開放による光電変換膜333の劣化を防止することができる。また、紫外線出射部31から出射される光のエネルギー等によっては、光電変換膜333を省略しつつ電子線要素を出射することも可能である。
電子線照射装置1では、紫外線出射部31と変換部32との間に半透明の板状部材が設けられ、紫外線出射部31からマスク350に照射される紫外線の強度の均一化が図られてもよい。
図1の電子線照射装置1では、電子線の照射により基板9から放出される2次電子を検出する検出器を設けることにより、電子顕微鏡としての機能が実現されてもよい。また、電子線照射装置1において電子線が照射される対象物は、レジストが形成された基板以外であってもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1,1a 電子線照射装置
4 電子線光学系
9 基板
31 紫外線出射部
33,33a,33b MCP
34 絶縁支持部
35 マスク支持部
41〜43 レンズ部
51,52,51a 電子線強度検出部
331 マイクロチャネル
332 電極膜
333 光電変換膜
350 マスク
352 環状部

Claims (5)

  1. 対象物上に電子線を照射する電子線照射装置であって、
    紫外線を出射する紫外線出射部と、
    電子を増幅する複数のマイクロチャネルを2次元的に配列して有する板状であり、両主面のそれぞれを覆う電極膜を有し、前記紫外線出射部からの紫外線の一方の主面への入射に起因して、他方の主面から複数の電子線要素を対象物に向けて出射するマイクロチャネルプレートと、
    絶縁性材料にて形成され、前記マイクロチャネルプレートの外縁部に当接して前記マイクロチャネルプレートを支持する絶縁支持部と、
    前記紫外線出射部と前記マイクロチャネルプレートとの間における紫外線の経路上に配置されるマスクを支持するマスク支持部と、
    前記マスク支持部に前記マスクが非装着の状態において前記紫外線出射部からの紫外線が照射される前記マイクロチャネルプレート上の照射領域を、前記絶縁支持部に重ならない範囲に制限する照射領域制限手段と、
    を備えることを特徴とする電子線照射装置。
  2. 請求項1に記載の電子線照射装置であって、
    前記マスク支持部が、前記マスクの周囲における紫外線を遮蔽する遮蔽部材を有し、
    前記照射領域制限手段が前記遮蔽部材を含むことを特徴とする電子線照射装置。
  3. 請求項1または2に記載の電子線照射装置であって、
    複数のマイクロチャネルを2次元的に配列して有し、前記マイクロチャネルプレートと対象物との間に配置されるもう1つのマイクロチャネルプレートと、
    前記マイクロチャネルプレートからの前記複数の電子線要素を前記もう1つのマイクロチャネルプレートへと導くレンズ部と、
    をさらに備えることを特徴とする電子線照射装置。
  4. 請求項1または2に記載の電子線照射装置であって、
    前記マイクロチャネルプレートから出射される前記複数の電子線要素を対象物へと導く電子線光学系と、
    前記複数の電子線要素の経路上に進退可能に配置される電子線強度検出部と、
    をさらに備えることを特徴とする電子線照射装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の電子線照射装置であって、
    前記マイクロチャネルプレートの前記一方の主面上に設けられる光電変換膜をさらに備え、
    前記光電変換膜がヨウ化セシウムを主体とするものであることを特徴とする電子線照射装置。
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