JP2013027760A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御プログラムの記憶領域を充分に確保しつつ、バリエーションに富んだ多彩な動的表示を実現すると共に遊技状態に応じた適切な動的表示を実現することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】変動パターン指定コマンドは、遊技状態(即ちコマンドポインタの値)と、変動パターン指定コマンド上位バイトテーブルと、検索ポインタの値とに基づいて、変動パターン決定処理(S32)により生成される。よって、変動パターン指定コマンドを、ROM内に個々に記憶する必要がないので、合計666種類の豊富な変動パターンを設けても、ROMの記憶容量を圧迫することがない。従って、ROM内に制御プログラムの記憶領域を充分に確保しつつ、バリエーションに富んだ多彩な変動表示を実現することができる。更に、コマンドポインタの値は遊技状態判定処理(S41)によって決定されるため、遊技状態に応じた最適な変動表示を実現することができる。
【選択図】図17

Description

本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機は、遊技の制御を行う主制御基板に、賞球(スロットマシンではコイン)や貸し球の払い出し制御を行う払出制御基板や、図柄の変動表示等の表示制御を行う表示用制御基板などが接続されて構成されている。このため、主制御基板は、払出制御基板や表示用制御基板等に必要な各々のパターン化された制御用コマンドを送信するだけで、賞球、図柄の変動表示等の制御を行うことができる。従って、主制御基板の制御負荷を抑えつつ、遊技性や図柄の変動表示等の多様化に対応した制御を行うことができる。
ここで、表示用制御基板の制御は、主制御基板から表示用制御基板へ送信される制御用コマンドにより行われる。制御用コマンドとしては、例えば、表示装置で行われる変動表示の一連の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドと、変動表示の終了時に表示装置に停止表示させる停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドと、停止図柄指定コマンドにより指定された停止図柄を表示装置へ停止表示(確定表示)させるタイミングを指定する図柄停止コマンド等とが設けられている。
特開2000−350846号公報。
しかしながら、一連の変動パターンを1のコマンドで指定する方式では、変動パターンの一部が異なる場合にも、別の変動パターン指定コマンドを設けなければならない。よって、バリエーションに富んだ多彩な変動表示を実現するためには、変動パターン指定コマンドを豊富に設けなければならない。また、同一機種の遊技機であっても、遊技機の設定(例えば、釘の配置や台の寝かせ状態)や遊技の状態は、各遊技機毎に異なるので、その各々に適した時間分の変動表示を行うことが望まれる。よって、変動表示の種類に加えて変動時間のバリエーションを増やす必要もあり、変動パターン指定コマンドを豊富に設けなければならない。
しかし、変動パターン指定コマンドを豊富に設ければ設けるほど、それらを記憶するためにROMの記憶領域を使用するので、その分、制御プログラムの記憶領域が小さくなる。逆に、制御プログラムの記憶領域を充分に確保すると、変動パターン指定コマンドを豊富に設けられず、バリエーションに富んだ多彩な変動表示を実現できない。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、制御プログラムの記憶領域を充分に確保しつつ、バリエーションに富んだ多彩な動的表示を実現すると共に遊技状態に応じた適切な動的表示を実現することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、表示装置と、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示装置に識別情報の動的表示を行わせる表示用制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段から送信される制御用コマンドとして、動的表示の一連のパターンを指定する動的パターン指定コマンドを有しており、その動的パターン指定コマンドを、時間毎に割り当てられた時間データと動的表示の開始から前記時間データに基づく時間の経過後に開始する各動的表示の基本パターンを指示するために基本パターン毎に割り当てられた基本データとに基づいて生成するコマンド生成手段と、前記動的表示の始動条件の成立態様に基づく遊技状態を判定する遊技状態判定手段と、その遊技状態判定手段によって判定された遊技状態に基づいて前記時間データを設定する時間設定手段とを備えている。
本発明の遊技機によれば、主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて、表示用制御手段により表示装置にて識別情報の動的表示が行われる。かかる動的表示の一連のパターンは、動的パターン指定コマンドによって指定されるが、動的パターン指定コマンドは、コマンド生成手段により基本データと時間データとに基づいて生成される。よって、動的パターン指定コマンドを豊富に数多く設けても、それらのすべてを直接ROMに記憶する必要がない。従って、ROM内に制御プログラムの記憶領域を充分に確保しつつ、バリエーションに富んだ多彩な動的表示を実現できるという効果がある。
また、時間データは、遊技状態判定手段によって判定された遊技状態に基づいて時間設定手段によって設定される。このため、時間データを用いて生成される動的表示の時間が遊技状態に関連づけられたものとなる。よって、制御プログラムの記憶領域を充分に確保しつつ、遊技状態に応じた適切な動的表示を実現することができるという効果がある。
本発明の一実施例であるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。 液晶ディスプレイの表示画面を9つの表示領域に分割した様子を示した図である。 変動パターン指定コマンドのコマンド構成図である。 (a)は、停止図柄指定コマンドのコマンドコードと、そのコマンドコードによって指定される図柄番号との対応関係を示した図である。(b)は、20種類の図柄コードと図柄名との対応関係を示した図である。 (a)は、上段の表示領域で変動表示される仮想図柄リールの構成を模式的に示した図であり、(b)は、中段の表示領域で変動表示される仮想図柄リールの構成を模式的に示した図であり、(c)は、下段の表示領域で変動表示される仮想図柄リールの構成を模式的に示した図である。 図柄停止コマンドのコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。 変動パターン指定コマンド上位バイトテーブルの構成図である。 減算時間テーブルの構成図である。 変動時間テーブルの構成図である。 検索ポインタの値と変動基本パターンとの対応関係図である。 変動パターン決定テーブルの構成図である。 停電の発生等によるパチンコ機の電源断時に、主制御基板で実行されるNMI割込処理のフローチャートである。 主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。 変動開始処理内で実行されるコマンド設定処理を示したフローチャートである。 コマンド設定処理の中で実行される変動パターン決定処理のフローチャートである。 変動パターン決定処理の中で実行される遊技状態判定処理のフローチャートである。 全図柄を一度に確定させる変動表示のタイミングチャートである。 9つの図柄を3図柄ずつ確定させる変動表示のタイミングチャートである。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、本発明の実施例におけるパチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2の前面には略円弧状の外レール2aが植立され、その外レール2aの内側位置には円弧状の内レール2bが植立されている。内レール2bは、遊技領域2cの左側上部まで延設されている。遊技盤2の前面には、内レール2bと外レール2aとにより囲まれた領域によって球が投入される、略円形の遊技領域2cが形成されている。ここで、遊技領域2cは、パチンコ機1の正面から見て、内レール2bと外レール2aによって囲まれる領域のうち、内外レール2a,2bの並行部分の囲まれた領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には、内外レール2a,2bの並行部分の囲まれた領域は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール2aによってではなく内レール2bによって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール2bによって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤2の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール2aによって特定される。
遊技盤2の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)3が設けられている。このLCD3の表示画面は、横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示(動的表示)が行われる。
LCD3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、球がこの図柄作動口4を通過(入賞)することにより、前記したLCD3の変動表示が開始される。LCD3の変動表示の最中に、球が新たに図柄作動口4を通過した場合、その通過による変動表示を即座に開始することはできないので、実行中の変動表示が終了するまで、その変動表示が保留される。本実施例におけるパチンコ機1では、この変動表示の保留回数が最大4回に設定されている。この変動表示の保留回数を表示する4つの保留ランプ5が、LCD3の下方に配設されている。保留回数の表示は、これら4つの保留ランプ5が保留回数に対する個数分だけ左側から順に点灯することにより行われる。
図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)6が設けられている。この特定入賞口6は、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば30秒間経過するまで、あるいは、例えば球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口6内には、Vゾーン6aが設けられており、特定入賞口6の開放中に、球がVゾーン6a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口6の閉鎖後、再度、その特定入賞口6が所定時間(又は、特定入賞口6に球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口6の開閉動作は、最高で15回(15ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
図柄作動口4の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口7が設けられている。LCD3の両側には、2つの普通図柄作動口8が設けられており、球がこの普通図柄作動口8を通過することにより、普通図柄表示装置9の変動表示が開始される。
普通図柄表示装置9は、LCD3の上方に配設されており、「○」の図柄が表示された左図柄LED9aと、「×」の図柄が表示された右図柄LED9bとから構成されている。この普通図柄表示装置9の変動表示は、上述したように、球が普通図柄作動口8のいずれかを通過することにより開始され、通常時には、略30秒の変動表示が行われ、また、大当たりの発生確率が通常時よりも高確率である遊技状態では、略5秒の変動表示が行われる。その変動表示が左図柄LED9aの点灯状態(普通図柄当たり状態)で終了すると、球が入賞し易いように図柄作動口4の両脇に設けられた開閉弁4aが所定時間(例えば、略0.3秒または1.9秒)経過するまで所定回数(例えば、1回または3回)開放される。
図2は、かかるパチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機Pの主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21が搭載されている。このMPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。図13から図17に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。また、ROM22には、変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル22aと、減算時間テーブル22bと、変動時間テーブル22cと、変動パターン決定テーブル22dとが記憶されている。
図8は、変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル22aの構成図である。図8に示すように、変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル22aは、「C0h」、「C2h」、「C4h」のデータを記憶するテーブルであり、データ容量(サイズ)は3バイトである。図4の変動パターン指定コマンド構成図に示す通り、変動パターン指定コマンド31は、それぞれ高速変動が11秒の場合には「C001h」から始まり、高速変動が5秒の場合には「C201h」から始まり、高速変動が3秒の場合には「C401h」から始まる。変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル22aは、かかる変動パターン指定コマンド31の基準となるコマンドの上位バイトを記憶したものであり、変動パターン指定コマンド31を生成するために、変動パターン決定処理(S32,図16参照)において参照される。なお、高速変動とは、変動表示の開始から後述する検索ポインタ23fに基づいて変動表示が開始されるまでの変動表示を意味するものである。具体的には、停止していた図柄を遊技者には視認できない程度の速さでスクロールさせ、図柄を表示させる変動表示である。
図9は、減算時間テーブル22bの構成図である。図9に示すように、減算時間テーブル22bは、11秒の高速変動を基準にした高速変動の差分の時間データを記憶するテーブルである。各変動表示の変動時間は、11秒の高速変動を基準に、その値から減算時間テーブル22bに記憶される時間データを減算して求められる。各時間データはそれぞれ2バイトで構成されるので、減算時間テーブル22bのサイズ(データ容量)は6バイトとなる。
図10は、変動時間テーブル22cの構成図である。変動時間テーブル22cは、11秒の高速変動を基準にして、各変動表示の変動時間を記憶するテーブルである。この変動時間テーブル22cの時間から、図9の減算時間テーブル22bの値を減算すると、その変動表示(変動パターン)の変動時間が求められる。求めた変動時間は、後述する変動時間メモリ23iに記憶される。変動時間のデータは、222種類ある変動パターンのそれぞれについて記憶されており、各時間データはそれぞれ2バイトで構成されるので、変動時間テーブル22cのサイズ(データ容量)は444バイトとなる。
図12は、変動パターン決定テーブル22dの構成図である。変動パターン決定テーブル22dには、検索ポインタ23fの値として「02h」から「DEh」までの221個の値が設定されている。この221個の検索ポインタ23fの他に、リーチ表示を伴わない外れの変動表示に対する検索ポインタ23fの値として「01h」が設定され、パチンコ機1には、計222個の検索ポインタ23fが設定されている。
変動パターン決定テーブル22dには、「02h」から「DEh」の221個の値のそれぞれに変動パターンカウンタ23bの値が対応している。具体的には、「02h」に対して「0〜380」、「03h」に対して「381」、「04h」に対して「382」、・・・、「DEh」に対して「600」が設定されている。球の図柄作動口4への入賞(始動入賞)時に取得される変動パターンカウンタ23bの値に基づいて検索ポインタ23fの値が決定される。この検索ポインタ23fの値は、後述する変動パターン決定処理(S32、図16参照)において、変動パターンカウンタ23bの値に応じて取得され、変動パターン指定コマンド31の下位バイトとしてセットされる。よって、始動入賞時に取得される変動パターンカウンタ23bの値によって異なる変動パターンを設定することができ、変動パターンに始動入賞に基づくランダム性を持たせることができる。
図2に戻って説明する。RAM23は、保留球カウンタ23aと、変動パターンカウンタ23bと、送信バッファ23cと、コマンドカウンタ23dと、コマンドポインタ23eと、検索ポインタ23fと、タイマカウンタ23gと、入賞球カウンタ23hと、変動時間メモリ23iと、変動情報メモリ23jと、変動情報1メモリ23kと、変動情報2メモリ23lと、変動情報3メモリ23mと、変動情報4メモリ23nと、バックアップエリア23oとを備えている。このRAM23には、パチンコ機Pの電源のオフ後においても、後述する電源基板50からバックアップ電圧が供給され、パチンコ機Pの電源のオフ後もデータを保持(バックアップ)できるように構成されている。
保留球カウンタ23aは、実行待機中の当否演出の回数を記憶するカウンタである。保留球カウンタ23aの値は、LCD3で変動表示が行われていない場合または変動表示が行われているが待機中の変動表示がない場合には「0」、待機中の変動表示が1回の場合には「1」、・・・、待機中の変動表示が4回の場合には「4」となる。本実施例のパチンコ機1では、変動表示の最大待機回数は4回であるので、保留球カウンタ23aの値は「0」から「4」の範囲で変化する。保留球カウンタ23aのカウントアップは、図柄作動口4へ入賞した球が第1種始動口スイッチ24で検出された場合に行われ、カウントダウンは、変動表示の開始時に行われる。
変動パターンカウンタ23bは、LCD3を変動表示させるパターン(変動パターン)の決定に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜600」まで順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり600)に達した後再び「0」に戻される。後述する変動パターン決定処理(図16、S32参照)において変動パターン決定テーブル22dが参照され、変動パターンカウンタ23bの値に基づいて検索ポインタ23fの値が取得される。
送信バッファ23cは、LCD3の変動表示の制御のために、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドを記憶するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、この送信バッファ23cも2バイトで構成される。送信バッファ23cへセット(書き込み)された制御用コマンドは、タイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
図3は、LCD3の表示画面を9つの表示領域に分割した様子を示した図である。前記した通り、本実施例の変動表示は、横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cにおいて、それぞれ矢印A方向へ横方向にスクロールしながら行われる。この横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cを、縦方向に更に3分割して9つの表示領域3a1,・・・,3c3とし、その9つの表示領域3a1,・・・,3c3に対して、図3に示すように、それぞれ表示される「図柄1〜図柄9」の9つの図柄番号32a(図5参照)が付されている。
図2に示すコマンドカウンタ23dは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32(図5参照)が指定するLCD3の表示領域3a1〜3c3を示すためのカウンタであり、「1〜10」の範囲で「1」ずつ更新される。コマンドカウンタ23bの値が「1〜9」の範囲内にある場合には、そのコマンドカウンタ23bの値に対応する図柄番号32a(図5参照)の表示領域3a1〜3c3が指定される。また、コマンドカウンタ23dの値が「10」である場合には、いずれの表示領域も指定されない。
コマンドポインタ23eは、高速変動の種類を示すためのポインタである。本実施例の高速変動は、11秒、5秒、3秒と3種類なので、コマンドポインタ23cは「1〜3」のいずれかの値となる。高速変動の時間は、後述する遊技状態判定処理(S41、図17)によって、遊技状態に応じて決定される。具体的には、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態且つ始動入賞率が「0.002」未満且つ開閉弁4aが閉鎖中且つ保留球カウンタ23aの値が「0〜2」の場合に11秒の高速変動となる。
また、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態且つ始動入賞率が「0.002」以上の場合、または、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態且つ始動入賞率が「0.002」未満且つ開閉弁4aが開放中の場合、または、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態且つ始動入賞率が「0.002」未満且つ開閉弁4aが閉鎖中且つ保留球カウンタ23aの値が「3〜4」の場合、または、大当たり確率が高確率且つ球が図柄作動口4へ入賞した後5秒経過していない場合、または、普通図柄の当たり確率が高確率状態且つ球が図柄作動口4へ入賞した後5秒経過していない場合に5秒の高速変動となる。
更に、大当たり確率が高確率で球が図柄作動口4へ入賞した後5秒経過した場合、および、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が高確率状態で球が図柄作動口4へ入賞した後5秒経過した場合に3秒の高速変動となる。コマンドポインタ23cは、11秒の高速変動を「1」で表し、5秒の高速変動を「2」で表し、3秒の高速変動を「3」で表す。
このコマンドポインタ23eの値に基づいて、図8の変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル22aが参照されて、変動パターン指定コマンド31の上位バイトが取得される。また、コマンドポインタ23eの値に基づいて、図9の減算時間テーブル22bが参照されて、高速変動の減算時間が取得される。
検索ポインタ23fは、変動パターンの基本形、即ち変動基本パターンを示すものである。本実施例の変動パターンは、11秒、5秒、3秒の高速変動のそれぞれについて各222通り用意されているので、検索ポインタ23fは「1〜222(DEh)」のいずれかの値となる。図11に、検索ポインタ23fの値と変動基本パターンとの対応関係図を示す。図示の通り、検索ポインタ23fの値「01h」は、変動基本パターンとして「ハズレ変動」を示し、「02h」は「高速変動+リーチアクション1」を示し、・・・、「DEh」は「高速変動+リーチアクション221」を示している。この検索ポインタ23fの値に基づいて、図10の変動時間テーブル22cが参照され、その変動パターンに対応する11秒の高速変動の場合の変動時間が取得される。なお、検索ポインタ23fの値は、変動情報メモリ23jに記憶される変動パターンカウンタ23bの値に基づいて、変動パターン決定テーブル22d(図12参照)より取得される。
タイマカウンタ23gは、変動開始処理(図14、S23参照)において始動入賞率を算出するために使用されるカウンタであり、始動入賞時に「0」からカウントが開始され、所定時間毎(例えば、2ms毎)に「0〜1000」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり1000)に達した後に再び「0」に戻される。
入賞球カウンタ23hは、変動開始処理(図14、S23)において始動入賞率の算出に使用されるものであり、タイマカウンタ23gの値が「0」から「1000」迄の間に図柄作動口4へ入賞した球の個数を計数するためのカウンタである。この入賞球カウンタ23hの値は、タイマカウンタ23gの値が「0」から「1000」迄の間に球が図柄作動口4へ入賞した場合に「1」加算され、タイマカウンタ23gが「0」に戻されると「0」クリアされる。
変動時間メモリ23iは、変動表示の変動時間を記憶するメモリである。前述した通り、検索ポインタ23fの値に基づいて、変動時間テーブル22c(図10)が参照され、その変動パターンに対応する高速変動11秒の場合の変動時間が取得される。また、コマンドポインタ23eの値に基づいて、減算時間テーブル22b(図9)が参照され、5秒または3秒の場合の高速変動の減算時間が取得される。よって、変動時間テーブル22cから求めた時間から、減算時間テーブル22bから求めた時間を減算することにより、その変動表示(変動パターン)の変動時間が求められ、これが変動時間メモリ23iに記憶される。この変動時間メモリ23iに記憶される変動時間に基づいて、変動表示の終了タイミングが認識できるので、そのタイミングで図柄停止コマンド33が主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される。
変動情報メモリ23jは、LCD3で実行中の変動表示に対する乱数カウンタや、リーチカウンタ、大当り図柄カウンタ、3つの各外れ図柄カウンタ、変動パターンカウンタ23bの各値を、変動表示の実行データ(変動表示情報)として記憶するためのメモリである。変動情報メモリ23jに記憶された各カウンタの値に基づいて、変動表示の変動パターン及び停止図柄が決定される。
変動情報1〜4メモリ23k〜23nは、保留中の変動表示に対する乱数カウンタや、リーチカウンタ、大当り図柄カウンタ、3つの各外れ図柄カウンタ、変動パターンカウンタ23bの各値を、変動表示の保留データとして記憶するメモリである。各変動情報1〜4メモリ23k〜23nへのデータの書き込みは、始動入賞時に始動入賞処理(S22)にて行われる。本実施例における変動表示の保留数は最大4回であるので、4つの変動情報1〜4メモリ23k〜23nが設けられている。これら4つの変動情報1〜4メモリ23k〜23nに保留中のデータがある場合には、変動表示が終了する毎に、変動情報1メモリ23kのデータが変動情報メモリ23jへ、変動情報2メモリ23lのデータが変動情報1メモリ23kへ、変動情報3メモリ23mのデータが変動情報2メモリ23lへ、変動情報4メモリ23nのデータが変動情報3メモリ23mへ、それぞれ順にシフトして使用される。
また、変動情報メモリ23jおよび変動情報1〜4メモリ23k〜23nへの変動表示のデータの書き込みは、保留数に応じて行われる。保留数が「0」の場合には変動情報メモリ23hへ、保留数が「1」の場合には変動情報1メモリ23kへ、・・・、保留数が「4」の場合には変動情報4メモリ23nへ、変動表示のデータがそれぞれ書き込まれる。
バックアップエリア23oは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア23oへの書き込みは、NMI割込処理(図13参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア23oに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)の初期化処理(図14のS15〜S18参照)において実行される。なお、MPU21のNMI(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路50bから出力される停電信号51が入力されるように構成されており、停電の発生により、図13の停電時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。
かかるROM22およびRAM23を内蔵したMPU21は入出力ポート25と接続されており、入出力ポート25は、電源基板50に設けられたクリアスイッチ50cと、払出用モータ26によって賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、特別図柄及び普通図柄の変動表示の制御を行う表示用制御基板Dと、第1種始動口スイッチ24と、その他の入出力装置29とにそれぞれ接続されている。また、表示用制御基板Dは、スピーカ27から効果音の出力制御を行うと共にLEDや各種ランプ28の点灯制御を行う音声ランプ制御基板Sと接続されている。
電源基板50は、パチンコ機Pの各部に電力を供給するための電源部50aと、停電監視回路50bと、クリアスイッチ50cとを備えている。停電監視回路50bは、停電等の発生による電源断時に、主制御基板CのMPU21のNMI端子へ停電信号51を出力するための回路である。停電監視回路50bは、電源部50aから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号51を主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力するように構成されている。この停電信号51の出力によって、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電時処理(主制御基板Cの場合は図13のNMI割込処理)を実行する。なお、電源部50aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができるのである。
クリアスイッチ50cは、主制御基板CのRAM23および払出制御基板HのRAM(図示せず)にバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ50cが押下された状態でパチンコ機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによって、それぞれのRAM23のデータがクリアされる。
第1種始動口スイッチ24は、図柄作動口(第1種始動口)4に入賞した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ24によって球が検出されると、図示しない払出装置によって5個の賞球が払い出される。また、第1種始動口スイッチ24によって球が検出された場合には、変動パターンカウンタ23b等の値が取得され、その取得された値に従った変動表示が実行される。
次に、図4から図7を参照して、変動表示の制御のために主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドについて説明する。制御用コマンドは、変動パターン指定コマンド31と、停止図柄指定コマンド32と、図柄停止コマンド33とによって構成される。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、その1バイト目と2バイト目のコマンドコードを区別するために、1バイト目のコマンドコードは最上位ビットがセットされ、2バイト目のコマンドコードは最上位ビットがリセットされている。即ち、各コマンドコード(バイトデータ)の最上位ビットが1バイト目のコードと2バイト目のコードとを区別するための区別ビットとして使用されている。
図4は、変動パターン指定コマンド31のコマンド構成図である。変動パターン指定コマンド31は、変動表示を開始させると共に、変動表示の開始から終了までの一連の変動パターンを指定するためのコマンドであり、1バイト目のコマンドコードの上位4ビットが「Ch」として表される。前述した通り、本実施例の変動表示は、高速変動が11秒、5秒、3秒の3パターンに分かれている。各変動表示には1種類のハズレ変動と221種類のリーチアクションとの合計222種類の変動パターンがそれぞれ用意されているので、変動パターンは合計666種類となる。
変動パターン指定コマンド31によって指定される変動表示の制御は、その変動パターン指定コマンド31を受信した表示用制御基板Dによって行われる。よって、表示用制御基板Dの制御プログラムの内容を変更することにより、同一コードの変動パターン指定コマンド31に対する変動表示の内容を変更することができる。即ち、主制御基板Cの制御プログラムを変更することなく、表示用制御基板Dの制御プログラムを変更するだけで、変動表示の内容を変更することができるのである。
図5(a)は、停止図柄指定コマンド32のコマンドコードと、そのコマンドコードによって指定される図柄番号32aとの対応関係を示した図である。前記した通り、各図柄番号32aには、図3に示す各表示領域3a1〜3c3がそれぞれ対応付けされている。また、図5(b)は、20種類の図柄コード32bと図柄名32cとの対応関係を示した図である。
停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンの変動表示の終了時に、LCD3の各表示領域3a1〜3c3にそれぞれ停止表示される図柄を指定するためのコマンドである。停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31が送信され変動表示が開始された後に、LCD3の9つの表示領域3a1〜3c3のそれぞれに対して、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される。
この停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31と同様に2バイトで構成されている。停止図柄指定コマンド32の1バイト目には、図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3を指定するコマンドコードがセットされる。図5(a)に示すように、停止図柄指定コマンド32の1バイト目のコマンドコードが「90H」であれば図柄1の表示領域3a1が、「A0H」であれば図柄2の表示領域3b1が、・・・、「B2H」であれば図柄9の表示領域3c3が、それぞれ指定される。停止図柄指定コマンド32の2バイト目には、1バイト目のコマンドコードで指定した図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3に停止表示される図柄の図柄コード32bがセットされる。即ち、図5(b)に示すように、停止表示される図柄が「タコ」である場合には「10H」が、「ハリセンボン」である場合には「11H」が、・・・、「サメ(2)」である場合には「23H」が、それぞれ停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコードとしてセットされる。
表示用制御基板Dは、停止図柄指定コマンド32を受信すると、実行中の変動パターンを考慮した上で、停止図柄指定コマンド32で指定された図柄コード32bの図柄で変動表示が終了するように、変動中の図柄を差し替える。この図柄の差し替えは、変動表示が高速変動されている場合に限って行われるので、遊技者に図柄の差し替えが行われたことを気づかれることがない。
図5(b)に示すように、各図柄にはすべて異なった図柄コード32bが付与されている。特に、図柄名32c「サメ(1)」と「サメ(2)」とは、LCD3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、両図柄には「13H」と「23H」との異なった図柄コード32bが付与されている。同様に、図柄名32c「貝(1)」〜「貝(10)」も、LCD3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、「19H」〜「22H」の異なった図柄コード32bが付与されている。
図6は、かかる上段・中段・下段の各段の仮想図柄リール41〜43の構成を模式的に示した図である。図6(a)には、LCD3の上段の表示領域3aで変動表示される上段の仮想図柄リール41の構成が模式的に図示されている。図6(a)に示すように、上段の仮想図柄リール41には、18種類の図柄が「貝(9)」,「カニ」,「貝(8)」,・・・,「タコ」の順に配列されており、最終の「タコ」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「貝(9)」,「カニ」,「貝(8)」,・・・の各図柄が配列される。上段の仮想図柄リール41は、かかる図柄の配列順に、LCD3の上段の表示領域3aで変動表示される。
同様に、図6(c)には、LCD3の下段の表示領域3cで変動表示される下段の仮想図柄リール43の構成が模式的に図示されている。図6(c)に示すように、下段の仮想図柄リール43には、上段の仮想図柄リール41の配列と全く逆の配列で、18種類の図柄が「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・,「貝(9)」の順に配列されている。最終の「貝(9)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・の各図柄が配列される。下段の仮想図柄リール43は、かかる図柄の配列順に、LCD3の下段の表示領域3cで変動表示される。
図6(b)には、LCD3の中段の表示領域3bで変動表示される中段の仮想図柄リール42の構成が模式的に図示されている。図6(b)に示すように、中段の仮想図柄リール42には、下段の仮想図柄リール43の配列の最後尾に「サメ(2)」,「貝(10)」の2種類の図柄を加えた合計20種類の図柄が順に配列されている。上段および下段の仮想図柄リール41,43の場合と同様に、最終の「貝(10)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・の各図柄が配列される。中段の仮想図柄リール42は、かかる図柄の配列順に、LCD3の中段の表示領域3bで変動表示される。
図7は、図柄停止コマンド33のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。図柄停止コマンド33は、指定した図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3で変動表示されている図柄を停止表示(確定)させるためのコマンドである。表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信すると、その図柄停止コマンド33によって指定される表示領域3a1〜3c3に停止図柄指定コマンド32によって既に指定されている停止図柄が停止表示され、その表示領域3a1〜3c3の図柄が確定する。即ち、図柄停止コマンド33で指定された表示領域3a1〜3c3の変動表示が終了する。図柄停止コマンド33によって、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄が確定すると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動パターンの変動表示が終了する。
表示用制御基板Dは、変動パターン指定コマンド31と停止図柄指定コマンド32との内容を考慮しつつ、変動表示終了のタイミングで停止図柄指定コマンド32によって指定された図柄が該当する表示領域3a1〜3c3に表示されるように、変動表示の高速変動中に予め図柄の差し替えを行っている。しかも、主制御基板Cは、変動パターン指定コマンド31で指定した変動表示の変動パターンが終了するタイミングを見計らって、図柄停止コマンド33を表示用制御基板Dへ送信するように制御している。よって、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)は、遊技者に違和感を与えることなく、スムースに行われる。
なお、主制御基板Cからの図柄停止コマンド33の送信タイミングが速まった結果、変動パターン指定コマンド31で指定した変動パターンの終了前であるにも拘わらず、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信した場合には、表示用制御基板Dは、変動パターンの終了前であっても、既に停止図柄指定コマンド32で指定されている停止図柄を該当する表示領域3a1〜3c3の中央に停止表示し、その表示領域3a1〜3c3の図柄を確定する。
図柄停止コマンド33には、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄を個別に確定させる9種類のコマンドと、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄をすべて一度に確定させる1種類のコマンドと、上段・中段・下段の3段に分かれた3つの表示領域3a,3b,3cの図柄を各段毎に個別に確定させる3種類のコマンドとがあり、合計13種類のコマンドが用意されている。このうち、スクロールの単位となる上段・中段・下段の各段毎に、3つずつの図柄を一度に確定させる図柄停止コマンド33(「80H,0BH」,「80H,0CH」,「80H,0DH」)を用いれば、制御によってLCD3の表示上に表される仮想図柄リール41〜43のスクロールを、実際の図柄リールのスクロールと同じように行わせるができ、遊技者の興趣を一層向上させることができる。
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図13から図17の各フローチャートを参照して説明する。図13は、停電の発生等によるパチンコ機Pの電源断時に、主制御基板Cで実行されるNMI割込処理のフローチャートである。このNMI割込処理により、停電の発生等による電源断時の主制御基板Cの状態がバックアップエリア23oに記憶される。
停電の発生等によりパチンコ機Pの電源が断されると、停電監視回路50bから停電信号51が主制御基板CのMPU21のNMI(Non Maskable Interrupt)端子へ出力される。すると、MPU21は、実行中の制御を中断して、図12のNMI割込処理を開始する。停電信号51が出力された後所定時間は、主制御基板Cの処理が実行可能なように電源基板50の電源部50aから電力供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、各レジスタおよびI/O等の値をスタックエリアへ書き込み(S1)、次に、スタックポインタの値をバックアップエリア23kへ書き込んで退避する(S2)。更に、停電発生情報をバックアップエリア23kへ書き込んで(S3)、停電の発生等による電源断時の状態を記憶する。その後、その他停電処理を実行した後(S4)、電源が完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をループする。
図14は、パチンコ機Pの電源入時に主制御基板Cで実行されるメイン処理のフローチャートである。メイン処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア23oに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、或いは、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ50cが押下された場合には、RAMクリア及び初期化処理(S19)を実行して、パチンコ機Pを初期化する。
まず、割込を禁止し(S11)、スタックポインタを設定する(S12)。クリアスイッチ50cがオンされているか否かを確認し(S13)、オンされていなければ(S13:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S14)。この確認は、RAM23の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効であれば(S14:Yes)、処理をS15へ移行して、主制御基板Cの各状態を電源断前の状態に復帰させる。
S15からの処理では、まず、バックアップエリア23oからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S15)。次に、普通図柄表示装置6やLCD3の表示状態を電源断前の状態に戻す等の復電処理(S16)を行う。その後、バックアップエリア23oへ退避した各レジスタやI/O等のデータをそのバックアップエリア23oから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S17)。更に、割込状態を停電発生時に実行される図13の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻し(S18)、NMI割込リターンを実行して処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
一方、クリアスイッチ50cがオンされていたり(S13:Yes)、或いはバックアップが有効でなければ(S14:No)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S19)、各メモリやI/Oを初期化する。その後、タイマ割込等の各割込の設定を行って(S20)、割込が発生可能な状態にした上で、割込を許可する(S21)。
割込の許可後は、S22からS28の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S22からS28の各処理を説明する。
始動入賞処理(S22)では、球が図柄作動口(第1種始動口)4へ入賞したか否かを確認した上で所定の処理が行われる。即ち、第1種始動口スイッチ24のオンが確認された場合には、球が図柄作動口4へ入賞したものと判断して、その時の乱数カウンタや、リーチカウンタ、大当り図柄カウンタ、3つの各外れ図柄カウンタ、変動パターンカウンタ23bの各値を、対応する変動情報メモリ23jまたは変動情報1〜4メモリ23k〜23nに記憶して特別図柄の変動表示を決定すると共に、特別図柄の変動表示の保留数を表示するランプ28の点灯状態を更新する。特別図柄の変動表示の保留数が4以上である場合には、これらの処理はスキップされる。なお、保留数の表示の更新は、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ制御用コマンドを出力し、更にその制御用コマンドを入力した表示用制御基板Dが音声ランプ制御基板Sへランプ28の点灯状態を更新する制御用コマンドを出力することによって、音声ランプ制御基板Sにより行われる。更に、タイマカウンタ23gの値が「1000」に達した場合には、タイマカウンタ23gの値(1000)と入賞球カウンタ23hの値とに基づいて始動入賞率が算出される。この始動入賞率の算出は、入賞球カウンタ23hの値をタイマカウンタ23gの値で除算することによって算出される。算出された始動入賞率は、始動入賞率記憶メモリ(図示せず)によって記憶され、後述する遊技状態判定処理(図17)で参照される。
変動開始処理(S23)では、特別図柄の変動表示や大当たり表示が終了しており、且つ特別図柄の変動表示の保留数が0でない場合に、LCD3において新たな特別図柄の変動表示を開始する。即ち、主制御基板Cは、特別図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド31と、その変動表示の終了時に停止表示される特別図柄を指定する停止図柄指定コマンド32とを制御用コマンドとして表示用制御基板Dへ出力し、その制御用コマンドを入力した表示用制御基板Dによって特別図柄の変動表示が開始される。表示用制御基板Dは、音声ランプ制御基板Sへ、特別図柄の変動表示の保留数を表示するランプ28の点灯状態を更新する制御用コマンドや、特別図柄の変動表示に合わせた効果音の出力とランプ28の点灯を指示する制御用コマンドを出力する。
変動停止処理(S24)では、まず、大当り中であるか否かを判定する。ここで、大当り中には、大当りの際にLCD3で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当り中ではないと判定されると、変動時間メモリ23iに記憶されるその変動表示の変動時間が終了しているか否かを判定する。変動時間が終了(経過)していれば、図柄停止コマンド33を表示用制御基板Dへ出力し、その変動表示を終了する。表示用制御基板Dは図柄停止コマンド33を入力すると、LCD3に停止図柄を表示する。
カウンタ更新処理(S25)では、乱数カウンタ、リーチカウンタ、大当り図柄カウンタ、変動パターンカウンタ23bの各カウンタの値を更新する。乱数カウンタは、大当りか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では「0〜599」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり599)に達した後に再び「0]に戻るループカウンタで構成される。リーチカウンタは、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では「0〜11」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり11)に達した後に再び0に戻るループカウンタで構成される。大当り図柄カウンタは、大当りのときにLCD3に停止表示される特別図柄(大当り図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では「0〜44」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり44)に達した後に再び0に戻るループカウンタで構成される。変動パターンカウンタ23bは、上述したようにLCD3を変動表示させるパターン(変動パターン)の決定に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜600」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり600)に達した後に再び0に戻るループカウンタで構成される。
大当たり処理(S26)では、大当たりか否かを判定し、大当たりである場合には大入賞口(特定入賞口)6の開放処理を行う。一方、大当たりでない場合には、該処理をスキップしてこの処理を終了する。大入賞口6の開放処理では、球が入賞しやすいように大入賞口6を所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放する。大入賞口6の開放中に、球がVゾーン6a内を通過すると、継続権を成立させて、大入賞口6の閉鎖後、再度、その大入賞口6を所定時間(又は、球が10個入賞するまで)開放する。この大入賞口6の開閉動作を、最高で16回(16ラウンド)繰り返す。
外れ図柄カウンタ更新処理(S27)では、3つある各外れ図柄カウンタの値をそれぞれ更新する。外れ図柄カウンタは、特別図柄の変動表示の結果としての外れ図柄を決定するためのカウンタであり、特別図柄の変動表示に合わせて左断、中段、右断についてそれぞれ、即ち合計で3の外れ図柄カウンタが設けられている。これら外れ図柄カウンタの値に応じて、外れ時の変動表示の停止図柄が決定される。
外れ図柄カウンタ更新処理(S27)の終了後は、次のS22の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、その外れ図柄カウンタ更新処理(S27)を繰り返し実行する。S22〜S26の各処理は定期的に実行する必要があるので、S28の処理において、前回のS22の処理の実行からの経過時間をチェックする(S28)。チェックの結果、前回のS22の処理の実行から所定時間(例えば2ms)経過していれば(S28:Yes)、処理をS22へ移行する。一方、所定時間経過していなければ(S28:No)、処理をS27へ移行して、外れ図柄カウンタ更新処理(S27)を繰り返す。ここで、S22〜S26の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS22の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して外れ図柄カウンタ更新処理(S27)を繰り返し実行することにより、各外れ図柄カウンタの値をランダムに更新することができる。
図15は、図14の変動開始処理(S23)内で実行されるコマンド設定処理を示したフローチャートである。このコマンド設定処理は、LCD3の変動表示を制御する制御用コマンドである変動パターン指定コマンド31と停止図柄指定コマンド32とを、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信するために、送信バッファ23aへ書き込む(セットする)ための処理である。
コマンド設定処理では、まず、変動表示の状態が状態チェックフラグ(図示せず)によってチェックされる(S31)。チェックの結果、変動表示の開始であれば(S31:変動開始)、変動パターン決定処理(図16参照)を実行して(S32)、変動パターン指定コマンド31を決定し、これを送信バッファ23cへ書き込む(S33)。その後、コマンドカウンタ23dの値を「1」として(S34)、この処理を終了する。送信バッファ23cへ書き込まれた変動パターン指定コマンド31は、S20の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。なお、変動パターン決定処理(S32)は、図16を参照しつつ後述する。
S31の処理において、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動表示中であれば(S31:変動表示中)、コマンドカウンタ23dの値が「9」以下であるか否かを調べる(S35)。コマンドカウンタ23dの値が「9」以下であれば(S35:Yes)、そのコマンドカウンタ23dの値に対応する停止図柄指定コマンド32の1バイト目を送信バッファ23cの上位バイトへ書き込む(S36)。図5(a)に示す対応関係に基づいて、例えば、コマンドカウンタ23bの値が「1」であれば「90H」が、コマンドカウンタ23dの値が「2」であれば「A0H」が、・・・、コマンドカウンタ23dの値が「9」であれば「B2H」が、それぞれ送信バッファ23cの上位バイトへ書き込まれる。
更に、コマンドカウンタ23dの値に対応する停止図柄の図柄コード32bを送信バッファ23cの下位バイトへ書き込む(S37)。例えば、コマンドカウンタ23dの値が「1」であれば図柄1(3a1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、コマンドカウンタ23dの値が「2」であれば図柄2(3b1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、・・・、コマンドカウンタ23dの値が「9」であれば図柄9(3c3)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、それぞれ図5(b)に示す対応関係に基づいて、送信バッファ23cの下位バイトへ書き込まれる。ここで、停止図柄として「タコ」の図柄が指定される場合には「10H」の図柄コード32bが、「ハリセンボン」の図柄が指定される場合には「11H」の図柄コード32bが、・・・、「サメ(2)」の図柄が指定される場合には「23H」の図柄コード32bが、それぞれ指定される。
S36およびS37の処理によって、2バイトの停止図柄指定コマンド32を送信バッファ23cへ書き込んだ後は、コマンドカウンタ23dの値を「1」加算して(S38)、この処理を終了する。なお、送信バッファ23cへ書き込まれた停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S20の処理で設定されたタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
一方、コマンドカウンタ23dの値が「10」以上であれば(S35:No)、9つ全ての表示領域3a1〜3c3について停止図柄指定コマンド32を送信したということである。よって、かかる場合には、S36からS38の各処理をスキップして、この処理を終了する。また、S31の処理において、状態フラグをチェックした結果、変動表示の開始でも変動表示中でもなければ(S31:その他)、そのまま、この処理を終了する。
図16は、コマンド設定処理(図15)の中で実行される変動パターン決定処理(S32)のフローチャートである。変動パターン決定処理は、変動パターン指定コマンド31と、その変動パターン指定コマンド31で指定される変動表示の変動時間を求めるための処理である。求めた変動時間は変動時間メモリ23gに書き込まれる。
まず、遊技状態判定処理(S41)で遊技状態に応じてコマンドポインタ23eの値を決定する。この遊技状態判定処理(S41)の詳細については、図17を参照して後述する。
遊技状態判定処理(S41)によってコマンドポインタ23eの値を決定した後は、そのコマンドポインタ23eの値に対応した変動パターン指定コマンド31の上位バイトを取得する(S42)。図8の変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル22aに示すように、コマンドポインタ23eの値が「1」であれば「C0h」が、コマンドポインタ23eの値が「2」であれば「C2h」が、コマンドポインタ23eの値が「3」であれば「C4h」が、それぞれ変動パターン指定コマンド31の上位バイトとして取得される。
次に、変動情報メモリ23jに記憶される変動パターンカウンタ23bの値に基づいて、変動パターン決定テーブル22d(図12)より検索ポインタ23fの値を取得し(S43)、この検索ポインタ23fの値を変動パターン指定コマンド31の下位バイトとして仮にセットする(S44)。図10および図11に示す通り、222種類ある変動パターンに対応して、検索ポインタ23fは「1〜222(DEh)」のいずれかの値をとる。これに対し、変動パターン指定コマンド31の下位バイトは、その最上位ビットが区別ビットとしてリセットされなければならない。よって、取得した検索ポインタ23dの値が80h以上であるか否かを判断し(S45)、80h以上であれば(S45:Yes)、区別ビット(変動パターン指定コマンド31の下位バイトの最上位ビット)の部分をリセットするために、仮にセットした変動パターン指定コマンド31の下位バイトから7Fhを減算し(S46)、変動パターン指定コマンド31の上位バイトに「1」を加算して(S47)、変動パターン指定コマンド31を確定する。
一方、検索ポインタ23dの値が7Fh以下であれば(S45:No)、区別ビットのリセットは不要であるので、S42の処理で取得した上位バイトと、S44の処理で仮に決定した下位バイトとを合成して変動パターン指定コマンド31を確定する。以上のS42からS47の各処理により、変動パターン指定コマンド31が生成され、確定する。
変動パターン指定コマンド31が確定した後は、そのコマンド31で指定される変動パターンの変動時間を求め、これを変動時間メモリ23iに記憶する。まず、図10の変動時間テーブル22cから検索ポインタ23fの値に対応した変動時間を取得する(S48)。取得した変動時間は11秒の高速変動のものなので、図9の減算時間テーブル22bよりコマンドポインタ23eの値に基づいて減算時間を取得する(S49)。コマンドポインタ23eの値が「1」であれば11秒の高速変動であるので0秒分の減算時間が、コマンドポインタ23eの値が「2」であれば5秒の高速変動であるので6秒分の減算時間が、コマンドポインタ23eの値が「3」であれば3秒の高速変動であるので8秒分の減算時間が、それぞれ取得される。取得した減算時間を、S48の処理で取得した変動時間から減算し、これを変動時間メモリ23iへ記憶する(S50)。これにより、S41からS47までの処理で決定した変動パターン指定コマンド31が指定する変動表示の変動時間が変動時間メモリ23gに記憶される。
図17は変動パターン決定処理(図16)の中で実行される遊技状態判定処理(S41)のフローチャートである。遊技状態判定処理は、遊技状態に応じたコマンドポインタ23eの値を決定するための処理である。決定されたコマンドポインタ23eの値に対応した変動パターン指定コマンド31の上位バイトを取得する。
この遊技状態判定処理では、まず、大当たり確率が高確率であるか否かを判定する(S51)。この判定は、大当たり確率が高確率である場合にオンされ、通常確率の場合にはオフされる高確率フラグ(図示せず)によって判定する。高確率でなければ(S51:No)、普通図柄の当たり確率が高確率状態であるか否かを判定する(S52)。この判定は、普通図柄の当たり確率が高確率状態の場合にオンされ、通常確率の場合にはオフされる普通図柄高確率フラグ(図示せず)によって判定する。普通図柄の当たり確率が高確率状態でなければ(S52:No)、変動開始処理(図14、S23)において算出された始動入賞率を調べる(S53)。始動入賞率が「0.002」以上でなければ(S53:No)、開閉弁4aが開放中か否かを判定する(S54)。この判定は、開閉弁4aの開放時にオンされ、閉鎖時にオフされる開閉弁フラグ(図示せず)によって判定する。開閉弁4aが開放中でなければ(S54:No)、保留球カウンタ23aの値を調べる(S55)。保留球カウンタ23aの値が「3」以上でなければ(S55:No)、11秒の高速変動であるので、コマンドポインタ23eに「1」をセットし(書き込み)(S56)、この遊技状態判定処理(S41)を終了する。
一方、大当たり確率が通常確率(S51:No)且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態で(S52:No)、始動入賞率が「0.002」以上(S53:Yes)であれば、5秒の高速変動であるので、コマンドポインタ23eに「2」をセットする。また、大当たり確率が通常確率(S51:No)且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態で(S52:No)且つ始動入賞率が「0.002」未満(S53:No)で、開閉弁4aが開放中であれば(S54:Yes)、5秒の高速変動であるので、コマンドポインタ23eに「2」をセットし、この遊技状態判定処理(S41)を終了する。更に、大当たり確率が通常確率(S51:No)且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態(S52:No)且つ始動入賞率が「0.002」未満(S53:No)且つ開閉弁4aが開放中でなく(S54:No)且つ保留球カウンタ23bの値が「3」以上(S55:Yes)であれば、5秒の高速変動であるので、コマンドポインタ23eに「2」をセットする。
大当たり確率が高確率である場合(S51:Yes)、または、大当たり確率が通常確率(S51:No)且つ普通図柄の当たり確率が高確率状態(S52:Yes)であれば、今回の変動表示が球の図柄作動口4への入賞(即ち始動入賞)から5秒経過しているか否かを判定する(S58)。始動入賞から5秒経過していなければ(S58:No)、5秒の高速変動であるので、コマンドポインタ23eに「2」をセットする(S57)。一方、始動入賞から5秒経過していれば(S58:Yes)、3秒の高速変動であるので、コマンドポインタ23eに「3」をセットし(S59)、この遊技状態判定処理(S41)を終了する。
このように、遊技状態判定処理(S41)では、大当たり確率が高確率である場合(S51:Yes)にはコマンドポインタ23eに11秒の高速変動である「1」をセットせず、11秒よりも短い5秒の高速変動に対応する「2」または、3秒の高速変動に対応する「3」をコマンドポインタ23eにセットする(S57、S59)。遊技者は、遊技状態が、通常の遊技状態より高確率で大当たりが発生する遊技状態である場合には、早く次の大当たりが発生することを期待する。高確率期間中は、遊技者にとって次の大当たりが発生するまでの消化的期間である。よって、大当たり確率が高確率時には通常確率時に比べて短い変動時間の変動表示を行うことによって、遊技者には、次の大当たりを獲得するまでの高確率状態を短くして、より早く次の大当たりを獲得させることができる。よって、大当たり確率の高低に基づいた遊技状態に応じた最適な変動表示を行うことができる。
また、遊技状態判定処理(S41)では、普通図柄の当たり確率が高確率状態である場合(S52:Yes)にはコマンドポインタ23eに11秒の高速変動である「1」をセットせず、11秒よりも短い5秒の高速変動に対応する「2」または、3秒の高速変動に対応する「3」をコマンドポインタ23eにセットする(S57、S59)。普通図柄の当たり確率が高確率状態では、球が入賞し易いように図柄作動口4の両脇に設けられた開閉弁4aが通常時より高確率で開閉するので、遊技者は、より多くの球を始動入賞させることができる。このため、普通図柄の当たり確率が高確率状態の場合には、変動表示の変動時間を短くすることで単位時間当たりの変動回数を増加させて、速やかに複数の変動表示を進行させる一方、普通図柄の当たり確率が通常確率状態の場合には、変動表示の変動時間を長くすることによって、変動表示の変動中に図柄作動口4へ球が入賞し易くなり、変動表示を途切れ難くすることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、普通図柄の当たり確率に応じた最適な変動表示を行うことができる。
更に、遊技状態判定処理(S41)では、始動入賞率が「0.002」以上の場合にはコマンドポインタ23eに11秒の高速変動である「1」をセットせず、11秒よりも短い5秒の高速変動に対応する「2」をコマンドポインタ23eをセットする(S57)。始動入賞率が「0.002」以上の場合には「0.002」未満の場合に比べてより多くの球が始動入賞しているため、始動入賞率が「0.002」以上の場合に、「0.002」未満の場合と比べて短い時間で変動表示を行うことによって、より多く変動表示を行うことができる。よって、始動入賞率によって変動時間を長短させることによって、遊技者にとって最適な変動表示を行うことができる。なお、必ずしも始動入賞率の閾値として「0.002」にする必要はなく、遊技機の構成に基づいて最適な閾値とすることが好ましい。
また、遊技状態判定処理(S41)では、開閉弁4aが開放中の場合にはコマンドポインタ23eに11秒の高速変動である「1」をセットせず、11秒よりも短い5秒の高速変動に対応する「2」をコマンドポインタ23eにセットする。図柄作動口の両脇に設けられる開放弁4aが開放中には一時的に図柄作動口4へ多くの球が入賞し、保留球として保留されない球が生じてしまう可能性がある。よって、開閉弁4aが開放中には通常時よりも変動時間を短くすることで変動表示に関係しない球を低減させ、遊技者を満足させることができる。
更に、遊技状態判定処理(S41)では、保留球カウンタ23bの値が「3」以上の場合にはコマンドポインタ23eに11秒の高速変動である「1」をセットせず、11秒よりも短い5秒の高速変動に対応する「3」をコマンドポインタ23eにセットする。このため、保留球が「3」以上の場合には短い時間でより多く変動表示を行い、「3」未満の場合には「3」以上の場合に比べて長い時間で変動表示が行われる。よって、遊技者には、保留球が多い場合には変動時間を短くすることによって、保留球をテンポよく消化することができる一方、保留球が少ない場合には変動時間を長くすることによって変動中に始動入賞が生じやすくなり、変動表示を途切れ難くすることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、保留球の数に応じた最適な変動表示を行うことができる。なお、変動時間の長短を決める閾値としての保留球カウンタ23bの値は必ずしも「3」である必要はない。
また、遊技状態判定処理(S41)では、大当たり確率が高確率時または普通図柄の当たり確率が高確率遊技状態において、始動入賞から5秒経過した場合には、コマンドポインタ23eに5秒の高速変動である「2」をセットせず、5秒よりも短い3秒の高速変動に対応する「3」をコマンドポインタ23eをセットする。遊技機、特にパチンコ機の場合は、射幸性を抑制するために球の始動入賞から所定時間(本実施例では、5秒)経過しなければ変動表示を確定しなように制御している。従って、大当たり確率が高確率時または普通図柄の当たり確率が高確率遊技状態の場合において、始動入賞した球が5秒経過してない場合には、5秒の変動時間を設定し、5秒経過している場合には5秒よりも短い時間(本実施例では、3秒)を設定することによって、始動入賞時からの待機時間によってバリエーションに富んだ変動表示を実現することができる。
次に、図18及び図19のタイミングチャートを参照して、上述の説明に基づく変動表示のタイミングについて説明する。まず、図18を参照して、9つ全ての図柄を一度に停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。主制御基板Cから表示用制御基板Dへ変動パターン指定コマンド31が送信されると、図柄1(3a1)〜図柄9(3c3)の全ての図柄について変動表示が開始される。この変動パターン指定コマンド31に続いて、高速変動の最中に、停止図柄指定コマンド32が9つの表示領域3a1〜3c3に対して順に送信される。停止図柄指定コマンド32が表示用制御基板Dによって受信されると、その停止図柄指定コマンド32により指定される停止図柄に合わせて、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
その後、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンで、表示用制御基板Dによって変動表示が継続され、変動表示の終了タイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、9つの全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH(図7参照))が送信される。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。変動表示の終了後は、所定時間の経過により、各表示領域3a1〜3c3に停止表示されている停止図柄指定コマンド32で指定した停止図柄の表示が別の表示に切り替えられる。
なお、変動表示の終了タイミングが到来する前に、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信した場合には、変動パターン指定コマンド31で指定された変動表示の終了タイミングが到来していなくても、停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄を、指定された表示領域3a1〜3c3へ、即座に、停止表示する。かかる制御により、図柄停止コマンド33の送信(受信)タイミングに合わせて、変動表示を終了させることができるのである。
次に、図19のタイミングチャートを参照して、上段、下段、中段の順に、9つの図柄を3図柄ずつ停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。停止図柄指定コマンド32の送信までは、図16のタイミングと同様に行われ、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
変動表示終了のタイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、まず、上段の表示領域3aに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信される(80H,0BH(図7参照))。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、上段の図柄1,4,7が停止表示(確定)する(図3参照)。次に、下段の表示領域3cに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0DH(図7参照))、下段の図柄3,6,9が停止表示(確定)する(図3参照)。更に、中段の表示領域3bに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0CH(図7参照))、中段の図柄2,5,8が確定する(図3参照)。以上3つの図柄停止コマンド33により、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
このように図柄のスクロール方向に合わせて、上段、下段、中段の順に図柄を停止表示(確定)させることにより、制御によって表示上に表される仮想図柄リール41〜43を、実際の図柄リールのように表現することができる。なお、図柄のスクロール方向が縦方向の場合には、図柄の停止表示(確定)は、例えば、左、右、中の順に行われる。
以上説明した通り、本実施例のパチンコ機1によれば、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、表示用制御基板DによってLCD3にて特別図柄の変動表示が行われる。かかる変動表示の一連の変動パターンは、変動パターン指定コマンド31によって指定されるが、この変動パターン指定コマンド31は、遊技状態(即ちコマンドポインタ23eの値)と、変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル22aと、検索ポインタ23fの値とに基づいて、変動パターン決定処理(S32、図16)により生成される。よって、変動パターン指定コマンド31を、ROM22内に個々に記憶する必要がないので、本実施例のように、合計666種類の豊富な変動パターンを設けても、ROM22の記憶容量を圧迫することがない。従って、ROM22内に制御プログラムの記憶領域を充分に確保しつつ、バリエーションに富んだ多彩な変動表示を実現することができる。
更に、上記実施例において、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態且つ始動入賞率が「0.002」未満且つ開閉弁4aが閉鎖中且つ保留球カウンタ23aの値が「0〜2」の場合に11秒の高速変動を基準に行われる。一方、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態且つ始動入賞率が「0.002」以上の場合、または、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態且つ始動入賞率が「0.002」未満且つ開閉弁4aが開放中の場合、または、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が通常確率状態且つ始動入賞率が「0.002」未満且つ開閉弁4aが閉鎖中且つ保留球カウンタ23aの値が「3〜4」の場合、または、大当たり確率が高確率且つ球が図柄作動口4へ入賞した後5秒以上経過していない場合、または、大当たり確率が高確率且つ普通図柄の当たり確率が高確率状態且つ球が図柄作動口4へ入賞した後5秒経過していない場合には変動表示は5秒の高速変動を基準に行われる。更に、大当たり確率が高確率で球が図柄作動口4へ入賞した後5秒経過した場合、および、大当たり確率が通常確率且つ普通図柄の当たり確率が高確率状態で球が図柄作動口4へ入賞した後5秒経過した場合には、変動表示は3秒の高速変動を基準に行われる。
このように動的表示の時間が3通りある場合に、それぞれについて変動パターン指定コマンドを設けずに、基本データと時間データとに基づいて変動パターン指定コマンドを生成することにより、予め記憶しておくデータ数を小さくすることができる。上記事例の場合には、約1/3程度以下にすることができる。
また、変動表示の時間を指示する時間データは遊技状態判定処理(図17、S41)によって、遊技状態に応じて設定される。よって、変動時間を固定することなく遊技状態に応じた最適な変動表示を実現することができる。
なお、時間データは、時間そのものを表すデータの他、時間を対応つけて表すデータをも含むものである。例えば、11秒の高速変動を「1」、5秒の高速変動を「2」、3秒の高速変動を「3」というように、時間を対応つけて表すものも時間データとして取り扱う。
以上説明した通り、本実施例のパチンコ機1によれば、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、表示用制御基板DによってLCD3にて特別図柄の変動表示が行われる。かかる変動表示の一連の変動パターンは、変動パターン指定コマンド31によって指定されるが、この変動パターン指定コマンド31は、遊技状態判定処理(S41、図17)によって遊技状態に基づいて設定されるコマンドポインタ23eの値と、変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル22aと、検索ポインタ23fの値とに基づいて、変動パターン決定処理(S32、図15)により生成される。よって、変動パターン指定コマンド31をROM22内に個々に記憶する必要がないので、本実施例のように、合計666種類の豊富な変動パターンを設けても、ROM22の記憶容量を圧迫することがない。従って、ROM22内に制御プログラムの記憶領域を充分に確保しつつ、バリエーションに富んだ多彩な変動表示を実現できる。
また、コマンドポインタ23eは、遊技状態判定処理(S41、図17)によって判定された遊技状態に基づいて設定される。このため、コマンドポインタ23eを用いて生成される変動表示の時間が遊技状態に関連づけられたものとなる。よって、制御プログラムの記憶領域を充分に確保しつつ、遊技機の設計段階で遊技状態に適しているとして予め設定した通りに、遊技状態に応じた適切な動的表示を実現することができる。
また、上記実施例において、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機1の動的表示としてはLCD3で行われる変動表示が該当し、識別情報としてはLCD3で変動表示される特別図柄が該当し、各動的表示の基本パターンを指示するための基本パターン毎に割り当てられた基本データとしては検索ポインタ23fが該当し、時間毎に割り当てられた時間データとしてはコマンドポインタ23eの値が該当し、コマンド生成手段としては図16の変動パターン決定処理が該当し、遊技状態判定手段としては図17のS51〜S55及びS58の処理が該当し、時間設定手段としては図17のS56、S57、S59の処理が該当する。
更に、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機1における動的表示の始動条件の成立態様に基づく遊技状態とは、始動条件の成立に直接的に関連する遊技状態の他、始動条件の成立に基づいて行われる後の処理が複数種類に設定され、複数の遊技状態を選択的に進行する場合における進行中の遊技状態を意味している。なお、動的表示の始動条件の成立態様に基づく遊技状態とは、上記実施例では、普通図柄の当たり確率が高確率状態である遊技状態、始動入賞率が「0.002」以上である遊技状態、開閉弁4aが開放中である遊技状態、保留球カウンタ23aの値が「3」以上である遊技状態、始動入賞から5秒経過した遊技状態、大当たり確率が高確率である遊技状態が該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例における開閉弁4aの開放時間が、遊技状態によって長短する開閉弁とし、上記実施例の遊技状態判定処理(S41)のS52の処理の代わりに開閉弁4aが通常の遊技状態より長い時間開閉する遊技状態であるか否かを判定し、開閉弁4aが通常の遊技状態より長い時間開閉する遊技状態である場合には、通常の遊技状態にくらべて短い時間に対応したコマンドポインタ23eの値を設定するものであっても良い。開閉弁4aが通常の遊技状態より長く開閉する遊技状態の場合、長い時間、開閉弁4aが開閉されより多くの遊技球を図柄作動口4へ入賞させることができる。このため、開閉弁4aが通常の遊技状態より長い時間開閉する遊技状態の場合には、変動表示の変動時間を短くすることで単位時間当たりの変動回数を増加させて、速やかに複数の変動表示を進行させる一方、開閉弁4aの開閉時間が通常の遊技状態の場合には、変動表示の変動時間を長くすることによって、変動表示の変動中に図柄作動口4へ遊技球が入賞し易くなり、変動表示を途切れ難くすることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、開閉弁4aの開閉時間に応じた最適な変動表示を行うことができる。
また、例えば、上記実施例の遊技状態判定処理(S41)のS52の処理の代わりに、普通図柄の変動時間が通常の遊技状態より短い遊技状態であるか否かを判定し、普通図柄の変動時間が通常の遊技状態より短い遊技状態である場合には、通常の遊技状態である場合に比べて短い時間に対応したコマンドポインタ23eの値を設定するものであっても良い。普通図柄の変動時間が通常の遊技状態より短い遊技状態では、通常の遊技状態より普通図柄の当たりか否かの抽選が単位時間当たりにより多く行われるため、球が始動入賞し易いように図柄作動口4の両脇に設けられた開閉弁4aが通常の遊技状態より単位時間当たりに多く開閉する。このため、遊技者は、短時間でより多くの球を始動入賞させることができる。よって、普通図柄の変動時間が通常の遊技状態より短い場合には、特別図柄の変動時間を短くすることで単位時間当たりの変動回数を増加させて、テンポ良く保留球を消化させることができる一方、通常の遊技状態の場合には、特別図柄の変動時間を長くすることで変動中に始動入賞が生じやすくなり、特別図柄の変動表示を途切れ難くすることができる。従って、遊技者を飽きさせることがなく、普通図柄の変動時間に応じた最適な変動表示を行うことができる。
更に、上記実施例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、LCD3上で識別情報としての図柄を横方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
また、本発明をパチンコ機1以外の遊技機、例えばスロットマシン1に用いるようにしても良い。
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。表示装置と、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示装置に識別情報の動的表示を行わせる表示用制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段から送信される制御用コマンドとして、動的表示の一連のパターンを指定する動的パターン指定コマンドを有しており、その動的パターン指定コマンドを、時間毎に割り当てられた時間データと動的表示の開始から前記時間データに基づく時間の経過後に開始する各動的表示の基本パターンを指示するために基本パターン毎に割り当てられた基本データとに基づいて生成するコマンド生成手段と、前記動的表示の始動条件の成立態様に基づく遊技状態を判定する遊技状態判定手段と、その遊技状態判定手段によって判定された遊技状態に基づいて前記時間データを設定する時間設定手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1において、遊技球が投入される遊技領域に設けられると共に遊技球の入球に基づいて前記動的表示を開始させる作動領域を備えており、前記主制御手段は、前記作動領域への遊技球の入球を検出する検出手段と、前記表示用制御手段による前記動的表示の最中に前記検出手段によって遊技球の入球が検出された場合にその検出回数を記憶する検出回数記憶手段とを備えており、前記遊技状態判定手段は、前記検出回数記憶手段に記憶された検出回数が所定回数以上であるか否かを判定するものであり、前記時間設定手段は、前記遊技状態判定手段によって前記検出回数が前記所定回数以上であると判定された場合に前記所定回数以上でないと判定された場合に比べて短い時間に対応した時間データを設定するものであることを特徴とする遊技機2。遊技機2によれば、表示用制御手段による動的表示の最中に検出手段によって遊技球の入球が検出され、検出回数記憶手段に記憶された検出回数が、所定回数以上であると判定された場合には所定回数以上でないと判定された場合に比べて短い時間に対応した時間データが設定される。このため、検出回数記憶手段に記憶された検出回数が所定回数以上の場合には短い時間でより多くの動的表示を行う一方、所定回数未満の場合には、検出回数記憶手段に記憶された検出回数が所定回数以上の場合に比べて長い時間で動的表示が行われる。よって、検出回数記憶手段に記憶された検出回数が所定回数より多い場合には動的表示の時間を短くすることによって、検出回数記憶手段に記憶された検出回数を速やかに消化させる一方、検出回数記憶手段に記憶された検出回数が所定回数より少ない場合には、動的表示の時間を長くすることによって遊技球が、動的表示中に作動領域へ入球しやすくなり、動的表示を途切れ難くすることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、検出回数記憶手段に記憶された検出回数に基づく遊技状態に応じた適切な時間で動的表示を行うことができる。
なお、遊技領域としては、例えば、上記実施例における遊技領域2cが例示され、作動領域としては、例えば、上記実施例における図柄作動口4が例示され、検出手段としては、例えば、第1種始動口スイッチ24が例示され、検出回数記憶手段としては、保留球カウンタ23aが例示される。また、所定回数としては、例えば、上記実施例における保留球カウンタ23aの値の「3」が例示される。
遊技機1または2において、前記主制御手段は、始動条件が成立した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に、前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると前記所定の遊技価値を付与する制御を行うものであり、前記遊技状態判定手段は、前記所定の遊技価値が付与される遊技状態に少なくとも遷移するまで通常の遊技状態より高確率で前記所定の遊技価値を付与する高確率遊技状態であるか否かを判定するものであり、前記時間設定手段は、前記遊技状態判定手段によって遊技状態が高確率遊技状態であると判定された場合には高確率遊技状態でないと判定された場合に比べて短い時間に対応した時間データを設定するものであることを特徴とする遊技機3。遊技者は、遊技状態が、通常の遊技状態より高確率で所定の遊技価値が付与される高確率遊技状態である場合には、早く次の所定の遊技価値が付与される遊技状態に遷移することを期待する。所定の遊技価値が高確率で付与される期間中は、遊技者にとって次の所定の遊技価値が付与される遊技状態に遷移するまでの消化的期間である。遊技機3によれば、遊技状態が所定の遊技価値が付与される遊技状態に遷移するまで通常の遊技状態より高確率で前記所定の遊技価値を付与する高確率遊技状態である場合には、通常の遊技状態に比べて短い時間に対応した時間データが設定される。このため、高確率遊技状態の場合には、通常の遊技状態より短い時間で動的表示が行われ、遊技者には、消化的期間である高確率遊技状態を短くして、より早く次の所定の遊技価値を獲得させることができる。よって、所定の遊技価値が付与される確率の高低に基づく遊技状態に応じて適切な動的表示を行うことができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、遊技球が入球される遊技領域に設けられると共に遊技球の入球に基づいて動的表示を開始させる作動領域と、第1状態と所定条件の成立に基づいて前記第1状態より前記作動領域へ遊技球が入球し易い第2状態を形成する開閉部材とを備えており、前記主制御手段は、始動条件が成立した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に、前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると前記所定の遊技価値を付与する制御を行うものであり、前記遊技状態判定手段は、前記開閉部材が開放している遊技状態であるか否かを判定するものであり、前記時間設定手段は、前記遊技状態判定手段によって前記開閉部材が開放している遊技状態であると判定された場合には前記開閉部材が開放している遊技状態でないと判定された場合に比べて短い時間に対応した時間データを設定するものであることを特徴とする遊技機4。作動領域に入球し易い第2状態が形成されると、一時に複数の遊技球が作動領域へ入球するが、その入球の全てによって動的表示が行われるとは限らない。
遊技機4によれば、開閉部材が開放している遊技状態の場合、即ち、第1状態より作動領域に遊技球が入球し易い第2状態が形成される遊技状態の場合には、開閉部材が開放している遊技状態でない場合、即ち、第1状態の場合に比べて短い時間に対応した時間データが設定される。このため、開閉部材が開放している遊技状態の場合、即ち、第1状態より作動領域に遊技球が入球し易い第2状態が形成される遊技状態の場合には、動的表示の時間を短くすることによって、一時に複数の遊技球が作動領域へ入球した場合にも動的表示に関係しない遊技球を低減させることができる。よって、第2状態の場合には、動的表示の時間を短くすることで単位時間当たりの動的表示回数を増加させて、速やかに複数の動的表示を進行させる一方、第1状態の場合には、動的表示の時間を長くすることによって、動的表示中に作動領域へ遊技球が入球し易くなり、動的表示を途切れ難くすることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、開閉部材の開閉状態に基づく遊技状態に応じた適切な動的表示を行うことができる。
なお、遊技領域としては、例えば、上記実施例における遊技領域2cが例示され、所定条件としては、例えば、上記実施例における普通図柄が当たりである場合が例示され、遊技球が入球し易い第2状態としては、上記実施例における開閉弁4aが開放した状態が例示される。また、遊技機2における作動領域と遊技機4における作動領域とは、共に遊技球の入球に基づいて識別情報の動的表示を開始させる領域を意味している。
更に、遊技機4における前記遊技状態判定手段は、前記所定条件が通常の遊技状態より高確率で成立する第1遊技状態であるか否かを判定するものであり、前記時間設定手段は、前記遊技状態判定手段によって前記所定条件が通常の遊技状態より高確率で成立する第1遊技状態であると判定された場合には第1遊技状態でないと判定された場合に比べて短い時間に対応した時間データを設定するものであっても良い。所定条件が高確率で成立する第1遊技状態では、遊技球が入球し易い第2状態が高確率で形成され、より多くの遊技球が頻繁に作動領域へ入球する。よって、第1遊技状態には、動的表示の時間を短くすることで単位時間当たりの動的表示回数を増加させて、速やかに複数の動的表示を進行させる一方、通常の遊技状態の場合には、動的表示の時間を長くすることによって、動的表示中に作動領域へ遊技球が入球し易くなり、動的表示を途切れ難くすることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、所定条件の成立確率に基づく遊技状態に応じた適切な動的表示を行うことができる。
また、遊技機4における開閉部材は、第2遊技状態では通常の遊技状態より長い時間、第1状態より遊技球を入球し易い第2状態を形成するものであり、前記遊技状態判定手段は、前記第2状態の形成時間が通常の遊技状態より長い第2遊技状態であるか否かを判定するものであり、前記時間設定手段は、前記遊技状態判定手段によって前記第2状態の形成時間が通常の遊技状態より長い前記第2遊技状態であると判定された場合には前記第2遊技状態でないと判定された場合に比べて短い時間に対応した時間データを設定するものであっても良い。第2遊技状態の場合、長い時間、遊技球が入球し易い第2状態が形成され、より多くの遊技球を作動領域へ入球させることができる。よって、第2遊技状態には、動的表示の時間を短くすることで単位時間当たりの動的表示回数を増加させて、速やかに複数の動的表示を進行させる一方、通常の遊技状態の場合には、動的表示の時間を長くすることによって、動的表示中に作動領域へ遊技球が入球し易くなり、動的表示を途切れ難くすることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、第2状態の形成時間の長短に基づく遊技状態に応じた適切な動的表示を行うことができる。
遊技機1から4において、遊技球が投入される遊技領域に設けられる共に遊技球の入球に基づいて前記動的表示を開始させる作動領域と、第1状態とその第1状態より前記作動領域へ遊技球が入球し易い第2状態を形成する開閉部材と、前記識別情報とは異なる第2識別情報を表示する第2表示装置と、前記遊技領域に設けられる共に遊技球の入球に基づいて前記第2識別情報の動的表示を開始させる第2作動領域とを備えており、前記開閉部材は、前記第2作動領域への入球に基づいて前記第2表示装置に表示される表示結果が予め定めた表示結果である場合に作動して前記第2状態を形成するものであり、前記遊技状態判定手段は、前記第2動的表示の変動時間が通常の遊技状態より短い第3遊技状態であるか否かを判定するものであり、前記時間設定手段は、前記遊技状態判定手段によって前記第3遊技状態であると判定された場合には前記第3遊技状態でないと判定された場合に比べて短い時間に対応した前記時間データを設定するものであることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、第2動的表示の変動時間が通常の遊技状態より短い第3遊技状態では、通常の遊技状態より、遊技球が入球し易い第2状態が単位時間当たりにより多く形成される。このため、遊技者は、第3遊技状態では、より多くの遊技球を短時間に作動領域へ入球させることができる。よって、第3遊技状態の場合には、動的表示の時間を短くすることで単位時間当たりの動的表示回数を増加させて、速やかに複数の動的表示を進行させる一方、通常の遊技状態の場合には、動的表示の時間を長くすることによって動的表示の変動中に作動領域へ遊技球が入球し易くなり、動的表示を途切れ難くすることができる。よって、遊技者を飽きさせることがなく、第2動的表示の変動時間の長短に基づく遊技状態に応じた適切な動的表示を行うことができる。
なお、遊技領域としては、例えば、上記実施例における遊技領域2cが例示され、開閉部材としては、例えば、上記実施例における開閉弁4aが例示される。また、作動領域としては、例えば、上記実施例における図柄作動口4が例示される。更に、第2作動領域としては、普通図柄作動口8が例示される。また、第2表示装置としては、例えば、上記実施例における普通図柄表示装置9が例示される。
また、第2表示装置は、表示装置の一部で構成されていても良く、表示装置とは別の装置で構成されていても良い。更に、遊技機2または遊技機4における作動領域と遊技機5における作動領域とは、共に遊技球の入球に基づいて識別情報の動的表示を開始させる領域を意味している。
遊技機1から5のいずれかにおいて、遊技球が投入される遊技領域に設けられると共に遊技球の入球に基づいて動的表示を開始させる作動領域を備えており、前記主制御手段は、始動条件が成立した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に、前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると前記所定の遊技価値を付与する制御を行うものであり、前記遊技状態判定手段は、所定の遊技状態において遊技球の前記作動領域への入球時期から動的表示の開始前までの待機時間が所定時間以上経過したか否かを判定するものであり、前記時間設定手段は、前記遊技状態判定手段によって遊技球の前記作動領域への入球時から動的表示の開始前までの待機時間が前記所定時間以上経過したと判定された場合には前記所定時間以上経過していないと判定された場合に比べて短い時間に対応した時間データを設定するものであることを特徴とする遊技機6。遊技機6によれば、所定の遊技状態において遊技球の作動領域への入球時から動的表示の開始前までの待機時間が所定時間以上経過した場合には、待機時間が所定時間以上経過していない場合に比べて短い時間に対応した時間データが設定される。このため、待機時間の長短に基づく遊技状態に応じた適切な動的表示を行うことができる。
なお、所定時間としては、例えば、上記実施例の図17のS58の処理における5秒が例示される。また、所定の遊技状態としては、例えば、所定の遊技価値が付与される遊技状態の終了後に所定の遊技価値が通常時より高確率で付与される遊技状態が例示される。更に、所定の遊技状態としては、例えば、所定期間は動的表示の変動時間が通常の遊技状態より短い遊技状態が例示される。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記主制御手段は、始動条件が成立した場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に、前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると前記所定の遊技価値を付与する制御を行うものであり、所定時間を計測する時間計測手段と、前記所定時間内に前記作動領域へ入球した遊技機の個数を計数する入球計数手段と、前記所定時間と前記作動領域へ入球した遊技球の個数に基づいて前記作動領域への入球率を算出する入球率算出手段とを備え、前記遊技状態判定手段は、前記入球率算出手段によって算出された入球率が所定値より大きいか否かを判定するものであり、前記時間設定手段は、前記遊技状態判定手段によって前記成立率が前記所定値より大きいと判定された場合には前記所定値より小さいと判定された場合に比べて短い時間に対応した時間データを設定するものであることを特徴とする遊技機7。作動領域への入球率が高い場合にはより多くの遊技球が入球している。遊技機7によれば、作動領域への入球率が所定値より大きい場合には、所定値より小さい場合に比べて短い時間に対応した時間データが設定されるので、入球率の高低に応じて動的表示が行われる。よって、遊技者には、入球率の高低に基づく遊技状態に応じた適切な動的表示を行うことができる。
なお、所定時間としては、上記実施例におけるタイマカウンタ23gの「1000」に2msを乗じた2sが例示され、時間計測手段としては、上記実施例におけるタイマカウンタ23gが例示される。また、入球計数手段としては、上記実施例における入賞球カウンタ23hが例示され、入球率算出手段としては、上記実施例における変動開始処理(図14、S23)が例示される。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記主制御手段は、所定時間毎に更新されるカウンタと、そのカウンタのカウント値を更新する更新手段と、前記カウンタのカウント値を前記検出手段による遊技球の入球検出時期に応じて取得する取得手段と、そのカウント値に対応づけて複数種類の基本データが設定されたテーブルとを備え、前記基本データは、前記取得手段によって取得されたカウント値に基づいて前記テーブルから選択されるものであることを特徴とする遊技機8。遊技機8によれば、基本データは、検出手段による遊技球の作動領域への入球検出時期に取得されるカウント値に基づいてテーブルから選択される。よって、動的パターン指定コマンドの一部を構成する基本データにランダム性を持たせることができ、バリエーションに富んだ多彩な動的表示を実現することができる。なお、カウンタとしては、例えば、上記実施例における変動パターンカウンタ23bが例示され、更新手段としては、例えば、上記実施例におけるカウンタ更新処理(図14、S25)が例示される。また、取得手段としては、例えば、上記実施例における変動開始処理(図14、S23)が例示され、テーブルとしては、例えば、上記実施例における図12の変動パターン決定テーブル22dが例示される。
遊技機1から8のいずれかにおいて、動的表示の開始から前記時間データに基づく時間で行われる動的表示は、各動的表示において略同様の表示態様で行われる動的表示であることを特徴とする遊技機9。遊技機9によれば、時間データに基づく時間で行われる動的表示は、各動的表示において略同様の表示態様で行われる。即ち、動的表示の開始毎に毎回略同様の動的表示が行われた後に各基本パターンに基づく動的表示(各種表示演出)が行われる。遊技者にとって、基本パターンに基づく動的表示の前に、毎回同様に行われる動的表示は単調なものなので、その動的表示の時間データを遊技状態に基づいて変化させることによって、遊技の単調性を低減することができる。なお、略同様の表示態様で行われる動的表示としては、例えば、高速変動が例示される。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記基本データのサイズはnバイトで構成されると共に、前記コマンド生成手段は、そのnバイトのサイズの基本データに基づいて、nより大のmバイト以上のサイズで前記動的パターン指定コマンドを生成するものであることを特徴とする遊技機10(m>n)。動的パターン指定コマンドがmバイト以上のサイズで構成される場合にも、基本データはnバイトのサイズで構成されるので、すべての動的パターン指定コマンドを予め記憶しておく場合に比べて、記憶しておくデータ数を極めて小さくできる。例えば、上記事例のように動的表示の時間が3通りある場合であって、動的パターン指定コマンドのサイズが2バイト(m=2)で、基本データのサイズが1バイト(n=1)で構成される場合には、すべての動的パターン指定コマンドを予め記憶しておく場合に比べて、そのデータ数を約1/6(=1/3×1/2)程度にすることができる。また、動的パターン指定コマンドのサイズをmバイト以上で構成すれば、該コマンドで多数の動的パターンを指定することができるので、バリエーションに富んだ多彩な動的表示を実現できる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記基本データのサイズはnバイトで構成され、前記動的パターン指定コマンドはnより大のmバイトのサイズで構成されると共にその動的パターン指定コマンドの各バイトデータには配置を区別するための区別ビットが設けられており、前記コマンド生成手段は、前記区別ビット以外のビットを使用して前記基本データを展開し前記動的パターン指定コマンドを生成するものであることを特徴とする遊技機11(m>n)。例えば、基本データのサイズが1バイト(n=1)、動的パターン指定コマンドのサイズが2バイト(m=2)で構成される場合、動的表示の基本パターンは、1バイトの基本データで256パターンまで表すことができるが、これをそのまま動的パターン指定コマンドの上位バイトまたは下位バイトとして使用すると、区別ビットまで使用することとなり、区別ビットが機能しない。そこで、遊技機11のコマンド生成手段によれば、区別ビット以外のビットを使用して、基本データを展開し動的パターン指定コマンドを生成するので、例えば基本データが1バイトのサイズで構成される場合に基本パターンが128パターン以上あっても、区別ビットを正常に機能させつつ、動的パターン指定コマンドを正確に生成することができる。なお、区別ビットとは、動的パターン指定コマンドを構成する各バイトデータの配置を区別するためのものであり、そのデータが何バイト目のデータであるかを区別するためのものである。よって、動的パターン指定コマンドが3バイト以上で構成される場合には、区別ビットは2ビット以上で構成される。
遊技機11において、前記コマンド生成手段は、前記基本データを前記動的パターン指定コマンドのデータとして展開する場合に、前記基本データが前記区別ビットの位置にデータを有していれば、その位置の基本データのデータ部分を前記動的パターン指定コマンドの他のバイトまたはビットへ振り分ける振分手段を有していることを特徴とする遊技機12。遊技機12によれば、動的パターン指定コマンドの区別ビット以外を使用しつつ、基本データに基づいて動的パターン指定コマンドを生成することができる。
遊技機1から12のいずれかにおいて、前記制御用コマンドとして、動的表示の終了時に識別情報を前記表示装置に停止表示(確定表示)させるタイミングを指定するため前記主制御手段から送信される図柄停止コマンドを有し、更に、各動的表示の基本パターンに応じた動的表示の時間をそれぞれ記憶する動的表示時間記憶手段と、その動的表示時間記憶手段から前記基本データに基づいてその基本データが示す基本パターンの動的表示の時間を取得する時間取得手段と、その時間取得手段により取得された前記基本データに基づく動的表示の時間を遊技状態に応じて補正する時間補正手段と、その時間補正手段により補正された動的表示の時間を記憶する動的時間メモリと、動的表示の開始からその動的時間メモリに記憶される時間の経過後に前記図柄停止コマンドを送信する送信手段とを備えていることを特徴とする遊技機13。動的表示の終了のタイミングで図柄停止コマンドを送信するためには、各動的表示の時間を認識する必要がある。遊技機13によれば、各動的表示の基本パターンに応じた動的表示の時間を動的表示時間記憶手段に記憶しておき、その時間を遊技状態に基づいて補正し、それぞれの動的表示の時間を算出するので、すべての動的表示の時間を予め記憶しておく場合に比べて、その記憶するデータ量(データ数)を小さくすることができる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機14。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機15。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機16。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
1 パチンコ機(遊技機)
3 液晶ディスプレイ(LCD)(表示装置)
21 MPU
22 ROM
22a 変動パターン指定コマンド上位バイトテーブル
22b 減算時間テーブル
22c 変動時間テーブル
23 RAM
23e コマンドポインタ
23f 検索ポインタ
23i 変動時間メモリ
31 変動パターン指定コマンド(制御用コマンドの一部,動的パターン指定コマンド)
32 停止図柄指定コマンド(制御用コマンドの一部)
33 図柄停止コマンド(制御用コマンドの一部)
C 主制御基板(主制御手段)
D 表示用制御基板(表示用制御手段)

Claims (1)

  1. 表示装置と、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示装置に識別情報の動的表示を行わせる表示用制御手段とを備えた遊技機において、
    前記主制御手段から送信される制御用コマンドとして、動的表示の一連のパターンを指定する動的パターン指定コマンドを有しており、
    その動的パターン指定コマンドを、時間毎に割り当てられた時間データと動的表示の開始から前記時間データに基づく時間の経過後に開始する各動的表示の基本パターンを指示するために基本パターン毎に割り当てられた基本データとに基づいて生成するコマンド生成手段と、
    前記動的表示の始動条件の成立態様に基づく遊技状態を判定する遊技状態判定手段と、
    その遊技状態判定手段によって判定された遊技状態に基づいて前記時間データを設定する時間設定手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
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