JP2013027280A - アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部からの電気的及び物理的な接触を回避して、破損や動作不良を防止できるアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータ1Aは、絶縁フィルム13a、導電層12a、電解質層11、導電層12b、絶縁フィルム13bの順で熱圧着される。絶縁フィルム13a,13bの厚さは、アクチュエータ1A全体の動作に及ぼす影響を最小限に抑えるべく、保護膜としての強度を担保する限りで薄いほど良い。典型的には、10μm以下が望ましい。また、絶縁フィルム13a,13bの材質は、電解質層11のそれと同一または重合度の異なるフッ素系ポリマー材料が好適であるが、電解質層11と異なる点は、イオン液体を含まないという点である。
【選択図】図1
【解決手段】アクチュエータ1Aは、絶縁フィルム13a、導電層12a、電解質層11、導電層12b、絶縁フィルム13bの順で熱圧着される。絶縁フィルム13a,13bの厚さは、アクチュエータ1A全体の動作に及ぼす影響を最小限に抑えるべく、保護膜としての強度を担保する限りで薄いほど良い。典型的には、10μm以下が望ましい。また、絶縁フィルム13a,13bの材質は、電解質層11のそれと同一または重合度の異なるフッ素系ポリマー材料が好適であるが、電解質層11と異なる点は、イオン液体を含まないという点である。
【選択図】図1
Description
本発明は、アクチュエータ及びその製造方法に関する。
従来より、二枚の導電層の間に電解質層を熱圧着することにより成型されるアクチュエータが知られている。ここで、各導電層は、カーボンナノチューブ及びイオン液体からなる通称バッキーゲル層を主成分とし、ポリマーが混合されることが多い。一方、電解質層は、ポリマーとイオン液体を主成分とする。空気中において、かかる構成のアクチュエータの二枚の導電層間に電圧を印加すると、その電圧の大きさと正負に応じて、アクチュエータが屈曲する。
この短冊状のアクチュエータの幅は数mmであり、長さは数cmであるものの、その厚さについては、フィルム状の各層は高々数十μm程度であるので、全体の厚さは100μmに満たない。典型的には、50μm程度である。
例えば、特許文献1(図1及び図2)においては、アクチュエータ(101)は、導電性高分子膜(102a、102b)、固体電解質膜(103)の積層体から成り、導電性高分子膜(102a、102b)の一端を挟むように電極(104a、104b)が設置されている。また、特許文献2も、同様のアクチュエータ素子を開示している。
上述のように、二枚の導電層間に電圧を印加すると、その電圧の大きさと正負に応じて、アクチュエータ全体が屈曲するという機能から、様々な分野への応用が期待されている。その中の一つとして、アクチュエータの屈曲機能を用いた基板の放熱装置の開発が行われている。
具体的には、カーボンナノチューブは熱伝導率が高いので、それを導電層の主成分として含むアクチュエータも必然的に高い熱伝導度を有することとなる。また、導電層は、カーボンナノチューブを膜状に加工したものであるので、その比表面積は極めて大きい。このことから、アクチュエータ自体、高効率の放熱材料として機能することとなる。したがって、このアクチュエータを、高熱伝導度を有する基板に立てると、アクチュエータ自体がヒートシンクとなり、基板側の熱を放出することができる。
加えて、アクチュエータに給電するための回路を基板に設け、これによりアクチュエータに給電することとすれば、アクチュエータは前述のように屈曲し、基板周辺に滞留した熱をより効率的に放散することが可能となる。
例えば、特許文献3においては、スリットにアクチュエータの一端を挿入して構成された冷却装置を開示している。
加えて、アクチュエータに給電するための回路を基板に設け、これによりアクチュエータに給電することとすれば、アクチュエータは前述のように屈曲し、基板周辺に滞留した熱をより効率的に放散することが可能となる。
例えば、特許文献3においては、スリットにアクチュエータの一端を挿入して構成された冷却装置を開示している。
ところで、上述したようなアクチュエータの導電層は、典型的にはカーボンナノチューブ、あるいはカーボンナノチューブとポリマーを溶媒に分散させてあと、溶媒を乾燥させることによって得られる。したがって、導電層は、カーボンナノチューブを練り固めてシート状にしたものであるため、外部からの物理的な接触、例えば引っ掻きなどに対して弱い。すなわち、外部からの物理的接触によって破損し、その結果、動作不良を起こす可能性がある。
また、導電層の表面は、導電性のカーボンナノチューブであるので、アクチュエータに対して他の部品等による電気的な接触が起こると動作不良を引き起こしてしまう。特に、複数のアクチュエータを並べて駆動する場合など、アクチュエータ同士の接触によっても動作不良が生じてしまう。
また、アクチュエータの側面は、二枚の導電層が電解質層を介して接した状態で露呈している。この電解質層の厚さは、柔軟なアクチュエータの動きを確保するため、10乃至50μmであり、典型的には20μm以下である。そのため、アクチュエータの側面に導電性の異物が付着したり、あるいは導電層端の荒れによって二枚の導電層が電気的に短絡すると、単品でも、やはり動作不良を引き起こしてしまう懸念があった。
以上のように、従来におけるアクチュエータは、その外部から電気的あるいは物理的な接触を受けると容易に破損し、その結果、動作不良を引き起こす危険を孕んでいた。
以上のように、従来におけるアクチュエータは、その外部から電気的あるいは物理的な接触を受けると容易に破損し、その結果、動作不良を引き起こす危険を孕んでいた。
本発明は上述のような事情から為されたものであり、本発明の目的は、外部からの電気的及び物理的な接触を回避して、破損や動作不良を防止することができるアクチュエータ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のアクチュエータは、電解質層と、前記電解質層を挟む二枚の導電層とで構成されたアクチュエータであって、前記二枚の導電層の露呈する二面を覆う二枚の絶縁フィルムをさらに備えることを要旨とする。
ここで、好適には、前記二枚の絶縁フィルムは、前記電解質層よりも面に沿って一回り大きい。さらに好適には、前記二枚の導電層の面方向における幅は、前記電解質層の幅よりも短い。
ここで、好適には、前記二枚の絶縁フィルムは、前記電解質層よりも面に沿って一回り大きい。さらに好適には、前記二枚の導電層の面方向における幅は、前記電解質層の幅よりも短い。
また、前記二枚の絶縁フィルムの材質は、前記電解質層のそれと同一または重合度の異なるフッ素系ポリマー材料である。
また、上記目的を達成するため、本発明のアクチュエータの製造方法は、カーボンナノチューブとイオン液体、及び溶媒を混合して第一の導電層及び第二の導電層を作成し、ポリマーとイオン液体、溶媒を混合して電解質層を作成し、前記ポリマーからなる第一の絶縁フィルム及び第二の絶縁フィルムを作成し、前記第一の絶縁フィルム、前記第一の導電層、前記電解質層、前記第二の導電層、前記第二の絶縁フィルムの順で積層することを要旨とする。
ここで、前記第一の絶縁フィルム、前記第一の導電層、前記電解質層、前記第二の導電層、前記第二の絶縁フィルムを同時に熱圧着する。あるいは、前記第一の導電層、前記電解質層、前記第二の導電層を熱圧着した後、前記第一の絶縁フィルム及び前記第二の絶縁フィルムを熱圧着する。あるいは、前記第一の導電層、前記電解質層、前記第二の導電層を熱圧着した後、前記ポリマーの溶液に浸漬させ、乾燥させることにより前記第一の絶縁フィルム及び前記第二の絶縁フィルムを析出させる。
本発明のアクチュエータ及びその製造方法によれば、二枚の導電層の露呈する二面を二枚の絶縁フィルムのそれぞれで覆うことにより、導電層に対する何らかの物理的接触によるその損傷や、導電層に対する何らかの電気的影響によるアクチュエータの動作不良を防止することができる。
また、さらに電解質層及び導電層の側面を、絶縁フィルムで覆うことにより、さらに電解質層及び導電層の側面に対する何らかの物理的接触によるその損傷や、電解質層及び導電層の側面に対する何らかの電気的影響によるアクチュエータの動作不良を防止することができる。
さらに、二枚の導電層の面方向における幅を電解質層の幅よりも短くすると、導電層の側面の微細な荒れの影響による動作不良を防止することができる。
また、さらに電解質層及び導電層の側面を、絶縁フィルムで覆うことにより、さらに電解質層及び導電層の側面に対する何らかの物理的接触によるその損傷や、電解質層及び導電層の側面に対する何らかの電気的影響によるアクチュエータの動作不良を防止することができる。
さらに、二枚の導電層の面方向における幅を電解質層の幅よりも短くすると、導電層の側面の微細な荒れの影響による動作不良を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のアクチュエータ及びその製造方法における第1実施形態を説明するための図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は、b−b’部分における断面図である。
第1実施形態におけるアクチュエータ1Aは、図1(b)に示すように厚さは異なるものの互いに縦横の寸法が等しい電解質層11、二枚の導電層12a,12b、及び二枚の絶縁フィルム13a,13bが積層されて構成されている。ここで、積層の順は、絶縁フィルム13a、導電層12a、電解質層11、導電層12b、絶縁フィルム13bの順である。
図1は、本発明のアクチュエータ及びその製造方法における第1実施形態を説明するための図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は、b−b’部分における断面図である。
第1実施形態におけるアクチュエータ1Aは、図1(b)に示すように厚さは異なるものの互いに縦横の寸法が等しい電解質層11、二枚の導電層12a,12b、及び二枚の絶縁フィルム13a,13bが積層されて構成されている。ここで、積層の順は、絶縁フィルム13a、導電層12a、電解質層11、導電層12b、絶縁フィルム13bの順である。
絶縁フィルム13a,13bの厚さは、アクチュエータ1A全体の動作に及ぼす影響を最小限に抑えるべく、保護膜としての強度を担保する限りで薄いほど良い。典型的には、10μm以下が望ましい。また、絶縁フィルム13a,13bの材質は、電解質層11のそれと同一または重合度の異なるフッ素系ポリマー材料が好適であるが、電解質層11と異なる点は、イオン液体を含まないという点である。かかる材料であれば、上述するアクチュエータ1A全体の熱圧着工程において、導電層12a,12bと良好に密着する。なお、各導電層12a,12bが、カーボンナノチューブ及びイオン液体からなる通称バッキーゲル層を主成分とし、ポリマーが混合されることが多いということと、一方、電解質層11が、ポリマーとイオン液体を主成分としていることは、従来と同様である。
次に、第1実施形態におけるアクチュエータ1Aの製造方法について説明する。
まず、カーボンナノチューブとイオン液体、ポリマー、及び溶媒を混合して、導電層12a,12bを作成する(ステップS1)。ただし、ポリマーの混合は任意である。ポリマーとイオン液体、溶媒を混合して電解質層11を作成する(ステップS2)。ポリマーと溶解した溶液を乾燥することにより絶縁フィルム13a,13bを作成する(ステップS3)。
まず、カーボンナノチューブとイオン液体、ポリマー、及び溶媒を混合して、導電層12a,12bを作成する(ステップS1)。ただし、ポリマーの混合は任意である。ポリマーとイオン液体、溶媒を混合して電解質層11を作成する(ステップS2)。ポリマーと溶解した溶液を乾燥することにより絶縁フィルム13a,13bを作成する(ステップS3)。
次に、電解質層11、二枚の導電層12a,12b、及び二枚の絶縁フィルム13a,13bを熱圧着する(ステップS4)。このとき、それらを同時に熱圧着してもよいし(ステップS4a)、電解質層11及び二枚の導電層12a,12bを先に熱圧着してアクチュエータを形成したのち、後から二枚の絶縁フィルム13a,13bを熱圧着してもよい(ステップS4b)。
かかるアクチュエータ1Aによれば、導電層12a,12bの露呈する二面を絶縁フィルム13a,13bのそれぞれで覆うことにより、導電層12a,12bに対する何らかの物理的接触によるその損傷や、導電層12a,12bに対する何らかの電気的影響によるアクチュエータ1Aの動作不良を防止することができる。
<第2実施形態>
図2は、本発明のアクチュエータ及びその製造方法における第2実施形態を説明するための図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は、b−b’部分における断面図である。
図1に示した第1実施形態におけるアクチュエータ1Aにおいては、導電層12a,12bの表面及び裏面のみを絶縁フィルム13a,13bで覆ったが、側面における保護が不十分である。例えば、側面において、第1の導電層12aから第2の導電層12bに渡って何らかの導体が触れた場合、短絡による動作不良を起こしかねない。したがって、第2実施形態においては側面も覆う。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
図2は、本発明のアクチュエータ及びその製造方法における第2実施形態を説明するための図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は、b−b’部分における断面図である。
図1に示した第1実施形態におけるアクチュエータ1Aにおいては、導電層12a,12bの表面及び裏面のみを絶縁フィルム13a,13bで覆ったが、側面における保護が不十分である。例えば、側面において、第1の導電層12aから第2の導電層12bに渡って何らかの導体が触れた場合、短絡による動作不良を起こしかねない。したがって、第2実施形態においては側面も覆う。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
第2実施形態のアクチュエータ1Bにおいて、絶縁フィルム13Ba、導電層12a、電解質層11、導電層12b、絶縁フィルム13Bbの順で積層されることは、第1実施形態のアクチュエータ1Aと同様であるが、図2に示すように、電解質層11及び導電層12a,12bに対して、一回り大きい二枚の絶縁フィルム13Ba,12Bbを採用した点が、第1実施形態のアクチュエータ1Aと異なる点である。ここで、「一回り大きい」とは、圧着したときに、図2(b)に示すように、電解質層11及び導電層12a,12bの側面が少なくとも完全に覆われる大きさをいう。
電解質層11、各導電層12a、12b、及び各絶縁フィルム13Ba,13Bbの材質は、第1実施形態と同じである。また、各絶縁フィルム13Ba,13Bbの厚さも第1実施形態と同じである。
また、第2実施形態におけるアクチュエータ1Bの製造方法については、上述のように、電解質層11及び導電層12a,12bよりは一回り大きい絶縁フィルム13Ba,12Bbを用意する以外は、第1実施形態におけるアクチュエータ1Aと同じである。
また、第2実施形態におけるアクチュエータ1Bの製造方法については、上述のように、電解質層11及び導電層12a,12bよりは一回り大きい絶縁フィルム13Ba,12Bbを用意する以外は、第1実施形態におけるアクチュエータ1Aと同じである。
かかるアクチュエータ1Bによれば、導電層12a,12bの表面と、電解質層11及び導電層12a,12bの側面とを、絶縁フィルム13Ba,13Bbで覆うことにより、導電層12a,12bの表面や電解質層11及び導電層12a,12bの側面に対する何らかの物理的接触によるその損傷や、導電層12a,12bの表面や電解質層11及び導電層12a,12bの側面に対する何らかの電気的影響によるアクチュエータ1Bの動作不良を防止することができる。
<第3実施形態>
図3は、本発明のアクチュエータ及びその製造方法における第3実施形態を説明するための図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は、b−b’部分における断面図であり、同図(c)は変形例を示す図である。
一般的に導電層の側面は、繊維状のほつれが生じやすい。かかるほつれがあると、アクチュエータの側面において、そのほつれが、電解質層を超えて、他方の導電層まで達し、短絡を起こしやすい。本第3実施形態は、特にこのような側面の荒れによる動作不良を防止するための態様である。
図3は、本発明のアクチュエータ及びその製造方法における第3実施形態を説明するための図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は、b−b’部分における断面図であり、同図(c)は変形例を示す図である。
一般的に導電層の側面は、繊維状のほつれが生じやすい。かかるほつれがあると、アクチュエータの側面において、そのほつれが、電解質層を超えて、他方の導電層まで達し、短絡を起こしやすい。本第3実施形態は、特にこのような側面の荒れによる動作不良を防止するための態様である。
第3実施形態のアクチュエータ1Cにおいて、絶縁フィルム13Ca、導電層12Ca、電解質層11、導電層12Cb、絶縁フィルム13Cbの順で積層されることは、第1及び第2実施形態のアクチュエータ1A及び1Bと同様である。
そこで、図1及び図2にそれぞれ示した第1及び第2実施形態におけるアクチュエータ1A及び1Bにおいては、電解質層11と、導電層12a,12bとは幅方向、長さ方法共に同じ大きさとしたが、第3実施形態におけるアクチュエータ1Cにおいては、図3に示すように、電解質層11の幅よりも短い幅を有する導電層12Ca,12Cb(導電層の幅よりも長い幅を有する電解質層)を採用し、積層したときに幅方向で導電層12Ca,12Cbに対して電解質層11を突出させる。この突出させる長さについては、一方の導電層の側面の荒れが、他方の導電層に悪影響を与えない最低限の長さである。
そこで、図1及び図2にそれぞれ示した第1及び第2実施形態におけるアクチュエータ1A及び1Bにおいては、電解質層11と、導電層12a,12bとは幅方向、長さ方法共に同じ大きさとしたが、第3実施形態におけるアクチュエータ1Cにおいては、図3に示すように、電解質層11の幅よりも短い幅を有する導電層12Ca,12Cb(導電層の幅よりも長い幅を有する電解質層)を採用し、積層したときに幅方向で導電層12Ca,12Cbに対して電解質層11を突出させる。この突出させる長さについては、一方の導電層の側面の荒れが、他方の導電層に悪影響を与えない最低限の長さである。
電解質層11に対して絶縁フィルム13Ca,13Cbが「一回り大きい」点は、第2実施形態と同様である。したがって、この実施形態においても、図3(b)に示すように、電解質層11及び導電層12a,12bの側面が絶縁フィルム13Ca,12Cbにより完全に覆われる。ただし、図3(c)に示すように、電解質層11の側面を露呈させるような態様(絶縁フィルム13Ca’,13Cb’を備えたアクチュエータ1C’)であってもよい。
電解質層11、各導電層12Ca、12Cb、及び各絶縁フィルム13Ca,13Cbの材質は、第1及び第2実施形態と同じである。また、各絶縁フィルム13Ca,13Cbの厚さも第1及び第2実施形態と同じである。
また、第3実施形態におけるアクチュエータ1Cの製造方法については、上述のように、電解質層11の幅よりも短い幅を有する導電層12Ca,12Cbを用意する以外は、第1及び第2実施形態におけるアクチュエータ1A及び1Bと同じである。
また、第3実施形態におけるアクチュエータ1Cの製造方法については、上述のように、電解質層11の幅よりも短い幅を有する導電層12Ca,12Cbを用意する以外は、第1及び第2実施形態におけるアクチュエータ1A及び1Bと同じである。
かかるアクチュエータ1Cによれば、第2実施形態の効果に加えて、導電層12a,12bの側面の微細な荒れの影響による動作不良を防止することができる。
次に、上述の第1ないし第3実施形態での、導電層への給電方法を説明する。上述の第1ないし第3実施形態に示したようなアクチュエータ1においても、アクチュエータとして動作させるためには、導電層へ給電する必要がある。基本的には、従来と同様、例えばリード線を導電層に接触させ、その上から絶縁性のフィルムで押さえる等の方法を採用すればよい。ただし、本発明の上述の各実施形態においては、絶縁フィルム13を採用しているので、以下のような工夫が考えられる。
図4は、導電層への給電を説明するための平面図(a)及び断面図(b)である。同図においては、導電層12の給電部(いわゆる「外側接続ポイント」)に貼り付けられた金属薄膜14と、その上から圧着された、金属薄膜14の外形よりも狭い面積の開口APを有する絶縁フィルム13を備えている。かかる構成により、上述の各実施形態の効果を享受しつつ、簡易に給電を行えるという利点がある。なお、このように金属薄膜14の外形よりも開口APの面積を小さくすることにより、金属薄膜14が剥がれるのを防止することができる。このような金属薄膜としては、イオン液体に腐食されにくい金属などの貴金属フィルムが好適であるが、これ以外の金属であっても構わない。更に言えば、例えば導電性樹脂などの非金属の導電材料であっても構わない。
<他の実施形態>
図5は、本発明のアクチュエータの他の実施形態と、その搭載構造を示す断面図である。同図に示すような構造のアクチュエータも提案されている。
すなわち、アクチュエータ1Dは、電解質層11と、その電解質層11を挟んだ二枚の導電層12Da、12Dbとで構成され、その一端において、二枚の導電層12Da、12Dbが、電解質層11よりも延設され、かつ互いに相反する方向に屈曲している。別の言い方をすれば、二枚の導電層12Da、12Dbは、一端で、開脚構造となっている。ここで、各導電層12Da、12Dbの外側面には、絶縁フィルム13Da、13Dbが貼り付けられている。貼り付ける方法については、上述の第1ないし第3実施形態と同様である。なお、同図においては、アクチュエータ1Dの一端部分のみが示されており、他端部分は省略されている。
図5は、本発明のアクチュエータの他の実施形態と、その搭載構造を示す断面図である。同図に示すような構造のアクチュエータも提案されている。
すなわち、アクチュエータ1Dは、電解質層11と、その電解質層11を挟んだ二枚の導電層12Da、12Dbとで構成され、その一端において、二枚の導電層12Da、12Dbが、電解質層11よりも延設され、かつ互いに相反する方向に屈曲している。別の言い方をすれば、二枚の導電層12Da、12Dbは、一端で、開脚構造となっている。ここで、各導電層12Da、12Dbの外側面には、絶縁フィルム13Da、13Dbが貼り付けられている。貼り付ける方法については、上述の第1ないし第3実施形態と同様である。なお、同図においては、アクチュエータ1Dの一端部分のみが示されており、他端部分は省略されている。
かかるアクチュエータ1Dは、二枚の導電層12Da、12Dbの屈曲前の内側面が、基板2の取り付けられた電極パッド3a,3bに当接されることにより、基板2に搭載される。ここで、導電層12Da、12Dbの電極パッド3a,3bへの固定には、押さえ板、ステイプル、接着剤等による既知の平易な方法を採用することができる。なお、電極パッド3a,3bは、金及び白金などの腐食しにくい金属で構成される。また、図示していないが、基板2には、当該基板2と電極パッド3との接続のための電気回路が備わっている。かかるアクチュエータ1Dの場合には、図4に示した給電構造及び方法は不要となる。
以上のように、図5に示したアクチュエータ1Dの場合も、導電層12Da,12Dbに対する何らかの物理的接触によるその損傷や、導電層12Da,12Dbに対する何らかの電気的影響によるアクチュエータ1Dの動作不良を防止することができる。
なお、上述した各実施形態においては、絶縁フィルム13の材質として、ポリマーを採用しているが、これに限られることはなく、アクチュエータの動作への影響ができる限り小さく、またアクチュエータに良好に密着できるようなものであれば、その種類は問わない。
なお、上述した各実施形態においては、絶縁フィルム13の材質として、ポリマーを採用しているが、これに限られることはなく、アクチュエータの動作への影響ができる限り小さく、またアクチュエータに良好に密着できるようなものであれば、その種類は問わない。
また、絶縁フィルムの形成方法も、熱圧着する方法に限定されず、例えば溶液にアクチュエータを浸漬後、乾燥させることによって絶縁層として析出させたり、あるいは気相成長によって形成してもよい。
本発明のアクチュエータ及びその製造方法は、基板から発する熱を放熱する放熱装置に対して採用できる。
1 アクチュエータ、11 電解質層、12 導電層、13 絶縁フィルム、14 金属薄膜、2 基板、3 金属パッド、AP 開口。
Claims (5)
- 電解質層と、前記電解質層を挟む二枚の導電層とで構成されたアクチュエータであって、
前記二枚の導電層の露呈する二面を覆う二枚の絶縁フィルムをさらに備えることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記二枚の絶縁フィルムは、前記電解質層よりも面に沿って一回り大きいことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記二枚の導電層の面方向における幅は、前記電解質層の幅よりも短いことを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
- 前記二枚の絶縁フィルムの材質は、前記電解質層のそれと同一または重合度の異なるフッ素系ポリマー材料であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。
- カーボンナノチューブとイオン液体、及び溶媒を混合して第一の導電層及び第二の導電層を作成し、
ポリマーとイオン液体、溶媒を混合して電解質層を作成し、
前記ポリマーからなる第一の絶縁フィルム及び第二の絶縁フィルムを作成し、
前記第一の絶縁フィルム、前記第一の導電層、前記電解質層、前記第二の導電層、前記第二の絶縁フィルムの順で積層することを特徴とするアクチュエータの製造方法。
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JP (1) | JP2013027280A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113623158A (zh) * | 2020-05-07 | 2021-11-09 | 福建师范大学 | 压力调制致动器及其制作方法 |
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2011
- 2011-07-26 JP JP2011163086A patent/JP2013027280A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113623158A (zh) * | 2020-05-07 | 2021-11-09 | 福建师范大学 | 压力调制致动器及其制作方法 |
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