JP2013026567A - 熱電素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電材料からなる母材から熱電素子を製造する際に、メッキ等の金属被膜の剥離が発生することを抑制することができる熱電素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】熱電材料の母材である板材11に、ダイシングによって切り込みを入れて溝13を形成した後で金属被膜5、7を形成するので、ダイシングの際に、金属被膜5、7が剥離することはない。よって、その後、板材11から分離された熱電素子1には、その表面及び側面の一部に金属被膜5、7が確実に形成されている。従って、熱電発電や電子冷却を行う熱電モジュール23を製造する際に、詳しくは、半田材25によって熱電素子1をセラミック基板19の電極21に接合する際に、半田材25の濡れ性を向上でき、また、はんだ材27に含まれる成分が熱電材料に拡散することを防止できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、熱電発電や電子冷却等に利用できる熱電素子の製造方法に関するものである。
従来、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するゼーベック効果を利用した熱電発電や、逆に電気エネルギーを供給することによって冷却作用を発揮するペルチェ効果を利用した電子冷却を行う装置として、複数の熱電素子を所定の配列で接続した熱電モジュールが知られている。
この熱電素子は、例えばBiTe系のP型又はN型の半導体の熱電材料からなり、例えば一方向凝固法により製造された溶製材や、ホットプレス法により製造されたホットプレス材を加工して製造されている(引用文献1、2参照)。
例えば図8(a)に示す様に、この熱電素子の製造方法として、溶製材から熱電素子を製造する場合には、P型又はN型の熱電素子に対応した組成の溶製材を、結晶成長方向に対して垂直に、板材(母材)を切り出すように切断し(スライシング)、次に、その板材の厚み方向の両側にメッキ(例えばNiメッキ)を施し、次に、メッキされた板材をカッター(ダイシングブレード)を用いてブロック状に切り分けて(ダイシング)、各熱電素子を製造していた。
なお、製造されたP型及びN型の熱電素子は、周知の電気的接続となるように、例えば一対のセラミック基板上の電極に半田により接合されて熱電モジュールが製造されていた。
また、図8(b)に示す様に、ホットプレス材から熱電素子を製造する場合には、ホットプレス材を、プレス方向に対して平行に、板材を切り出すようにスライシングし、次に、その板材の表面にメッキを施し、次に、メッキされた板材をダイシングして、各熱電素子を製造していた。
なお、ここで、メッキ後にダイシングを行うのは、分離した各熱電素子の側面がメッキ被膜で覆われていると、熱電素子を熱電モジュールに組み込んだ際に、電気が熱電素子内部を流れずに、電気抵抗の小さなメッキ被膜を流れることを防止するためである。
特開2002−190624号公報 特開2004−207657号公報
しかしながら、上述した従来技術の場合には、メッキ後に、熱電素子を分離する箇所に、水を噴射しながら回転するダイシングブレードによってダイシングするので、ダイシングの際の衝撃や水の水圧によって、メッキが剥がれるという問題があった。
つまり、熱電素子の表面のメッキが剥離していると、熱電素子の接合性の低下や、半田材含有成分(例えば、Sb、Sn等)の熱電素子への拡散による熱電性能の低下があるので好ましくない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、熱電材料からなる母材から熱電素子を製造する際に、メッキ等の金属被膜の剥離が発生することを防止できる熱電素子の製造方法を提供することである。
(1)請求項1の発明は、熱電材料からなる母材を、各熱電素子を分離する所定の切断箇所にて切断して、複数の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法において、前記母材の表面に沿って、前記切断箇所に切り込みを入れる第1工程と、前記切り込みを入れた母材の表面に、金属被膜を形成する第2工程と、前記金属被膜を形成した母材を、前記切り込みを入れた切断箇所に沿って分離して、前記複数の熱電素子を作製する第3工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、熱電材料の母材に切り込みを入れた後で金属被膜を形成するので、切り込みを入れた際には金属被膜は無く、当然ながら金属被膜が剥離することはない。よって、その後、金属被膜が形成された母材から分離された熱電素子には、(従来の様な)金属被膜の剥離は無い。
従って、本発明によって製造された熱電素子には、必要な箇所(即ち半田材により接合される箇所)に、確実に金属被膜が形成されているので、半田材によって熱電素子を熱電モジュールの電極に接合する場合には、半田材の濡れ性を向上でき、また、半田材含有成分が熱電材料に拡散することを防止できる。
特に、金属被膜が熱電素子の側面の一部(接合される端面に近い側面)にも形成されている場合には、熱電素子の接合時に半田材が側面に回り込んでも、側面からの半田材含有成分の拡散を効果的に防止できる。
なお、前記切り込みの深さとしては、深すぎると製造の途中で母材が割れる恐れがあり、浅すぎるとブレーキングの際に分離し難くなるので、切断する母材の厚みの60〜90%の範囲が好適である。なお、この切り込みの深さの割合は、母材に対して、一方の側のみから切り込みを入れた場合には、その一方の側の切り込みの割合を示し、両方の側から切り込みを入れた場合には、その切込量の合計の割合を示している。
また、前記熱電材料としては、P型、N型によって異なるが、P型の熱電材料としては、例えばBiTe系、PbTe系、シリサイド、スックッテルダイト、クラスレート等を採用でき、N型の熱電材料としては、例えばBiTe系、PbTe系、シリサイド、スックッテルダイト、クラスレート等を採用できる。
更に、前記金属被膜の材料としては、Ni、Au等を採用できる。
また、前記金属被膜を形成する方法としては、周知の電解又は無電解メッキ、蒸着、スパッタリング等、各種の方法を採用できる。
(2)請求項2の発明は、前記母材は板状であり、該母材の主面に対して、前記切り込みによって、所定の厚みの接続部分を残して前記切断箇所に沿った溝を形成することを特徴とする。
本発明では、熱電素子を分離する切断箇所に沿って溝を形成し、その後、金属被膜を形成するので、前記請求項1と同様に、溝を形成する際に、金属被膜が剥離することはない。
つまり、本発明によって製造された熱電素子には、必要な箇所に確実に金属被膜が形成されているので、半田材によって熱電素子を熱電モジュールの電極に接合する際に、半田材の濡れ性を向上でき、また、半田材含有成分が熱電材料に拡散することを防止できる。
なお、前記板状(プレート状又はウェハ状)の母材としては、例えばP型やN型の半導体ウェハが挙げられる。
また、前記接続部分の厚みとしては、薄すぎると製造途中で母材が割れる恐れがあり、厚すぎるとブレーキングの際に分離し難くなるので、切断する母材の厚みの10〜40%の範囲が好適である。
(3)請求項3の発明では、前記母材の両主面に対して、前記切断箇所に沿って、前記母材の厚み方向における同じ位置(即ち厚み方向に投影した同じ位置)に溝を形成することを特徴とする。
本発明では、母材の両側から同じパターンで溝を形成するので、その後の熱電素子の分離作業が容易である。
また、熱電モジュールを製造する際には、通常、(母材の両主面に対応する)熱電素子の両側を電極に接合するので、その両側において、前記半田材の濡れの向上や半田材含有成分の拡散防止の効果が得られる。
(4)請求項4の発明では、前記溝を、表面側より内部側の径が大きくなるように形成し、その後、蒸着によって、前記主面側に前記金属被膜を形成することを特徴とする。
通常、板材に対して蒸着を行う場合には、板材に対して所定の方向に金属被膜が形成され、その方向以外に回り込んで蒸着は行われないので、本発明の様に、溝の内部側を表面側より大きな径とすることによって、金属被膜は溝の内部の全面に形成されにくくなる。
従って、分離された熱電素子では、(前記主面側に対応する)接合面とその周囲の縁部(側面の一部)にのみ金属被膜が形成された状態となる。
これにより、蒸着される側面の面積を、表面全体に金属被膜を形成するメッキ等によるものと比較して小さくすることができるので、熱電素子に電圧を印加した場合、側面に流れる電流を少なくすることができるようになり、熱電素子の性能を効率よく利用することが可能になるという利点がある。
(5)請求項5の発明では、前記金属被膜が形成された母材の主面を押圧し、前記溝に沿って前記接続部分を破断して前記母材を割って、前記各熱電素子を分離することを特徴とする。
本発明は、いわゆるブレーキングによって母材から熱電素子を分離する方法を例示したものである。
実施例1の熱電素子を示す斜視図である。 実施例1の熱電素子の製造方法を示すフローチャートである。 実施例1の熱電素子の製造の手順を示す説明図である。 実施例1の熱電素子の母材の断面(図3(c)のA−A断面)を拡大して示す断面図、同熱電素子の母材の断面(図3(d)のB−B断面)を拡大して示す断面図である。 実施例1の熱電素子が用いられる熱電モジュールの分解斜視図である。 熱電モジュールの側面の一部を示すとともに、その要部を破断し拡大して示す説明図である。 実施例2の熱電素子の母材の一部を溝に沿って破断し拡大して示す断面図である。 従来技術の説明図である。
次に、本発明の熱電素子の製造方法の実施例について、具体的な例を挙げて説明する。
本実施例では、インゴット(溶製材)から熱電素子を製造する熱電素子の製造方法について、図面に基づいて説明する。
a)まず、本実施例の熱電素子の製造方法によって製造される熱電素子について説明する。
図1に示す様に、この熱電素子1は、周知の熱電発電や電子冷却を行う熱電モジュールに用いられる素子であり、同図の上下方向(以下軸方向とも記す)に半田材が接合される平坦な正方形状の接合面1a、1bを有する略直方体形状の部材である。
この熱電素子1は、熱電材料からなる略直方体形状の本体部3と、その本体部3の同図の上下方向の両表面及び側面の一部を覆うように形成された(例えばNiからなる)第1、第2金属被膜5、7とから構成されている。
詳しくは、第1金属被膜5は、一方(同図上方)の表面の金属被膜5aと隣接する側面の金属被膜5bとからなり、同様に、第2金属被膜7は、他方(同図下方)の表面の金属被膜7aと隣接する側面の金属被膜7bとからなる。
特に、熱電素子1の側面のうち、第1、第2金属被膜5、7の間には、両金属被膜5、7が形成されていない熱電材料の露出領域Xが、軸方向に垂直な方向(径方向)において、熱電素子1の回りを1周するように帯状に設けられている。
b)次に、本実施例の熱電素子1の製造方法について説明する。
本実施例では、図2のフローチャートに示す様に、熱電材の製造工程、スライシング工程、ダイシング工程、表面処理工程、ブレーキング工程を順次実施することにより、熱電素子1を製造する。以下、詳細に説明する。
(熱電材の製造工程)
まず、熱電材の製造工程では、熱電素子1の製造する際の元になる材料として、熱電材料からなる熱電材9を製造する。なお、ここでは、熱電材9として、図3(a)に示す様なインゴットである溶製材を例に挙げて説明する。
まず、溶製材を製造するために、その原料を調整する。具体的には、例えばN型の熱電素子1を製造する場合には、例えばBi2Te3系材料の熱電材料を得るために、周知の必要な原料を調整する。
なお、例えばP型の熱電素子を製造する場合には、例えばBi2Te3系材料の熱電材料を得るために、周知の必要な原料を調整する。
次に、溶製材の原料を円筒形状の石英管に真空封入する。
次に、この石英管をロッキング炉内に配置して、例えば700℃に加熱し、原料を溶融して攪拌し、その後、温度勾配をつけたまま降温して、溶融物を一方向(結晶成長方向)に凝固させることによって、例えば直径150mmの円柱形状のインゴット(溶製材)を作製する。
(スライシング工程)
次に、例えばワイヤーソーを用いて、前記溶製材をその結晶成長方向に対して垂直にスライシングする。具体的には、溶製材を例えば厚さ2mm×直径150mmの板状(例えばウエハー状又はプレート状)に切断し、図3(b)に示す様な円盤形状の母材である板材11を作製する。
(ダイシング工程)
次に、図3(c)に示す様に、板材11の上下の主面(板厚方向の両面)に対して、各熱電素子1をほぼ切り分けるような切り込みを入れる(即ちダイシングを行う)。但し、各熱電素子1を完全に分離するまでのダイシングは行わない。
具体的には、ダイシングブレードを備えたダイシングソーを用い、ダイシングブレードを回転させながら水を噴射し、各熱電素子1の外形形状(即ち図1の上下方向から見た正方形の形状)に対応するように、板材11の上下の主面に対して、格子状に切り込みを入れる。具体的には、各主面に対して、それぞれ例えば深さ0.85mmの溝13を、縦1.5mm×横1.5mmの間隔で、垂直に交差するように形成する。
この溝13は、板材11の上下の主面において対向するように、即ち上下の主面に形成される表側と裏側との溝13のパターンが厚み方向において一致するように形成する。言い換えれば、軸方向に投影した溝13のパターン形状が一致するように形成する。
従って、この板材11においては、1本の溝13に沿った断面(図3(c)のA−A断面)を図4(a)に示す様に、各熱電素子1が細径(例えば厚み0.3mm)の接続部15にて接続された凹凸の連続する形状となる。
なお、溝13の深さ(片面)としては、深すぎると製造の途中で板材11が割れる恐れがあり、浅すぎるとブレーキングの際に分離し難くなるので、切断する板材11の厚みの30〜45%の範囲が好適である(なお、両面では60〜90%の範囲が好適である)。同様に、接続部15の厚みとしては、薄すぎると製造途中で板材11が割れる恐れがあり、厚すぎるとブレーキングの際に分離し難くなるので、切断する板材11の厚みの10〜40%の範囲(例えば0.2〜0.8mm)が好適である。
(表面処理工程)
次に、図3(d)に示す様に、溝13を形成した板材11に対して、(各金属被膜5、7となる)母材被膜17を形成するために、メッキ処理を行う。
具体的には、例えば周知の無電解メッキによって、板材11の表面に、例えばNiのメッキ膜である母材被膜17を形成する。
この母材被膜17は、図4(b)に溝13に沿った断面(図3(d)のB−B断面)を示す様に、板材11の外側表面だけでなく、溝13の内部の表面全体を覆っている。
(ブレーキング工程)
次に、図3(e)に示す様に、母材被膜17を形成した板材11に対して、ブレーキングを行って、各熱電素子1を分離する。
例えば板材11の一方の主面側から押圧することによって、板材11を接続部15で割って分離し、個々の熱電素子1に分ける。
従って、分離された接続部15の断面には、金属被膜5、7は形成されておらず、熱電材料が露出している。
これにより、前記図1に示す様に、軸方向の中央部分において周方向に1周するような(金属被膜5、7が形成されていない)熱電材料の露出領域Xを有するN型の熱電素子1が得られる。
なお、上述したのと同様な工程にて、P型の熱電素子1も作製する。
(熱電モジュール形成工程)
図5に示す様に、下側基板19a及び上側基板19bとなる一対のセラミック基板19を用意し、これらのセラミック基板19の内側表面上に、メタライズによってCuからなる電極基部(図示せず)を形成し、この電極基部にNiメッキを施して電極21を作製する。
次に、周知の様に、両セラミック基板19の間に、N型とP型の熱電素子1を挟むとともに、そのN型とP型の熱電素子1を交互に隣接するように並べて熱電モジュール23を組み立て、各熱電素子1の軸方向の両接合面1a、1bと電極21とを半田材25(図6参照)によって接合する。
これによって、図6に示す様に、半田材25によって電極21に接合された各熱電素子1が配列された熱電モジュール23、詳しくは、半田材21が熱電素子1の金属被膜5、7に接合することによって、セラミック基板19に熱電素子1が固定された熱電モジュール23が得られる。
なお、熱電モジュール23においては、周知の様に、N型及びP型の熱電素子1は、交互に直列に接続され、その端部は、一対のリード線(図示せず)に接続されている。
この熱電モジュール23では、例えば両セラミック基板19間の温度差によって発電が可能であり、また、リード線間に電圧を印加することにより、両セラミック基板19間に温度差を発生させることができる。
c)上述した構成によって、本実施例では以下の効果が得られる。
本実施例では、熱電材料の母材である板材11に、ダイシングによって切り込みを入れて溝13を形成した後で、メッキによって金属被膜5、7を形成するので、当然ながら、ダイシングの際に、金属被膜5、7が剥離することはない。よって、その後、板材11から分離された熱電素子1には、その表面及び側面の一部に金属被膜5、7が確実に形成されている。
従って、熱電発電や電子冷却を行う熱電モジュール23を製造する際には、詳しくは、半田材25によって熱電素子1をセラミック基板19の電極21に接合する際には、半田材25の濡れ性を向上できるとともに、半田材25の含有成分の熱電材料中への拡散を防止できる。特に、半田材25が熱電素子1の側面に盛り上った場合でも、熱電素子1の側面には金属被膜5b、7bが形成されているので、半田材25の含有成分が熱電材料中に拡散することを防止できる。
また、本実施例では、熱電素子1の軸方向の中央部分には、熱電素子1を周方向に1周するように、熱電材料の露出領域Xが形成されている。即ち、金属被覆5、7は、軸方向において接続しておらず、熱電材料の露出領域Xによって電気的に分離されている。従って、熱電モジュール23の厚み方向の両電極19が、金属被膜5、7によってショートすることを防止できる。
更に、本実施例では、板材11の両主面側から同じパターンで溝13を形成してあるので、その後の熱電素子1の分離作業が容易である。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例では、ホットプレス材を用い蒸着によって熱電素子を製造する熱電素子の製造方法について説明する。なお、部材の番号は、前記実施例1と同様な部材には同じ番号を使用する。
(熱電材の製造工程)
まず、この熱電材の製造工程では、例えばN型の熱電素子1の製造に用いるために、熱電材料からなる熱電材9を製造する。なお、ここでは、熱電材9として、ホットプレス材を例に挙げて説明する。
まず、ホットプレス材を製造するために、その原料を調整する。具体的には、N型の熱電素子1の熱電材料である例えばBi2Te3を得るために、周知の必要な原料を調整する。
この熱電素子1の材料を用いて、前記実施例1の熱電材の製造工程と同様な方法で、インゴット(溶製材)を作製する。
次に、前記溶製材を粉砕し、その粉砕した材料を金型に充填して、加圧(プレス)しながら焼結することにより、例えば直方体形状のホットプレス材(図8参照)が得られる。
(スライシング工程)
次に、例えばワイヤーソーを用いて、前記ホットプレス材をそのプレス方向と平行にスライシングし、板材(母材)11を作製する。
(ダイシング工程)
次に、板材11の上下の主面(板厚方向の両面)に対して、各熱電素子1を区分するように、熱電素子1の外形に沿って切り込みを入れて溝13を形成するダイシングを行う。
このとき、本実施例では、図7に示す様に、ダイシングブレードの向きを変える(図7の左右方向)ことにより、溝13の内径を表面側より内部側を大きくするように加工する。
(表面処理工程)
次に、溝13を形成した板材11に対して、(各金属被膜5、7となる)母材被膜17を形成する処理を行う。
具体的には、蒸着によって、板材11の表面に例えばNiの蒸着膜である母材被膜17を形成する。
この蒸着は、板材11に対して垂直方向に実施されるので、前記実施例1とは異なり、図7に示す様に、母材被膜17は、熱電素子1の軸方向における両側の表面と側面の表面側の一部と接続部15の中央部分にしか形成されていない。
(ブレーキング工程)
次に、母材被膜17を形成した板材11に対して、ブレーキングを行って、各熱電素子1を分離する。
(熱電モジュール形成工程)
その後、前記熱電素子1を用いて、前記実施例1と同様にして熱電モジュール23を製造する。
従って、上述した構成によって、本実施例では実施例1と同様な効果を奏する。
特に、本実施例では、蒸着膜である母材被膜17、従って熱電素子1の金属被膜5、7は、熱電素子1の軸方向の両側の表面とその側面の僅かな部分にしか形成されていないので、熱電材料の露出領域の幅が広くなっている。これによって、蒸着される側面の面積を、表面全体に金属被膜を形成するメッキ等によるものと比較して小さくすることができるので、熱電素子1に電圧を印加した場合、側面に流れる電流を少なくすることができるようになり、熱電素子1の性能を効率よく利用することができる。
なお、以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の具体的な実施例に限定されず、本発明の範囲内でこの他にも種々の形態で実施することができる。
1…熱電素子
3…本体部
5、5a、5b、7、7a、7b…金属被膜
9…熱電材(溶製材、ホットプレス材)
11…板材(母材)
13…溝
15…接続部
17…母材被膜(メッキ膜、蒸着膜)
19、19a、19b…セラミック基板
21…電極
23…熱電モジュール

Claims (5)

  1. 熱電材料からなる母材を、各熱電素子を分離する所定の切断箇所にて切断して、複数の熱電素子を製造する熱電素子の製造方法において、
    前記母材の表面に沿って、前記切断箇所に切り込みを入れる第1工程と、
    前記切り込みを入れた母材の表面に、金属被膜を形成する第2工程と、
    前記金属被膜を形成した母材を、前記切り込みを入れた切断箇所に沿って分離して、前記複数の熱電素子を作製する第3工程と、
    を備えたことを特徴とする熱電素子の製造方法。
  2. 前記母材は板状であり、該母材の主面に対して、前記切り込みによって、所定の厚みの接続部分を残して前記切断箇所に沿った溝を形成することを特徴とする請求項1に記載の熱電素子の製造方法。
  3. 前記母材の両主面に対して、前記切断箇所に沿って、前記母材の厚み方向における同じ位置に溝を形成することを特徴とする請求項2に記載の熱電素子の製造方法。
  4. 前記溝を、表面側より内部側の径が大きくなるように形成し、その後、蒸着によって、前記主面側に前記金属被膜を形成することを特徴とする請求項2又は3に記載の熱電素子の製造方法。
  5. 前記金属被膜が形成された母材の主面を押圧し、前記溝に沿って前記接続部分を破断して前記母材を割って、前記各熱電素子を分離することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の熱電素子の製造方法。
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