JP2013024571A - バスバー - Google Patents

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Hirokatsu Nakajima
浩勝 中嶋
Satoru Chazono
悟 茶園
Toshiharu Taga
俊治 多賀
Akinori Matsui
昭憲 松井
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Abstract

【課題】車載用の電流検出装置によって検出される電流の伝送路をなすバスバーが、磁性体コアの側方に配置される場合において、バスバーが発するノイズ磁力線に起因する電流検出精度の悪化を防ぐこと。
【解決手段】電流検出装置2によって検出される電流の伝送路をなすバスバー3は、磁性体コア10の一方の側方における第一直線L1に沿って形成された第一側方バスバー31と、第一側方バスバー31から折り返して磁性体コア10の中空部11を貫通する貫通バスバー33と、貫通バスバー33から折り返して迂回領域A0に位置する第二側方バスバー35と、第二側方バスバー35から折り返し、ホール素子20の検出中心点211を通り磁性体コア10の両端面各々の中心どうしを結ぶ直線に対して垂直な平面F2を対称面として第一直線L1に対して面対称な第二直線L2に沿って形成された第三側方バスバー37と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流検出装置によって検出される電流の伝送路をなすバスバーに関する。
ハイブリッド自動車又は電気自動車などの電動車両には、バッテリに接続されたバスバーに流れる電流を検出する電流検出装置が搭載されることが多い。また、そのような電流検出装置としては、磁気比例方式の電流検出装置又は磁気平衡方式の電流検出装置が採用される場合がある。
磁気比例方式又は磁気平衡方式の電流検出装置は、例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に示されるように、磁性体コアと磁電変換素子とを備える。磁性体コアは、両端がギャップ部を介して対向し、バスバーが貫通する中空部の周囲を囲んで一連に形成された概ねリング状の磁性体である。
また、磁電変換素子は、磁性体コアのギャップ部に配置され、中空部を貫通して配置されたバスバーを流れる電流に応じて変化する磁束を検出し、磁束の検出信号を電気信号として出力する素子である。磁電変換素子としては、通常、ホール素子が採用される。
また、電流検出装置において、磁電変換素子は、磁性体コアのギャップ部において、磁性体コアの両端面各々の中心どうしを結ぶ直線に平行な方向の磁束を検出する。以下の説明において、磁性体コアの両端面各々の中心どうしを結ぶ直線に平行な方向のことを検出磁束方向と称する。
特開平10−104279号公報 特開2006−166528号公報 特開2009−58451号公報
ところで、電動車両において、モータ駆動用のバッテリ又はインバータ回路に接続され、高電圧が印加される高圧バスバーに流れる大きな電流が、電流検出装置によって検出さされる場合がある。さらに、配置スペースの制約により、高圧バスバーが、電流検出装置における磁性体コアの側方において直線に沿う経路から折り返して磁性体コアの中空部を貫通する経路に沿って敷設される場合がある。
強い磁界を発する高圧バスバーが磁性体コアの側方に配置されると、高圧バスバーが発する磁界の磁力線が、磁性体コアのギャップ部に入射する。ここで、高圧バスバーに起因する磁力線における検出磁束方向に直交する方向の成分は、磁電変換素子によって検出されず、電流検出におけるノイズにはならない。しかしながら、高圧バスバーに起因する磁力線は、磁性体コアのギャップ部において検出磁束方向の成分を有する場合、電流の検出精度を悪化させるノイズとなる。
本発明は、車載用の電流検出装置によって検出される電流の伝送路をなすバスバーが、磁性体コアの側方に配置される場合において、バスバーが発するノイズ磁力線に起因する電流検出精度の悪化を防ぐことを目的とする。
本発明に係るバスバーは、電流検出装置によって検出される電流の伝送路をなすバスバーであり、以下に示される各構成要素を備える。但し、電流検出装置は、磁性体コアと磁電変換素子と、を備える。磁性体コアは、磁性材料からなり、両端がギャップ部を介して対向し、中空部の周囲を囲んで一連に形成された部材である。磁電変換素子は、磁性体コアのギャップ部に配置され、磁性体コアの中空部を通過する電流に応じて変化する磁束を検出する素子である。
(1)第1の構成要素は、前記磁性体コアの両側方のうちの第1の側方における、前記磁性体コアの前記ギャップ部に配置された前記磁電変換素子における予め定められた検出中心点から第1の距離を隔てた第一直線に沿って形成された第一側方バスバーである。
(2)第2の構成要素は、前記磁性体コアの表裏両側のうちの第1の側において前記第一側方バスバーと連なり、前記第一側方バスバーから前記磁性体コアの前記中空部へ向かう位置へ折り返して形成された第一折返しバスバーである。
(3)第3の構成要素は、前記磁性体コアの表裏両側のうちの前記第1の側において前記第一折返しバスバーと連なり、前記磁性体コアの前記中空部を貫通して直線に沿って形成された貫通バスバーである。
(4)第4の構成要素は、前記磁性体コアの表裏両側のうちの第2の側において前記貫通バスバーと連なり、前記貫通バスバーから、前記磁性体コアの両側方のうちの第2の側方において前記磁性体コアの前記ギャップ部に配置された前記磁電変換素子の前記検出中心点から第1の距離よりも大きな第2の距離以上隔てた迂回領域へ折り返して形成された第二折返しバスバーである。
(5)第5の構成要素は、前記第二折返しバスバーと連なり、前記迂回領域において前記磁性体コアの表裏両側のうちの前記第2の側から前記第1の側へ亘って形成された第二側方バスバーである。
(6)第6の構成要素は、前記磁性体コアの表裏両側のうちの前記第1の側において前記第二側方バスバーと連なり、前記第二側方バスバーから、前記磁性体コアの前記ギャップ部に配置された前記磁電変換素子の前記検出中心点を通り前記磁性体コアの両端面各々の中心どうしを結ぶ直線に対して垂直な平面を対称面として前記第一直線に対して面対称な第二直線上の位置へ折り返す第三折返しバスバーである。
(7)第7の構成要素は、前記磁性体コアの表裏両側のうちの前記第1の側において前記第三折返しバスバーと連なり、前記第二直線に沿って形成された第三側方バスバーである。
本発明に係るバスバーにおいて、第一側方バスバーに流れる電流と第三側方バスバーに流れる電流とは、大きさが同じで流れる向きが逆向きである。ここで、第一側方バスバーの電流に起因して磁性体コアのギャップ部に入射する磁力線における検出磁束方向の成分を第一ノイズ成分と称する。また、第三側方バスバーの電流に起因して磁性体コアのギャップ部に入射する磁力線における検出磁束方向の成分を第二ノイズ成分と称する。後述するように、第一ノイズ成分及び第二ノイズ成分は、それぞれ大きさが同じで向きが逆向きである。
従って、本発明に係るバスバーにおいて、第一ノイズ成分及び第二ノイズ成分は、磁電変換素子による検出結果が相殺され、検出信号に反映されない。即ち、本発明によれば、電流検出装置によって検出される電流の伝送路をなすバスバーが、磁性体コアの側方に配置される第一側方バスバーを有する場合において、バスバーが発するノイズ磁力線に起因する電流検出精度の悪化が防がれる。
本発明の実施形態に係る電流検出システム1の斜視図である。 電流検出システム1を構成する電流検出装置2の分解斜視図である。 電流検出装置2の平面図である。 電流検出システム1の正面図である。 電流検出システム1の平面図である。 電流検出システム1においてバスバーの電流に起因して生じるノイズ磁力線を表す第1の図である。 電流検出システム1においてバスバーの電流に起因して生じるノイズ磁力線を表す第2の図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
本発明の実施形態に係る電流検出システム1は、電流検出装置2と、電流検出装置2によって検出される電流の伝送路をなすバスバー3とにより構成されている。バスバー3は、本発明に係るバスバーの一実施形態である。
<電流検出装置>
バスバー3について説明する前に、まず、図2、図3及び図6を参照しつつ、電流検出装置2について説明する。電流検出装置2は、電気自動車又はハイブリッド自動車などの車両において、バッテリとモータなどの機器とを電気的に接続するバスバー3に流れる電流を検出する装置である。図2に示されるように、電流検出装置2は、磁性体コア10、ホール素子20、絶縁筐体40及び電子基板50を備える。さらに、電流検出装置2は、バスバー3の一部を構成する検出用バスバー30も備える。
<磁性体コア>
磁性体コア10は、フェライト又はケイ素鋼などからなる磁性体であり、両端が数ミリメートル程度のギャップ部12を介して対向し、中空部11の周囲を囲んで一連に形成された形状を有している。即ち、磁性体コア10は、狭いギャップ部12と併せて環状に形成されている。本実施形態における磁性体コア10は、ギャップ部12と併せて円形状の中空部11を囲む円環状に形成されている。
<ホール素子(磁電変換素子)>
ホール素子20は、磁性体コア10のギャップ部12に配置され、磁性体コア10の中空部11を通過する電流に応じて変化する磁束を検出し、磁束の検出信号を電気信号として出力する磁電変換素子の一例である。
図2に示されるように、本実施形態におけるホール素子20は、素子本体部21からリード線22が延び出て形成されたリード線タイプのICである。即ち、ホール素子20は、磁性体コア10のギャップ部12に配置され磁束を検出する素子本体部21とその素子本体部21から延び出たリード線22とからなる。リード線22には、電力の入力用のリード線及び検出信号の出力用のリード線が含まれる。
図6に示されるように、ホール素子20は、素子本体部21における予め定められた検出中心点211が、磁性体コア10の両端面13の中心131を結ぶ直線上に位置し、かつ、素子本体部21の表裏の面が、両端面13の中心131を結ぶ直線に対して直交するように配置される。素子本体部21は、素子本体部21の表裏の面に直交し、かつ、検出中心点211を通過する磁束を最も高い感度で検出する。
なお、磁性体コア10の両端面13の中心131を結ぶ直線に平行な方向が、検出磁束方向である。本実施形態においては、検出磁束方向は、各図に示されるY軸に平行な方向である。
<電子基板>
電子基板50は、2つのホール素子20がそれらのリード線22の部分において実装されたプリント回路基板である。また、電子基板50には、2つのホール素子20の他、2つのホール素子20から出力される磁束の検出信号に対して増幅などの処理を施す回路とコネクタ51とが実装されている。
コネクタ51は、不図示の電線に設けられた相手側コネクタが接続される部品である。さらに、電子基板50には、2つのホール素子20各々のリード線22とコネクタ51の端子とを電気的に接続する回路が設けられている。例えば、電子基板50には、外部から電線及びコネクタ51を介して入力される電力をホール素子20のリード線22へ供給する回路、及び、ホール素子20の検出信号を増幅し、増幅後の信号をコネクタ51の端子に出力する回路などが設けられている。これにより、電流検出装置2は、コネクタ51に接続されたコネクタ付き電線を通じて、電流検出信号を電子制御ユニットなどの外部の回路へ出力することができる。
<検出用バスバー>
検出用バスバー30は、銅又はアルミニウムなどの金属からなる導電性部材であり、バッテリと電装機器とを電気的に接続するバスバー3の一部である。即ち、検出用バスバー30には、検出対象の電流が流れる。また、検出用バスバー30は、バッテリに対して予め接続されたバッテリ側のバスバーと、電装機器に対して予め接続された機器側のバスバーとは独立した部材である。そして、検出用バスバー30は、その両端が予め敷設された他のバスバー(バッテリ側のバスバー及び機器側のバスバー)に対して接続される。
検出用バスバー30は、磁性体コア10の中空部11を貫通する棒状の導体の両端部分にプレス加工が施された部材からなる。検出用バスバー30において、プレス加工により平板状に成形された両端部分は、電流伝送経路の前段及び後段各々のバスバーの接続端と連結される端子部302である。即ち、検出用バスバー30は、概ね、中央部分において一定の範囲を占める棒状の貫通部301と、その両側の端部に形成された平板状の端子部302とを有する導体からなる部材である。
貫通部301は、磁性体コア10の中空部11を電流通過方向に沿って貫通する部分である。電流通過方向は、磁性体コア10の厚み方向であり、環状の磁性体コア10を筒とみなした場合におけるその筒の軸心方向であり、さらに、環状の磁性体コア10が形成する面に直交する方向でもある。各図において、電流通過方向はX軸方向として記されている。
検出用バスバー30において、端子部302は、平板状であり、貫通部301は、例えば、円柱状又は楕円柱状などの棒状に形成されている。各図において、平板状の端子部302の幅方向及び厚み方向は、それぞれY軸方向及びZ軸方向として記されている。
検出用バスバー30は、棒状の金属部材の両端における一定範囲の部分が、プレス機などを用いたプレス加工によって平板状に押しつぶされた構造を有する部材である。本実施形態において、検出用バスバー30の元となる金属部材は、円柱状であり、従って、検出用バスバー30の貫通部301は円柱状である。
なお、検出用バスバー30の元となる金属部材は、断面が楕円の楕円棒状又は断面が矩形の角棒状であることも考えられる。また、元となる棒状の金属部材は、断面が四角形又はその他の多角形である棒状であることも考えられる。但し、検出用バスバー30の貫通部301の断面形状は、磁性体コア10の中空部11の輪郭形状と相似な形状であることが望ましい。
検出用バスバー30において、平板状の端子部302の幅は、磁性体コア10の中空部11の直径(最大幅)よりも大きく形成されている。また、貫通部301の厚みは、平板状の端子部302の厚みよりも大きく形成されている。
検出用バスバー30は、絶縁筐体40により、磁性体コア10の中空部11に貫通した状態で磁性体コア10及び電子基板50とともに一体に組み合わされ、その後、端子部302において前段及び後段の他のバスバーに接続される。平板状の端子部302には、ネジ止め用の貫通孔3zが形成されており、これにより、平板状の端子部302は、ネジ8により前段及び後段の他のバスバーと連結される。
<絶縁筐体>
絶縁筐体40は、磁性体コア10と検出用バスバー30と2つのホール素子20と電子基板50とを一定の位置関係で保持しつつ支持する絶縁性の部材である。絶縁筐体40は、磁性体コア10の両側から組み合わされる本体ケース41及び本体ケース41に取り付けられる蓋部材42の2つの部材を含む。本体ケース41及び蓋部材42の各々は、例えば、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)又はABS樹脂などの絶縁性の樹脂からなる一体成形部材である。
本体ケース41は、開口部を有する箱状に形成され、蓋部材42は、本体ケース41に取り付けられることによって本体ケース41の開口部を塞ぐ。また、本体ケース41及び蓋部材42には、検出用バスバー30の両端子部302が内側から外側へ挿入される貫通孔であるバスバー孔45が形成されている。検出用バスバー30における一方の端子部302は本体ケース41のバスバー孔45に通され、他方の端子部302は蓋部材42のバスバー孔45に通される。
また、蓋部材42は、磁性体コア10、ホール素子20及び検出用バスバー30を保持する本体ケース41に対し、磁性体コア10と、ホール素子20と、コネクタ51を含む電子基板50とを挟み込みつつ、本体ケース41の開口部を塞ぐように取り付けられる。その際、検出用バスバー30における他方の端子部302が、蓋部材42のバスバー孔45に対して内側から外側へ通され、電子基板50が本体ケース41と蓋部材42との間に挟み込まれて保持される。
図3は、本体ケース41及び蓋部材42が組み合わされた状態における電流検出装置2の平面図である。図3に示されるように、本体ケース41及び蓋部材42(絶縁筐体40)は、検出用バスバー30における端子部302と、電子基板50のコネクタ51とが外部に露出する状態で、磁性体コア10と、2つのホール素子20と、検出用バスバー30の貫通部301とを覆いつつ、それらを一定の位置関係で支持する。
より具体的には、電流通過方向(X軸方向)に直交する平面(Y−Z平面)に沿う方向における磁性体コア10及びホール素子20の絶縁筐体40内での位置は、コア支持部43及び素子支持部44によって保持される。
さらに、磁性体コア10は、本体ケース41及び蓋部材42の間に挟み込まれることによって、電流通過方向(X軸方向)における位置が保持される。同様に、電子基板50に固着されたホール素子20は、電子基板50が本体ケース41及び蓋部材42の間に挟み込まれることによって、電流通過方向(X軸方向)における位置が保持される。
また、図2に示されるように、本体ケース41の側壁の内側面には、基板支持部49が突出して形成されている。この基板支持部49は、電子基板50に形成された欠け部52に嵌り込み、電子基板50を予め定められた位置で支持する。
さらに、本体ケース41及び蓋部材42には、それらを組み合わせ状態で保持するロック機構47,48が設けられている。図2に示されるロック機構47,48は、本体ケース41の側面に突出して形成された爪部47と、蓋部材42の側方に形成された環状の枠部48とを備える。本体ケース41の爪部47が、蓋部材42の枠部48が形成する孔に嵌り込むことにより、本体ケース41及び蓋部材42は、それらが組み合わされた状態で保持される。
コア支持部43は、本体ケース41の内側面におけるバスバー孔45の縁部における複数の箇所に分断された状態で突出して形成されている。本実施形態では、2つのコア支持部43が、端子部302を通すことが可能なスリット状の隙間の両側の2箇所において対向して形成されている。
コア支持部43における検出用バスバー30の貫通部301に対向する面である内側面は、検出用バスバー30の貫通部301の外周面に沿う形状に形成されている。また、コア支持部43における磁性体コア10に対向する面である外側面は、中空部11を形成する磁性体コア10の内周面に沿う形状に形成されている。
そして、コア支持部43は、磁性体コア10の中空部11に挿入されて外側の面で磁性体コア10を支持するとともに、磁性体コア10と検出用バスバー30の貫通部301との間に挟み込まれる状態で内側の面で検出用バスバー30を支持する。
一方、素子支持部44は、磁性体コア10のギャップ部12の位置において、ホール素子20の素子本体部21が嵌め入れられる空間の周囲を取り囲んで一連に形成されている。素子支持部44は、その内側の空間に、ホール素子20の素子本体部21が嵌め込まれることにより、ホール素子20の素子本体部21をギャップ部12内の予め定められた位置で支持する。
<バスバー>
次に、図1及び図4〜図7を参照しつつ、バスバー3について説明する。バスバー3は、銅又はアルミニウムなどの金属からなる導電性部材である。また、バスバー3は、磁性体コア10の中空部11を通る平面である第一平面F1に沿って形成されている。
図1、図4及び図5に示されるように、バスバー3は、第一平面F1に沿って、磁性体コア10の側方から折り返して磁性体コア10の中空部11を貫通する電流の伝送路を形成している。
より具体的には、バスバー3は、第一側方バスバー31と、第一折返しバスバー32と、貫通バスバー33と、第二折返しバスバー34と、第二側方バスバー35と、第三折返しバスバー36と、第三側方バスバー37とを含む。バスバー3は、電流検出装置2によって検出される電流の伝送路をなすように一連に形成されている。なお、図1に示される例では、バスバー3は、複数のバスバーが複数箇所においてネジ8により連結された構造を有するが、元々一連に成形されたバスバーであることも考えられる。
第一側方バスバー31は、磁性体コア10の両側方のうちの一方の側方(Y軸の負方向側の側方)における第一直線L1に沿って形成されたバスバーである。ここで、第一直線L1は、磁性体コア10の両側方のうちの一方の側方において、磁性体コア10のギャップ部12に配置された素子本体部21の検出中心点211から距離D1を隔てた直線である。
距離D1は、第一側方バスバー31が距離D1の位置の第一直線L1に沿って配置された場合に、第一側方バスバー31を流れる電流によって生じる磁束が、電流検出装置2のホール素子20によって無視できない程度に検出されてしまうような距離である。ハイブリッド自動車などの電動車両においては、距離D1が概ね30mm以下である場合、ホール素子20によって無視できない程度のノイズ磁束が検出されてしまう。
第一折返しバスバー32は、磁性体コア10の表裏両側のうちの一方の側(X軸の正方向側)において第一側方バスバー31と連なり、第一側方バスバー31から磁性体コア10の中空部11へ向かう位置へ折り返して形成されバスバーである。第一折返しバスバー32は、検出用バスバー30の端子部302の一部を含む。
貫通バスバー33は、磁性体コア10の表裏両側のうちの一方の側(X軸の正方向側)において第一折返しバスバー32と連なり、磁性体コア10の中空部11を貫通して直線に沿って形成されたバスバーである。貫通バスバー33は、検出用バスバー30における貫通部301及びその貫通部301に連なる2つの端子部302各々の一部により構成されている。
第二折返しバスバー34は、磁性体コア10の表裏両側のうちの他方の側(X軸の負方向側)において貫通バスバー33と連なるバスバーである。この第二折返しバスバー34は、貫通バスバー33から、磁性体コア10の両側方のうちの他方の側方(Y軸の正方向側の側方)における迂回領域A0へ折り返して形成されている。迂回領域A0は、磁性体コア10の両側方のうちの他方の側方(Y軸の正方向側の側方)において、磁性体コア10のギャップ部12に配置された素子本体部21の検出中心点211から距離D2以上隔てた領域である。ここで、距離D2は、距離D1よりも十分に大きい。
距離D2は、ホール素子20の検出中心点211から距離D2以上離れた迂回領域A0において電流検出装置2の検出対称となる電流が流れた場合に、その電流によって生じる磁束が、電流検出装置2のホール素子20によって無視できる程度にしか検出されないような距離である。ハイブリッド自動車などの電動車両においては、距離D2が概ね60mm以上である場合、迂回領域A0で流れる電流に起因する磁束は、ホール素子20において無視できる程度にしか検出されない。
第二側方バスバー35は、第二折返しバスバー34と連なり、迂回領域A0において磁性体コア10の表裏両側のうちの他方の側から一方の側へ(X軸の負方向側から正方向側へ)亘って形成されたバスバーである。本実施形態における第二側方バスバー35は、迂回領域A0において直線に沿って形成されている。
第三折返しバスバー36は、磁性体コア10の表裏両側のうちの一方の側(X軸の正方向側)において第二側方バスバー35と連なるバスバーである。この第三折返しバスバー36は、第二側方バスバー35から、所定の第二平面F2を対称面として第一直線L1に対して面対称な第二直線L2上の位置へ折り返して形成されている。ここで、第二平面F2は、磁性体コア10のギャップ部12に配置された素子本体部21の検出中心点211を通り、かつ、磁性体コア10の両端面13各々の中心131どうしを結ぶ直線に対して垂直な平面である。
第三側方バスバー37は、磁性体コア10の表裏両側のうちの一方の側(X軸の正方向側)において第三折返しバスバー36と連なり、第二直線L2に沿って形成されたバスバーである。第一側方バスバー31の中心線と第三側方バスバー37の中心線とは、第二平面F2を対称面として面対称である。
図1及び図5に示されるように、第三側方バスバー37は、第二折返しバスバー34と交差する。そのため、第三側方バスバー37と第二折返しバスバー34とを電気的に絶縁するために、第三側方バスバー37と第二折返しバスバー34とが交差する部分において、絶縁材料からなるスペーサ7が、第三側方バスバー37と第二折返しバスバー34との間に配置されている。
第一直線L1と第二直線L2とは、第二平面F2を対称面とする面対称な直線であり、バスバー3は、第一直線L1及び第二直線L2の各々に沿う第一側方バスバー31及び第三側方バスバー37を含め、第一平面F1に沿って形成されている。従って、第一平面F1と第二平面F2とは、相互に直交する平面である。
また、第一平面F1と素子本体部21の検出中心点211を通る第二平面F2とが、相互に直交する平面であり、第一直線L1及び第二直線L2は、第一平面F1に沿う直線であり、かつ、第二平面F2を対称面として面対称である。そのため、検出中心点211から第二直線L2までの距離は、検出中心点211から第一直線L1までの距離D1と同じ距離である。
<効果>
以下、図6及び図7を参照しつつ、電流検出システム1において以上に示されたバスバー3が採用されることによる効果について説明する。なお、図6及び図7は、電流検出システム1においてバスバー3の電流に起因して生じるノイズ磁力線を表す第1の図及び第2の図である。
より具体的には、図6は、磁性体コア10及びバスバー3を電流通過方向から見た図であり、図6において、ノイズ磁力線Nm1,Nm2が、矢印によってベクトル標記されている。また、図6において、第一側方バスバー31、貫通バスバー33及び第三側方バスバー37についてはそれらの断面図が示されている。また、図6において、バスバー3における第一側方バスバー31、貫通バスバー33及び第三側方バスバー37以外の部分の記載は省略されている。また、図7は、磁性体コア10のギャップ部12の部分を電流通過方向から見た図であり、図7において、ノイズ磁力線Nm1,Nm2が、矢印によってベクトル標記されている。
電流検出システム1のバスバー3において、第一側方バスバー31に流れる電流と第三側方バスバー37に流れる電流とは、大きさが同じで流れる向きが逆向きである。図6において、第一側方バスバー31及び第三側方バスバー37の各々の部分に示されるマークは、電流の方向の一例を表す。図6に示される例では、第一側方バスバー31の電流は、X軸正方向へ向かって流れ、第三側方バスバー37の電流は、X軸負方向へ向かって流れている。もちろん、電流が、図6に示される例に対して逆方向へ流れることも考えられる。
電流検出システム1において、第一側方バスバー31の電流に起因して磁性体コア10のギャップ部12に入射する第一ノイズ磁力線Nm1は、検出磁束方向(Y軸方向)の成分である第一ノイズ成分Nm11を含む。この第一ノイズ成分Nm11は、ホール素子20によって無視できない程度に検出される。
なお、第一ノイズ磁力線Nm1は、検出磁束方向に直交する方向(Z軸方向)の磁力線の成分Nm12も含む。しかしながら、第一ノイズ磁力線Nm1の成分Nm12は、ホール素子20によって検出されない。
一方、第三側方バスバー37の電流に起因して磁性体コア10のギャップ部12に入射する第二ノイズ磁力線Nm2は、検出磁束方向(Y軸方向)の成分である第二ノイズ成分Nm21を含む。この第二ノイズ成分Nm21は、ホール素子20によって無視できない程度に検出される。
なお、第二ノイズ磁力線Nm2は、検出磁束方向に直交する方向(Z軸方向)の磁力線の成分Nm22も含む。しかしながら、第二ノイズ磁力線Nm2の成分Nm22は、ホール素子20によって検出されない。
前述したように、第一直線L1と第二直線L2とは、第二平面F2を対称面とする面対称な直線であり、第一側方バスバー31及び第三側方バスバー37は、それぞれ第一直線L1及び第二直線L2に沿って形成されている。さらに、第一側方バスバー31に流れる電流と第三側方バスバー37に流れる電流とは、大きさが同じで流れる向きが逆向きである。
従って、図7に示されるように、第一ノイズ成分Nm11及び第二ノイズ成分Nm21は、それぞれ大きさが同じで向きが逆向きとなる。従って、電流検出システム1のバスバー3において、第一ノイズ成分Nm11及び第二ノイズ成分Nm21は、ホール素子20による検出結果が相殺され、検出信号に反映されない。
即ち、電流検出システム1において、電流検出装置2によって検出される電流の伝送路をなすバスバー3が、磁性体コア10の側方に配置される第一側方バスバー31を有するが、バスバー3が発するノイズ磁力線Nm1,Nm2に起因する電流検出精度の悪化が防がれる。
<その他>
以上に示した電流検出システム1において、バスバー3は、貫通バスバー33以外の部分において平板状に形成されている。しかしながら、バスバー3の全ての部分が、平板状に形成されること、又は、扁平ではない棒状に形成されることも考えられる。
1 電流検出システム
2 電流検出装置
3 バスバー
3z 貫通孔
8 ネジ
7 スペーサ
10 磁性体コア
11 磁性体コアの中空部
12 磁性体コアのギャップ部
13 磁性体コアの端面
20 ホール素子
21 ホール素子の素子本体部
22 ホール素子のリード線
30 検出用バスバー
31 第一側方バスバー
32 第一折返しバスバー
33 貫通バスバー
34 第二折返しバスバー
35 第二側方バスバー
36 第三折返しバスバー
37 第三側方バスバー
40 絶縁筐体
41 本体ケース
42 蓋部材
43 コア支持部
44 素子支持部
45 バスバー孔
47 爪部(ロック機構)
48 枠部(ロック機構)
49 基板支持部
50 電子基板
51 コネクタ
52 電子基板の欠け部
131 磁性体コアの端面の中心
211 ホール素子の本体部の検出中心点
301 貫通部
302 端子部
A0 迂回領域
F1 第一平面
F2 第二平面
L1 第一直線
L2 第二直線
Nm1 第一ノイズ磁力線
Nm2 第二ノイズ磁力線

Claims (1)

  1. 磁性材料からなり、両端がギャップ部を介して対向し、中空部の周囲を囲んで一連に形成された磁性体コアと、
    前記磁性体コアの前記ギャップ部に配置され、前記磁性体コアの前記中空部を通過する電流に応じて変化する磁束を検出する磁電変換素子と、を備える電流検出装置によって検出される電流の伝送路をなすバスバーであって、
    前記磁性体コアの両側方のうちの第1の側方における、前記磁性体コアの前記ギャップ部に配置された前記磁電変換素子における予め定められた検出中心点から第1の距離を隔てた第一直線に沿って形成された第一側方バスバーと、
    前記磁性体コアの表裏両側のうちの第1の側において前記第一側方バスバーと連なり、前記第一側方バスバーから前記磁性体コアの前記中空部へ向かう位置へ折り返して形成された第一折返しバスバーと、
    前記磁性体コアの表裏両側のうちの前記第1の側において前記第一折返しバスバーと連なり、前記磁性体コアの前記中空部を貫通して直線に沿って形成された貫通バスバーと、
    前記磁性体コアの表裏両側のうちの第2の側において前記貫通バスバーと連なり、前記貫通バスバーから、前記磁性体コアの両側方のうちの第2の側方において前記磁性体コアの前記ギャップ部に配置された前記磁電変換素子の前記検出中心点から第1の距離よりも大きな第2の距離以上隔てた迂回領域へ折り返して形成された第二折返しバスバーと、
    前記第二折返しバスバーと連なり、前記迂回領域において前記磁性体コアの表裏両側のうちの前記第2の側から前記第1の側へ亘って形成された第二側方バスバーと、
    前記磁性体コアの表裏両側のうちの前記第1の側において前記第二側方バスバーと連なり、前記第二側方バスバーから、前記磁性体コアの前記ギャップ部に配置された前記磁電変換素子の前記検出中心点を通り前記磁性体コアの両端面各々の中心どうしを結ぶ直線に対して垂直な平面を対称面として前記第一直線に対して面対称な第二直線上の位置へ折り返す第三折返しバスバーと、
    前記磁性体コアの表裏両側のうちの前記第1の側において前記第三折返しバスバーと連なり、前記第二直線に沿って形成された第三側方バスバーと、を備えることを特徴とするバスバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023218626A1 (ja) * 2022-05-13 2023-11-16 株式会社オートネットワーク技術研究所 磁気検知装置

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