JP2013024327A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加速/減速の応答性低下を防止し、前後進切換機構の摩耗を防止し、さらには前後進切換機構の差回転の収束に伴うショックを防止する。
【解決手段】CVT制御ユニット60は、トルク信号(Etq)により前後進切換機構への供給油圧を算出する供給油圧算出部67、アクセル信号(Acc)/車速信号(v)により目標変速比変化量(δR)を算出して目標変速比変化量(δR)と第1しきい値とを比較する目標変速比変化量算出部64、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値以上のときに前後進切換機構の滑り動作を抑えるための加算油圧(add)を算出する加算油圧算出部65、クラッチ油圧(Cop1)に加算油圧(add)を加算して得た合算油圧(Cop2)によりクラッチ圧調整弁47bへの駆動電流(I)を算出して駆動電流(I)をクラッチ圧調整弁47bに出力する駆動電流算出部68を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載される無段変速機の制御装置に関する。
自動車等の車両に搭載される無段変速機(CVT)は、駆動ベルト(動力伝達要素)が巻き掛けられたプーリ機構を備えている。プーリ機構は、エンジン(駆動源)と駆動輪との間に設けられ、エンジン側のプライマリプーリと駆動輪側のセカンダリプーリとを有している。各プーリはいずれも固定シーブと可動シーブとを備えており、駆動ベルトは各シーブ間に挟持されている。
例えば、プライマリプーリに作動油を給排すると、可動シーブが固定シーブに対して近接または離間して駆動ベルトの巻き掛け径が変化する。これにより変速比が無段階で制御される。このようにプライマリプーリは、変速比を制御する変速プーリとして機能する。一方、セカンダリプーリに作動油を給排すると、可動シーブが固定シーブに対して近接または離間して駆動ベルトのクランプ力が変化する。これにより駆動ベルトの滑りを抑制して動力の伝達効率を高めている。このようにセカンダリプーリは、クランプ力を制御する締付プーリとして機能する。
エンジンとプーリ機構との間には、駆動輪の正転(前進)と逆転(後退)とを切り換える前後進切換機構が設けられている。前後進切換機構は、ロック状態となることで駆動輪を正転させる前進用クラッチと、ロック状態となることで駆動輪を逆転させる後退用ブレーキとを備えている。前進用クラッチおよび後退用ブレーキは、いずれも作動油の給排により作動(ロック作動/リリース作動)し、前進用クラッチおよび後退用ブレーキは、双方が同時にロック状態となることは無い。
無段変速機の制御、つまりプーリ機構および前後進切換機構等の制御は、車両に搭載されたCVT制御ユニット(コントローラ)により行われる。CVT制御ユニットは、スロットル開度や車速等に基づいて制御マップを参照しつつ、目標変速比を設定するようになっている。CVT制御ユニットは、設定した目標変速比を得るための所定圧の作動油をプライマリプーリに供給し、これにより変速比を目標変速比に制御する。また、前後進切換機構にも所定圧の作動油が供給され、前進時においては前進用クラッチがロック状態,後退用ブレーキがリリース状態となり、後退時においては前進用クラッチがリリース状態,後退用ブレーキがロック状態となる。
このようなプーリ機構および前後進切換機構を、作動油の給排により制御するようにした無段変速機の制御装置としては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載された技術は、エンジンにより駆動される1つのオイルポンプを備え、当該オイルポンプから吐出される作動油を、プーリの制御や前後進切換装置(前後進切換機構)の摩擦係合要素の油圧制御等に用いている。これらの各要素を互いに干渉することなく独立して精度良く制御するために、各要素間にはスイッチ弁を設けている。
特開平10−325458号公報(図3)
上述の特許文献1に記載された無段変速機の制御装置は、セレクトレバー(操作レバー)がNレンジ,DレンジおよびDsレンジに操作された場合に、前後進切換機構を形成する前進用クラッチの油室に低いクラッチ圧(0.7Mpa)を供給し、セレクトレバーがPレンジおよびRレンジに操作された場合に、前後進切換機構を形成する後退用ブレーキの油室に高いクラッチ圧(1.2Mpa)を供給するようにしている。よって、前進時においては、前進用クラッチが低いクラッチ圧で締結状態となるため、変速ショック等を有効に緩和することができる。また、後退時においては、後退用ブレーキが高いクラッチ圧で締結状態となるため、充分なトルク容量を確保することができる。
しかしながら、アクセルを踏み込んで素早く加速(アップシフト)させたい場合や、アクセルを緩めて強力なエンジンブレーキを効かせつつ減速(ダウンシフト)させたい場合等においては、前進用クラッチは低いクラッチ圧で締結状態となっているため、所謂クラッチスリップ現象(滑り動作)が発生する虞がある。
このクラッチスリップ現象は、加速/減速の応答性の低下をもたらす。また、前進用クラッチの摩耗を促進する原因にもなる。さらには、前進用クラッチの差回転が収束する際にショックが発生し、当該ショックがドライバに不快感を与えてしまう。
本発明の目的は、加速/減速の応答性低下を防止し、前後進切換機構の摩耗を防止し、さらには前後進切換機構の差回転の収束に伴うショックを防止することができる無段変速機の制御装置を提供することにある。
本発明の無段変速機の制御装置は、駆動源と駆動輪との間に設けられ、動力伝達要素が巻き掛けられるプーリ機構と、前記駆動源と前記プーリ機構との間に設けられ、前記駆動輪の正転と逆転とを切り換える前後進切換機構とを有する無段変速機の制御装置であって、前記駆動源により駆動され、前記プーリ機構および前記前後進切換機構に作動油を供給する作動油供給源と、前記作動油供給源と前記前後進切換機構との間に設けられ、前記前後進切換機構への供給油圧を調整し、前記前後進切換機構の締結状態を制御する締結制御弁と、前記締結制御弁を開閉制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記駆動源の駆動状態に基づいて前記前後進切換機構への前記供給油圧を算出する供給油圧算出部と、車両の操作状態に基づいて目標変速比変化量を算出し、前記目標変速比変化量と予め設定された滑りしきい値とを比較する目標変速比変化量算出部と、前記目標変速比変化量が前記滑りしきい値以上のときに、前記前後進切換機構の滑り動作を抑えるための加算油圧を算出する加算油圧算出部と、前記供給油圧に前記加算油圧を加算して得た合算油圧に基づいて前記締結制御弁への駆動量を算出し、当該駆動量を前記締結制御弁に出力する駆動量算出部と、を備えることを特徴とする。
本発明の無段変速機の制御装置は、前記加算油圧算出部は、前記目標変速比変化量の大きさに比例した大きさの前記加算油圧を算出することを特徴とする。
本発明の無段変速機の制御装置は、前記加算油圧算出部は、前記目標変速比変化量が前記滑りしきい値以上になるとタイマを作動させ、タイマ作動時間が予め設定された時間しきい値以上になると、前記加算油圧を示す加算油圧信号の出力を停止することを特徴とする。
本発明によれば、コントローラは、駆動源の駆動状態に基づいて前後進切換機構への供給油圧を算出する供給油圧算出部と、車両の操作状態に基づいて目標変速比変化量を算出し、目標変速比変化量と予め設定された滑りしきい値とを比較する目標変速比変化量算出部と、目標変速比変化量が滑りしきい値以上のときに、前後進切換機構の滑り動作を抑えるための加算油圧を算出する加算油圧算出部と、供給油圧に加算油圧を加算して得た合算油圧に基づいて締結制御弁への駆動量を算出し、当該駆動量を締結制御弁に出力する駆動量算出部と、を備えている。
これにより、目標変速比変化量が滑りしきい値以上となると、前後進切換機構の滑り動作を抑えるための加算油圧が算出され、当該加算油圧を供給油圧に加算して合算油圧が求められる。加算油圧は前後進切換機構の滑り動作を考慮して算出されるため、求めた合算油圧により前後進切換機構の滑り動作を確実に防止できる。加算油圧は目標変速比変化量に基づいて算出されるため、滑り動作が始まる前に合算油圧を算出しつつ、締結制御弁をフィードフォワード制御しておくことができる。これにより、クラッチスリップの発生を防止でき、従前のように加速/減速の応答性が低下するようなことは無く、クラッチスリップによる前後進切換機構の摩耗を防止でき、差回転の収束に伴うショックを防止できる。また、目標変速比変化量が滑りしきい値未満の場合には、駆動源は合算油圧を発生するよう作動油供給源を駆動しなくて済み、駆動源に対する負荷の増大を抑えることができる。よって、駆動源のエネルギ消費率が悪化するのを防止できる。
本発明によれば、加算油圧算出部は、目標変速比変化量の大きさに比例した大きさの加算油圧を算出するので、加算油圧を、車両の操作状態に応じてよりきめ細かく高精度で算出することができる。よって、駆動源のエネルギ消費率の悪化をより抑制することができる。
本発明によれば、加算油圧算出部は、目標変速比変化量が滑りしきい値以上になるとタイマを作動させ、タイマ作動時間が予め設定された時間しきい値以上になると、加算油圧を示す加算油圧信号の出力を停止するので、前後進切換機構の滑り動作を防止した後に、駆動源により無駄に合算油圧を発生するよう作動油供給源が駆動されるのを防止でき、駆動源のエネルギ消費率の悪化をより抑制することができる。
無段変速機のスケルトン図である。 本発明に係る無段変速機の制御装置の油圧回路図である。 CVT制御ユニットの内部構造を説明するブロック図である。 クラッチ圧調整弁の制御ロジックを示すフローチャートである。 加算油圧の算出ロジックを示すフローチャートである。 (a),(b)は、マニュアルバルブおよびスリップコントロールバルブの動作状態(Dレンジ)を説明する動作説明図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は無段変速機のスケルトン図を、図2は本発明に係る無段変速機の制御装置の油圧回路図をそれぞれ表している。
図1に示すように、無段変速機10は、図示しない自動車等の車両に搭載され、エンジン(駆動源)11に駆動されるプライマリ軸12と、プライマリ軸12と平行に設けられるセカンダリ軸13とを備えている。プライマリ軸12とセカンダリ軸13との間には、変速機構(プーリ機構)14が設けられ、プライマリ軸12の回転は変速機構14を介してセカンダリ軸13に伝達され、セカンダリ軸13の回転は減速機構15およびディファレンシャル機構16を介して左右の駆動輪17に伝達される。つまり、変速機構14は、エンジン11と各駆動輪17との間に設けられている。
プライマリ軸12には、変速プーリとしてのプライマリプーリ20が設けられている。プライマリプーリ20は、プライマリ軸12に一体回転可能に設けられた固定シーブ20aと、当該固定シーブ20aと対向してプライマリ軸12に対して軸方向に摺動する可動シーブ20bとを備えている。一方、セカンダリ軸13には、締付プーリとして機能するセカンダリプーリ21が設けられている。セカンダリプーリ21は、セカンダリ軸13に一体回転可能に設けられた固定シーブ21aと、当該固定シーブ21aと対向してセカンダリ軸13に対して軸方向に摺動する可動シーブ21bとを備えている。
プライマリプーリ20とセカンダリプーリ21との間には、動力伝達要素としての駆動ベルト22が巻き掛けられている。駆動ベルト22は、鋼材よりなる複数の駒(図示せず)を連ねて形成され、伸縮不可能となっている。そして、各固定シーブ20a,21aに対して各可動シーブ20b,21bをそれぞれ近接または離間させることにより、プライマリプーリ20およびセカンダリプーリ21の溝幅を変化させ、駆動ベルト22の巻き掛け径を無段階で変化、つまり変速比を無段階で変化できるようになっている。ここで、駆動ベルト22のプライマリプーリ20に対する巻き掛け径をRpとし、セカンダリプーリ21に対する巻き掛け径をRsとすると、変速機構14の変速比はRs/Rpとなる。
プライマリプーリ20は、プライマリ軸12に固定されたプランジャ23と、可動シーブ20bに固定されたシリンダ24とを備えている。プランジャ23の外周面にはシリンダ24の内周面が摺接しており、プランジャ23およびシリンダ24は、作動油が出入りする作動油室25(図中網掛)を形成している。一方、セカンダリプーリ21は、セカンダリ軸13に固定されたプランジャ26と、可動シーブ21bに固定されたシリンダ27とを備えている。プランジャ26の外周面にはシリンダ27の内周面が摺接しており、プランジャ26およびシリンダ27は、作動油が出入りする作動油室28(図中網掛)を形成している。各プーリ20,21の溝幅は、プライマリ側の作動油室25に供給されるプライマリ圧Pp(図中破線矢印)と、セカンダリ側の作動油室28に供給されるセカンダリ圧Ps(図中破線矢印)とをそれぞれ調圧することにより制御される。
エンジン11のクランク軸11aとプライマリ軸12との間、つまりエンジン11と変速機構14との間には、トルクコンバータ30および前後進切換機構31が設けられている。トルクコンバータ30はエンジン11側に配置され、クランク軸11aに連結されるポンプインペラ30aと、ポンプインペラ30aと対向するタービンランナ30bとを備え、タービンランナ30bにはタービン軸32が連結されている。
トルクコンバータ30内には、車両の走行状態に応じてクランク軸11aとタービン軸32とを締結するロックアップクラッチ33が設けられている。ロックアップクラッチ33は、例えば、一定速度で高速走行中等、変速機構14による変速を行わない状況のもとで作動して、クランク軸11aとタービン軸32とを直結するようになっている。これにより、高速走行時等における燃費の向上を図るようにしている。
ポンプインペラ30aには、エンジン11により駆動されて、変速機構14の各プーリ20,21と、前後進切換機構31の前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36とに向けて、図中破線矢印に示すように作動油を供給するオイルポンプ41が設けられている。オイルポンプ41は、ポンプインペラ30aを介してクランク軸11aに直結され、エンジン11の回転数と同じ回転数で回転駆動されるようになっている。つまり、オイルポンプ41に対する負荷が小さい場合にはエンジン11への負荷も小さくなり、オイルポンプ41に対する負荷が大きい場合にはエンジン11への負荷も大きくなる。
前後進切換機構31は、変速機構14側に配置され、ダブルピニオン式の遊星歯車列34,前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36を備えている。前進用クラッチ35は作動油室35a(図中網掛)を備え、多板式クラッチ(詳細図示せず)により形成されている。そして、作動油室35aにクラッチ圧Cpを供給することでロック状態(締結状態)となり、作動油室35aからクラッチ圧Cpを排出することでリリース状態(開放状態)となる。
一方、後退用ブレーキ36は作動油室36a(図中網掛)を備え、多板式ブレーキ(詳細図示せず)により形成されている。そして、作動油室36aにブレーキ圧Bpを供給することでロック状態となり、作動油室36aからブレーキ圧Bpを排出することでリリース状態となる。
このように前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36を作動させて、遊星歯車列34を介してエンジン11の動力の伝達経路を切り換えるようにしている。これにより車両を前進させたり後退させたりできるようにしている。具体的には、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36の双方をリリース状態とすると、タービン軸32とプライマリ軸12とが切り離されて、前後進切換機構31はプライマリ軸12に動力を伝達しないニュートラル状態(Nレンジ/Pレンジ)に切り換えられる。
また、前進用クラッチ35をロック状態とし、後退用ブレーキ36をリリース状態とすると、タービン軸32の回転(正転)がそのままプライマリプーリ20に伝達され、車両は前進状態(Dレンジ)に切り換えられる。一方、前進用クラッチ35をリリース状態とし、後退用ブレーキ36をロック状態とすると、タービン軸32の回転(正転)が遊星歯車列34により逆転され、その逆回転がプライマリプーリ20に伝達され、車両は後退状態(Rレンジ)に切り換えられる。ここで、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36の各作動油室35a,36aの上流側には、マニュアルバルブ48(図2参照)が設けられ、これにより前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36の双方は同時にロック状態とならない。
図2に示すように、無段変速機10の変速比制御を行う制御装置40は、コントローラとしてのCVT制御ユニット60を備えている。CVT制御ユニット60は、後述する種々の制御弁および調整弁を開閉制御することで、プライマリプーリ20およびセカンダリプーリ21を形成する各作動油室25,28および、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36を形成する各作動油室35a,36aのそれぞれに対して、所定圧の作動油を給排するようになっている。
制御装置40は、主流路40aと、主流路40aから分岐した第1分岐路40bおよび第2分岐路40cとを備えている。第1分岐路40bの下流側にはプライマリプーリ20の作動油室25が接続され、第2分岐路40cの下流側にはセカンダリプーリ21の作動油室28が接続されている。また、主流路40aの下流側には、スリップコントロールバルブ47およびマニュアルバルブ48を介して、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36の各作動油室35a,36aが接続されている。
主流路40aの上流側にはオイルポンプ(作動油供給源)41が設けられ、当該オイルポンプ41は、各作動油室25,28,35a,36aのそれぞれに、プライマリ圧Pp,セカンダリ圧Ps,クラッチ圧Cp,ブレーキ圧Bpの作動油をそれぞれ供給するようになっている。オイルポンプ41の上流側には、作動油を貯留するオイルパン42が設けられ、オイルパン42に貯留された作動油は、ストレーナ(濾過器)43を介してオイルポンプ41の吸込口から吸い込まれ、オイルポンプ41の吐出口から主流路40aに吐出される。
主流路40aのオイルポンプ41側には、主流路40aを流通する作動油の圧力、つまりライン圧PLを制御するライン圧制御弁44が設けられている。ライン圧制御弁44は、CVT制御ユニット60により駆動される比例ソレノイドおよびスプールバルブ(何れも図示せず)を備えている。そして、ライン圧制御弁44は、主流路40aを流通する作動油をオイルパン42にリリース(開放)することで、必要とされるライン圧PLを得るようになっている。つまり、ライン圧PLは、オイルポンプ41の最大吐出圧力以下の範囲で決定されるようになっている。
第1分岐路40bには、プライマリプーリ20の作動油室25に対して作動油を給排する給排弁45が設けられている。給排弁45は、スプールバルブ(図示せず)を備え、当該スプールバルブの端部に圧力(パイロット圧)を負荷することで開閉制御されるようになっている。つまり、給排弁45はパイロット型制御弁であり、第1パイロット管路45aを介して接続されたプライマリ圧調整弁45bにより調整されたパイロット圧PPによって、開閉制御されるようになっている。
プライマリ圧調整弁45bは、CVT制御ユニット60により駆動される比例ソレノイドおよびスプールバルブ(何れも図示せず)を備えている。そして、比例ソレノイドおよびスプールバルブを駆動することで、第1パイロット管路45aを流通するパイロット圧PPを調整できるようになっている。
パイロット圧PPを調整して給排弁45を一の位置に移動させることで、所定圧力の作動油が作動油室25に供給され、ひいては変速比が変更される。また、作動油室25内の圧力を下げる場合には、パイロット圧PPを調整して給排弁45を他の位置に移動させ、これにより作動油室25内の作動油がオイルパン42にリリースされて、作動油室25内の圧力が下がり、ひいては変速比が変更される。
主流路40aにはパイロット圧制御弁46が設けられている。パイロット圧制御弁46は、CVT制御ユニット60により駆動される比例ソレノイドおよびスプールバルブ(何れも図示せず)を備えている。そして、パイロット圧制御弁46は、主流路40aを流通する作動油をオイルパン42にリリースすることで、必要とされるパイロット圧PPを得るようになっている。そして、パイロット圧制御弁46により調整されたパイロット圧PPは、第2パイロット管路46aを介して、プライマリ圧調整弁45bおよびクラッチ圧調整弁47bに流入するようになっている。
主流路40aの下流側には、3ポート2位置の切換弁よりなるスリップコントロールバルブ47が設けられている。スリップコントロールバルブ47は、スプールバルブ(図示せず)を備え、当該スプールバルブの端部に圧力(パイロット圧)を負荷することで開閉制御されるようになっている。つまり、スリップコントロールバルブ47はパイロット型制御弁であり、第3パイロット管路47aを介して接続されたクラッチ圧調整弁47bにより調整されたパイロット圧PPによって、開閉制御されるようになっている。
ここで、スリップコントロールバルブ47は、オイルポンプ41と前後進切換機構31(前進用クラッチ35/後退用ブレーキ36)との間に設けられ、当該スリップコントロールバルブ47とこれを制御するクラッチ圧調整弁47bによって、本発明における締結制御弁を構成している。
スリップコントロールバルブ47は、クラッチ圧調整弁47bによりパイロット圧PPを高めることで供給位置(A)に切り換えられ、これにより主流路40aを流通するライン圧PLの作動油を、前進用クラッチ35の作動油室35aおよび後退用ブレーキ36の作動油室36a側に供給可能となる。一方、クラッチ圧調整弁47bによりパイロット圧PPを低くすることで排出位置(B)に切り換えられ、これにより各作動油室35a,36a側の作動油をオイルパン42にリリース可能となる。このように、スリップコントロールバルブ47は、作動油室35aおよび作動油室36aに対して作動油を給排し、作動油室35aおよび作動油室36aへの供給油圧を調整するようになっている。これにより、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36の締結状態が制御される。
なお、スリップコントロールバルブ47は、供給位置(A)と排出位置(B)との間を連続的(リニア)に切り換えられるようになっている。つまり、パイロット圧PPを徐々に高めていくことで徐々に供給位置(A)に切り換えられ、パイロット圧PPを徐々に低くしていくことで徐々に排出位置(B)に切り換えられるようになっている。
また、クラッチ圧調整弁47bにおいても、プライマリ圧調整弁45bと同様に、CVT制御ユニット60により駆動される比例ソレノイドおよびスプールバルブ(何れも図示せず)を備えている。そして、比例ソレノイドおよびスプールバルブを駆動することで、第3パイロット管路47aを流通するパイロット圧PPを調整できるようになっている。
主流路40aのスリップコントロールバルブ47よりも下流側には、4ポート4位置の切換弁よりなるマニュアルバルブ48が設けられている。マニュアルバルブ48はスプールバルブ(図示せず)を備え、当該スプールバルブは操作者による操作レバー(シフトレバー)48aの操作により移動可能となっている。マニュアルバルブ48の4位置は、それぞれ図示のように、Dレンジ(ドライブ),Nレンジ(ニュートラル),Rレンジ(リバース)およびPレンジ(パーキング)となっている。
操作レバー48aを操作して「Dレンジ」とした場合には、前進用クラッチ35の作動油室35aに作動油が供給されるようになり、その一方で後退用ブレーキ36の作動油室36aからは作動油がオイルパン42にリリースされる。これにより、前進用クラッチ35がロック状態,後退用ブレーキ36がリリース状態となり車両は前進可能となる。
操作レバー48aを操作して「Rレンジ」とした場合には、「Dレンジ」とは逆に、後退用ブレーキ36の作動油室36aに作動油が供給されるようになり、その一方で前進用クラッチ35の作動油室35aからは作動油がオイルパン42にリリースされる。これにより、後退用ブレーキ36がロック状態,前進用クラッチ35がリリース状態となり車両は後退可能となる。
また、操作レバー48aを操作して「Nレンジ」(図示の状態)または「Pレンジ」とした場合には、各作動油室35a,36aがオイルパン42と連通状態となり、各作動油室35a,36aからは作動油がオイルパン42にリリースされる。これにより、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36の双方がリリース状態となり車両は前進も後退もしない中立状態(停車状態)となる。
次に、制御装置40を形成するCVT制御ユニット60の詳細構造について、図面を用いて詳細に説明する。
図3はCVT制御ユニットの内部構造を説明するブロック図を表している。
CVT制御ユニット60は、車室内のグローブボックス等(図示せず)の内部に設置されている。CVT制御ユニット60には、ライン圧制御弁44,プライマリ圧調整弁45b,パイロット圧制御弁46およびクラッチ圧調整弁47bがそれぞれ電気的に接続され(図2参照)、CVT制御ユニット60は、これらの制御弁および調整弁44,45b,46,47bを、所定の制御ロジックに基づきそれぞれ開閉制御するようになっている。
CVT制御ユニット60には、図示しないインターフェイスを介して、スロットル開度センサ61,車速センサ62およびエンジントルクセンサ63がそれぞれ電気的に接続されている。CVT制御ユニット60は、これらのセンサ信号(車両情報信号)等に基づいて目標変速比を設定し、当該目標変速比に基づくプライマリ圧Ppおよびセカンダリ圧Psをそれぞれ算出するようになっている。
ここで、CVT制御ユニット60には、これらのプライマリ圧Ppおよびセカンダリ圧Psを算出する変速制御部(図示せず)と、クラッチ/ブレーキ制御部60aが設けられている。以下、本発明の主要部であるクラッチ/ブレーキ制御部60aについて詳細に説明する。
クラッチ/ブレーキ制御部60aには、目標変速比変化量算出部64が設けられている。目標変速比変化量算出部64には、スロットル開度センサ61からのアクセル信号(Acc)と、車速センサ62からの車速信号(v)とが入力されるようになっている。ここで、アクセル信号(Acc)および車速信号(v)は、何れも車両の操作状態を示す信号となっている。目標変速比変化量算出部64は、車速(v)−プライマリプーリ回転数(rpm)マップ64aを備えており、この車速(v)−プライマリプーリ回転数(rpm)マップ64aは、アクセル開度が低開度の場合(図中破線)に対応する低開度マップと、アクセル開度が全開の場合(図中実線)に対応する全開マップとから形成されている。
目標変速比変化量算出部64は、スロットル開度センサ61からのアクセル信号(Acc)からエンジン回転数を推定し、このエンジン回転数からこれと略等しいプライマリプーリ回転数(rpm)を得るようになっている。また、目標変速比変化量算出部64は、車速センサ62からの車速信号(v)からこれと略等しいセカンダリプーリ回転数を得るようになっている。このように、目標変速比変化量算出部64においては、アクセル信号(Acc)および車速信号(v)からプライマリプーリ回転数(rpm)とセカンダリプーリ回転数とを推定し、各回転数およびアクセル開度から目標変速比(R)を求めるようになっている。
目標変速比変化量算出部64は、車速(v)−プライマリプーリ回転数(rpm)マップ64aを参照して求めた目標変速比(R)を微分処理し、単位時間当たりの変化量、つまり目標変速比変化量(δR)を算出するようになっている。さらに、目標変速比変化量算出部64は、目標変速比変化量(δR)と、滑りしきい値としての第1しきい値(th1)とを比較し、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)よりも大きい場合に、当該目標変速比変化量(δR)を、そのまま加算油圧算出部65に出力するようになっている(図5参照)。一方、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)未満である場合には、当該目標変速比変化量(δR)を「ゼロ(0)」とし、加算油圧算出部65に出力するようになっている(図5参照)。
加算油圧算出部65は、目標変速比変化量算出部64から入力された目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)以上のとき、つまり目標変速比変化量(δR)が「ゼロ(0)」でない場合に、前後進切換機構31(図1参照)の滑り動作を抑えるための、クラッチ油圧(Cop1)に加算すべき加算油圧(add)を求めるようになっている。具体的には、加算油圧算出部65は、目標変速比変化量(δR)−加算油圧(add)マップ65aを備えており、入力された目標変速比変化量(δR)と目標変速比変化量(δR)−加算油圧(add)マップ65aとを照らし合わせて加算油圧(add)を求めるようになっている。求められた加算油圧(add)は、その後、加え合わせ点66に出力される。
目標変速比変化量(δR)−加算油圧(add)マップ65aは、目標変速比変化量(δR)の大きさに比例した大きさの加算油圧(add)が得られるよう設定されている。つまり、加算油圧算出部65で算出される加算油圧(add)は、入力される目標変速比変化量(δR)の大きさに応じてきめ細かく設定できるようになっている。
加算油圧算出部65はタイマ65bを備えており、このタイマ65bは、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)よりも大きい場合、つまり加算油圧(add)が「ゼロ(0)」でない場合に作動するようになっている。そして、経過時間(タイマ作動時間)tを時間しきい値としての第2しきい値(th2)と比較し、経過時間tが第2しきい値(th2)よりも大きくなると、加算油圧(add)の加え合わせ点66への出力を「ゼロ(0)」とする(図5参照)。つまり、経過時間tが第2しきい値(th2)よりも大きくなると、加算油圧信号である加算油圧(add)の出力が停止される。ここで、第2しきい値(th2)は、本実施の形態においては3〜5(sec)に設定されている。つまり、加算油圧(add)による前進用クラッチ35の作動油室35a内の圧力の増加が、3〜5(sec)継続されるようになっている。
なお、クラッチ油圧(Cop1)は、急激なアップシフトやダウンシフト等を行っていない車両の操作状態において、前進用クラッチ35の作動油室35a(図2参照)に供給される作動油の油圧(通常油圧)であり、例えば、オイルポンプ41の最大吐出圧力の4割程度(例えば、0.7Mpa)に設定されている。これにより、前進用クラッチ35の滑り動作を抑えつつポンプロスの増大を抑制し、燃費の向上を図るようにしている。
クラッチ/ブレーキ制御部60aは、供給油圧算出部67を備えており、この供給油圧算出部67では、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36への供給油圧であるクラッチ油圧(Cop1)を算出するようになっている。供給油圧算出部67は、クラッチ入力トルク算出部67aとクラッチ油圧算出部67bとから形成されている。クラッチ入力トルク算出部67aには、エンジン11の駆動状態を示すエンジントルクセンサ63からトルク信号(Etq)が入力され、クラッチ入力トルク算出部67aでは、トルクコンバータ30(図1参照)によるトルク増幅度を考慮して、前進用クラッチ35に入力されるクラッチ入力トルク(Ctq)を算出するようになっている。
クラッチ入力トルク(Ctq)はクラッチ油圧算出部67bに入力され、クラッチ油圧算出部67bでは、入力されたクラッチ入力トルク(Ctq)に基づいて、クラッチ油圧(Cop1)を求めるようになっている。具体的には、クラッチ油圧算出部67bは、クラッチ入力トルク(Ctq)−クラッチ油圧(Cop1)マップ67cを備えており、入力されたクラッチ入力トルク(Ctq)とクラッチ入力トルク(Ctq)−クラッチ油圧(Cop1)マップ67cとを照らし合わせてクラッチ油圧(Cop1)を求めるようになっている。求められたクラッチ油圧(Cop1)は、その後、加え合わせ点66に出力される。
クラッチ入力トルク(Ctq)−クラッチ油圧(Cop1)マップ67cは、クラッチ入力トルク(Ctq)の大きさに比例した大きさのクラッチ油圧(Cop1)が得られるよう設定されている。つまり、クラッチ油圧算出部67bで算出されるクラッチ油圧(Cop1)は、入力されるクラッチ入力トルク(Ctq)の大きさに応じてきめ細かく設定できるようになっている。
加え合わせ点66では、クラッチ油圧(Cop1)と加算油圧(add)とが加算されて、合算油圧(Cop2)が求められる。ここで、合算油圧(Cop2)は、オイルポンプ41の最大吐出圧力の7割程度(例えば、1.2Mpa)に設定されている。その後、合算油圧(Cop2)は、加え合わせ点66から駆動量算出部としての駆動電流算出部68に入力され、当該駆動電流算出部68では、合算油圧(Cop2)に基づいて、油圧−電流変換マップ(図示せず)から駆動量としての駆動電流(I)を算出するようになっている。そして、駆動電流算出部68で算出した駆動電流(I)はクラッチ圧調整弁47bに出力され、当該クラッチ圧調整弁47bの作動によりパイロット圧PPが高められる。
これにより、前進用クラッチ35の作動油室35a内の圧力が通常時よりも高められて、急激なアップシフトやダウンシフト等を行ったとしても、前進用クラッチ35の滑り動作(クラッチスリップ)が確実に抑制される。よって、加速/減速の応答性低下や前進用クラッチ35の早期摩耗、さらには差回転の収束に伴うショックが防止される。
次に、以上のように形成した制御装置40のより具体的な動作について、図面を用いて詳細に説明する。
図4はクラッチ圧調整弁の制御ロジックを示すフローチャートを、図5は加算油圧の算出ロジックを示すフローチャートを、図6(a),(b)はマニュアルバルブおよびスリップコントロールバルブの動作状態(Dレンジ)を説明する動作説明図をそれぞれ表している。
図4に示すように、イグニッションスイッチ(図示せず)をオン操作することにより、クラッチ圧調整弁47bの制御プログラム(メインフロー)がスタートする(ステップS1)。ここで、図5に示す加算油圧(add)の算出プログラム(サブフロー)についても、イグニッションスイッチのオン操作によりスタート(ステップS10)して並行処理される。なお、図5のサブフローについては後述する。
ステップS2では、エンジントルクセンサ63からのトルク信号(Etq)が、供給油圧算出部67のクラッチ入力トルク算出部67aに入力される。ステップS3では、入力されたトルク信号(Etq)に基づいて、クラッチ入力トルク算出部67aがクラッチ入力トルク(Ctq)を算出する。ステップS4では、算出したクラッチ入力トルク(Ctq)に基づいて、クラッチ油圧算出部67bによりクラッチ油圧(Cop1)を求める。
続くステップS5では、加え合わせ点66に向けてクラッチ油圧(Cop1)を出力するとともに、図5のサブフローで算出した加算油圧(add)を読み込む。ステップS6では、加え合わせ点66で加算処理、つまりクラッチ油圧(Cop1)+加算油圧(add)=合算油圧(Cop2)の処理を実行する。ステップS7では、駆動電流算出部68によって、合算油圧(Cop2)から駆動電流(I)を算出する算出処理が実行される。その後、ステップS8において、駆動電流算出部68からクラッチ圧調整弁47bに向けて駆動電流(I)が出力され、クラッチ油圧(Cop1)および加算油圧(add)による駆動電流(I)によりクラッチ圧調整弁47bが制御される。そして、ステップS9においてリターン処理される。
図5に示すステップS11では、スロットル開度センサ61からのアクセル信号(Acc)が目標変速比変化量算出部64に入力され、ステップS12では、車速センサ62からの車速信号(v)が目標変速比変化量算出部64に入力される。このように、ステップS11およびステップS12では、目標変速比変化量算出部64によって、車両の操作状態であるアクセル信号(Acc)および車速信号(v)を読み込むようになっている。
続くステップS13では、目標変速比変化量算出部64が、アクセル信号(Acc)および車速信号(v)に基づいて目標変速比(R)を算出する。ステップS14では、目標変速比変化量算出部64が、目標変速比(R)に基づいて目標変速比変化量(δR)を算出する。ステップS15では、目標変速比変化量算出部64によって、目標変速比変化量(δR)と、予め定められた第1しきい値(th1)との比較処理を実行し、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)未満である場合(No判定)にはステップS16に進み、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)以上である場合(Yes判定)にはステップS17に進む。
ステップS16では、現在の車両の操作状態では前進用クラッチ35には滑り動作が発生しないとして、目標変速比変化量(δR)を「ゼロ(0)」とし、これにより加算油圧(add)=0とする。その後、ステップS21に進んでリターン処理される。
一方、ステップS17では、前進用クラッチ35に滑り動作が発生するとして、加算油圧算出部65において加算油圧(add)を求めてステップS18に進む。ステップS18ではタイマ65bをスタートさせるとともに経過時間tをインクリメントしてステップS19に進む。ステップS19では、加算油圧算出部65から加え合わせ点66に向けて加算油圧(add)を出力する。
続くステップS20では、経過時間tと予め定められた第2しきい値(th2)との比較処理を実行し、経過時間tが第2しきい値(th2)以上であると判定(Yes判定)した場合にはステップS16に進み、加算油圧(add)の加え合わせ点66への出力を「ゼロ(0)」とする。一方、ステップS20で、未だ経過時間tが第2しきい値(th2)未満であると判定(No判定)した場合には、ステップS18に戻り、経過時間tが第2しきい値(th2)以上となるまで、経過時間tのインクリメント(ステップS18)と加算油圧(add)の出力(ステップS19)とを繰り返して実行する。
ここで、加算油圧(add)が「ゼロ(0)」以外の場合には、図6(a)に示すように、クラッチ圧調整弁47bによりパイロット圧PPが高められる。そして、スリップコントロールバルブ47が供給位置(A)に切り換えられて、これにより主流路40aから高い油圧(1.2Mpa)に調圧された作動油が、前進用クラッチ35の作動油室35a内に供給される。これにより前進用クラッチ35のロック状態がより強固となり、前進用クラッチ35の滑り動作が抑えられて、ひいては加速/減速の応答性低下等が防止される。
経過時間tが第2しきい値(th2)以上となると、図6(b)に示すように、クラッチ圧調整弁47bによりパイロット圧PPが低下され、これによりスリップコントロールバルブ47が排出位置(B)に切り換えられる。したがって、前進用クラッチ35の作動油室35a内から高い油圧(1.2Mpa)がオイルパン42にリリースされて、前進用クラッチ35の作動油室35a内の圧力が通常油圧(0.7Mpa)に低下される。
このように、制御装置40は、作動油室35a内の圧力を高めることで加速/減速の応答性低下等を防止し、その後、実変速比が目標変速比に近付いたら(3〜5(sec)経過したら)作動油室35a内の圧力を迅速に低下させるので、直ぐにポンプロスの増大を抑制し燃費の向上を図れるモードに移行することができる。
以上詳述したように、本実施の形態に係る制御装置40によれば、CVT制御ユニット60は、トルク信号(Etq)に基づいて前後進切換機構31への供給油圧を算出する供給油圧算出部67と、アクセル信号(Acc)および車速信号(v)に基づいて目標変速比変化量(δR)を算出し、目標変速比変化量(δR)と予め設定された第1しきい値(th1)とを比較する目標変速比変化量算出部64と、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)以上のときに、前後進切換機構31の滑り動作を抑えるための加算油圧(add)を算出する加算油圧算出部65と、クラッチ油圧(Cop1)に加算油圧(add)を加算して得た合算油圧(Cop2)に基づいてクラッチ圧調整弁47bへの駆動電流(I)を算出し、当該駆動電流(I)をクラッチ圧調整弁47bに出力する駆動電流算出部68と、を備えている。
これにより、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)以上となると、前後進切換機構31の滑り動作を抑えるための加算油圧(add)が算出され、当該加算油圧(add)をクラッチ油圧(Cop1)に加算して合算油圧(Cop2)が求められる。加算油圧(add)は前後進切換機構31の滑り動作を考慮して算出されるため、求めた合算油圧(Cop2)により前後進切換機構31の滑り動作を確実に防止できる。加算油圧(add)は目標変速比変化量(δR)に基づいて算出されるため、滑り動作が始まる前に合算油圧(Cop2)を算出しつつ、クラッチ圧調整弁47bをフィードフォワード制御しておくことができる。これにより、クラッチスリップの発生を防止でき、従前のように加速/減速の応答性が低下するようなことは無く、クラッチスリップによる前後進切換機構31の摩耗を防止でき、差回転の収束に伴うショックを防止できる。また、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)未満の場合には、エンジン11は合算油圧(Cop2)を発生するようオイルポンプ41を駆動しなくて済み、エンジン11に対する負荷の増大を抑えることができる。よって、エンジン11の燃料消費率(燃費)が悪化するのを防止できる。
また、本実施の形態に係る制御装置40によれば、加算油圧算出部65は、目標変速比変化量(δR)の大きさに比例した大きさの加算油圧(add)を算出するので、加算油圧(add)を、車両の操作状態に応じてよりきめ細かく高精度で算出することができる。よって、エンジン11の燃費の悪化をより抑制することができる。
さらに、本実施の形態に係る制御装置40によれば、加算油圧算出部65は、目標変速比変化量(δR)が第1しきい値(th1)以上になるとタイマ65bを作動させ、経過時間tが予め設定された第2しきい値(th2)以上になると、加算油圧信号である加算油圧(add)の出力を停止するので、前後進切換機構31の滑り動作を防止した後に、エンジン11により無駄に合算油圧(Cop2)を発生するようオイルポンプ41が駆動されるのを防止でき、エンジン11の燃費の悪化をより抑制することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。上記実施の形態においては、目標変速比変化量(δR)の大きさに比例した大きさの加算油圧(add)を求めるものを示したが、本発明はこれに限らず、条件が揃った際に一定の大きさの加算油圧(add)を選択するようにしても良い。この場合、加算油圧算出部65の目標変速比変化量(δR)−加算油圧(add)マップ65aを省略することができ、制御ロジックの簡素化を図ったり、制御装置40の応答性をより向上させたりできる。
また、上記実施の形態においては、加算油圧算出部65にタイマ65bを設け、当該タイマ65bの作動により加算油圧(add)の出力を継続するようにしたものを示したが、本発明はこれに限らず、目標変速比変化量算出部64で算出した目標変速比(R)と、プライマリプーリ20の回転数およびセカンダリプーリ21の回転数から得られる実変速比とに基づいて、目標変速比(R)に実変速比が近付いた際(目標変速比変化量が小さくなった際)に、加算油圧(add)の出力を停止させるようにしても良い。
10 無段変速機
11 エンジン(駆動源)
14 変速機構(プーリ機構)
17 駆動輪
22 駆動ベルト(動力伝達要素)
31 前後進切換機構
40 制御装置
41 オイルポンプ(作動油供給源)
47 スリップコントロールバルブ(締結制御弁)
47b クラッチ圧調整弁(締結制御弁)
60 CVT制御ユニット(コントローラ)
64 目標変速比変化量算出部
65 加算油圧算出部
65b タイマ
67 供給油圧算出部
68 駆動電流算出部(駆動量算出部)

Claims (3)

  1. 駆動源と駆動輪との間に設けられ、動力伝達要素が巻き掛けられるプーリ機構と、前記駆動源と前記プーリ機構との間に設けられ、前記駆動輪の正転と逆転とを切り換える前後進切換機構とを有する無段変速機の制御装置であって、
    前記駆動源により駆動され、前記プーリ機構および前記前後進切換機構に作動油を供給する作動油供給源と、
    前記作動油供給源と前記前後進切換機構との間に設けられ、前記前後進切換機構への供給油圧を調整し、前記前後進切換機構の締結状態を制御する締結制御弁と、
    前記締結制御弁を開閉制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、
    前記駆動源の駆動状態に基づいて前記前後進切換機構への前記供給油圧を算出する供給油圧算出部と、
    車両の操作状態に基づいて目標変速比変化量を算出し、前記目標変速比変化量と予め設定された滑りしきい値とを比較する目標変速比変化量算出部と、
    前記目標変速比変化量が前記滑りしきい値以上のときに、前記前後進切換機構の滑り動作を抑えるための加算油圧を算出する加算油圧算出部と、
    前記供給油圧に前記加算油圧を加算して得た合算油圧に基づいて前記締結制御弁への駆動量を算出し、当該駆動量を前記締結制御弁に出力する駆動量算出部と、
    を備えることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、前記加算油圧算出部は、前記目標変速比変化量の大きさに比例した大きさの前記加算油圧を算出することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の無段変速機の制御装置において、前記加算油圧算出部は、前記目標変速比変化量が前記滑りしきい値以上になるとタイマを作動させ、タイマ作動時間が予め設定された時間しきい値以上になると、前記加算油圧を示す加算油圧信号の出力を停止することを特徴とする無段変速機の制御装置。
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