JP2013024102A - 電動送風機及びそれを用いた電気掃除機 - Google Patents

電動送風機及びそれを用いた電気掃除機 Download PDF

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一繁 中村
Hiroyuki Kayama
博之 香山
Yukihiro Fujiwara
幸弘 藤原
Makoto Murakami
誠 村上
Yasuhiro Umekage
康裕 梅景
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Abstract

【課題】送風効率が高く、高い回転数で使用可能な電動送風機及びそれを用いた電気掃除機を提供する。
【解決手段】インペラ120を上下2部品で構成し、上流側の上部インペラ121を熱伝導性の高い金属であるアルミで構成し、下流側の下部インペラ122を形状自由度の高い樹脂で構成するとともに、インペラ120の吸気口185とファンケース182の吸込口184とを接触式のシール構成とすることにより、送風効率が高く、高い回転数で使用してもシール部の摺動摩擦熱によって樹脂製部品が変形したり損傷したりすることがない。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動送風機及び電気掃除機に関するものである。
従来、この種の電動送風機としては、図9に示すように、回転軸1を有する電動機2と、ナット3によって回転軸1に固定され電動機2によって回転駆動されるインペラ4と、インペラ4から排出された空気の流速のエネルギーを圧力のエネルギーに変換するためのエアガイド5と、インペラ4とエアガイド5を内包するファンケース6とを有したものがある。
インペラ4の詳細を図10に基づいて説明する。インペラ4は、板金製の後面シュラウド11と、後面シュラウド11と間隔を置いて配した板金製の前面シュラウド12と、1対の後面シュラウド11、前面シュラウド12とで挟持される複数枚の板金製ブレード13と、前面シュラウド12の中央に設けた吸気口14に対応して設けた樹脂製のインデューサ15から構成されている。板金製ブレード13は各シュラウド11、12にかしめ加工により取り付けている。また、樹脂製インデューサ15は略円錐状のハブ16とそのハブ16上に形成される羽根部17から構成されており、特に吸気口14から板金製ブレード13側へ流れる空気を整流するため、羽根部17の形状を3次元的曲面を持った形状としている。
図11(a)、(b)は、インデューサ15の金型構造を示す。このような複雑な形状のインデューサ15を作成するために、インデューサの羽根部17の外周方向へ略放射状にスライドする側方スライド金型21を用いた樹脂成型加工を行っている。成型金型は羽根部17と同数の側方スライド金型21とコア22、キャビティ23から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、図12に示すように、樹脂材料から成るインペラ31を、後面シュラウド32と前面シュラウド33にブレード単位で分割し、後面シュラウド32には後面側ブレード34を、同じく前面シュラウド33には前面側ブレード35を一体化し、各ブレードと対向するシュラウドを超音波溶着加工により接合することにより、各ブレード全面を気流の流れに合せた複雑な形状に成型することを可能にした構成もある(例えば、特許文献2参照)。
また、図13(a)、(b)に示すように、金属材料から成る前面シュラウド41および後面シュラウド42に突起用穴43、44を設けるとともに、三次元的な曲面を持った樹脂材料から成るブレード45に突起46、47を設け、この突起46、47を突起用穴43、44に圧入し、前面シュラウド41、後面シュラウド42と一体化させる、あるいは、突起46、47を突起用穴43、44に挿入後、突起用穴43、44から突き出た突起46、47を溶かして前面シュラウド41、後面シュラウド42と一体化させる構成もある(例えば、特許文献3参照)。
さらに、図14(a)、(b)に示すように、中央部に吸気口51を有し、樹脂製の前面シュラウド52と、樹脂製後面シュラウド53と、3次元的な曲面形状を持つ複数枚の樹脂製ブレード54とで構成されたインペラ55と、中央部に吸込口56を有し、インペラ55を覆うように構成されたファンケース57とを有し、前面シュラウド52の吸気口51側の端部に設けられた金属環などの耐熱耐磨耗部58と、ファンケース57の吸込口56側の端部に設けられた樹脂製シール部59とが当接することで、インペラ55の吸気
口51とファンケース57の吸込口56とを接触式のシール構成としているため、インペラ55から吐出された空気が再び吸気口51からインペラ55内部に入り込む還流を防いで送風効率を高めるとともに、接触式のシール構成の一方を樹脂、他方を金属などの耐熱耐磨耗性を有する材料で構成することにより、樹脂製の前面シュラウド52がシール部の摺動摩擦熱により変形したり、損傷したりすることがない構成もある(例えば、特許文献4参照)。
特開2000−45993号公報 特開平11−107990号公報 特開平7−127597号公報 特開平10−141279号公報
しかしながら、従来の特許文献1では、ブレードが板金製であることや、前面シュラウドと後面シュラウドにかしめ加工により取り付けられていることから、ひねり形状など複雑な3次元曲面形状を構成することが困難であるため、樹脂製のインデューサ部分しか気流の流れに合せた複雑な3次元曲面形状で構成することができないので、形状の制限が大きいという課題を有していた。
また、図12に示す前記従来の構成では、各ブレードを全て樹脂製とすることで、ブレード全面を気流の流れに合せた複雑な形状にすることが可能となるが、送風性能向上のために、図14(a)に示すような、ファンケースの吸込口とインペラの吸気口とを接触式のシール構成とした場合、シール部での摺動摩擦熱により、樹脂製の前面シュラウドが変形したり、破損したりする可能性が生じるため、非接触式のシール構成とせざるを得ないため、インペラから吐出した空気が再びインペラの吸気口から入り込む還流損失を防ぐことができないという課題を有していた。
また、図13(a)、(b)に示す前記従来の構成では、ブレードを樹脂製とすることで、ブレード全面を気流の流れに合せた複雑な形状にすることが可能となり、さらに、前面シュラウドを金属製にすることにより、接触式のシール構成としても、前面シュラウドがシール部の摺動摩擦熱によって変形したり破損したりすることはないが、樹脂製の突起部のみで金属製の前面シュラウドおよび後面シュラウドに保持されているため、回転数の高い電動送風機に使用した場合、シール部の摺動摩擦熱が増大し、その熱が金属製の前面シュラウドを伝わり樹脂製の突起部を溶かしてしまい、ブレードが前面シュラウドから外れてしまうという課題を有していた。
さらに、図14(a)、(b)に示す前記従来の構成では、ブレードを樹脂製とすることで、ブレード全面を気流の流れに合せた複雑な形状にすることが可能となり、さらに、接触式のシール構成の一方を樹脂、他方を金属などの耐熱耐磨耗性を有する材料で構成することにより、樹脂製の前面シュラウドがシール部の摺動摩擦熱により変形したり、損傷したりすることがないよう構成しているが、耐熱耐磨耗部に気流があまり当たらないため、回転数の高い電動送風機に使用した場合、耐熱耐磨耗部での放熱量よりもシール部の摺動摩擦熱の方が大きくなり、その結果、耐熱耐磨耗部の耐熱性能を超えてしまったり、耐熱耐磨耗部の熱が前面シュラウドに伝わり、樹脂製の前面シュラウドが変形したり、損傷したりしてしまう可能性があるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、気流に沿った複雑な3次元曲面形状のブ
レードを用いたり、インペラの吸気口での還流損失を低減したりすることを可能にすることで、送風効率を高めるとともに、シール部の摺動摩擦熱を効果的に放熱させることで、高い回転数で使用することを可能とした電動送風機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動送風機及びそれを用いた電気掃除機は、回転軸を有する電動機と、前記電動機により回転駆動され、中央に吸気口を有するインペラと、前記インペラを覆い前記吸気口と連通する吸込口を有するファンケースとを備え、前記インペラは、熱伝導性の高い材料から成る上流側の上部インペラと、樹脂材料から成る下流側の下部インペラとで構成され、前記下部インペラは、前面シュラウドと、この前面シュラウドと間隔をおいて配される後面シュラウドと、この1対のシュラウドとで挟持される複数枚のブレードとで構成され、前記上部インペラは、リング部とこのリング部の内周面の少なくとも一部に当接する翼部とで構成され、前記上部インペラと前記下部インペラとの嵌合部は、前記リング部の内外周面が前記前面シュラウドの内外周面と一連に繋がり、かつ前記翼部の表裏面が前記ブレードの表裏面と一連に繋がるように接続した構成とし、前記インペラの吸気口と前記ファンケースの吸込口とを接触式シール構成としたものである。
これによって、ブレードを樹脂材料とすることで気流に沿った複雑な3次元曲面形状を用いることができるようになるとともに、インペラの吸気口での還流損失を低減することが可能になるため、送風効率が高く、さらにリング部が、気流が直接当たる翼部と熱的に接触しているため放熱性能が高いので、高い回転数で使用してもシール部の摺動摩擦熱によって樹脂製のブレードや前面シュラウドなどの部品が変形したり損傷したりすることを防ぐことができる。
そして、この電動送風機を用いた電気掃除機は、送風効率が高く、吸引力が強いきわめて実用的なものとすることができる。
本発明の電動送風機およびそれを用いた電気掃除機は、インペラを上下2部品で構成し、上流側の上部インペラを金属などの熱伝導性の高い材料で構成し、下流側の下部インペラを形状自由度の高い樹脂材料で構成するとともに、インペラの吸気口とファンケースの吸込口とを接触式のシール構成とすることにより、送風効率が高く、高い回転数で使用してもシール部の摺動摩擦熱によって樹脂製部品が変形したり損傷したりすることがない。
本発明の第1の実施の形態を示す電動送風機の断面図 同電動送風機のインペラの斜視図 同電動送風機の下部インペラの部分断面図 (a)同電動送風機のブレードと後面シュラウドの金型構成を示す平面図(b)同電動送風機のブレードと後面シュラウドの金型構成を示す側面図 同電動送風機の前面シュラウドの裏側斜視図 (a)同電動送風機の上部インペラの斜視図(b)同電動送風機の上部インペラの裏側斜視図 (a)同電動送風機の上部インペラの平面図(b)同電動送風機の上部インペラの金型構成を示す側面図 本発明の第2の実施の形態を示す電気掃除機の全体構成図 従来の電動送風機の部分断面図 同電動送風機のインペラの部分断面図 (a)同電動送風機のインデューサの金型構成を示す平面図(b)同電動送風機のインデューサの金型構成を示す側面図 同電動送風機の別形態のインペラの斜視図 (a)同電動送風機の別形態のインペラの各部品の断面図(b)同電動送風機のインペラの断面図 (a)同電動送風機の別形態の部分断面図(b)同電動送風機のB部拡大図
第1の発明は、回転軸を有する電動機と、前記電動機により回転駆動され、中央に吸気口を有するインペラと、前記インペラを覆い前記吸気口と連通する吸込口を有するファンケースとを備え、前記インペラは、熱伝導性の高い材料から成る上流側の上部インペラと、樹脂材料から成る下流側の下部インペラとで構成され、前記下部インペラは、前面シュラウドと、この前面シュラウドと間隔をおいて配される後面シュラウドと、この1対のシュラウドとで挟持される複数枚のブレードとで構成され、前記上部インペラは、リング部とこのリング部の内周面の少なくとも一部に当接する翼部とで構成され、前記上部インペラと前記下部インペラとの嵌合部は、前記リング部の内外周面が前記前面シュラウドの内外周面と一連に繋がり、かつ前記翼部の表裏面が前記ブレードの表裏面と一連に繋がるように接続した構成とし、前記インペラの吸気口と前記ファンケースの吸込口とを接触式シール構成とした。
これにより、ブレードを樹脂材料とすることで気流に沿った複雑な3次元曲面形状を用いることができるようになるとともに、インペラの吸気口での還流損失を低減することが可能になるため、送風効率が高く、さらに、リング部が、気流が直接当たる翼部と熱的に接触しているため放熱性能が高いので、高い回転数で使用してもシール部の摺動摩擦熱によって樹脂製のブレードや前面シュラウドなどの部品が変形したり損傷したりすることを防ぐことができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、上部インペラを、熱伝導性の高い金属製としたことにより、放熱性能だけでなく、耐熱性や強度も樹脂などよりも高いので、より高い回転数で使用してもシール部の摺動摩擦によってリング部が変形したり損傷したりすることを防ぐことができる。また、金属は耐磨耗性にも優れているため、ファンケースと接触してシールを行っても、磨耗によって変形したり損傷したりすることを防ぐことができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、上部インペラのリング部と翼部とを、一体的に成形可能な形状としたことにより、リング部の内周面と翼部との間に隙間が生じないように構成することが可能となるため、リング部とファンケースとの間の接触シール部で生じる摺動摩擦熱を効果的に気流が直接当たる翼部に伝えることが可能となるため、放熱性能を向上させることが可能となるので、より高い回転数で使用することができる。さらに、リング部と翼部との間の隙間による漏れ損失を防ぐことが可能となるため、送風効率を向上させることが可能となる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明における電動送風機を有する電気掃除機とすることにより、送風効率が高く、吸引力が強い、きわめて実用的な電気掃除機を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1から図7は、本発明の実施の形態1における電動送風機を示すものである。
図1に示すように、本実施の形態における電動送風機101には、電動機102が配置されている。電動機102は、ブラシレスモータと呼ばれるタイプのモータであり、回転軸103を有するローター部104と、ステータ部105と、それらを覆うブラケット106と制御装置(図示せず)とで構成されている。そして、回転軸103にナット107によってインペラ120が接続されている。
インペラ120は、図2に示すように、上流側の上部インペラ121と下流側の下部インペラ122で構成されている。下部インペラ122は、図3に示すように、略円錐形状のハブ部123を有する樹脂製の後面シュラウド124、これに対向する樹脂製の前面シュラウド125、この1対の後面シュラウド124、前面シュラウド125内に設けた3次元的な曲面形状を持つ7枚の樹脂製のブレード126から構成されている。
そして、ブレード126は後面シュラウド124と一体に成形されている。このブレード126と後面シュラウド124の金型構造は、図4(a)、(b)に示すように、約51度角間隔で構成された7方向のスライド金型131と、コア132、キャビティ133より構成されている。本実施の形態では、隣接するブレードがコア132側から見て互いにオーバーラップしないようブレード126を構成することで、ブレード126と後面シュラウド124とは図4(a)、(b)に示すような平易な金型構造で、一体に射出成型可能となっている。
また、前面シュラウド125には、図5に示すように、ブレード126の接触面141に沿った溝部142が設けられており、接触面141を含むブレード126の突出部143を溝部142にはめ込んだ後、熱溶着処理を行うことにより両者を固定している。
そして上部インペラ121は、図6(a)、(b)に示すように、リング部151、翼部152、中央嵌合部153により構成されており、熱伝導性の高い金属であるアルミを用いて一体に成型されている。本実施の形態では、図7(a)に示すように、隣接する翼部152をコア161側およびキャビティ162側から見てオーバーラップしないよう構成することで、上部インペラ121の金型構造は、図7(b)に示すように、単純なコア161とキャビティ162の2プレート金型により一体にダイカスト成型可能となっている。
上部インペラ121と下部インペラ122には、図3、図6(b)に示すように、翼部152とブレード126の嵌合部171a、嵌合部171bにそれぞれ階段状の段差部172a、段差部172bを設けるとともに、リング部151と前面シュラウド125との嵌合部173a、嵌合部173bにそれぞれピン174と穴部175が設けられており、下部インペラ122のハブ部123に設けられた円筒部176の外周側に、上部インペラ121の中央嵌合部153を挿入する形で組み立てられ、接着剤を塗布して両者を固定している。
ここで、リング部151の内外周面と前面シュラウド125の内外周面、および、翼部152の表裏面とブレード126の表裏面とが一連に繋がるように接続させることにより、嵌合部171a、171bおよび嵌合部173a、173bの前後で気流が乱れることがない。
このようにして組み立てられたインペラ120は、ナット107によって回転軸103に取り付けられている。ここで、ナット107の外径を、中央嵌合部153の内径よりも大きく、より好ましくは、中央嵌合部153の外径と同等とすることにより、上部インペラ121が下部インペラ122から回転軸103の軸方向にはずれてしまうことを防止す
ることができる。
そして、インペラ120の周囲には、エアガイド181が設けられている。これは、インペラ120から吐出される空気の流速を徐々に減速することで、流速のエネルギーを圧力のエネルギーに変換し、送風効率を高めるものである。そして、金属製のファンケース182によって、インペラ120とエアガイド181が内包されている。また、ファンケース182にはPTFE製のファンケーススペーサ183が接着剤によって取りつけられている。ここで、ファンケーススペーサ183とリング部151とが当接するようにファンケース182およびファンケーススペーサ183を取り付けることにより、ファンケース182の吸込口184とインペラ120の吸気口185とを接触式のシール構成としている。
以上のように構成された電動送風機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電動送風機101を起動すると、電動機102のローター部104が回転し、それに伴って回転軸103が回転し、回転軸103にナット107によって取り付けられているインペラ120が図2の矢印Zの方向に回転する。
インペラ120の回転に伴い、空気がファンケース182の吸込口184から流入し、インペラ120の吸気口185を通ってインペラ120内部に流入する。そしてインペラ120の内部流路を通って、インペラ120の外周部から吐出される。
ここで、インペラ120の内部流路を空気が通る際、上部インペラ121のリング部151と翼部152、あるいは、翼部152と中央嵌合部153との間に隙間が生じると、その隙間から空気が漏れ、気流の乱れが生じるため、送風効率を低下させてしまう。しかし、本実施の形態では、リング部151と翼部152と中央勘合部153とを、ダイカスト成型により一体に成型しているため、各部品間に隙間が生じないよう容易に構成することが可能となるので、隙間に起因する気流の乱れによる送風効率の低下を防止することができる。
同様に、下部インペラ122の後面シュラウド124とブレード126とを射出成型により一体に成型するとともに、前面シュラウド125に設けられた溝部142にブレード126の突出部143をはめ込んだ後、熱溶着処理を施すことにより、後面シュラウド124とブレード126との間だけでなく、ブレード126と前面シュラウド125との間にも隙間が生じないよう構成することが可能となるため、下部インペラ122においても、これらの隙間に起因する気流の乱れによる送風効率の低下を防止することができる。
さらに、下部インペラ122のブレード126を形状自由度の高い樹脂製としているため、図3に示すように、ブレード126を後面シュラウド124に対して複雑にひねった形状にすることが可能となっている。そのため、ブレード126全面に渡ってインペラ120内部を流れる気流に合った3次元曲面形状とすることで、インペラ120内部での気流の乱れを抑えて、送風効率を高めることが可能となっている。
そして、インペラ120の外周部から吐出された空気はエアガイド181に流入する。ここで、インペラ120の吸気口185とファンケース182の吸込口184との間に隙間が生じている場合、インペラ120から吐出された空気が、インペラ120とファンケース182との間の空間を通り、再びインペラ120の吸気口185からインペラ120内部へ流入してしまう。この流れは、送風効率に寄与しない流れであるので、還流損失となり、送風効率を低下させてしまう。
しかし、本実施の形態では、ファンケーススペーサ183とリング部151を当接するよう構成することで、ファンケース182の吸込口184をインペラ120の吸気口185とを接触式のシール構成としているので、還流損失が生じず、送風効率を向上させることができる。
この際、インペラ120の回転に伴い、当接するファンケーススペーサ183とリング部151との間で摺動摩擦熱が生じてしまう。しかし、本実施の形態では、リング部151と翼部152とを熱伝導性の高いアルミ製とするとともに、リング部151と気流が直接当たる翼部152とを隙間が生じないよう一体に成型しているため、摺動摩擦熱が効果的にリング部151から翼部152に伝わり、気流へと放熱されるので、樹脂製のブレード126や前面シュラウド125、そしてファンケーススペーサ183が、摺動摩擦熱によって、変形したり損傷したりすることを防ぐことができる。このことにより、回転数の早い電動送風機や、吸気口が広いインペラなど、当接部分の周速が速く、摺動摩擦熱が多く生じる電動送風機でも使用することが可能となる。
なお、本実施の形態では、ファンケーススペーサ183をPTFE製でファンケース182に接着剤で取りつける構成としているが、ファンケーススペーサ183を一般的な樹脂製とし、金属製のファンケース182と一体成型する構成とし、インペラ120を回転させながら組立を行い、金属製のリング部151が樹脂製のファンケーススペーサ183を切削することで当接シールさせる構成としても良い、この場合でも、当接するリング部151とファンケーススペーサ183との間で生じる摺動摩擦熱が効果的に翼部152より放熱されるため、樹脂製のファンケーススペーサ183が、使用時に摺動摩擦熱によって、変形したり損傷したりすることを防ぐことができる。
さらに、本実施の形態では、リング部151を、金属製のアルミで構成したことにより、耐熱性や強度および耐磨耗性が一般的な樹脂よりも優れているため、リング部151が、摺動摩擦熱や磨耗によって変形したり、損傷したりすることを防ぐことができるので、50000r/min以上といった高速回転域でも使用することができる。
また、インペラ120が回転方向Zの方向に回転すると、リング部151は、摺動摩擦により、回転方向Zとは反対方向に力がかかるため、一体に成型されている上部インペラ121は、下部インペラ122に対して、回転方向Zとは反対方向にずれようとする。
しかし、本実施の形態では、前面シュラウド125に設けられたピン174と、後面シュラウド124に設けられた穴部175とが嵌合することで、回転方向Zおよびその反対方向に上部インペラ121が下部インペラ122に対してずれることを防止しているとともに、翼部152とブレード126との間の嵌合部171a、171bに設けられた階段状の段差部172a、172bを、ブレード126の負圧面191側すなわち回転方向Zに対するブレード126の背面側に凸部がくるように構成することで、回転方向Zの反対方向に上部インペラ121が下部インペラ122に対してずれることを防止している。
ここで、段差部172a、173aを介してブレード126にも回転方向Zの反対方向に力が加わるが、ブレード126と後面シュラウド124は射出成型により一体に成型されているとともに、ブレード126は前面シュラウド125に設けられた溝部142に突出部143をはめ込んだ後、熱溶着処理を施して固定しているため、十分な強度を有しているので、摺動摩擦による力により、樹脂製のブレードが変形したり、破損したりすることがない構成となっている。
そして、エアガイド181に流入した空気は、エアガイド181外周部から流出し、電動機102のブラケット106外周部とファンケース182の間の流路を通ることで、電動機102を外側から冷却する構成となっている。
以上のように、本実施の形態では、インペラ120を上下2部品で構成し、上流側の上部インペラ121を熱伝導性の高い金属であるアルミで構成し、下流側の下部インペラ122を形状自由度の高い樹脂で構成するとともに、インペラ120の吸気口185とファンケース182の吸込口184とを接触式のシール構成とすることにより、送風効率が高く、高い回転数で使用してもシール部の摺動摩擦熱によって樹脂製部品が変形したり損傷したりすることがない電動送風機を実現することができる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における電気掃除機を示すものである。
図9において、電気掃除機201は、ホース202、延長管203及び床面上を移動して塵埃を吸引する吸引具204を有しており、掃除機本体206には、実施の形態1に示したインペラ207を有する電動送風機208が内蔵されている。
以上のように構成された電気掃除機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、電気掃除機201を起動すると電動送風機208が送風を行う。電動送風機208は、内部に実施の形態1に示したインペラ207が設けられているため、送風効率が高く、高い回転数で使用してもシール部の摺動摩擦熱によって樹脂製部品が変形したり損傷したりすることがないため掃除機本体としても、吸引力が強く、きわめて実用的なものとなる。
以上のように、本発明にかかる電動送風機及びそれを用いた電気掃除機は、インペラを上下2部品で構成し、上流側の上部インペラを熱伝導性の高い材質で構成し、下流側の下部インペラを形状自由度の高い樹脂で構成するとともに、インペラの吸気口とファンケースの吸込口とを接触式のシール構成とすることにより、送風効率が高く、高い回転数で使用してもシール部の摺動摩擦熱によって樹脂製部品が変形したり損傷したりすることがないので、家庭用はもちろんのこと業務用の機器にも適用可能である。
101 電動送風機
102 電動機
103 回転軸
120 インペラ
121 上部インペラ
122 下部インペラ
124 後面シュラウド
125 前面シュラウド
126 ブレード
151 リング部
152 翼部
171a 嵌合部
171b 嵌合部
173a 嵌合部
173b 嵌合部
182 ファンケース
184 吸込口
185 吸気口
201 電気掃除機
207 インペラ
208 電動送風機

Claims (4)

  1. 回転軸を有する電動機と、前記電動機により回転駆動され、中央に吸気口を有するインペラと、前記インペラを覆い前記吸気口と連通する吸込口を有するファンケースとを備え、前記インペラは、熱伝導性の高い材料から成る上流側の上部インペラと、樹脂材料から成る下流側の下部インペラとで構成され、
    前記下部インペラは、前面シュラウドと、この前面シュラウドと間隔をおいて配される後面シュラウドと、この1対のシュラウドとで挟持される複数枚のブレードとで構成され、前記上部インペラは、リング部とこのリング部の内周面の少なくとも一部に当接する翼部とで構成され、
    前記上部インペラと前記下部インペラとの嵌合部は、前記リング部の内外周面が前記前面シュラウドの内外周面と一連に繋がり、かつ前記翼部の表裏面が前記ブレードの表裏面と一連に繋がるように接続した構成とし、
    前記インペラの吸気口と前記ファンケースの吸込口とを接触式シール構成とした電動送風機。
  2. 前記上部インペラを、熱伝導性の高い金属製とした請求項1に記載の電動送風機。
  3. 前記リング部と前記翼部とを、一体的に成形可能な形状とした請求項1または2に記載の電動送風機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動送風機を有する電気掃除機。
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