JP2013021882A - 直流電源装置 - Google Patents

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泉 吉田
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Abstract

【課題】平滑用コンデンサに流れる各種周波数成分のリプル電流を、基準となる周波数に換算したリプル電流実効値が最小となる様に制御することが可能な直流電源装置を提供すること。
【解決手段】交流電圧位相検出部11と、電流検出部12と、出力電圧検出部14とを備えて、昇圧チョッパ回路8の入力電流が電流指令に比例した振幅を有する電流波形になる様に、スイッチング素子4をオン・オフする直流電源装置であって、さらに、入力電流のチョッピングの休止区間が所望の休止区間になる様、直流電圧を制御することにより、リプル電流は基準となる周波数に換算したリプル電流実効値を低減し、平滑用コンデンサの自己発熱を抑えることができるので、寿命を延長させると共に、平滑用コンデンサの小容量化を実現することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換し負荷電圧とする直流電源装置に関するものである。
従来、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換し負荷電圧とする直流電源装置では、負荷電圧(出力電圧)のリプル変動を低減する為、平滑用コンデンサが接続される。
平滑用コンデンサには、出力電圧のリプル電圧に応じたリプル電流が流れる。このリプル電流は平滑用コンデンサの自己発熱の原因となる。
なお、平滑用コンデンサの自己発熱を抑制する為、リプル電流を低減する方法が挙げられる。リプル電流を低減するには、平滑用コンデンサを大容量化することが提案される。しかし、これは、商品のコストの上昇及び重量の増加に繋がる。
従来、平滑用コンデンサに流れるリプル電流を低減できる直流電源装置は、例えば特許文献1に開示されている(図5参照)。この直流電源装置は、交流電源1がリアクタ2を介して整流する整流回路3と、チョッピングするスイッチング素子4と、逆阻止ダイオード5及び平滑する平滑用コンデンサ6からなる昇圧チョッパ回路を備える。また、この直流電源装置は、交流電源1の電圧波形(図6(a))と、予め関数発生器21に記憶された電圧波形(図6(b)を加算器22により加算し、加算した結果を駆動信号(図6(c))としてスイッチング素子を駆動することにより、入力電流は(図6(d))の様な波形となる。入力電流波形は(図6(d))に示された波形になることにより、平滑用コンデンサ6に流れるリプル電流が低減できる。
特開平1−74060号公報
しかしながら、前記従来例の様な入力電流波形にすることで、平滑用コンデンサに流れるリプル電流に含まれる低周波数成分は低減されるものの、高周波成分は考慮されなかった。平滑用コンデンサの自己発熱は、リプル電流の高、低周波数成分の比率により異なる。よって、リプル電流の高周波成分を含めて考慮すると、リプル電流が最小とならない、すなわち平滑用コンデンサの自己発熱が最小とならないという課題を有する。
本発明の直流電源装置は、リプル電流の低周波成分を増加する代わりに、高周波成分を低減し、基準となる周波数に換算したリプル電流実効値が最小となる様に制御する。それにより、更なる平滑用コンデンサの自己発熱を低減し、平滑用コンデンサの小容量化を実現することを目的とする。また、この直流電源装置を具備したことを目的とする。
前記従来の課題を解決する為に、本発明の直流電源装置は、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換して負荷電圧とする直流電源装置であって、前記交流電源をリアクタを介して開放・短絡することで入力電流をチョッピングするスイッチング素子と、前記交流電源の交流電圧の瞬時値の絶対値が最大となる位相付近において凹部、または平坦部を有す
る電流指令を記憶する電流指令記憶部と、前記交流電源の交流電圧の位相及び交流電圧の周期を検出する電圧位相検出部と、前記交流電源の交流電圧に同期した前記電流指令により、入力電流の電流波形が電流指令に比例した振幅を有する電流波形となる様に制御する電流制御部と、前記直流電圧を制御する電圧制御部と、前記直流電圧のリプル電圧を低減する平滑用コンデンサと、を備え、前記電圧制御部は、前記直流電圧が前記交流電源の交流電圧の瞬時ピーク値の絶対値より低くなる様に制御するものである。
これにより、前記チョッピングの休止区間を有する様に制御し、リプル電流の低周波成分を増加する代わりに、高周波成分を低減する為、平滑用コンデンサに流れる基準となる周波数に換算したリプル電流実効値を低減し、平滑用コンデンサの自己発熱を抑え、小容量化の実現が可能となる。
また、本発明の直流電源装置は、前記チョッピングの休止区間を検出する手段を備えるものであり、検出したチョッピングの休止区間を所望の休止区間と比較し、所望の休止区間に対する偏差に応じて、前記電圧制御部にて、直流電圧を制御することにより、前記チョッピングの休止区間を所望の休止区間になる様に、制御するものである。
本発明の直流電源装置、平滑用電解コンデンサに流れる各種周波数成分のリプル電流は、基準となる周波数に換算したリプル電流実効値が最小となる様に、前記チョッピングの休止区間を制御することにより、平滑用コンデンサの自己発熱を抑え、寿命を最大限に延長させると共に、平滑用コンデンサの小容量化を実現することができる。
本発明の実施の形態1における直流電源装置の回路構成を示す図 図1における制御部を示すブロック図 本発明の実施の形態1における制御方法を示す図 本発明の実施の形態2におけるチョッピングの休止区間を検出する方法の一例を示す図 従来の回路構成を示す図 従来の直流電源装置の回路構成における各部の波形を示す図。具体的に、(a)電源からの入力電圧を示す図(b)関数発生器からの出力電圧を示す図(c)スイッチング素子の駆動信号を示す図(d)入力電流波形を示す図
第1の発明は、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換して負荷電圧とする直流電源装置であって、前記交流電源をリアクタを介して開放・短絡することで入力電流をチョッピングするスイッチング素子と、前記交流電源の交流電圧の瞬時値の絶対値が最大となる位相付近において凹部、または平坦部を有する電流指令を記憶する電流指令記憶部と、前記交流電源の交流電圧の位相及び交流電圧の周期を検出する電圧位相検出部と、前記交流電源の交流電圧に同期した前記電流指令により、入力電流の電流波形が電流指令に比例した振幅を有する電流波形となる様に制御する電流制御部と、前記直流電圧を制御する電圧制御部と、前記直流電圧のリプル電圧を低減する平滑用コンデンサと、を備え、前記電圧制御部は、前記直流電圧が前記交流電源の交流電圧の瞬時ピーク値の絶対値より低くなる様に制御する。
それにより、前記チョッピングの休止区間を有する様に制御し、リプル電流の低周波成分を増加する代わりに、高周波成分を低減する為、平滑用コンデンサに流れる基準となる周波数に換算したリプル電流実効値を低減し、平滑用コンデンサの自己発熱を抑え、小容量化の実現が可能となる。
第2の発明は、前記チョッピングの休止区間を検出する手段を備えるものであり、検出したチョッピングの休止区間を所望の休止区間と比較し、所望の休止区間に対する偏差に応じて、前記電圧制御部にて、直流電圧を制御することにより、前記チョッピングの休止区間を所望の休止区間になる様に、制御するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における直流電源装置の全体構成の回路図を示すものである。
図1に示すように、実施の形態1における直流電源装置は、リアクタ2、整流回路3、スイッチング素子4、逆阻止ダイオード5、平滑用コンデンサ6を備えて、直流電圧を負荷電圧として負荷7に供給する。
さらに、本実施の形態1における直流電源装置は、交流電圧位相検出部11、電流検出部12、駆動部13、出力電圧検出部14、制御部100を備える。
交流電圧位相検出部11は、交流電源1のゼロクロスを検出する。
電流検出部12は(例えば、CT)、昇圧チョッパ回路8の入力電流を検出する。
駆動部13は、昇圧チョッパ回路8のスイッチング素子をオン・オフさせる駆動信号を出力する。
出力電圧検出部14は、昇圧チョッパ回路8の出力直流電圧を検出する。
制御部100は、マイクロコンピューターなどからと構成され、交流電圧位相検出部11と、電流検出部12及び出力電圧検出部14の検出信号を受信し、駆動部13の駆動信号を生成して、駆動部13に駆動信号を出力する。
図2は、図1の制御部100の内部ブロック図の一例を示す図である。制御部100は、交流電圧位相演算部101、電流指令演算部102、電流指令記憶部103、出力電圧演算部104、電流制御部105、搬送波106、駆動信号生成部107を備える。
以下、図1と図2を用いて、本実施の形態における直流電源装置の動作原理を説明する。
まず、図1において、直流電源装置は、交流電源1を整流回路3にて整流されて、リアクタ2とスイッチング素子4にて短絡する回路を有する。昇圧チョッパ回路8の入力電流を検出できる様、電流検出部12を設けて、電流検出結果を制御部100に入力する。
昇圧チョッパ回路8のスイッチング素子4をオンすることにより、交流電源1を整流回路3を介して短絡する。それにより、リアクタ2に流れる電流が増加する。一方、スイッチング素子4をオフすると、リアクタ2を流れる電流は、逆阻止ダイオードを通して、平滑用コンデンサ6及び負荷7に流れて、負荷7に電力を供給する。負荷7に印加されている直流電圧を検出できる様、出力電圧検出部を設けて、出力電圧検出結果を制御部に入力する。
さらに、交流電源1の周期を検出できる様、交流電圧位相検出部11を設けて、交流電圧位相検出結果を制御部100に入力する。
次に、図2を用いて、制御部100の動作を説明する。
位相演算部101は、交流電圧位相検出部11の出力から交流電源1の電圧位相の推定演算を行うと共に、交流電圧の周期が得られる。
出力電圧演算部104は、出力電圧検出部14での検出電圧結果を、所望の電圧と比較し比例積分補償演算を行う。
電流指令記憶部103は、電流指令の形状を記憶する。電流指令の形状は、交流電圧の瞬時値の絶対値が最大となる位相付近において凹部、または平坦部を有することを特徴となる。
電流指令演算部102は、位相演算部101によって得られる交流電圧の周期と、出力電圧演算部104によって得られる補償値と、電流指令記憶部103によって得られる電流指令波形を演算することにより、交流電圧の周期に同期した電流指令を生成する。
電流指令の振幅は、出力電圧演算部104の補償値により定まる。出力電圧が所望の電圧より高い場合、電流指令の振幅を小さくする。逆に、出力電圧が所望の電圧より低い場合、電流指令の振幅を大きくする。
電流制御部105は、電流検出部12によって得られる昇圧チョッパ回路の入力電流の瞬時値が、電流指令演算部102によって得られる電流指令値となる様、比例積分演算を行う。
搬送波106は、搬送波を生成する。
駆動信号生成部107は、電流制御部105によって得られる信号を、搬送波と比較しPWM信号を生成し、スイッチング素子の駆動信号を生成する。
次に、図3と図4を用いて、所望のチョッピングの休止区間が存在する様に制御する方法を説明する。
図3(a)は、交流電圧の瞬時値の絶対値と直流電圧の関係を示したものである。図3(b)は、電流指令を示したものである。図3(c)は、実際に昇圧チョッパ回路8の入力電流波形を示したものである。
図3に示す様に、直流電圧を低くすることにより、交流電圧が直流電圧より高い位相幅増加し、前記チョッピングの休止区間が増加する。逆に、直流電圧を高くすることにより、交流電圧が直流電圧より高い位相幅が減少し、前記チョッピングの休止区間が減少する。つまり、直流電圧を制御し、入力電圧の瞬時値の絶対値と直流電圧の関係により、前記チョッピングの休止区間を制御することができる。
また、交流電圧が直流電圧より高い位相は、交流電圧の瞬時値の絶対値が最大となる位相付近に存在する。交流電圧が直流電圧より高い位相において、チョッピングが停止する為、前記チョッピングの休止区間は、交流電圧の瞬時値の絶対値が最大となる位相付近に生じる。
次に、平滑用コンデンサの自己発熱と流れるリプル電流の周波数成分の関係を説明する。平滑用コンデンサは主に電解コンデンサが使用される。電解コンデンサの自己発熱ΔTは、下記の算出式(1)、(2)に基づき、算出される。
Figure 2013021882
Figure 2013021882
ΔT:定格リプル電流重畳時の自己発熱
:定格リプル電流
I(f):基準となる周波数に換算したリプル電流実効値
I(f):周波数fのリプル電流値
K(f):周波数fにおける周波数補正係数
電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)は周波数依存特性がある。リプル電流の周波数が数Hz〜数十kHzの範囲において、周波数が高くなればなるほど、ESRは低くなる。つまり、電解コンデンサに流れ込むリプル電流の実効値が同じであっても、リプル電流の周波数が高ければ、ESRが低く、電解コンデンサの自己発熱が低い。逆に、リプル電流の周波数が低ければ、ESRが高く、電解コンデンサの自己発熱が高い。
チョッピングの休止区間を設けることにより、低周波成分(電源周期整数倍の周波数成分)を増加する代わりに、高周波成分(主にキャリア周波数成分)を減少する。さらに、所望のチョッピングの休止区間を設けることにより、基準となる周波数に換算したリプル電流実効値を低減することが可能となり、電解コンデンサの自己発熱を抑えると共に、電解コンデンサの小容量化を実現することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、前記チョッピングの休止区間を検出し、所望のチョッピングの休止区間と比較する。所望の休止区間との偏差に応じて、直流電圧を制御する。具体的に、検出した休止区間が所望の休止区間より多ければ、直流電圧を高くすることで、チョッピングの休止区間が増加する。逆に、検出した休止区間が所望の休止区間より少なければ、直流電圧を低くすることで、チョッピングの休止区間が減少する。
前記チョッピングの休止区間を検出する方法の一つとして、例えば、図4に示す様に、スイッチング素子を駆動するPWM信号にて、チョッピングの休止区間を検出することができる。つまり、チョッピングの休止区間を検出し、所望の休止区間に対する偏差に応じて、直流電圧値を調整すれば、所望のチョッピングの休止区間が存在する様に制御することができる。
実施の形態1、2において、直流電源装置は、図1に示す様に、整流回路3の直流入力側でリアクタ2を短絡するという回路構成の場合において説明した。しかし、特開2001−45763の図1、特開2010−246204の図1に示された、交流電源をリアクタを介して開放・短絡するという特徴を有する直流電源装置においても同様な効果を奏することができる。
以上のように、本発明にかかる直流電源装置は、平滑用コンデンサの自己発熱を抑え、寿命を最大限に延長させると共に、平滑用コンデンサの小容量化を実現することが可能となるので、直流電源装置を具備しインバータを駆動するインバータ駆動装置、及びこれを用いた空気調和機や、他の電化製品への用途にも適用できる。
1 交流電源
2 リアクタ
3 整流回路
4 スイッチング素子
5 逆阻止ダイオード
6 平滑用コンデンサ
7 負荷
8 昇圧チョッパ回路
11 交流電圧位相検出部
12 電流検出部
13 駆動部
14 出力電圧検出部
100 制御部

Claims (3)

  1. 交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換して負荷電圧とする直流電源装置であって、
    前記交流電源をリアクタを介して開放・短絡することで入力電流をチョッピングするスイッチング素子と、
    前記交流電源の交流電圧の瞬時値の絶対値が最大となる位相付近において凹部、または平坦部を有する電流指令を記憶する電流指令記憶部と、
    前記交流電源の交流電圧の位相及び交流電圧の周期を検出する電圧位相検出部と、
    前記交流電源の交流電圧に同期した前記電流指令により、入力電流の電流波形が電流指令に比例した振幅を有する電流波形となる様に制御する電流制御部と、
    前記直流電圧を制御する電圧制御部と、
    前記直流電圧のリプル電圧を低減する平滑用コンデンサと、を備え、
    前記電圧制御部は、前記直流電圧が前記交流電源の交流電圧の瞬時ピーク値の絶対値より低くなる様に制御することを特徴とする直流電源装置。
  2. 前記電流指令が前記交流電圧の瞬時値の絶対値が最大となる位相付近において凹部を有する場合においては、前記電流指令の凹部に所望のチョッピングの休止区間を有し、前記電流指令が前記交流電圧の瞬時値の絶対値が最大となる位相付近において平坦部を有する場合においては、前記平坦部に所望のチョッピングの休止区間を有する様に制御することを特徴とする、請求項1に記載の直流電源装置。
  3. 前記チョッピングの休止区間を検出する手段を備えて、
    前記チョッピングの休止区間が所望の休止区間になる様に、前記電圧制御部にて直流電圧を制御することで実現することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の直流電源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014034003A1 (ja) * 2012-08-30 2016-08-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 整流回路装置の制御装置および整流回路装置

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