JP2013020884A - 信号用電気接続端子装置及び当該装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備える信号用電気接続端子装置及び当該装置の製造方法を提供する。
【解決手段】複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持した信号用電気接続端子装置であって、電気接続端子が、塑性加工により所定の形状に加工されて、バネ性の要求される部位に対して鍛造による加工硬化が施される、変態誘起塑性を有する鋼材と、鋼材の上に形成される銅層と、銅層を少なくとも覆うニッケル層と、ニッケル層の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金を被覆した金被覆層と、を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、電気信号を伝達する際に用いる信号用電気接続端子装置(コネクタ)及び当該装置の製造方法に関する。
従来の信号用電気接続端子装置(コネクタ)として、例えば、接触部として使用される一端部と、端子部として使用される他端部とを備えて、バネ性を持った複数の電気接続端子を絶縁性樹脂のハウジングに並設したものが、特許文献1に開示されている。
電気接続端子を備える信号用電気接続端子装置では、電気接続端子が所定の導電性や良好な曲げ加工性や高い寸法精度を備えていることに加えて、高い接触圧が確保されていることが重要である。従来から、電気接続端子用として、黄銅やリン青銅をはじめとする銅合金を用いたものが研究・開発されている。
電気接続端子の曲げ加工性や寸法精度を高めるには、延性を高める必要があるものの、耐力(弾性限)を犠牲にする必要がある。また、接触圧を高めるには耐力(弾性限)を高める必要があるものの、延性を犠牲にする必要がある。それと同時に、ヤング率を高めることも有効であるが、銅合金の構成成分の影響が大きく、ヤング率の上昇には限界がある。このため、従来の電気接続端子では、高い曲げ加工性及び高い接触圧を確保するため、延性、耐力(弾性限)の双方をある程度犠牲にして、延性とヤング率、耐力(弾性限)のバランスが取れたところで成形することが行われている。
特開平06−111872号公報
しかしながら、従来の電気接続端子では、複雑な加工工程を経て素材の組織を制御することにより、延性と耐力(弾性限)とのバランス性を確保することが行われてきたために、素材が高価になっている。また、耐力(弾性限)を高めるために、十分な延性を有することを犠牲にすると、形状面での制約が大きくなってしまう。さらに、成形工程において鍛造加工が行われる場合は、ヤング率を低下させる原因にもなっている。
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、新しい発想に基づいて、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備える信号用電気接続端子装置及び当該装置の製造方法を提供することである。
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の信号用電気接続端子装置が提供される。
すなわち、本発明に係る信号用電気接続端子装置は、
複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持した信号用電気接続端子装置であって、
前記電気接続端子が、
塑性加工により所定の形状に加工されて、バネ性の要求される部位に対して鍛造による加工硬化が施される、変態誘起塑性を有する鋼材と、
前記鋼材の上に形成される銅層と、
前記銅層を少なくとも覆うニッケル層と、
前記ニッケル層の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金を被覆した金被覆層と、を備えることを特徴とする。
本発明の信号用電気接続端子装置では、前記鋼材は、20%以上の伸びを有することが好ましい。
本発明の信号用電気接続端子装置では、前記鋼材は、SUS301系のステンレス鋼であることが好ましい。
本発明の信号用電気接続端子装置では、前記銅層は、銅メッキ又は銅箔クラッドによって構成されていることが好ましい。
本発明の信号用電気接続端子装置では、前記ニッケル層は、ニッケルメッキ又はニッケル箔クラッドによって構成されていることが好ましい。
本発明の信号用電気接続端子装置では、前記半田実装部は、傾斜を持って鍛造されていることが好ましい。
本発明の信号用電気接続端子装置の製造方法では、
変態誘起塑性を有する帯状鋼材の一端部に対して、プレス機を用いて、部分的に鍛造加工するとともに所定形状に抜き加工を行うことにより、一端部の厚みが薄くなった櫛形状の打ち抜き体を形成する工程と、
前記打ち抜き体の複数の所定箇所に対して、プレス機を用いて折り曲げ加工を行うことにより、複数箇所の折り曲げ部を有する曲げ加工体を形成する工程と、
前記曲げ加工体の全面を覆うように銅層を形成する工程と、
前記銅層の全面を覆うようにニッケル層を形成する工程と、
前記ニッケル層の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金被覆層を形成して複数の電気接続端子を作製する工程と、
前記複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持する工程と、
前記複数の電気接続端子がつながった他端側の連続帯部から前記複数の電気接続端子を切り離す工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の信号用電気接続端子装置の製造方法では、
変態誘起塑性を有する帯状鋼材の少なくとも一面に対して所定厚みで銅をクラッドした銅クラッド鋼材の一端部に対して、プレス機を用いて、部分的に鍛造加工するとともに所定形状に抜き加工を行うことにより、一端部の厚みが薄くなった櫛形状の打ち抜き体を形成する工程と、
前記打ち抜き体の複数の所定箇所に対して、プレス機を用いて折り曲げ加工を行うことにより、複数箇所の折り曲げ部を有する曲げ加工体を形成する工程と、
前記曲げ加工体の全面を覆うようにニッケル層を形成する工程と、
前記ニッケル層の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金被覆層を形成して複数の電気接続端子を作製する工程と、
前記複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持する工程と、
前記複数の電気接続端子がつながった他端側の連続帯部から前記複数の電気接続端子を切り離す工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の信号用電気接続端子装置の製造方法では、
変態誘起塑性を有する帯状鋼材の少なくとも一面に対して所定厚みで銅をクラッドし、さらにその上にニッケルをクラッドした複合クラッド鋼材の一端部に対して、プレス機を用いて、部分的に鍛造加工するとともに所定形状に抜き加工を行うことにより、一端部の厚みが薄くなった櫛形状の打ち抜き体を形成する工程と、
前記打ち抜き体の複数の所定箇所に対して、プレス機を用いて折り曲げ加工を行うことにより、複数箇所の折り曲げ部を有する曲げ加工体を形成する工程と、
前記曲げ加工体の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金被覆層を形成して複数の電気接続端子を作製する工程と、
前記複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持する工程と、
前記複数の電気接続端子がつながった他端側の連続帯部から前記複数の電気接続端子を切り離す工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の信号用電気接続端子装置の製造方法では、前記鋼材は、20%以上の伸びを有することが好ましい。
本発明の信号用電気接続端子装置の製造方法では、前記鋼材は、SUS301系のステンレス鋼であることが好ましい。
本発明の信号用電気接続端子装置の製造方法では、前記半田実装部は、傾斜を持って鍛造されていることが好ましい。
従来の信号用電気接続端子では、バネ用リン青銅やチタン銅等の銅合金が芯材として用いられているために、これらの素材を用いた芯材では、約130GPaのヤング率が限界である。これに対して、本発明では、変態誘起塑性を有する鋼材が190GPa以上のヤング率を有するので、ヤング率に起因する接触力の向上を図ることができる。銅層により所定の導電性を確保することができる。バネ性を必要とする部分に対して鍛造の加工硬化を施しているので、当該部分での耐力(弾性限)が上昇し、十分なバネ限界値が得られるとともに、バネ性を必要としない部分では20%以上の伸び(延性)を備えているために最小曲げ半径を小さくすることができ、より小型化された電気接続端子を作製することが可能になる。その結果、同一形状であって銅合金を用いた従来の信号用電気接続端子よりも、高い接触圧を確保することが可能になる。したがって、本発明の信号用電気接続端子装置は、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備えることができるという効果を奏する。
本発明の信号用電気接続端子装置の製造方法では、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備える電気接続端子装置を容易に作製することができるという効果を奏する。
本発明の製造方法におけるプレス機で打ち抜き加工を施す前の帯材を示し、(A)は平面図であり、(B)は断面図である。 図1に示した帯体に対して鍛造及び打ち抜き加工を施した打ち抜き体を示し、(A)は平面図であり、(B)は断面図である。 図2に示した打ち抜き体に対して折り曲げ加工を施す前の状態を示し、(A)は平面図であり、(B)は断面図である。 図3に示した打ち抜き体に対して折り曲げ加工を施した曲げ加工体を示し、(A)は平面図であり、(B)は断面図である。 図4に示した曲げ加工体の半田実装部となる部分及び電気接続部となる部分に対して金被覆層を形成した電気接続端子を示し、(A)は平面図であり、(B)は断面図である。 図5に示した複数個の電気接続端子をベースで一体化した電気接続端子装置を示し、(A)は平面図であり、(B)は断面図である。 図6に示した信号用電気接続端子装置を連続帯部から切り離した単体の信号用電気接続端子装置を示し、(A)は平面図であり、(B)は断面図である。 信号用電気接続端子装置の一例であるコネクタのソケットにヘッダを装着する様子を説明する側面図であり、(A)は電気的接続前の状態を示し、(B)は電気的接続状態を示す。 信号用電気接続端子装置の他の例であるコネクタのソケットにヘッダを装着する様子を説明する側面図であり、(A)は電気的接続前の状態を示し、(B)は電気的接続状態を示す。 本発明に係る電気接続端子装置の他の実施形態であって、上記図3に相当する打ち抜き体に対して折り曲げ加工を施す前の状態を示し、(A)は平面図であり、(B)は(A)のB−B断面図であり、(C)は(A)のC−C断面図であり、(D)は(A)のD−D断面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る信号用電気接続端子装置10の構成及びその製造方法について、図1乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
まず、図8を参照しながら、信号用電気接続端子装置10の構成を説明する。図8に示すように、本発明に係る信号用電気接続端子装置10は、複数個の雌側電気接続端子1を有するソケット10aと、複数個の雄側電気接続端子1を有するヘッダ10bと、を組み合わせて嵌合されるコネクタである。すなわち、信号用電気接続端子装置10(コネクタ)は、ソケット10aの実装される回路基板やプリント配線板と、ヘッダ10bの実装される回路基板やプリント配線板と、を相互に電気的に接続するために使用される。
ソケット10a及びヘッダ10bは、導電性を有する電気接続端子1と、該電気接続端子1を保持して電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2と、をそれぞれ備えている。ソケット10a及びヘッダ10bの電気接続端子1における電気接続部16の他端側には、半田実装部15をそれぞれ形成している。各半田実装部15は、半田を介して、対応する各回路基板に実装している。電気接続部16及び半田実装部15は、それぞれ、金メッキからなる金被覆層6によって覆われている。ヘッダ10bの電気接続部16をソケット10aの電気接続部16に挿入・嵌合することにより、ヘッダ10bの電気接続端子1とソケット10aの電気接続端子1との間で、電気的接続を形成することができる。
ソケット10a及びヘッダ10bの電気接続端子1のそれぞれは、変態誘起塑性を有するバネ用の鋼材と、当該鋼材の上に形成される銅層と、銅層を少なくとも覆うニッケル層と、所定の部分に形成された金被覆層と、を備えるものである。ソケット10a及びヘッダ10bの基本的構成が共通するので、ソケット10aに関して以下に詳述する。
本発明に係る信号用電気接続端子装置10の製造方法について、図1乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
まず、20%以上の伸びを確保した状態の変態誘起塑性(Transformation Induced Plasticity)を有するバネ用の鋼材(いわゆるTRIP鋼)を圧延して、図1に示すような帯材7を準備する。TRIP鋼は、組織中に含まれるオーステナイト相が加工硬化中にマルテンサイト相に変態することにより高延性や高強度を提供するものである。TRIP鋼を例示すると、SUS301やSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼であり、Fe−9Cr−8Ni−4Mo−2Si−2Mn−0.3CやFe−0.1乃至0.4C−1.5Si−1.5Mnである。ここで、鍛造加工及び打ち抜き加工に供される帯材7(又は芯材5)は、後述するように、オーステナイト系ステンレス鋼を単独で用いる場合や、オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼製コア体の少なくとも1面に銅クラッド層を形成した銅クラッド鋼材を用いる場合や、オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼製コア体の少なくとも1面に銅クラッド層及びニッケルクラッド層を形成した複合クラッド鋼材を用いる場合等がある。
図1に示した帯材7の一端に対して、プレス機を用いた鍛造加工及び打ち抜き加工を行う。鍛造加工及び打ち抜き加工によって得られた略櫛歯状の打ち抜き体12は、図2に示すように、帯材7の幅方向の左側にあって長手方向に延びる連続帯部8と、当該連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに当該連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の細帯部9と、を有する。
図3の(A)に示すように、打ち抜き体12における各細帯部9に対して複数の折り曲げ線(帯材7の長手方向に延びる一点鎖線で図示)9aを仮想的に設けて、折り曲げ線9aを基準にしながらプレス機で各細帯部9に対して折り曲げ加工を行う。当該細帯部9において、弾性支持部9d(一点鎖線の仮想線で図示)よりも右側部分(電気接続部16の一部分に対応する)には、鍛造加工による鍛造加工部9cが形成され、弾性支持部9dよりも左側部分には非鍛造部9eが形成されている。図3の(B)に示すように、鍛造加工により、鍛造加工部9cは、非鍛造部9eよりも薄肉になっている。
所定形状に折り曲げ加工された折り曲げ体13は、図4に示すように、連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の屈曲した芯材5を有する。各芯材5は、半田実装部15となる比較的平坦な部分3と、電気接続部16となる大きく湾曲した部分4と、を備える。なお、半田実装部15及び電気接続部16は、図6乃至図8に図示されている。ここで、オーステナイト系ステンレス鋼を芯材5として単独で用いる場合には、銅層を形成したあと、ニッケル層をさらに形成する。オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼製コア体5aの少なくとも1面に銅クラッド層5bを形成した銅クラッド鋼材を芯材5として用いる場合(図10に図示)には、ニッケル層のみが形成される。オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼製コア体の少なくとも1面に銅クラッド層及びニッケルクラッド層を形成した複合クラッド鋼材(ニッケルクラッド層が最表面側に位置する)を芯材5として用いる場合には、ニッケル層の形成を行わない。なお、銅やニッケルのクラッド層を1面だけに設けると芯材5の反りが発生する恐れがあるので、銅やニッケルのクラッド層を両面に設けることが好ましい。また、オーステナイト系ステンレス鋼への銅層の密着性向上のために、オーステナイト系ステンレス鋼の表面にクロム層を予め形成しておいてもよい。
各芯材5において、少なくとも半田実装部となる部分3及び電気接続部となる部分4に対して、金メッキによる金被覆層6を形成して電気接続端子1を作製する。作製された電気接続端子1では、図5に示すように、金被覆層6を形成した半田実装部となる部分3が半田実装部15となり、金被覆層6を形成し電気接続部となる部分4が電気接続部16となる。必要とする部分への金被覆層6の形成は、例えば、所定形状に加工された芯材5を電解金メッキ液に浸漬しながら電圧を印加して芯材5の全体に金被覆層6を形成した後、芯材5のうち金被覆層6を不要とする部分に対してレーザ光を照射することにより、当該部分から金被覆層6を除去することで実現することができる。なお、図5の(B)において、金被覆層6が不要であって金被覆層6を除去した部分を6aとして示している。
図6において半田実装部15の右側に位置する各電気接続端子1の略U字状に折り曲げられた空間に対して、電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2を配設することにより、金被覆層6を形成された複数の電気接続端子1を一体的に保持することができる。複数の電気接続端子1は、例えば、電気絶縁性の合成樹脂をインサート成形したベース2で保持されている。ベース2で一体的に保持された電気接続端子1では、各電気接続端子1が連続帯部8の右側端縁に繋がっているとともに、連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設した形態となっている。各電気接続端子1において、鍛造加工部9cである電気接続部16は、ベース2で保持された弾性支持部9dを基点にして弾性変形する。
図6に示した各電気接続端子1の左側端部を連続帯部8から切り離すと、図7に示すようなソケット10a(信号用電気接続端子装置10)の単体を取り出すことができる。
図1乃至図7に示した電気接続端子1及び信号用電気接続端子装置10は、ソケット10aに関するものであるが、ヘッダ10bについても上記と同様の手順で製造することができる。そして、ソケット10a及びヘッダ10bは、図8に示すように、お互いの電気接続部16が嵌合するように構成されており、当該嵌合状態により、ソケット10aとヘッダ10bとの間での電気的接続を得ることができる。図8において、下向きがソケット10aにヘッダ10bを挿入する方向であり、上向きがソケット10aからヘッダ10bを抜く方向である。
本発明においては、変態誘起塑性を有する鋼材が高いヤング率を有するので、ヤング率に起因する接触力の向上を図ることができる。バネ性を必要とする電気接続部16に対して鍛造の加工硬化を施しているので、当該部分での耐力(弾性限)が上昇し、十分なバネ限界値が得られる。バネ性を必要としない部分では20%以上の伸び(延性)を備えているので、クラックを発生させることなく容易に曲げ半径の小さな曲げ加工が可能となり、本発明の信号用電気接続端子1は形状加工に関して高い自由度を有する。また、鋼材上に形成される銅層により所定の導電性を確保することができる。したがって、本発明の信号用電気接続端子装置10は、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備えることができるという効果を奏する。
図1乃至図8を参照しながら説明した信号用電気接続端子装置(コネクタ)10は、当該装置の基本的な構成や本発明の特徴部分の理解を容易にするためには好適であるが、図9に示す他の例に係るソケット10a及びヘッダ10bの方が一般的に使用されている。したがって、前述した例と共通する部分については、同一符号で示して説明を省略し、前述した例と異なる部分を中心に説明する。
図9に示す他の例では、ソケット10a及びヘッダ10bが、一列だけ(図8では左列側のみの単列構成)の接触部分(電気接続部16)を有するのではなく左右2列の接触部分(電気接続部16)を有する点が、図8に示す例と異なっている。
図9に示したソケット10a及びヘッダ10bは、電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2で一体的に保持された、左側の電気接続部16と右側の電気接続部16とをそれぞれ備えている。すなわち、複数の電気接続端子1の電気接続部16が、左右2列に配設されている。したがって、図9に示した左右2列構成のものは、図8に示した単列構成のものよりも、多くの端子数(電気接続部16)を確保することができる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
SUS301の25%圧延材の帯鋼(厚みが80μm、幅が12mm)を帯材7とし、プレス機を用いて、帯材7の鍛造加工(25%圧下)及び打ち抜き加工を行う。鍛造加工及び打ち抜き加工により、帯材7の幅方向の左側にあって長手方向に延びる連続帯部8と、当該連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに当該連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の細帯部9と、該細帯部9の右側部分(弾性支持部9dよりも右側)において鍛造加工された薄肉の鍛造加工部9cと、を有する略櫛歯状の打ち抜き体12を形成する。
打ち抜き体12における各細帯部9に対して仮想的に設けられた複数の折り曲げ線9aを基準にしながらプレス機で各細帯部9に対して複数段の折り曲げ加工を行い、連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の屈曲した芯材5を有する曲げ加工体13を形成する。
複数段に折り曲げ加工された芯材5の表面に対して、電解脱脂、塩酸浸漬、電解活性、ニッケルストライクメッキからなる前処理を行う。そのあと電解銅メッキ液(シアン化銅浴)に浸漬しながら電圧を印加する銅メッキを行って、芯材5の全面(上面と下面と左側面と右側面の4つの面)を銅層(メッキ厚みが2.5μm)で被覆する。
銅層で被覆された芯材5を電解ニッケルメッキ液(スルファミン酸ニッケル浴)に浸漬しながら電圧を印加するニッケルメッキを行って、銅層の全面をニッケル層(メッキ厚みが2μm)で被覆する。さらに、電解金メッキ液に浸漬しながら電圧を印加する金メッキを行って、ニッケル層の上に金被覆層(メッキ厚みが0.1μm)6を形成する。そして、金被覆層6の形成された芯材5のうち金被覆層6を不要とする部分に対してレーザ光を照射することにより、金被覆層6が除去されて下地のニッケル層が露出した下地露出部6aを形成することができる。金被覆層6の形成により、半田実装部となる部分3及び電気接続部となる部分4が、それぞれ、半田実装部15及び電気接続部16となる。
各電気接続端子1の一端が連続帯部8につながった状態で、電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2で各電気接続端子1を一体化することで、複数の電気接続端子1がベース2に一体的に保持された信号用電気接続端子装置10を形成する。各電気接続端子1の一端を連続帯部8から切り離すことにより、信号用電気接続端子装置10を単体のソケット10a又はヘッダ10bとして取り出すことができる。
実施例1の信号用電気接続端子装置(コネクタ)10の特性を測定すると、導電率が13%IACS(International Annealed Copper Standard)であり、鍛造加工部9cでの引張強度が1690MPaであり、当該信号用電気接続端子装置(コネクタ)10は、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備えていた。また、SUS301の25%圧延材の帯鋼の延性(伸び)は、20%であった。
(実施例2)
SUS304の30%圧延材の帯鋼(厚みが80μm、幅が12mm)を帯材7とし、プレス機を用いて、帯材7の鍛造加工(20%圧下)及び打ち抜き加工を行う。鍛造加工及び打ち抜き加工により、帯材7の幅方向の左側にあって長手方向に延びる連続帯部8と、当該連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに当該連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の細帯部9と、該細帯部9の右側部分(弾性支持部9dよりも右側)において鍛造加工された薄肉の鍛造加工部9cと、を有する略櫛歯状の打ち抜き体12を形成する。
打ち抜き体12における各細帯部9に対して仮想的に設けられた複数の折り曲げ線9aを基準にしながらプレス機で各細帯部9に対して複数段の折り曲げ加工を行い、連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の屈曲した芯材5を有する曲げ加工体13を形成する。
複数段に折り曲げ加工された芯材5の表面に対して、電解脱脂、塩酸浸漬、電解活性、ニッケルストライクメッキからなる前処理を行う。そのあと電解銅メッキ液(シアン化銅浴)に浸漬しながら電圧を印加する銅メッキを行って、芯材5の全面(上面と下面と左側面と右側面の4つの面)を銅層(メッキ厚みが2.5μm)で被覆する。
銅層で被覆された芯材5を電解ニッケルメッキ液(スルファミン酸ニッケル浴)に浸漬しながら電圧を印加するニッケルメッキを行って、銅層の全面をニッケル層(メッキ厚みが1.5μm)で被覆する。さらに、電解金メッキ液に浸漬しながら電圧を印加する金メッキを行って、ニッケル層の上に金被覆層(メッキ厚みが0.1μm)6を形成する。そして、金被覆層6の形成された芯材5のうち金被覆層6を不要とする部分に対してレーザ光を照射することにより、金被覆層6が除去されて下地のニッケル層が露出した下地露出部6aを形成することができる。金被覆層6の形成により、半田実装部となる部分3及び電気接続部となる部分4が、それぞれ、半田実装部15及び電気接続部16となる。
各電気接続端子1の一端が連続帯部8につながった状態で、電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2で各電気接続端子1を一体化することで、複数の電気接続端子1がベース2に一体的に保持された信号用電気接続端子装置10を形成する。各電気接続端子1の一端を連続帯部8から切り離すことにより、信号用電気接続端子装置10を単体のソケット10a又はヘッダ10bとして取り出すことができる。
実施例2の信号用電気接続端子装置(コネクタ)10の特性を測定すると、導電率が13%IACSであり、鍛造加工部9cでの引張強度が1270MPaであり、当該信号用電気接続端子装置(コネクタ)10は、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備えていた。また、SUS304の30%圧延材の帯鋼の延性(伸び)は、22%であった。
(実施例3)
SUS301の30%圧延材の帯鋼(厚みが80μm、幅が12mm)を帯材7とし、プレス機を用いて、帯材7の鍛造加工(25%圧下)及び打ち抜き加工を行う。鍛造加工及び打ち抜き加工により、帯材7の幅方向の左側にあって長手方向に延びる連続帯部8と、当該連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに当該連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の細帯部9と、該細帯部9の右側部分(弾性支持部9dよりも右側)において鍛造加工された薄肉の鍛造加工部9cと、を有する略櫛歯状の打ち抜き体12を形成する。
打ち抜き体12における各細帯部9に対して仮想的に設けられた複数の折り曲げ線9aを基準にしながらプレス機で各細帯部9に対して複数段の折り曲げ加工を行い、連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の屈曲した芯材5を有する曲げ加工体13を形成する。
複数段に折り曲げ加工された芯材5の表面に対して、電解脱脂、塩酸浸漬、電解活性、ニッケルストライクメッキからなる前処理を行う。そのあと、電解銅メッキ液(シアン化銅浴)に浸漬しながら電圧を印加する銅メッキを行って、芯材5の全面(上面と下面と左側面と右側面の4つの面)を銅層(メッキ厚みが2.5μm)で被覆する。
銅層で被覆された芯材5を電解ニッケルメッキ液(ワット浴)に浸漬しながら電圧を印加するニッケルメッキを行って、銅層の全面をニッケル層(メッキ厚みが1.5μm)で被覆する。さらに、電解金メッキ液に浸漬しながら電圧を印加する金メッキを行って、ニッケル層の上に金被覆層(メッキ厚みが0.1μm)6を形成する。そして、金被覆層6の形成された芯材5のうち金被覆層6を不要とする部分に対してレーザ光を照射することにより、金被覆層6が除去されて下地のニッケル層が露出した下地露出部6aを形成することができる。金被覆層6の形成により、半田実装部となる部分3及び電気接続部となる部分4が、それぞれ、半田実装部15及び電気接続部16となる。
各電気接続端子1の一端が連続帯部8につながった状態で、電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2で各電気接続端子1を一体化することで、複数の電気接続端子1がベース2に一体的に保持された信号用電気接続端子装置10を形成する。各電気接続端子1の一端を連続帯部8から切り離すことにより、信号用電気接続端子装置10を単体のソケット10a又はヘッダ10bとして取り出すことができる。
実施例3の信号用電気接続端子装置(コネクタ)10の特性を測定すると、導電率が13%IACSであり、鍛造加工部9cでの引張強度が1720MPaであり、当該信号用電気接続端子装置(コネクタ)10は、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備えていた。また、SUS301の30%圧延材の帯鋼の延性(伸び)は、16%であった。
(実施例4)
SUS301の25%圧延材(鋼製コア体)5aの両面に対して、銅箔のクラッド(圧着)圧延による銅クラッド層(各厚みが6.5μm)5bを接合した銅クラッド鋼材を帯材7とし、プレス機を用いて、帯材7の鍛造加工(25%圧下)及び打ち抜き加工を行う。鍛造加工及び打ち抜き加工により、帯材7の幅方向の左側にあって長手方向に延びる連続帯部8と、当該連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに当該連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の細帯部9と、該細帯部9の右側部分(弾性支持部9dよりも右側)において鍛造加工された薄肉の鍛造加工部9cと、を有する略櫛歯状の打ち抜き体12を形成する。
打ち抜き体12における各細帯部9に対して仮想的に設けられた複数の折り曲げ線9aを基準にしながらプレス機で各細帯部9に対して複数段の折り曲げ加工を行い、連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の屈曲した芯材5を有する曲げ加工体13を形成する。
複数段に折り曲げ加工された芯材5の表面に対して、電解脱脂の前処理を行う。そのあと、芯材5を電解ニッケルメッキ液(スルファミン酸ニッケル浴)に浸漬しながら電圧を印加するニッケルメッキを行って、芯材5の全面をニッケル層(メッキ厚みが2μm)で被覆する。さらに、電解金メッキ液に浸漬しながら電圧を印加する金メッキを行って、ニッケル層の上に金被覆層(メッキ厚みが0.1μm)6を形成する。そして、金被覆層6の形成された芯材5のうち金被覆層6を不要とする部分に対してレーザ光を照射することにより、金被覆層6が除去されて下地のニッケル層が露出した下地露出部6aを形成することができる。金被覆層6の形成により、半田実装部となる部分3及び電気接続部となる部分4が、それぞれ、半田実装部15及び電気接続部16となる。
各電気接続端子1の一端が連続帯部8につながった状態で、電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2で各電気接続端子1を一体化することで、複数の電気接続端子1がベース2に一体的に保持された信号用電気接続端子装置10を形成する。各電気接続端子1の一端を連続帯部8から切り離すことにより、信号用電気接続端子装置10を単体のソケット10a又はヘッダ10bとして取り出すことができる。
実施例4の信号用電気接続端子装置(コネクタ)10の特性を測定すると、導電率が14%IACSであり、鍛造加工部9cでの引張強度が1690MPaであり、当該信号用電気接続端子装置(コネクタ)10は、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備えていた。また、25%圧延のSUS301の両面に銅箔をクラッドした帯鋼の延性(伸び)は、20%であった。
(実施例5)
SUS301の25%圧延材(鋼製コア体)5aの両面に対して、銅箔のクラッド(圧着)圧延による銅クラッド層(各厚みが6.5μm)5b及びニッケル箔のクラッド(圧着)圧延によるニッケルクラッド層(各厚みが2μm)を接合した複合クラッド鋼材を帯材7とし、プレス機を用いて、帯材7の鍛造加工(25%圧下)及び打ち抜き加工を行う。ここで、複合クラッド鋼材からなる帯材7において、ニッケルクラッド層を外表面側に配置している。鍛造加工及び打ち抜き加工により、帯材7の幅方向の左側にあって長手方向に延びる連続帯部8と、当該連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに当該連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の細帯部9と、該細帯部9の右側部分(弾性支持部9dよりも右側)において鍛造加工された薄肉の鍛造加工部9cと、を有する略櫛歯状の打ち抜き体12を形成する。
打ち抜き体12における各細帯部9に対して仮想的に設けられた複数の折り曲げ線9aを基準にしながらプレス機で各細帯部9に対して複数段の折り曲げ加工を行い、連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の屈曲した芯材5を有する曲げ加工体13を形成する。
複数段に折り曲げ加工された芯材5の表面に対して、電解脱脂の前処理を行う。そのあと、電解金メッキ液に浸漬しながら電圧を印加する金メッキを行って、ニッケル層の上に金被覆層(メッキ厚みが0.1μm)6を形成する。そして、金被覆層6の形成された芯材5のうち金被覆層6を不要とする部分に対してレーザ光を照射することにより、金被覆層6が除去されて下地のニッケル層が露出した下地露出部6aを形成することができる。金被覆層6の形成により、半田実装部となる部分3及び電気接続部となる部分4が、それぞれ、半田実装部15及び電気接続部16となる。
各電気接続端子1の一端が連続帯部8につながった状態で、電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2で各電気接続端子1を一体化することで、複数の電気接続端子1がベース2に一体的に保持された信号用電気接続端子装置10を形成する。各電気接続端子1の一端を連続帯部8から切り離すことにより、信号用電気接続端子装置10を単体のソケット10a又はヘッダ10bとして取り出すことができる。
実施例5の信号用電気接続端子装置(コネクタ)10の特性を測定すると、導電率が14%IACSであり、鍛造加工部9cでの引張強度が1690MPaであり、当該信号用電気接続端子装置(コネクタ)10は、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備えていた。また、25%圧延のSUS301の両面に銅箔及びニッケル箔をクラッドした帯鋼の延性(伸び)は、20%であった。
(実施例6)
SUS301の25%圧延材(鋼製コア体)5aの両面に対して、銅箔のクラッド(圧着)圧延による銅クラッド層(各厚みが6μm)5bを接合した銅クラッド鋼材を帯材7とし、プレス機を用いて、帯材7の鍛造加工(25%圧下)及び打ち抜き加工を行う。鍛造加工及び打ち抜き加工により、帯材7の幅方向の左側にあって長手方向に延びる連続帯部8と、当該連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに当該連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の細帯部9と、該細帯部9の右側部分(弾性支持部9dよりも右側)において鍛造加工された薄肉の鍛造加工部9cと、を有する略櫛歯状の打ち抜き体12を形成する。このとき、図10の(A)に示すように、細帯部9に隣接する細帯部9の根元部分に対して、傾斜鍛造を行い、左右の上端縁部が傾斜面となっている傾斜鍛造部9fを形成している。すなわち、図10の(D)に示すように、傾斜鍛造部9fにおいて、SUS301の25%圧延材(鋼製コア体)5aの左右の上端縁部が傾斜面に成形されるとともに、上側の銅クラッド層5bの左右の端部が斜め下方に押し広げられてSUS301の25%圧延材(鋼製コア体)5aの左右の側面の上側部分を覆うように構成されている。半田濡れ性の良くないSUS301の露出部分が減って、半田濡れ性の良い銅層の面積が増えるために、金被覆層6において何らかの被覆不具合があった場合にも、半田濡れ性を確保することができる。
打ち抜き体12における各細帯部9に対して仮想的に設けられた複数の折り曲げ線9aを基準にしながらプレス機で各細帯部9に対して複数段の折り曲げ加工を行い、連続帯部8の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに連続帯部8の長手方向に一定間隔で並設された複数の屈曲した芯材5を有する曲げ加工体13を形成する。
複数段に折り曲げ加工された芯材5の表面に対して、電解脱脂の前処理を行う。そのあと、芯材5を電解ニッケルメッキ液(スルファミン酸ニッケル浴)に浸漬しながら電圧を印加するニッケルメッキを行って、芯材5の全面をニッケル層(メッキ厚みが2μm)で被覆する。さらに、電解金メッキ液に浸漬しながら電圧を印加する金メッキを行って、ニッケル層の上に金被覆層(メッキ厚みが0.1μm)6を形成する。そして、金被覆層6の形成された芯材5のうち金被覆層6を不要とする部分に対してレーザ光を照射することにより、金被覆層6が除去されて下地のニッケル層が露出した下地露出部6aを形成することができる。金被覆層6の形成により、半田実装部となる部分3及び電気接続部となる部分4が、それぞれ、半田実装部15及び電気接続部16となる。
各電気接続端子1の一端が連続帯部8につながった状態で、電気絶縁性の合成樹脂からなるベース2で各電気接続端子1を一体化することで、複数の電気接続端子1がベース2に一体的に保持された信号用電気接続端子装置10を形成する。各電気接続端子1の一端を連続帯部8から切り離すことにより、信号用電気接続端子装置10を単体のソケット10a又はヘッダ10bとして取り出すことができる。
実施例6の信号用電気接続端子装置(コネクタ)10の特性を測定すると、導電率が12%IACSであり、鍛造加工部9cでの引張強度が1690MPaであり、当該信号用電気接続端子装置(コネクタ)10は、所定の導電性と良好な曲げ加工性と高い接触圧とをバランス良く備えていた。また、25%圧延のSUS301の両面に銅をクラッドした帯鋼の延性(伸び)は、20%であった。
(比較例1)
時効処理されたチタン銅(C1990)の帯鋼(厚みが80μm、幅が12mm)を帯材とし、プレス機を用いて、帯材の打ち抜き加工を行う。打ち抜き加工により、帯材の幅方向の左側にあって長手方向に延びる連続帯部と、当該連続帯部の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに当該連続帯部の長手方向に一定間隔で並設された複数の細帯部と、を有する略櫛歯状の打ち抜き体を形成する。
打ち抜き体における各細帯部に対して仮想的に設けられた複数の折り曲げ線を基準にしながらプレス機で各細帯部に対して複数段の折り曲げ加工を行い、連続帯部の右側端縁から幅方向の右側に向けて延在するとともに連続帯部の長手方向に一定間隔で並設された複数の屈曲した芯材を有する曲げ加工体を形成する。
複数段に折り曲げ加工された芯材の表面を活性化処理したあと、芯材を電解ニッケルメッキ液(スルファミン酸ニッケル浴)に浸漬しながら電圧を印加するニッケルメッキを行って、芯材の全面をニッケル層(メッキ厚みが2.5μm)で被覆する。さらに、電解金メッキ液に浸漬しながら電圧を印加する金メッキを行って、ニッケル層の上に金被覆層(メッキ厚みが0.1μm)を形成する。そして、金被覆層の形成された芯材のうち金被覆層を不要とする部分に対してレーザ光を照射することにより、金被覆層が除去されて下地のニッケル層が露出した下地露出部を形成することができる。金被覆層が形成されることにより、半田実装部となる部分及び電気接続部となる部分が、それぞれ、半田実装部及び電気接続部となる。
各電気接続端子の一端が連続帯部につながった状態で、電気絶縁性の合成樹脂からなるベースで各電気接続端子を一体化することで、複数の電気接続端子がベースに一体的に保持された信号用電気接続端子装置を形成する。各電気接続端子一端を連続帯部から切り離すことにより、信号用電気接続端子装置を単体のソケット又はヘッダとして取り出すことができる。
比較例1の信号用電気接続端子装置(コネクタ)の特性を測定すると、導電率が12%IACSであり、鍛造加工部に相当する電気接続部での引張強度が1000MPaであり、十分な接触圧を備えていなかった。また、時効処理されたチタン銅(C1990)の帯鋼の延性(伸び)は、13%であり、最小曲げ半径をあまり小さくすることができなかった。
上記の実施例1乃至6及び比較例1について、電気接続端子及び信号用電気接続端子装置に関する測定結果を表1にまとめて示す。
Figure 2013020884
1:電気接続端子
2:ベース
3:半田実装部となる部分
4:電気接続部となる部分
5:芯材
5a:鋼製コア体
5b:銅クラッド層
6:金被覆層
6a:下地露出部
7:帯材
8:連続帯部
9:細帯部
9a:折り曲げ線
9c:鍛造加工部
9d:弾性支持部
9e:非鍛造部
9f:傾斜鍛造部
10:信号用電気接続端子装置(コネクタ)
10a:ソケット
10b:ヘッダ
12:打ち抜き体
13:曲げ加工体
15:半田実装部
16:電気接続部

Claims (12)

  1. 複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持した信号用電気接続端子装置であって、
    前記電気接続端子が、
    塑性加工により所定の形状に加工されて、バネ性の要求される部位に対して鍛造による加工硬化が施される、変態誘起塑性を有する鋼材と、
    前記鋼材の上に形成される銅層と、
    前記銅層を少なくとも覆うニッケル層と、
    前記ニッケル層の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金を被覆した金被覆層と、を備えることを特徴とする、信号用電気接続端子装置。
  2. 前記鋼材は、20%以上の伸びを有することを特徴とする、請求項1に記載の信号用電気接続端子装置。
  3. 前記鋼材は、SUS301系のステンレス鋼であることを特徴とする、請求項1又は2記載の信号用電気接続端子装置。
  4. 前記銅層は、銅メッキ又は銅箔クラッドによって構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の信号用電気接続端子装置。
  5. 前記ニッケル層は、ニッケルメッキ又はニッケル箔クラッドによって構成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の信号用電気接続端子装置。
  6. 前記半田実装部は、傾斜を持って鍛造されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の信号用電気接続端子装置。
  7. 変態誘起塑性を有する帯状鋼材の一端部に対して、プレス機を用いて、部分的に鍛造加工するとともに所定形状に抜き加工を行うことにより、一端部の厚みが薄くなった櫛形状の打ち抜き体を形成する工程と、
    前記打ち抜き体の複数の所定箇所に対して、プレス機を用いて折り曲げ加工を行うことにより、複数箇所の折り曲げ部を有する曲げ加工体を形成する工程と、
    前記曲げ加工体の全面を覆うように銅層を形成する工程と、
    前記銅層の全面を覆うようにニッケル層を形成する工程と、
    前記ニッケル層の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金被覆層を形成して複数の電気接続端子を作製する工程と、
    前記複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持する工程と、
    前記複数の電気接続端子がつながった他端側の連続帯部から前記複数の電気接続端子を切り離す工程と、を備えることを特徴とする、信号用電気接続端子装置の製造方法。
  8. 変態誘起塑性を有する帯状鋼材の少なくとも一面に対して所定厚みで銅をクラッドした銅クラッド鋼材の一端部に対して、プレス機を用いて、部分的に鍛造加工するとともに所定形状に抜き加工を行うことにより、一端部の厚みが薄くなった櫛形状の打ち抜き体を形成する工程と、
    前記打ち抜き体の複数の所定箇所に対して、プレス機を用いて折り曲げ加工を行うことにより、複数箇所の折り曲げ部を有する曲げ加工体を形成する工程と、
    前記曲げ加工体の全面を覆うようにニッケル層を形成する工程と、
    前記ニッケル層の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金被覆層を形成して複数の電気接続端子を作製する工程と、
    前記複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持する工程と、
    前記複数の電気接続端子がつながった他端側の連続帯部から前記複数の電気接続端子を切り離す工程と、を備えることを特徴とする、信号用電気接続端子装置の製造方法。
  9. 変態誘起塑性を有する帯状鋼材の少なくとも一面に対して所定厚みで銅をクラッドし、さらにその上にニッケルをクラッドした複合クラッド鋼材の一端部に対して、プレス機を用いて、部分的に鍛造加工するとともに所定形状に抜き加工を行うことにより、一端部の厚みが薄くなった櫛形状の打ち抜き体を形成する工程と、
    前記打ち抜き体の複数の所定箇所に対して、プレス機を用いて折り曲げ加工を行うことにより、複数箇所の折り曲げ部を有する曲げ加工体を形成する工程と、
    前記曲げ加工体の上に形成される少なくとも半田実装部及び電気的接続部に対して金被覆層を形成して複数の電気接続端子を作製する工程と、
    前記複数の電気接続端子を絶縁性合成樹脂により一体的に保持する工程と、
    前記複数の電気接続端子がつながった他端側の連続帯部から前記複数の電気接続端子を切り離す工程と、を備えることを特徴とする、信号用電気接続端子装置の製造方法。
  10. 前記鋼材は、20%以上の伸びを有することを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか1つに記載の信号用電気接続端子装置の製造方法。
  11. 前記鋼材は、SUS301系のステンレス鋼であることを特徴とする、請求項7乃至10のいずれか1つに記載の信号用電気接続端子装置の製造方法。
  12. 前記半田実装部は、傾斜を持って鍛造されていることを特徴とする、請求項7乃至11のいずれか1つに記載の信号用電気接続端子装置の製造方法。
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