JP2013020386A - 品質評価装置および品質評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】計算に必要なパラメータを設定して実機体系のシミュレーションにより得られた分布量の品質と使用したパラメータの妥当性を実験で得られた測定値から評価する。
【解決手段】品質評価装置10は、実験のシミュレーションで得られた分布量たる物理量の計算値と、実験による測定値との相対差を計算し記憶する計算値・測定値分布量相対差演算値記憶部16、実験の体系、実機体系それぞれを前記モデルを用いてシミュレートした結果のそのモデルへの入力値変化に対する感度を表す感度係数ベクトルを計算し記憶する実験体系感度係数ベクトル演算記憶部17および実機体系感度係数ベクトル演算記憶部18、シミュレーション用の前記モデルへの入力値の不確かさの割合の関係を示す共分散誤差行列を計算し記憶する共分散誤差行列演算記憶部19、実機体系と実験体系についての模擬性評価因子を評価する模擬性評価因子演算記憶部20、分布量相対差判定部21および模擬性評価因子判定部22を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションして得られた分布量の計算値の品質を評価する装置および方法に関する。
工業製品は、最終的な製品を設計あるいは製作する際、最終的な製品とほぼ同じ品物を製作して、その品物で実際の性能を把握して、最終的な製品の性能を向上させる手法が適用される場合がある。
たとえば自動車などでは、新車の設計において、試作車をテストコースで実際に走行させて性能を把握して設計を見直し、最終的な製品を提供するための改良に役立てている。
一方、特定の工業分野では、製作する製品の大きさが巨大で、最終的な製品の性能を試作によって確認することが極めて困難である場合がある。また、製作する製品が非常に高価である、あるいは最終的な製品の製作数が少数であるなど、経済的あるいは他のいくつかの理由によって試作品を製作することが合理性をもたない場合もある。
たとえば、原子力分野では最終的に目的とする実機体系を設計する際、(1)その製品の規模が極めて大きい、(2)核物質を扱う、という点から最終的な製品とほぼ同じ試作品を製作して性能を把握するということが大変困難である。
よって、設計については、主に解析によって性能を評価、把握して原子炉施設が建設される。設計は、特定の設計手法に基づき、特定のパラメータを入力として目的とする体系の着目する物理量を計算して設計値としている。原子力分野では、設計計算での精度を向上させるために、計算値の妥当性を把握することが極めて重要である。計算値の妥当性や品質を正確に把握することは、計算予測値と実機での実性能との差を把握することである。
原子力施設の設計計算はコンピュータによって行われ、計算で用いるコンピュータプログラムを計算コードと称している。
また、この計算コードに入力する数値(群)を計算に用いるパラメータと呼ぶことにする。設計計算に含まれる誤差は、(a)計算に用いるコンピュータ自体で生じる誤差、(b)計算コードで扱う物理モデルに由来する誤差、(c)パラメータに含まれる誤差で生じる誤差、が考えられる。
ここで、(a)に関し、もちろんコンピュータ内で扱う数値は数値の表現上、桁数に限りがあり、丸め誤差や桁落ちの誤差など数値計算では避けられない誤差がある。
ただし、コンピュータの飛躍的な性能の向上と計算機科学の発達に伴って、コンピュータと計算コードそのものに由来する数値計算誤差は極めて小さくなっており、通常他の誤差と比較して無視ができる大きさである。
また、(b)に関し、計算コードは、自然界の現象を一定の物理モデルによって記述して、それを書き換えたものである。つまり、計算コード自体は自然現象ではなく、計算コードは物理モデルが自然現象を十分模擬できる範囲内でのみ計算に使用する意味がある。
しかし、計算コードと適用される物理モデルは常に研究と改良が重ねられており、設計計算に用いる計算コード自体から生じる誤差は十分に小さいと考えてよい。
一方、(c)に関し、計算コードの入力となる数値群、計算パラメータであるが原子炉施設に関連しては、たとえば使用済みの核燃料の場合のように、全ての構成材料の寸法、原子数密度などを正確に測定できない場合があり、加えて計算に以上に重要な物理定数である核データについても誤差(不確かさ)が存在する。このため、計算に用いるパラメータには常に誤差(不確かさ)が含まれており、この誤差によって設計計算(値)にもたらされる誤差が存在し、無視することができない。
原子力分野では設計計算に用いた計算コード、計算に用いたパラメータの双方の品質を確認するために、超小型の原子炉である臨界実験装置を用いて、目的とする体系すなわち実機体系の物理状態を可能な限り模擬して実験が行なわれる。
当該計算コードを用いてこの実験を評価した計算値を、その実験で得られた測定値と比較することで、実機体系についての設計計算(値)の誤差(不確かさ)を把握し計算の精度を確認してきた。
すなわち、設計計算で使用する計算コードシステムで、臨界実験装置での実験を計算して得られた計算値と測定値とを比較して、その差が非常に小さいときに、設計計算に用いる計算コードシステムと計算に用いるパラメータの品質は信頼できると判断されてきた。
しかしながら、計算値と測定値との比較の際には数学的、理論的な判断基準が確立されておらず、そのため、臨界実験で行った実験の内容がどれほど比較の基準として有用であるかの定量的評価は行われてこなかった。
特に臨界実験装置を用いて燃料棒の空間的な核分裂率分布(出力分布)を測定し、その測定値と計算値を比較する際に、どの程度の一致が得られているならば、目的とする(実機)体系について着目している核分裂率分布(出力分布)について計算値を信頼できるのかという定量的な議論はこれまで行われてこなかった。
これまで述べたように計算で生じる誤差の要因は次の種類に分けられる。(a)計算に用いるコンピュータ自体で生じる誤差−数値計算の誤差、(b)計算コードで扱う物理モデルに由来する誤差−計算手法の誤差、および(c)パラメータに含まれる誤差で生じる誤差、つまり計算に用いる数値(入力値)に起因する誤差である。
数値計算の誤差は、コンピュータで計算する過程の四則演算で生じる誤差である。数値計算の誤差として代表的なものには、たとえば丸め誤差とか、切り上げ・切り捨て誤差がある。
ただし、数値計算の誤差は、現在の工夫された数値計算技術とコンピュータのハードウェアの発達によって十分無視できるレベルになっており、一般に他の誤差と比較して十分小さく、誤差の主たる支配因子ではない。
計算に用いる物理モデルは、あくまで自然界の物理現象を数学的にモデル化したものであり、自然界がこの物理モデルに従って変化しているわけではない。加えて、物理モデルをコンピュータで計算できるように近似・変形した場合にも誤差が生じる。これらが計算手法の誤差である。
原子力の核計算において、中性子の運動の基礎方程式は、ボルツマンの輸送方程式によって記述される。ボルツマンの輸送方程式をコンピュータで解く場合、何らかの近似を用いて解くことになる。
原子炉の炉心計算では、ボルツマンの輸送方程式を近似した拡散方程式が広く利用されている。この拡散方程式は、ボルツマンの輸送方程式を中性子の運動の角度方向の情報を無視して近似したものである。
よって中性子の運動方向が均一でない体系では、拡散方程式による計算で誤差が大きくなるおそれがある。加えて、拡散方程式で使用される拡散係数は、密度の薄い媒質に対して適切な数値を設定することができない場合があり、そのため誤差を生ずる。
計算対象の体系が小さい場合、すなわち中性子の洩れの割合が大きい小型の炉心を拡散理論で計算すれば、洩れを過大評価して臨界固有値を過小評価する傾向があり、計算誤差が大きくなる傾向があるといわれている。
このように、計算を行なう際、計算に用いる理論やモデルが適切であるか、計算手法で生じている誤差の検討が必要である。
通常、誤差の要因として一番大きいと考えられるものは、計算に使用する数値に起因する誤差である。計算に用いられる数値は、寸法、体系を構成する物質、その物質の数密度などの計算対象に固有な数値と、計算対象それぞれには依存せず、計算に共通に使用される数値がある。
たとえば、水の温度と圧力が決まれば水の密度は決まるが、その密度の値は計算体系には依存せず計算上共通に使用される値である。計算に用いられるこれら全ての数値を、以下パラメータと呼ぶことにする。またパラメータによって計算結果に生ずる誤差を、以下パラメータ誤差と呼ぶことにする。
一般的に用いられる物理定数も真の値ではなく、誤差が含まれている。ただし、物理定数の精度は他の数値に比べて遥かに高く、有効数字も6桁を越えるものが多くある(例えばアボガドロ数や電子の電荷)。
このため、一般的に、物理定数の誤差が原子力施設の設計や建設、燃料集合体のなどの設計、製作で問題となることはないと判断できる。
一方、これまで核計算の中で最も重要と判断されてきたパラメータは「核データライブラリ」に関する数値であり、中性子反応断面積、崩壊定数、収率、遅発中性子割合などがそれにあたる。
「核データライブラリ」は、核計算に直接的に関わる数値群で、これら数値の変化が核特性を示す計算値に与える影響が大きい。また、もともと「核データライブラリ」は、全ての値が測定によって正確に確認・決定されたものではなく、理論計算によって定められた数値も含まれている。
このため、「核データライブラリ」に含まれる誤差は、他のパラメータ誤差よりも大きいと判断される。したがって、核計算では、「核データライブラリ」のパラメータ誤差が重要視される。
パラメータ誤差のなかで次に重要なものは、原子数密度の誤差である。原子力分野において、運転後の燃料集合体などについては、燃焼計算によって原子数密度を得る。このため、その後の計算で原子数密度を用いるときには、既にこの原子数密度に計算誤差が含まれていると判断される。
原子力産業では、扱う製品の構成元素、元素の原子数密度などの組成を高い精度で確認・測定することが困難あるいは非現実的な場合がある。燃料集合体内の核種組成や核種の原子数密度は、次にその燃料集合体を使用する場合の反応度の決定、保管・輸送の際の臨界安全性や放射線量を定量化するために極めて重要な数値である。
しかし、核種の組成や原子数密度の測定のために燃料集合体を炉心から取り出すこと、さらに、破壊して分析測定することは現実的ではなく、また、高い放射線レベルの燃料集合体1体ずつを外部から正確に測定することも技術的にも経済的にも成立性が乏しい。
そこで燃料集合体の核種組成や原子数密度は、過去燃料集合体が置かれていた環境をできるかぎり正確に把握して、計算機プログラムによって計算する。これを燃焼計算と呼ぶ。
実際の原子力発電所に関する計算を行なう場合には、原子炉の中で移動する流体の流量や温度、材料温度は、計算に必要な入力点数について精度の高い数値が得られないことがあり、経験的な数値を仮定し入力して計算を行なう。
炉心の中に水と蒸気の二層流が存在する沸騰水型原子炉(BWR)の炉心計算では、流量の誤差によって生ずる計算誤差は有意な値である考えられている。
このようにして求めた原子数密度には、計算誤差が含まれる。この原子数密度もこの数値を入力とした核計算の計算結果に与える影響が大きいものであり、計算で生じる誤差の原因を考察する際に重要である。
原子力産業の初めから、核物質の臨界性という原子力に特有の現象を確認するために、実験装置が作られ、利用されてきた。そのひとつが、臨界実験装置である。臨界実験装置は、一般的に、大気圧下、常温(室温)で運転・稼動できるように設計された装置である。
臨界実験装置は小型の原子炉であって、実際の原子炉で使用するウランやプルトニウムなどの核物質を使用して臨界状態を達成する。
しかし、装置が非常に小型であるために熱をほとんど出さない。原子炉のミニチュア版といった装置であり、臨界状態を実現できることから、臨界実験装置と呼ばれている。臨界実験装置を用いた実験は、臨界実験と呼ばれる。
臨界実験は、計算の誤差を減らすために役立てられてきた。物理的に非常に単純化され、簡略化された条件で、体系を組み上げて、同時に精度の高い測定データを取得することが臨界実験の目的である。
物理的に非常に単純で簡略化した体系では、形状や組成に関わる計算入力パラメータの誤差を減らすことができ、誤差の少ない測定値は計算値との比較を容易にする。
過去から現在に至るまで「計算手法に起因する誤差」と「核データライブラリに起因する誤差」を明らかにすることを目的に、臨界実験によって得られた多くの測定値と計算値が比較されて、その結果、誤差要因が特定され誤差が定量化されてきた。
一方、臨界実験の測定値を計算値がよく再現できていれば、計算に使った手法、計算に使った主として核データライブラリなどのパラメータの品質が高いと判断される。
品質が高いと判断されれば、同じ手法とパラメータの組み合わせで目的とする体系の設計を行っても良いという品質保証・判断基準となってきた。
臨界実験の測定値で一番重要視されるものは、臨界になった条件である。そこで、臨界になった諸条件を、データとして正確に取得する。原子炉物理の言葉では、臨界になった条件を「臨界質量」という言葉で表すことがあり、これは核物質種類、質量のみならず、体系の幾何形状、温度や核物質の組成や質量一式の正確な数値を指す。
次に重要とされるものは、臨界実験装置が臨界になったときの核分裂反応の空間分布である。燃料棒を組み合わせて構成された臨界実験装置では、燃料棒から放出される放射線を測定して、放射線量の比によって核分裂反応の空間分布を測定することが多い。
これは核分裂反応と放出される放射線の量は比例関係にあると考えられるからである。なお、臨界実験装置に、たとえば小型核分裂電離箱などの特別の放射線測定器を挿入して、目的とする位置での放射線の量を測定することも多い。
この場合も、測定値の比によって中性子束の分布などが求められる。
目的とする測定値が得られれば、次に臨界実験の体系や実験条件を入力として計算を行なう。
計算で求めた値を臨界実験で得られた臨界量と核分裂反応の分布、中性子束の分布などの測定値と比較することで、計算全体の品質が把握できる。すなわち計算値と測定値が測定誤差の範囲や許容できる程度で一致していれば、既に述べたように臨界実験を計算した計算機プログラム(計算手法)と核データライブラリを中心として計算に用いたパラメータが十分な品質を有しているという根拠になる。
そして、同じ計算機・計算プログラム・計算手法と核データライブラリを用いて最終的に目的とする原子炉や原子炉施設の設計の計算に実施してよいという判断がなされる。
一方、計算値と測定値に有意な差が認められる場合は、計算手法や核データライブラリの問題点や改良すべき点を特定し、計算値と測定値の一致が改善されるように改良がなされる。
このように、臨界実験は、計算機・計算プログラムと核データライブラリの品質の確認や保証、あるいは計算手法や核データライブラリの改良に寄与してきた。
臨界実験で得られた測定値にも誤差が含まれる。その誤差は、測定誤差と呼ばれる。測定誤差には、それぞれの測定の際に偶然発生する統計誤差(ランダム誤差、統計誤差)と、測定に用いた計測器や手法に伴う誤差(系統誤差)が含まれる。
統計誤差は、確率分布に従い、測定の回数を増やせば誤差の割合は減少する性質がある。系統誤差は、測定方法そのものに付随した誤差であるので、測定ごとに常に発生し、系統誤差の割合は測定の回数によって変化することはない。
なお、測定誤差の割合は、計算誤差の割合よりも小さいと考えられる。
これまで臨界実験で得られたデータを利用する方法として、一般的に補正因子(バイアス)法と、断面積アジャストメントの二つの応用がなされてきた。
特開2008−217139号公報
W. MATTES: "CROSS-SECTION ADJUDTMENT IN THE ANALYSIS OF BENCHMARK EXPERIMENTS", Annals of Nuclear Energy. Vol. 6. pp. 103-106 Teruhiko KUGO、他2名、"Theoretical Study on New Bias Factor Methods to Effectively Use Critical Experiments for Improvement of Prediction Accuracy of Neutronic Characteristics"、Journal of NUCLEAR SCIENCE and TECHNOLOGY、Vol.44、No.12、Page 1509-1517、2007年 "SCALE: A Modular Code System for Performing Standardized Computer Analyses for Licensing Evaluation"、ORNL/TM-2005/39、Version 5.1、Vols. I-III、2006年11月
臨界実験の測定値と計算値は、臨界量(臨界固有値)及び燃料棒や特定の空間位置での核物質の核分裂率分布(出力分布)に関して多くの比較が実施されてきた。
一方ここまでに述べた内容について、少なくとも補正因子(バイアス)法や断面積アジャストメントに利用されてきた物理量は臨界量(臨界固有値)などスカラー量である。
分布量(ベクトル量)である核分裂率分布は、単に測定値と計算値をお互い規格化して比較可能な状態にしてそれぞれの空間点で空間点のその差を把握することが行われるだけで終わってしまい、例えば補正因子(バイアス)法や断面積アジャストメントを始めとする計算コードシステムへのフィードバックには利用されてこなかった。
その理由の一つに計算で得られた分布量と実験で得られた分布量とを比較する際に、ベクトル量である分布量どうしの差、あるいは誤差について定義されていないことがある。
分布量どうしの一致の程度が定量的に評価できなければ計算手法、計算コード、計算に用いるパラメータの品質について定量的な議論は行えない。
加えて断面積アジャストメントに分布量が適用されてこなかった理由の一つとしてベクトル量とベクトル量の差はベクトルとなるので、特定の核種の、特定の反応種類の、特定のエネルギーの断面積についてどのように変化させれば差のベクトルが小さくできるかという感度係数が定義されなかったことがある。
この事情は原子力分野に限るものではなくて、科学・技術分野で計算に用いるパラメータの品質を高めることを目的に測定値と計算値とを比較して、数理的に計算に用いるパラメータを調整するフィードバックを実施する手法が確立しているのはスカラー量での比較の際だけである。
核分裂率分布(出力分布)等の分布量に対して定量的、数学的に詳しい検討がなされなかったため、実験を行う際に、目的とする体系の核分裂率分布すなわち出力分布を明らかにするには実験においてどの項目を重要視すべきかの判断ができないので、使用できる実験資源を有効に利用した最適な実験を行ったかどうか判断できないという問題がある。
さらに、核分裂率測定による出力分に関して複数の実験を行った際、出力分布のような単一のスカラー量ではない物理量に注目した結果に関して、どの実験が実際に目的とする実機体系の計算値の品質確認のために優れていたかを、定量的に比較する方法が提供されていない。
その他、過去に実施した実験の情報を有効利用する明確な手法、実験に必要な資源(人的、時間的、経済的資源)の最適化を行う有効な手法がないのが現状である。
そこで、本発明は、対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした結果得られる分布系の物理量の信頼性を、その対象を模擬した実験の結果を用いて定量的に評価し判定できるようにすることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いて複数の要素を有する物理量である分布量に関するシミュレーションの結果得られる数値の品質を、その目的とする実機体系を模擬した実験の結果を用いて自動的に推定する品質評価装置において、前記実験の結果得られる分布量の測定値Qを記憶する実験体系分布量測定値記憶部と、前記実験体系について前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られた前記分布量の計算値Qを記憶する実験体系分布量演算値記憶部と、前記実機体系について前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られた前記分布量の計算値Qを記憶する実機体系分布量演算値記憶部と、前記実験についての前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた前記分布量の計算値Qの、前記分布量の当該実験における測定値Qに対する前記分布量相対差diffを、前記各要素間の差に基づいて計算し記憶する分布量相対差演算記憶部と、実験の体系において前記分布量に関して前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた値Qの、前記モデル中の複数のパラメータの各入力値単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルSを計算して記憶する実験体系感度係数ベクトル演算記憶部と、目的とする実機体系において前記分布量に関して前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた値Qの、モデル中の複数のパラメータの各入力値単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルSを計算して記憶する実機体系感度係数ベクトル演算記憶部と、シミュレーションに用いる前記モデルへの前記パラメータの各入力値の不確かさの割合の関係を示す共分散誤差行列Wを演算し記憶する共分散誤差行列演算記憶部と、RF=S WS/{(S WS1/2(S WS1/2}として実験体系と目的とする実機体系との模擬性を模擬性評価因子として定義する該RF値により評価する模擬性評価因子演算記憶部と、前記分布量相対差演算記憶部からの出力である分布量相対差が第1の規定値以下か否かを判定しその規定値を越えれば対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いて複数の要素を有する物理量である分布量に関するシミュレーションの手法を変更する分布量相対差判定部と、前記模擬性評価因子演算記憶部からの出力である模擬性評価因子と1との差が第2の規定値以下か否かを判定しその規定値を超えれば目的とする実機体系を模擬した実験の結果を変更すべき旨を出力する模擬性評価因子判定部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る品質評価方法は、対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いて複数の要素を有する物理量である分布量Qに関するシミュレーションの結果得られる数値の品質を、その目的とする実機体系を模擬した実験の結果を用いて自動的に推定する品質評価方法であって、実験体系分布量測定値記憶部でコンピュータがする処理が、前記実験の結果得られる分布量の測定値Qを記憶するステップであり、実験体系分布量演算値記憶部でコンピュータがする処理が、前記実験体系についての前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られた前記分布量の計算値Qを記憶するステップであり、実機体系分布量演算値記憶部においてコンピュータがする処理が、前記実機体系についての前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られた前記分布量の計算値Qを記憶するステップであり、分布量相対差演算記憶部においてコンピュータがする処理が、前記実験についての前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた前記分布量Qの計算値Qの、前記分布量の当該実験における測定値Qに対する分布量相対差diffを、において前記各要素間の差に基づいて計算し記憶するステップであり、分布量相対差判定部においてコンピュータがする処理が、前記分布量相対差演算記憶部からの出力である分布量相対差が第1の規定値以下か否かを判定し、その規定値を越えればシミュレーション手法を変更するべき旨を出力し計算モデルや手法を変更するステップであり、実験体系感度係数ベクトル演算記憶部においてコンピュータがする処理が、実験の体系において前記分布量Qに関して前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた値Qの、モデル中の複数のパラメータの各入力値単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルSを計算して記憶するステップであり、実機体系感度係数ベクトル演算記憶部においてコンピュータがする処理が、目的とする実機体系において前記分布量Qに関して前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた値Qの、モデル中の複数のパラメータの各入力値単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルSを計算して記憶するステップであり、共分散誤差行列演算記憶部においてコンピュータがする処理が、模擬性評価因子演算記憶部においてコンピュータがする処理が、シミュレーションに用いる前記モデルへの前記パラメータの各入力値の不確かさの割合の関係を示す共分散誤差行列Wを演算し記憶するステップであり、模擬性評価因子演算記憶部においてコンピュータがする処理が、RF=S WS/{(S WS1/2(S WS1/2}として実験体系と目的とする実機体系との模擬性を、模擬性評価因子として定義する該RF値により評価するステップであり、模擬性評価因子判定部においてコンピュータがする処理が、前記模擬性評価因子演算記憶部からの出力である模擬性評価因子と1との差が第2の規定値以下か否かを、判定しその規定値以下でなければ別の模擬実験体系の選定を行うべき旨を出力するステップである、ことを特徴とする。
本発明によれば、対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした結果得られる分布系の物理量の品質・信頼性を、その対象を模擬した実験の結果を用いて定量的に評価・判定できる。
本発明に係る品質評価装置の実施形態におけるハードの全体構成を示すブロック図である。 本発明に係る品質評価装置の実施形態の機能的な全体構成を示すブロック図である。 本発明に係る品質評価装置の実施形態における誤差推定方法を示すフロー図である。
本発明の実施形態は、原子力分野等で使用される計算コードとそこに含まれる物理量のパラメータ(断面積ライブラリなど)を用いて得られた、目的とする実機体系の分布量の計算値の品質を定量的に評価・確認するための装置、方法である。
確認には目的とする体系を模擬した実験体系で分布量として得られた測定値とその計算値を用いる。
以下の実施形態は、次に述べる第1の評価と第2の評価を行うことにより、最終的に目的とする実機体系における分布量の計算値品質の定量的評価を可能とするものである。
第1の評価は、核分裂率分布(出力分布)等に代表される分布量(ベクトル量)について、計算値と実験で得られた測定値との一致の程度を数値化し定量的な比較を可能とするものである。
第2の評価は、分布量について計算に用いるパラメータに関しての感度係数を分布系に拡張定義した上でこれを求め、得られた感度係数ベクトルを用いて実験体系で測定した分布量が目的とする実機体系の分布量をどれだけ模擬しているかを模擬性評価因子として数値化して、最終的に目的とする実機体系の分布量の計算値の品質の定量的な評価を可能とするものである。
すなわち着目する物理量(分布量)に関して、実験体系ができる限り目的とする体系を模擬した状態であって、その実験体系について計算した計算値と実験で得られた測定値との一致が良いほど、計算に用いた手段(計算コードと数値パラメータ)の品質が良いとの保証が得られる。本発明の実施形態は、そのような判断を定量化された数値に基づいて行うことを可能とする装置を構築することである。
第1の対応として対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした結果の品質を、その対象を模擬した実験の結果を用いて判定する計算値品質判定部において、核分裂率分布(出力分布)等に代表される分布量(ベクトル量)について計算値と実験で得られた測定値との一致の程度を定量化する。
いま計算で得られた分布量を Q=(q 、q 、・・・q )とし、測定で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とする。
まず比較に際してQとQの次元(成分の数)が一致していること、すなわち、n=mが成立することが必要である。次にQとQの大きさを一致させる。
この場合、大きさについては分布量の物理的意味によって以下の2通りの評価の何れかで大きさを定義してその大きさを一致させ、規格化する。
Figure 2013020386
Figure 2013020386
ここで constとは一定の数値、例えば1を指す。分布量の物理的意味から上記の(1)式、(2)式の方式の何れかを選びQとQの大きさを一致させたのち、次に以下の何れかの式を用いたQとQの差として分布量相対差diffを定義する。
Figure 2013020386
diff=(Q−Q)/Q=(Q−Q)・Q/(Q・Q
=(Q・Q)/(Q・Q)−1 (4)
(3)式は、統計学で用いられるRoot Mean Squared error(差の二乗平均平方根)と呼ばれる式と同じ式であり、(4)式は、(2)式を適用していた場合、ベクトル量QとQがなす角度をθとすれば、cosθ−1と等しくなる。
なお(3)式も(4)式もQとQが一致するときには、分布量相対差diffはゼロとなる。
これで分布量QとQの差が定義され、目的とする実機体系における試験の代替実験として実施した実験の測定値と、設計コードによる計算値が、どの程度一致しているかについての第1の評価の指標が得られる。
分布量相対差diffができる限りゼロに近く、模擬性評価因子RFができる限り1に近いほど、実機体系について計算で求めた分布量の品質が高いと判断される。
次に、第2の評価として、実験体系で測定した分布量が目的とする体系の分布量をどれだけ模擬しているかの指標について説明する。
まず、物理量が分布系の場合についての感度係数ベクトルを定義する。
続いて、得られた感度係数ベクトルを用いて、実験体系で測定した分布量が目的とする体系の分布量をどれだけ模擬しているかを定量化した指標である模擬性評価因子を定義する。
最後に、実験体系の分布量の計算値の品質を確認することで目的とする体系の分布量の計算値の品質を確認できるか、定量的に評価する。
模擬性評価因子RF(Representativity factor)は、感度係数ベクトルSと誤差行列Wを用いて以下の式で定義される
RF=S WS/{(S WS1/2・(S WS1/2}(5)
ここで実験体系も目的とする実機体系も同じ種類の物理量 Qに注目するとして、 Sはその物理量に関する実験体系の感度係数ベクトル、Sはその物理量に関する目的とする実機体系の感度係数ベクトルである。
また、Wは着目するパラメータに関しての共分散誤差行列であり、実験体系と、目的とする実機体系とに共通するパラメータ入力値の不確かさを表す。共分散誤差行列の成分wijは、実験体系のパラメータのi番目の要素の相対誤差(Δp /p )と、目的とする実機体系のパラメータのj番目の要素の相対誤差(Δp /p )との積である。なお、パラメータの次元をLとして、i、jとも、1からLの範囲である。
一方、感度係数ベクトルSは、その次元をLとして、Sの i番目の成分s(i=1、2、・・・、L)は、
Figure 2013020386
で表される。
ここでpは着目するパラメータである。Sの次元Lはパラメータの種類の数に等しい。
上式は物理量Qがスカラー量であれば一意的に定義されるが、物理量Qが分布量すなわちベクトル量と扱える量であればベクトルの微分は自動的には定義されず、上式の扱いを拡張することが必要である。
ここで、実験体系と目的とする実機体系とで、注目する物理量である分布量の次元が同一の場合と異なる場合の2通りの評価方法でベクトル量Qの感度係数としての感度係数ベクトルSを定義する。
(同一次元の場合の評価方法)
まず、実験体系と目的とする実機体系とで、注目する物理量である分布量の次元が同一の場合について説明する。
数学的に自然な方法で模擬性評価因子の適用範囲をベクトル量に拡張する。
着目するパラメータp(i=1、2、・・・、L)に関しての微分から導かれる感度係数ベクトルであるベクトルSの次元をLとして、Sのi番目の成分をs(j=1、2、・・・、L)とすることは同じである。ただし成分s(j=1、2、・・・、L)をスカラーとはせず、ベクトルに拡張する。
Qはベクトル量(成分の数、すなわち次元がm)なのでk番目の成分q(k=1、2、・・・、m)それぞれについて特定のp(i=1、2、・・・、L)に関しての微分を考え、それを成分とする小ベクトルs(j=1、2、・・・、L)を考える。この場合、この小ベクトルsの成分の数、すなわち次元はmとなる。
すなわちここでsを次元mのベクトルとして、sの第k番目の成分ss (k=1、2、・・・、m)を、
Figure 2013020386
と定義する。
形式上の表現では
=(s,・・・,s
=((ss ,・・・,ss ),・・・,(ss ,・・・,ss ))
(8)
と表現できる。
また、SやSは、
=((ss ,・・・,(ss ),・・・,(ss ,・・・,(ss
=((ss ,・・・,(ss ),・・・,(ss ,・・・,(ss
(9)
と考える。また、
なお(7)式の評価上、(sと(sとの掛け算が生じた場合は、
Figure 2013020386
でベクトルの内積と設定する。
ただし内積が定義できるためには当然ながら(sと(sの次元がどちらもmで等しいことが必要となる。
この場合、共分散誤差行列W=(wuv)(u、v=1、2、…、L)を介した感度係数ベクトルの2次形式は、
Figure 2013020386
と表現できる。
ここで、同一次元の場合の評価方法の適用可能範囲を再び確認する。
(5)式の分子の演算においてまず分母の計算については小ベクトル自身の二段階の積が表れる。数学的に自然な定義として内積を適用した。
形式上、(1)式の分母の計算方法は問題が無いが、(5)式の分子S WSの計算を、これも二段階の内積とするならば、(sの小ベクトルs とSの小ベクトルと(sとの掛け算が生じる。
この際、成分数、すなわち実験体系の物理量であるベクトル量Qの次元と目的とする体系(実機)の物理量であるベクトル量Qの次元が一致する必要がある。
加えて小ベクトルの成分すなわち感度係数ベクトルが表す物理的意味において互いに掛け合わせることに意味をもつことが必要である。
翻って、以下のようなケースについては演算に問題が生じ、適用性は保証できない。 (ケース1)物理量を出力分布としたとき、出力分布について注目している空間点数がある。
例えば注目している燃料棒本数あるいは位置がある。
実験体系と目的とする体系(実機)の出力分布の注目点数が異なる場合がある。
例えば目的とする体系がBWR燃料集合体で9×9型すなわち81点であり、実験体系がBWR燃料集合体で8×8型すなわち64点のような場合である。
また、注目する燃料棒本数が異なる場合、Sの小ベクトルs と Sの小ベクトルs との掛け算において次元、すなわち燃料棒本数が一致しない場合がある。
このような場合には、内積の計算が成立しない。
また、例えばPWR17×17燃料集合体の出力分布を実験体系で13×13の空間で模擬した場合などもある。
(ケース2)実験体系と目的とする体系(実機)の出力分布の注目点数が同じ場合でも、燃料棒の種類が全く異なる場合は内積の物理的意味が定まらずに疑問点が生ずる。
例えば、実験体系と注目する体系のガドリニウム棒の挿入位置が異なる場合、内積ではウラン燃料棒の感度係数ベクトルとガドリニウム棒の感度係数ベクトルの掛け算が生じて妥当性が十分とは言えなくなる。
これらの場合の解決方法としては更に以下に述べる(異なる次元の場合の評価方法)で説明する。
(異なる次元の場合の評価方法)
次に、実験体系と目的とする実機体系とで、注目する物理量である分布量の次元が同一の場合と異なる場合、すなわち、同一次元の評価方法では適切でなかった前記ケース1およびケース2においても感度係数ベクトルを求めて模擬性評価因子を計算できる評価方法を示す。
以下に、評価方法2の評価手法を説明する。
感度係数Sはベクトルであり、この次元をLとして、Sのi番目の成分s(i=1、2、・・・、n)は、
Figure 2013020386
であった。
Figure 2013020386
の式の分母はスカラーであり、計算について何の問題もない。
そこで分子部分を以下の操作でスカラー化する。
Refはパラメータ変化前、これを基準系と呼ぶが、そのときの物理量であり、ベクトル量である。
Pertはパラメータ変化後、これを摂動系と呼ぶが、そのときの物理量であり、ベクトル量である。
Figure 2013020386
ここでQRef・QRefはQRefどうしの内積を表し、|QRef|はベクトルQRefの大きさ、cosθはベクトル量QRef とベクトル量QPertが形成する角度を表す。
なお、式(13)の最も左に示された値を計算する際は、同式2行目右側に示された式ではなく、同式2行目左側の式で計算するのが数値を扱う面では容易である。
またその場合、ベクトル量Qは出力分布であれば、計算の前に基準系QRefも摂動系 QPert も出力の値の合計が同じかあるいはベクトルの大きさが同じになるような規格化を行う必要がある。なぜなら規格化を行わなければ上式の最右辺に示された式では式の上で値が定まらないからである。
Figure 2013020386
この演算を繰り返す事で、計算に必要な感度係数ベクトルを得ることができる。
以上により、異なる次元の場合の評価方法、すなわち、物理量が分布系の場合について拡張して定義した感度係数ベクトルを用いて、拡張定義した模擬性評価因子RFを計算する方法により、実験体系で測定した分布量が、目的とする実機体系の分布量をどれだけ模擬しているかを評価することができる。
通常RFが0.9以上の場合、比較した2つの体系の模擬性、類似性が高いとされている。
以上に述べた方法に基づけば、計算で得られた分布量のベクトル量と実験で得られた分布量の一致の程度を定量的に評価し、加えて着目するパラメータに関して、実験で得られた分布量のベクトル量の目的とする実機体系の分布量に対する模擬性を模擬性評価因子RFを用いて定量評価することによって実機の分布量を計算で評価する際の妥当性の定量的比較が可能となる。
ただし分布量相対差diffが0に近い数値としてどの値で品質の良し悪しを判定するか、RFの値がどの数値よりも小さいときには実験体系を計算値の品質評価には用いないかは当該工学分野での技術者や設計責任者の判断により、評価する対象によって決定されるものであり、評価を実施する前の段階であらかじめ設定するものとする。
以下、図面を参照して本発明に係る品質評価装置の、以上述べた評価方法に基づく実施形態について説明する。ここで、同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
なお、実施形態は例示であり、発明の範囲は実施形態に限定されない。
ここで、本発明に係る品質評価装置の実施形態の構成とその処理の流れを説明する。
図1は、本発明に係る品質評価装置の実施形態におけるハードの全体構成を示すブロック図である。
コンピュータ30では、CPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、入力制御部35、表示制御部37、ハードディスク制御部39などが、バス40を介して接続されている。
入力制御部35には、キーボードやマウスなどの入力装置34が接続されている。表示制御部37には、液晶ディスプレイなどの表示装置36が接続されている。ハードディスク制御部39には、ハードディスク38が接続されている。
CPU31は、計算誤差を推定する誤差推定処理、およびその他の様々な演算処理や制御処理を行う。RAM32は、CPU31が処理を行う際に一時的にデータを記憶する。
ROM33あるいはハードディスク38は、測定値を介して得られる相対誤差、誤差行列、計算して得られた感度係数ベクトルなどをCPU31が処理するために必要なデータやプログラムを長期的に記憶する。演算開始の指示などコンピュータ30への入力は、入力装置34を介して行われる。
推定された誤差などの必要な情報は、表示装置36に表示される。
図2は、本発明に係る品質評価装置の実施形態の機能的な全体構成を示すブロック図である。
品質評価装置10は、実験体系分布量測定値記憶部11、実験体系分布量演算部12、実験体系分布量演算値記憶部13、実機体系分布量演算部14、実機体系分布量演算値記憶部15、計算値・測定値分布量相対差演算記憶部16、実験体系感度係数ベクトル演算記憶部17、実機体系感度係数ベクトル演算記憶部18、共分散誤差行列演算記憶部19、模擬性評価因子演算記憶部20、分布量相対差判定部21、模擬性評価因子判定部22、を有している。
この品質評価装置10は、コンピュータ30上に構築することができる。
図3は、本発明に係る品質評価装置の実施形態における誤差推定方法のフローチャートである。
図3に記載したS01〜S12は処理ステップを示す。
以下、図2の機能的構成を踏まえ、図3にしたがって、処理の流れを説明する。
まずシミュレーション計算を開始するに当たり、判断のための第1の規定値、第2の規定値が設定される(S01)。
次に、模擬実験体系が選定される(S02)。また、模擬実験体系での分布量の測定値が、実験体系分布量測定値記憶部11に記憶される(S03)。更に模擬更に分布量を計算する手法(シミュレーション方法)が選定される(S04)。分布量計算のためのパラメータ入力の選定と設定が行われる(S05)。
次に、共分散誤差行列演算記憶部19において、共分散誤差行列が導出され、結果が記憶される(S06)。
続いて、ステップS04において選定された計算手法とステップS05によって入力されたパラメータに基づき、実験体系分布量演算部12において実験体系の分布量のシミュレーション計算が実施され(S07)、得られた実験体系についての分布量の計算結果は、実験体系分布量演算値記憶部13に格納、記憶される(S08)。
ステップS03で実験体系分布量測定値記憶部11に記憶された模擬実験体系での分布量の測定値と、ステップS08で実験体系分布量演算値記憶部13に記憶された実験体系についての分布量の計算結果は、計算値・測定値分布量相対差演算記憶部16に出力され、分布量相対差diffの値が計算され、結果が格納、記憶される(S09)。
ステップS09の結果は、分布量相対差判定部21に出力され、前記のdiff値の絶対値が第1の規定値以下であるかどうかの判定がなされる(S10)。
diff値が第1の規定値を越える場合は、シミュレーションに用いた手法の見直しが行われる(S04)。
ステップS10でdiff値の絶対値が第1の規定値以下であると判定された場合には、引き続いて、ステップS04において選定された計算手法とステップS05によって入力されたパラメータに基づき、実機体系分布量演算部14において目的とする実機体系の分布量のシミュレーション計算が実行され、実機体系についての分布量について得られた計算結果は、実機体系分布量演算値記憶部15に格納、記憶される(S11)。
その後、実験体系感度係数ベクトル演算記憶部17において模擬実験の分布量の感度係数が導出され、記憶される(S12)。
また、併せて、実機体系感度係数ベクトル演算記憶部18において目的体系での分布量の感度係数が導出され、記憶される(S13)。
ステップS06で共分散誤差行列演算記憶部19において記憶された共分散誤差行列、ステップS12で実験体系感度係数ベクトル演算記憶部17に記憶された模擬実験の分布量の感度係数、ステップS13で実機体系感度係数ベクトル演算記憶部18に記憶された実機体系での分布量の感度係数に基づき、模擬性評価因子演算記憶部20において模擬性評価因子RFが計算、記憶される(S14)。
模擬性評価因子判定部22において、ステップS14で計算された模擬性評価因子RFと1.0との差の絶対値が第2の規定値以下であるか否かの判定がなされる(S15)。
第2の規定値を越える場合は、模擬実験体系は目的体系を十分模擬できていないとの判定がなされ、模擬実験体系の見直しが行われる(S15、S02)。
模擬性評価因子RFと1.0との差の絶対値が第2の規定値以下である場合は、すでに実験体系に関する分布量の計算結果は、実験結果による分布量と良好に一致しており、計算手法と選定された入力パラメータは妥当であり、実機体系の計算値の品質は十分であり合格、採用できるとの判断がなされ(S16)、以上の自動プロセスを終了する。
なお共分散誤差行列は原理的にはシミュレーションに用いる入力の全てについて定義されるものであるが、その評価が非常に困難である場合は共分散誤差行列を単位行列としてもよい。
本実施の形態によれば、対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした結果得られる目的とする体系の分布系の物理量の値の品質や信頼性を、その対象を模擬した実験の結果を用いて定量的に評価・判定できる。
以上、実施形態について説明したが、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の実施形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。
たとえば、実験体系における分布量の測定値と、その計算値との分布量相対差の演算にあたり、両者の大きさを合わせる方法は、実験体系の性格により、装置に式(1)を組み込み使用するか、式(2)を組み込み使用するか、あるいは、式(1)、(2)のいずれも組み込み使用時に選択できるようにするか、の方法、装置とすることが可能である。
また、実験体系と目的とする実機体系における注目する物理量たる分布量の次元が同一の場合と異なる場合の装置への反映についても、実験体系と実機体系との対応で、いずれかの場合のみを装置に反映するか、いずれも装置に反映し、選択できるようにするかの装置、方法も可能である。
さらに、以上のケースを組み合わせた装置、方法が可能である。
10 ・・・品質評価装置
11 ・・・実験体系分布量測定値記憶部
12 ・・・実験体系分布量演算部
13 ・・・実験体系分布量演算値記憶部
14 ・・・実機体系分布量演算部
15 ・・・実機体系分布量演算値記憶部
16 ・・・計算値・測定値分布量相対差演算記憶部
17 ・・・実験体系感度係数ベクトル演算記憶部
18 ・・・実機体系感度係数ベクトル演算記憶部
19 ・・・共分散誤差行列演算記憶部
20 ・・・模擬性評価因子演算記憶部
21 ・・・分布量相対差判定部
22 ・・・模擬性評価因子判定部
30 ・・・コンピュータ
31 ・・・CPU(中央演算処理装置)
32 ・・・RAM(Random Access Memory)
33 ・・・ROM (Read Only Memory)あるいは相対誤差、感度係数、誤差行列記憶装置
34 ・・・入力装置
35 ・・・入力制御部
36 ・・・表示装置
37 ・・・表示制御部
38 ・・・ハードディスク
39 ・・・ハードディスク制御部
40 ・・・バス

Claims (9)

  1. 対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いて複数の要素を有する物理量である分布量に関するシミュレーションの結果得られる数値の品質を、その目的とする実機体系を模擬した実験の結果を用いて自動的に推定する品質評価装置において、
    前記実験の結果得られる分布量の測定値Qを記憶する実験体系分布量測定値記憶部と、
    前記実験体系について前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られた前記分布量の計算値Qを記憶する実験体系分布量演算値記憶部と、
    前記実機体系について前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られた前記分布量の計算値Qを記憶する実機体系分布量演算値記憶部と、
    前記実験についての前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた前記分布量の計算値Qの、前記分布量の当該実験における測定値Qに対する前記分布量相対差diffを、前記各要素間の差に基づいて計算し記憶する分布量相対差演算記憶部と、
    実験の体系において前記分布量に関して前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた値Qの、前記モデル中の複数のパラメータの各入力値単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルSを計算して記憶する実験体系感度係数ベクトル演算記憶部と、
    目的とする実機体系において前記分布量に関して前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた値Qの、モデル中の複数のパラメータの各入力値単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルSを計算して記憶する実機体系感度係数ベクトル演算記憶部と、
    シミュレーションに用いる前記モデルへの前記パラメータの各入力値の不確かさの割合の関係を示す共分散誤差行列Wを演算し記憶する共分散誤差行列演算記憶部と、
    RF=S WS/{(S WS1/2(S WS1/2}として実験体系と目的とする実機体系との模擬性を模擬性評価因子として定義する該RF値により評価する模擬性評価因子演算記憶部と、
    前記分布量相対差演算記憶部からの出力である分布量相対差が第1の規定値以下か否かを判定しその規定値を越えれば対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いて複数の要素を有する物理量である分布量に関するシミュレーションの手法を変更する分布量相対差判定部と、
    前記模擬性評価因子演算記憶部からの出力である模擬性評価因子と1との差が第2の規定値以下か否かを判定しその規定値を超えれば目的とする実機体系を模擬した実験の結果を変更すべき旨を出力する模擬性評価因子判定部と、
    を有することを特徴とする品質評価装置。
  2. 前記分布量相対差diffの計算は、
    計算で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、測定で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、まず比較に際してQとQの成分数であるnとmとが一致していることを確認した後、QとQの大きさを以下の式で一致させ、
    Figure 2013020386
    その後に、分布量相対差diffを
    Figure 2013020386
    により計算することを特徴とする請求項1に記載の品質評価装置。
  3. 前記分布量相対差diffの計算は、
    計算で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、測定で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、まず比較に際してQとQの成分数であるnとmとが一致していることを確認した後、QとQの大きさを以下の式で一致させ、
    Figure 2013020386
    その後に、分布量相対差diffをdiff=(Q−Q)/Q=(Q−Q)・Q/(Q・Q)=(Q・Q)/(Q・Q)−1(ここで・は内積を示す)により計算することを特徴とする請求項1に記載の品質評価装置。
  4. 前記分布量相対差diffの計算は、
    計算で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、測定で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、まず比較に際してQとQの成分数であるnとmとが一致していることを確認した後、QとQの大きさを以下の式で一致させ、
    Figure 2013020386
    その後に、分布量相対差diffを
    Figure 2013020386
    で計算することを特徴とする請求項1に記載の品質評価装置。
  5. 前記分布量相対差diffの計算は、
    計算で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、測定で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、まず比較に際してQとQの成分数であるnとmとが一致していることを確認した後、QとQの大きさを以下の式で一致させ、
    Figure 2013020386
    その後に、分布量相対差diffをdiff=(Q−Q)/Q=(Q−Q)・Q/(Q・Q)=(Q・Q)/(Q・Q)−1(ここで・は内積を示す)により計算することを特徴とする請求項1に記載の品質評価装置。
  6. 前記感度係数ベクトルSおよびSの計算は、
    計算で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、測定で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、まず比較に際してQとQの成分数であるnとmとが一致していることを確認した後、QとQの大きさを以下の式で一致していることを確認した後、
    計算上の入力パラメータで着目するものをpとして、感度係数ベクトルSの次元Lはパラメータの種類の数として、Sのi番目の成分s(i=1、2、…、L)を
    Figure 2013020386
    で定義する際、k番目の成分q(k=1,2,…,m)それぞれについて特定のp(i=1,2,…,L)に関しての微分を考え、それを成分とするm次元の小ベクトルs(i=1、2、…、L)を考え、sを次元mのベクトルとしてsの第k番目の成分ss (k=1,2,…,m)を
    Figure 2013020386
    と定義し、実験体系の感度係数ベクトルをS、目的とする体系(実機体系の)感度係数ベクトルをSとした場合、
    =((ss 、・・・、ss 、・・・(ss 、・・・、ss
    =((ss 、・・・、ss 、・・・(ss 、・・・、ss
    として、更にSとSの成分S とS どうしの乗算が生じた場合は、
    ×S
    =(ss 、ss 、…、ss ・(ss 、ss 、…、ss
    によりベクトルの内積の演算方式で計算すること、
    を特徴とする請求項1に記載の品質評価装置。
  7. 前記感度係数ベクトルSおよびSの計算は、
    計算で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、測定で得られた分布量をQ=(q 、q 、・・・q )とし、まず比較に際してQとQの成分数であるnとmとが一致していることを確認した後、QとQの大きさを以下の式で一致していることを確認した後、
    計算上の入力パラメータで着目するものをpとして、感度係数ベクトルSの次元Lはパラメータの(種類)数として、Sのi番目の成分s(i=1、2、…、L)を
    Figure 2013020386
    で定義する際、
    Figure 2013020386
    の式の分子部分をQrefはパラメータ変化前の基準系での物理量(ベクトル)でQPertはパラメータ変化後の摂動系での物理量(ベクトル)として、基準系におけるQrefも摂動系におけるQPertもベクトルの大きさを規格化した後、下記の式
    Figure 2013020386
    (ここでQref・QrefはQrefどうしの内積、|Qref|はベクトルQrefの大きさ、cosθはベクトル量Qrefとベクトル量QPertが形成する角度)で計算すること、
    Figure 2013020386
    を特徴とする請求項1に記載の品質評価装置。
  8. 対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした結果得られる分布量の数値の品質を、その対象を模擬した実験の結果を用いて推定する品質評価装置において、
    実験についての前記モデルを用いたシミュレーションで得られたある分布量Rの計算値の当該実験で測定された当該分布量Rの測定値に対する分布量相対差diff値を計算し記憶する相対差記憶部と、
    実験の体系について前記モデルを用いてシミュレーションした結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルS を計算して記憶する実験体系感度係数ベクトル記憶部と、
    目的とする実機体系について前記モデルを用いてシミュレーションした結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルS を計算して記憶する実機体系感度係数ベクトル記憶部と、
    シミュレーションに用いる前記モデルへの入力値の不確かさの割合の関係を示す共分散誤差行列として単位行列Eを記憶する共分散誤差行列演算記憶部と、
    RF=S ES/{(S ES1/2(S ES1/2
    として目的とする体系(実機体系)と実験体系についての模擬性RFを評価する模擬性評価演算部を有することを特徴とする請求項1記載の品質評価装置。
  9. 対象の挙動をコンピュータ上に表現したモデルを用いて複数の要素を有する物理量である分布量Qに関するシミュレーションの結果得られる数値の品質を、その目的とする実機体系を模擬した実験の結果を用いて自動的に推定する品質評価方法であって、
    実験体系分布量測定値記憶部でコンピュータがする処理が、前記実験の結果得られる分布量の測定値Qを記憶するステップであり、
    実験体系分布量演算値記憶部でコンピュータがする処理が、前記実験体系についての前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られた前記分布量の計算値Qを記憶するステップであり、
    実機体系分布量演算値記憶部においてコンピュータがする処理が、前記実機体系についての前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られた前記分布量の計算値Qを記憶するステップであり、
    分布量相対差演算記憶部においてコンピュータがする処理が、前記実験についての前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた前記分布量Qの計算値Qの、前記分布量の当該実験における測定値Qに対する分布量相対差diffを、において前記各要素間の差に基づいて計算し記憶するステップであり、
    分布量相対差判定部においてコンピュータがする処理が、前記分布量相対差演算記憶部からの出力である分布量相対差が第1の規定値以下か否かを判定し、その規定値を越えればシミュレーション手法を変更するべき旨を出力し計算モデルや手法を変更するステップであり、
    実験体系感度係数ベクトル演算記憶部においてコンピュータがする処理が、実験の体系において前記分布量Qに関して前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた値Qの、モデル中の複数のパラメータの各入力値単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルSを計算して記憶するステップであり、
    実機体系感度係数ベクトル演算記憶部においてコンピュータがする処理が、目的とする実機体系において前記分布量Qに関して前記モデルを用いてシミュレーションした結果得られた値Qの、モデル中の複数のパラメータの各入力値単位変化に対する変化量を表す感度係数ベクトルSを計算して記憶するステップであり、
    共分散誤差行列演算記憶部においてコンピュータがする処理が、模擬性評価因子演算記憶部においてコンピュータがする処理が、シミュレーションに用いる前記モデルへの前記パラメータの各入力値の不確かさの割合の関係を示す共分散誤差行列Wを演算し記憶するステップであり、
    模擬性評価因子演算記憶部においてコンピュータがする処理が、RF=S WS/{(S WS1/2(S WS1/2}として実験体系と目的とする実機体系との模擬性を、模擬性評価因子として定義する該RF値により評価するステップであり、
    模擬性評価因子判定部においてコンピュータがする処理が、前記模擬性評価因子演算記憶部からの出力である模擬性評価因子と1との差が第2の規定値以下か否かを、判定しその規定値以下でなければ別の模擬実験体系の選定を行うべき旨を出力するステップである、
    ことを特徴とする品質評価方法。
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