JP2013019400A - 吸入空気量演算方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの運転状態によらず吸入空気量が精度よく演算できる吸入空気量演算方法を提供する。
【解決手段】あらかじめ基準運転状態にて測定された体積効率η0を基本式に使用し、エンジンパラメータの変動による体積効率の変動分を補正するために、あらかじめ基準運転状態にて測定された当該エンジンパラメータと現在の当該エンジンパラメータとの比に基づいた補正項により、基本式の演算値を補正する。
【選択図】なし

Description

本発明は、エンジンの運転状態によらず吸入空気量が精度よく演算できる吸入空気量演算方法に関する。
吸入空気量は、エンジン制御に重要なエンジンパラメータの一つである。吸入空気量を検出するために、エンジンの吸気管に空気流量センサ(Mass Airflow sensor;以下、MAFセンサという)が設置される。これとは別に吸入空気量以外のエンジンパラメータを使用して、演算により吸入空気量を求めるスピードデンシティ方式が知られている。スピードデンシティ方式を導入すると、スピードデンシティ方式による演算値とMAFセンサによる検出値とを比較してMAFセンサの診断や校正をしたり、演算値を検出値に置き換えてエンジン制御に使用したりすることができる。さらには、MAFセンサを搭載しないで演算値のみをエンジン制御に使用する廉価な車両を提供することも可能となる。
従来技術では、吸入空気量は、演算式(1)で与えられる。
ただし、
Mair =吸入空気量
Rair =空気のガス定数
TAIm =吸気温度(インマニ温度)
PAIm =吸気圧力(ブースト圧力、インマニ圧力)
PA_A =大気圧
Vcyl =総排気量
Ne =エンジン回転数
η =体積効率
273=摂氏温度を絶対温度に変換する値
2 =4気筒における1回転での吸気行程回数
60 =rpmで表されるエンジン回転数を1秒当たりに変換する値
である。
空気のガス定数Rairは固定値である。吸気温度TAImは吸気マニホールドにおける吸気の温度であり、吸気温度センサにより検出される。吸気温度TAImは摂氏で検出されるので273を加えて絶対温度とする。吸気圧力PAImは吸気マニホールドにおける吸気の圧力であり、ブースト圧センサにより検出される。大気圧PA_Aは大気圧センサにより検出される。吸気圧力PAImは、ゲージ圧力として検出されるので、大気圧PA_Aを足すことで絶対圧力となる。総排気量Vcyl はエンジンに固有の値である。エンジン回転数Neはクランク角センサにより検出される。体積効率ηは、シリンダ断面積とピストンストローク長で決まる機械的なシリンダの容量と実際にシリンダに吸入される空気量との比率で表される定数である。
このように、吸入空気量の演算式(1)は、吸気温度TAImと吸気圧力PAImとエンジン回転数Neとを入力変数とし、体積効率ηを定数とする。
特開2010−116857号公報
ところが、本発明者は、前述の入力変数とそれ以外も含む各種のエンジンパラメータを変動させてエンジンを運転し、そのとき得られる入力変数を用いて吸入空気量演算を行い、演算値を評価する実験を行ったところ、特定のエンジンパラメータが変動すると吸入空気量の誤差が変動することを見出し、この原因は、当該エンジンパラメータが表しているエンジンの運転状態に応じて体積効率が変動するからではないかと推測した。体積効率がエンジンの運転状態に応じて変動するので、吸入空気量の演算値に誤差が生じると考えられる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、エンジンの運転状態によらず吸入空気量が精度よく演算できる吸入空気量演算方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の吸入空気量演算方法は、ブースト圧と吸気温度とエンジン回転数を入力変数とし体積効率を定数とする基本式により吸入空気量を演算する吸入空気量演算方法において、あらかじめ基準運転状態にて測定された体積効率を前記基本式に使用し、エンジンパラメータの変動による体積効率の変動分を補正するために、あらかじめ基準運転状態にて測定された当該エンジンパラメータと現在の当該エンジンパラメータとの比に基づいた補正項により、前記基本式の演算値を補正するものである。
前記補正項のエンジンパラメータとして吸気温度が使用されてもよい。
前記補正項のエンジンパラメータとして冷却水水温が使用されてもよい。
前記補正項のエンジンパラメータとして吸気対排気圧力比が使用されてもよい。
前記補正項は、あらかじめ基準運転状態にて測定された当該エンジンパラメータと現在の当該エンジンパラメータとの比の冪乗であってもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)エンジンの運転状態によらず吸入空気量が精度よく演算できる。
本発明の吸入空気量演算方法が適用されるエンジン及び吸排気系の構成図である。 従来の吸入空気量演算方法による演算値の誤差を示すグラフである。 本発明の吸入空気量演算方法により、吸気温度補正項、冷却水水温補正項、吸気対排気圧力比補正項を全て使用した場合の演算値の誤差を示すグラフである。 本発明の吸入空気量演算方法により、吸気温度補正項、冷却水水温補正項を使用した場合の演算値の誤差を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、エンジン1の吸気管2にMAFセンサ3が設置される。吸気管2には、MAFセンサ3の下流にターボチャージャ4のコンプレッサ5が接続され、コンプレッサ5の下流にインタークーラ6が接続される。インタークーラ6の下流では、吸気管2に吸気スロットル7が設置され、吸気スロットル7の下流で吸気管2がエンジン1の吸気マニホールド8に接続される。エンジン1の排気マニホールド9に排気管10が接続され、排気管10の下流はターボチャージャ4のタービン11に接続される。タービン11には、過給量の調整弁12が設けられる。排気マニホールド9と吸気マニホールド8の間には、EGR管13が設けられる。EGR管13には、EGRクーラ14とEGR弁15が設けられる。
吸気管2には、吸気温度センサ16が設けられる。吸気温度センサ16の設置場所は、図示のように吸気スロットル7の入口側でもよいし、吸気スロットル7の出口側でもよい。吸気温度を検出する吸気マニホールド8には、吸気圧力を検出するブースト圧センサ17が設けられる。エンジン1のクランク軸(図示せず)には、クランク軸の回転を検出するクランク角センサ18が設けられる。エンジン1の冷却水循環系の、例えば、ウォータジャケット(図示せず)に、冷却水の温度を検出する冷却水水温センサ19が設けられる。排気マニホールド9には、排気圧力を検出する排気圧力センサ20が設けられる。大気圧を検出する大気圧センサ21とエンジン1の電子制御を行う電子制御装置(Electronical Control Unit;ECU)22は、エンジン1を搭載した車両内の適宜な場所に設置される。ECU22には、吸入空気量の演算プログラムとその演算に使用する定数やマップが格納される。
本発明の吸入空気量演算方法における吸入空気量の演算式(2)は、基本式と3つの補正項とからなる。基本式は、従来技術で述べた演算式(1)と同等である。補正項は、体積効率の変動をもたらすエンジンパラメータごとに独立に設定され、いずれも基本式に対する係数の項(かけ算する項)となる。本実施形態では、体積効率の変動をもたらすエンジンパラメータとして、吸気温度と冷却水水温と吸気対排気圧力比を使用している。したがって、3つの補正項は、吸気温度補正項、冷却水水温補正項、吸気対排気圧力比補正項となる。
ただし、
Mair =吸入空気量
Rair =空気のガス定数
TAIm =吸気温度(インマニ温度)
PAIm =吸気圧力(ブースト圧力、インマニ圧力)
PA_A =大気圧
Vcyl =総排気量
Ne =エンジン回転数
η0 =基準体積効率
273=摂氏温度を絶対温度に変換する値
2 =4気筒における1回転での吸気行程回数
60 =rpmで表されるエンジン回転数を1秒当たりに変換する値
TAIm0 =基準吸気温度(基準インマニ温度)
m =吸気温度補正乗数
THW =冷却水水温
THW0 =基準冷却水水温
a =冷却水水温補正乗数
PETbI =排気圧力(タービン入口圧力)
PAIm0 =基準吸気圧力(基準ブースト圧力、基準インマニ圧力)
PETbI0 =基準排気圧力(基準タービン入口圧力)
PA_A0 =基準大気圧
n =圧力比補正乗数
である。
基準体積効率η0、基準吸気温度TAIm0、基準冷却水水温THW0、基準吸気圧力PAIm0、基準排気圧力PETbI0、基準大気圧PA_A0には、実験により測定及び演算して求められた値が設定される。吸気温度補正乗数m、冷却水水温補正乗数a、圧力比補正乗数nには、実験により演算して求められた値が設定される。ただし、ECU22に基本演算命令として冪乗演算命令が搭載されていない場合は、冪乗演算については、近似式あるいはマップをECU22に格納することになる。
設定する数値を求めるための実験は、燃料量、エンジン回転数、吸入空気温度、冷却水水温など所望するエンジンパラメータをエンジン外部から任意の値に制御できるエンジンテストベンチ等の実験設備にて行われる。
基準体積効率η0とその他の基準値を求める方法を詳しく説明する。
エンジン1が定常運転状態(過渡的でない運転状態)のときに、精密に校正された測定器で吸入空気量Mairを実測し、この吸入空気量Mairと吸気温度TAImと吸気圧力PAImとエンジン回転数Neとから基本式を逆算して基準体積効率η0を求める。燃料量とエンジン回転数とをそれぞれ適宜な刻みで変更し、定常運転状態にて実測した吸入空気量Mairから基本式を逆算して基準体積効率η0を求め、各基準体積効率η0を燃料量とエンジン回転数を参照軸としてマップに設定する。ただし、燃料量がない状態では、外力でエンジン1を回転させるモータリング運転により強制的に吸排気させ、実測した吸入空気量Mairから基本式を逆算して基準体積効率η0を求める。
基準体積効率η0を求めたときの運転状態を基準運転状態とする。基準運転状態の際の吸入空気温度、冷却水水温、吸気圧力、排気圧力、大気圧の値を基準値とする。これにより、基準吸気温度TAIm0、基準冷却水水温THW0、基準吸気圧力PAIm0、基準排気圧力PETbI0、基準大気圧PA_A0が得られる。これらの基準値は、基準体積効率η0と同様に燃料量とエンジン回転数を参照軸としてマップに設定する。
次に、吸気温度補正乗数m、冷却水水温補正乗数a、圧力比補正乗数nを求める方法を詳しく説明する。
まず、ステップS1にて、エンジン1を基準運転状態で運転する。
次いで、ステップS2にて、吸気温度、冷却水水温、吸気対排気圧力比のうち所望する1つのエンジンパラメータが変動するよう、運転状態を変動させる。当該エンジンパラメータが変動した運転状態で、精密に校正された測定器で吸入空気量Mairを実測し、吸入空気量Mairから基本式を逆算して体積効率を求め、当該エンジンパラメータの変動分に対する体積効率の変動の割合(例えば、グラフの傾き)から補正乗数の仮値を求める。
例えば、吸気温度が変動するように運転状態を変動させたとき、吸気温度の変動分に対する体積効率の変動の割合から吸気温度補正乗数mの仮値を求めることができる。冷却水水温が変動するように運転状態を変動させたとき、冷却水水温の変動分に対する体積効率の変動の割合から冷却水水温補正乗数aの仮値を求めることができる。吸気対排気圧力比が変動するように運転状態を変動させたとき、吸気対排気圧力比の変動分に対する体積効率の変動の割合から圧力比補正乗数nの仮値を求めることができる。
しかし、ステップS2で補正乗数の仮値を求めるにあたり、所望する1つのエンジンパラメータを変動させようと運転状態を変動させた際、純粋に所望したエンジンパラメータのみを変動させることは不可能であり、所望しないエンジンパラメータも随伴して変動してしまう。つまり、ステップS2で求めた補正乗数仮値は、所望しないエンジンパラメータの変動の影響を含んだものである。
ステップS3では、ステップS2と同様に所望する1つのエンジンパラメータが変動するよう、運転状態を変動させ、当該エンジンパラメータが変動した運転状態で、精密に校正された測定器で吸入空気量Mairを実測する。この吸入空気量Mairを用い、基本式に当該補正乗数を求める対象以外の補正項が付いた演算式を逆算して体積効率を求める。
例えば、吸気温度補正乗数mを求める場合は、基本式と冷却水水温補正項と吸気対排気圧力比補正項の積が吸入空気量Mairである演算式を用い、各補正項には既に求めた補正乗数仮値を代入し、演算式を逆算して体積効率を求める。この体積効率からステップS2と同様に補正乗数仮値を求めるが、このとき求まる補正乗数仮値はステップS2で求めた補正乗数仮値に比べて、随伴して変動してしまった所望しないエンジンパラメータの変動の影響が少ない補正乗数仮値に更新されている。
冷却水水温補正乗数aを求める場合は、基本式と吸気温度補正項と吸気対排気圧力比補正項の積が吸入空気量Mairである演算式を用い、吸気温度補正乗数mを求めた場合と同様にして補正乗数仮値を更新する。圧力比補正乗数nを求める場合は、基本式と吸気温度補正項と冷却水水温補正項の積が吸入空気量Mairである演算式を用い、同様に補正乗数仮値を更新する。
ステップS3は、1回に限らず、複数回繰り返して各補正乗数仮値を順次更新してもよい。最終的に更新された補正乗数仮値を補正乗数として終了する。これにより、随伴して変動してしまった所望しないエンジンパラメータの変動の影響を可能な限り取り除いた状態にて、精度よく補正乗数を求めることができる。繰り返しの回数を多くすることで精度が増すが、回数は要求精度に応じて何回にしてもよく、特に回数は限定しない。
以上の手順により、各補正乗数が燃料量とエンジン回転数を参照軸とするマップに設定される。
次に、本発明の吸入空気量演算方法の原理と作用効果を説明する。
本発明者は、堆積効率変動の要因となるエンジンパラメータが変動したときの演算値の誤差を評価する実験を行った。具体的には、吸気温度と冷却水水温と吸気対排気圧力比の3つのエンジンパラメータを個別に変動させてエンジン1を運転し、吸気温度TAImと吸気圧力PAImとエンジン回転数Neの入力変数を用いて従来の演算式(1)による吸入空気量演算を行い、一方で精密に校正された測定器で吸入空気量を測定し、測定値と演算値の誤差を評価する実験を行った。例として、表1に、実験番号#0〜#12におけるエンジンパラメータの設定を示す。このように、冷却水水温については、標準(80℃)と85℃と45℃の3段階を設定し、吸気温度については厳密な数値で設定できないので、標準と標準より高側と標準より低側の3段階を設定し、吸気対排気圧力比については排気抵抗の増加を想定し、無負荷最高回転時の排気圧力を調整し、標準と+10kPaの2段階に設定するものとした。
図2に示されるように、実験番号#0〜#12の各実験において、測定値と演算値には誤差が生じた。各実験における誤差は、−3%から+2%の広い幅で分布している。これは、体積効率が実際はエンジン1の運転状態に応じて変動するにもかかわらず、演算式(1)では体積効率ηを固定値としているからである。
吸気温度について考察すると、気体は吸気マニホールド8からエンジン1の各シリンダに吸気ポートを経由して吸入される。このような吸気の動作がエンジン回転数に応じ1秒間に数十回、繰り返し行われる。このとき、気体の吸入されやすさは気体の粘性の影響を受ける。気体の粘性は、温度に依存するので、吸気温度によって気体の粘性が変動して、シリンダへの気体の吸入されやすさが変動する。このため、吸気温度の変動によって体積効率が変動することになる。
冷却水水温について考察すると、シリンダや吸気マニホールド8の壁温度は、通常、大気温度より高い。吸気管から吸気マニホールド8を経由してシリンダに入ってきた気体は、壁に暖められて膨張するため、その後から入ろうとする気体を阻害する。壁温度によって、シリンダへ入ろうとする気体への阻害の大きさが異なる。冷却水水温は壁温度を反映しており、したがって、冷却水水温の変動によって体積効率が変動することになる。
吸気対排気圧力比について考察すると、排気管10には、排気ガスフィルタなどの後処理装置(図示せず)が設けられる。後処理装置の詰まり具合によって、シリンダから出ていく排気量が変動する。すなわち、後処理装置に捕集物が多く溜まっていると、排気抵抗が大きくなるため、シリンダから出ていかない気体が存在することになる。このような現象を内部EGRという。内部EGRが起きると、シリンダに気体が入りにくくなり、体積効率が変動する。内部EGRの程度は、吸気圧力と排気圧力の比で表すことができる。つまり、吸気対排気圧力比の変動によって体積効率が変動することになる。
ここまでの考察によれば、体積効率は、吸気温度と冷却水水温と吸気対排気圧力比のいずれの変動によっても変動し、しかも各々は個別の事象である。そこで、本発明者は、基準運転状態にて測定された体積効率(基準値)を使用する基本式で演算を行い、その演算値をこれらのエンジンパラメータごとに補正することを考えた。補正項は、基本式に対して係数となる項とし、あらかじめ基準運転状態にて測定された当該エンジンパラメータ(基準値)と現在の当該エンジンパラメータ(センサ値)との比に基づくものとした。比で表された項は、分母である基準値より分子であるセンサ値が大きければ1より大きく、基準値よりセンサ値が小さければ1より小さくなる。この比の冪乗をとることで、補正項を体積効率の変動分に合わせ込むことができる。すなわち、冪乗に用いる補正乗数を、実験時の測定結果と演算結果が一致するよう近似させて求める。具体的な補正乗数の求め方は既に説明した通りである。
このようにして、本発明の吸入空気量演算方法では、基本式に補正項を付加した吸入空気量の演算式(2)を使用することになった。
図3の実験結果は、吸気温度補正項、冷却水水温補正項、吸気対排気圧力比補正項を全て使用した場合のものである。前述と同様の実験番号#0〜#12の実験を実施し、演算式(2)による吸入空気量演算を行い、測定値と演算値の誤差を評価したところ、図3に示されるように、全ての実験番号#0〜#12の誤差が−0.5〜+0.8%以内となった。図2と比較すると、エンジンパラメータの設定によらず、誤差が顕著に小さいことが分かる。これより、本発明の吸入空気量演算方法は、体積効率に影響を与える吸気温度、冷却水水温、吸気対排気圧力比が変動しても吸入空気量が精度よく演算できることが確認できた。
図4の実験結果は、吸気温度補正項と冷却水水温補正項を使用し、吸気対排気圧力比補正項は使用しなかった場合のものである。図3の実験結果と比較すると、エンジン回転数が低い領域では誤差は同程度であるが、高い領域において誤差の範囲が拡がる傾向にある。言い換えると、吸気対排気圧力比補正は、エンジン回転数が低い領域では大きな効果は示さないがエンジン回転数が高い領域で効果が顕著である。このことから、エンジン1の用途が高速回転を必要としない用途である場合、吸気対排気圧力比補正を省略しても吸入空気量の演算は誤差が小さいことが分かる。
この他にも、吸気温度補正のみを行う実験、冷却水水温補正のみを行う実験、吸気対排気圧力比補正のみを行う実験を行ったところ、冷却水水温補正のみの補正効果として、基本式による誤差が−5.1%であったものが0.9%に改善され、吸気温度補正のみの補正効果として、 基本式による誤差が1.5%であったものが0.2%に改善され、吸気対排気圧力比補正のみの補正効果として、基本式による誤差が2.1%であったものが−0.1%に改善された。
以上説明したように、従来の吸入空気量演算方法では、エンジン1の運転状態によらず演算式(1)の体積効率ηが固定値であったため、エンジン1の運転状態に応じて実際の体積効率が変動すると、吸入空気量が精度よく演算できなかったのに対し、本発明の吸入空気量演算方法によれば、基準体積効率η0を使用する基本式に、エンジンパラメータの変動による体積効率の変動分を補正する補正項を付加したので、体積効率の変動に対応でき、吸入空気量が精度よく演算できる。
本発明の吸入空気量演算方法によれば、1つのエンジンパラメータごとに補正項を設けたので、複数のエンジンパラメータの変動に個別に対応でき、しかも、重ね合わせることが可能となる。なお、実施形態では、体積効率の変動に寄与するエンジンパラメータとして、吸気温度と冷却水水温と吸気対排気圧力比とを取り扱ったが、この他にも体積効率の変動に寄与するエンジンパラメータがあれば、同様の補正項を設けることで対応できる。
本発明の吸入空気量演算方法によれば、補正項が基準運転状態にて測定されたエンジンパラメータと現在のエンジンパラメータとの比を補正乗数で冪乗して求められるので、エンジンパラメータの変動による体積効率の変動が補正項に適切に反映される。なお、複数機種のエンジンに対する実験から、補正乗数はエンジン機種に依存せず、同じような値になることが分かった。
1 エンジン
2 吸気管
3 MAFセンサ
8 吸気マニホールド
9 排気マニホールド
16 吸気温度センサ
17 ブースト圧センサ
18 クランク角センサ
19 冷却水水温センサ
20 排気圧力センサ
21 大気圧センサ

Claims (5)

  1. ブースト圧と吸気温度とエンジン回転数を入力変数とし体積効率を定数とする基本式により吸入空気量を演算する吸入空気量演算方法において、
    あらかじめ基準運転状態にて測定された体積効率を前記基本式に使用し、
    エンジンパラメータの変動による体積効率の変動分を補正するために、あらかじめ基準運転状態にて測定された当該エンジンパラメータと現在の当該エンジンパラメータとの比に基づいた補正項により、前記基本式の演算値を補正することを特徴とする吸入空気量演算方法。
  2. 前記補正項のエンジンパラメータとして吸気温度が使用されることを特徴とする請求項1記載の吸入空気量演算方法。
  3. 前記補正項のエンジンパラメータとして冷却水水温が使用されることを特徴とする請求項1又は2記載の吸入空気量演算方法。
  4. 前記補正項のエンジンパラメータとして吸気対排気圧力比が使用されることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の吸入空気量演算方法。
  5. 前記補正項は、あらかじめ基準運転状態にて測定された当該エンジンパラメータと現在の当該エンジンパラメータとの比の冪乗であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の吸入空気量演算方法。
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