JP2013018893A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの発熱性を悪化させることなく、トレッドの耐カット性及び耐摩耗性を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ベースゴム2と該ベースゴム2のタイヤ半径方向外側に位置するキャップゴム3とを含むトレッドゴム1を、トレッド部6に具えるタイヤにおいて、前記ベースゴム2に、ゴム成分100質量部に対してアラミド短繊維を1〜10質量部配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤ、特には、発熱性を悪化させることなく、トレッドの耐カット性及び耐摩耗性を向上させた空気入りタイヤに関するものである。
従来、ベースゴムと該ベースゴムのタイヤ半径方向外側に位置するキャップゴムとを含むトレッドゴム、所謂、キャップ/ベース構造のトレッドゴムを、トレッド部に具えるタイヤにおいて、耐摩耗性を向上させることを目的として、カーボンブラックの配合量を増加させたゴム組成物や、粒径のより小さなカーボンブラックを配合したゴム組成物や、加硫剤の配合量を増加させたゴム組成物をベースゴムに適用することが試みられている。かかるゴム組成物をベースゴムに適用したタイヤは、ベースゴムの弾性率が向上しているため、トレッド表面の動きが抑制され、耐摩耗性が向上している。
特開平7−61209号公報
しかしながら、上記のようなベースゴムの弾性率を向上させたタイヤにおいては、キャップゴムが歪みを負担するため、タイヤの発熱性が悪化するという問題があった。また、キャップ/ベース構造のトレッドゴムを、トレッド部に具えるタイヤ、特には、重荷重用空気入りタイヤにおいては、トレッドの耐摩耗性の向上と共に、耐カット性の向上も求められている。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤの発熱性を悪化させることなく、トレッドの耐カット性及び耐摩耗性を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、キャップ/ベース構造のトレッドゴムをトレッド部に具えるタイヤにおいて、アラミド短繊維を配合したゴム組成物をベースゴムに用いることで、タイヤの発熱性を悪化させることなく、トレッドの耐カット性及び耐摩耗性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、ベースゴムと該ベースゴムのタイヤ半径方向外側に位置するキャップゴムとを含むトレッドゴムを、トレッド部に具え、
前記ベースゴムに、ゴム成分100質量部に対してアラミド短繊維を1〜10質量部配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記アラミド短繊維は、少なくともポリエポキシド化合物を含む処理剤での処理及び/又はレゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス(RFL)を含む処理剤での処理が施されていることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記トレッドゴムは、該トレッドゴムの全厚さ(T)に対する前記ベースゴムの厚さ(Tb)の比(Tb/T)が0.1〜0.5であることが好ましい。ここで、トレッドの厚さは、幅方向中心のタイヤ赤道上で測定される。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記アラミド短繊維は、長さが0.5mm〜3mmで、直径が0.5μm〜50μmであることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記ベースゴムは、タイヤ周方向の複素弾性率(E*c)とタイヤ半径方向の複素弾性率(E*r)との比(E*c/E*r)が1.2〜4.0であることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤは、重荷重用空気入りタイヤであることが好ましい。ここで、前記トレッドゴムの全厚さ(T)は、25mm以上であることが好ましく、トレッドの厚さは、幅方向中心のタイヤ赤道上で測定される。
本発明によれば、キャップゴムとベースゴムとを含むトレッドゴムをトレッド部に具える空気入りタイヤにおいて、アラミド短繊維を配合したゴム組成物をベースゴムに用いることで、タイヤの発熱性を悪化させることなく、トレッドの耐カット性及び耐摩耗性を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤのトレッドゴムの一例の部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤの一例の断面図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の空気入りタイヤは、ベースゴムと該ベースゴムのタイヤ半径方向外側に位置するキャップゴムとを含むトレッドゴムを、トレッド部に具え、前記ベースゴムに、ゴム成分100質量部に対してアラミド短繊維を1〜10質量部配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤのベースゴムには、アラミド短繊維を配合したゴム組成物が用いられており、アラミド短繊維がタイヤ周方向に配向しているため、ベースゴムのタイヤ周方向の弾性率が向上し、その結果として、タイヤ踏面接触部の回転方向の滑り量が小さくなり、トレッドゴムの耐摩耗性及び耐カット性が向上している。また、アラミド短繊維がタイヤ周方向に配向しているため、タイヤ径方向の弾性率は上昇しおらず、ベースゴムがタイヤに加わる歪みを負担し、その結果として、キャップゴムの歪みの負担を軽減して、タイヤの発熱性の悪化を抑制することができる。
ここで、アラミド短繊維は、例えば、ベースゴム用のゴムシートを押し出し成形やラミネート成形で形成する際に、ゴムシートの押し出し方向やラミネート方向に配向するため、該ゴムシートの押し出し方向やラミネート方向がタイヤ周方向になるようにゴムシートを配置してベースゴムとすることで、ベースゴム中のアラミド短繊維をタイヤ周方向に配向させることができる。
また、図1に示すように、本発明の空気入りタイヤのトレッドゴム1は、ベースゴム2と該ベースゴム2のタイヤ半径方向外側に位置するキャップゴム3とを含み、トレッドゴム1の全厚さTに対するベースゴム2の厚さTbの比(Tb/T)が0.1〜0.5であることが好ましい。比(Tb/T)が0.1以上であれば、ベースゴム2の効果が十分に発揮されて、トレッドの耐摩耗性及び耐カット性を向上させつつ、キャップゴムの歪みの負担を軽減することができる。また、比(Tb/T)が0.5以下であれば、発熱性を著しく悪化させることはない。
本発明の空気入りタイヤのベースゴムに用いるゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対してアラミド短繊維を1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは2〜4質量部配合してなる。ここで、アラミド短繊維の配合量がゴム成分100質量部に対して1質量部未満では、アラミド短繊維の配合効果が十分に得られず、ベースゴムのタイヤ周方向の弾性率が向上しない。また、アラミド短繊維の配合量がゴム成分100質量部に対して10質量部を超えると、耐疲労性の低下と作業性の大幅な悪化が見られる。
本発明の空気入りタイヤのベースゴムに用いるゴム組成物のゴム成分としては、特に制限はなく、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等の合成ゴムを使用することができ、これらゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
なお、上記ベースゴム用のゴム組成物には、アラミド短繊維の他に、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の補強性充填剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等を目的に応じて適宜配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に、アラミド短繊維と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤのベースゴム用ゴム組成物に配合するアラミド短繊維は、芳香族ポリアミドの短繊維であり、好ましくは、パラ系芳香族ポリアミドの短繊維、メタ系芳香族ポリアミドの短繊維、又はそれぞれの共重合体の短繊維等である。ここで、芳香族ポリアミド中の芳香族環としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,5−ピリジレン基等が挙げられ、これらの中でも、1,4−フェニレン基が好ましい。また、該芳香族環は、ハロゲン基(F、Cl、Br等)、低級アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基等)、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、シアノ基、アセチル基、ニトロ基等で置換されていてもよい。また、上記アラミド短繊維の具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(デュポン社製ケブラー等)、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(帝人株式会社製コーネックス等)、ポリ−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重合体(帝人株式会社製テクノーラ等)、ポリパラアミノベンズヒドラジドテレフタルアミト等からなる短繊維が挙げられる。
上記アラミド短繊維は、少なくともポリエポキシド化合物を含む処理剤での処理及び/又はレゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックスを含む処理剤(所謂、RFL液)での処理が施されていることが好ましい。この場合、アラミド短繊維とゴム成分との接着性が向上し、耐破壊性の向上とブロック剛性の向上に寄与し、また、タイヤの回転方向の滑りを十分に抑制して、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。
上記アラミド短繊維は、例えば、アラミド長繊維束を均一に開繊しながらポリエポキシド化合物を含む処理剤で処理し、乾燥し、カットした後、さらに同一処理剤で再度処理し、乾燥、熱処理をし、次いでレゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス(RFL)を含む処理剤で処理し、乾燥、熱処理することで製造できる。
上記ポリエポキシド化合物を含む処理剤は、ポリエポキシド化合物の他に、更に、ブロックドポリイソシアネート化合物及び/又はゴムラテックスを含んでもよい。
上記ポリエポキシド化合物は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を該ポリエポキシド化合物100g当たり0.2g当量以上含有する化合物であり、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類とエピクロルヒドリン等のハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物、レゾルシン・ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類と上記ハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物、過酢酸又は過酸化水素等で不飽和化合物を酸化して得られるポリエポキシド化合物等が挙げられ、より具体的には、3,4−エポキシシクロヘキセンエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキセンメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応生成物、即ち、多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物が好ましい。
また、上記ブロックドイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤との付加化合物であり、加熱によりブロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート化合物を生じる。該ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシアネート、又はこれらポリイソシアネートとトリメチロールプロパン、ペンタエルスリトール等の活性水素原子を2個以上有する化合物とをイソシアネート基(−NCO)とヒドロキシル基(−OH)の比が1を超えるモル比で反応させて得られる末端イソシアネート基含有のポリアルキレングリコールアダクトポリイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートが好ましい。一方、上記ブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール、等のフェノール類、ジフェニルアミン、キシリジン等芳香族第2級アミン類、フタル酸イミド類、カプロラクタム、バレロラクタム等のラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム類および酸性亜硫酸ソーダ等が挙げられる。
上記ゴムラテックスとしては、例えば天然ゴムラテックス、スチレン・ブタジエン・コポリマーラテックス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン・ターポリマーラテックス、ニトリルゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス等が挙げられる。
一方、上記レゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックスを含む処理剤は、レゾルシンと、ホルムアルデヒドと、ゴムラテックスとを含み、その他、水酸化ナトリウムやアンモニア水等を含むことが好ましい。なお、RFL液中のホルムアルデヒド(F)とレゾルシン(R)とのモル比(F/R)や全ラテックスの固形分質量(L)に対するレゾルシン及びホルムアルデヒド総質量(RF)の割合(RF/L)等は目的に応じて適宜選択することができる。また、ゴムラテックスも特に限定されず、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマーラテックス、クロロプレンゴムラテックス等を使用することができる。
上記ポリエポキシド化合物を含む処理剤をアラミド繊維束へ付着させるには、ローラーによる塗布、ノズルからの噴霧による塗布、溶液への浸漬等を採用することができる。また、該繊維束に対する固形分付着量を制御するために圧接ローラーによる絞り、スクレーパー等によるかき落し、空気吹き付けによる吹き飛ばし、吸引、ビーターによる叩き等の手段を用いてもよい。また、上記ポリエポキシド化合物を含む処理剤を塗布した後、乾燥し、繊維束を一定長にカットした後、更に該処理剤を付与し乾燥・熱処理することが好ましい。なお、切断後の短繊維にポリエポキシド化合物を含む処理剤及びRFLを含む処理剤を付着させるには、ノズルからの噴霧による塗布、溶液への浸漬等を採用することができる。短繊維に対する固形分付着量を制御するために、短繊維を不織布等の袋に投入し圧接ローラーで絞る方法や遠心分離で脱液する等の手段を用いてもよい。
ポリエポキシド化合物を含む処理剤及びRFLを含む処理剤を付与した短繊維を乾燥・熱処理するには、短繊維を綿やポリエステル等の袋に投入し、ローラーで0.1〜5.0kg/cm2の圧力で圧接しながら処理すると、短繊維同士の集束や塊が生じ難く、均一に乾燥、熱処理することができる。さらに、ゴム中での短繊維の混合分散性を向上させることができる。アラミド短繊維に対する固形分付着量は、ポリエポキシド化合物を含む処理剤として0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、RFLを含む処理剤としては0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲が好ましい。ポリエポキシド化合物を含む処理剤でアラミド繊維を処理した後、好ましくは130〜250℃の温度で乾燥、熱処理し、次いでRFLを含む処理剤で処理した後、180〜250℃の温度で乾燥、熱処理することが好ましい。
上記アラミド短繊維は、長さが、好ましくは0.5mm〜3mm、より好ましくは1mm〜2mmで、直径が、好ましくは0.5μm〜50μm、より好ましくは2μm〜30μmである。アラミド短繊維の長さが0.5mm以上の場合、ブロック剛性向上、耐破壊性向上の効果が見られる。また、アラミド短繊維の長さが3mm以下の場合、耐疲労性の著しい低下と作業性の低下が見られない。また、アラミド短繊維の直径が0.5μm以上の場合、ブロック剛性向上、耐破壊性向上の効果が見られる。また、アラミド短繊維の直径が50μm以下の場合、耐疲労性の著しい低下と作業性の低下が見られない。
本発明の空気入りタイヤにおいて、上記ベースゴムは、タイヤ周方向の複素弾性率(E*c)とタイヤ半径方向の複素弾性率(E*r)との比(E*c/E*r)が1.2〜4.0であることが好ましく、2.0〜4.0であることが更に好ましい。比(E*c/E*r)を1.2〜4.0とした場合、トレッド表面のブロックの動きが抑制され、トレッドゴムの耐摩耗性を向上させることができる。なお、比(E*c/E*r)を1.2以上とすることで、ベースゴムのタイヤ径方向の剛性に比べて、ベースゴムのタイヤ周方向の剛性が十分に高くなり、トレッドの耐摩耗性及び耐カット性を向上させつつ、ベースゴムがタイヤに加わる歪みを負担して、キャップゴムの歪みの負担を軽減することができる。一方、比(E*c/E*r)の上限の規定に特に理由はないが、実験室で検討した範囲では、比(E*c/E*r)が4.0を超えることはなかったため、比(E*c/E*r)は4.0以下が好ましい。
上述のように、本発明の空気入りタイヤは、発熱性を悪化させることなく、トレッドの耐カット性及び耐摩耗性が向上しているため、発熱性、耐カット性及び耐摩耗性のバランスが重要な重荷重用空気入りタイヤとして好ましく、ORタイヤ(オフ・ザ・ロードタイヤ)として特に好ましい。ここで、重荷重用空気入りタイヤのトレッドゴム1の全厚さTは25mm以上であることが好ましい。
次に、本発明の空気入りタイヤを、図を参照しながら詳細に説明する。図1に示す空気入りタイヤは、一対のビード部4と、一対のサイド部5と、トレッド部6とを有し、また、ビード部4に各々埋設されたビードコア7間にトロイド状に延在させたカーカス8と、該カーカス8のクラウン部でタイヤ径方向外側に配した複数のベルト層からなるベルト9とを具え、ここで、トレッド部6には、ベルト9のタイヤ径方向外側に位置するベースゴム2と、該ベースゴム2のタイヤ径方向外側に位置するキャップゴム3とからなるトレッドゴムが配置されている。
そして、図示例の空気入りタイヤのベースゴム2には、上述のベースゴム用ゴム組成物が用いられているため、タイヤの発熱性を悪化させること無く、トレッドゴムの耐摩耗性及び耐カット性が向上している。なお、本発明の空気入りタイヤのベースゴム2以外の部材は、特に限定されず、公知の部材を使用することができる。また、本発明の空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<タイヤの作製及び評価>
表1に示す配合のゴム組成物を常法に従って調製し、該ゴム組成物をベースゴムに用いて、図1に示す構造を有し、サイズ2400R35の重荷重用空気入りタイヤを製造した。なお、短繊維を配合した例では、上記ゴム組成物を用いてラミネート成型により、ベースゴム用のゴムシートを作製し、ゴムシートのラミネート方向がタイヤ周方向になるようにゴムシートを配置してベースゴムとすることで、ベースゴム中の短繊維をタイヤ周方向に配向させた。また、作製したタイヤのトレッドゴムの全厚さ(T)は83mmであり、ベースゴムの厚さ(Tb)は、18mmであり、比(Tb/T)は0.22である。
次に、ベースゴムのタイヤ周方向の複素弾性率(E*c)とタイヤ半径方向の複素弾性率(E*r)を、下記の方法で測定した。更に、得られたタイヤに対して、下記の方法で発熱性、耐摩耗性及び耐カット性を評価した。結果を表1に示す。
(1)複素弾性率(E*c)及び複素弾性率(E*r)の測定
上島製のスペクトロメーターを用い、温度分散:52Hz、温度:25℃、サンプル幅:4.7mm、サンプル厚さ:2mm、サンプル長さ:40mm、初期荷重:160gの条件下で、ベースゴムのタイヤ周方向の複素弾性率E*cとタイヤ半径方向の複素弾性率E*rを測定した。
(2)発熱性の評価
供試タイヤを内圧700kPa、加重18.5t、速度16km/hの条件でドラム走行させた後、ベルト上のベースゴム部位の温度を測定した。比較例1のタイヤのベースゴム部位の温度を基準とし、該温度との差を、それぞれの供試タイヤについて求めた。表1中、値が正であることは、比較例1のタイヤのベースゴム部位の温度よりも、温度が高く、発熱性が悪化していることを示す。
(3)耐摩耗性
供試タイヤを車両に装着し、未舗装路を5万km走行した時点でのタイヤの溝深さを測定し、走行距離/(走行前のタイヤの溝深さ−走行後のタイヤの溝深さ)の値を算出して、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐摩耗性に優れることを示す。
(4)耐カット性
耐カット性は振り子式衝撃カット試験機にて、任意の高さから鋼鉄製の刃を打ちつけて傷を付け、その傷の深さを測定することにより評価した。得られた値の逆数を取り、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐カット性に優れることを示す。
Figure 2013018893
*1 カーボンブラック:N330
*2 短繊維A:帝人株式会社製テクノーラ、アラミド短繊維、長さ=1mm、直径=12μm、RFL処理済み
*3 短繊維B:帝人株式会社製テクノーラ、アラミド短繊維、長さ=3mm、直径=12μm、RFL処理済み
*4 短繊維C:タイレ製ダンゼックスMF−B(WK31)、ポリエチレン短繊維、長さ=3mm、直径=23μm、RFL処理なし
*5 老化防止剤:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*6 加硫促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
表1から、アラミド短繊維を配合したゴム組成物をベースゴムに用いることで、タイヤの発熱性を悪化させることなく、トレッドの耐カット性及び耐摩耗性が向上することが分かる。特に、短繊維配合量が同一の実施例2、実施例5及び比較例4の比較から、ポリエチレン短繊維に代えて、アラミド短繊維を使用することで、比(E*c/E*r)が上昇して、トレッドの耐カット性及び耐摩耗性が大幅に向上することが分かる。
1 トレッドゴム
2 ベースゴム
3 キャップゴム
4 ビード部
5 サイド部
6 トレッド部
7 ビードコア
8 カーカス
9 ベルト
T トレッドゴムの全厚さ
Tb ベースゴムの厚さ

Claims (7)

  1. ベースゴムと該ベースゴムのタイヤ半径方向外側に位置するキャップゴムとを含むトレッドゴムを、トレッド部に具えるタイヤにおいて、
    前記ベースゴムに、ゴム成分100質量部に対してアラミド短繊維を1〜10質量部配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記アラミド短繊維は、少なくともポリエポキシド化合物を含む処理剤での処理及び/又はレゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス(RFL)を含む処理剤での処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッドゴムは、該トレッドゴムの全厚さ(T)に対する前記ベースゴムの厚さ(Tb)の比(Tb/T)が0.1〜0.5であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記アラミド短繊維は、長さが0.5mm〜3mmで、直径が0.5μm〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ベースゴムは、タイヤ周方向の複素弾性率(E*c)とタイヤ半径方向の複素弾性率(E*r)との比(E*c/E*r)が1.2〜4.0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 重荷重用空気入りタイヤであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記トレッドゴムの全厚さ(T)が25mm以上であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
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