JP2013016878A - 受信装置及び受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程調整の段階での校正が不要になり、電源投入してから同じ放送局を選択したままで、かつ周囲温度の変化が発生した場合でも、常に最適な受信特性に調整された状態で、放送内容の有音期間を消失することなく、放送受信を可能にする受信装置及び受信方法を提供する。
【解決手段】送信される放送内容の無音期間を無音検出回路9で検出し、無音検出信号9aを出力する。校正信号発生回路4は、無音検出信号9aをトリガとして直交復調回路5のI経路とQ経路との間の偏差量を検出するための校正信号4aを出力する。IQ偏差検出回路11ではIQ経路に偏差が無い場合の基準値との比較を行い、IQ経路の振幅偏差11aと位相偏差11bとを出力し、補正演算回路10によって直交復調回路5での振幅及び位相の調整を行うための振幅補正信号10aと位相補正信号10bとを生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線システムにおける受信装置及び受信方法に関し、特に直交復調における同相(I)成分と直交(Q)成分との間の振幅及び位相のミスマッチを補正する技術に関するものである。
従来の受信装置では、直交復調におけるI成分とQ成分との間の振幅及び位相のミスマッチを補正することができる。そのため、RF信号を受信してベースバンド信号に変換する受信モードから、スイッチを切り替えて校正信号を入力する校正モードにする(特許文献1参照)。
特開2007−104522号公報
上記従来の受信装置では、校正用の信号を入力するためにスイッチを切り替えて校正モードの状態にする必要があり、その期間は実際の放送波を受信することは不可能である。そのため、実際の校正が行われるのは工程調整の段階や電源投入直後、又はユーザによる受信局の切り替え発生時等に限られてしまい、例えば放送の連続受信中に周囲温度の変動で受信特性の調整が必要になった場合には、校正モードに切り替えてしまうと、アナログラジオ放送では、放送される有音期間が消失してしまうという問題点を有していた。
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、工程調整の段階での校正が不要になり、電源投入してから同じ放送局を選択したままで、かつ周囲温度の変化が発生した場合でも、常に最適な受信特性に調整された状態で、放送内容の有音期間を消失することなく、放送受信を可能にする受信装置及び受信方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る受信装置は、受信アンテナからの信号を入力とし、その高周波信号を出力する高周波増幅手段と、前記高周波増幅手段の出力を一方の入力とし、他方の入力とのうちいずれか一方の入力を選択して出力する選択手段と、前記選択手段の出力を入力し、ミキサによってI成分とQ成分とに変換する直交復調手段と、前記直交復調手段の復調I信号と復調Q信号とをそれぞれアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換手段と、前記アナログ−デジタル変換手段の各デジタル出力を入力とし、音声信号を復調するベースバンド復調手段と、前記ベースバンド復調手段の出力信号の無音期間を検出し、前記選択手段に出力する無音検出手段と、前記無音検出手段の出力に応じて、前記選択手段への他方の入力として校正用の信号を生成する校正信号発生手段と、前記アナログ−デジタル変換手段の各デジタル出力を入力とし、デジタルI信号とデジタルQ信号との間の振幅及び位相の偏差を検出するIQ偏差検出手段と、前記IQ偏差検出手段の出力を入力とし、I信号経路とQ信号経路との間の振幅及び位相の各偏差補正量を演算し、前記直交復調手段に出力する補正演算手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る受信方法は、受信アンテナから入力された高周波信号をI成分とQ成分とに変換する直交復調工程を行った後に音声信号を復調する受信方法であって、前記音声信号における無音期間を検出し、前記無音期間に校正用の信号を用いて、振幅及び位相の各偏差補正量を演算し、前記直交復調工程に出力することを特徴とする。
本発明によれば、無音検出の採用によって、無音期間中に校正信号を用いてI信号経路とQ信号経路とのばらつきの補正を行うので、工程調整の段階での校正が不要になり、電源投入してから同じ放送局を選択したままの状態であっても、常に最適な受信特性に調整された状態で受信可能となるという効果を有する。
本発明の実施形態1における受信装置のブロック構成図である。 図1の受信装置における無音検出と校正のタイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態2における受信装置のブロック構成図である。 図3の受信装置における受信状況を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態3における受信装置のブロック構成図である。 図5の受信装置における校正期間の制御過程を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態4における調整シーケンスの例を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態5における受信装置のブロック構成図である。 図8の受信装置における時間経過判定回路の制御の関係を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態6における受信装置のブロック構成図である。 図10の受信装置における温度変化判定回路の制御の関係を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態7における受信方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態8における受信方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態9における受信方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態10における受信方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態11における受信方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態12における受信方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。各実施形態では特に必要な時以外は、同一又は同様の部分の説明を原則として繰り返さない。
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1の受信装置のブロック構成図である。図1において、1は放送波1aを受信する受信アンテナ、2は受信アンテナ1からの信号を増幅し、高周波増幅信号2aを出力する高周波増幅回路、4は無音検出信号9aをトリガとして、直交復調回路5のIQ信号経路の振幅及び位相のばらつきを調整するための校正信号4aを発生する校正信号発生回路、3は無音検出信号9aに応じて、高周波増幅信号2a又は校正信号4aのいずれか一方を選択し、選択出力信号3aを出力する選択回路、5は選択出力信号3aを入力として直交復調を行い同相成分I信号5aと直交成分Q信号5bとを出力する直交復調回路、6、7は同相成分I信号5aと直交成分Q信号5bとをアナログ−デジタル変換し、デジタルIデータ6aとデジタルQデータ7aとを出力するA/D変換回路(ADC)、8はデジタルIデータ6aとデジタルQデータ7aとを入力とし、システムの受信モードに応じて音声復調を行い、再生L信号8aと再生R信号8bとを出力するベースバンド復調回路、9は再生L信号8aと再生R信号8bとを入力して、無音期間を検出し、無音検出信号9aを出力する無音検出回路、11はA/D変換回路6,7の出力である、デジタルIデータ6aとデジタルQデータ7aとを入力とし、I成分とQ成分との間の振幅及び位相の偏差を検出し、振幅偏差11aと位相偏差11bとを出力するIQ偏差検出回路、10はIQ偏差検出回路11より出力される振幅偏差11aと位相偏差11bとから直交復調回路5で発生する振幅及び位相の偏差が小さくなるように振幅及び位相を補正するための演算を行い、振幅補正信号10aと位相補正信号10bとを出力する補正演算回路である。
図2は、無音検出及び校正のタイミングを示すタイミングチャートである。本実施形態によれば、通常の受信モードの際には、放送波1aを高周波増幅回路2によって増幅した高周波増幅信号2aが選択回路3を介して直交復調回路5に入力される。直交復調回路5では高周波増幅信号2aが同相成分I信号5aと直交成分Q信号5bとに変換され、A/D変換回路6,7によってデジタルデータに変換され、ベースバンド復調回路8にて受信モードに応じた再生信号8a,8bが出力される。
無音検出回路9では送信される放送内容の無音期間を検出し、その無音期間がシステムの設定値以上連続した場合、無音期間がスタートしたと判定し、無音検出信号9aを出力する。ここで言う「無音」とは、ある閾値レベル以下の音声信号だけが検出される状態ではなくて、放送の搬送波のみが検出される状態を意味する。ただし、この場合の無音としての判定条件や、判定後から無音検出信号9aの発生までの時間は、運用されるシステムによって設定可能とする。
校正信号発生回路4では、無音検出信号9aをトリガとして直交復調回路5のI経路とQ経路との偏差を検出するための校正信号4aを出力する。選択回路3では無音検出信号9aを受信した場合は、選択出力を高周波増幅信号2aから校正信号4aに切り替えて、直交復調回路5に入力する。直交復調回路5にて、I経路及びQ経路を通過したアナログ信号がA/D変換回路6,7でデジタルIデータ6aとデジタルQデータ7aとに変換される。IQ偏差検出回路11ではIQ経路に偏差が無い場合の基準値との比較を行いIQ経路の振幅偏差11aと位相偏差11bとを出力し、補正演算回路10によって直交復調回路5での振幅及び位相の調整を行うための振幅補正信号10aと位相補正信号10bとを生成する。直交復調回路5では振幅補正信号10aと位相補正信号10bとに応じてIQ経路の振幅調整と直交ミキサの位相調整とを行うことで偏差を補正している。
なお、ベースバンド復調部8では校正信号4aが復調されてしまうので、最終出力部に対しては音声ミュートを掛けながら前述した校正を行うものとする。
このように、本実施形態によれば、無音期間を検出してIQ経路の振幅調整と位相調整とを行うので、工程調整の段階での校正が不要になり、電源投入してから同じ放送局を選択したままの状態であっても、常に最適な受信特性に調整された状態で受信可能となる。
《実施形態2》
図3は、本発明の実施形態2の受信装置のブロック構成図である。図3における受信装置の構成は実施形態1に対し、ベースバンド復調回路8の出力として受信電界の強弱・マルチパス発生有無の受信状況信号8cを追加したものであり、その他の構成及び各ブロックの機能は同じである。
図4は、受信状況を示すタイミングチャート例であるが、無音から有音に変化した後に、マルチパスの影響で再生信号8a,8bの振幅が無音レベルまで極端に下がってしまった場合、振幅だけで検出すると無音期間として判定してしまう場合でも、受信状況信号8cが無音検出回路9に入力されているので、無音ではなく有音と判定することが可能であり、誤判定を防ぐことができ、通常受信電界のみならず、弱電界状況やマルチパス状況でも常に最適な受信特性に調整された状態で受信可能となる。
《実施形態3》
図5は、本発明の実施形態3の受信装置のブロック構成図である。図5における受信装置の構成は実施形態2に対し、有音消失検出回路12を新たに設け、校正期間中に無音期間が終了してしまい有音期間が消失してしまった場合は、校正期間制御信号12aを校正信号発生回路4に対して出力し、次回の校正期間を短くするような制御を行うものであり、その他の構成及び各ブロックの機能は同じである。
図6は、校正期間の制御過程を示すタイミングチャートである。図6において、最初の無音検出信号9aによってIQ経路の偏差を補正するための校正信号4aが直交復調回路5に入力され、IQ偏差検出回路11によって偏差が検出され、補正演算回路10によって、直交復調回路5内の偏差の補正が行われる。
有音消失検出回路12では、校正が終了し校正期間信号4bがHレベルからLレベルに変化した直後のベースバンド復調回路8の出力である再生L信号8aと再生R信号8bとの振幅を検出して、有音か無音かを判定する。図6の場合は直後の振幅検出の結果は有音と判定され、校正期間制御信号12aが出力され、2回目の無音期間での校正期間長を短くすることで有音期間の消失を防いでいる様子を示している。
このように校正時間を短くすることで実際に放送される有音期間の消失頻度を下げることが可能となる。
《実施形態4》
図7は、本発明の実施形態4の調整シーケンスの例を示すタイミング図である。受信装置のブロック構成図は実施形態3と同様であるが、校正信号発生回路4で発生させる校正信号4aの期間を短く設定しておき、複数回の無音期間に渡ってI信号経路とQ信号経路との間の振幅及び位相の偏差調整が完了するような調整シーケンスになるように校正信号発生回路4、IQ偏差検出回路11、及び補正演算回路10を制御している。
図7では、2回の無音期間で振幅の調整を行い、続く2回の無音期間で位相調整を行うシーケンスの例を示している。複数回の無音期間に渡って校正することを前提としているので、図7において校正信号4aの期間は通常の無音期間に比べて十分に短い期間であるから、校正が終了し校正期間信号4bがHレベルからLレベルに変化した直後のベースバンド復調回路8の出力である再生L信号8aと再生R信号8bとの振幅は無音状態のままである。
なお、複数回に渡る無音の回数とその調整内容は一例であり、それぞれのシステムに応じた無音の回数や調整順で構わない。
このような調整シーケンスとすることで、校正期間を短くし、複数回の無音期間に渡って校正を完了させるので、各期間で校正信号4aを入力し終わった時点でも無音期間が継続しており、放送される有音期間の消失はほとんど発生しない。
《実施形態5》
図8は、本発明の実施形態5の受信装置のブロック構成図である。図8における受信装置の構成は実施形態3に対し、無音検出信号9aを制御する時間経過判定回路13を新たに設けたものであり、その他の構成及び各ブロックの構成は同じである。
図9は、無音検出信号9aに対する時間経過判定回路13の制御の関係を示すタイミングチャートである。電源投入直後は、無音期間が検出される毎(t0、t1、t2、t3)に無音検出信号9aは時間経過判定信号13aとしてそのまま選択回路3及び校正信号発生回路4へそれぞれ入力され、校正信号4aによって直交復調回路5のI信号経路とQ信号経路との間の振幅及び位相の偏差調整を実施する。
更に、電源投入から十分に時間経過し、システムの設定時間(図9の場合t3)を超えた場合には、十分な偏差調整が実施されている状態なので無音検出信号9aが出力されても、偏差の調整を毎回行う必要はなく、図9のようにt4、t5及びt10のタイミングでは偏差調整を実行せず、t6及びt17のタイミングで偏差調整を実行するので、放送される有音期間の消失頻度を更に低下させることが可能になる。
なお、時間経過のシステム設定値や調整の頻度は適用するシステム毎に設定できるものとする。
《実施形態6》
図10は、本発明の実施形態6の受信装置のブロック構成図である。図10における受信装置の構成は実施形態3に対し、無音検出信号9aを制御する温度変化判定回路14を新たに設けたものであり、その他の構成及び各ブロックの構成は同じである。
図11は、無音検出信号9aに対する温度変化判定回路14の制御の関係を示すタイミングチャートである。周囲温度が一定の時(図11においてはt0〜t5、t14〜t20)には無音検出信号9aは温度変化判定信号14aとして、システムとして設定される一定の頻度で選択回路3及び校正信号発生回路4へそれぞれ入力され、校正信号4aによって直交復調回路5のI信号経路とQ信号経路との間の振幅及び位相の偏差調整を実施する。
一方、周囲温度の変化が発生した場合(図11においてはt8〜t13)は、回路でのばらつきが温度特性を持っているので、これまでの調整頻度では受信特性が不十分となるから、システムで設定される一定の頻度よりも高い頻度で調整が実施されるように無音検出信号9aを選択回路3及び校正信号発生回路4へ反映させることで、十分に偏差を調整することが可能となる。したがって、システム電源投入後の調整から十分な時間経過後に、更に周囲温度が変化したような場合でも、温度変化が発生する度に偏差調整の実行が可能になるので、常に最適な受信特性に調整された状態で受信可能になる。
なお、システムとして設定される一定の頻度や、温度変化量等は適用するシステム毎に設定できるものとする。
《実施形態7》
図12は、本発明の実施形態7の受信方法における制御動作例を示すフローチャートである。図12において、システムに電源が投入されシステムが受信スタートすると、受信された信号は直交復調されて同相(I)成分と直交(Q)成分とに変換された後、ベースバンドでの音声復調が行われる(S121)。
このとき、復調音声信号が無音であるかどうかを調べるためにI成分とQ成分との信号振幅を検出しておき、設定値との大小比較を行い、有音又は無音の判断を行う(S122)。有音であれば継続して受信モードの状態を維持し、無音と判断した場合はS123からS127にて校正用信号を発生させ、直交復調回路でのI成分とQ成分との間の振幅及び位相の偏差の補正を行う。ここで、S123では校正信号期間Tを設定し、S124では校正用信号を発生させ、S125では偏差補正量を演算し、S126では直交復調回路の振幅及び位相を調整し、S127では校正終了のチェックを実行する。
S123からS127を繰り返すことでI成分とQ成分とについて偏差のない状態にすることが可能となり、同じ放送局を選択したままの状態であっても、常に最適な受信特性に調整された状態で受信可能となる。
《実施形態8》
図13は、本発明の実施形態8の受信方法における制御動作例を示すフローチャートである。図13において、S132以外は実施形態7と同様の制御動作を行うものである。
復調音声信号が無音であるかどうかを調べるためにI成分とQ成分との信号振幅を検出しておき、設定値との大小比較を行う際に、振幅情報以外の受信状況に関する情報を加味して判断する(S132)ことで、誤った無音判定を防止することが可能となり、通常受信電界のみならず、弱電界状況やマルチパス状況の時でも常に最適な受信特性に調整された状態で受信可能となる。
《実施形態9》
図14は、本発明の実施形態9の受信方法における制御動作例を示すフローチャートである。図14においてS141、S142以外は実施形態8と同様の制御動作を行うものである。
無音期間を検出(S132)し、S123からS127にて校正用信号を発生させ、直交復調回路でのI成分とQ成分との間の振幅及び位相の偏差の補正を終了した直後に、S141にて復調音声が有音又は無音の判定を行う。このとき無音であるならば校正の正常終了とみなす。反対に有音であるならば、校正期間中に無音期間が終了したと判断し、次回の校正信号の期間Tを短くするために、S142にて校正信号期間Tの長さを更新する(T=T−α)。
このように校正時間を短くすることで、実際に放送される有音期間の消失頻度を下げることが可能となる。
《実施形態10》
図15は、本発明の実施形態10の受信方法における制御動作例を示すフローチャートである。図15においてS151、S152、S153、S154、S155以外は実施形態7と同様の制御動作を行うものである。
まず、復調音声信号の無音期間を検出(S122)すると、校正回数Nをカウント(S151)し、システムで設定した校正信号期間Tを設定する。そして、S124からS126、S153にて校正信号を発生させ、直交復調回路でのI成分とQ成分との間の振幅及び位相の偏差の補正を行う。
1無音期間での校正が終了したかどうか判断(S153)し、終了ならば校正回数Nがシステムで設定された回数と一致するかどうか判断(S154)し、一致しなければ次の無音期間にて継続して校正を行う。一致すれば、校正が終了したとみなして校正回数Nをリセット(S155)し、通常の受信動作(S121)フローに戻る。
このような動作制御を行うことで、校正期間を短くし、複数回の無音期間に渡って校正を完了させるので、各期間で校正信号を入力し終わった時点でも無音期間が継続しており、放送される有音期間の消失頻度を大幅に減少させることが可能となる。
《実施形態11》
図16は、本発明の実施形態11の受信方法における制御動作例を示すフローチャートである。図16においてS161、S162、S163、S164以外は実施形態7と同様の制御動作を行うものである。
復調音声信号の無音期間を検出(S122)すると、無音検出回数Mをカウント(S161)する。S162では電源投入直後からの時間経過を計測しており、システムで設定される設定時間との比較を行い、設定時間よりも小さければ(電源投入してからあまり時間がたっていない場合)、S123からS127にて校正信号を発生させ、直交復調回路でのI成分とQ成分との間の振幅及び位相の偏差の補正を行う。校正が終了した場合は無音検出回数Mをリセット(S164)し、通常の受信動作(S121)フローに戻る。
また、S162にて電源投入直後からの時間経過が設定時間よりも大きければ(電源投入してから十分に時間が経過している場合)、無音検出回数Mとシステムで設定した回数との一致を判断(S163)し、無音検検出回数Mが設定回数以上になった場合は校正を実行するが、設定回数より少ない場合は、無音期間でも校正を実施しないで通常の受信動作(S121)フローに戻る。
このような動作制御を行うことで、システム電源投入後から十分時間経過した場合は、システムの動作環境の周囲温度も十分に一定になっていると想定されるので、校正タイミングを毎回の無音検出結果毎に対応させる必要はなく、校正の実行頻度を下げることが可能になり、放送される有音期間の消失頻度を更に低下させることが可能になる。
《実施形態12》
図17は、本発明の実施形態12の受信方法における制御動作例を示すフローチャートである。図17においてS171、S172、S173、S174以外は実施形態7と同様の制御動作を行うものである。
復調音声信号の無音期間を検出(S122)すると、無音検出回数Mをカウント(S171)する。S172では電源投入直後からの周囲の温度変化を計測しており、検出された温度変化量とシステムで設定される温度変化量との比較を行い、温度変化量が設定値よりも大きい時は、S123からS127にて校正信号を発生させ、直交復調回路でのI成分とQ成分との間の振幅及び位相の偏差の補正を行う。校正が終了した場合は無音検出回数Mをリセット(S174)し、通常の受信動作(S121)フローに戻る。
また、S172にて温度変化量が設定値よりも小さい時は、無音検出回数Mとシステムで設定した回数との一致を判断(S173)し、無音検検出回数Mが設定回数以上になった場合は校正を実行するが、設定回数より少ない場合は、無音期間でも校正を実施しないで通常の受信動作(S121)フローに戻る。
このような動作制御を行うことで、システム電源投入後の調整から十分な時間が経過した後に、更に周囲温度が変化したような場合でも、温度変化が発生する度に校正による調整の実行が可能になるので、常に最適な受信特性に調整された状態で受信可能になる。
以上説明してきたとおり、本発明の受信装置及び受信方法は、無線システムにおける受信装置の素子ばらつきによって生じる復調特性の調整等の技術として有用である。
1 受信アンテナ
2 高周波増幅回路
3 選択回路
4 校正信号発生回路
5 直交復調回路
6,7 アナログ−デジタル(A/D)変換回路
8 ベースバンド復調回路
9 無音検出回路
10 補正演算回路
11 IQ偏差検出回路
12 有音消失検出回路
13 時間経過判定回路
14 温度変化判定回路

Claims (12)

  1. 受信アンテナからの信号を入力とし、その高周波信号を出力する高周波増幅手段と、
    前記高周波増幅手段の出力を一方の入力とし、他方の入力とのうちいずれか一方の入力を選択して出力する選択手段と、
    前記選択手段の出力を入力し、ミキサによってI成分とQ成分とに変換する直交復調手段と、
    前記直交復調手段の復調I信号と復調Q信号とをそれぞれアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換手段と、
    前記アナログ−デジタル変換手段の各デジタル出力を入力とし、音声信号を復調するベースバンド復調手段と、
    前記ベースバンド復調手段の出力信号の無音期間を検出し、前記選択手段に出力する無音検出手段と、
    前記無音検出手段の出力に応じて、前記選択手段への他方の入力として校正用の信号を生成する校正信号発生手段と、
    前記アナログ−デジタル変換手段の各デジタル出力を入力とし、デジタルI信号とデジタルQ信号との間の振幅及び位相の偏差を検出するIQ偏差検出手段と、
    前記IQ偏差検出手段の出力を入力とし、I信号経路とQ信号経路との間の振幅及び位相の各偏差補正量を演算し、前記直交復調手段に出力する補正演算手段とを備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 請求項1記載の受信装置において、
    前記無音検出手段にて、受信電界の強弱・マルチパス発生有無の受信状況に関する情報と併せて無音判定を行うことを特徴とする受信装置。
  3. 請求項1又は2に記載の受信装置において、
    前記校正信号発生手段での校正終了タイミング信号を入力し、校正終了直後での復調信号が既に有音であれば、前記校正信号発生手段での校正時間を短くするように校正期間制御信号を出力する有音消失検出手段を更に備えたことを特徴とする受信装置。
  4. 請求項1又は2に記載の受信装置において、
    複数回の無音期間に渡って前記I信号経路と前記Q信号経路との間の振幅及び位相の偏差調整が完了するような調整シーケンスになるように前記無音検出手段と前記校正信号発生手段とを制御することを特徴とする受信装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の受信装置において、
    システム電源投入直後からの時間経過を測定し、電源投入直後は前記無音検出手段で無音が検出される毎に、前記校正信号発生手段からの校正信号によって、前記I信号経路と前記Q信号経路との間の振幅及び位相の偏差調整を行い、更に電源投入後の経過時間がシステムで設定した基準時間以上に達した場合には、前記I信号経路と前記Q信号経路との間の振幅及び位相の偏差調整の実行制御を行う時間経過判定手段を更に備えたことを特徴とする受信装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の受信装置において、
    システム電源投入直後から周囲温度変化を検出し、周囲温度の変化が検出され、かつ、前記無音検出手段で無音検出されたときには、前記校正信号発生手段からの校正信号によって、前記I信号経路と前記Q信号経路との間の振幅及び位相の偏差調整を行う温度変化判定手段を更に備えたことを特徴とする受信装置。
  7. 受信アンテナから入力された高周波信号をI成分とQ成分とに変換する直交復調工程を行った後に音声信号を復調する受信方法であって、
    前記音声信号における無音期間を検出し、前記無音期間に校正用の信号を用いて、振幅及び位相の各偏差補正量を演算し、前記直交復調工程に出力することを特徴とする受信方法。
  8. 請求項7記載の受信方法において、
    前記無音期間の検出にて、受信電界の強弱・マルチパス発生有無の受信状況に関する情報と併せて無音判定を行うことを特徴とする受信方法。
  9. 請求項7又は8に記載の受信方法において、
    前記校正用の信号を用いて校正が終了した直後の時点で、復調音声信号が既に有音であれば、前記校正用の信号の期間を短くすることを特徴とする受信方法。
  10. 請求項7又は8に記載の受信方法において、
    複数回の無音期間に渡って前記I成分と前記Q成分との間の振幅及び位相の偏差調整が完了するような調整シーケンスになるように前記無音期間の回数と前記校正用の信号の期間とを制御することを特徴とする受信方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の受信方法において、
    時間経過を測定し、電源投入直後は無音期間毎に、校正用の信号によって前記I成分と前記Q成分との間の振幅及び位相の偏差調整を行い、更に電源投入後の経過時間がシステムで設定した基準時間以上に達した場合には、前記I成分と前記Q成分との間の振幅及び位相の偏差調整の実行制御を行うことを特徴とする受信方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の受信方法において、
    周囲温度を検出し、温度変化が検出され、かつ、無音期間の時に、前記校正用の信号によって、前記I成分と前記Q成分との間の振幅及び位相の偏差調整を行うことを特徴とする受信方法。
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