JP2013016572A - 太陽電池封止材、太陽電池封止シート、及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】エチレン酢酸ビニル共重合体を用いたこれまでの封止材に代わりうる新たな太陽電池封止材、当該封止材からなる太陽電池封止シート、及び、当該封止材を使用した太陽電池モジュールを提供すること。
【解決手段】ポリアルキレンカーボネート系樹脂を含有する太陽電池封止材、当該太陽電池封止材をシート状に成形してなる太陽電池封止シート、及び、当該太陽電池封止材を使用した太陽電池モジュール。
【選択図】なし
【解決手段】ポリアルキレンカーボネート系樹脂を含有する太陽電池封止材、当該太陽電池封止材をシート状に成形してなる太陽電池封止シート、及び、当該太陽電池封止材を使用した太陽電池モジュール。
【選択図】なし
Description
本発明は、太陽電池封止材、太陽電池封止シート、及び太陽電池モジュールに関するものである。
太陽電池モジュールは、一般に、太陽電池素子、太陽電池封止材、及び保護材などを積層することにより製造される。
太陽電池モジュールに使用する太陽電池封止材には、これまで、エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とする封止材が用いられてきた(例えば、特許文献1参照。)。昨今では、太陽電池封止材として、エチレン酢酸ビニル共重合体以外の重合体を用いた封止材の検討もなされており、非晶性又は低結晶性のプロピレン−ブテン共重合体からなる封止材、結晶性ポリプロピレン系樹脂と低密度のエチレン−ブテン共重合体とからなる封止材等が提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、エチレン酢酸ビニル共重合体を用いたこれまでの封止材に代わりうる新たな太陽電池封止材、当該封止材からなる太陽電池封止シート、及び、当該封止材を使用した太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明の第1は、ポリアルキレンカーボネート系樹脂を含有する太陽電池封止材に係るものである。
本発明の第2は、前記の太陽電池封止材をシート状に成形してなる太陽電池封止シートに係るものである。
本発明の第3は、前記の太陽電池封止材を使用した太陽電池モジュールに係るものである。
本発明によれば、新たな太陽電池封止材、当該封止材からなる太陽電池封止シート、及び、当該封止材を使用した太陽電池モジュールを提供することができる。本発明の太陽電池封止材及び太陽電池封止シートは、透明性および柔軟性に優れる。
本明細書では、ヒドロカルビル基は炭化水素から1つの水素原子を除いた1価の基を表す。ヒドロカルビレン基は、炭化水素から2つの水素原子を除いた2価の基を表す。
本発明の太陽電池封止材は、ポリアルキレンカーボネート系樹脂を含有する。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂は、下記式(1−1)で表される構成繰り返し単位(以下、式(1−1)単位と記すことがある。)と、下記式(1−2)で表される構成繰り返し単位(以下、式(1−2)単位と記すことがある。)を有する。式(1−2)単位の含有量は、ポリアルキレンカーボネート系樹脂を100重量%として、好ましくは20重量%〜44重量%である。なお、構成繰り返し単位の量は、核磁気共鳴法により求めることができる。
(式中、R1はヒドロカルビレン基を表す。)
(式中、R1はヒドロカルビレン基を表す。)
式(1)において、R2およびR3のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基などをあげることができる。
R2およびR3のヒドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜5である。
R2は好ましくは水素原子である。R3は好ましくは水素原子又はメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂としては、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリ(1,2−ジメチルエチレンカーボネート)、ポリブテンカーボネート、ポリイソブテンカーボネート、ポリペンテンカーボネート、ポリヘキセンカーボネート、ポリシクロペンテンカーボネート、ポリシクロヘキセンカーボネート、ポリシクロヘプテンカーボネート、ポリシクロオクテンカーボネート、ポリリモネンカーボネートなどをあげることができる。ポリアルキレンカーボネート系樹脂として好ましくは、ポリプロピレンカーボネートである。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂の製造方法としては、アルキレンオキサイドと二酸化炭素とを共重合させる方法、環状カーボネートを開環重合させる方法をあげることができる。アルキレンオキサイドと二酸化炭素とを共重合させる方法の中でも、アルキレンオキサイドと二酸化炭素を交互共重合させる方法が好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ジメチルエチレンオキサイド、ブテンオキサイド、イソブテンオキサイド、ペンテンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロペンテンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、シクロヘプテンオキサイド、シクロオクテンオキサイド、リモネンオキサイドをあげることができる。好ましくは、プロピレンオキサイド、ブテンオキサイド、イソブテンオキサイド、ペンテンオキサイド、ヘキセンオキサイドなどの直鎖状アルキレンオキサイドであり、より好ましくはプロピレンオキサイドである。
アルキレンオキサイドと二酸化炭素を共重合させる方法としては、公知の方法を使用することができ、例えば、「アンゲバンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angewandte Chemie International Edition)」(第42巻、2003年、p.5484)に記載されている方法をあげることができる。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂は、市販品を用いてもよい。ポリプロピレンカーボネートの市販品として、EMPOWER社製QPAC40などをあげることができる。ポリエチレンカーボネートの市販品として、EMPOWER社製QPAC25などをあげることができる。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂は、透明性を高めるために、示差走査熱量計(DSC)によって−50℃〜200℃の範囲において観測される融解熱量が30J/g以下であり、より好ましくは10J/g以下であり、さらに好ましくは5J/g以下である。最も好ましくは、DSCによって−50℃〜200℃の範囲において測定した場合、融解ピークが検出されない。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂においては、好ましくは、DSCによって−50℃〜200℃の範囲において測定した場合、結晶化ピークが検出されない。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂において、DSCによって−50℃〜200℃の温度範囲において観測されるガラス転移点温度は、好ましくは−50℃〜100℃であり、より好ましくは−30℃〜80℃であり、さらに好ましくは−20℃〜60℃である。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂の重量平均分子量Mwは、得られる樹脂組成物の薄肉成形性を高めるために、好ましくは1万以上100万以下であり、より好ましくは10万以上50万以下である。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂における重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1〜5である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
本発明の太陽電池封止材におけるポリアルキレンカーボネート樹脂の含有量は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、最も好ましくは95重量%以上である。
本発明の太陽電池封止材は、ポリアルキレンカーボネート系樹脂の他に、必要に応じ、本発明の効果を妨げない範囲で、他の樹脂を含有していてもよい。このような樹脂としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートやポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂などのアクリル系樹脂等を例示することができる。
また、本発明の太陽電池封止材は、ポリアルキレンカーボネート系樹脂の他に、必要に応じ、本発明の効果を妨げない範囲で、可塑剤を含有していてもよい。このような可塑剤としては、プロピレンカーボネート、フタル酸ジオクチルやフタル酸ジイソノニルなどのフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチルなどのアジピン酸エステル、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油などのエポキシ化植物油等を例示することができる。太陽電池封止材の透明性を高めるために、好ましくは、プロピレンカーボネートである。
本発明の太陽電池封止材は、必要に応じ、種々の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やホスファイト系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の光安定剤、光拡散剤、難燃剤、変色防止剤などを例示することができる。
使用可能な架橋剤としては、分解温度(半減期が1時間である温度)が70℃〜180℃、とくに90℃〜160℃の有機過酸化物を用いるのが好ましい。このような有機過酸化物として、例えば、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、第3ブチルパーオキシアセテート、第3ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ第3ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、第3ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、第3ブチルパーオキシイソブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。
また架橋助剤は、架橋反応を促進させ、架橋度を高めるのに有効であり、その具体例としては、ポリアリル化合物やポリ(メタ)アクリロキシ化合物のような多不飽和化合物を例示することができる。より具体的には、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエートのようなポリアリル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートのようなポリ(メタ)アクリロキシ化合物、ジビニルベンゼンなどを挙げることができる。
シランカップリング剤は、保護材や太陽電池素子等に対する太陽電池封止材の接着性を向上させるのに有用であり、その例としては、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基などの不飽和基、アミノ基、エポキシ基などとともに、アルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物を挙げることができる。シランカップリング剤として具体的には、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを例示することができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどを挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、などを挙げることができる。またトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールなどを挙げることができる。サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどを挙げることができる。
ポリアルキレンカーボネート系樹脂以外の樹脂、添加剤を含有する太陽電池封止材の調整方法としては、ポリアルキレンカーボネート系樹脂以外の成分とポリアルキレンカーボネート系樹脂を、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの公知の混練機を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
本発明の太陽電池モジュールは、前記の太陽電池封止材を使用した太陽電池モジュールである。
太陽電池モジュールの製造においては、太陽電池封止材をシート状に成形してなる太陽電池封止シートを用いることができる。太陽電池封止材をシート状に成形する方法としては、T−ダイ押出法、カレンダー成形法、プレス成形法などの公知のシート成形法あげることができる。太陽電池封止シートの厚みは、通常、0.1mm〜1mmである。
本発明の太陽電池モジュールの一例として、表面保護材、太陽電池封止材、太陽電池素子、太陽電池封止材、裏面保護材が順次積層されてなる太陽電池モジュールをあげることができる。当該太陽電池モジュールを製造する方法としては、表面保護材、太陽電池封止材、太陽電池素子、太陽電池封止材および裏面保護材を、この順に積層し、真空下で加熱圧着する方法を挙げることができる。
表面保護材、太陽電池封止材、太陽電池素子、太陽電池封止材および裏面保護材の積層においては、太陽電池封止材をシート状に成形して太陽電池封止シートを予め製造し、表面保護材、太陽電池封止材シート、太陽電池素子、太陽電池封止材シート、裏面保護材の順に積層してもよい。また、押出コーティング等によって太陽電池素子、表面保護材、裏面保護材のいずれかに太陽電池封止材を積層した多層体を製造し、その後、当該多層体と他の材を積層してもよい。例えば、表面保護材に太陽電池封止材を押出コーティング法で積層した多層体Aと、裏面保護材に太陽電池封止材を押出コーティング法で積層した多層体Bとを製造し、次に、多層体Aと太陽電池素子と多層体Bとを、表面保護材、太陽電池封止材、太陽電池素子、太陽電池封止材、裏面保護材の順になるように積層してもよい。
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、ガリウムー砒素、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルルなどのIII−V族やII−VI族化合物半導体系等の各種太陽電池素子を用いることができる。
表面保護材は、透明性に優れた材料であることが好ましい。表面保護材としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂などを例示することができる。
裏面保護材としては、金属や各種熱可塑性樹脂フィルムなどの単体もしくは多層のシートであり、例えば、錫、アルミ、ステンレススチールなどの金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィンなどの1層もしくは多層の保護材を例示することができる。
表面保護材と太陽電池封止材との接着強度を高めるため、表面保護材の太陽電池封止材との接着面にプライマー処理が施されていてもよい。また、裏面保護材と太陽電池封止材との接着強度を高めるため、裏面保護材の太陽電池封止材との接着面にプライマー処理が施されていてもよい。
本発明の太陽電池モジュールの別の例として、表面保護材上に太陽電池素子が形成された積層体と、太陽電池封止材と、裏面保護材とが、表面保護材、太陽電池素子、太陽電池封止材、裏面保護材の順になるように積層されてなる太陽電池モジュールをあげることができる。
本発明の太陽電池封止材及び太陽電池封止シートは、透明性、柔軟性に優れる。また、本発明により、本発明の太陽電池封止材を用いた優れた太陽電池モジュールが提供される。
物性測定は、下記のとおりに行った。
1.メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210に従って測定した。測定温度は190℃で、試験荷重は21.18Nで、重量法にて測定した。
2.融解ピーク温度(Tm)、融解熱量及び結晶化熱量
示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、試料を室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−50℃まで降温することにより、結晶化熱量を測定した。次に、−50℃で5分間保持した。その後、−50℃から200℃まで10℃/分で昇温することにより、融解ピーク温度及び融解熱量の測定を行った。
3.ガラス転移点温度(Tg)
示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、試料を室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−50℃まで降温することにより、ガラス転移点温度の測定を行った。
4.分子量分布
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した。測定装置としてはWaters社製150C/GPCを用い、測定溶媒としてはo−ジクロロベンゼンを用い、カラムとしては昭和電工(株)社製Shodex Packed ColumnA−80M(2本)を用い、分子量標準物質としては標準ポリスチレン(東ソー(株)社製、分子量68〜8,400,000)を用い、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0ml/分の条件で、試料約5mgを5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解したものを測定装置に400μl注入し、示差屈折検出器にてポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、両者の比である分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
5.式(1−2)単位の含有量
「ダルトン・トランザクションズ(Dalton Transactions)」、2006年、p.5390−5395に記載の方法に従い、測定および算出を行った。
6.透明性(ヘイズ)
JIS K 7105に従い、測定した。この値が小さいほど、透明性に優れる。
7.柔軟性
JIS K 7113に従い、引張弾性率を測定した。この値が小さい程、柔軟性に優れていることを示す。
8.発電効率
太陽電池RSP−001(NOATEK社製、サイズ55mm×50mm)をシートで覆った場合の発電量(P1)と覆わなかった場合の発電量(P0)を測定し、下記式(2)に従って発電効率(単位:%)を算出した。
発電効率=P1/P0×100 (2)
発電量の測定は、JIS C 8912、JIS C 8914に従い、ソーラーシミュレーターとして分光計器(株)製OTENTOSUN−Vを、I−V測定装置としてケースレー製ケースレー2400を、アルミプレート式温調試料台として分光計器(株)製BAP−80を、Si系フォトダイオード検知器として分光計器(株)製BS−500を用い、測定温度25℃、照射強度100mW/cm2、照射波長AM1.5、開始電圧−0.1V・終了電圧1.3V・電圧間隔0.01Vの条件下で行った。
1.メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210に従って測定した。測定温度は190℃で、試験荷重は21.18Nで、重量法にて測定した。
2.融解ピーク温度(Tm)、融解熱量及び結晶化熱量
示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、試料を室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−50℃まで降温することにより、結晶化熱量を測定した。次に、−50℃で5分間保持した。その後、−50℃から200℃まで10℃/分で昇温することにより、融解ピーク温度及び融解熱量の測定を行った。
3.ガラス転移点温度(Tg)
示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、試料を室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−50℃まで降温することにより、ガラス転移点温度の測定を行った。
4.分子量分布
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した。測定装置としてはWaters社製150C/GPCを用い、測定溶媒としてはo−ジクロロベンゼンを用い、カラムとしては昭和電工(株)社製Shodex Packed ColumnA−80M(2本)を用い、分子量標準物質としては標準ポリスチレン(東ソー(株)社製、分子量68〜8,400,000)を用い、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0ml/分の条件で、試料約5mgを5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解したものを測定装置に400μl注入し、示差屈折検出器にてポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、両者の比である分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
5.式(1−2)単位の含有量
「ダルトン・トランザクションズ(Dalton Transactions)」、2006年、p.5390−5395に記載の方法に従い、測定および算出を行った。
6.透明性(ヘイズ)
JIS K 7105に従い、測定した。この値が小さいほど、透明性に優れる。
7.柔軟性
JIS K 7113に従い、引張弾性率を測定した。この値が小さい程、柔軟性に優れていることを示す。
8.発電効率
太陽電池RSP−001(NOATEK社製、サイズ55mm×50mm)をシートで覆った場合の発電量(P1)と覆わなかった場合の発電量(P0)を測定し、下記式(2)に従って発電効率(単位:%)を算出した。
発電効率=P1/P0×100 (2)
発電量の測定は、JIS C 8912、JIS C 8914に従い、ソーラーシミュレーターとして分光計器(株)製OTENTOSUN−Vを、I−V測定装置としてケースレー製ケースレー2400を、アルミプレート式温調試料台として分光計器(株)製BAP−80を、Si系フォトダイオード検知器として分光計器(株)製BS−500を用い、測定温度25℃、照射強度100mW/cm2、照射波長AM1.5、開始電圧−0.1V・終了電圧1.3V・電圧間隔0.01Vの条件下で行った。
実施例1
[太陽電池封止シートの製造]
ポリプロピレンカーボネート樹脂A(Mw=19万 Tg=20℃、式(1−2)単位の含有量41重量%、Mw/Mn=3.1、融解ピーク及び結晶化ピーク未検出、商品名:QPAC40(ロットNo.10113−01)、EMPOWER社製)を、熱プレス成形機により150℃で5分間予熱し、次いで150℃で5分間、圧力10MPaで加圧成形し、次いで30℃で5分間冷却し、1mm厚のシートを作製した。
[太陽電池封止シートの製造]
ポリプロピレンカーボネート樹脂A(Mw=19万 Tg=20℃、式(1−2)単位の含有量41重量%、Mw/Mn=3.1、融解ピーク及び結晶化ピーク未検出、商品名:QPAC40(ロットNo.10113−01)、EMPOWER社製)を、熱プレス成形機により150℃で5分間予熱し、次いで150℃で5分間、圧力10MPaで加圧成形し、次いで30℃で5分間冷却し、1mm厚のシートを作製した。
得られたシートについて、透明性、柔軟性、発電効率を評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2
ポリプロピレンカーボネート樹脂Aの代わりに、ポリプロピレンカーボネート樹脂B(Mw=30万 Tg=22℃、式(1−2)単位の含有量41重量%、Mw/Mn=3.7、融解ピーク及び結晶化ピーク未検出、商品名:QPAC40(ロットNo.10028−01)、EMPOWER社製)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られたシートの評価結果を表1に示す。
ポリプロピレンカーボネート樹脂Aの代わりに、ポリプロピレンカーボネート樹脂B(Mw=30万 Tg=22℃、式(1−2)単位の含有量41重量%、Mw/Mn=3.7、融解ピーク及び結晶化ピーク未検出、商品名:QPAC40(ロットNo.10028−01)、EMPOWER社製)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られたシートの評価結果を表1に示す。
実施例3
ポリプロピレンカーボネート樹脂Aの代わりに、ポリプロピレンカーボネート樹脂C(Mw=18万 Tg=38℃、式(1−2)単位の含有量43重量%、Mw/Mn=1.5、融解ピーク及び結晶化ピーク未検出、商品名:132B60FBF98、NOVOMER社製)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られたシートの評価結果を表1に示す。
ポリプロピレンカーボネート樹脂Aの代わりに、ポリプロピレンカーボネート樹脂C(Mw=18万 Tg=38℃、式(1−2)単位の含有量43重量%、Mw/Mn=1.5、融解ピーク及び結晶化ピーク未検出、商品名:132B60FBF98、NOVOMER社製)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られたシートの評価結果を表1に示す。
参考例1
ポリプロピレンカーボネート樹脂Aの代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(製品名:751R、東ソー株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られたシートの評価結果を表1に示す。
ポリプロピレンカーボネート樹脂Aの代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(製品名:751R、東ソー株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。得られたシートの評価結果を表1に示す。
太陽電池モジュール例1
太陽電池封止シートとして、ポリカーボネート樹脂Aを熱プレス成形機により150℃で5分間予熱し、次いで150℃で5分間、圧力10MPaで加圧成形し、0.5mm厚のシートを作製する。表面保護材としては厚さ3mmのガラス板を使用する。裏面保護材としては、厚さ40μmのポリフッ化ビニル系樹脂シート及び厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートシーを使用する。
表面保護材、太陽電池封止シート、多結晶シリコンからなる太陽電池素子、太陽電池封止シート、裏面保護材(ポリフッ化ビニル系樹脂シート/ポリエチレンテレフタレートシート/ポリフッ化ビニル系樹脂シート)を、この順に積層し、真空ラミネーターにて、150℃の温度において15分間圧着することにより、太陽電池モジュールを作製する。
太陽電池封止シートとして、ポリカーボネート樹脂Aを熱プレス成形機により150℃で5分間予熱し、次いで150℃で5分間、圧力10MPaで加圧成形し、0.5mm厚のシートを作製する。表面保護材としては厚さ3mmのガラス板を使用する。裏面保護材としては、厚さ40μmのポリフッ化ビニル系樹脂シート及び厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートシーを使用する。
表面保護材、太陽電池封止シート、多結晶シリコンからなる太陽電池素子、太陽電池封止シート、裏面保護材(ポリフッ化ビニル系樹脂シート/ポリエチレンテレフタレートシート/ポリフッ化ビニル系樹脂シート)を、この順に積層し、真空ラミネーターにて、150℃の温度において15分間圧着することにより、太陽電池モジュールを作製する。
太陽電池モジュール例2
太陽電池封止シートとして、ポリカーボネート樹脂Bを熱プレス成形機により150℃で5分間予熱し、次いで150℃で5分間、圧力10MPaで加圧成形し、0.5mm厚のシートを作製する。表面保護材としては厚さ3mmのガラス板を使用する。裏面保護材としては、厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレートシートを使用する。
表面保護材、太陽電池封止シート、多結晶シリコンからなる太陽電池素子、太陽電池封止シート、裏面保護材を、この順に積層し、真空ラミネーターにて、150℃の温度において15分間圧着することにより、太陽電池モジュールを作製する。
太陽電池封止シートとして、ポリカーボネート樹脂Bを熱プレス成形機により150℃で5分間予熱し、次いで150℃で5分間、圧力10MPaで加圧成形し、0.5mm厚のシートを作製する。表面保護材としては厚さ3mmのガラス板を使用する。裏面保護材としては、厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレートシートを使用する。
表面保護材、太陽電池封止シート、多結晶シリコンからなる太陽電池素子、太陽電池封止シート、裏面保護材を、この順に積層し、真空ラミネーターにて、150℃の温度において15分間圧着することにより、太陽電池モジュールを作製する。
本太陽電池モジュールの発電量と、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる厚み0.5mmの太陽電池封止シートを用いて、上記と同様にして作成した太陽電池モジュールの発電量とを測定し、これらの発電量を比較評価する。
Claims (3)
- ポリアルキレンカーボネート系樹脂を含有する太陽電池封止材。
- 請求項1に記載の太陽電池封止材をシート状に成形してなる太陽電池封止シート。
- 請求項1に記載の太陽電池用封止材を使用した太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011147071A JP2013016572A (ja) | 2011-07-01 | 2011-07-01 | 太陽電池封止材、太陽電池封止シート、及び太陽電池モジュール |
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JP2011147071A Withdrawn JP2013016572A (ja) | 2011-07-01 | 2011-07-01 | 太陽電池封止材、太陽電池封止シート、及び太陽電池モジュール |
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JP (1) | JP2013016572A (ja) |
-
2011
- 2011-07-01 JP JP2011147071A patent/JP2013016572A/ja not_active Withdrawn
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