JP2013016420A - イグナイタプラグおよびイグナイタプラグの製造方法 - Google Patents

イグナイタプラグおよびイグナイタプラグの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イグナイタプラグの絶縁体におけるクラックの発生を抑制する。
【解決手段】イグナイタプラグの接地電極は、絶縁体と接地電極との間の第1の空間に冷却流体を供給する入口孔と、入口孔より先端側で、かつ、接地電極先端部の内周縁よりも径方向外側に位置し、冷却流体を排出する第1の出口孔と、を有する。絶縁体の先端側の端面と、軸方向に沿って当該端面に対向する接地電極の面との間に、第1の空間に連通するとともに、冷却流体を排出する第2の出口孔を有する第2の空間が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、イグナイタプラグおよびイグナイタプラグの製造方法に関する。
ガスタービンエンジン、ディーゼルエンジン、バーナー点火器等に用いられるイグナイタプラグは、一般に、中心電極と、中心電極の外側に設けられた絶縁体と、絶縁体の外側に設けられた接地電極(「外側電極」とも呼ばれる)とを備えており、接地電極の先端側に形成されている接地電極先端部は、中心電極との間に放電のための間隙を形成している。なお、本明細書では、イグナイタプラグの軸方向に沿った上記間隙側を「先端側」と呼び、先端側とは反対側を「後端側」と呼ぶものとする。
従来のイグナイタプラグでは、絶縁体は、絶縁体の先端側の端面(以下、「絶縁体先端面」と呼ぶ)が、軸方向に沿って絶縁体先端面に対向する接地電極の面(以下、「接地電極対向面」と呼ぶ)に接触するように、接地電極内部に固定されている。
このようなイグナイタプラグでは、接地電極の側壁に設けられた入口孔から流入する冷却流体(例えば空気)を用いて、絶縁体や接地電極先端部、中心電極の冷却が行われる。例えば、入口孔から、絶縁体と接地電極との間に形成された環状空間を経て、接地電極先端部の内周縁より径方向外側に設けられた出口孔へと至る流路を冷却流体が流動することにより、絶縁体や接地電極先端部が冷却される(例えば、特許文献1参照)。
特開昭61−23632号公報 特開平3−5032号公報 特開平1−286282号公報 特許平1−274373号公報 特許平1−274374号公報 特開平1−267983号公報 特許平1−267984号公報
従来のイグナイタプラグでは、加熱されて高温になると、絶縁体と接地電極との線膨張率の差により、常温時において互いに接触していた絶縁体先端面と接地電極対向面との間に隙間が発生する場合があった。絶縁体先端面と接地電極対向面との間に隙間が発生すると、冷却流路を流動している冷却流体が当該隙間に進入して絶縁体が急冷され、熱衝撃(熱落差)によって絶縁体にクラックが発生する場合があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、イグナイタプラグの絶縁体におけるクラックの発生を抑制することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]中心電極と、軸方向に延伸する軸孔を有すると共に前記中心電極を内部に収容する絶縁体と、前記絶縁体の外周面の少なくとも一部との間に第1の空間が形成されるように前記絶縁体を内部に収容する接地電極と、を備えるイグナイタプラグにおいて、
前記接地電極は、前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極先端部を有し、
前記間隙側を前記軸方向に沿った先端側としたとき、前記接地電極は、前記第1の空間に冷却流体を供給する入口孔と、前記入口孔より前記先端側で、かつ、前記接地電極先端部の内周縁よりも径方向外側に位置し、前記冷却流体を排出する第1の出口孔と、を有し、
前記絶縁体の前記先端側の端面である絶縁体端面と、前記軸方向に沿って前記絶縁体端面に対向する前記接地電極の面である接地電極対向面との間に、前記第1の空間に連通するとともに、冷却流体を排出する第2の出口孔を有する第2の空間が形成されている、イグナイタプラグ。
このイグナイタプラグでは、絶縁体端面と接地電極対向面との間に、絶縁体と接地電極との間の第1の空間に連通するとともに冷却流体を排出する第2の出口孔を有する第2の空間が形成されているため、入口孔から第1の空間に供給された冷却流体は、第2の空間内に流入して第2の出口孔を介して排出され、このような冷却流体の流れにより絶縁体端面が恒常的に冷却されるため、絶縁体が高温状態から急冷されることがなく、絶縁体におけるクラックの発生を抑制することができる。
[適用例2]適用例1に記載のイグナイタプラグにおいて、
前記軸方向に沿って前記絶縁体と前記接地電極との間に挟まれるように配置され、前記入口孔より前記先端側の所定の係止位置において前記先端側への前記絶縁体の前記接地電極に対する相対移動を規制する係止部材を備え、
前記係止部材は、前記係止位置に、径方向に伸びるスリットを有する、イグナイタプラグ。
このイグナイタプラグでは、絶縁体の係止位置が入口孔より先端側の位置であっても、係止位置において径方向に伸びるスリットを有する係止部材を使用することにより、絶縁体端面と接地電極対向面との間に第2の空間を確保することができ、絶縁体におけるクラックの発生を抑制することができる。
[適用例3]適用例2に記載のイグナイタプラグにおいて、
前記係止位置は、前記絶縁体端面の位置であり、
前記係止部材は、前記接地電極の融点以上の融点を有する金属で形成されている、イグナイタプラグ。
このイグナイタプラグでは、係止部材によって接地電極の耐久性を向上させることができるため、絶縁体におけるクラックの発生を抑制しつつ、部品点数を増加させることなくイグナイタプラグの耐久性を向上させることができる。
[適用例4]適用例2に記載のイグナイタプラグにおいて、
前記絶縁体は、前記絶縁体端面を含む第1部分と、前記第1部分より径の大きい第2部分と、を有し、
前記係止位置は、前記第1部分と前記第2部分との境界の段部の位置である、イグナイタプラグ。
このイグナイタプラグでは、絶縁体の絶縁体端面を含む第1部分の径が第2部分より小さいため、絶縁体の絶縁体端面付近における内部温度差を低減することができ、絶縁体におけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。また、このイグナイタプラグでは、絶縁体の係止位置が第1部分と第2部分との境界の段部の位置であるため、絶縁体の係止位置が絶縁体端面の位置である場合と比較して、より大きな第2の空間を確保することができ、絶縁体におけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。
[適用例5]適用例4に記載のイグナイタプラグにおいて、
前記段部の外周面の前記軸方向に対してなす角度は45度以下であり、
前記係止位置における前記係止部材は、前記軸を含む断面において前記段部の外周面と線接触している、イグナイタプラグ。
このイグナイタプラグでは、絶縁体の軸方向に沿った寸法のばらつきを係止部材の変形によって吸収することができるため、寸法の異なる多種類の係止部材を準備したり、適切な厚さの係止部材を選択したりすることなく、イグナイタプラグの寸法精度を向上させることができる。
[適用例6]適用例2ないし適用例5のいずれかに記載のイグナイタプラグにおいて、さらに、
前記接地電極の融点以上の融点を有する材料を用いて前記接地電極対向面上に設けられた電極板を備え、
前記係止部材は、前記電極板上に設置される、イグナイタプラグ。
このイグナイタプラグでは、電極板の体積の低下を抑制することができ、耐久性の低下を抑制することができる。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載のイグナイタプラグにおいて、
前記第2の空間の前記軸方向に沿った距離は0.25mm以下である、イグナイタプラグ。
このイグナイタプラグでは、良好な火花耐久性および火花高さを確保することができる。
[適用例8]適用例7に記載のイグナイタプラグにおいて、
前記第2の空間の前記軸方向に沿った距離は0.15mm以下である、イグナイタプラグ。
このイグナイタプラグでは、さらに良好な火花耐久性および火花高さを確保することができる。
[適用例9]適用例1に記載のイグナイタプラグを製造する方法において、
充填粉末およびかしめを利用して前記絶縁体と前記接地電極とを固定する工程を備え、
前記固定する工程は、前記充填粉末を加熱する工程を含む、方法。
このイグナイタプラグを製造する方法では、接地電極に対する絶縁体の固着力を向上させることができる。
[適用例10]適用例1に記載のイグナイタプラグを製造する方法において、
前記接地電極の前記接地電極対向面上に可燃性パッキンを設置する工程と、
前記絶縁体端面が前記可燃性パッキンの表面に接触する位置まで、前記接地電極の内部に前記絶縁体を挿入する工程と、
前記可燃性パッキンを焼失させることにより、前記可燃性パッキンが占めていた空間を前記第2の空間とする工程と、を備える、方法。
このイグナイタプラグを製造する方法では、接地電極や絶縁体の寸法のばらつき等に影響されず、絶縁体端面と接地電極対向面との間に所定の大きさの第2の空間が精度良く形成されるように、絶縁体を接地電極に固定することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、イグナイタプラグ、イグナイタプラグ用の接地電極、イグナイタプラグ用の係止部材、これらの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施例におけるイグナイタプラグ100の構成を概略的に示す説明図である。 本発明の第1実施例におけるイグナイタプラグ100の構成を概略的に示す説明図である。 本発明の第1実施例におけるイグナイタプラグ100の構成を概略的に示す説明図である。 第1実施例のイグナイタプラグ100を製造する際の絶縁体30の固定方法を示すフローチャートである。 イグナイタプラグ100の熱衝撃試験の結果を示す説明図である。 イグナイタプラグ100の火花耐久性と火花高さについての評価試験結果を示す説明図である。 イグナイタプラグ100における絶縁体30の固定方法の評価試験結果を示す説明図である。 第2実施例におけるイグナイタプラグ100aの構成を概略的に示す説明図である。 第2実施例におけるイグナイタプラグ100aの構成を概略的に示す説明図である。 第2実施例の第1の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。 第2実施例の第2の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。 第2実施例の第3の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。 第2実施例の第4の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。 第2実施例の第5の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。 変形例におけるイグナイタプラグ100gの構成を概略的に示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.イグナイタプラグの構成:
A−2.絶縁体固定方法:
A−3.性能評価:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
A−1.イグナイタプラグの構成:
図1ないし図3は、本発明の第1実施例におけるイグナイタプラグ100の構成を概略的に示す説明図である。図1には、第1実施例のイグナイタプラグ100の全体構成を示しており、図2(a)には、図1におけるX1部の構成を拡大して示しており、図2(b)には、イグナイタプラグ100の最先端側の平面構成を示しており、図3には、図1におけるX2部の構成を拡大して示している。なお、以下の説明では、イグナイタプラグ100の軸線OLに沿って、後述の沿面間隙GP側を先端側と呼び、先端側とは反対側を後端側と呼ぶものとする。
本実施例のイグナイタプラグ100は、例えば航空機用のガスタービンエンジンや、ディーゼルエンジン、バーナー点火器等に用いられる点火装置であり、いわゆる引き込みサーフェイス型のイグナイタプラグである。
図1に示すように、イグナイタプラグ100は、接地電極10と、中心電極20と、絶縁体30とを備えている。中心電極20は、略棒状の電極であり、例えばニッケルを主成分とするニッケル合金により形成されている。中心電極20の先端側に、耐火花消耗性や耐酸化消耗性を向上させるために、例えば貴金属で形成された電極チップが接合されているとしてもよい。
絶縁体30は、軸線OLに沿って延伸する貫通孔である軸孔31が中心に形成された略円筒形状の部材であり、例えばアルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成されている。絶縁体30の軸孔31内には、中心電極20が収容される。図2(a)に示すように、軸孔31に収容された中心電極20の先端側の端面(以下、「中心電極先端面22」と呼ぶ)は、絶縁体30の先端側の端面(以下、「絶縁体先端面32」と呼ぶ)より後端側に位置する。なお、軸孔31の最先端側は、先端側ほど内径が大きくなるようなテーパー形状となっている。また、図3に示すように、絶縁体30には、他の部分より外径の大きい中央胴部39が形成されている。
接地電極10は、内部に絶縁体30を収容する略円筒形状の部材であり、例えば低炭素鋼といった金属により形成されている。接地電極10と絶縁体30とは、後述するように、絶縁体30の中央胴部39付近の位置で固定されており、接地電極10の内周面と、絶縁体30の中央胴部39より先端側の外周面との間には、環状の空間(以下、「先端側環状空間RS1」と呼ぶ)が形成されている。なお、先端側環状空間RS1は本発明における第1の空間に相当する。また、接地電極10には、イグナイタプラグ100の外部空間と先端側環状空間RS1とを連通する複数の入口孔11が形成されている。なお、接地電極10に形成される入口孔11の数は1つのみでもよい。
本実施例のイグナイタプラグ100では、接地電極10の後端側に主体金具90が接続されている。ただし、接地電極10と主体金具90とが一体の部品であるとしてもよい。
図2(a)に示すように、接地電極10の最先端側には接地電極先端部12が設けられている。図2(b)に示すように、接地電極先端部12の軸線OLに直交する断面形状は、略環状である。接地電極先端部12と中心電極20との間には、放電のための間隙(以下、「沿面間隙GP」と呼ぶ)が形成される。沿面間隙GPは、絶縁体30の軸孔31のテーパー部分の表面に沿った間隙である。接地電極先端部12の中空部分は、イグナイタプラグ100の外部に面する開口(以下、「火花開口18」と呼ぶ)となっている。火花開口18は、絶縁体30の軸孔31のテーパー部分および中心電極20の中心電極先端面22に通じている。中心電極20と接地電極先端部12との間に高電圧を印加すると、沿面間隙GPにおいて放電が発生し、火花開口18より火花がプラズマ状に放出される。
接地電極10における入口孔11より先端側の位置には、イグナイタプラグ100の外部空間と先端側環状空間RS1とを連通する複数の第1の出口孔14が形成されている。第1の出口孔14は、接地電極先端部12の内周縁よりも径方向外側に配置されている。なお、接地電極10に形成される第1の出口孔14の数は1つのみでもよい。
図2(a)において矢印で示すように、入口孔11と先端側環状空間RS1と第1の出口孔14とは、冷却流体流路を構成する。イグナイタプラグ100が使用される際には、入口孔11を介して先端側環状空間RS1に冷却流体(例えば空気)が供給され、供給された冷却流体は先端側環状空間RS1内を先端側に流動して、第1の出口孔14を介して外部空間に排出される。このような冷却流体の流れにより、主に絶縁体30および接地電極先端部12の外周面が冷却される。なお、入口孔11を介して先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は、中央胴部39より後端側に形成された環状の空間(以下、「後端側環状空間RS2」と呼ぶ。図1参照)を経て、中心電極20と絶縁体30との間の隙間内を先端側に流動し、火花開口18を介して排出される。このような冷却流体の流れにより、主に中心電極20の外周面や絶縁体30および接地電極先端部12の内周面が冷却される。
また、本実施例では、図2(a)に示すように、絶縁体先端面32と、軸線OL方向に沿って絶縁体先端面32に対向する接地電極10(接地電極先端部12)の面(以下、「接地電極対向面13」と呼ぶ)と、の間に、空間(以下、「端面間空間IS」と呼ぶ)が形成されている。なお、端面間空間ISは本発明における第2の空間に相当する。端面間空間ISは、先端側環状空間RS1に連通していると共に、沿面間隙GPが形成される空間に連通する第2の出口孔19を有している。そのため、図2(a)において矢印で示すように、先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は、端面間空間IS内に流入し、第2の出口孔19を介して沿面間隙GPが形成される空間に排出され、その後、火花開口18から外部空間に排出される。このような冷却流体の流れにより、主に絶縁体先端面32付近や接地電極対向面13付近が冷却される。
なお、本実施例では、絶縁体先端面32は、軸線OLに垂直な面ではなく、垂直面からわずかに傾いた面となっている。また、接地電極対向面13は、各位置において対向する絶縁体先端面32に略平行な面となっている。そのため、端面間空間ISの大きさ(端面間空間ISの軸線OLに沿った距離)は、略一定である。
図3に示すように、絶縁体30は、中央胴部39付近の位置で、略筒状部材である押さえ金41を用いて接地電極10に固定されている。より詳細には、押さえ金41における先端側の端部は、径が中央胴部39の外径よりも小さくなっており、中央胴部39より先端側に配置されてパッキン42を介して中央胴部39に当接している。本実施例では、この位置が、先端側への絶縁体30の接地電極10に対する相対移動を規制する係止位置である。そのため、パッキン42の厚みを調整することにより、端面間空間ISの大きさを調整することができる。また、中央胴部39の後端側における押さえ金41と絶縁体30との間には、パッキン43と充填粉末(例えばタルク)45とパッキン44とが配置されている。押さえ金41の後端側の端部(押さえ金後端部46)は、加締められている。このような構成により、絶縁体30は、接地電極10に固定されている。なお、押さえ金41の外周には、軸線OLに沿った流路溝が形成されており、上述した先端側環状空間RS1と後端側環状空間RS2とは、当該流路溝を介して連通している。
A−2.絶縁体固定方法:
図4は、第1実施例のイグナイタプラグ100を製造する際の絶縁体30の固定方法を示すフローチャートである。最初に、接地電極10の内部の孔に、可燃性材料(例えば紙や木)で形成されたパッキンを挿入する(ステップS110)。挿入された可燃性パッキンは、接地電極対向面13(図2(a)参照)上に設置される。可燃性パッキンの厚さは、形成すべき端面間空間ISの大きさ(端面間空間ISの軸線OLに沿った距離)に対応する値である。
次に、接地電極10の内部孔に絶縁体30および絶縁体30を接地電極10に固定するための部品を挿入する(ステップS120)。具体的には、まず押さえ金41およびパッキン42を挿入し、次に絶縁体30を挿入し、その後、パッキン43を挿入して充填粉末45を充填し、最後にパッキン44を挿入する。このとき、挿入された絶縁体30は、先に接地電極対向面13上に設置された可燃性パッキン上に設置され、絶縁体先端面32が可燃性パッキンの表面に接することとなる。この状態において、押さえ金41の押さえ金後端部46を加締めることにより絶縁体30を接地電極10に固定すると共に、充填粉末45を加熱(例えば電気炉により700℃で180分間)する(ステップS130)。
最後に、可燃性パッキンをバーナーによって焼失させる(ステップS140)。これにより、絶縁体30の絶縁体先端面32と接地電極10の接地電極対向面13との間に、可燃性パッキンの厚さに対応する大きさの端面間空間ISが形成される。以上の方法により、接地電極10や絶縁体30の寸法のばらつき等に影響されず、絶縁体先端面32と接地電極対向面13との間に所定の大きさの端面間空間ISが精度良く形成されるように、絶縁体30を接地電極10に固定することができる。
A−3.性能評価
上述した本実施例のイグナイタプラグ100を対象として、性能評価試験を実施した。図5は、イグナイタプラグ100の熱衝撃試験の結果を示す説明図である。熱衝撃試験では、絶縁体先端面32と接地電極対向面13との間に形成する端面間空間ISの大きさ(軸線OLに沿った距離)が異なる複数のサンプルを対象とし、冷熱サイクルに晒されたときの絶縁体30におけるクラックの発生の有無を調べた。サンプルの種類は、端面間空間ISの軸線OLに沿った距離が0.05mm、0.10mm、0.15mm、0.20mm、0.25mm、0.30mmの6種類と、端面間空間ISが存在しない比較例(端面間空間ISの軸線OLに沿った距離が0.00mmのもの)と、の合計7種類である。試験温度は、接地電極10の最先端部分(発火部分)において1000℃、1100℃、1200℃の3通りとした。各サンプルについて、バーナーによる1分間の加熱と入口孔11から冷却流体を供給することによる1分間の冷却とを10サイクル繰り返し、5サイクル毎に絶縁体30におけるクラックの発生の有無を確認した。サンプル数nは、サンプルの種類および温度条件の各組み合わせについて、5個である。
図5に示すように、端面間空間ISが存在しないサンプル(比較例に対応するサンプル)では、試験温度1000℃では絶縁体30にクラックは発生しなかったものの、試験温度1100℃では3個のサンプルでクラックが発生し、試験温度1200℃ではすべて(5個)のサンプルでクラックが発生した。この結果から、常温時に絶縁体先端面32と接地電極対向面13とが接触していて端面間空間ISが存在しないイグナイタプラグでは、温度条件によっては、絶縁体30と接地電極10(接地電極先端部12)との線膨張率の差によって絶縁体先端面32と接地電極対向面13との間に隙間が発生し、当該隙間に冷却流体が進入して絶縁体30が急冷され、熱衝撃(熱落差)により絶縁体30にクラックが発生する場合があることがわかる。
一方、絶縁体先端面32と接地電極対向面13との間に端面間空間ISが形成されたサンプル(本実施例に対応するサンプル)では、端面間空間ISの大きさにかかわらず、いずれの試験温度でも絶縁体30にクラックは発生しなかった。常温時において絶縁体先端面32と接地電極対向面13との間に端面間空間ISが形成されていると、絶縁体先端面32は端面間空間ISを流動する冷却流体によって恒常的に冷却されるため、絶縁体30が高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30におけるクラックの発生を抑制することができると考えられる。
図6は、イグナイタプラグ100の火花耐久性と火花高さについての評価試験結果を示す説明図である。火花耐久性試験では、上述した熱衝撃試験に使用したサンプルと同じ7種類のサンプルを用い、点火を繰り返し実行できる継続時間を調べた。イグナイタプラグ100においては、点火を繰り返し実行すると各電極が摩耗してくるため、沿面間隙GPが広がって失火しやすくなる。そのため、端面間空間ISの大きさ(軸線OLに沿った距離)が大きいほど、火花耐久性は低下する傾向にあると考えられる。火花耐久性試験では、継続時間が4.5時間以上の場合には「極めて良好(◎)」と評価し、3.5時間以上4.5時間未満の場合には「良好(○)」と評価し、3.5時間未満の場合には「並(△)」と評価した。
図6に示すように、火花耐久性試験では、すべてのサンプルは良好な火花耐久性を示し、特に端面間空間ISの大きさが0.20mm以下のサンプルは極めて良好な火花耐久性を示した。
また、火花高さ試験では、上述した熱衝撃試験に使用したサンプルと同じ7種類のサンプルを用い、火花高さ(イグナイタプラグ100の最先端側端面からの火花の突出長)を調べた。イグナイタプラグ100においては、端面間空間ISの大きさ(軸線OLに沿った距離)が大きいほど、火花が端面間空間IS内に入り込む現象(火もぐり)の影響により、火花高さが低下する傾向にある。火花高さ試験では、火花高さが6mm以上の場合に「極めて良好(◎)」と評価し、4mm以上6mm未満の場合に「良好(○)」と評価し、4mm未満の場合に「並(△)」と評価した。
図6に示すように、火花高さ試験では、端面間空間ISの大きさが0.25mm以下のサンプルは大きな(良好な)火花高さを示し、特に端面間空間ISの大きさが0.15mm以下のサンプルは極めて大きな(極めて良好な)火花高さを示した。
図6に示した火花耐久性および火花高さの試験結果から、良好な火花耐久性および火花高さを確保するという点では、端面間空間ISの大きさが0.25mm以下であることが好ましく、端面間空間ISの大きさが0.15mm以下であることがさらに好ましいことがわかる。
図7は、イグナイタプラグ100における絶縁体30の固定方法の評価試験結果を示す説明図である。固定方法の評価試験では、絶縁体30を接地電極10に固定する4種類の方法(方法1−4)について、JISB8031に従って加熱同時衝撃試験と絶縁体抜け荷重の測定とを実行した。加熱同時衝撃試験の試験条件は、衝程3mm、発火部温度800−900℃、座温150℃である。
絶縁体30の固定方法1−4は、固定部分の各仕様(仕様A−C)と固定時における充填粉末45の加熱の有無との組み合わせにより定義される。固定部分の標準仕様Aは、接地電極10内に絶縁体30を挿入して600kgで仮押さえを行い、充填圧1000kgで充填粉末45を充填し、加締め圧2000kgで押さえ金後端部46を加締める仕様である。仕様Bは、充填粉末45の充填圧を仕様Aと比較して20%向上させた仕様(すなわち、粉末充填圧が1200kgの仕様)である。なお、仕様A,Bでは、絶縁体30に施釉を行っている。仕様Cは、標準仕様Aに対して、絶縁体30の施釉を行わない仕様である。固定方法1は、標準仕様Aにより絶縁体30の固定を行った後、充填粉末45の加熱を行う固定方法である。固定方法2−4は、それぞれ標準仕様A−Cにより絶縁体30の固定を行い、充填粉末45の加熱は行わない固定方法である。
固定方法1のサンプルでは、加熱同時衝撃試験において、30分間、充填粉末45の漏れは発生せず、また、絶縁体30の抜け荷重は280kgと非常に大きかった。一方、固定方法2−4のサンプルでは、加熱同時衝撃試験開始後2分ないし3分で充填粉末45の漏れが発生し、絶縁体30の抜け荷重はそれぞれ30kg、60kg、50kgと小さかった。
図7に示した試験結果から、固定部の仕様A−C間の違いと比較して、充填粉末45を加熱する工程の有無が、絶縁体30の固着力に大きな影響を与えることがわかる。すなわち、絶縁体30の固着力を向上させるという点では、絶縁体30を接地電極10に固定する際に、充填粉末45を加熱することが好ましい。
以上説明したように、本実施例のイグナイタプラグ100では、接地電極10が、接地電極10と絶縁体30との間に形成される先端側環状空間RS1に連通する入口孔11と、入口孔11より先端側で、かつ、接地電極先端部12の内周縁よりも径方向外側に位置する第1の出口孔14と、を有しており、絶縁体30の絶縁体先端面32と接地電極10の接地電極対向面13との間に、先端側環状空間RS1に連通するとともに、冷却流体を排出する第2の出口孔19を有する端面間空間ISが形成されている。そのため、本実施例のイグナイタプラグ100では、絶縁体先端面32は端面間空間ISを流動する冷却流体によって恒常的に冷却されるため、絶縁体30が高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30におけるクラックの発生を抑制することができる。なお、絶縁体30の絶縁体先端面32と接地電極10の接地電極対向面13との間に端面間空間ISが形成されていると、端面間空間ISが無い場合と比較して絶縁体30と接地電極10との間の熱伝導が低下する。そのため、例えば使用時に燃料が接地電極先端部12に付着して接地電極先端部12が急冷されても、接地電極先端部12からの熱伝導によって絶縁体30が急冷されることが抑制されるため、この点からも絶縁体30におけるクラックの発生を抑制することができる。
また、本実施例のイグナイタプラグ100において、良好な火花耐久性および火花高さを確保するという点では、端面間空間ISの大きさが0.25mm以下であることが好ましく、端面間空間ISの大きさが0.15mm以下であることがさらに好ましい。
また、本実施例のイグナイタプラグ100を製造する際には、絶縁体30を接地電極10に固定するときに充填粉末45を加熱するため、絶縁体30の固着力を向上させることができる。また、本実施例のイグナイタプラグ100を製造する際には、接地電極10の接地電極対向面13上に可燃性パッキンを設置し、絶縁体先端面32が可燃性パッキンの表面に接触する位置まで接地電極10の内部に絶縁体30を挿入し、可燃性パッキンを焼失させることにより可燃性パッキンが占めていた空間を端面間空間ISとするため、接地電極10や絶縁体30の寸法のばらつき等に影響されず、絶縁体先端面32と接地電極対向面13との間に所定の大きさの端面間空間ISが精度良く形成されるように、絶縁体30を接地電極10に固定することができる。
B.第2実施例:
図8および図9は、第2実施例におけるイグナイタプラグ100aの構成を概略的に示す説明図である。第2実施例におけるイグナイタプラグ100aは、主に、絶縁体30aの接地電極10aに対する係止方法が、上述した第1実施例と異なっている。なお、本明細書では、各実施例や変形例、比較例を互いに区別して説明するときには、符号の末尾にアルファベット等の区別記号を付加するものとし、各実施例や変形例、比較例について共通して説明するときには、上記区別記号を適宜省略するものとする。
図8には、第2実施例のイグナイタプラグ100aの全体構成を示しており、図9(a)には、図8におけるX11部の構成を拡大して示しており、図9(b)には、後述する端面用パッキン60の後端側から見た平面構成を示しており、図9(c)には、端面用パッキン60の側面構成(図の右側半分)および図9(b)のS1−S1の位置における断面構成(図の左側半分)を示している。
図8に示すように、第2実施例のイグナイタプラグ100aは、上述した第1実施例と同様に、いわゆる引き込みサーフェイス型のイグナイタプラグであり、接地電極10aと、中心電極20aと、絶縁体30aとを備えている。絶縁体30aは、中央胴部39aより後端側の固定部40において、接地電極10aに固定されている。
ただし、第2実施例では、図9(a)に示すように、先端側への絶縁体30aの接地電極10aに対する相対移動を規制する係止位置が、入口孔11aより後端側の固定部40の位置ではなく、入口孔11aより先端側の絶縁体先端面32aの位置となっている。すなわち、接地電極10aの接地電極対向面13a上には電極板50が設置されており、電極板50上には端面用パッキン60が設置されている。絶縁体30aは、この端面用パッキン60上に設置されており、絶縁体先端面32aの位置(端面用パッキン60の後端側表面の位置)において先端側への移動が規制されている。
電極板50は、接地電極12先端部aの耐火花消耗性や耐酸化消耗性を向上させるために設置された略中空円盤状の部材であり、接地電極10a(接地電極先端部12a)の融点以上の融点を有する金属(例えばタングステンや白金、イリジウム、ロジウム)で形成されている。電極板50は、接地電極10aの内部孔に挿入されて接地電極対向面13a上に設置され、抵抗溶接により固定される。
端面用パッキン60は、中央孔64を有する略中空円盤状の部材であり、例えばニッケルを主成分とするニッケル合金により形成されている。端面用パッキン60の後端側表面には、中央孔64と外周縁とを結ぶように径方向に伸びるスリット62が設けられている。接地電極対向面13a上への電極板50の設置後、接地電極10aの内部孔に端面用パッキン60が挿入され、さらに絶縁体30aが挿入されて押圧されると、絶縁体先端面32aが端面用パッキン60のスリット62以外の部分の表面に接触して、絶縁体30aが係止される。すなわち、端面用パッキン60は、絶縁体30aの係止部材として機能する。この状態において、端面用パッキン60のスリット62の部分が、絶縁体先端面32aと接地電極対向面13aとの間に形成された端面間空間ISとなる。
なお、第2実施例では、端面用パッキン60のスリット62の深さを調整することにより、端面間空間ISの大きさ(端面間空間ISの軸線OLに沿った距離)を調整することができる。また、端面用パッキン60におけるスリット62の平面形状や形成数を調整することにより、端面間空間ISの体積を調整することができる。また、本実施例では、絶縁体先端面32aは軸線OLに垂直な面からわずかに傾いた面であるため、端面用パッキン60は絶縁体先端面32aに押されて変形し、端面用パッキン60の表面と絶縁体先端面32aとが密着する。
端面用パッキン60のスリット62により確保された端面間空間ISは、第1実施例と同様に、先端側環状空間RS1に連通していると共に、沿面間隙GPが形成される空間に連通する第2の出口孔19aを有している。そのため、図9(a)において矢印で示すように、入口孔11aから先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は、端面間空間IS内に流入し、第2の出口孔19aを介して沿面間隙GPが形成される空間に排出され、その後、火花開口18aから外部空間に排出される。第2実施例では、このような冷却流体の流れにより、絶縁体先端面32aが恒常的に冷却されるため、絶縁体30aが高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30aにおけるクラックの発生を抑制することができる。
また、絶縁体先端面32aと接地電極対向面13aとの間の端面間空間ISの存在により、絶縁体30aと接地電極10aとの間の熱伝導が低下するため、例えば燃料の付着によって接地電極先端部12aが急冷されても、接地電極先端部12aからの熱伝導によって絶縁体30aが急冷されることが抑制され、この点からも絶縁体30aにおけるクラックの発生を抑制することができる。
以上説明したように、第2実施例では、絶縁体30aの係止位置が入口孔11aより先端側の位置(具体的には絶縁体先端面32aの位置)であっても、係止位置において径方向に伸びるスリット62を有する端面用パッキン60を係止部材として使用することにより、絶縁体先端面32aと接地電極対向面13aとの間に、先端側環状空間RS1に連通するとともに第2の出口孔19aを有する端面間空間ISを確保することができ、絶縁体30aにおけるクラックの発生を抑制することができる。
(第2実施例の第1の変形例)
図10は、第2実施例の第1の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。図10(a)には、イグナイタプラグの先端部の断面構成を示しており、図10(b)には、端面用パッキン60bの後端側から見た平面構成を示しており、図10(c)には、端面用パッキン60bの側面構成(図の右側半分)および図10(b)のS2−S2の位置における断面構成(図の左側半分)を示している。
図10に示した第2実施例の第1の変形例は、絶縁体30bの絶縁体先端面32bを含む部分(以下、「小径部36」と呼ぶ)の径が、当該部分より後端側の部分(以下、「大径部37」と呼ぶ)の径より小さくなっており、接地電極先端部12b、電極板50b、端面用パッキン60bが小径部36に対応する形状となっている点が、図9に示した第2実施例と異なっており、その他の構成は第2実施例と同様である。具体的には、第2実施例の第1の変形例における絶縁体30bの形状は、図9に示した第2実施例における絶縁体30aの最先端部の外周側が欠損したような形状である。従って、絶縁体30bの絶縁体先端面32bは、図9に示した第2実施例より小さく、接地電極10bの接地電極対向面13bや電極板50bおよび端面用パッキン60bの平面も、絶縁体先端面32bに対応して小さくなっている。なお、小径部36は本発明における第1部分に相当し、大径部37は本発明における第2部分に相当する。
第2実施例の第1の変形例では、上述した第2実施例と同様に、入口孔11bより先端側の位置(具体的には絶縁体先端面32bの位置)で、絶縁体30bが係止部材としての端面用パッキン60bにより係止されている。また、端面用パッキン60bのスリット62bの部分が、絶縁体先端面32bと接地電極対向面13bとの間に形成された端面間空間ISとなる。端面間空間ISは、先端側環状空間RS1に連通していると共に、沿面間隙GPが形成される空間に連通する第2の出口孔19bを有している。そのため、図10(a)において矢印で示すように、入口孔11bから先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は、端面間空間IS内に流入し、第2の出口孔19bを介して沿面間隙GPが形成される空間に排出され、その後、火花開口18bから外部空間に排出される。このような冷却流体の流れにより、絶縁体先端面32bが恒常的に冷却されるため、絶縁体30bが高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30bにおけるクラックの発生を抑制することができる。
さらに、第2実施例の第1の変形例では、絶縁体30bにおける最先端部分(絶縁体先端面32bを含む部分)が径の小さい小径部36となっているため、絶縁体30bの内部温度差を低減することができ、絶縁体30bにおけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。
(第2実施例の第2の変形例)
図11は、第2実施例の第2の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。図11(a)には、イグナイタプラグの先端部の断面構成を示しており、図11(b)には、端面用パッキン60cの後端側から見た平面構成を示しており、図11(c)には、端面用パッキン60cの側面構成(図の右側半分)および図11(b)のS3−S3の位置における断面構成(図の左側半分)を示している。
図11に示した第2実施例の第2の変形例は、端面用パッキン60cが上述した第2実施例の第1の変形例における電極板50bとしても機能する点が、図10に示した第2実施例の第1の変形例と異なっており、その他の構成は第2実施例の第1の変形例と同様である。具体的には、第2実施例の第2の変形例では、接地電極10cの接地電極対向面13c上に端面用パッキン60cが設置されており、絶縁体30cは、この端面用パッキン60c上に設置されている。端面用パッキン60cは、接地電極先端部12cの融点以上の融点を有する金属で形成されており、接地電極先端部12cの耐火花消耗性や耐酸化消耗性を向上させる。端面用パッキン60cは、接地電極10cの内部孔に挿入されて接地電極対向面13c上に設置され、抵抗溶接により固定される。また、端面用パッキン60cの後端側表面には、複数のスリット62cが設けられており、端面用パッキン60cのスリット62cの部分は、絶縁体先端面32cと接地電極対向面13cとの間に形成された端面間空間ISとなる。
第2実施例の第2の変形例では、上述した第2実施例の第1の変形例と同様に、入口孔11cより先端側の位置(具体的には絶縁体先端面32cの位置)で絶縁体30cが端面用パッキン60cにより係止されている。また、端面用パッキン60cのスリット62cの部分が、絶縁体先端面32cと接地電極対向面13cとの間に形成された端面間空間ISとなる。端面間空間ISは、先端側環状空間RS1に連通していると共に、沿面間隙GPが形成される空間に連通する第2の出口孔19cを有している。そのため、図11(a)において矢印で示すように、入口孔11cから先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は、端面間空間IS内に流入し、第2の出口孔19cを介して沿面間隙GPが形成される空間に排出され、その後、火花開口18cから外部空間に排出される。このような冷却流体の流れにより、絶縁体先端面32cが恒常的に冷却されるため、絶縁体30cが高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30cにおけるクラックの発生を抑制することができる。また、絶縁体30cにおける最先端部分(絶縁体先端面32cを含む部分)が径の小さい小径部36cとなっているため、絶縁体30cの内部温度差を低減することができ、絶縁体30cにおけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。
さらに、第2実施例の第2の変形例では、端面用パッキン60cが電極板50としても機能するため、端面用パッキン60cと電極板50とを個別に設ける場合と比較して、部品点数を減少させることができると共に、イグナイタプラグの耐久性の低下を抑制することができる。
(第2実施例の第3の変形例)
図12は、第2実施例の第3の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。図12(a)には、イグナイタプラグの先端部の断面構成を示しており、図12(b)には、後述する段部用パッキン70の後端側から見た平面構成を示しており、図12(c)には、段部用パッキン70の側面構成(図の右側半分)および図12(b)のS4−S4の位置における断面構成(図の左側半分)を示している。
図12に示した第2実施例の第3の変形例は、係止部材による絶縁体30dの係止位置が、図10に示した第2実施例の第1の変形例と異なっており、その他の構成は第2実施例の第1の変形例と同様である。具体的には、第2実施例の第3の変形例では、絶縁体30dの係止位置は、小径部36dと大径部37dとの境界の部分(以下、「段部38」と呼ぶ)の位置である。また、第2実施例の第1の変形例のように電極板50d上に端面用パッキン60は設置されず、代わりに、接地電極10d(接地電極先端部12d)における段部38と対向する面上に、係止部材としての段部用パッキン70が設置される。
図12(b)および図12(c)に示すように、段部用パッキン70は、中央孔74を有する略中空円盤状の部材であり、例えばニッケルを主成分とするニッケル合金により形成されている。段部用パッキン70の後端側表面には、中央孔74と外周縁とを結ぶように径方向に伸びるスリット72が設けられている。また、段部用パッキン70の厚さは、絶縁体30dが段部用パッキン70により係止された状態において、絶縁体先端面32dと接地電極対向面13dとの間に端面間空間ISが形成されるように、調整されている。なお、第2実施例の第3の変形例のように、接地電極対向面13上に平板状の電極板50が設置されている場合には、「絶縁体先端面32と接地電極対向面13との間に端面間空間ISが形成される」とは、実質的には「絶縁体先端面32と電極板50の後端側表面との間に端面間空間ISが形成される」と同義である。
第2実施例の第3の変形例では、上述した第2実施例の第1の変形例と同様に、入口孔11dより先端側の位置(具体的には絶縁体30dの段部38の位置)で絶縁体30dが段部用パッキン70により係止されている。また、絶縁体30dが係止された状態において、絶縁体先端面32dと接地電極対向面13dとの間に端面間空間ISが形成されている。端面間空間ISは、段部用パッキン70のスリット72を介して先端側環状空間RS1に連通していると共に、沿面間隙GPが形成される空間に連通する第2の出口孔19dを有している。そのため、図12(a)において矢印で示すように、入口孔11dから先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は、スリット72を介して端面間空間IS内に流入し、第2の出口孔19dを介して沿面間隙GPが形成される空間に排出され、その後、火花開口18dから外部空間に排出される。このような冷却流体の流れにより、絶縁体先端面32dが恒常的に冷却されるため、絶縁体30dが高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30dにおけるクラックの発生を抑制することができる。また、絶縁体30dにおける最先端部分(絶縁体先端面32dを含む部分)が径の小さい小径部36dとなっているため、絶縁体30dの内部温度差を低減することができ、絶縁体30dにおけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。
さらに、第2実施例の第3の変形例では、絶縁体先端面32dの略全面にわたって端面間空間ISを形成することができるため、上述した第2実施例の第1の変形例のように端面用パッキン60のスリット62部分のみが端面間空間ISとなる場合と比較して、より大きな端面間空間ISを確保することができ、絶縁体30dに対する熱衝撃をより確実に低下させることができ、絶縁体30dにおけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。
(第2実施例の第4の変形例)
図13は、第2実施例の第4の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。図13(a)には、イグナイタプラグの先端部の断面構成を示しており、図13(b)には、後述する段部用緊塞環80の後端側から見た平面構成を示しており、図13(c)には、段部用緊塞環80の側面構成(図の右側半分)および図13(b)のS5−S5の位置における断面構成(図の左側半分)を示している。
図13に示した第2実施例の第4の変形例は、絶縁体30eの係止に用いる係止部材が、図12に示した第2実施例の第3の変形例と異なっており、その他の構成は第2実施例の第3の変形例と同様である。具体的には、第2実施例の第4の変形例では、絶縁体30eの係止位置は第2実施例の第3の変形例と同様に段部38eの位置であるが、係止部材は、段部用パッキン70ではなく電極板50e上に設置された段部用緊塞環80である。
図13(b)および図13(c)に示すように、段部用緊塞環80は、中央孔84を有する略中空円盤状の部材であり、例えばニッケルを主成分とするニッケル合金により形成されている。段部用緊塞環80の後端側表面には、中央孔84と外周縁とを結ぶように径方向に伸びるスリット82が設けられている。また、段部用緊塞環80の厚さは、絶縁体30eが段部用緊塞環80により係止された状態において、絶縁体先端面32eと接地電極対向面13eとの間に端面間空間ISが形成されるように、調整されている。
第2実施例の第4の変形例では、上述した第2実施例の第3の変形例と同様に、入口孔11eより先端側の位置(具体的には絶縁体30eの段部38eの位置)で絶縁体30eが段部用緊塞環80により係止されている。また、絶縁体30eが係止された状態において、絶縁体先端面32eと接地電極対向面13eとの間に端面間空間ISが形成されている。端面間空間ISは、段部用緊塞環80のスリット82を介して先端側環状空間RS1に連通していると共に、沿面間隙GPが形成される空間に連通する第2の出口孔19eを有している。そのため、図13(a)において矢印で示すように、入口孔11eから先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は、スリット82を介して端面間空間IS内に流入し、第2の出口孔19eを介して沿面間隙GPが形成される空間に排出され、その後、火花開口18eから外部空間に排出される。このような冷却流体の流れにより、絶縁体先端面32eが恒常的に冷却されるため、絶縁体30eが高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30eにおけるクラックの発生を抑制することができる。また、絶縁体30eにおける最先端部分(絶縁体先端面32eを含む部分)が径の小さい小径部36eとなっているため、絶縁体30eの内部温度差を低減することができ、絶縁体30eにおけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。また、絶縁体先端面32eの略全面にわたって端面間空間ISを形成することができるため、絶縁体30eに対する熱衝撃をより確実に低下させることができ、絶縁体30eにおけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。
さらに、第2実施例の第4の変形例では、係止部材としての段部用緊塞環80が電極板50e上に設置されるため、段部38eの位置で絶縁体30eを係止する場合であっても電極板50eの体積(面積)の低下を抑制することができ、耐久性の低下を抑制することができる。
(第2実施例の第5の変形例)
図14は、第2実施例の第5の変形例におけるイグナイタプラグの先端部の構成を概略的に示す説明図である。図14(a)には、イグナイタプラグの先端部の断面構成を示しており、図14(b)には、段部用緊塞環80fの後端側から見た平面構成を示しており、図14(c)には、段部用緊塞環80fの側面構成(図の右側半分)および図14(b)のS6−S6の位置における断面構成(図の左側半分)を示している。
図13に示した第2実施例の第5の変形例は、絶縁体30fの段部38fの構成および段部用緊塞環80fの構成が、図13に示した第2実施例の第4の変形例と異なっており、その他の構成は第2実施例の第4の変形例と同様である。具体的には、第2実施例の第5の変形例では、絶縁体30fの段部38fの外周面の軸線OLに対してなす角度が45度以下となっている。また、段部38fの位置で絶縁体30fを係止する係止部材としての段部用緊塞環80fは、軸線OLを含む断面において段部38fの外周面と線接触している。なお、このような構成は、接地電極10fの内部孔に段部用緊塞環80fを挿入した後、絶縁体30fを挿入し、絶縁体30fの段部38fの外周面で、段部用緊塞環80fの後端側部分(スリット82fが形成されている部分)を押圧して径方向外側に座屈変形させることにより、実現可能である。絶縁体30fの段部38fの外周面の角度や、段部用緊塞環80fの形状は、絶縁体30fにより段部用緊塞環80fを座屈変形させた状態において、絶縁体先端面32fと接地電極対向面13fとの間に端面間空間ISが形成されるように、調整されている。
第2実施例の第5の変形例では、上述した第2実施例の第4の変形例と同様に、入口孔11fより先端側の位置(具体的には絶縁体30fの段部38fの位置)で絶縁体30fが段部用緊塞環80fにより係止されている。また、絶縁体30fが係止された状態において、絶縁体先端面32fと接地電極対向面13fとの間に端面間空間ISが形成されている。端面間空間ISは、段部用緊塞環80fのスリット82fを介して先端側環状空間RS1に連通していると共に、沿面間隙GPが形成される空間に連通する第2の出口孔19fを有している。そのため、図14(a)において矢印で示すように、入口孔11fから先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は、スリット82fを介して端面間空間IS内に流入し、第2の出口孔19fを介して沿面間隙GPが形成される空間に排出され、その後、火花開口18fから外部空間に排出される。このような冷却流体の流れにより、絶縁体先端面32fが恒常的に冷却されるため、絶縁体30fが高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30fにおけるクラックの発生を抑制することができる。また、絶縁体30fにおける最先端部分(絶縁体先端面32fを含む部分)が径の小さい小径部36fとなっているため、絶縁体30fの内部温度差を低減することができ、絶縁体30fにおけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。また、絶縁体先端面32fの略全面にわたって端面間空間ISを形成することができるため、絶縁体30fに対する熱衝撃をより確実に低下させることができ、絶縁体30fにおけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。また、係止部材としての段部用緊塞環80fが電極板50f上に設置されるため、段部38fの位置で絶縁体30fを係止する場合であっても電極板50fの体積(面積)の低下を抑制することができ、耐久性の低下を抑制することができる。
さらに、第2実施例の第5の変形例では、絶縁体30fの軸線OL方向に沿った寸法のばらつきを段部用緊塞環80fの変形によって吸収することができるため、寸法の異なる多種類の段部用緊塞環80を準備したり、適切な厚さの段部用緊塞環80を選択したりすることなく、イグナイタプラグの寸法精度を向上させることができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記実施例のイグナイタプラグ100は、いわゆる引き込みサーフェイス型のイグナイタプラグであったが、本発明は他のタイプのイグナイタプラグにも適用可能である。図15は、変形例におけるイグナイタプラグ100gの構成を概略的に示す説明図である。図15に示した変形例におけるイグナイタプラグ100gは、いわゆる全沿面型のイグナイタプラグである。この変形例のイグナイタプラグ100gおいても、絶縁体30gの先端側の端面と、当該端面に対向する接地電極10gの表面との間に端面間空間ISが形成されている。そのため、図15に示す変形例のイグナイタプラグ100gにおいても、入口孔11gから先端側環状空間RS1に供給された冷却流体の一部は端面間空間IS内に流入し、沿面間隙GPが形成される空間に排出される。このような冷却流体の流れにより、絶縁体30gの端面が恒常的に冷却されるため、絶縁体30gが高温状態から急冷されることがなく、絶縁体30gにおけるクラックの発生を抑制することができる。
C2.変形例2:
上記実施例におけるイグナイタプラグ100の構成や絶縁体30の固定方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記第1実施例では接地電極先端部12上に電極板50が設置されていないが、第1実施例においても第2実施例と同様に接地電極先端部12上に電極板50が設置されているとしてもよい。また、絶縁体30を接地電極10に固定するときに、必ずしも充填粉末45を加熱する必要はない。また、絶縁体30と接地電極10との固定方法は、上記実施例に記載した方法に限られず、溶接を用いた方法や、ガラスシールによる方法、ロウ付けによる方法といった他の固定方法を採用することも可能である。また、上記実施例では、絶縁体先端面32や接地電極対向面13、段部38の外周面等は、軸線OLに垂直な面ではないとしているが、各面が軸線OLに垂直な面であるとしてもよい。
C3.変形例3:
上述した実施形態、実施例および変形例における構成要素のうち、独立請求項に記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略、または、組み合わせが可能である。
10…接地電極
11…入口孔
12…接地電極先端部
13…接地電極対向面
14…第1の出口孔
18…火花開口
19…第2の出口孔
20…中心電極
22…中心電極先端面
30…絶縁体
31…軸孔
32…絶縁体先端面
36…小径部
37…大径部
38…段部
39…中央胴部
40…固定部
41…押さえ金
42…パッキン
43…パッキン
44…パッキン
45…充填粉末
46…押さえ金後端部
50…電極板
60…端面用パッキン
62…スリット
64…中央孔
70…段部用パッキン
72…スリット
74…中央孔
80…段部用緊塞環
82…スリット
84…中央孔
100…イグナイタプラグ
GP…沿面間隙
IS…端面間空間
RS1…先端側環状空間
RS2…後端側環状空間

Claims (10)

  1. 中心電極と、軸方向に延伸する軸孔を有すると共に前記中心電極を内部に収容する絶縁体と、前記絶縁体の外周面の少なくとも一部との間に第1の空間が形成されるように前記絶縁体を内部に収容する接地電極と、を備えるイグナイタプラグにおいて、
    前記接地電極は、前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極先端部を有し、
    前記間隙側を前記軸方向に沿った先端側としたとき、前記接地電極は、前記第1の空間に冷却流体を供給する入口孔と、前記入口孔より前記先端側で、かつ、前記接地電極先端部の内周縁よりも径方向外側に位置し、前記冷却流体を排出する第1の出口孔と、を有し、
    前記絶縁体の前記先端側の端面である絶縁体端面と、前記軸方向に沿って前記絶縁体端面に対向する前記接地電極の面である接地電極対向面との間に、前記第1の空間に連通するとともに、冷却流体を排出する第2の出口孔を有する第2の空間が形成されている、イグナイタプラグ。
  2. 請求項1に記載のイグナイタプラグにおいて、
    前記軸方向に沿って前記絶縁体と前記接地電極との間に挟まれるように配置され、前記入口孔より前記先端側の所定の係止位置において前記先端側への前記絶縁体の前記接地電極に対する相対移動を規制する係止部材を備え、
    前記係止部材は、前記係止位置に、径方向に伸びるスリットを有する、イグナイタプラグ。
  3. 請求項2に記載のイグナイタプラグにおいて、
    前記係止位置は、前記絶縁体端面の位置であり、
    前記係止部材は、前記接地電極の融点以上の融点を有する金属で形成されている、イグナイタプラグ。
  4. 請求項2に記載のイグナイタプラグにおいて、
    前記絶縁体は、前記絶縁体端面を含む第1部分と、前記第1部分より径の大きい第2部分と、を有し、
    前記係止位置は、前記第1部分と前記第2部分との境界の段部の位置である、イグナイタプラグ。
  5. 請求項4に記載のイグナイタプラグにおいて、
    前記段部の外周面の前記軸方向に対してなす角度は45度以下であり、
    前記係止位置における前記係止部材は、前記軸を含む断面において前記段部の外周面と線接触している、イグナイタプラグ。
  6. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のイグナイタプラグにおいて、さらに、
    前記接地電極の融点以上の融点を有する材料を用いて前記接地電極対向面上に設けられた電極板を備え、
    前記係止部材は、前記電極板上に設置される、イグナイタプラグ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のイグナイタプラグにおいて、
    前記第2の空間の前記軸方向に沿った距離は0.25mm以下である、イグナイタプラグ。
  8. 請求項7に記載のイグナイタプラグにおいて、
    前記第2の空間の前記軸方向に沿った距離は0.15mm以下である、イグナイタプラグ。
  9. 請求項1に記載のイグナイタプラグを製造する方法において、
    充填粉末およびかしめを利用して前記絶縁体と前記接地電極とを固定する工程を備え、
    前記固定する工程は、前記充填粉末を加熱する工程を含む、方法。
  10. 請求項1に記載のイグナイタプラグを製造する方法において、
    前記接地電極の前記接地電極対向面上に可燃性パッキンを設置する工程と、
    前記絶縁体端面が前記可燃性パッキンの表面に接触する位置まで、前記接地電極の内部に前記絶縁体を挿入する工程と、
    前記可燃性パッキンを焼失させることにより、前記可燃性パッキンが占めていた空間を前記第2の空間とする工程と、を備える、方法。
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