JP2013016239A - 光記録媒体の試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】再現性がよく、効率的で精度の高い光記録媒体表面の耐クリープ性を評価する試験方法を提供する。
【解決手段】平滑な台座13上に光記録媒体1を載置し、その上に不織布2を置き、更に、前記不織布2を介して前記光記録媒体1に所定時間、所定の荷重を加える荷重工程を有し、前記荷重工程の際の前後において、前記光記録媒体1の記録再生特性を測定することにより、光記録媒体の表面の耐クリープ性を評価する試験方法であって、前記荷重工程において前記光記録媒体1を加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光記録媒体の試験方法に関し、より詳しくは、光記録媒体の表面の耐クリープ性の試験方法に関する。
近年、光記録媒体の高密度化が進み、従来のDVDよりも大幅に記録密度が増加したブルーレイディスクが実用化されている。ブルーレイディスクでは、基板上に設けられた記録層上に、100μm程度の光透過層を設けることが一般的である。記録再生はこの光透過層表面側からレーザーを入射させることにより行うこととなる。
ブルーレイディスクの光透過層は通常、紫外線硬化性樹脂材料で形成されることが一般的であり、レーザー光入射面がポリカーボネート基板からなるDVDに比べ、より柔らかく変形しやすい傾向にある。従って、ユーザーの使用状況により、光透過層表面に長時間荷重のかかった状態で保存される場合、光透過層表面が不可逆に変形するクリープが生じてしまうことにより、記録再生特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
一般に、スリムケースと呼ばれる樹脂製のケース等に保管する場合や、スピンドルケースと呼ばれる光記録媒体を積み重ねた状態で保管する場合は、ケースの構造や光記録媒体自体の構造により、光透過層表面に荷重がかからない工夫がなされているが、他の一般的な保管方法として、光記録媒体を一枚ずつ不織布製の袋状の収容具に入れた状態で、さらに複数枚重ね合わせて保管するユーザーも多い。このような不織布が光透過層表面に触れた状態で荷重がかかった場合、微視的には不織布表面は平坦ではないため、光透過層表面に多数の凹んだ痕(以下、不織布痕と呼ぶことがある)が発生する傾向にある。不織布痕が発生した状態で、記録再生を行った場合、光透過層の光学的な均一性が損なわれていることになるため、正確な情報の記録もしくは再生が行えず、エラーが発生してしまうこととなる。
このような事態を避けるためには、光透過層を耐クリープ性の高い材料で形成することが求められてきている(例えば、特許文献1参照)。つまり、不織布痕が発生し光透過層表面が変形したとしても、荷重から解放された後、速やかに変形が元に戻るのであれば、記録再生特性に悪影響を及ぼさないからである。
このような光透過層を開発するためには、光透過層表面の耐クリープ性を正確に評価することが必要であるため、再現性の高い、精密かつ効率的な測定方法の確立が望まれている。
特開2009−271970号公報
本発明は、このような光記録媒体表面の耐クリープ性の精密で効率的な評価を実現するべくなされたものである。
即ち、本発明の目的は、再現性がよく、効率的で精度の高い光記録媒体表面の耐クリープ性を評価する試験方法を提供することにある。
かかる課題を解決すべく、本発明の要旨は下記に存する。
(1)本発明の耐クリープ性試験方法は、平滑な台座上に光記録媒体を載置し、その上に不織布を置き、更に、前記不織布を介して前記光記録媒体に所定時間、所定の荷重を加える荷重工程を有し、前記荷重工程の前後において、前記光記録媒体の記録再生特性を測定することにより、光記録媒体の表面の耐クリープ性を評価する試験方法であって、前記荷重工程において前記光記録媒体を加熱することを特徴としている。
(2)また、前記荷重工程は、所定重量の錘を前記不織布上に載置することにより行うことが好ましい。
(3)また、前記荷重工程において、前記光記録媒体の加熱終了後、前記光記録媒体の温度が常温に下がってから荷重を解除することが好ましい
(4)また、前記光記録媒体を加熱した状態における、光記録媒体表面の最高到達温度が60℃以上であることが好ましい
(5)また、前記荷重工程における前記所定時間が10分以内であることが好ましい
(6)また、前記荷重工程における前記光記録媒体の加熱は、耐クリープ性の比較を行う一連の試験において、各々の光記録媒体の表面温度履歴がほぼ一定となるように行なうことが好ましい。
本発明によれば、光記録媒体表面の耐クリープ性を短時間で、再現性よく評価することが可能である。
本発明の一実施形態に係る耐クリープ性の試験方法を説明する模式図である。(a)は、本発明の一実施形態に係る試験装置の構成を示す上方から見た斜視図であり、(b)は本発明の一実施形態に係る試験装置の構成を示す側面図である。 低荷重常温長時間不織布痕テストを説明する試験装置の模式的側面図である。 高荷重常温短時間不織布痕テストを説明する試験装置の模式的側面図である。 本発明の試験方法が適用される光記録媒体の層構成を説明する模式的断面図であり、(a)は第一例を、(b)は第二例を示す。 本実施形態の一例に係る耐クリープ性試験方法を説明するためのフローチャートである。 実施例に係る光記録媒体の層構成を説明する模式的断面図である。 (a)は比較例1の試験方法においてエラーレートの測定結果を示す図であり、(b)は比較例2の試験方法においてエラーレートの測定結果を示す図であり、(c)は実施例1の試験方法においてエラーレートの測定結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、発明の実施の形態ともいう。)について詳述する。しかしながら、本発明は、以下の発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変更して実施することができることはいうまでもない。
[1.光記録媒体表面の耐クリープ性試験方法]
本発明は光記録媒体の耐クリープ性を評価する試験方法に関わるものであり、平滑な台座上に光記録媒体を載置し、その上に不織布を置き、更に、不織布を介して光記録媒体を所定時間、所定の荷重を加える荷重工程を有し、荷重工程の前後において、光記録媒体の記録再生特性を測定することにより、光記録媒体の表面の耐クリープ性を評価する試験方法であって、荷重工程において前記光記録媒体を加熱するものである。
従来の光記録媒体表面の耐クリープ性の試験の一例を図2に示す。この試験方法では、実際のユーザーの使用条件に合わせるため、平坦な台座23の上に光記録媒体1を置き、次に光記録媒体1の上に不織布2を置き、さらに錘21を不織布2上に載置した状態で120gの荷重をかけ、所定時間放置する。錘21は、固定用磁石22を介して、不織布2上に載置する。必要に応じて、光記録媒体1と台座23との間に、光記録媒体のスタックリングを避けるための、光記録媒体のレプリカ3を用いる。ここで、荷重をかけておく時間は、常温で少なくとも1日以上、長い場合は5〜10日間とするのが一般的な試験方法(以下、低荷重常温長時間不織布痕テストともいう)であった。
上記試験を行う前に、予め光記録媒体1にデータの書き込みを行い、上記の構成により光記録媒体1に荷重を加える前と後の記録再生特性の測定と比較を行うことで、耐クリープ耐性の評価を行っている。
従来の試験方法(低荷重常温長時間不織布痕テスト)では、耐クリープ性の評価に長時間を費やすことになり、生産効率がはなはだ低いことになり好ましくないという課題を有していた。
そこで、本発明者は、図3に示すような試験方法(以下、高荷重常温短時間不織布痕テストともいう)により評価を試みた。この試験方法では、平坦な台座34の上に光記録媒体1を置き、次に光記録媒体1の上に不織布2を置き、さらに錘31を不織布2上に載置した状態で光記録媒体1に5kgの荷重をかけ、5分間放置する方法をとった。錘31と光記録媒体1との間に、錘31の荷重を均一に分散させるため、シリコンゴム(12φmm)32を用い、また、シリコンゴム32が不織布2の硬さに負けるのを避けるため、0.1mm厚のステンレス板(12φmm)33を介して錘31を載置した。必要に応じて、光記録媒体1と台座34との間に、光記録媒体のスタックリングを避けるための、光記録媒体のレプリカ3を用いた。また、錘31を支えるための支持部材35を用いた。
低荷重常温長時間不織布痕テストと同様にして、予め光記録媒体1にデータの書き込みを行い、上記の構成により光記録媒体1に荷重を加える前と後の記録再生特性の測定と比較を行うことで、耐クリープ耐性の評価を行った。
高荷重常温短時間不織布痕テストは、錘の荷重を大きくして放置時間を短くする試験方法であるが、この方法では光記録媒体を構成する材料の特性を反映した、信頼性のある評価結果を得ることができなかった。
次に、本発明者は、光記録媒体を加熱して、高温状態で荷重を加える試験方法(以下、低荷重高温短時間不織布痕テストともいう)を試みたところ、荷重時間が短時間であっても信頼性の高い評価結果を得ることを見出し、本願発明に到達した。
光記録媒体を加熱して、高温状態で荷重を加えることにより、荷重時間が短時間であっても信頼性の高い評価結果を得ることが出来る理由は、光記録媒体を加熱することによって、光記録媒体表面を構成する材料の弾性率が低下し、短時間でも常温で長時間放置した場合と同様の状態が再現できているものと推定される。
[2.光記録媒体の構成]
図4は、本発明の試験方法が適用される、光記録媒体を説明する模式的断面図である。
本発明の試験方法が適用される光記録媒体は、図4(a)に示すように、少なくとも基板111上に、データを記録する記録層113、記録層113を保護するためのカバー層114をこの順に有し、レーザー光130が記録層113及びカバー層114側から入射する、膜面入射型の光記録媒体110の構造を有している。
本発明の試験方法が適用される光記録媒体は、上記の構造を具備するものであれば、上記各層以外に、適宜必要な層を有していてもよい。例えば、図4(b)に示すように、膜面入射型の光記録媒体120において、基板111の一面上に、カバー層114側から入射するレーザー光130を反射させる反射層112を有していてもよく、カバー層114上にハードコート層115を有していてもよく、また、基板111に対して反射層112等とは反対側の基板111の他面上に、印刷受容層117との接着性を高め、画像の発色性や光沢を向上させるための下地層116と、文字や画像が印刷記録される印刷受容層117とが積層形成された構造を有していてもよい。
また、例えば、記録層を2つ有する2層式の層構成をとってもよい。2層式の層構成の場合、基板の上に他の層を介して順に記録層を積層してもよいが、少なくとも記録層を1層ずつ設けた2枚の基板を貼り合わせて1枚の光記録媒体を形成してもよい。2枚の基板を貼り合せるときには、貼り合せる面に接着層を設けてもよい。また、3層式以上の層構成であってもよい。
なお、膜面入射型の光記録媒体110、120において、記録層113上に設けられたカバー層114を光透過層118という。カバー層114上にさらにハードコート層115を有する場合には、カバー層114とハードコート層115をあわせて光透過層118という。
本発明は特に、光透過層が薄く、耐クリープ性が低いブルーレイディスクに好適に用いることが出来る。
[3.本実施形態の構成]
図1に、本願発明の一実施形態に係る耐クリープ性の試験方法を説明する模式図を示す。図1(a)は、本発明の一実施形態に係る構成を示す上方から見た斜視図であり、図1(b)は本発明の一実施形態に係る構成を示す側面図である。
まず、光記録媒体1を、耐クリープ性の評価を行いたい面を上にして、平滑な台座13上に載置する。ここで、平滑とは、載置した光記録媒体自身の荷重が、光記録媒体全面にほぼ均一にかかるようであればよく、鏡面のような厳密な平滑性は不要である。また、台座13の表面は、光記録媒体が移動しないように水平に保たれていることが好ましい。台座13の大きさは、光記録媒体全面が台座表面に載置されるよう、光記録媒体1よりも大きい方が好ましい。
台座13としては本実施形態では、台を加熱することが出来るホットプレート(サーモプレート)であるが、上記の通り光記録媒体を載置するものであれば適宜用いることが出来る。
光記録媒体1が図示しないスタックリングと呼ばれる突部を有する場合には、光記録媒体を台座13に置いた際に、光記録媒体1がスタックリングを介して台座13と接することで、台座13と光記録媒体1との間に空隙が生じることがある。この空隙に起因して、光記録媒体13へ荷重をかけた際に光記録媒体1の変形や、荷重のぐらつきが発生するおそれがある。このため、光記録媒体1の直径よりも大きい直径を有する円盤であって、スタックリングよりも大きい直径の孔を中心に備える光記録媒体のレプリカ3を用いることが好ましい。台座13の上に光記録媒体のレプリカ3を置き、その上に光記録媒体1を載置することで、光記録媒体1のスタックリングが光記録媒体のレプリカ3の孔に収まることになる。これにより、光記録媒体1の下面が光記録媒体のレプリカ3と面で接することになり、また光記録媒体のレプリカ3も台座13と面で接することから、安定した試験が可能となる。なお、台座13からの光記録媒体1の加熱を考慮して、光記録媒体のレプリカ3は熱伝導性に優れる素材からなることが好ましい。
次に載置した光記録媒体1上に、不織布2を置く。ここで用いる不織布2の材質及び厚み等は、通常光記録媒体の収容具として用いられる封筒形の不織布と同等のものが好ましい。不織布2は光記録媒体1の全面を覆うように置いてもよいが、少なくとも荷重をかける箇所が覆われていればよいため、図1に示すように、少なくとも光記録媒体1と後述の錘11及び固定用磁石12とが接する部分が覆われていればよい。
なお、ここでは、実際の使用状況を考慮して不織布を用いているが、表面に微細な凹凸を有するものを光記録媒体上に置けばよく、例えばブラスト加工されたプラスチック製、ガラス製、又は金属製の板材を用いてもよい。
更に、不織布2の上に、所定重量の錘11を置く。錘11の光記録媒体1上への荷重の位置は適宜定めることができるが、予め光記録媒体1の所定の領域にデータの書き込みを行い、この書き込まれたデータ領域4に対応した位置に、錘11を置くことが好ましい。
錘11は、錘を不織布2上に載置した場合に、不織布2に接する部分がある程度の平面形状を有し、錘が安定した状態で不織布2上に載置できる形状、大きさであればよい。
錘11の荷重は適宜決定すればよいが、10g以上が好ましく、更に好ましくは20g以上、また、500g以下が好ましく、更に好ましくは200g以下である。当然ながら、一連の試験において錘の荷重は一定とする。荷重が上記範囲の下限を下回ると、光透過層表面に不織布痕を付けるための時間が長くなり生産効率が低下する場合がある。また、荷重が上記範囲の上限を上回ると、信頼性の高い評価結果が得られ難い。
不織布2に接する部分の錘の面積は、錘のサイズ、荷重により適宜決定すればよいが、光記録媒体に荷重した部分の記録再生特性の測定を行う必要があり、ある程度安定した状態を保つ必要があるため、通常半径5mm以上あることが好ましい。
上記を単位面積当たりの荷重で表現すると、20g/cm以上が好ましく、更に好ましくは50g/cm以上である。また、500g/cm以下が好ましく、更に好ましくは300g/cm以下である。
錘は上記荷重及び形状を有するものであれば任意に組み合わせて構成することが出来る。例えば、不織布と接する部分に固定用磁石12を置き、固定用磁石12の上に錘11を置くようにしてもよい。この場合、固定用磁石12と錘11の合計重量が上記の荷重の範囲を満たすものであれば良く、また、不織布2と固定用磁石12とが接する部分が上記の面積を満たすものであればよい。
なお、本実施形態では錘11を不織布2の上に置くことで荷重をかけているが、不織布2の上から一定の荷重を、所定の時間(期間)かけることができれば荷重を加える方法は問わない。例えば加圧量を調節可能なアームで押すことで荷重をかけたり、クランプで加圧量を調節して固定することで荷重をかけたりしてもよい。
[4.本実施形態の試験方法]
(光記録媒体の加熱について)
本願発明の耐クリープ性試験方法では、荷重工程において光記録媒体の加熱を行う。すなわち、錘を不織布上に載置した状態で所定時間放置する際に、光記録媒体を加熱する。荷重工程において光記録媒体を加熱することによって、光記録媒体表面を構成する材料の弾性率が低下し、短時間でも常温で長時間放置した場合と同様の状態を再現することができると考えられる。
光記録媒体の加熱は、前記所定時間の全てにおいて行われなくともよく、いずれかの時点で加熱された状態が実現されていればよい。
加熱時の光記録媒体の表面の最高到達温度は、放置時間とも関連するが、40℃以上が好ましく、更に好ましくは50℃以上、特に好ましくは60℃以上である。放置時間内における光記録媒体の表面温度は一定である必要は無く、温度変動があってもよいが、耐クリープ性の比較を行う一連の試験において、各々の光記録媒体の表面温度の変化を表わす表面温度履歴はほぼ一定となるようにすることが好ましい。荷重工程の放置時間は、1分以上が好ましく、更に好ましくは3分以上、特に好ましくは5分以上である。放置時間が長いほど、試験に要する時間が長くなるため、好ましくは30分以下、更に好ましくは10分以下である。
加熱の方法は、上記の範囲の温度を満たす方法であれば任意に用いることが出来る。本実施形態では、ホットプレートにより加熱を行っているが、温風の吹き付けや、赤外線の照射を行ってもよく、光記録媒体を含む測定系の雰囲気の温度を高温に保つことで加熱を行ってもよい。光記録媒体への均一な加熱を簡便に行うという点からは、ホットプレートを用いることが好ましい。
なお、光記録媒体の加熱後は、光記録媒体の温度が常温に下がってから、荷重を解除することが好ましい。光記録媒体を構成する材料によっては、光記録媒体の加熱中に荷重を外すと、荷重を外した瞬間に不織布痕が消える場合があるためである。一方、光記録媒体の温度が常温に下がってから荷重を外すことで、どのような光記録媒体を構成する材料であっても不織布痕がついたたままとなることで、耐クリープ性を正当に評価することが可能となる。ここで、「常温」とは光記録媒体の一般的な使用、保存に適した温度であり、例えば25℃程度である。
荷重の解除は、光記録媒体の温度を測定して、測定温度が常温まで下がったのを確認してから行ってもよいが、予め加熱方法、加熱温度、光記録媒体の種類等の加熱状況に応じて、光記録媒体の温度が常温に下がるまでに必要な時間を計測し、加熱を終了してから必要な時間が経過した後に荷重を解除してもよい。また、ホットプレートにより加熱を行う場合には、ホットプレートに内蔵されている温度センサにより測定される、ホットプレートの温度が常温に下がってから荷重を解除してもよい。
(記録再生特性の測定について)
本願発明の耐クリープ性試験方法では、予め光記録媒体にデータの書き込みを行い、荷重工程の際の前後において、前記光記録媒体の記録再生特性を測定し、この記録再生特性から耐クリープ性の評価を行う。
光記録媒体上の、荷重工程を行った箇所を含むトラックについて、荷重工程の前後で記録再生特性を測定し、その変化の度合いの大小によって、耐クリープ性の評価が可能となる。これは、光透過層が荷重により変形することで、光記録媒体の光学的な特性が変化し、記録再生特性に悪影響を与えるためである。
ここで、記録再生特性は従来公知の記録再生特性を用いればよい。例えば、エラーレート特性、ジッター特性等である。なお、耐クリープ性の評価としては、光学式の表面欠陥測定装置等によって評価を行ってもよく、目視により不織布痕を確認して評価を行ってもよい。上記の耐クリープ性の評価の中でも、光記録媒体の総合的な光記録再生特性であり、簡便で信頼性の高い測定結果が得られるエラーレート特性を用いることが好ましい。
光記録媒体へのデータの書き込みは、任意のデータを書き込むことが可能であり、また書き込みの領域及び位置は適宜選択することが出来る。光記録媒体のデータを書き込んだ箇所に安定した状態で荷重をかけることを考慮して、直径120mmの光記録媒体の場合は、光記録媒体の半径30mm〜50mmに記録を行うことが好ましい。
また、荷重工程直後に記録再生特性を測定し、測定後に放置してから再度記録再生特性の測定を行うことで、耐クリープ性の評価を行ってもよい。荷重工程後の記録再生特性の評価は、荷重工程後の放置時間を変更して測定することで、放置により荷重工程前の記録再生特性に回復する時間を把握し、耐クリープ性の詳細な比較を行うこともできる。これは、光記録媒体が荷重を受けた場合に、荷重を解除してからの光透過層は時間の経過に伴い復元するので、荷重工程直後は変形が大きくとも、その後速やかに復元する光記録媒体は、実用上の耐クリープ性が優れている可能性があるからである。
(耐クリープ性試験方法の手順について)
次に、上述の如く構成された本実施形態の一例としての耐クリープ性試験方法を、図5に示すフローチャートに従って説明する。
まず、光記録媒体にデータの書き込みを行い(ステップS101)、エラーレート特性の測定を行う(ステップS102)。このとき、光記録媒体の温度は常温とする。
次に、光記録媒体を台座上に置き(ステップS103)、光記録媒体の上に不織布を置く(ステップS104)。さらに不織布の上に錘を置き(ステップS105)、光記録媒体の加熱を行う(ステップS106)。
所定時間経過後に加熱を停止し(ステップS107)、光記録媒体の温度が常温に降下するまで、錘を載せたまま静置する(ステップS108)。
光記録媒体の温度が常温に降下したら、錘を取り除き(ステップS109)、2度目のエラーレート特性の測定を行う(ステップS110)。エラーレート特性の測定後に、所定の時間放置してから(ステップS111)、3度目のエラーレート特性の測定を行う(ステップS112)。
こうして、何れも常温(同一の温度)の下で得られた3度のエラーレート特性の測定結果に基づいて、耐クリープ性の評価を行う(ステップS113)。
2度目以降のエラーレート特性の測定においては、都度記録をやり直してもよいが、耐クリープ性の評価においては、最初に記録したデータの再生のみを行うことによってエラーレートを測定するのが好ましい。
以下に、本発明の具体的態様を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
(光記録媒体)
実施例及び比較例1,2においては、3種類の光記録媒体A〜Cを準備した。3種類の光記録媒体は、耐クリープ性を異ならせるため、カバー層を形成する紫外線硬化性樹脂材料を変更したこと以外は、図6の基本構成を有する同一の層構成を有している。これらの光記録媒体210は、いわゆる膜面入射型の、追記型のブルーレイディスクであり、円盤状のポリカーボネート基板211上に、複数のスパッタ製膜工程を経て無機膜からなる反射膜212、追記型記録膜213等を形成し、記録再生光入射側の最表面に光透過層216を形成した。光透過層216は、96μm程度のカバー層214と、4μm程度のハードコート層215からなり、順にスピンコートで塗布し、UV光を照射して硬化することで形成した。前述の通り、3種類の光記録媒体においてカバー層214の材料のみを変更した。
3種類の光記録媒体表面の、鉛筆硬度を測定した結果を表1に示す。なお、鉛筆硬度はハードコート層が付いた状態で測定した。
Figure 2013016239
光記録媒体A〜Cの半径38mm〜39mmの位置に幅1mmに亘ってデータの書き込みを行った。エラーレートの測定を行った後、以下の3通りの荷重工程を行った。なお、比較例1は従来の測定法である上述の低荷重常温長時間不織布痕テストに対応し、比較例2は高荷重常温短時間不織布痕テストに対応し、実施例1は本願発明の低荷重高温短時間不織布痕テストに対応する荷重工程である。
(比較例1)
光記録媒体A〜Cを光透過層の面を上向きにして平坦な机上に置き、その上に光記録媒体全面を覆う不織布を置き、更にその上に重さ120gの錘を、不織布との接触部が直径12mmの円形になるように、光記録媒体上の半径38mmの位置に載置した。その後、常温で3日間放置し、錘を取り去った。放置時間を3日間とした理由は以下の通りである。放置時間が2日以内の場合、光記録媒体Aにおいては、荷重解放直後の不織布痕が不均一に発生しており、3日間放置することで、荷重解放直後の3種類の光記録媒体に、ほぼ同様の不織布痕が発生することを確認したためである。
(比較例2)
錘の重さを5kg、放置時間を5分としたこと以外は、比較例1と同様の工程を行った。5kgとした理由は、4kgまででは、光記録媒体Aでは、明確な不織布痕が発生しなかったためである。
(実施例1)
光記録媒体A〜Cを、加熱冷却が可能なサーモプレート(アズワン社製、TP−80)上に、60℃に加熱した状態で置き、その上に光記録媒体全面を覆う不織布を置き、重さ120gの錘を、不織布との接触部が直径12mmの円形になるように、光記録媒体上の半径38mmの位置に載置した。その後、サーモプレートの設定温度を60℃一定のまま、5分間放置し、5分後に加熱を中止し、サーモプレートの設定温度を25℃に変え冷却を行い、表示温度が25℃に至ってから1分間後に、錘を取り去った。
(耐クリープ性の評価)
上記荷重工程を行う前の状態で、光記録媒体A〜Cの半径38〜39mmでのエラーレート特性を測定しておき、比較例1、2及び実施例1の荷重工程を行った後の各3枚の光記録媒体について、錘を取り去った時点から5分後及び60分後のエラーレート特性の測定を、全て同一半径で行った。これらの結果を表2に示す。
Figure 2013016239
また、上記の荷重工程前のエラーレート、荷重工程後5分後及び60分後のエラーレートのデータをグラフとして図7(a)〜(c)に示す。比較例1、比較例2、実施例1の結果がそれぞれ、図7(a)、図7(b)、図7(c)に対応する。
図7(a)から、すべての光記録媒体は、荷重解放後5分では、荷重工程前に比べエラーレートが大きく劣化しており、更に荷重解放後60分ではエラーレートがやや改善する傾向にあることが判る。これは、荷重をかけられていた部分の光透過層が変形することにより光学的な特性が変化するためにエラーレートが劣化するが、時間経過とともに変形していた箇所が元の状態に復元していく傾向にあり、それに伴ってエラーレートが改善していく様子を示していると言える。
ここで、光記録媒体による相違に着目すると、エラーレートの復元度合は、光記録媒体Cが最も優れており、ついで光記録媒体B、最後に光記録媒体Aとなる。一般に、耐クリープ性は、光記録媒体表面が柔らかい方が優れている傾向にあり、上記結果は表面硬度の測定結果に合致したものと言える。
次に、図7(a)と図7(b)を比較すると、比較例2においては、光記録媒体Bの荷重解放後5分のエラーレートの変化は、比較例1と同様に大きな劣化が見られたが、光記録媒体Aと光記録媒体Cの荷重解放後5分のエラーレートの変化は、比較例1と比べて少ないという結果が得られた。さらに、荷重解放後60分では、光記録媒体Bのエラーレートの改善が見られた。結果として、比較例2において60分経過後のエラーレートは光記録媒体Cが最も大きくなった。従来の耐クリープ性試験方法である比較例1と比べると、比較例2の方法では、光記録媒体A〜C間の優劣を正確に評価できているとは言い難いことが判る。
これは、高荷重で短時間の荷重を行う比較例2では、光記録媒体を構成する素材によっては短時間の荷重では光透過層の変形が生じにくい場合があるためであると考えられる。このため、高荷重常温短時間の荷重工程では、実際の使用状況に対応する耐クリープ性を反映した記録再生特性の変化が得られていないものと考えられる。
これに対して、図7(c)に示す本願発明の試験方法(実施例1)では、荷重解放後5分のエラーレート特性、及び荷重解放後60分のエラーレート特性の変化は、比較例1の場合とほぼ同様の傾向が得られており、表面硬度の測定結果と同様の傾向を示し、耐クリープ性の試験方法として正しい結果が得られていると言える。つまり、荷重工程において光記録媒体を加熱することにより、短時間で精度の高い耐クリープ性の試験が可能となったものと言える。
1 光記録媒体
2 不織布
3 光記録媒体のレプリカ
4 データ領域
11、21、31 錘
12、22 固定用磁石
13、23、34 台座
32 シリコンゴム
33 ステンレス板
35 支持部材
110、120 光記録媒体
111 基板
112 反射層
113 記録層、
114 カバー層
115 ハードコート層
116 下地層
117 印刷受容層
118 光透過層
130 レーザー光
210 光記録媒体
211 ポリカーボネート基板
212 反射膜
213 追記型記録膜
214 カバー層
215 ハードコート層
216 光透過層

Claims (6)

  1. 平滑な台座上に光記録媒体を載置し、その上に不織布を置き、更に、前記不織布を介して前記光記録媒体に所定時間、所定の荷重を加える荷重工程を有し、
    前記荷重工程の前後において、前記光記録媒体の記録再生特性を測定することにより、光記録媒体の表面の耐クリープ性を評価する試験方法であって、
    前記荷重工程において前記光記録媒体を加熱する
    ことを特徴とする耐クリープ性試験方法。
  2. 前記荷重工程は、所定重量の錘を前記不織布上に載置することにより行う
    ことを特徴とする、請求項1に記載の耐クリープ性試験方法。
  3. 前記荷重工程において、前記光記録媒体の加熱終了後、前記光記録媒体の温度が常温に下がってから荷重を解除する
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の耐クリープ性試験方法。
  4. 前記光記録媒体を加熱した状態における、光記録媒体表面の最高到達温度が60℃以上である
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の耐クリープ性試験方法。
  5. 前記荷重工程における前記所定時間が10分以内である
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の耐クリープ性試験方法。
  6. 前記荷重工程における前記光記録媒体の加熱は、耐クリープ性の比較を行う一連の試験において、各々の光記録媒体の表面温度履歴がほぼ一定となるように行なう
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の耐クリープ性試験方法。
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